JP2007220373A - 密閉式アルカリ亜鉛一次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサイドアウト型の構造を有するニッケル亜鉛電池において、高率放電特性を改善し、高容量の電池を実現すること。
【解決手段】水酸化ニッケル系化合物粒子および二酸化マンガンを正極活物質とする正極合剤と、亜鉛を主成分とする合金粉末をアルカリ電解液に分散させたゲル状負極とセパレータとを金属缶に収納してなる密閉式アルカリ亜鉛一次電池において、前記正極合剤中の空隙や電解液部分などの非固体部の体積と、前記正極活物質の体積の比を0.2:1〜0.9:1とし、かつ、前記正極合剤に占める非固体部の体積占有率を15〜35体積%とすることにより前記課題を解決する。また、水酸化ニッケル系化合物としてはオキシ水酸化ニッケルが好ましく、また、二酸化マンガンとしては電解二酸化マンガンが好ましい。正極合剤に含まれる炭素粒子は2質量%から10質量%の範囲であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、密閉式ニッケル亜鉛一次電池に関し、特に高率放電特性の改善された電池に関する。
最近のさまざまな携帯電子機器の発達は目覚しく、特に重負荷特性を必要とする機器が増加しているため、従来最も一般的に用いられているアルカリマンガン電池よりも高率放電特性に優れる電池が期待されている。
従来、電池としては、シート状に成形した正極、負極およびセパレータを捲回し、電解液を注入して形成するスパイラル型構造の電池と、円筒形状に成形した正極とゲル状の負極と円筒状のセパレータを円筒金属缶体に収納したインサイドアウト型構造の電池が知られている。ところで、スパイラル型構造の電池と比べて、インサイドアウト型構造の電池は生産性に優れ、低コストで高容量の電池を作製することが可能であるが、正極と負極との対向する面積が小さいため、高率放電特性に劣るという欠点がある。
一方、高率放電特性に優れた電池として、オキシ水酸化ニッケルを主構成材料とする正極と、亜鉛を主成分とする合金を用いた負極とセパレータと金属缶を具備する密閉式アルカリ亜鉛二次電池が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、この電池は、連続あるいは不連続の高率放電において、電気容量が著しく減少してしまうという問題点があった。
また、水酸化ニッケルを正極活物質とし、亜鉛を負極活物質とするインサイドアウト型ニッケル亜鉛二次電池も知られている(特許文献2参照)。
ところでかかる電池においては、充放電サイクルを繰り返すことにより充電時に正極から酸素ガスが発生し、電池内圧が上昇して電解液が漏液するおそれがあるという問題を抱えている。また、この電池においては、正極と負極の理論容量比を1:2としており、放電に使用されない負極活物質が多量に上り、高容量を達成することは困難である。
英国特許365125号明細書 特開2000−67910号公報
本発明は、生産性に優れているインサイドアウト型の構造を有するニッケル亜鉛電池において、高率放電特性を改善し、高容量を実現できる電池を提供することを目的とする。
本発明は、水酸化ニッケル系化合物粒子および二酸化マンガン粒子を正極活物質として含有する正極合剤と、亜鉛を主成分とする合金粉末をアルカリ電解液に分散させたゲル状負極と、セパレータとを金属缶に収納してなる密閉式アルカリ亜鉛一次電池において、前記正極合剤の非固体部の体積と、前記正極活物質の体積の比が0.2:1〜0.9:1であり、かつ、前記正極合剤に占める非固体部の体積占有率が15〜35体積%であることを特徴とする密閉式アルカリ亜鉛一次電池である。
また、前記水酸化ニッケル系化合物が、オキシ水酸化ニッケルであることが好ましく、また、前記二酸化マンガンは電解二酸化マンガンであることが好ましく、また、前記本発明の正極合剤中に炭素粒子が2質量%から10質量%の範囲で含有することが好ましい。
さらに、前記正極活物質における水酸化ニッケル系化合物粒子と、二酸化マンガン粒子との配合比率が、水酸化ニッケル系化合物:二酸化マンガンの質量比にして、60:40〜40:60の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、高エネルギー密度(高放電容量)であって、かつ高率放電特性に優れたアルカリ一次電池が実現できる。
以下、本発明の電池の詳細な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明をいわゆるインサイドアウト構造(電池缶体が正極側、電池蓋側が負極側となっている構造)と呼ばれているJIS規格のLR6形(単3形)の電池に応用した例である。
図1において1は、正極端子を兼ねる有底円筒形の金属缶であり、この金属缶1の内部に中空円筒状に成形された正極活物質を含有する正極合剤2が金属缶1の内面に接触するように収容されている。この正極合剤2の中空内部には不織布などからなる有底円筒状のセパレータ3を介して、ゲル状亜鉛負極材料4が充填されている。そして、この負極材料4には金属棒からなる負極集電棒5が挿着され、この負極集電棒5の一端は負極材料4の表面から突出してリング状金属板7及び陰極端子を兼ねる金属封口板8に電気的に接続されている。そして、正極となる金属缶1内面と、負極集電棒5の突出部外周面には、二重環状のナイロン樹脂からなる絶縁ガスケット6が配設され、これらは絶縁されている。また、金属缶1の開口部はかしめられて液密に封止されている。
以下に、本発明の正極合剤、負極材料、及び電解液について詳細に説明する。
(正極合剤)
本発明において、正極合剤は、水酸化ニッケル系化合物粒子および二酸化マンガン粒子からなる正極活物質、炭素粒子などからなる導電材、およびアルカリ電解液、また必要に応じてバインダなどを混合し、プレスにより、その外径が金属缶の内径にほぼ等しい中空円筒形状に成形して製造される。そして、成形された正極合剤は、正極活物質粒子、および導電材粒子が相互に結着し、粒子間の粒界には電解液が充填されている。
そして本発明者らは、かかる正極合剤において、正極合剤を構成する成分の内、電解液が浸透含浸されている正極合剤の非固体部の体積が電池特性にとって大きな影響を及ぼしていることに着目して検討した結果本発明を完成するに至ったもので、かかる正極合剤において、正極合剤の非固体部の体積と正極活物質の体積の比および正極合剤中における非固体部の体積占有率(正極合剤に対する非固体部の体積比率)を特定の範囲に設定することにより高率放電特性を改善しかつ高容量の電池を実現するものである。
すなわち、かかる正極合剤の非固体部の体積を、次の(式1)に示すように定義したときに、正極合剤の非固体部の体積と、正極活物質の体積の比を、0.2:1〜0.9:1とし、また、正極合剤中の非固体部の体積占有率を、15〜35体積%とした点を主たる特徴とするものである。
(非固体部の体積)=(充填された正極合剤の体積)−{(正極活物質の体積)
+(正極活物質以外の固体の体積)}…(式1)
上記式1において、非固体部の体積とは、正極合剤である成形体に含まれる気体あるいは液体の占める部分の体積であり、例えば、正極合剤中の空隙のほかに、成形や充填の際に添加される電解液やゲル化した水溶性バインダなどを含むものである。
また、上記式1において、充填された正極合剤の体積とは、成形された正極合剤の外形寸法から求めた体積であって、その内部には、上述のようにガスや液体が充填されている空隙が存在していれば、その体積も含むものである。
また、正極活物質の体積及び正極活物質以外の固体の体積は、それぞれの物質の添加量と比重から算出することができる。また、正極活物質以外の固体体積としては、例えば、炭素粒子などの導電材を含むものである。
前述のように本発明においては、前記正極合剤において、正極合剤の非固体部の体積と、正極活物質の体積の比を、0.2:1〜0.9:1とすることを特徴とするものであるが、正極に占める非固体部の体積と正極活物質の体積との比が、この範囲より小さいと、下記式2で表される正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルおよび式3で表される正極活物質である二酸化マンガンの放電反応に必要な電解液中の水分が正極活物質粒子表面上で局所的に不足することにより、電池反応を阻害するため、高率放電特性が低下する。
NiOOH+HO+e → Ni(OH)+OH …(式2)
MnO+HO+e → MnOOH+OH…(式3)
一方、正極に占める非固体部の体積と前記正極活物質の体積との比が、上記範囲より大きいと、固体粒子間の接触点が減少し、正極全体の電気伝導性を減少させるため高率放電特性が低下する。
したがって、正極に占める非固体部の体積と前記正極活物質の体積との比は、0.2:1〜0.9:1の範囲が好ましく、より好ましくは0.3:1〜0.7:1の範囲である。
また、本発明においては、前記正極合剤に占める非固体部の体積占有率は、15〜35体積%とすることを特徴とするものであるが、非固体部の体積占有率がこの範囲より小さいと、金属缶に充填された正極に破損や亀裂などが起こりやすくなるため、正極全体の集電性が損なわれ、放電容量が低下する。
一方、非固体部の体積占有率が上記範囲より大きいと、金属缶に充填された正極の成形強度が弱まり、以降の製造プロセスにおいて活物質の脱落が著しく、放電容量が低下する。
したがって、本発明においては、非固体部の体積占有率は、15〜35体積%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜30体積%の範囲である。
本発明において用いられる前記正極活物質である水酸化ニッケル系化合物としては、水酸化ニッケル、およびオキシ水酸化ニッケルがあげられる。これらの内、オキシ水酸化ニッケルが高濃度である程、電池電圧が高く、放電容量も増すという点で望ましい。
さらに、正極活物質である水酸化ニッケル系化合物自体が、亜鉛もしくはコバルト単独あるいはその両方と共晶しているものであることが、低電解液比率でも安定した放電が行えることから好ましい。水酸化ニッケル系化合物に共晶させる亜鉛もしくはコバルトの量としては、4〜12%の範囲が好ましい。亜鉛の量がこの範囲を下回ると、利用率低下の問題が発生し、またこの範囲を上回ると、比重低下により容量密度が低下する問題があるからである。
また、上記ニッケル水酸化物の正極活物質にY、Er、Yb、Caの化合物を添加することにより、貯蔵時の容量維持率を改善することができる。本発明において用いられる上記化合物としては、例えばY、Er、Yb、などの金属酸化物、およびCaFなどの金属フッ化物があげられる。これらの金属酸化物および金属フッ化物は、正極活物質であるニッケル水酸化物に対して、0.1〜10質量%の範囲で用いることができる。金属酸化物もしくは金属フッ化物の配合量が上記範囲を下回った場合、十分な効果が得られない。一方配合量が上記範囲を上回った場合、容量低下の問題が発生し好ましくない。
このような本発明において、ニッケル水酸化物に金属酸化物あるいは金属フッ化物を添加するには、水性媒体に分散したニッケル水酸化物粒子に、上記金属酸化物粒子もしくは金属フッ化物粒子を添加することにより製造することができる。
本発明において用いることのできる二酸化マンガンとしては、汎用のマンガン乾電池において用いられている二酸化マンガン粒子を、そのまま採用することができるが、特に電解二酸化マンガンが好ましい。
本発明においては、上記水酸化ニッケル系化合物粒子と、二酸化マンガン粒子を配合して正極活物質として用いるが、これらの物質の配合の比率は、水酸化ニッケル系化合物対二酸化マンガンの質量比にして、60:40〜40:60の範囲であることが好ましい。
かかる正極活物質において、水酸化ニッケル系化合物粒子の量がこれより少ないと、高率放電特性が低下し、重負荷の用途には適さなくなる。一方、二酸化マンガンの量がこれより少ないと、放電容量が低下し、短寿命化してしまう欠点がある。
また、本発明においては、前記正極合剤中に炭素粒子を配合し導電性を改善することができるが、かかる炭素粒子としては、黒鉛、ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカーボンブラックなどが用いられる。
そして、本発明においては、前記正極合剤中のかかる炭素粒子の含有量を2質量%から10質量%以下の範囲とすることが望ましい。正極合剤中の炭素粒子の含有量を大きくしすぎると、限られた金属缶の容積中に充填することのできる正極活物質量自体が減少することと、炭素粒子が酸化されて生じる炭酸イオンが自己放電を加速して、放電容量が減少するからである。また正極合剤中の炭素含有量を少なくしすぎると正極活物質の粒子同士の接触が悪くなるため導電性が低下し、放電容量が減少する。この理由によって、正極合剤中の炭素粒子の含有量は、2質量%から10質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3質量%から7質量%の範囲である。
(負極材料)
本発明で用いられる負極材料は、負極活物質である亜鉛合金を主成分とする負極材料であり、公知の二酸化マンガン−亜鉛一次電池で使用されている亜鉛ゲルを用いることができる。この負極材料は、ゲル状であることが取り扱いの点で望ましい。負極材料をゲル状とするためには、負極活物質に電解液及び増粘剤を添加することにより容易にゲル化することができる。
本発明において用いる亜鉛合金は、無汞化亜鉛合金として知られている水銀及び鉛を含まない亜鉛合金を用いることができる。具体的には、インジウム0.01〜0.06質量%、ビスマス0.005〜0.02質量%、アルミニウム0.0035〜0.015質量%を含む亜鉛合金が、水素ガス発生の抑制効果があり望ましい。特にインジウム、ビスマスは放電性能を向上させるため望ましい。
負極作用物質として純亜鉛ではなく亜鉛合金を用いる理由は、アルカリ性電解液中での自己溶解速度を遅くし、密閉系の電池製品とした場合の電池内部での水素ガス発生を抑制して、漏液による事故を防止するためである。
また、亜鉛合金の形状は、表面積を大きくして大電流放電に対応できるように粉末状とすることが望ましい。本発明において好ましい亜鉛合金の平均粒径は、90〜210μmの範囲が好ましい。亜鉛合金の平均粒径が上記範囲を上回った場合、表面積が比較的小さくなり大電流放電に対応することは困難になる。また、平均粒径が上記範囲を下回った場合、電池組み立て時の取り扱いが難しく、電解液及びゲル化剤と均一に混合することが困難になるばかりでなく、表面が活性であることから酸化されやすく不安定である。
また、本発明において用いられる増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、CMC、アルギン酸などを用いることができる。特に、ポリアクリル酸が、強アルカリに対する耐薬品性に優れているため好ましい。
(電解液)
本発明で用いられる電解液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ物質を電解質として用いた水溶液が好ましく、特に、水酸化カリウムを電解質として用いることが、好ましい。
また、本発明においては、上記水酸化カリウムなどの電解質を水に溶解して電解液とするが、さらに電解液中に亜鉛化合物を添加することが望ましい。かかる亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛などの化合物が挙げられるが、特に酸化亜鉛が好ましい。
電解液として少なくとも亜鉛化合物を含有するアルカリ性水溶液を用いるのは、アルカリ性水溶液中での亜鉛合金の自己溶解が酸性系の電解液と比較して格段に少なく、更には亜鉛合金のアルカリ性電解液中での自己溶解を亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛を溶解して亜鉛イオンを予め存在させておくことにより更に抑制するためである。
電解液の濃度は、7〜11mol/lの範囲とすることが、高い電気導電率を得るために最適である。
(実施例1〜4および比較例1、2)
(正極の作製)
オキシ水酸化ニッケル粉末40質量部、二酸化マンガン粉末50質量部に対して、黒鉛粉末5.4質量部を加えてから乾式攪拌を10分間行なった後、これに、40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液4.6質量部を添加し、汎用混合器で30分間混合し、混合粉末を得た。続いて、この混合粉末を圧粉、破砕の工程を経て顆粒合剤を作製した。その後、この顆粒合剤を中空円筒状に加圧成形し、正極合剤ペレットを得た。
(負極の作製)
インジウム:0.01質量%、ビスマス:0.01質量%及びアルミニウム:0.003質量%を含む平均粒径90〜210μmの亜鉛合金粉末65質量部に対して、ゲル化剤としてのポリアクリル酸0.3質量部を加え、汎用混合器で5分間攪拌し、均一に混合した。次いで酸化亜鉛を3.5質量%溶解した35質量%濃度の水酸化カリウム水溶液35質量部を添加し、10分間混合攪拌して十分に分散させた後、前記亜鉛合金粉末の混合物を4分間かけて徐々に添加すると共に、150mmHg以下の減圧状態で攪拌・混合し、更に、10mmHg以下の減圧状態にして5分間攪拌して、均一なゲル状負極を製造した。
(電池の組立)
図1において、1は正極端子を兼ねる有底円筒形の金属缶であり、この金属缶1内には円筒状に加圧成形した正極合剤ペレットを3個積み重ねた状態で、正極合剤2を9.2g装填した。また、正極合剤2の中空部には、アセタール化ポリビニルアルコール繊維の不織布からなる有底円筒状のセパレータ3を介して前記方法で製造したゲル状負極4が充填されている。ゲル状負極4内には真鍮製の負極集電棒5が、その上端部をゲル状負極4より突出するように挿着されている。負極集電棒5の突出部外周面及び金属缶1の上部内周面には二重環状のナイロン樹脂からなる絶縁ガスケット6が配設されている。また、絶縁ガスケット6の二重環状部の間にはリング状の金属板7が配設され、かつ金属板7には負極端子を兼ねる帽子形の金属封口板8が集電棒5の頭部に当接するように配設されている。そして、金属缶1の開口縁を内方に屈曲させることによりガスケット6及び金属封口板8で金属缶1内を密封口している。このようにして製造されたゲル状負極を用いて実施例1である図1に示す単3形アルカリ電池を組み立てた。
以上のようにして組立てた各LR6電池について、約2日間のエージングの後、20℃の雰囲気下で150mAおよび1000mAの定電流放電を行ない、正極活物質の利用率として理論容量に対する放電容量の比を調べた。
その結果を表1に示す。
Figure 2007220373
正極合剤2の重量すなわち正極重量を表1に示すように、9.0g、9.7g、10.8g、11.8g、および12.3gとすること以外はすべて実施例1と同様に単3形アルカリ電池を製造した(比較例1、実施例2、実施例3、実施例4、および比較例2)。これらの電池についても、実施例1と同様、電池特性の測定を行った。その結果を表1に併記する。
表1に示すように、正極に占める非固体部体積の正極活物質の体積に対する比が、0.96と、本発明の範囲を超えた比較例1の場合、1000mAの放電容量および利用率が著しく減少している。これはオキシ水酸化ニッケル粒子や黒鉛粒子の固体粒子間の接触点が減少し、正極全体の電気伝導性を減少させるため高率放電特性が劣化したことによる。
一方、正極に占める非固体部体積の正極活物質の体積に対する比が、0.15と、本発明の範囲に満たない比較例2の場合も、1000mAの放電容量および利用率が著しく減少している。これは、オキシ水酸化ニッケルの放電反応に必要な電解液中の水分が粒子表面上で局所的に不足することにより反応を阻害するため、高率放電特性が劣化したことによる。
また、正極合剤に占める非固体部体積の割合を、37体積%と、本発明の範囲を超えた比較例1の場合、150mAの放電容量および利用率が著しく減少している。これは、金属缶に充填された正極の成形強度が弱まり、以降の製造プロセスにおいて活物質の脱落が著しく、放電容量が低下したことによる。
一方、正極合剤に占める非固体部体積の割合を、14体積%と、本発明の範囲に満たない比較例2の場合も、150mAの放電容量および利用率が著しく減少している。これは、金属缶に充填された正極に破損や亀裂などが起こりやすくなるため、正極全体の集電性が損なわれ、放電容量が低下したことによる。
(実施例5、6および比較例3、4)
表2に示すように、オキシ水酸化ニッケル粉末40質量%および二酸化マンガン粉末50質量%に対して、黒鉛粉末を1.4質量%、2.3質量%、8.1質量%、10.8質量%とすることと、添加する40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液を3.0質量%、3.5質量%、5.8質量%、6.9質量%とすること以外はすべて実施例3と同様にして単3形アルカリ電池を製作した(比較例3、実施例5、実施例6、比較例4)。これらの電池についても実施例1と同様にして電池特性の測定を行った。その結果を表2に記載する。
Figure 2007220373
表2に示すように、正極合剤中の黒鉛の含有量を10質量%より大きくした比較例4の場合、150mAの放電容量および利用率が減少している。これは充填される活物質量自体が減少するため、放電容量が低下したことと黒鉛が酸化されて生じる炭酸イオンが自己放電を加速することで、放電容量が低下したことによる。また正極合剤中の黒鉛の含有量を2%より少なくした場合、1000mAの放電容量が著しく減少している。これは正極活物質の粒子同士の接触が悪化し導電性が低下したためである。
(実施例7、8および比較例5、6)
オキシ水酸化ニッケル粉末と、二酸化マンガン粉末の配合量を下記表3に示した値としたこと以外は、実施例1と同様にして、4個の電池を製作し、実施例1と同様にして電池の特性を評価した。その結果を表3に併記する。
表3の結果から明らかなように、これらの正極活物質の配合量を60:40〜40:60の範囲をはずれた電池においては、本発明の特徴を得ることができないことが明らかとなった。
Figure 2007220373
本発明を適用できるインサイドアウト型の電池の断面図である。
符号の説明
1・・・金属缶(正極)
2・・・正極合剤
3・・・セパレータ
4・・・ゲル状負極
5・・・負極集電棒
6・・・絶縁ガスケット
7・・・リング状金属板
8・・・金属封口板

Claims (4)

  1. 水酸化ニッケル系化合物粒子および二酸化マンガン粒子を正極活物質として含有する正極合剤と、亜鉛を主成分とする合金粉末をアルカリ電解液に分散させたゲル状負極と、セパレータとを金属缶に収納してなる密閉式アルカリ亜鉛一次電池において、
    前記正極合剤における非固体部の体積と、前記正極活物質の体積の比が0.2:1〜0.9:1であり、かつ、前記正極合剤に占める非固体部の体積占有率が15〜35体積%であることを特徴とする密閉式アルカリ亜鉛一次電池。
  2. 前記水酸化ニッケル系化合物粒子が、オキシ水酸化ニッケル粒子であることを特徴とする請求項1記載の密閉式アルカリ亜鉛一次電池。
  3. 前記正極合剤中に、炭素粒子を2質量%から10質量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の密閉式アルカリ亜鉛一次電池。
  4. 前記正極活物質における水酸化ニッケル系化合物粒子と、二酸化マンガン粒子との配合比率が、水酸化ニッケル系化合物:二酸化マンガンの質量比にして、60:40〜40:60の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の密閉式アルカリ亜鉛一次電池。

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