JP2005100732A - アルカリ亜鉛一次電池 - Google Patents

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宮本  慎一
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Abstract

【課題】 ニッケル亜鉛電池における重負荷放電特性および低温放電特性を損なうことなく、高容量かつ高貯蔵維持率に優れ、過放電時の内部圧力上昇を抑制できる一次電池を提供する。
【解決手段】 本発明は、ニッケル系化合物と二酸化マンガンからなる正極材料であって、二酸化マンガンを前記正極材料に対して、0.5〜9質量%の割合で含有した正極材料を用い、中空円筒状の正極の内径の外径に対する比を0.63〜0.68とすることにより重負荷特性が改善されたアルカリ亜鉛一次電池である。
また、本発明において、前記負極と前記正極の理論容量の比を0.8〜1.0とし、かつ、前記正極が、炭素系材料を1〜6質量%含有したものとすることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニッケル系化合物を正極活物質の主成分とするアルカリ亜鉛一次電池に関する。
一般にアルカリ電池用の正極活物質としては二酸化マンガンが用いられている。
ところが、最近のさまざまな携帯電子機器の発達は目覚しく、特に重負荷特性を必要とする機器が増加しているため、従来最も一般的に用いられているアルカリマンガン電池よりも高率放電特性に優れる電池が期待されている。
高率放電特性に優れた電池として、オキシ水酸化ニッケルを主構成材料とする正極と、亜鉛を主成分とする合金を用いた負極とセパレータと金属缶を具備する密閉式アルカリ亜鉛二次電池が知られている(特許文献1)。しかしながら、この電池は、連続あるいは不連続の高率放電において、電気容量が著しく減少してしまうという問題点があった。
また、従来、電池としては、シート状に成形した正極、負極およびセパレータを捲回し、電解液を注入して形成するスパイラル型構造の電池と、円筒形状に成形した正極とゲル状の負極と円筒状のセパレータを円筒金属缶体に収納したインサイドアウト型構造の電池が知られている。ところで、スパイラル型構造の電池と比べて、インサイドアウト型構造の電池は生産性に優れ、低コストで高容量の電池を作製することが可能であり、このようなインサイドアウト型の電池で高効率放電特性を備えた電池が求められているが、上記アルカリ亜鉛二次電池はこのような要求に応えるものではなかった。
また、アルカリ電池において、強負荷放電特性を改善するために、オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを併用して正極とするアルカリ電池が知られている(特許文献2)。このアルカリ電池においては、二酸化マンガンが、20〜90wt%、オキシ水酸化ニッケルが、80〜10wt%の範囲で配合されている。
この電池においては、二酸化マンガンを正極活物質として用いた電池と比較して、重負荷放電特性は改善されているものの、二酸化マンガンが少なくとも20wt%含有されており、重負荷放電特性としては十分なものではなかった。
ところで、この電池において、オキシ水酸化ニッケルをさらに増量して重負荷放電特性を向上させようとすることも考えられる。しかしながら、単にオキシ水酸化ニッケルの配合量を増加させるには、次の理由で、限界があった。
二酸化マンガンを用いた密閉式アルカリ亜鉛一次電池(アルカリマンガン電池)で用いられる二酸化マンガンの放電電圧曲線が階段状であるため、正極における水の分解反応電位までに取出せる放電容量がオキシ水酸化ニッケルに比べて、軽負荷放電時大きく、重負荷放電時に小さい。このため、電池電圧が0Vになるまで放電した場合(過放電)、二酸化マンガンを用いた正極では水の分解反応は起こりにくいが、重負荷放電容量が小さく、オキシ水酸化ニッケルを主構成材料として用いた正極では重負荷放電容量が大きい反面、水の分解反応は起こりやすかった(式(1))。

O+e → 1/2H+OH …式(1)

前述の水の分解反応では、負極の残留亜鉛の放電に対して対極である正極の水が分解されるため、正極において水素ガスが発生する。このため電池内に水素ガスが充満し、内部圧力を上昇させ、ガス放出弁が作動するに至る。このガス放出弁が作動することは、内部圧力が高まることを緩和する措置として重要な機構だが、より安全性を向上させるためには、元来の常圧密閉系を維持することが好ましい。
従って、オキシ水酸化ニッケル系化合物を主体とした電池においては、ガス発生に対する対策を十分施すことが必要不可欠であり、経済的ではなかった。

英国特許365125号明細書 特開2000−048827号公報
そこで本発明は,従来のニッケル亜鉛電池における重負荷放電特性および低温放電特性を損なうことなく、高容量かつ高貯蔵維持率に優れると同時に過放電時の内部圧力上昇抑制を兼ね備えたアルカリ亜鉛一次電池を提供することを目的とする。
本発明は、ニッケル系化合物を主構成材料とする中空円筒状の正極と、亜鉛を主成分とする合金を用いた負極を具備するアルカリ亜鉛一次電池であって、前記正極が、二酸化マンガンを前記正極材料に対して、0.5〜9質量%の割合で含有し、かつ、前記中空円筒状の正極の内径の外径に対する比が0.63〜0.68であることを特徴とするアルカリ亜鉛一次電池である。
前記本発明において、前記アルカリ亜鉛一次電池において、前記負極と前記正極の理論容量の比が0.8〜1.0であり、かつ、前記正極が、炭素系材料を1〜6質量%含有することが好ましい。
前記本発明において、前記正極の主構成材料がCoからなる化合物の単層か、またはCo、Y、Er、Ybから選ばれる少なくとも1種類の元素を含む物質によって形成される単層または複層の表面修飾層を備えることが好ましい。
前記本発明において、前記正極が金属ニッケル粒子を前記ニッケル系化合物に対して0.02〜2質量%含有し、前記金属ニッケル粒子が樹枝状あるいは鱗片状であり、かつ、平均粒径(D50)が1〜20μmであることが好ましい。
前記本発明において、前記正極の成形体の相対密度が、88〜93%であり、前記成形体を積み重ねた状態で外装缶に挿入する正極分割数は2〜5個であり、かつ正極挿入荷重が1〜50kgであることが好ましい。
前基本発明において、前記電解液が、水酸化カリウムを主たる電解質とする水溶液であって、前記水酸化カリウムの前記電解液に対する濃度が30〜45質量%であり、かつ正極理論容量に対する電解液体積の比が0.9〜1.1cm/Ahであることが好ましい。
本発明によれば、従来のニッケル亜鉛電池における重負荷放電特性および低温放電特性を損なうことなく、高容量かつ高貯蔵維持率に優れると同時に過放電時の内部圧力上昇抑制を兼ね備えたアルカリ亜鉛一次電池が提供される。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の電池の詳細な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明をいわゆるインサイドアウト構造(電池缶体が正極側、電池蓋側が負極側となっている構造)と呼ばれているJIS規格のLR6形(単三形)の密閉型電池に応用した例である。
図1において1は、正極端子を兼ねる有底円筒形の金属缶であり、この金属缶1の内部に中空円筒状の正極活物質を含有する正極合剤2が収容されている。この正極合剤2の中空内部には不織布などからなる有底円筒状のセパレータ3を介して、ゲル状亜鉛負極材料4が充填されている。そして、この負極材料4には金属棒からなる負極集電棒5が挿着され、この負極集電棒5の一端は負極材料4の表面から突出してリング状金属板7及び陰極端子を兼ねる金属封口板8に電気的に接続されている。そして、正極となる金属缶1内面と、負極集電棒5の突出部外周面には、二重環状のプラスチック樹脂からなる絶縁ガスケット6が配設され、これらは絶縁されている。また、金属缶1の開口部はかしめられて液密に封止されている。
以下に、本実施の形態の正極材料、負極材料、電解液、および正極合剤成形体の寸法について、順次詳細に説明する。
(正極材料)
本実施の形態においては、正極活物質としては、重負荷放電特性に優れているニッケル系化合物と二酸化マンガンとを併用するものである。本実施の形態においては、前記ニッケル系化合物と二酸化マンガンとの配合比率は、二酸化マンガンの正極活物質に対する含有率が、0.5〜9質量%の範囲が好ましい。
二酸化マンガンの軽負荷時の階段状の放電特性を利用することで、過放電時の水素ガス発生量を低減し、内部圧力上昇を低下させることができる。二酸化マンガンの量が、9質量%を超えると、重負荷特性が著しく低下するため、好ましくない。一方、二酸化マンガンの量が、0.5質量%を下回ると、過放電時の水素ガス発生量抑制効果が低下して好ましくない。二酸化マンガンの配合量は、さらに好ましくは、1〜7質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
本発明の正極活物質粒子は、ニッケル系化合物粒子と二酸化マンガン粒子を混合し、造粒することによって製造することができる。
本発明において用いられる前記正極活物質であるニッケル系化合物としては、オキシ水酸化ニッケル化合物粒子を主体とするものを用いることができる。具体的には、本発明で用いるのに適したオキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを一部酸化した化合物であり、ニッケル原子の価数が3価のγ−オキシ水酸化ニッケルでもよいし、水酸化ニッケルのニッケル原子の価数である4価のニッケル原子と、完全にオキシ水酸化物となっているニッケル原子の3価の中間的な価数を持っている化合物であってもよい。
さらに、亜鉛もしくはコバルト単独あるいはその両方を共晶しているオキシ水酸化ニッケルは、低電解液比率でもその構造変化を少なくできるので好ましい。オキシ水酸化ニッケルに共晶させる亜鉛もしくはコバルトの量としては、1〜7%の範囲が好ましい。亜鉛の量がこの範囲を下回ると、条件によっては正極が膨潤するため電池の形状が変化し、またこの範囲を上回ると、相対的にニッケル純度が低下し高容量化に適さなくなるためである。
また、水酸化ニッケル表面に、さらに高導電性の高次コバルト化合物を被着させた複合オキシ水酸化物とすることが、オキシ水酸化ニッケル粒子同士の電子導電性を確保する理由で好ましい。
前記表面に被着するコバルト化合物としては、出発原料として例えば、水酸化コバルト(Co(OH))、一酸化コバルト(CoO)、三酸化二コバルト(Co)、などをあげることができ、これを酸化処理してオキシ水酸化コバルト(CoOOH)、四酸化三コバルト(Co)などの高導電性高次コバルト酸化物に転化させる。
上記本発明の正極活物質であるニッケル系化合物粒子は、例えば次の方法によって製造することができる。
亜鉛及びコバルトをドープした水酸化ニッケル粒子に、水酸化コバルトを添加し、大気雰囲気中で攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を噴霧する。引き続きマイクロウェーブ加熱を施すことにより水酸化ニッケル表面にコバルト高次酸化物の層が形成された複合水酸化ニッケル粒子が生成する。さらに、この反応系に次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を添加して酸化を進め、コバルト高次酸化物が被着した複合オキシ水酸化ニッケルを製造することができる。これによって導電性が極めて優れた正極活物質を得ることができる。
かかる際に用いるコバルト粒子あるいはコバルト化合物粒子は、比表面積が2.5〜30m/gである水酸化コバルトを用いることが好ましい。コバルト粒子あるいはコバルト化合物粒子としてこの範囲のものを採用することによって水酸化ニッケルと水酸化コバルトとの接触面積が確保され、正極の利用率の向上につながる。このような正極合剤の製造については、特開平10−233229号公報、特開平10−275620号公報、特開平10−188969号公報などに説明されており、本発明においてもこれらの正極合剤の製造方法を採用することができる。
また、上記ニッケル水酸化物の正極活物質にY、Er、Yb、Caの化合物を添加することにより、貯蔵時の容量維持率を改善することができる。本発明において用いられる上記化合物としては、例えばY、Er、Yb、などの金属酸化物、およびCaFなどの金属フッ化物があげられる。これらの金属酸化物および金属フッ化物は、正極活物質であるニッケル水酸化物に対して、0.1〜2質量%の範囲で用いることができる。金属酸化物もしくは金属フッ化物の配合量が上記範囲を下回った場合、貯蔵特性の改善効果が得られず、一方配合量が上記範囲を上回った場合、相対的に正極活物質の量が減るので高容量化に適さなくなるため好ましくない。
本発明において用いられる二酸化マンガンは、二酸化マンガンアルカリ電池において通常用いられている粒子を使用することができる。また、この二酸化マンガン粒子においても、前述の電子伝導性改善のための被覆を施すことも可能である。
本実施の形態においては、正極の導電性を改善するために、正極材料に炭素粒子を含有させることが望ましい。
かかる炭素粒子としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック等を用いることができる。炭素粒子の配合量は、一般的にアルカリ亜鉛電池において採用されている範囲で用いることができるが、正極活物質:炭素粒子=100:1〜10(質量比)の範囲が適切である。炭素粒子の配合比がこれより高いと活物質量が相対的に減少するため高容量化に適さなくなり、一方、炭素粒子の配合比がこれより低いと電子電導性が相対的に低下するので高出力特性に適さなくなる。
(負極材料)
本実施の形態で用いられる負極材料は、負極活物質である無汞化亜鉛合金粉末を主成分とし、これにゲル化剤およびアルカリ電解液などを添加することによりゲル化したものである。
本実施の形態において用いる無汞化亜鉛合金は、現在通常用いられている水銀及び鉛を含まない亜鉛合金を用いることができ、例えば、インジウム0.06質量%、ビスマス0.014質量%、アルミニウム0.0035質量%を含む亜鉛合金が、水素ガス発生の抑制効果があり望ましいが、本実施の形態においては、負極活物質はこれらの亜鉛合金に限定されるものではない。
負極作用物質として純亜鉛ではなく亜鉛合金を用いる理由は、アルカリ性電解液中での自己溶解速度を遅くし、密閉系の電池製品とした場合の電池内部での水素ガス発生を抑制して、漏液による事故を防止するためである。
また、亜鉛合金の形状は、表面積を大きくして大電流放電に対応できるように粉末状に形成される。
また、本発明において用いられるゲル化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、CMC、アルギン酸などを用いることができる。特に、ポリアクリル酸が、強アルカリに対する耐薬品性に優れているため好ましい。
本発明において、このゲル化剤は、負極活物質100質量部に対して、5〜10質量部の割合で配合して用いられる。このゲル化剤の量が、上記範囲を下回ると、負極材料の粘度が低くなり過ぎ、液漏れの原因ともなる。一方、ゲル化剤の量が上記範囲を上回ると、ゲル状負極材料の粘度が高くなり過ぎ、内部電気抵抗が上昇してしまい、好ましくない。
また、本発明において、負極材料に用いられるアルカリ電解液は、正極と負極缶のイオン伝導に用いるアルカリ電解液と同じものを用いることが望ましい。本発明においては、水酸化カリウムなどのアルカリ物質の水溶液が用いられる。
(電解液)
本発明で用いられる電解液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ塩を溶質として用いた水溶液が好ましく、特に、水酸化カリウムを用いることが、好ましい。
また、本発明においては、上記水酸化カリウムなどのアルカリ塩を水に溶解して電解液とするが、さらに電解液中に亜鉛化合物を添加することが望ましい。かかる亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛などの化合物が挙げられるが、特に酸化亜鉛が好ましい。
電解液として少なくとも亜鉛化合物を含有するアルカリ性水溶液を用いるのは、アルカリ性水溶液中での亜鉛合金の自己溶解が酸性系の電解液と比較して格段に少なく、更には亜鉛合金のアルカリ性電解液中での自己溶解を亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛を溶解して亜鉛イオンを予め存在させておくことにより更に抑制するためである。
以上に記載した負極材料、正極材料、およびアルカリ電解液については、上記各成分以外に、アルカリ亜鉛一次電池において通常用いられている添加成分を採用することもできる。
(正極成形体の寸法)
本実施の形態の正極成形体は、前記図1の符号2にみられるように、中空円筒形状をしている。
従来の二酸化マンガンを正極活物質とするアルカリ電池においては、この比は、放電容量を大きくするために、約0.7に最適化されていた。しかしながら、上記範囲の二酸化マンガンとニッケル系化合物とを混合した正極活物質を用いた本実施の形態の電池においては、この内径と外径との比を0.69とすると、十分な重負荷放電特性が得らないことが判明した。そこで本発明者らが検討した結果、ニッケル系化合物と二酸化マンガンとを併用する電池において、この中空円筒状体の内径と外径との比を0.63〜0.68の範囲とすることによって初めて、満足できる重負荷放電特性が得られることが判明した。その理由は、必ずしも定かではないが、次の要因によるものと考えられる。
その主な理由は、低温における重負荷特性の改善にある。すなわち、電池内部では放電中の発熱により内部抵抗が減少し、放電時の閉回路電圧が上昇するため、重負荷特性は向上する傾向にある。また、前述の通り、過放電時の水素ガス発生を低減し内部圧力上昇を抑制する目的で二酸化マンガンを添加することが好ましいが、オキシ水酸化ニッケルに対して反応電位の卑な二酸化マンガンを多くすることにより、放電電圧が低下することで、重負荷特性を低下させる。放電電圧の低下は特に低温における重負荷特性に著しく影響を与えるが、これと同時に内径と外径との比を小さくすると、内部抵抗における正極起因の成分が増加するため、放電時の発熱を若干上昇させるものと推測され、全体として内部抵抗が減少した結果、低温での重負荷特性が向上するものと考えられる。
本実施の形態において、負極の量を一定とした場合、前記中空円筒における内径の外径に対する比が0.63より小さいと負極の占有可能な体積が減少し、電池内に収納可能な負極重量が少なくなりすぎてしまい、軽負荷放電容量が著しく低下するため、好ましくない。0.68より大きいと円柱状に収納された負極の高さが相対的に低くなり、正極との電極対向面積が小さくなることで、重負荷特性が著しく低下するめ、好ましくない。この内径と外径の比は、好ましくは0.64〜0.67であり、より好ましくは0.65〜0.66である。
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、前記第1の実施の形態に記載したアルカリ亜鉛一次電池において、前記負極と前記正極の理論容量の比を0.8〜1.0とし、かつ、前記アルカリ亜鉛一次電池の正極が、炭素系材料を1〜6質量%含有することを特徴としている。
以下その詳細について説明する。
本実施の形態で、負極と正極との理論容量比は、次式で表されるものである。
(理論容量比)[−]=(負極理論容量)/(正極理論容量)
ここで、負極の理論容量は、次式で表される。
(負極理論容量)[mAh]
={(負極合金重量)×(亜鉛濃度)/(亜鉛原子量)×(ファラデイ定数)×(亜鉛の価数変化)×1000}/{(1時間当りの秒数)}
また、正極の理論容量は、次式で表される。
(正極理論容量)[mAh]
={{(オキシ水酸化ニッケル重量)/(オキシ水酸化ニッケル式量)×(ニッケルの価数変化)
+(二酸化マンガン重量)/(二酸化マンガン式量)×(マンガンの価数変化)+(オキシ水酸化コバルト重量)/(オキシ水酸化コバルト式量)×(コバルトの価数変化)}×(ファラデイ定数)×1000}/{(1時間当りの秒数)}
本実施の形態において、前記理論容量比が1.0より大きいと、正極に二酸化マンガンを含有させた効果、すなわち過放電時の水素ガス発生量を低減する効果が相殺され、水素ガス発生抑制効果が認められないため好ましくない。一方、前記理論容量比が、0.8より小さいと重負荷特性が低下するため、好ましくない。
また、前述したように、正極材料には、炭素系材料を配合して導電性の向上を図っている。 本実施の形態の電池において、この範囲の理論容量比を実現するためには、前記炭素材料を、正極材料に対して1〜5質量%の割合で配合することが必要である。
すなわち、炭素系材料、たとえば黒鉛などの高導電性を利用することにより、正極の集電性と電解液の行き渡りを向上させ、正極容量の利用率を安定化させることで、過放電時の水素ガス発生反応を抑制し、内部圧力上昇を低下させることができる。炭素系材料の配合割合が、1質量%を下回ると、重負荷特性が著しく低下するため、好ましくない。また、炭素系材料の配合割合が5質量%を超えると、正極における活物質の充填量が相対的に減りすぎるため、好ましくない。好ましくは、2〜4質量%である。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態は、前記第1の実施の形態において、正極活物質粒子表面に高次コバルト化合物を被着することによって電子伝導性を改善する例を示したが、本実施の形態においては、これに加えて、さらにCo、Y、Er、Ybから選ばれる少なくとも1種類の元素を含む物質によって形成される単層または複層の表面修飾層を備えることを特徴とするものである。
前記正極の主構成材料がCoからなる化合物の単層か、またはCo、Y、Er、Ybから選ばれる少なくとも1種類の元素を含む物質によって形成される単層または複層の表面修飾層を備えることで、重負荷特性が向上し、なおかつ正極の自己放電が抑制されることで、過放電時の内部圧力が上昇しにくくなるため、好ましい。また、前記正極の主構成材料にはNiにCo、Znやアルカリ土類金属元素や希土類金属元素などを共沈して得られる純度100%未満のオキシ水酸化ニッケル粉末を用いることができる。このため、Co、Y、Er、Ybが前記オキシ水酸化ニッケル粉末粒子の内部にも存在しても良いことは前述の通りである。しかしながら、Co、Y、Er、Ybから選ばれる少なくとも1種頴の元素を含む物質を前記オキシ水酸化ニッケル粉末粒子の表面にも存在させることで、従来よりもさらに重負荷特性が向上し、正極の自己放電が抑制される効果がある。正極活物質中のNi元素に対する表面修飾層の各元素含有率の合計は2〜15質量%であることが好ましい。
本実施の形態における表面修飾層の形成は、前記第1の実施の形態において説明した高次コバルト化合物の被着方法と同様な方法を採用することができる。
すなわち、正極活物質粒子に、水酸化コバルト、水酸化イットリウム、水酸化エルビウム、あるいは水酸化イッテルビウムの水溶液を添加し、大気雰囲気中で攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を噴霧する。引き続きマイクロウェーブ加熱を施すことにより正極活物質粒子表面にこれらの表面修飾層が形成された粒子が生成する。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態は、前記第1の実施の形態で説明した正極において、金属ニッケル粒子を前記ニッケル系化合物に対して0.02〜2質量%添加することにより電気伝導性を向上させるものである。この金属ニッケル粒子としては、樹枝状あるいは鱗片状であることが好ましく、また、平均粒径(D50)が1〜20μmであることが好ましい。
すなわち、この実施の形態において、金属ニッケル粒子を正極に含有させることで、正極の集電性が増し、重負荷特性が向上するとともに、正極理論容量に近い放電容量を得ることで、過放電時の内部圧力の上昇を抑制することが可能となる。金属ニッケル粒子の配合量が、0.02質量%より少ないと、その効果は発現しにくく、一方、2質量%より多くても、相対的に正極活物質であるニッケル化合物量が減る分、正極理論容量が小さくなることで、その効果が発現しにくくなる。金属ニッケル粒子の配合比率は、正極活物質であるニッケル系化合物に対して、好ましくは、0.05〜1質量%より好ましくは、0.1〜0.5質量%である。
また、この実施の形態において、添加する金属ニッケル粒子の形状が、球状の場合、正極活物質であるニッケル系化合物との接触が、効果的に発現しないため好ましくない。樹柱状(デンドライド状)あるいは鱗片状(フレーク状)を用いることで、少ない含有量でニッケル系化合物との接触が発現させることができる。
さらに、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される金属ニッケル粒子の平均粒径(D50)が、20μmより大きい場合、金属ニッケル粒子同士の接触が効率的でないため好ましくない。一方、1μmより小さい場合、電解液を吸着する面積が大きくなるため、正極に吸収される電解液量が過剰となり、反対に負極に必要な電解液量が不足し,放電容量が低下するため、好ましくない。好ましくは2〜15μmであり、より好ましくは4〜10μmである。
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態は、前記第1の実施の形態において説明した正極成形体として、相対密度が、88〜93%の正極成形体を用い、電池外装缶に、この成形体を2〜5個積み重ねた状態で挿入して正極とするものである。この正極成形体を電池外装缶に挿入する際に、正極挿入荷重としては、10〜500Nの範囲とすることが好ましい。
前記正極相対密度が88%より小さいと、正極に吸収される電解液量が過剰となり、反対に負極に必要な電解液量が不足し、重負荷特性が低下するため、好ましくない。一方、相対密度が93%より大きいと正極の機械的な耐衝撃性に劣り、ヒビや欠けが発生しやすくなるため好ましくない。正極相対密度が88〜93%の範囲にすることで、電池インピーダンスを低下させる傾向にあるので、容量比を過剰に設定しなくても、充分な重負荷特性を得ることが出来る。より好ましい相対密度は、89〜93%である。
また、正極分割数が5個より多いと生産装置当たりの単位時間当たりに生産可能な電池数が減少しすぎるため、好ましくない。この点で最も好ましいのは1個、すなわち分割しない状態であるが、正極中空円筒の高さが高くなりすぎて、かえってヒビや欠けが発生し安くなるため好ましくない。好ましくは2〜4個、より好ましくは2〜3個である。
さらに、正極挿入荷重が、500Nより大きいと外装缶への挿入時に正極中空円筒が破壊に至ったり、ヒビや欠けが発生したりしやすくなるため、好ましくない。一方、10Nより小さいと外装缶と正極との電気的接触が十分に保たれず、正極の不均一な放電をまねく原因となるため、好ましくない。好ましくは20〜400N、より好ましくは30〜300Nである。
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態は、前記第1の実施の形態において、電解液が、水酸化カリウムを主たる電解質とする水溶液であって、前記水酸化カリウムの前記電解液に対する濃度が30〜45質量%であり、かつ正極理論容量に対する電解液体積の比が0.9〜1.1cm/Ahであることを特徴とするものである。
アルカリ電池の電解質として、アルカリ金属の水酸化物の水溶液は溶解度が高く、原子量が大きいほどイオン伝導性に優れるため、特に水酸化カリウムが好ましい。カリウムより原子量の大きいルビジウムやセシウムの場合、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウムの原料価格が高く、費用対効果に劣るため、好ましくない。
本発明電池は、通常、およそ−10〜50℃の温度範囲で使用されるため、この範囲において、電解液の導電性が高くなるようにすることが好ましく、この点で濃度が27〜45質量%が好ましい。さらに、電解液濃度は31〜42質量%が好ましく、より好ましくは32〜40質量%である。
正極理論容量に対する電解液体積の比が0.9cm/Ahより小さいと放電反応に必要な電解液が不足し、重負荷特性が低下するため好ましくない。一方、1.1cm/Ahより大きいと電池内に残される空隙が小さくなり、極微量の電池内ガス発生に対しても、常圧密閉系を維持することが困難になるため、好ましくない。好ましくは、0.95〜1.05cm/Ah、より好ましくは0.98〜1.02cm/Ahである。
以下、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明する。
(比較例1〜6)
(正極の作製)
オキシ水酸化ニッケル粉末90質量%に対して、黒鉛粉末5.8質量%を10分間混合し、これに、40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液4.6質量%を添加し、汎用混合器で30分間混合し、混合粉末を得た。これを表1に示す内径および外径を有する外径13.3mm、高さ14.0mmの中空円筒状に加圧成形し、正極相対密度87%の正極合剤ペレットを得た。
(負極の作製)
In:0.01質量%、Bi:0.05質量%及びAl:0.03質量%を含む平均粒径(D50)220μmの亜鉛合金粉末62質量%に対して、ゲル化剤としてのポリアクリル酸0.4質量%を加え、汎用混合器で5分間撹拌し、均一に混合した。次いで酸化亜鉛を3.5質量%溶解した40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液37.6質量%を加え、10分間混合撹拌して十分に分散させた後、前記亜鉛合金粉末の混合物を4分間かけて徐々に添加すると共に、150mmHg以下の減圧状態で撹拌・混合し、更に、10mmHg以下の減圧状態にして5分間撹拌して、均一なゲル状負極を製造した。
(電池の組立)
図1において、1は正極端子を兼ねる有底円筒形の金属缶であり、この金属缶1内には円筒状に加圧成形した正極合剤ペレットを3個積み重ねた状態で、正極合剤2を挿入した。また、正極合剤2の中空部には、ビニロン、レーヨン、マーセル化パルプの混合繊維不織布からなる有底円筒状のセパレータ3を挿入し、そこへ40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液1.2gを注入し、前記方法で製造したゲル状負極4を理論容量比が1.1となるように充填した。ゲル状負極4内には真鍮製の負極集電棒5をその上端部がゲル状負極4より突出するように挿着した。負極集電棒5の突出部外周面及び金属缶1の上部内周面には二重環状のポリアミド樹脂からなる絶縁ガスケット6を配設した。また、絶縁ガスケット6の二重環状部の間には金属リング7および金属板8を配設し、かつ金属板8には負極端子を兼ねる帽子形の金属封口板9を集電棒5の頭部に当接するように配設した。そして、金属缶1の開口縁を内方に屈曲させることによりガスケット6及び金属封口板9で金属缶1内を密封口した。このようにして図1に示す単三形アルカリ電池を組み立てた。
(実施例1〜16及び比較例7〜20)
前記比較例1において、前記正極活物質として、オキシ水酸化ニッケル粉末単独を用いる代わりに表1に示す比率でオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンの混合粉末を用い、かつ、前記正極中空円筒の内径の外径に対する比を、下記表1に示すようにすること以外は比較例1と同様にして、30種類の電池を作成した。
これらの電池の重負荷特性の評価は、0℃および20℃で20mAおよび750mAの定電流放電を行なった時、20mA放電容量に対する750mA放電容量の割合を用いた。また、最大負極重量の評価は、有底円筒状のセパレータを挿入後、40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液1.2gを注入し、ゲル状負極をセパレータから溢れないように充填できる最大重量の測定値を用いた。その結果を表1に示す。
Figure 2005100732
(比較例21〜25)
前記正極中空円筒の内径および外径を表2に示す通りとし、外径9.6mm、高さ9.8mm正極相対密度87%の正極合剤ペレットとすること、およびセパレータ挿入後、40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液0.7gを注入すること以外はすべて比較例1と同様にして単四形電池を作製した。
(実施例17〜28及び比較例22〜38)
前記正極中空円筒の内径の外径に対する比を表2に示すようにすること以外は比較例21と同様にして電池を作製した。これらの電池の重負荷特性の評価は、0℃および20℃で10mAおよび300mAの定電流放電を行なった時、10mA放電容量に対する300mA放電容量の割合を用いた。また、最大負極重量の評価は、有底円筒状のセパレータを挿入後、40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液0.7gを注入し、ゲル状負極をセパレータから溢れないように充填できる最大重量の測定値を用いた。これらの結果を表2に示す。
Figure 2005100732
上記表1および2の結果から明らかなように、正極中空円筒の内径の外径に対する比が小さいほど、重負荷特性が向上する。しかし、小さすぎると最大負極重量が小さくなりすぎるため、重負荷特性が劣化する。単三形電池の場合、最大負極重量は4.7gより大きいことが好ましい。また、重負荷特性(20℃)は、56%より大きく、重負荷特性(0℃)は28%より大きいことが好ましい。単四形電池の場合、最大負極重量は、1.9gより大きいことが好ましい。また、重負荷特性(20℃)は42%より大きく、重負荷特性(0℃)は21%より大きいことが好ましい。
(実施例7、29〜47及び比較例1)
正極に対する二酸化マンガンの含有率およびオキシ水酸化ニッケルの含有率および黒鉛の含有率および負極と正極の理論容量の比を表3に示すようにしたこと以外は実施例7と同様にして電池を作製した。これらの電池の重負荷特性の評価は、20℃で20mAおよび750mAの定電流放電を行なった時、20mA放電容量に対する750mA放電容量の割合を用いた。また、過放電時の内部圧力の評価は、25℃で10Ωの抵抗で短絡させ、電圧が0.15Vより下回るまで放電させたときの電池内部のガス圧力を用いた。これらの結果を表3に示す。
Figure 2005100732
上記表3に示すように、容量比が大きいほど重負荷特性が向上し、一方、容量比が多いほど過放電時の内部圧力が高いことが判明した。また、黒鉛が多いほど過放電時の内部圧力小さい。黒鉛が多すぎても少なすぎても重負荷特性が劣化した。重負荷特性40%以上、かつ過放電時の内部圧力6.0MPa未満が好ましい。
(実施例7、48〜82及び比較例1)
正極の作製において、オキシ水酸化ニッケル粉末を用いる代わりに表4に示したような表面修飾層を備えるオキシ水酸化ニッケル粉末を用いたこと以外は実施例7と同様にして電池を作製した。これらの電池の重負荷特性の評価は、20℃で20mAおよび750mAの定電流放電を行なった時、20mA放電容量に対する750mA放電容量の割合を用いた。また、過放電時の内部圧力の評価は、25℃で10Ωの抵抗で短絡させ、電圧が0.15Vより下回るまで放電させたときの電池内部のガス圧力を用いた。これらの結果を表4に示す。
Figure 2005100732
上記表4から明らかなように、Co、Y、Er、Ybを含む表面修飾層により重負荷特性が向上する。Coが多いほど重負荷特性良い。Y、Er、Ybが多いほど過放電時の内部圧力が小さい。被覆の順序には大差がない。混合元素で被覆しても効果はあまり変わらない。重負荷特性56%より大、かつ過放電時の内部圧力6.0MPa未満が好ましい。
(実施例7、83〜123および比較例1)
表5に示すように金属ニッケル粒子を正極に含有させること以外は実施例7と同様にして電池を作製した。これらの電池の重負荷特性の評価は、20℃で20mAおよび750mAの定電流放電を行なった時、20mA放電容量に対する750mA放電容量の割合を用いた。また、過放電時の内部圧力の評価は、25℃で10Ωの抵抗で短絡させ、電圧が0.15Vより下回るまで放電させたときの電池内部のガス圧力を用いた。これらの結果を表5に示す。
Figure 2005100732
上記表5から明らかなように、金属ニッケル粒子が多いほど重負荷特性良いが、多すぎると過放電時の内部圧力が高くなる。平均粒径が小さすぎると電解液吸着量が増すため重負荷特性が劣化し,過放電時の内部圧力は高くなり、大きすぎても集電性が劣り重負荷特性は劣化し、過放電時の内部圧力は高くなる。球状より樹技状あるいは鱗片状の方が金属ニッケル粒子の含有率に比べて効果が大きい.重負荷特性56%より大、かつ過放電時の内部圧力6.0MPa未満が好ましい。
(実施例7、124〜136および比較例1)
前記正極相対密度および正極分割数および正極挿入荷重が表6に示すようにすること以外は実施例7と同様にして電池を作製した。
これらの電池の重負荷特性の評価は、20℃で20mAおよび750mAの定電流放電を行なった時、20mA放電容量に対する750mA放電容量の割合を用いた。また、ヒビ・欠け確率の評価は,金属缶内に円筒状に加圧成形した正極合剤ペレットを積み重ねた状態で所定の正極挿入荷重で挿入し、ヒビ・欠けの有無をマイクロスコープにて観察し、電池100本当たりヒビ・欠けが発生する本数の割合を用いた。これらの結果を表6に示す。
Figure 2005100732
上記表6から明らかなように、正極相対密度が大きくなると、正極挿入荷重が大きくなるが、重負荷特性も向上する。正極相対密度が大きすぎると、正極挿入荷重が大きくなりすぎて、正極合剤ペレットに過剰な応力がかかるためヒビ・欠け確率が大きくなる。ヒビ・欠け確率は5%以下であることが望ましい。正極分割数が多くなると正極挿入荷重は若干増加し、重負荷特性も若干向上するが、正極分割数を多くしすぎると、単位時間当たりの生産数が減少するため好ましくない。また、正極分割数が1個の時、すなわち正極を分割しない時はヒビ・欠け確率が多くなり好ましくない。重負荷特性56%より大きいことが好ましい。
(実施例7、137〜180及び比較例1)
前記電解液濃度および正極理論容量に対する電解液体積の比を表7に示すようにすること以外は実施例7と同様にして電池を作製した。これらの電池の重負荷特性の評価は、20℃で20mAおよび750mAの定電流放電を行なった時、20mA放電容量に対する750mA放電容量の割合を用いた。また、貯蔵後の内部圧力の評価は、温度60℃、相対湿度93%の雰囲気中に7日間貯蔵したときの電池内部のガス圧力を用いた。これらの結果を表7に示す。
Figure 2005100732
上記表7から明らかなように、電解液濃度を大きくすると、貯蔵後の内部圧力は上昇する。正極理論容量に対する電解液体顔の比を大きくすると、重負荷特性は向上するが、貯蔵後の内部圧力も上昇する。重負荷特性56%より大、かつ貯蔵後の内部圧力2.0MPa未満が好ましい。
本発明を適用することのできるアルカリ亜鉛一次電池の概略断面図である。
符号の説明
1……金属缶(外装缶)
2……正極(正極合剤)
3……セパレータ
4……ゲル状負極
5……負極集電体
6……絶縁性ガスケット
7……リング状金属板
8……金属封口板

Claims (6)

  1. ニッケル系化合物を主構成材料とする中空円筒状の正極と、亜鉛を主成分とする合金を用いた負極を具備するアルカリ亜鉛一次電池であって、前記正極が、二酸化マンガンを前記正極材料に対して、0.5〜9質量%の割合で含有し、かつ、前記中空円筒状の正極の内径の外径に対する比が0.63〜0.68であることを特徴とするアルカリ亜鉛一次電池。
  2. 前記アルカリ亜鉛一次電池において、前記負極と前記正極の理論容量の比が0.8〜1.0であり、かつ、前記正極が、炭素系材料を1〜6質量%含有することを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。
  3. 前記正極の主構成材料がCoからなる化合物の単層か、またはCo、Y、Er、Ybから選ばれる少なくとも1種類の元素を含む物質によって形成される単層または複層の表面修飾層を備えることを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。
  4. 前記正極が金属ニッケル粒子を前記ニッケル系化合物に対して0.02〜2質量%含有し、前記金属ニッケル粒子が樹枝状あるいは鱗片状であり、かつ、平均粒径(D50)が1〜20μmであることを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。
  5. 前記正極の成形体の相対密度が、88〜93%であり、前記成形体を積み重ねた状態で外装缶に挿入する正極分割数は2〜5個であり、かつ正極挿入荷重が1〜50Nであることを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。
  6. 前記電解液が、水酸化カリウムを主たる電解質とする水溶液であって、前記水酸化カリウムの前記電解液に対する濃度が30〜45質量%であり、かつ正極理論容量に対する電解液体積の比が0.9〜1.1cm/Ahであることを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。

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