JP4882163B2 - アルカリ亜鉛電池用正極およびアルカリ亜鉛電池 - Google Patents

アルカリ亜鉛電池用正極およびアルカリ亜鉛電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池およびこの電池に用いる電池用正極に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型の携帯用電子機器、とりわけ、携帯用ゲーム機、デジタルカメラの普及は非常にめざましい。今後もますますその普及が予想され、それに伴って、電源となる電池の需要も急速に拡大すると考えられる。現在、これらの機器には単3サイズの円筒形電池が主に使用されているが、こうした電子機器は一般に作動電圧が高く、かつ大電流を必要とするため、その電源としては重負荷での放電特性に優れていなければならない。
【0003】
この要求を満たす電池の中で最も普及しているのは、二酸化マンガンを正極、亜鉛を負極に使用し、電解液に高濃度アルカリ水溶液を使用したアルカリマンガン電池である。この電池は二酸化マンガン、亜鉛ともに安価であり、また、単位重量当たりのエネルギー密度が高いことから、小型携帯用電子機器用の電源をはじめ、幅広く用いられている。
【0004】
こうした小型携帯用機器での使用を鑑み、アルカリマンガン電池は更なる重負荷放電特性の向上を目指すべく、電池材料からその電池構成に至るまで、現在までに数多くの改良がなされてきた。しかしながらこの電池系は、正極活物質である二酸化マンガンの放電が均一固相反応であるために、放電によって電圧が徐々に低下し、右下がりの放電曲線を描く。このため、上述したような、高電圧、大電流を必要とする小型携帯用電子機器においては、こういったアルカリマンガン電池の放電挙動では基本的に僅かしか許容できず、機器の使用可能時間は、様々な改良がなされた現在においてもごく僅かでしかない。加えて、小型携帯用電子機器は、いずれもその市場投入初期は比較的高電圧、大電流で作動する傾向があり、今後そういった新規の機器にも対応可能な、より重負荷特性に優れた電池が必要不可欠である。
【0005】
このような要求を満たす電池として、ニッケル亜鉛電池が従来より提案されてきた。この電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極に亜鉛を使用した電池であり、アルカリマンガン電池よりも作動電圧の高い、重負荷特性に優れた電池である。
【0006】
オキシ水酸化ニッケルには、ベータ型オキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)と、ガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)の二種類ある。ベータ型オキシ水酸化ニッケルの真密度は4.68g/cm3 であり、ガンマ型オキシ水酸化ニッケルの真密度3.79g/cm3 より高いという特徴を有している。
しかし、ベータ型オキシ水酸化ニッケルは、ガンマ型オキシ水酸化ニッケルに比べて、酸素発生が生じやすく自己放電が大きい、すなわち保存劣化が著しいという問題を抱えていた。
【0007】
この問題を解決する方法としては、例えば特開平10−214621号公報などにおいて、自己放電が少なく保存劣化の小さい、ガンマ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質に使用した、インサイドアウト構造のニッケル亜鉛電池が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにガンマ型オキシ水酸化ニッケルはベータ型オキシ水酸化ニッケルより密度が低く、これを用いて構成する電池は、確かに自己放電が少なく、アルカリマンガン電池と比較して高い作動電位が得られるものの、放電容量はかなり小さくなってしまうという難点がある。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、重負荷放電特性に優れた電池、およびこの電池に用いる電池用正極を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、重負荷放電特性および保存特性に優れた電池、およびこの電池に用いる電池用正極を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電池用正極は、正極活物質と黒鉛粉末とを含有する電池用正極において、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルであり、黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあるものである。
上述の黒鉛粉末の含有量は、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒径は19〜40μmの範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にある場合がある。
【0011】
本発明の電池用正極は、正極活物質と黒鉛粉末とを含有する電池用正極において、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあるものである。
上述の黒鉛粉末の含有量は、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒径は19〜40μmの範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にある場合がある。
【0012】
本発明の電池用正極は、正極活物質を含有する電池用正極において、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が、正極活物質に対して30質量%以上であるものである。
上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、その層間にアルカリカチオンを含有する場合がある。また、上述のアルカリカチオンは、Li+ ,Na+ ,K+ のうちのいずれか1種類、または、Li+ ,Na+ ,K+ のうちから選んだ2種類以上の組み合わせからなる場合がある。また、上述のアルカリカチオンは、K+ からなる場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケル中のアルカリカチオンの含有量は、2〜5質量%である場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である場合がある。
【0013】
本発明の電池は、正極活物質と導電剤である黒鉛粉末とを少なくとも含む混合粉末を中空円筒状にペレット成形した正極を外周部に配し、負極活物質である亜鉛と電解液とを少なくとも含む負極を中心部に配し、正極と負極の間にセパレータを配した電池において、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルであり、黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあるものである。
【0014】
上述の黒鉛粉末の含有量は、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒径は19〜40μmの範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にある場合がある。
【0015】
本発明の電池は、正極活物質と導電剤である黒鉛粉末とを少なくとも含む混合粉末を中空円筒状にペレット成形した正極を外周部に配し、負極活物質である亜鉛と電解液とを少なくとも含む負極を中心部に配し、正極と負極の間にセパレータを配した電池において、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあるものである。
【0016】
上述の黒鉛粉末の含有量は、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒径は19〜40μmの範囲にある場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にある場合がある。
【0017】
本発明の電池は、正極活物質と導電剤である黒鉛粉末とを少なくとも含む混合粉末を中空円筒状にペレット成形した正極を外周部に配し、負極活物質である亜鉛と電解液とを少なくとも含む負極を中心部に配し、正極と負極の間にセパレータを配した電池において、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が、正極活物質に対して30質量%以上であるものである。
【0018】
上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、その層間にアルカリカチオンを含有する場合がある。また、上述のアルカリカチオンは、Li+ ,Na+ ,K+ のうちのいずれか1種類、または、Li+ ,Na+ ,K+ のうちから選んだ2種類以上の組み合わせからなる場合がある。また、上述のアルカリカチオンは、K+ からなる場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケル中のアルカリカチオンの含有量は、2〜5質量%である場合がある。また、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である場合がある。
【0019】
本発明の電池用正極および電池によれば、黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあり、黒鉛粉末の含有量が正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあるので、正極活物質の充填密度を大きくすることができるとともに電池の内部抵抗を小さくすることができる。
また、本発明の電池用正極および電池によれば、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して30質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、ほぼ一定した放電容量を維持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
最初に、電池用正極および電池にかかる第1の発明の実施の形態について説明する。
【0021】
まず、本実施の形態にかかる電池の構成について説明する。図1は本実施の形態にかかる電池の一構成例を示す断面図である。すなわち、この電池1は、ベータ型オキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)のみ、またはベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの混合物を正極活物質とする正極と、亜鉛を負極活物質とする負極とを有する電池である。
【0022】
具体的には、この電池1は、電池缶2と、正極3と、セパレータ4と、負極5と、封口部材6と、ワッシャー7と、負極端子板8と、集電ピン9とを備えている。
ここで、電池缶2は、開口部を有する中空有底円筒状の金属製の缶である。電池缶2は、例えば鉄にニッケルめっきが施されており、電池の外部正極端子となる。
【0023】
正極3は、中空円筒状をしており、正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルのみ、またはオキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの混合物と、導電剤である黒鉛粉末と、電解液である水酸化カリウム水溶液とからなる正極合剤を中空円筒状に成形した正極ペレット3a,3b,3cが電池缶2の内部に積層されている。なお、正極3を構成するオキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン、および黒鉛粉末については、その具体的内容を後に述べる。
【0024】
セパレータ4は、薄い厚肉を有する円筒状であり、一方の端部は閉じられており、他の端部は開口部を有している。セパレータ4は、正極3の内側に接するように配される。
【0025】
負極5は、負極活物質となる亜鉛粉末と、水酸化カリウム水溶液を使用した電解液と、負極5をゲル状として亜鉛粉末と電解液を均一に分散させておくためのゲル化剤とからなる。この負極5は、有底円筒状のセパレータ4の内部に注入されている。
【0026】
そして、正極3と、負極5が充填されたセパレータ4とが内部に収納された電池缶2の開口部は、封口部材6がこの開口部を封口するために嵌合されている。封口部材6はプラスチック材からなり、更に封口部材6を覆うようにワッシャー7と負極端子板8とが取り付けられている。
【0027】
さらに、上記ワッシャー7が取り付けられた封口部材6の貫通孔には、上方から黄銅製の集電ピン9が圧入されている。これにより、負極の集電は、負極端子板8に溶接された釘状の集電ピン9が封口部材6の中央部に形成された貫通孔に圧入されて、負極に達することで確保されている。また、正極の集電は、正極3と電池缶2とが接続されることで確保される。そして、電池缶2の外周面は、図示しない外装ラベルによって覆われており、電池缶2の下部に正極端子が位置している。
【0028】
つぎに、正極を構成する正極活物質および導電剤である黒鉛粉末について詳細に説明する。上述したように、正極活物質は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのみであるか、ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの混合物からなっている。
【0029】
最初に、正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルについて、詳しく説明する。本実施の形態においては、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケル、特にベータ型オキシ水酸化ニッケルを採用する。
【0030】
図2は、本実施の形態にかかる電池の正極活物質に用いる略球状のベータ型オキシ水酸化ニッケル(A)と、従来の電池の正極活物質に用いる非球状のベータ型オキシ水酸化ニッケル(B)を示す図である。ここで、図2Aおよび図2Bにおいて、それぞれ上段は本実施の形態のベータ型オキシ水酸化ニッケル、および従来のベータ型オキシ水酸化ニッケルの電子顕微鏡写真を示すものであり、またそれぞれ下段は上段の写真の粒子の外形をわかりやすいように示したものである。
【0031】
図2Aからわかるように、本実施の形態にかかるベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が略球状である。すなわち、粒子の表面は角が取れ比較的滑らかであり、全体の形状は若干細長いものや若干扁平に近いものもあるが全体としては略球状を呈している。
【0032】
これに対して、図2Bからわかるように、従来のベータ型オキシ水酸化ニッケルは、非球状である。すなわち、その形状は、大きな固まりを砕いて粉々にしたような形状であり、それぞれの粒子が角張っており、全体の形状も平板に近いもの、細長いもの、立方体に近いものなど様々である。
【0033】
本実施の形態で用いる正極活物質である、ベータ型オキシ水酸化ニッケルは、以下の平均粒径と粒度分布の範囲内にあることが望ましい。すなわち、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒径は、19〜40μmの範囲内にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒度分布は、5〜80μmの範囲内にあることが望ましい。
なお、粒度分布の最小値はふるい下5%の値であり、粒度分布の最大値はふるい下95%の値である。
【0034】
略球状のベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ(Tap)密度とバルク(Bulk)密度はつぎの範囲内にあることが望ましい。すなわち、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあることが望ましい。
【0035】
なお、タップ密度とバルク密度(「かさ密度」ともいう)の測定方法はつぎの通りである。すなわち、対象となる粉末を特定の容器に自然落下充填し、この時の質量をA(g)、体積をB(cm3 )、容器を持ち上げて容器の底を机などに200回軽くぶつけた(タッピング)後の体積をC(cm3 )とすると以下の式で定義される。
バルク密度=A/B(g/cm3
タップ密度=A/C(g/cm3
【0036】
つぎに、正極活物質である二酸化マンガンについて説明する。二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガンを用いることが望ましい。その理由は重金属などの不純物が少なく、かつ、プレス成形時に高密度化が可能であるからである。なお、二酸化マンガンはこの電解二酸化マンガンに限定されるわけではない。このほか二酸化マンガンとして、化学二酸化マンガンを用いることができる。
【0037】
つぎに、導電剤である黒鉛粉末について詳細に説明する。黒鉛粉末としては、人造黒鉛を用いることが望ましい。その理由は、重金属などの不純物が少ないからである。なお、黒鉛粉末はこの人造黒鉛に限定されるわけではない。このほか黒鉛粉末として、りん状黒鉛、土状黒鉛、キッシュ黒鉛などを用いることができる。
【0038】
黒鉛粉末の平均粒径は8〜30μmの範囲にあることが望ましい。正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルを使用するアルカリ亜鉛電池において、正極合剤中に導電剤として使用する黒鉛粉末の平均粒径が8μm未満の場合、正極合剤を加圧成形するときの充填密度が小さくなり、電池1個あたりに充填される正極活物質量が小さくなる。一方、黒鉛粉末の平均粒径が30μmより大きい場合、電池の内部抵抗が増加し重負荷放電特性が低下する。よって黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲のものを使用することにより、重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池が得られる。
【0039】
黒鉛粉末の粒度分布の範囲は、平均粒径を中心とし、±約20μmの範囲にあることが望ましい。また、平均粒径が20μm以下の場合は、±約5μmの範囲にあることが望ましい。例えば、平均粒径が30μmの場合、最小粒径10μm、最大粒径50μmである。粒度分布がこの範囲内にあると重負荷放電特性が安定するという利点があるからである。
【0040】
黒鉛粉末の比表面積は、1〜50m2 /gの範囲内にあることが望ましい。比表面積がこの範囲内にあると電池中の電解液の拡散が促進され、重負荷放電特性が向上するという利点があるからである。
【0041】
黒鉛粉末の含有量は、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあることが望ましい。黒鉛粉末の含有量がこの範囲内にあると正極剤の導電性と、正極剤中の活物質含有量が共に適正な値となり放電容量が向上するという利点があるからである。
【0042】
本実施の形態によれば、黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあり、黒鉛粉末の含有量が正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあるので、正極活物質の充填密度を大きくすることができるとともに電池の内部抵抗を小さくすることができる。この結果、重負荷放電特性に優れた電池を提供することができる。すなわち、本実施の形態によれば、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみ、またはベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物を用いたアルカリ亜鉛電池において、大電力放電でも長時間作動できる重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池を提供することができる。
【0043】
なお、上述の発明の実施の形態では、一次電池であるアルカリ亜鉛電池について説明したが、この一次電池に限定されるわけではなく、このほか二次電池であるアルカリ亜鉛電池についても、本発明が適用できることはもちろんである。
また、上述の発明の実施の形態では、正極活物質としてその形状が略球状のベータ型オキシ水酸化ニッケルについて説明したが、ベータ型オキシ水酸化ニッケルはその形状が略球状のものに限定されるわけではなく、その他いかなる形状の場合においても、本発明が適用できることはもちろんである。
【0044】
また、上述の発明の実施の形態では、円筒形のアルカリ亜鉛電池について説明したが、この円筒形電池に限定されるわけではなく、このほか扁平形など他の形状のアルカリ亜鉛電池についても、本発明が適用できることはもちろんである。
また、電池サイズは特に限定されるものではない。
【0045】
また、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0046】
つぎに、電池用正極および電池にかかる第2の発明の実施の形態について説明する。
最初に、本実施の形態にかかる電池の構成について説明する。図3は本実施の形態にかかる電池の一構成例を示す断面図である。すなわち、この電池1は、アルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)のみ、またはアルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの混合物を正極活物質とする正極と、亜鉛を負極活物質とする負極とを有する電池である。
【0047】
正極3は、中空円筒状をしており、正極活物質であるアルカリカチオンを含有するオキシ水酸化ニッケルのみ、またはアルカリカチオンを含有するオキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの混合物と、導電剤である黒鉛粉末と、電解液である水酸化カリウム水溶液とからなる正極合剤を中空円筒状に成形した正極ペレット3a,3b,3cが電池缶2の内部に積層されている。なお、正極3を構成するアルカリカチオンを含有するオキシ水酸化ニッケル、および二酸化マンガンについては、その具体的内容を後に述べる。
【0048】
なお、本実施の形態にかかる電池の構成は、正極3を除いては、上述した第1の発明の実施の形態における電池の構成と同一であるので、本実施の形態にかかる電池のその他の構成については説明を省略する。
【0049】
つぎに、本実施の形態の正極に用いる正極活物質について説明する。本実施の形態にかかる正極に用いる正極活物質は、アルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケルのみの場合と、アルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物からなる場合がある。
【0050】
最初に、アルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケルについて説明する。
アルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を含むアルカリ液相中で酸化処理してベータ型オキシ水酸化ニッケルを合成する第1工程と、第1工程終了後に得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルを、酸化剤を含まないアルカリ性水溶液と混合し、これらアルカリカチオンを、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの層間に含有させることを目的とする第2工程を経て得られる。
【0051】
ここで、第1の工程について説明する。第1の工程は、水酸化ニッケルを適当な酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムと、適当なアルカリ種、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムとを含む液相中で酸化させる方法(化学酸化法)によりベータ型オキシ水酸化ニッケルを合成する工程である。
【0052】
上述の第1の実施の形態で用いたベータ型オキシ水酸化ニッケルは、この第1の工程により得られる。したがって、この第1の工程により得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルは、上述の第1の実施の形態で用いたベータ型オキシ水酸化ニッケルと同じである。このベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒径は、19〜40μmの範囲内にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒度分布は、5〜80μmの範囲内にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあることが望ましい。
【0053】
つぎに、第2の工程について説明する。第1工程終了後に得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルを、酸化剤を含まないアルカリ性水溶液と混合し、これらアルカリカチオンを、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの層間に含有させることにより、アルカリカチオンを含有する略球状のベータ型オキシ水酸化ニッケルを得ることができる。第2の工程で使用するアルカリ水溶液は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちのいずれか1種類、または、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちから選んだ2種類以上の組み合わせからなる水溶液である。なお、アルカリの形態は上述したものに限定されるわけではない。
【0054】
第2の工程において、ベータ型オキシ水酸化ニッケル格子内に侵入させるアルカリカチオンは、Li+ ,Na+ ,K+ のうちのいずれか1種類、または、Li+ ,Na+ ,K+ のうちから選んだ2種類以上の組み合わせ等からなる。
【0055】
第2の工程を経て生成したベータ型オキシ水酸化ニッケル中のアルカリカチオンの組成は、2〜5質量%とすることが望ましく、更には3〜5質量%とすることがより望ましい。2質量%よりも小さいと、層間に取り込まれたアルカリカチオンの量が不足であり、この製造工程本来の目的である、保存特性の改善がほとんど見られない。また、オートクレープなどの装置を用いて、より高い圧力下で第2工程を行うと、より多くのアルカリカチオンが侵入可能であるが、5質量%を超えるとベータ型オキシ水酸化ニッケルから、密度の低いガンマ型オキシ水酸化ニッケルへと変化してしまい、正極活物質の高密度性が失われてしまうためである。
【0056】
つぎに、正極活物質である二酸化マンガンについて説明する。本実施の形態で用いる二酸化マンガンは、上述の第1の実施の形態で用いた二酸化マンガンと同じである。
【0057】
また、正極活物質として、ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの混合物を用いる場合は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量は、正極活物質に対して30質量%以上であることが望ましく、50質量%以上であることがさらに望ましい。その理由は、後に記載する実施例において説明する。
【0058】
本実施の形態によれば、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルのみか、ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して30質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、保存前においてほぼ一定した放電容量を維持することができる。その結果、重負荷放電特性に優れた電池を提供することができる。
【0059】
また、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルのみか、ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して50質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、保存前後においてほぼ一定した放電容量を維持することができる。その結果、重負荷放電特性および保存特性に優れた電池を提供することができる。
【0060】
なお、上述の発明の実施の形態では、一次電池であるアルカリ亜鉛電池について説明したが、この一次電池に限定されるわけではなく、このほか二次電池であるアルカリ亜鉛電池についても、本発明が適用できることはもちろんである。
また、上述の発明の実施の形態では、正極活物質としてその形状が略球状のベータ型オキシ水酸化ニッケルについて説明したが、ベータ型オキシ水酸化ニッケルはその形状が略球状のものに限定されるわけではなく、その他いかなる形状の場合においても、本発明が適用できることはもちろんである。
【0061】
また、上述の発明の実施の形態では、円筒形のアルカリ亜鉛電池について説明したが、この円筒形電池に限定されるわけではなく、このほか扁平形など他の形状のアルカリ亜鉛電池についても、本発明が適用できることはもちろんである。
また、電池サイズは特に限定されるものではない。
【0062】
また、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0063】
【実施例】
つぎに、本発明の具体的な第1の実施例について説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0064】
最初に、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを正極活物質に使用したアルカリ亜鉛電池と、ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの2種を正極活物質に使用したアルカリ亜鉛電池についての、電池サンプルの作製方法について説明する。
【0065】
まず、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用したアルカリ亜鉛電池について説明する。なお、本実施例で用いるベータ型オキシ水酸化ニッケルは、後述する第2の実施例における第1工程により作製した。
【0066】
正極合剤の作製は、高密度水酸化ニッケルを化学酸化して得られたベータ型オキシ水酸化ニッケル(形状:略球状、タップ密度:2.5g/cm3 、バルク密度:2.0g/cm3 、平均粒径:20μm、粒度分布:5〜70μm)、黒鉛粉末(人造黒鉛、商品名:SP−20、日本黒鉛社製)、および水酸化カリウム水溶液を質量比で所定の割合で秤量し、インペラーやボールミルなどの攪拌方法によって混合する。
【0067】
ここでは、正極活物質には上述のベータ型オキシ水酸化ニッケルを用い、この正極活物質を用いた正極合剤に使用する黒鉛粉末を、黒鉛粉末粒子の平均粒子径を4μmから50μmまで変化させたものを用いて、正極合剤の配合比としてベータ型オキシ水酸化ニッケル92質量%、黒鉛粉末8%とし、以下の作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。
【0068】
上述の混合した材料を電池缶内に収まるように加圧成形して、中空円筒形に成形した正極とし、これを電池缶に挿入した。
つぎに、円筒有底状に成形されたセパレータを正極の中心部に挿入し、ゲル状負極合剤を電池の中心空間部に充填させる。ゲル状負極合剤は、粒状亜鉛と酸化亜鉛を、ゲル化剤を用いて電解液である水酸化カリウム水溶液に均一に分散混合させたものである。
【0069】
最後に、絶縁体のワッシャーと安全弁を伴う封口部材を電池缶に挿入し、電池缶の開口部を内側に、かしめ加工して単3形のアルカリ亜鉛電池とした。
【0070】
つぎに、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用したアルカリ亜鉛電池について説明する。
正極活物質にはベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガン(電解二酸化マンガン、商品名:TKUR、三井金属鉱業社製)の混合物を用い、正極活物質全体に占めるベータ型オキシ水酸化ニッケルの割合を50質量%,30質量%,10質量%の3種類とした。この正極活物質を用いた正極合剤に使用する黒鉛粉末には、粒子の平均粒子径を4μmから50μmまで変化させたものを用い、正極活物質と黒鉛粉末の配合比を、正極活物質92質量%、黒鉛粉末8質量%とした。それ以外は上述の実施例と同一の仕様で作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。
【0071】
つぎに、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用し、正極合剤中の黒鉛粉末含有量を変化させたアルカリ亜鉛電池について説明する。
正極活物質にはベータ型オキシ水酸化ニッケルを用い、この正極活物質を用いた正極合剤に使用する黒鉛粉末を、黒鉛粉末粒子の平均粒子径を6μmから35μmまで変化させたものを用い、正極合剤の配合比として正極活物質に対して、黒鉛粉末量を2.0〜11.0質量%とした以外は、上述の実施例の作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。
【0072】
つぎに、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物を使用し、正極合剤中の黒鉛粉末含有量を変化させたアルカリ亜鉛電池について説明する。
正極活物質にはベータ型オキシ水酸化ニッケルと上述の二酸化マンガンの混合物を用い、正極活物質全体に占めるベータ型オキシ水酸化ニッケルの割合を50質量%,30質量%,10質量%の3種類とした。この正極活物質を用いた正極合剤に使用する黒鉛粉末を、黒鉛粉末粒子の平均粒子径を6μmから35μmまで変化させたものを用い、正極合剤の割合比として正極活物質に対して、黒鉛粉末量を2.0〜11.0質量%とした以外は、上述の実施例の作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。
【0073】
つぎに、以上のように作製した電池サンプルについて、電池特性を評価した。すなわち、これらの電池を20℃の雰囲気で1.5Wの定電力放電をし、放電終止電圧1.0Vに達するまでの放電時間を測定した。
【0074】
これらの電池サンプルについての評価結果は表1〜6に示すとおりである。
最初に、正極活物質にオキシ水酸化ニッケルのみを使用したアルカリ亜鉛電池についての測定結果を表1を参照しながら説明する。
【0075】
【表1】
Figure 0004882163
【0076】
表から分かるように、黒鉛粉末の平均粒径が4μmから8μmに増加するにしたがって放電時間は20分から46分と急激に増加している。また、黒鉛粉末の平均粒径が8μmから30μmの間では放電時間は46〜48分と同程度でかつ高い値を示している。つぎに、黒鉛粉末の平均粒径が30μmから50μと増加するにしたがって放電時間は48分から20分へと急激に減少している。これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用した場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0077】
つぎに、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物を使用したアルカリ亜鉛電池についての測定結果を表2を参照しながら説明する。
【0078】
【表2】
Figure 0004882163
【0079】
最初に、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれている場合についてみてみる。表から分かるように、黒鉛粉末の平均粒径が4μmから8μmに増加するにしたがって放電時間は8分から44分と急激に増加している。また、黒鉛粉末の平均粒径が8μmから30μmの間では放電時間は44〜46分と同程度でかつ高い値を示している。つぎに、黒鉛粉末の平均粒径が30μmから50μと増加するにしたがって放電時間は46分から14分へと急激に減少している。これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれている場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0080】
つぎに、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に30質量%含まれている場合、およびベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に10質量%含まれている場合についてみてみる。これらの場合においても、上述の場合と同様な傾向があることが分かる。
【0081】
したがって、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用しベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に30質量%含まれている場合、および正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用しベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に10質量%含まれている場合、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0082】
これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用している場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0083】
つぎに、正極活物質にオキシ水酸化ニッケルのみを使用し、正極合剤中の黒鉛粉末含有量を変化させたアルカリ亜鉛電池についての測定結果を表3を参照しながら説明する。
【0084】
【表3】
Figure 0004882163
【0085】
正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量と、それぞれの含有量における放電時間の最大値との関係を見てみる。黒鉛粉末の含有量が2.0質量%の場合は放電時間の最大値が26分である。また、黒鉛粉末の含有量が2.5質量%の場合は放電時間の最大値が28分である。また、黒鉛粉末の含有量が2.8質量%の場合は放電時間の最大値が28分である。このように、黒鉛粉末の含有量が2.0〜2.8質量%においては、放電時間の最大値は26〜28分の範囲内にある。
【0086】
つぎに、黒鉛粉末の含有量が3.0質量%の場合は放電時間の最大値が48分である。また、黒鉛粉末の含有量が5.0質量%の場合は放電時間の最大値が48分である。また、黒鉛粉末の含有量が8.0質量%の場合は放電時間の最大値が48分である。また、黒鉛粉末の含有量が10.0質量%の場合は放電時間の最大値が48分である。このように、黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%においては、放電時間の最大値は48分であり、上述の黒鉛粉末の含有量が2.0〜2.8質量%における放電時間の最大値26〜28分に比較して非常に高い値である。
【0087】
つぎに、黒鉛粉末の含有量が10.2質量%の場合は放電時間の最大値が32分である。また、黒鉛粉末の含有量が10.5質量%の場合は放電時間の最大値が24分である。また、黒鉛粉末の含有量が11.0質量%の場合は放電時間の最大値が20分である。このように、黒鉛粉末の含有量が10.2〜11.0質量%においては、放電時間の最大値は20〜32分の範囲にあり、上述の黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%における放電時間の最大値48分に比較して非常に低い値である。
【0088】
これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用した場合、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量は3.0〜10.0質量%の範囲内にあることが望ましい。
【0089】
つぎに、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%の範囲内にある場合の、黒鉛粉末の平均粒径と放電時間の関係を見てみる。最初に、黒鉛粉末の含有量が3.0質量%の場合についてみてみる。表から分かるように、黒鉛粉末の平均粒径が6μmから8μmに増加するにしたがって放電時間は22分から44分と急激に増加している。また、黒鉛粉末の平均粒径が8μmから30μmの間では放電時間は44〜48分と同程度でかつ高い値を示している。つぎに、黒鉛粉末の平均粒径が30μmから35μと増加するにしたがって放電時間は48分から24分へと急激に減少している。これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用し、黒鉛粉末の含有量が3.0質量%の場合、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0090】
つぎに、黒鉛粉末の含有量が5.0質量%の場合、8.0質量%の場合、および10.0質量%の場合についてみてみる。これらの場合においても、上述の3.0質量%の場合と同様な傾向があることが分かる。したがって、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用し、かつ黒鉛粉末の含有量が5.0質量%、8.0質量%、および10.0質量%の場合、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0091】
これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用し、かつ黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%の範囲内のある場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0092】
つぎに、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、正極合剤中の黒鉛粉末含有量を変化させたアルカリ亜鉛電池についての測定結果を表4〜6を参照しながら説明する。
【0093】
【表4】
Figure 0004882163
【0094】
【表5】
Figure 0004882163
【0095】
【表6】
Figure 0004882163
【0096】
最初に、表4を見てみる。表4は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれている場合である。
正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量と、それぞれの含有量における放電時間の最大値との関係を見てみる。表からわかるように、黒鉛粉末の含有量が2.0〜2.8質量%においては、放電時間の最大値は24分である。つぎに、黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%においては、放電時間の最大値は42〜46分の範囲内にあり、上述の黒鉛粉末の含有量が2.0〜2.8質量%における放電時間の最大値24分に比較して非常に高い値である。つぎに、黒鉛粉末の含有量が10.2〜11.0質量%においては、放電時間の最大値は18〜30分の範囲にあり、上述の黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%における放電時間の最大値42〜46分に比較して非常に低い値である。
【0097】
これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれている場合、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量は3.0〜10.0質量%の範囲内にあることが望ましい。
【0098】
つぎに、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%の範囲内にある場合の、黒鉛粉末の平均粒径と放電時間の関係を見てみる。最初に、黒鉛粉末の含有量が3.0質量%の場合についてみてみる。表から分かるように、黒鉛粉末の平均粒径が6μmから8μmに増加するにしたがって放電時間は20分から42分と急激に増加している。また、黒鉛粉末の平均粒径が8μmから30μmの間では放電時間は42分と高い値を示している。つぎに、黒鉛粉末の平均粒径が30μmから35μと増加するにしたがって放電時間は42分から22分へと急激に減少している。これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれ、かつ黒鉛粉末の含有量が3.0質量%の場合、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0099】
つぎに、黒鉛粉末の含有量が5.0質量%の場合、8.0質量%の場合、および10.0質量%の場合についてみてみる。これらの場合においても、上述の場合と同様な傾向があることが分かる。したがって、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれ、かつ黒鉛粉末の含有量が5.0質量%、8.0質量%、および10.0質量%の場合、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0100】
これらのことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に50質量%含まれ、かつ黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%の範囲内のある場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0101】
つぎに、表5を見てみる。表5は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に30質量%含まれている場合である。表5の測定結果は、上述した表4の測定結果と同様な傾向を示している。このことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に30質量%含まれている場合、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量は3.0〜10.0質量%の範囲内にあることが望ましい。また、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に30質量%含まれ、かつ黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%の範囲内のある場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0102】
つぎに、表6を見てみる。表6は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に10質量%含まれている場合である。表6の測定結果は、上述した表4の測定結果と同様な傾向を示している。このことから、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に10質量%含まれている場合、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量は3.0〜10.0質量%の範囲内にあることが望ましい。また、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが正極活物質中に10質量%含まれ、かつ黒鉛粉末の含有量が3.0〜10.0質量%の範囲内のある場合は、黒鉛粉末の平均粒径は8μm〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0103】
以上のことから、表1〜6における検討結果を総合的に評価するとつぎのことがいえる。
すなわち、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用した場合、および正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用した場合、正極活物質に対する黒鉛粉末の含有量は3.0〜10.0質量%の範囲内にあることが望ましい。
また、正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルのみを使用した場合、および正極活物質にベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用した場合、黒鉛粉末の平均粒径は8〜30μmの範囲にあることが望ましい。
【0104】
以上のことから、本実施例によれば、黒鉛粉末の平均粒径を8〜30μmの範囲とし、黒鉛粉末の含有量を正極活物質に対して3〜10質量%の範囲とすることにより、1.5W定電力という重負荷放電において優れた特性を示す電池を提供することができる。
【0105】
つぎに、本発明の具体的な第2の実施例について説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0106】
最初に、本実施例で用いた電池サンプルの作製方法について説明する。
まず、正極活物質に用いるベータ型オキシ水酸化ニッケルを以下の工程により作製した。
【0107】
第1工程として、出発原料である水酸化ニッケル(形状:略球状、タップ密度:2.3g/cm3 、バルク密度:1.8g/cm3 )を、次亜塩素酸ナトリウムを含むアルカリ液相中で酸化させ、ベータ型オキシ水酸化ニッケルを合成した。
【0108】
つぎに第2工程として、第1工程で得られたベータ型オキシ水酸化ニッケル(形状:略球状、タップ密度:2.5g/cm3 、バルク密度:2.0g/cm3 、平均粒径:20μm、粒度分布:5〜70μm)を、40質量%の水酸化カリウム水溶液と混合し、50〜60℃、圧力0.5〜0.7Mpaで、約30時間反応させた。これらの工程終了後に、ベータ型オキシ水酸化ニッケル中のカリウム組成が4質量%のものが得られた。
【0109】
なお、第2工程で得られた、層間にアルカリカチオンを含有するベータ型オキシ水酸化ニッケルの形状は、第2工程の出発原料、すなわち第1工程で得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルの形状とほぼ同じであった。すなわち、第2工程で得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルの形状は、図2Aで説明したような、略球状であった。
【0110】
また、第2工程で得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルの、平均粒径、粒度分布、バルク密度、およびタップ密度は、第1工程で得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルの、平均粒径、粒度分布、バルク密度、およびタップ密度とそれぞれほぼ同じであった。
【0111】
つぎに、第1工程および第2工程を経て得られたベータ型オキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガン(電解二酸化マンガン、商品名:TKUR、三井金属鉱業社製)、黒鉛粉末(平均粒径:8μm、粒度分布:1〜25μm、灰分0.3質量%以下の高純度粉末黒鉛)と、水酸化カリウム水溶液(40質量%)とを、表7に示す組成でそれぞれ十分混合して正極合剤とし、この正極合剤を同条件で加圧し、中空円筒状に成形することにより正極を作製した。そして、この正極を電池缶の内側に挿入した。
【0112】
【表7】
Figure 0004882163
【0113】
つぎに、この正極の内側に、不織布からなるセパレータ(親水化処理したポリオレフィン系セパレータ)を挿入し、セパレータ電解液(40質量%水酸化カリウム水溶液)を注入後、負極活物質である亜鉛と電解液(40質量%水酸化カリウム水溶液)および亜鉛と電解液を均一に分散させておくためのゲル化剤とを少なくとも含むゲル状負極合剤を充填した。
【0114】
最後に、電池缶の開口部を、スプリングと集合ピンとが取り付けられた封口部材により封口して、インサイドアウト構造である単3形のアルカリ亜鉛電池を作製し、それらの電池をサンプルNo1〜14とした。
【0115】
なお、表7においては、電池1本当たりの正極合剤の充填量(g)を表わす。ちなみに、各サンプルにおいて、電池1本当たりの正極合剤の充填量が異なるのは、ベータ型オキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンの組成によって、正極合剤としての密度が大きく異なるためであり、正極合剤を同条件で加圧成形した結果である。
【0116】
以上のようにして作製されたサンプルNo1〜14の電池について、つぎに2つの条件で放電試験を行った。すなわち、1つ目は電池サンプルを作製した後、1500mWの定電力で、電池電圧が1.0Vになるまで放電を行った。2つ目は電池作製後に60℃で20日間保存した後、1500mWの定電力で、電池電圧が1.0Vになるまで放電を行った。サンプルNo1〜14の電池について、保存前と保存後の放電容量の測定結果を表8および図4に示す。ここで図4は、保存前と保存後における、ベータ型オキシ水酸化ニッケルまたは二酸化マンガンの組成と放電容量との関係を示す図である。
【0117】
【表8】
Figure 0004882163
【0118】
表8および図4の結果より、保存前は正極活物質の全質量(ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの総和)に対し、ベータ型オキシ水酸化ニッケルが30質量%以上(二酸化マンガンが70質量%以下)、保存後はベータ型オキシ水酸化ニッケルが50質量%以上(二酸化マンガンが50質量%以下)の場合に、それぞれ高い放電容量を保持し、これらの値よりもベータ型オキシ水酸化ニッケルの組成が小さいと(二酸化マンガンの組成が大きいと)、急激に放電容量が小さくなってしまうのが分かる。このことから、正極中に混合するベータ型オキシ水酸化ニッケル(二酸化マンガン)の量は、正極活物質の全質量に対し、30質量%以上(70質量%以下)、保存後の放電容量も考えれば、ベータ型オキシ水酸化ニッケルは50質量%以上(二酸化マンガンは50質量%以下)とすることがより望ましい。
【0119】
ちなみに、上述のベータ型オキシ水酸化ニッケル(二酸化マンガン)の検討に関しては、カリウム組成が4質量%のベータ型オキシ水酸化ニッケルによって行ったが、カリウム組成が2.0質量%、2.5質量%、3.0質量%、3.5質量%、4.5質量%、および5.0質量%のベータ型オキシ水酸化ニッケルを使用した場合についても同様の結果が得られた。
【0120】
以上のことから、本実施例によれば、正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルのみ、またはベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して30質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、保存前において高い放電容量を得ることができる。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して50質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、保存前および保存後において高い放電容量を得ることができる。
【0121】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲にあり、黒鉛粉末の含有量が正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあるので、重負荷放電特性に優れた電池を提供することができる。
【0122】
正極活物質がベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して30質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、重負荷放電特性に優れた電池を提供することができる。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの含有量が正極活物質に対して50質量%以上であり、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがその層間にアルカリカチオンを含有するので、重負荷放電特性および保存特性に優れた電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる電池の一構成例を示す縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる正極に用いる略球状のベータ型オキシ水酸化ニッケル(A)と、従来の非球状のベータ型オキシ水酸化ニッケル(B)を示す図である。
【図3】第2の実施の形態にかかる電池の一構成例を示す縦断面図である。
【図4】保存前と保存後における、ベータ型オキシ水酸化ニッケルまたは二酸化マンガンの組成と放電容量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1‥‥電池、2‥‥電池缶、3‥‥正極、4‥‥セパレータ、5‥‥負極、6‥‥封口部材、7‥‥ワッシャー、8‥‥負極端子板、9‥‥集電ピン

Claims (4)

  1. 正極活物質と黒鉛粉末とを含有するアルカリ亜鉛電池用正極において、正極活物質が粒子の形状が平均粒径19〜40μmの範囲にある略球状であるベータ型オキシ水酸化ニッケルであり、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度が1.6〜2.2g/cm 3 の範囲にあって、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度が2.2〜2.7g/cm 3 の範囲にあるとともに、前記黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲であって、黒鉛粉末の含有量が、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあることを特徴とするアルカリ亜鉛電池用正極。
  2. 正極活物質と黒鉛粉末とを含有するアルカリ亜鉛電池用正極において、正極活物質が粒子の形状が平均粒径19〜40μmの範囲にある略球状であるベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度が1.6〜2.2g/cm 3 の範囲にあって、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度が2.2〜2.7g/cm 3 の範囲にあるとともに、前記黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲であって、黒鉛粉末の含有量が、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあることを特徴とするアルカリ亜鉛電池用正極。
  3. 正極活物質と導電剤である黒鉛粉末とを少なくとも含む混合粉末を中空円筒状にペレット成形した正極を外周部に配し、負極活物質である亜鉛と電解液とを少なくとも含む負極を中心部に配し、正極と負極の間にセパレータを配したアルカリ亜鉛電池において、正極活物質が粒子の形状が平均粒径19〜40μmの範囲にある略球状であるベータ型オキシ水酸化ニッケルであり、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度が1.6〜2.2g/cm 3 の範囲にあって、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度が2.2〜2.7g/cm 3 の範囲にあるとともに、前記黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲であって、黒鉛粉末の含有量が、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあることを特徴とするアルカリ亜鉛電池。
  4. 正極活物質と導電剤である黒鉛粉末とを少なくとも含む混合粉末を中空円筒状にペレット成形した正極を外周部に配し、負極活物質である亜鉛と電解液とを少なくとも含む負極を中心部に配し、正極と負極の間にセパレータを配したアルカリ亜鉛電池において、正極活物質が粒子の形状が平均粒径19〜40μmの範囲にある略球状であるベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物であり、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク密度が1.6〜2.2g/cm 3 の範囲にあって、前記ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ密度が2.2〜2.7g/cm 3 の範囲にあるとともに、前記黒鉛粉末の平均粒径が8〜30μmの範囲であって、黒鉛粉末の含有量が、正極活物質に対して3〜10質量%の範囲にあることを特徴とするアルカリ亜鉛電池。
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