JP2004095475A - 円筒形電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電体と負極合剤または正極合剤間の抵抗を小さくし、負荷特性を向上した円筒形電池を提供する。
【解決手段】円筒形電池としてのニッケル−水素二次電池100は、有底円筒状の金属製電池缶11内に正極合剤12からなる中空円筒状の正極を配置し、その中央部にセパレータ13を介して負極合剤14からなる正極を配置し、負極合剤14には無孔または有孔の平板状金属からなる集電体15を挿入し配置するように構成される。集電体15の合計表面積は上記正極および負極の接触面積の18%以上とされ、なおかつ集電体15の合計体積は電池内体積の1.5%以下とされる。これにより、集電体15と負極合剤14との接触面積が大きくなるため、集電体15と負極合剤14間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上することができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ニッケル−水素、ニッケル−亜鉛等の円筒形電池に関する。詳しくは、中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有し、または中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有する円筒形電池において、中央部に配置された負極または正極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置する構成とすることによって、集電体と負極合剤または正極合剤間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上した円筒形電池に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯用電子機器の普及により、円筒形アルカリ電池の需要は増える一方である。また,従来駆動電圧が高かった携帯用電子機器も次第に低電圧化されることから低電圧系の二次電池は非常に重要な位置を占めるようになる。一方、一次電池を二次電池化し、繰り返し使用することで、環境的負荷を低減することができる。
【0003】
従来、正極活物質にニッケルを用いた電池としてニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池があるが、ニッケルカドミウム電池は負極に用いられるカドミウムが環境汚染物質であるため、ニッケル水素電池が着目され、主流となっている。一般的にこのニッケル水素二次電池は、発泡ニッケル基板に水酸化ニッケルを充填した帯状の正極と、穿孔鋼板に水素吸蔵合金を塗着した帯状の負極を、不織布セパレータを介して巻回した構造を有しており、電極面積の広さから優れた重負荷放電特性を示している。
【0004】
しかし、上述のように水素吸蔵合金を用いたニッケル−水素二次電池は、重負荷特性に優れているが、逆に軽負荷放電に対しては一次電池であるアルカリ乾電池ほどの容量も取り出すことができない。これは限られた電池内のスペースに充填される正極、及び負極の活物質量が少ないためであり、高密度に充填されることで多くの容量を得ることができ、高密度に充填されることが重要である。上述のニッケル−水素二次電池では発泡ニッケル基板に水酸化ニッケルを充填した帯状の正極と、穿孔鋼板に水素吸蔵合金を塗着した帯状の負極を、不織布セパレータを介して巻回する構造を有しているため、正極、負極を充填、塗着する基板、不織布セパレータの容積が大きく、充填する活物質を高密度に充填しても充填量には限界がある。またニッケル−亜鉛二次電池においても同様である。
【0005】
電池の正極材料、負極材料を高密度に充填するには、アルカリ乾電池で採用されている、有底円筒状の金属製正極缶内に中空円筒状の正極を配置し、その中央部に有底円筒状のセパレータを介して負極を配置した、いわゆるインサイドアウト(Inside out)型構造が優れている。インサイドアウト型構造を有するアルカリ電池として、ニッケル−亜鉛二次電池、ニッケル−水素二次電池が提案されている。
【0006】
図5は、インサイドアウト型構造を有するアルカリ電池10の構成を示す図である。図5に示すアルカリ電池10はLR6型(単三型)ニッケル−亜鉛二次電池である。
【0007】
このアルカリ電池10は、電池缶(正極缶)1と、正極合剤2と、セパレータ3と、負極合剤4と、負極集電ピン5と、ガスケット6と、ニュートラルカバー7と、負極端子8とから構成されている。
【0008】
電池缶1は、例えばニッケルメッキが施された金属板をプレス加工して成形したものである。この電池缶1はアルカリ電池10の正極端子1aも兼ねている。電池缶1の内面に、正極合剤2との接触導電性を高めるための導電塗料が塗布され、導電塗層(図示せず)が形成される。
【0009】
正極合剤2は、図4に示すように中空円筒状をしており、電池缶1の内部に配される。この正極合剤2は、正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケル、導電剤としての炭素粉および電解液としてのアルカリ性水溶液を混合し、中空円筒状に成型してなるものである。導電剤として用いる炭素粉には黒鉛粉が用いられる。アルカリ性水溶液には、例えば水酸化カリウム水溶液が使用されるが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液やそれらを混合しても使用可能である。
【0010】
この正極合剤2は、以下のようにして作製される。まず、ベータ型オキシ水酸化ニッケル、グラファイト、水酸化カリウム水溶液を所定の重量比で秤量し、インペラーやボールミルなどの攪拌方法によって混合する。次に、混合した材料をプレス成形して、中空円筒状のペレット(中空円筒状部材)を生成する。この中空円筒状のペレットを所定個数、この例においては1個電池缶1に挿入し正極とする。
【0011】
セパレータ3は、正極合剤2と負極合剤4との間に介在して電解液を保持し、両電極を隔離する役割を果たしている。このセパレータ3には耐アルカリ性の合成繊維不織布、例えばビニロン(商品名)、ポリアミド、ポリオレフィン、またはセルロースなどからなる不織布が用いられ、有底円筒状をしており、正極合剤2の内側に配される。
【0012】
負極合剤4は、ゲル状であり、セパレータ3の中に充填される。この負極合剤4は、負極活物質となる粒状亜鉛と酸化亜鉛を、ゲル化剤を用いて電解液である水酸化カリウム水溶液に均一に分散混合させたものである。
【0013】
また、アルカリ電池10の封口ユニットは、黄銅製の負極集電ピン5と、ナイロン材料のガスケット6と、ニュートラルカバー7と、負極端子8とから構成されている。負極端子8には、例えば黄銅製の負極集電ピン5が溶接されている。この封口ユニットは電池缶1の開口部を封口するように機能する。
【0014】
図5に示すアルカリ電池10は、以下のようにして製作される。まず、中空円筒状に加圧成型された正極合剤2を、電池缶1に挿入する。次に、電池缶1の開口部にガスケット6固定用の溝入れ(ビーディング)を行う。そして、有底円筒状のセパレータ3を正極合剤2の中心部に挿入し、該セパレータ3の中にゲル状の負極合剤4を充填する。最後に、電池缶1に負極集電ピン5、ガスケット6、ニュートラルカバー7、負極端子8を一体化した封口ユニットを挿入し、電池缶1の開口部の縁部を内部に折り曲げ、この封口ユニットを固定する。電池缶1に封口ユニットを挿入する際、負極端子8に溶接された負極集電ピン5は、ゲル状の負極合剤4に差し込まれる。
【0015】
アルカリ電池10において、負極の集電は、負極端子8に溶接された負極集電ピン5が負極合剤4に差し込まれることで確保されている。また、正極の集電は、正極合剤2と電池缶1とが接続されることで確保されている。なお、電池缶1の外周面は、メーカー名、電池種類、注意書き等が記載された外装ラベル9によって覆われており、電池缶1の底の凸部に正極端子1aが位置している。
【0016】
なお、ニッケル−水素二次電池の場合、正極活物質として水酸化ニッケルが使用され、負極活物質として水素吸蔵合金が使用される。他には上述のアルカリ電池10と同様に構成される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなインサイドアウト型構造を有するアルカリ電池10の内部抵抗は電子抵抗とイオン移動抵抗に分けられる。電子抵抗は正極中、負極中、正極集電体と正極、負極集電体と負極の抵抗であり、イオン移動抵抗は溶液の抵抗、すなわちセパレータを介した正極と負極間の抵抗である。この中の成分において、抵抗の大きい部分が一つでもある場合には負荷特性も悪くなり、活物質の利用率も悪くなる。従来のアルカリ電池10のように負極集電体5として1本の金属ピンを用いる場合、負極集電ピン5が負極との接触面積が少ないため、電池の内部抵抗の中で負極集電ピン5と負極合剤間の抵抗が大きく、放電反応を効率良く行うことができない。
【0018】
従って、上述したアルカリ電池10のように、ただ単純に正極にニッケル酸化物、負極に亜鉛(または水素吸蔵合金)を用いて、この構造を有する電池を作成した場合、正極材料、負極材料が高密度に充填されていても、負極集電ピン5と負極合剤の接触面積が小さいため、十分に容量を取り出すことができず、負荷特性が十分ではないという問題がある。
【0019】
そこで、この発明は、集電体と負極合剤または正極合剤間の抵抗を小さくし、負荷特性を向上した円筒形電池を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る円筒形電池は、中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有する円筒形電池において、負極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置するものである。
【0021】
また、この発明に係る円筒形電池は、中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有する円筒形電池において、正極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置するものである。
【0022】
例えば、集電体は、合計表面積が上記正極および負極の接触面積の18%以上であり、合計体積が電池内体積の1.5%以下である。また例えば、平板状金属は、無孔または有孔の金属板からなる。
【0023】
また例えば、正極合剤は、正極活物質として水酸化ニッケルまたはベータ型オキシ水酸化ニッケルを含有し、負極合剤は、負極活物質として水素吸蔵合金または亜鉛を含有する。
【0024】
この発明においては、電池中央部に配置された負極または正極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置する構成が採用され、例えば、集電体の合計表面積が上記正極および負極の接触面積の18%以上とし、なおかつ合計体積が電池内体積の1.5%以下とすることによって、集電体と負極合剤または正極合剤との接触面積が大きくなるため、集電体と負極合剤または正極合剤間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上することが可能となる。
【0025】
また、集電体は1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属のような形状単純なものを用いることで、負荷特性を向上できると共に、製造容易、且つ安価な円筒形電池を得ることが可能となる。
【0026】
中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有する円筒形電池において、負極集電体の合計表面積が正極及び負極の接触面積の18%よりも小さい場合には、負極集電体と負極間の抵抗を小さくすることができず負荷特性は向上しない。また、負極集電体の合計体積が電池内体積の1.5%よりも大きい場合には充填できる負極合剤の量が減少してしまう。
【0027】
同様に、中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有する円筒形電池において、正極集電体の合計表面積が正極及び負極の接触面積の18%よりも小さい場合には、正極集電体と正極間の抵抗を小さくすることができず負荷特性は向上しない。また、正極集電体の合計体積が電池内体積の1.5%よりも大きい場合には充填できる正極合剤の量が減少してしまう。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施の形態の円筒形電池としてのニッケル−水素二次電池100について説明する。
図1は、第1の実施の形態としてのニッケル−水素二次電池100の構成を示している。このニッケル−水素二次電池100は、有底円筒状の金属製電池缶内に正極合剤からなる中空円筒状の正極を配置し、その中央部にセパレータを介して負極合剤からなる負極を配置したインサイドアウト型構造を有する単三型電池であり、正極活物質として水酸化ニッケルが使用され、負極活物質として水素吸蔵合金が使用される。
【0029】
図1に示すニッケル−水素二次電池100は、電池缶11と、正極合剤12と、セパレータ13と、負極合剤14と、集電体15と、ガスケット16と、ニュートラルカバー17と、負極端子18とから構成されている。
【0030】
電池缶11は、例えばニッケルメッキが施された金属板をプレス加工して成形したものである。この電池缶11はニッケル−水素二次電池100の正極端子11aも兼ねている。
【0031】
正極合剤12は、中空円筒状をしており、電池缶11の内部に配される。この正極合剤12は、正極活物質としての水酸化ニッケル、導電剤としての炭素粉および電解質としてのアルカリ性水溶液を混合し、中空円筒状に成型してなるものである。導電剤として用いる炭素粉には黒鉛粉が用いられる。アルカリ性水溶液には、例えば水酸化カリウム水溶液が使用されるが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液も使用可能である。
【0032】
この正極合剤12は、以下のようにして作製される。まず、ベータ型オキシ水酸化ニッケル、黒鉛粉、水酸化カリウム水溶液を重量比で10:1:1の割合で秤量し、インペラーやボールミルなどの攪拌方法によって混合する。次に、混合した材料を、例えば、外径13.3mm、内径9.0mm、高さ40mmの中空円筒状に加圧成型して正極合剤12を得る。この中空円筒状の正極合剤12を電池缶11に挿入し正極とする。
【0033】
セパレータ13は、有底円筒状をしており、正極合剤11の内側に配される。このセパレータ13には耐アルカリ性の合成繊維不織布、例えばビニロン(商品名)、ポリアミド、ポリオレフィン、またはセルロースなどからなる不織布が用いられる。この例では、セパレータ13は厚さ0.15mmのポリオレフィン不織布を2巻きし、底部を内側に折り曲げることにより有底円筒状とされる。
【0034】
負極合剤14は、水素吸蔵合金と水酸化カリウム溶液とを混合したものであり、セパレータ13の中に充填される。水素吸蔵合金は、例えば、Co、Mn、Al含有するLmNi(ここでLmはランタンリッチとしたミッシュメタルを意味する)であり、その平均粒径は、20μmである。
【0035】
集電体15は、負極合剤に挿入する部分が有孔または無孔平板状金属である。平板状金属の片方は負極端子18に溶接されている。この集電体15は、アルカリ水溶液や正極、負極と反応しない金属、例えばステンレス、ニッケル、銅、錫など金属から形成される。この例ではステンレス製の平板状金属に錫メッキを形成した集電体15が用いられる。
【0036】
図2は、集電体15の構成例を示している。図2(a)は、1枚の金属板から構成される集電体を示す図である。図2(b)は、平行に配置される2枚の金属板から構成される集電体15を示す図である。また、集電体15の2枚の金属板は、互いに垂直に配置してもよい。また、集電体15が複雑な形状の場合、製造が困難、高価となるため、できるだけ単純な形状が好ましい。
【0037】
また、集電体15と、ガスケット16と、ニュートラルカバー17と、負極端子18とが一体化され、ニッケル−水素二次電池100の封口ユニットを構成される。この封口ユニットは電池缶11の開口部を封口するように機能する。
【0038】
図1に示すニッケル−水素二次電池100は、以下のようにして製作される。まず、中空円筒状に加圧成型された正極合剤12を、電池缶11に装入する。次に、電池缶11の開口部にガスケット16固定用の溝入れ(ビーディング)を行う。そして、有底円筒状のセパレータ13を正極合剤12の中心部に挿入し、該セパレータ13の中に負極合剤14を充填する。最後に、電池缶11に集電体15と、ガスケット16と、ニュートラルカバー17と、負極端子18とからなる封口ユニットを挿入し、電池缶11の開口部の縁部を内部に折り曲げ、この封口ユニットを固定する。電池缶11に封口ユニットを挿入する際、負極端子16に溶接された負極集電ピン15は、負極合剤14に差し込まれる。
【0039】
図1に示すニッケル−水素二次電池100において、負極の集電は、負極端子板16に溶接された負極集電ピン15が負極合剤14に差し込まれることで確保されている。また、正極の集電は、正極合剤12と電池缶11とが接続されることで確保されている。なお、電池缶11の外周面は、メーカー名、電池種類、注意書き等が記載された外装ラベル19によって覆われており、電池缶11の底の凸部(図示のニッケル−水素二次電池100の上部)に正極端子11aが位置している。
【0040】
ここでは、以下の実施例1〜22のニッケル−水素二次電池100と比較例のニッケル−水素二次電池を作成し検討した。
【0041】
実施例1は、水酸化ニッケル:黒鉛粉末:濃度30%の水酸化カリウム(KOH)水溶液を10:1:1の割合で混合して正極合剤12とし、この正極合剤12を外径13.2mm、内径9mm、高さ40mmの中空円筒状のペレットにプレス成形し、これを電池缶11に挿入し正極とした。次に、この正極合剤12の中空部に、厚さ0.15mmのポリオレフィン不織布を2巻きし、底部を内側に折り曲げることにより有底円筒状としたセパレータ13を正極合剤12に当接するように挿入した。そしてこのセパレータ13の内部に濃度30%の水酸化カリウム水溶液を1g注入した。次に、水素吸蔵合金と濃度30%の水酸化カリウム水溶液とを9:1の比率で混合して負極合剤14とし、この負極合剤14をセパレータ13の内部に8g充填し負極とした。この時用いた水素吸蔵合金は、Co、Mn、Al含有するLmNiであり、その平均粒径は、20μmであった。
【0042】
また、負極集電体15には1枚の平板状金属を用いた(図2(a)参照)。平板状金属の寸法は、長さ30mm、幅3mm、厚さ50μmとした。そして上述したニッケル−水素二次電池100の作製手順に従い電池を作製した。
【0043】
実施例2〜7は、集電体15として、1枚の平板状金属を用いた(図2(a)参照)。平板状金属の寸法は、長さ30mm、幅7mmであり、厚さはそれぞれ50、100、200、300、400、500μmとしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で電池を作製した。
【0044】
実施例8〜11は、集電体15として、2枚の平板状金属を用いた(図2(b)参照)。平板状金属の寸法は、長さ30mm、幅7mmであり、厚さはそれぞれ50、100、200、300μmとしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で電池を作製した。
【0045】
実施例12〜17は、集電体15として、開孔率50%である1枚の平板状金属を用いた。平板状金属の寸法は、長さ30mm、幅7mmであり、厚さはそれぞれ50、100、200、300、500、1000μmとしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で電池を作製した。
【0046】
実施例18〜22は、集電体15として、開孔率50%である2枚の平板状金属を用いた。平板状金属の寸法は、長さ30mm、幅7mmであり、厚さはそれぞれ50、100、200、300、500μmとしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で電池を作製した。
【0047】
また比較例は、集電体15として、直径1.5mm、長さ30mmの1本の金属ピンを用いた(図5参照)。これ以外は、実施例1と同様な製造方法で電池を作製した。
【0048】
これら実施例1〜22と比較例に対して以下の試験条件で充放電を行い、放電容量を測定した。
【0049】
すべての評価は実施例と比較例の電池を作製してから一週間後に行った。作製したニッケル−水素電池を以下のようにして保存、充放電を行うことによって活性化処理した。
【0050】
作製したニッケル−水素電池を60℃で10時間保存した後、20℃の環境において、第1回目の充放電として、0.1C相当の電流、充電深度100%の条件で充電し、0.1C相当の電流で1.0Vまで放電を行った後、第2回目の充放電として、0.1C相当の電流、充電深度120%の条件で充電し、0.1C相当の電流で1.0Vまで放電を行った後、評価を行った。
【0051】
放電容量は、温度20℃で0.1C相当の電流、充電深度150%の条件で充電し、0.5C相当の電流で1.0Vまで放電するサイクルを繰り返し行う。安定した後の放電容量を測定した。
【0052】
実施例1〜22と比較例に対して上述の試験条件で放電容量を測定した結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004095475
ここで、放電容量は比較例の放電容量を100として得られたものである。
【0053】
表面積率は次式を用いて算出される。
表面積率(%)=集電体の合計表面積(mm)/正極と負極の接触面積(mm)×100
体積率は次式を用いて算出される。
体積率(%)=集電体の合計体積(mm)/電池内体積(mm)×100
なお、同様の電池を10個測定した。
【0054】
表1の測定結果により、集電体15を平板状にすることで表面積率が増加され、表面積率が18%以上、且つ体積率が1.5%以下の場合、放電容量が向上された。従って、表面積率が18%以上、且つ体積率が1.5%以下の実施例2〜6、8〜10、12〜16、18〜21のニッケル−水素電池100では、負極での集電性が良く、大きな容量を示している。なお、集電体15の合計表面積が正極及び負極の接触面積の18%よりも小さい場合は、負極集電体と負極間の抵抗を小さくすることができず負荷特性は向上しない。また、集電体15の合計体積が電池内体積の1.5%よりも大きい場合には充填できる負極合剤の量が減少されるため、放電容量が減少してしまった。
【0055】
このように、ニッケル−水素二次電池100は有底円筒状の金属製電池缶11内に正極合剤12からなる中空円筒状の正極を配置し、その中央部にセパレータ13を介して負極合剤14からなる正極を配置し、負極合剤14には1枚以上の平板状金属からなる集電体15を挿入し配置することにより、集電体15と負極合剤14との接触面積が大きくなるため、集電体15と負極合剤14間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上することができる。
なお、集電体15として、3枚以上の平板状金属から構成される集電体を用いてもよい。
【0056】
次に、この発明の第2の実施の形態の円筒形電池としてのニッケル−水素二次電池200について説明する。図3は第2の実施の形態としてのニッケル−水素電池200の構成を示している。
【0057】
このニッケル−水素二次電池200は、有底円筒状の金属製電池缶内に正極合剤からなる中空円筒状の正極を配置し、その中央部にセパレータを介して負極合剤からなる負極を配置した構造を有する単三型電池であり、正極活物質として水酸化ニッケルが使用され、負極活物質として水素吸蔵合金が使用される。
【0058】
図3に示すニッケル−水素二次電池200は、電池缶21と、正極合剤22と、セパレータ23と、負極合剤24と、集電体25、ガスケット26、ニュートラルカバー27、負極端子28、外装ラベル29とから構成されている。また負極集電体25と、ガスケット26と、ニュートラルカバー27と、負極端子28とから封口ユニット構成されている。
【0059】
ニッケル−水素二次電池200においては、電池缶21、正極合剤22、セパレータ23、負極合剤24、ニュートラルカバー27、負極端子28及び外装ラベル29は第1の実施の形態と同様な構成を有している。
【0060】
また、集電体25は、図3の示すように2本の集電ピンから構成される。この集電体25は、例えばステンレス、ニッケル、銅、錫など金属から形成される。この例では黄銅製のピン状集電体25が用いられる。ガスケット26は、集電体25の2本の金属ピンが挿入可能な開孔を有している。
【0061】
図3に示すニッケル−水素二次電池200は第1の実施の形態のニッケル−水素二次電池100と同様な手順で製作される。また、ニッケル−水素二次電池200においても、負極の集電は、負極端子28に溶接された集電体25が負極合剤24に差し込まれることで確保されている。また、正極の集電は、正極合剤22と電池缶21とが接続されることで確保されている。
【0062】
また、ニッケル−水素二次電池200に対して、上述した第1の実施の形態のニッケル−水素二次電池100と同様な試験条件で放電容量を測定した。
【0063】
ここでは、以下の実施例23〜27のニッケル−水素二次電池200と比較例のニッケル−水素二次電池を検討した。
【0064】
実施例23〜27は、水酸化ニッケル:黒鉛粉末:濃度30%の水酸化カリウム(KOH)水溶液を10:1:1の割合で混合して正極合剤12とし、この正極合剤12を外径13.2mm、内径9mm、高さ40mmの中空円筒状のペレットにプレス成形し、これを電池缶11に挿入し正極とした。次に、この正極合剤12の中空部に、厚さ0.15mmのポリオレフィン不織布を2巻きし、底部を内側に折り曲げることにより有底円筒状としたセパレータ13を正極合剤12に当接するように挿入した。そしてこのセパレータ13の内部に濃度30%の水酸化カリウム水溶液を1g注入した。次に、水素吸蔵合金と濃度30%の水酸化カリウム水溶液とを9:1の比率で混合して負極合剤14とし、この負極合剤14をセパレータ13の内部に8g充填し負極とした。この時用いた水素吸蔵合金は、Co、Mn、Al含有するLmNiであり、その平均粒径は、20μmであった。
【0065】
また、負極集電体15には2本の金属ピンを有するものを用いた(図3参照)。金属ピンの寸法は、長さ30mmであり、直径はそれぞれ1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mmとした。そして上述した、ニッケル−水素二次電池100の作製手順に従い電池を作製した。
【0066】
また比較例は、集電体15として、直径1.5mm、長さ30mmの1本の金属ピンを用いた(図5参照)。これ以外は、第1の実施の形態の実施例1と同様な製造方法で電池を作製した。
【0067】
これら実施例23〜27と比較例を上述の試験条件で測定した結果を表2に示す。ここで、放電容量は比較例の放電容量を100として得られたものである。なお、同様の電池を10個測定した。
【0068】
【表2】
Figure 2004095475
ここで、放電容量、表面積率および体積率は第1の実施の形態と同様な方法で得られた。
【0069】
表2の測定結果により、実施例23〜26のニッケル−水素二次電池200は、比較例と比較して放電容量が改善されたことが分かる。これに対して、実施例27の二次電池は、体積率が1.5%より大きいため、負極合剤の充填量が減少し、高密度充填性が損なわれてしまうので、放電容量が低くなってしまった。したがって、集電体25の表面積率が18%以上、且つ体積率が1.5%以下の場合、放電容量が向上した。
【0070】
このように、ニッケル−水素二次電池200は有底円筒状の金属製電池缶21内に正極合剤22からなる中空円筒状の正極を配置し、その中央部にセパレータ23を介して負極合剤24からなる負極を配置し、負極合剤24には2本の金属ピンからなる集電体25を挿入し配置することにより、集電体25と負極合剤24との接触面積が大きくなるため、集電体24と負極合剤24間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上することができる。
なお、集電体25として、3本以上の金属ピンから構成される集電体を用いてもよい。
【0071】
次に、この発明の第3の実施の形態の円筒形電池としてのニッケル−亜鉛二次電池300について説明する。
図4は、第3の実施の形態のニッケル−亜鉛二次電池300の構成を示している。このニッケル−亜鉛二次電池300は有底円筒状の金属製電池缶内に負極合剤からなる中空円筒状の負極を配置し、その中央部にセパレータを介して正極合剤からなる正極を配置した構造を有する単三型電池であり、正極活物質としてベータ型オキシ水酸化ニッケルが使用され、負極活物質として亜鉛を含有するものが使用される。
【0072】
このニッケル−亜鉛二次電池300は、電池缶31と、正極合剤32と、セパレータ33と、負極合剤34と、集電体35と、ガスケット36と、ニュートラルカバー37と、正極端子38と、外装ラベル39とから構成されている。
【0073】
電池缶31は、例えばニッケルメッキが施された金属板をプレス加工して成形したものである。この電池缶31はニッケル−亜鉛二次電池300の負極端子31aも兼ねている。
【0074】
正極合剤32は、正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケル、導電剤としての炭素粉および電解液としてのアルカリ性水溶液を混合し、セパレータ33の中に充填される。導電剤として用いる炭素粉には黒鉛粉が用いられる。アルカリ性水溶液には、例えば水酸化カリウム水溶液が使用されるが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液やそれらを混合しても使用可能である。
【0075】
この正極合剤32は、以下のようにして作製される。まず、ベータ型オキシ水酸化ニッケル、黒鉛粉、濃度40%の水酸化カリウム(KOH)水溶液を重量比で10:1:1の割合で秤量し、インペラーやボールミルなどの攪拌方法によって混合する。また、正極合剤32に使用されるベータ型オキシ水酸化ニッケルは、化学酸化法により製作され、かつ粒子の形状が球状(球状に近い状態のものを含む)である。
【0076】
セパレータ33は、有底円筒状をしており、負極合剤34の内側に配される。このセパレータ33には耐アルカリ性の合成繊維不織布、例えばビニロン(商品名)、ポリアミド、ポリオレフィン、またはセルロースなどからなる不織布が用いられる。この例では、例えば、セパレータ33は、厚さ0.15mmのポリオレフィン不織布を2巻きし、底部を内側に折り曲げることにより有底円筒状とされる。
【0077】
負極合剤34は、中空円筒状をしており、電池缶31の内部に配される。この負極合剤34は、負極活物質となる粒状亜鉛と酸化亜鉛を、ゲル化剤を用いて電解液である水酸化カリウム水溶液に均一に分散混合させたものである。
【0078】
集電体35は、2本の金属ピンから構成されるものである。この集電体35は、例えばステンレス、ニッケル、銅、錫などの金属から形成される。この例ではステンレス製の金属に錫メッキを施したピン状集電体35が用いられる。ガスケット36は、集電体35の2本の金属ピンが挿入可能な開孔を有している。
【0079】
電池缶31の開口部は、絶縁体のガスケット36、ニュートラルカバー37および正極端子38を一体化された封口ユニットにより封止される。正極端子38には、集電体35が溶接されている。
【0080】
図4に示すニッケル−亜鉛二次電池300は、以下のようにして製作される。まず、中空円筒状に成型された負極合剤34を、電池缶31に挿入する。次に、電池缶31の開口部に溝入れ(ビーディング)を行う。そして、負極合剤34の内側に、有底円筒状のセパレータ33を挿入し、該セパレータ33の中に正極合剤32を充填する。最後に、電池缶31に絶縁体のガスケット36、ニュートラルカバー37および正極端子38を挿入し、電池缶31の開口部の縁部を内部に折り曲げ、ガスケット36を固定する。電池缶31にガスケット36等を挿入する際、正極端子38に溶接された集電体35は、正極合剤32に差し込まれる。
【0081】
図4に示すニッケル−亜鉛二次電池300において、正極の集電は、正極端子38に溶接された集電体35が正極合剤32に差し込まれることで確保されている。また、負極の集電は、負極合剤34と電池缶31とが接続されることで確保されている。なお、電池缶31の外周面は、メーカー名、電池種類、注意書き等が記載された外装ラベル39によって覆われており、電池缶31の底部に負極端子31aが位置している。
【0082】
ここで、本実施の形態における正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケルについてさらに説明する。
このベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを化学酸化により作製したものである。例えば、このベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを、適当な酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムと、適当なアルカリ種、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムとを含む液相中で酸化させることで得ることができる。このときの酸化反応は、以下の通りである。
2Ni(OH)+ClO → 2NiOOH+Cl+H
【0083】
このようにベータ型オキシ水酸化ニッケルを化学酸化により作製することで、その過程において、NO ,CO 2−等の不純物イオンが液相中に流出して結晶内からある程度除去される。その結果、自己放電のより少ない、電池用の活物質に、より適したベータ型オキシ水酸化ニッケルを得ることができる。因に、オキシ水酸化ニッケルの自己放電は、その結晶中に含まれるNO ,CO 2−等の不純物イオンが電池内で分解して起こると考えられている。
【0084】
なお、液相中のpHにより、生成するオキシ水酸化ニッケルの結晶構造が異なる。すなわち、pHがある値以下では高密度のベータ型オキシ水酸化ニッケル(理論密度:4.68g/cm)が生成され、一方pHがそれより大きな値では低密度のガンマ型オキシ水酸化ニッケル(理論密度:3.79g/cm)が生成される。
【0085】
またこの際、出発原料となる水酸化ニッケルとしては、粒子の形状が球状(球状に近い状態のものを含む)である、高密度水酸化ニッケルと呼ばれるものが用いられる。これにより、本実施の形態における正極活物質であるベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が球状(球状に近い状態のものを含む)となる。
【0086】
通常の水酸化ニッケルは非球状で、タップ(Tap)密度1.4〜1.8(g/cm)、バルク(Bulk)密度1.0〜1.4(g/cm)なのに対し、上述の高密度水酸化ニッケルと呼ばれるものは粒子が球状であり、タップ(Tap)密度2.0〜2.5(g/cm)、バルク(Bulk)密度1.4〜1.8(g/cm)と、通常品に比べ高密度である。
【0087】
タップ(Tap)密度とバルク(Bulk)密度(「かさ密度」ともいう)の測定方法は次の通りである。すなわち、対象となる粉末を特定の容器に自然落下充填し、このときの質量をM(g)、体積をV(cm)、容器を持ち上げて容器の底を机などに200回軽くぶつけた(タッピング)後の体積をN(cm)とすると以下の式で定義される。
バルク(Bulk)密度=M/V(g/cm
タップ(Tap)密度=M/N(g/cm
【0088】
また、本実施の形態における正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ(Tap)密度とバルク(Bulk)密度は次の範囲内にあることが望ましい。すなわち、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ(Tap)密度は2.2〜2.7g/cmの範囲にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク(Bulk)密度は1.6〜2.2g/cmの範囲にあることが望ましい。タップ密度およびバルク密度がこれらの範囲の下限値よりも小さいと、放電容量を大きくすることが困難になるからである。また、タップ密度およびバルク密度がこれらの範囲の上限値よりも大きなベータ型オキシ水酸化ニッケルは製造することが困難だからである。
【0089】
上述したように作成した球状(略球状を含む)粒子のベータ型オキシ水酸化ニッケルを用いることで、正極材料を高密度に充填することができ、重負荷放電特性と保存特性に優れたニッケル−亜鉛二次電池を得ることができる。
【0090】
このように、ニッケル−亜鉛二次電池300は有底円筒状の金属製電池缶31内に負極合剤34からなる中空円筒状の負極を配置し、その中央部にセパレータ33を介して正極合剤32からなる正極を配置し、正極合剤32には2本の金属ピンを有する集電体35を挿入した構造が採用されることによって、集電体35と正極合剤32との接触面積が大きくなるため、集電体35と正極合剤32間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上することができる。
集電体35として、3本以上の金属ピンから構成される集電体を用いてもよい。
【0091】
なお、上述の実施の形態においては、ニッケル−水素二次電池およびニッケル−亜鉛二次電池について説明したが、これに限定されるものではない、他の円筒形電池にもこの発明を適用できる。
【0092】
また、上述の第1,第2の実施の形態においては、中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して上記正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有するニッケル−水素二次電池であるが、第3の実施の形態のように、中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有するニッケル−水素二次電池にしてもよい。また、水素吸蔵合金の組成は限定されるものではない。
【0093】
また、上述の第3の実施の形態においては、中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有するニッケル−亜鉛二次電池であるが、第1及び第2の実施の形態のように、中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有するニッケル−亜鉛二次電池にしてもよい。
【0094】
また、上述の実施の形態においては、単三型のニッケル−水素二次電池100,200および単三型のニッケル−亜鉛二次電池300について説明したが、これに限定されるものではない、他の寸法の電池にもこの発明を適用できる。
【0095】
また、上述の実施の形態においては、二次電池について説明したが、一次電池にもこの発明を適用できる。
【0096】
【発明の効果】
この発明に係る円筒形電池によれば、中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有し、または中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有する円筒形電池において、電池中央部に配置された負極または正極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置するものであり、集電体と負極合剤または正極合剤との接触面積が大きくなるため、集電体と負極合剤または正極合剤間の抵抗が小さくなり、負荷特性を向上することができる。
【0097】
また、集電体は1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属のような形状単純なものを用いることで、負荷特性を向上できると共に、製造容易、且つ安価な円筒形電池を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としてのニッケル−水素二次電池の構成を示す図である。
【図2】平板状金属集電体の構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態としてのニッケル−水素二次電池の構成を示す図である。
【図4】第3の実施の形態としてのニッケル−亜鉛二次電池の構成を示す図である。
【図5】従来のアルカリ電池の構成を示す図である。
【符号の説明】
10・・・アルカリ電池、11,21,31・・・電池缶、11a,21a,38・・・正極端子、12,22,32・・・正極合剤、13、23,33・・・セパレータ、14,24,34・・・負極合剤、15,25,35・・・集電体、16,26,36・・・ガスケット、17,27,37・・・ニュートラルカバー、18,28,31a・・・負極端子、19,29,39・・・外装ラベル、100,200・・・ニッケル−水素二次電池、300・・・ニッケル−亜鉛二次電池

Claims (12)

  1. 中空円筒状に成形された正極合剤からなる正極と、有底円筒状のセパレータを介して上記正極の中空部に充填された負極合剤からなる負極とを有する円筒形電池において、
    上記負極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置する
    ことを特徴とする円筒形電池。
  2. 上記集電体は、
    合計表面積が上記正極および負極の接触面積の18%以上であり、且つ合計体積が電池内体積の1.5%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池。
  3. 上記平板状金属は、無孔または有孔の金属板からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池。
  4. 上記正極合剤は、正極活物質として水酸化ニッケルまたはベータ型オキシ水酸化ニッケルを含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池。
  5. 上記ベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを化学酸化することにより得られた球状の粒子形状を有するものである
    ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池。
  6. 上記負極合剤は、負極活物質として水素吸蔵合金または亜鉛を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池。
  7. 中空円筒状に成形された負極合剤からなる負極と、有底円筒状のセパレータを介して上記負極の中空部に充填された正極合剤からなる正極とを有する円筒形電池において、
    上記正極に1枚以上の平板状金属または複数のピン状金属からなる集電体を配置する
    ことを特徴とする円筒形電池。
  8. 上記集電体は、
    合計表面積が上記正極および負極の接触面積の18%以上であり、
    合計体積が電池内体積の1.5%以下である
    ことを特徴とする請求項7に記載の円筒形電池。
  9. 上記平板状金属は、無孔または有孔の金属板からなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の円筒形電池。
  10. 上記正極合剤は、正極活物質として水酸化ニッケルまたはベータ型オキシ水酸化ニッケルを含有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の円筒形電池。
  11. 上記ベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを化学酸化することにより得られた球状の粒子形状を有するものである
    ことを特徴とする請求項10に記載の円筒形電池。
  12. 上記負極合剤は、負極活物質として水素吸蔵合金または亜鉛を含有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の円筒形電池。
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