JP2005203238A - 集電体及び固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性及び弾力性に富み、電極との間の接触抵抗を低下させることができ、もって集電損失を少なくして、電池出力を向上させることができる集電体と、このような集電体を用いた固体酸化物形燃料電池を提供する。
【解決手段】炭素繊維の集合体を集電体として用い、例えば不織布(フェルト)や各種の織物に加工された状態、あるいは炭素繊維11の表面にさらに導電性皮膜12、必要に応じて耐酸化性を兼ね備えた導電性皮膜12を施した状態で使用することにより、例えば固体酸化物形燃料電池用の集電体として空気極側にも用いることができる。
【選択図】図1
【解決手段】炭素繊維の集合体を集電体として用い、例えば不織布(フェルト)や各種の織物に加工された状態、あるいは炭素繊維11の表面にさらに導電性皮膜12、必要に応じて耐酸化性を兼ね備えた導電性皮膜12を施した状態で使用することにより、例えば固体酸化物形燃料電池用の集電体として空気極側にも用いることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池を始めとする各種の電池や蓄電池などに使用される集電体に係わり、特に、高温においても柔軟性や弾力性を失うことがなく、作動温度が高い固体酸化物形燃料電池(SOFC)にとりわけ好適に用いられる集電体に関するものである。
複数の単セルを積層して成る燃料電池スタックにおいては、各単セルを直列あるいは並列に接続したり、集電効率を向上させたりするために集電体が用いられる。
そして、固体酸化物形燃料電池においては、作動温度における耐熱性とガス透過性を考慮して、Ni、Agのような耐熱金属のメッシュやフェルトが集電体として用いられている。
そして、固体酸化物形燃料電池においては、作動温度における耐熱性とガス透過性を考慮して、Ni、Agのような耐熱金属のメッシュやフェルトが集電体として用いられている。
例えば、特許文献1には、固体酸化物形燃料電池スタックにおいて、非圧縮性の電気絶縁性スペーサと共に、このスペーサの厚み以上の厚さを有し、スペーサの厚さにまで圧縮しても弾性変形が可能な金属製フェルト状物質から成る導電性スペーサを単セル間に配設することによって、スタックの組立に際して、各単セルを均等に締め付けることができ、良好な電気的接続が得られることが記載されている。
また、特許文献2には、平板型固体電解質燃料電池において、導電性セパレータと単セルの燃料極との間に複数層の耐熱性金属メッシュを弾力圧縮状態に挟持し、この複数層の金属メッシュのうちの燃料極に近い層におけるメッシュ線径を細くし、もって燃料極との密着性を高めて集電効率を向上させると共に、電池内の熱膨張差による内部応力を吸収させることが開示されている。
特開平6−35779号公報
特開平8−45516号公報
しかしながら、上記引用文献1に記載の導電性スペーサのフェルト状物質は、金属繊維から成るものであって、その細径化には限界があることから、電極との接触面積を十分に稼ぐことができず、接触抵抗の低減にも自ずと限界がある。また、繊維自体も硬いために、セル間の締め付け力が大きなものとなり、セルやセパレータの強度向上が必要となるなどの問題点がある。
一方、引用文献2に記載のメッシュについても金属製のものであるからして、同様に柔軟性に乏しいため、電極表面の凹凸に対して良好な接触を確保することが難しく、接触面積の向上のためには強い力による押し付けが必要となって、セルやインターコネクタの強度向上が必要となり、スタックの重量増に繋がる。
一方、引用文献2に記載のメッシュについても金属製のものであるからして、同様に柔軟性に乏しいため、電極表面の凹凸に対して良好な接触を確保することが難しく、接触面積の向上のためには強い力による押し付けが必要となって、セルやインターコネクタの強度向上が必要となり、スタックの重量増に繋がる。
また、一般に上記のような金属材料においては、高温状態に繰り返し曝されることによって焼きしまりなどを起こすことが多く、このような固体酸化物形燃料電池に適用した場合には硬化して柔軟性を失い、接触抵抗が増大することがあるという問題があった。
本発明は、金属製メッシュやフェルトから成る従来の集電体における上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、柔軟性及び弾力性に富み、接触抵抗を低下させることができ、もって集電損失を少なくして、出力を向上させることができる集電体と、このような集電体を用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC)を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の達成に向けて、集電体として使用可能な各種材料やその処理方法などについて鋭意検討を重ねた結果、炭素繊維の特性に着目し、炭素繊維の集合体を採用することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、上記知見に基づくものであって、本発明の集電体は、炭素繊維の集合体から成ることを特徴とするものであって、例えば糸や不織布(フェルト)、あるいは各種の織物(紐、テープ、帯、メッシュ、レース、立体織物など)に加工された状態で、あるいはその表面にさらに導電性皮膜、必要に応じて耐酸化性を備えた導電性皮膜を施した状態で、例えば燃料電池用の集電体として好適に用いることができる。
なお、ここで言う「集合体」とは、必ずしも複数の炭素繊維から成るもののみに限定されることはなく、一本の連続する炭素繊維(単繊維)から成るものであっても、糸や不織布、織物などの形態をなしていれば「集合体」に含まれるものとする。
なお、ここで言う「集合体」とは、必ずしも複数の炭素繊維から成るもののみに限定されることはなく、一本の連続する炭素繊維(単繊維)から成るものであっても、糸や不織布、織物などの形態をなしていれば「集合体」に含まれるものとする。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池は、上記集電体を適用したものであって、固体酸化物から成る電解質を挟持する2つの電極層の一方又は両方に本発明の上記集電体が接触していることを特徴としている。
一般に炭素繊維は、数μm程度の繊維径を有し、導電性と共に、高い引張弾性力と耐熱性を備え、高温雰囲気においても、繰り返し熱応力を受けても繊維自体の柔軟性を失うことのない優れた特性を備えたものであるから、このような炭素繊維の集合体を集電体として用いるようにした本発明によれば、電極層との接触面積を増大させて接触抵抗を低減することができ、繰り返し高温状態に曝されても柔軟性、弾力性を維持するので、固体酸化物形燃料電池に適用したとしても長期に亘って優れた集電性能を発揮することができる。また、炭素繊維の表面に耐酸化性を有する導電性皮膜を施すことによって、上記燃料電池の燃料極側のみならず、空気極側にも適用することができるようになる。
なお、本発明の集電体は、上記したように高温特性に優れ、600℃以上で作動する固体酸化物形燃料電池に適用した場合に、特にその特性が有効に発揮されることになるが、当該集電体の用途は、このような固体酸化物形燃料電池のみに限定される訳ではなく、これ以外の燃料電池はもとより、通常の一次電池や二次電池にも適用することができ、この場合にも接触面積を増大させて接触抵抗を低減することができるという優れた効果がもたらされる。
以下、本発明の集電体について、さらに詳細に説明する。
炭素繊維は、一般的には、アクリル繊維を引っ張りながら熱処理することによって製造することができ、高い引張弾性力を持っていることから、強化材料として広く用いられている。また、航空宇宙分野でも利用されているように、繊維自体が高い耐熱性を持っており、高温下においても柔軟性や弾性復元力を有しており、この柔軟性は酸化されない限り持続する。
さらに、金属材料は繰り返しの高温熱処理によって焼きしまりなどを起こす場合が多く、自体の柔軟性が失われる場合が多いのに対し、炭素繊維においては、繰り返しの熱ストレスを受けたとしても繊維自体の柔軟性が損なわれることはない。また、数μm程度の非常に細い繊維径を有すると共に、金属繊維とは違って長繊維のものが作製できることから、フェルトなどの不織布のみならず、織物を形成することも可能である。
さらに、金属材料は繰り返しの高温熱処理によって焼きしまりなどを起こす場合が多く、自体の柔軟性が失われる場合が多いのに対し、炭素繊維においては、繰り返しの熱ストレスを受けたとしても繊維自体の柔軟性が損なわれることはない。また、数μm程度の非常に細い繊維径を有すると共に、金属繊維とは違って長繊維のものが作製できることから、フェルトなどの不織布のみならず、織物を形成することも可能である。
したがって、このような炭素繊維を用いることによって、広い温度範囲において柔軟性、弾力性が高く、長期に亘って電極との接触状態を良好に保持して、接触抵抗を低く維持することが可能な集電体が形成されることになる。
しかし、炭素繊維は、酸化され易く、酸化されると上記したように柔軟性が損なわれることから、例えば固体酸化物形燃料電池の空気極側集電体のように、酸素を含む高温の雰囲気で使用する場合には、耐酸化被覆処理が必要となる。もちろん、当該体酸化性皮膜は導電性をも具備していなければ、集電体としての機能が損なわれることになる。
このとき、炭素繊維の表面皮膜が自立できる程度に厚く付着していれば、炭素繊維が酸化によって消滅したとしても、皮膜材料の中空構造体が形成されることになり、集電体として機能することになる。
このとき、炭素繊維の表面皮膜が自立できる程度に厚く付着していれば、炭素繊維が酸化によって消滅したとしても、皮膜材料の中空構造体が形成されることになり、集電体として機能することになる。
また、炭素繊維自体は導電性を備えてはいるものの、抵抗率としては1×10−3〜1×10−4Ωcm程度と比較的高めであることから、何らかの導電被覆をすることが当該集電体自体の内部抵抗を低減する観点から望ましい。
本発明の集電体は、上記のように炭素繊維の集合体から成るものであるが、その繊維径としては、1〜20μm程度とすることが望ましい。
炭素繊維の繊維径は、一般に7μm程度であって、このような1本の繊維(フィラメント)を撚ることによって、1000フィラメントや4000フィラメントの糸を作成することができる。織物の緻密性や柔軟性は、この糸のフィラメント数や撚り方にも依存する。
炭素繊維の繊維径は、一般に7μm程度であって、このような1本の繊維(フィラメント)を撚ることによって、1000フィラメントや4000フィラメントの糸を作成することができる。織物の緻密性や柔軟性は、この糸のフィラメント数や撚り方にも依存する。
上記範囲の径を備えた炭素繊維を使用することによって、不織布や織物を作製した際の柔軟性を確保しつつ、緻密な不織布や織物を作成することができ、接触面積の増加、接触抵抗の低減に繋がることになるが、炭素繊維径が20μmを超えると、その柔軟性が損なわれ、電極との接触が不十分となる傾向がある一方、1μmに満たない炭素繊維は、製造が困難であるばかりでなく、これ以上細径化しても接触抵抗をさほど低減することはできない。
また、本発明の集電体においては、上記したように導電性を高める目的、あるいは耐酸化性を向上させて酸化雰囲気中での使用を可能にするために、図1の模式図に示すように、当該炭素繊維11の表面に導電性、必要に応じて耐酸化性をも兼ね備えた皮膜(導電性被膜)12を施すことが望ましく、例えばNi、Co、W、Cr、Cu、Fe、Pt、Pd、Ag、Tiなどの金属の単体、あるいはこれら金属の1種以上を含む合金で被覆することができる。
特に、NiやCr、さらにはインコネルやハステロイ、モネルメタル、各種ステンレス鋼など、NiやCr、Cuなどを含む合金の被覆を施して導電性と共に耐酸化性をも高めることによって、酸化雰囲気中での使用が可能になり、例えば燃料電池における空気極側集電体としても使用できるようになる。
特に、NiやCr、さらにはインコネルやハステロイ、モネルメタル、各種ステンレス鋼など、NiやCr、Cuなどを含む合金の被覆を施して導電性と共に耐酸化性をも高めることによって、酸化雰囲気中での使用が可能になり、例えば燃料電池における空気極側集電体としても使用できるようになる。
このような皮膜は、例えばPVD法、CVD法、電解めっき、無電解めっきなどによって、形成することができる。
なお、後述するように炭素繊維を不織布や織物に加工した状態においては、PVD法やCVD法の気相成膜法では、その表面のみに皮膜が形成され、内部にまで被覆することができないのに対し、めっきのような湿式法を用いれば、処理液を内部まで浸透させることができ、上記のような金属や合金による被覆が可能となる。
なお、後述するように炭素繊維を不織布や織物に加工した状態においては、PVD法やCVD法の気相成膜法では、その表面のみに皮膜が形成され、内部にまで被覆することができないのに対し、めっきのような湿式法を用いれば、処理液を内部まで浸透させることができ、上記のような金属や合金による被覆が可能となる。
また、めっきは電解めっきと無電解めっきに分けられるが、電解めっきによって不織布や織物の内部までめっきする場合には、被めっき物質に印加する電流密度を均一かつ微小にする必要がある。さもないと、表面側にめっきが優先的に進行し、内部までめっきされない結果となる。
これに対し、無電解めっきによれば、繊維材料を触媒液及びめっき液に浸漬した際に、撹拌したり、減圧したりすることによって、触媒液とめっき液を不織布や織物の内部まで浸透させることにより、全体のめっきが可能となる。
これに対し、無電解めっきによれば、繊維材料を触媒液及びめっき液に浸漬した際に、撹拌したり、減圧したりすることによって、触媒液とめっき液を不織布や織物の内部まで浸透させることにより、全体のめっきが可能となる。
このような皮膜処理によって導電性の高い皮膜を形成することにより、不織布あるいは織物自体の抵抗のみならず、接触抵抗を低減することができ、集電損失を少なくすることができる。とくに不織布においては、電気伝導は繊維同士の接触によって達成されていることから、接触抵抗の低減による効果が顕著なものとなる。
また、耐酸化性の高い合金皮膜を形成することにより、炭素繊維の酸化を防ぎ、耐久性の向上に繋がり、とくに上記したように当該集電体を空気極側で用いる場合に有効なものとなる。
また、耐酸化性の高い合金皮膜を形成することにより、炭素繊維の酸化を防ぎ、耐久性の向上に繋がり、とくに上記したように当該集電体を空気極側で用いる場合に有効なものとなる。
さらに、本発明の集電体においては、導電性皮膜としてCrC、VC、TiC、TiCNなどの導電性を有する金属炭化物を炭素繊維の表面に形成するようにしても良い。
このような炭化物は、例えば金型の表面処理などに多く用いられているような塩浴処理やPVD法やCVD法の気相成膜法よって形成することができる。前述したように、気相成膜法では、その表面のみに皮膜が形成され、内部にまで被覆することができないことから、繊維内部への被覆には不向きである。
このような炭化物は、例えば金型の表面処理などに多く用いられているような塩浴処理やPVD法やCVD法の気相成膜法よって形成することができる。前述したように、気相成膜法では、その表面のみに皮膜が形成され、内部にまで被覆することができないことから、繊維内部への被覆には不向きである。
一方、塩浴処理は、高温の溶融金属塩に炭素繊維を浸漬し、当該繊維を構成する炭素と反応させることによって繊維表面に金属炭化物皮膜を形成させる。
この結果、繊維中の炭素と反応するために皮膜の密着性が良く、薄くても非常に強固な皮膜が形成される。また、高い導電性を持っていることから、高い耐久性と低い接触抵抗を持つ集電体が得られることになる。塩浴処理においては、KCl、BaCl2などから成る塩浴剤に、CrヤVなどの金属を添加し1000℃程度で溶融したのち、炭素を含有した母材を浸漬させる。浸漬後は高圧温水と超音波洗浄により塩浴剤を除去することにより、炭化物皮膜を得る。塩浴剤の流動性は溶融温度に依存することから、より高温で溶融することにより繊維材内部まで浸透させることができる。また、塩浴剤の容器を深くし、母剤を深部まで浸漬することにより圧力がかかり繊維材内部まで被覆することができる。この手法によって被覆した炭化物は、高温での耐酸化性、耐磨耗性に優れており、空気極の集電にも適用可能である。
この結果、繊維中の炭素と反応するために皮膜の密着性が良く、薄くても非常に強固な皮膜が形成される。また、高い導電性を持っていることから、高い耐久性と低い接触抵抗を持つ集電体が得られることになる。塩浴処理においては、KCl、BaCl2などから成る塩浴剤に、CrヤVなどの金属を添加し1000℃程度で溶融したのち、炭素を含有した母材を浸漬させる。浸漬後は高圧温水と超音波洗浄により塩浴剤を除去することにより、炭化物皮膜を得る。塩浴剤の流動性は溶融温度に依存することから、より高温で溶融することにより繊維材内部まで浸透させることができる。また、塩浴剤の容器を深くし、母剤を深部まで浸漬することにより圧力がかかり繊維材内部まで被覆することができる。この手法によって被覆した炭化物は、高温での耐酸化性、耐磨耗性に優れており、空気極の集電にも適用可能である。
そして、本発明の集電体においては、弾力性、柔軟性を往生させて、相手部材との均一な接触を得やすくする観点から、炭素繊維を不織布や織物に加工した状態で使用することが好ましい。
すなわち、適度な弾力性及び柔軟性を備えた集電体とすることにより、押し付けに際して大きな圧力を要することなく、電極表面の凹凸などに対して容易に変形しつつ、密着することができるようになり、接触面積を増して接触抵抗が低減することになる。これによって、インターコネクタやセルの構造の簡素化、軽量化が達成されることとなる。
すなわち、適度な弾力性及び柔軟性を備えた集電体とすることにより、押し付けに際して大きな圧力を要することなく、電極表面の凹凸などに対して容易に変形しつつ、密着することができるようになり、接触面積を増して接触抵抗が低減することになる。これによって、インターコネクタやセルの構造の簡素化、軽量化が達成されることとなる。
不織布は、短めの繊維を目打ちすることにより作製することができる。
不織布の弾力性は、多くの短繊維を目打ちすることにより向上させることができるが、反面、あまりに密度が高いと、ガス透過性を損なう恐れがあるばかりでなく、不織布自体の柔軟性が損なわれることも予想されるので、適度な密度にすることが必要である。
一方、織物とするには、長い炭素繊維が必要となるが、織り方によって通気性、クッション性、接触性を向上させることが可能となる。
不織布の弾力性は、多くの短繊維を目打ちすることにより向上させることができるが、反面、あまりに密度が高いと、ガス透過性を損なう恐れがあるばかりでなく、不織布自体の柔軟性が損なわれることも予想されるので、適度な密度にすることが必要である。
一方、織物とするには、長い炭素繊維が必要となるが、織り方によって通気性、クッション性、接触性を向上させることが可能となる。
また、上述したような範囲の細い繊維(1〜20μm)を利用することにより、不織布や織物に柔軟性を持たせることが可能となり、また接触面積を大きくすることが可能となる。
上記した本発明の集電体の用途としては、特に限定されず、種々の発電装置や電池、蓄電池などに広く適用することができるが、燃料電池、中でもとりわけ作動温度が高く、材料的な制約条件が厳しい固体酸化物形燃料電池用の集電体としても好適に使用することができる。
すなわち、図2は、本発明の固体酸化物形燃料電池におけるセル構造を示す概略断面図であって、本発明の固体酸化物形燃料電池10は、例えばYSZ(イットリア安定化ジルコニア)、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)、SDC(サマリウム・ドープ・セリア)などから成る固体電解質5の両面に、Pt、Ni、Cuなどの金属材料や、Ni−SDC、Ni−YSZ、Cu−CeO2(セリア)などのサーメット材料、あるいはこれらの混合材料から成る燃料極6と、Pt、Agなどの金属材料や、LSM(La1−XSrXMnO3)、LCM(La1−XCaXMnO3)、LSC(La1−XSrXCoO3)、SSC(Sm1−XSrXCoO3)などの複合酸化物から成る空気極7をそれぞれ備えたものであって、上記燃料極6及び空気極7に、上記集電体1がそれぞれ当接させてある。
このように、本発明の集電体は、固体酸化物形燃料電池10の燃料極6の側にも、空気極7の側にも適用することができるが、空気極6の側に接触させた集電体1については、炭素繊維表面に耐酸化性を備えた導電性皮膜を施すことが必要となるのは、上述したとおりである。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。また、当該実施例において、「%」は、特記しない限り、質量パーセントを意味するものとする。
まず、平均繊維径7μm、平均長さ20mmの炭素繊維を用いて、厚さ4mm、繊維密度600g/m2の不織布(フェルト)を作製した。
次に、得られた不織布に脱脂処理を施した後、パラジウムを含有する金属置換タイプの触媒液で触媒を付与した後、酸性(pH=4.8)タイプの無電解ニッケルめっき液(液温90℃)中に20分間浸漬することによって無電解めっきを施し、炭素繊維の表面に1〜2μmのニッケル被膜を形成させた。なお、不織布は銅線で作製したフレームに固定し、攪拌させながらめっきを行った。このようにして得られたニッケルめっき後の炭素繊維の拡大断面写真を図3に示す。
一方、別途用意した上記炭素繊維不織布に,同様の脱脂処理、触媒付与を施した後、硫酸銅溶液(液温50℃)中に60分間浸漬することによって無電解めっきを施し、炭素繊維の表面に1〜2μmの銅被膜を形成させた。なお、不織布は同様に銅線フレームに固定し、攪拌しながらめっきを行った。このようにして得られた銅めっき後の炭素繊維の拡大断面写真を図4に示す。
そして、このようにして得られたニッケル及び銅めっき後の不織布を3mmに圧縮した状態において、板厚方向の電気的導通をテスターによって確認し、このときの抵抗値を測定し、めっき前の抵抗値と比較した。
この結果、表1に示すように、めっき前の炭素繊維不織布から成る集電体においてはその抵抗値が1.6Ωであるのに対して、ニッケルめっきを施した集電体においては0.5Ωに、銅めっきを施したものにおいては0.2Ωに改善されることが確認された。
この結果、表1に示すように、めっき前の炭素繊維不織布から成る集電体においてはその抵抗値が1.6Ωであるのに対して、ニッケルめっきを施した集電体においては0.5Ωに、銅めっきを施したものにおいては0.2Ωに改善されることが確認された。
1 集電体
10 固体酸化物形燃料電池
11 炭素繊維
12 導電性皮膜
10 固体酸化物形燃料電池
11 炭素繊維
12 導電性皮膜
Claims (9)
- 炭素繊維の集合体から成ることを特徴とする集電体。
- 上記炭素繊維の径が1〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の集電体。
- 上記炭素繊維の表面に導電性皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集電体。
- 上記導電性皮膜がNi、Co、W、Cr、Cu、Fe、Pt,Pd,Ag及びTiから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属、又は少なくとも1種の金属を含む合金から成ることを特徴とする請求項3に記載の集電体。
- 上記導電性皮膜がCrC、VC、TiC及びTiCNから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属炭化物から成ることを特徴とする請求項3に記載の集電体。
- 上記導電性皮膜が耐酸化性を備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の集電体。
- 上記炭素繊維が不織布又は織物に加工されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の集電体。
- 燃料電池に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の集電体。
- 固体酸化物から成る電解質を触媒機能を備えた2つの電極層で挟持した固体酸化物形燃料電池において、請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の集電体が上記電極層の一方又は両方の表面に接触していることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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2004
- 2004-01-16 JP JP2004008595A patent/JP2005203238A/ja active Pending
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