JP4314514B2 - 固体電解質型燃料電池及び集電体の製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池及び集電体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの電極、すなわち、燃料極(アノード)と空気極(カソード)とで固体酸化物電解質を挟持する構成を発電要素として有していると共に、この電池要素の電極に積層される集電体を備え、燃料極側に水素やメタンなどの炭化水素系燃料ガスを流すと共に、空気極側に酸素や空気などの酸化性ガスを流して発電する固体電解質型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記した固体電解質型燃料電池としては、厚いセラミックス材料を積層した構造を成すものが数多く発表されているが、可搬型システムへの電力供給を行ったり燃料電池自体の小型化を図ったりするうえで、重量又は体積当たりの出力密度の向上が求められており、その対応策の一つである燃料電池セルを薄くするフレキシブルディスク型スタックが考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このフレキシブルディスク型のように柔軟性を持たせたセルやセパレータを用いる場合、電力を取り出すための集電体(電気的接続体)は、電解質を電極で挟み込んでなる発電要素に対して、発生応力を吸収しつつそして接触抵抗及び接続抵抗を小さく抑えつつソフトコンタクトするが、この際、薄型化に伴ってガス流路の高さも低くなることから、十分な通気性を確保する必要がある(例えば、特許文献2〜6参照。)。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6344290B1
【特許文献2】
特開平7−142074号公報
【特許文献3】
特開平9−306518号公報
【特許文献4】
特開平10−334929号公報
【特許文献5】
特開平6−36783号公報
【特許文献6】
特開平7−45297号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の固体電解質型燃料電池では、集電体として耐熱金属メッシュやフェルトを用いるものの場合において、特にニッケルを含むものにおいて、燃料極側では酸化還元共存環境に弱いこと、700℃を超えるあたりから弾性が低下すること、クロムを含むものに関しては電解質に対してクロムが被毒材料となってしまうことといった問題があるほか、これらの鉄を含む合金では、表面酸化物が結晶粒界組織に進入してもろくなるなどといった問題があり、一方、電解質材料や電解質を付着させたフェルトを用いるものの場合において、接触抵抗が高いこと及び製作し難いことといった問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、高温酸化環境下において良好な電気的接続性及び通気性が得られる固体電解質型燃料電池を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電解質を電極で挟み込んでなる発電要素と、この発電要素の電極に積層される集電体を備えた固体電解質型燃料電池において、上記集電体は弾性を有する線状導電体から成り、この線状導電体の少なくとも表面を高純度鉄膜で被覆すると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る膜で被覆して成る構成としたことを特徴としており、この固体電解質型燃料電池の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
また、本発明は、電解質を電極で挟み込んでなる発電要素と、この発電要素の電極に積層される集電体を備えた固体電解質型燃料電池において、上記集電体は少なくとも一部分がフェルト状又はブラシ状を成す弾性を有する線状導電体から成り、この集電体の線状導電体を金属板上に密着させて線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆すると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る膜で被覆して、上記集電体にインターコネクタの機能を保持させた構成としたことを特徴としており、この固体電解質型燃料電池の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
さらに、本発明は、電解質を電極で挟み込んでなる発電要素と、この発電要素の電極に積層される集電体を備えた固体電解質型燃料電池において、上記集電体は少なくとも一部分がフェルト状又はブラシ状を成す弾性を有する線状導電体から成り、この集電体の線状導電体を金属板上に密着させて線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆すると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る膜で被覆して、上記集電体にガスセパレータの機能を保持させた構成としたことを特徴としており、この固体電解質型燃料電池の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0010】
【発明の効果】
本発明の固体電解質型燃料電池によれば、集電体の線状導電体の少なくとも表面を被覆する高純度鉄膜が柔軟性に富んでおり、そして、この高純度鉄膜表面の少なくとも一部分を緻密な鉄酸化物から成る膜で被覆するようにしているので、高純度鉄膜及び鉄酸化膜はいずれも保護膜となって線状導電体を保護しつつ良好な酸化物導電性を示すこととなり、したがって、空気極集電体として好適な集電特性を保持することができ、加えて、高純度鉄膜及び鉄酸化膜の主たる導電材料が鉄の単一材料から成っているので、使用温度による変質が少なく安定している、すなわち、高温酸化環境下において上記線状導電体のバネ性を保持し且つ良好な電気的接続性及び通気性を確保することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0011】
また、本発明の固体電解質型燃料電池によれば、集電体の少なくとも一部分がフェルト状又はブラシ状を成す線状導電体を金属板上に密着させて線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆していると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る鉄酸化膜で被覆するようにしているので、空気極集電体として好適な集電特性を保持しつつインターコネクタ(あるいはガスセパレータ)としての電気的接続を改善することができ、金属板がステンレスであったとしても、表面には被毒剤となるクロムを含んでいないので、クロムの放散を防止することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解質型燃料電池において、集電体の高純度鉄の鉄酸化膜は、緻密且つ安定な保護膜となって高純度鉄膜の内部を保護しつつ良好な酸化物導電性を示すこととなり、加えて、高純度鉄はその内部での酸化の進行が極端に遅いために、初期酸化のFe状態を維持し、且つ本組成は低抵抗の酸化物である。また、高温環境ではFeOの組成が出現し、これも低抵抗であることから、集電体の鉄酸化膜の成分として、FeO及びFeの少なくともいずれかを含んでいるものを採用することが望ましい。
【0013】
また、本発明の固体電解質型燃料電池において、集電体の線状導電体を炭素繊維又はSiCを成分として含む繊維とすると、この線状導電体は、1000℃程度の高温において弾性を維持して高い強度を示すものの比較的抵抗が大きくなるが、この線状導電体に対して、その表面に高純度鉄膜を被覆すれば、柔軟性が高い高純度鉄膜は、高温において弾性を維持する上記繊維材料に追従して変形しながら接触状態を維持し、この際、上述のように、酸化を極表面に留めて内部の抵抗値の増加を防ぐことから、接続抵抗が安定に保たれることとなる。つまり、従来不可能であった高温で弾性を維持する低抵抗の集電体を実現し得ることから、集電体の線状導電体には、炭素繊維又はSiCを成分として含む繊維を使用することが望ましい。
【0014】
線状導電体に用いる繊維材料としては、耐熱性の有る導電性のものであれば使用可能であり、炭素繊維やSiCを成分として含む繊維の他に、『チラノ』(宇部興産の登録商標)繊維と呼ばれるSiC+Ti系の合金からなる材料等を用いることができる。なお、この『チラノ』繊維は酸化に対する耐性はあるものの、電気抵抗は大きい。
【0015】
さらに、本発明の固体電解質型燃料電池において、線状導電体を織り込んで成る生地繊維部分と、この生地繊維部分から略直交する方向に突出する突起繊維部分を有している集電体とすることで、セルにおけるガス流路の設計に対応した集電体の配置を集電体製造の段階で構築することができ、その結果、組立工程管理が容易なものとなる。
【0016】
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池において、集電体の線状導電体と高純度鉄膜との間に、金,銀,銅のうちの少なくとも1種類の金属から成る層を介在させると、これらの金属層を高純度鉄膜が保護して内部構造を維持しつつ、これらの金属層を介在させることによる電気抵抗の低減効果を得ることができ、加えて、金属板にステンレスを用いる場合には、上記金属はステンレスの成分であるクロムとも合金を形成し難く、金属層へのクロムの拡散が阻止されて、クロムによる電解質の被毒も防止できることとなる。
【0017】
一方、上記固体電解質型燃料電池の集電体を製造するに際して、電気メッキにより上記線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆する第1のメッキ工程、及び、上記線状導電体及び金属板に対して上記第1のメッキ工程で用いた電源供給部位とは異なる場所に電源を供給して上記線状導電体及び金属板にさらに高純度鉄膜を被覆する第2のメッキ工程とを設けると、原理的に緻密且つピンホールの無い鉄膜を形成し得ると共に、膜がない場所が生じるのを回避し得ることとなる。
【0018】
ここで、高純度鉄膜の形成は、一例としてフソー株式会社(兵庫県尼崎市)の電気メッキ法によれば、非常に高価な高純度の鉄を原料として用いなくても、純度99.98%以上の高純度鉄膜の形成が可能であり、比較的安価に形成することができる。
【0019】
また、酸素及び不活性ガスから成るガス中にて200℃以上906℃未満の酸化処理を施す工程を設けると、高純度鉄膜の酸化される部分の極表面にのみ安定してFeO及びFeの少なくともいずれかを含む酸化膜を形成することができ、さらに、金属板上において線状導電体の一部と金属板とを電気的に接続するべく密着させる工程を設けると、金属板に繊維を予め固定せずに圧縮して機械的及び電気的に接続を行うことができ、繊維を溶接したり埋め込んだり挟んだりし難い薄い金属板であっても、一体の被覆加工が可能となる。
【0020】
この際、酸化は200℃程度でも行われるが、高温側ではガンマ鉄相が出ることから、906℃未満が好ましい。文献(一例として、最新酸化物便覧、(有)日・ソ通信社発行、p.409、図55)からも解るように、温度条件との組み合わせで、鉄表面はFeとFeOとFeとFeの間で組成が変化して、実用上では本発明を供する固体電解質型燃料電池のように高温で作動させる場合はFeO組成が出現する状態となるが、これは低抵抗を示す組成であり、好都合である。
【0021】
鉄は、純度が高くなると、従来知られている特性とは大きく異なり、表面に緻密で且つ安定した非常に薄い酸化膜が形成され、また、この酸化膜は内部に侵入しないことが、新聞や雑誌や書籍や論文等で広く紹介されている。さらに、高純度の鉄は非常に柔らかい性質を持ち、低温でも延性に富むことなども知られている。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0023】
[実施例1]
図1〜図4は本発明の固体電解質型燃料電池の一実施例を示している。
【0024】
図1に部分的に示すように、この固体電解質型燃料電池1は、電解質支持型のものであって、電解質4を電極3,3で挟み込んでなる発電要素2と、この発電要素2の電極3に積層される集電体10を備えており、この集電体10は、少なくとも一部分がフェルト状(又はブラシ状)を成す弾性を有する線状導電体11から成り、この集電体10の線状導電体11を金属板12上に密着させて線状導電体11及び金属板12の双方の表面を高純度鉄膜13で被覆すると共に、この高純度鉄膜13上の表面を鉄酸化物から成る膜14で被覆してある。
【0025】
この場合の金属板12に集電体10が一体接合された外観断面構造を図2に示すが、集電体10の線状導電体11として、太さφ50μmの炭素繊維を荒いフェルト状に織ったものを準備し、一方、集電体10が一体化して接合される金属板12として、厚さ100μmのSUS430耐熱ステンレス薄板を準備した。
【0026】
上記した固体電解質型燃料電池1の集電体10を製造するに際しては、まず、図3(A)に示すように、格子状に組んだABS樹脂性の第1の絶縁体21の上に金属板12を載せるのに続いて、この金属板12上に線状導電体11を載せる。
【0027】
次いで、図3(B)に示すように、上記第1の絶縁体21とほぼ同一の構造を有する第2の絶縁体22を用意し、これらの絶縁体21,22間に上記線状導電体11を載せた金属板12を挟み込んで圧力を印加して、線状導電体11を潰しながら金属板12に密着させて電気的に接続させる。
【0028】
この際、柔軟性をもたせるための繊維状に編んだ線状導電体11を金属板12に溶接したり埋め込んだりする必要が無いため、薄い金属板12を用いることが可能となる。このような薄い金属板12を用いると、積層型燃料電池スタックにおいて、出力密度向上に大きく寄与することとなる。
【0029】
次に、図3(C)に示すように、線状導電体11及び金属板12を上記絶縁体21,22で挟んだまま高純度鉄メッキ液23に浸漬して第1の電気メッキを行う。このとき、電気めっき用の第1の電源線24を線状導電体11の方に接続すれば、抵抗が小さい金属板12の方が優先的にメッキされてしまうといったばらつきを抑制することができる。
【0030】
このように、第1のメッキによって線状導電体11及び金属板12の表面に10μm厚程の鉄層が連続して形成されたところで、これをメッキ浴から引き上げ、上記絶縁体21,22を取り外すと、図4(A)に示すように、鉄皮膜が形成された線状導電体11’と同じく鉄皮膜が形成された金属板12’とがメッキ膜により接合された構造体10’が得られる。
【0031】
この後、図4(B)に示すように、表面に鉄メッキされた上記構造体10’を再びメッキ液23に浸漬して、全体にメッキ膜を5μm程積み増しする。このとき、第2の電源線25として、第1の電源線24と異なる部分にめっき用の電源線を接続すると、絶縁体21,22によりマスクされていた部分や、電源線24の接続によりマスクされていた部分にも鉄メッキを施すことができ、メッキされない領域が生じるのを回避することができる。
【0032】
このメッキにより得られる構造体10’’において、第2の絶縁体22に潰されていた部分がそのままメッキされているので、潰した形状がメッキ時に影響して窪み19が形成される。
【0033】
そして、図4(C)に示すように、上記メッキ工程で得られた構造体10’’に対して酸素と窒素の混合ガスからなる400℃の酸化炉26で酸化処理を施すと、極表面のみに緻密なFeを含む鉄酸化膜14が形成される。
【0034】
以上の工程により、図2に示すように、インターコネクタの機能を有する集電体10を金属板12の片面に形成したガスセパレータを製造することができる。
【0035】
ここで、室温で1Ωm以下の低抵抗性を示す金属酸化物は、貴金属・ITO系及び従来の課題で指摘したCrOを除くと、V,V,FeO,Fe,CuO,Nb等しか明らかでないが、このうちのVは現状においてメッキ法により形成することができないことから全面被覆が困難であり、Nbは高価な希少金属であり、Cuは酸素拡散が表面にとどまらない性質を持つなど、それぞれがいずれも大きな欠点を有する。
【0036】
したがって、高温の酸化雰囲気においても良好な導電性を確保することが安価に実現できる手段として、高温で弾性を有する炭素繊維等の表面に満遍なく高純度鉄膜13を形成すると共にその表面を鉄酸化膜14で覆うことで、内部を保護するようにした本発明が非常に有用であることが判る。
【0037】
[実施例2]
図5は本発明の固体電解質型燃料電池の他の実施例を示している。
【0038】
図5に示すように、この固体電解質型燃料電池の集電体50が先の実施例の固体電解質型燃料電池1の集電体10と相違するところは、金属板12の両面に線状導電体11を密着させて、線状導電体11及び金属板12の双方の表面を高純度鉄膜13で被覆すると共に、この高純度鉄膜13上の表面を鉄酸化物から成る鉄酸化膜14で被覆した点にある。
【0039】
この集電体50は、上記した先の実施例の製造方法を金属板12の両面に対して施すことで製造できる。固体電解質型燃料電池において、この集電体50をガスセパレータとして用いると、セルをフレキシブルディスク型スタックのように積み重ねていく場合には、隣接するセルの電極との電気的接続及びその反対側で隣接するセルの電極との接続を同時に且つ良好に実施することができる。
【0040】
[実施例3]
図6及び図7は本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示している。
【0041】
図6に示すように、この固体電解質型燃料電池の集電体60は、線状導電体としてのポリアクリロニトリル等の炭素繊維原料糸をいわゆる段通やビロードやタオル等の様に平織又は綾織に織り込んで成る生地繊維部分61と、この生地繊維部分61から略直交する方向に突出する突起繊維部分62を有しており、これを高温で蒸し焼きにすることで形成した導電性を有する炭素繊維織物の表面に、 図7に示すように、上記した先の実施例による電気メッキを施して、高純度鉄膜63を形成したものであって、この高純度鉄膜63の表面には、緻密で且つ安定した非常に薄い鉄酸化膜64が形成されている。
【0042】
この場合、生地繊維部分61の織目がメッキ膜によりふさがれる厚さまでメッキを行うと気密性が確保され、一方、メッキ厚をそれ程厚くしない場合には逆に通気性が得られることとなり、生地繊維部分61の織密度により必要なメッキ厚は変化する。
【0043】
本実施例では、生地繊維部分61上の突起繊維部分62の配置によりガスの通気抵抗が変化するので、集電体60の接触部位等の配置を予め設計に従って盛り込んでおくことができ、性能の向上及び組立時の工程管理の簡略化を実現することができる。また、メッキ厚を厚くした場合には、集電体60自体がセパレータとして機能し得る上記実施例の金属板12を形成してしまうことから、部品の製造工程の簡略化をも実現可能である。
【0044】
[実施例4]
図8は本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例における集電体部分を示している。
【0045】
図8に示すように、この固体電解質型燃料電池の集電体80は、線状導電体11と高純度鉄膜13との間に、銅層85を介在させた構成を成しており、他の構成は、先の実施例1における固体電解質型燃料電池の集電体10と同じである。
【0046】
上記銅層85は鉄との合金を形成し難いことから、高純度鉄膜13の純度が維持され、したがって、集電体80としての層構造及び上述した高温酸化雰囲気における良好な導電性を保持したまま電気抵抗の低減が可能である。
【0047】
この実施例では、最も安価な銅層85を線状導電体11と高純度鉄膜13との間に介在させた構成としたが、金や銀も電解メッキが可能であることから、条件次第では炭素繊維等の表面への形成が可能である。また、金属板12にステンレスを用いる場合には、上記金属はステンレスの成分であるクロムとも合金を形成し難いことから、表層へのクロムの拡散が阻止されて、クロムによる電解質の被毒も防止できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池の一実施例を示す集電体部分の拡大断面説明図である。
【図2】図1に示した集電体の側面説明図である。
【図3】図1に示した集電体の製造方法の前半を説明する工程図(A)〜(C)。
【図4】図1に示した集電体の製造方法の後半を説明する工程図(A)〜(C)。
【図5】本発明の固体電解質型燃料電池の他の実施例を示す集電体の側面説明図である。
【図6】本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す集電体の基材となる織物の断面説明図である。
【図7】図6に示した基材となる織物に高純度鉄膜を形成し成る集電体の断面説明図である。
【図8】本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す集電体部分の拡大断面説明図である。
【符号の説明】
1 固体電解質型燃料電池
2 発電要素
3 電極
4 電解質
10,50,60,80 集電体
11 線状導電体
12 金属板
13,63 高純度鉄膜
14,64 鉄酸化膜
61 生地繊維部分
62 突起繊維部分
85 銅層

Claims (8)

  1. 電解質を電極で挟み込んでなる発電要素と、この発電要素の電極に積層される集電体を備えた固体電解質型燃料電池において、上記集電体のうち空気極集電体は弾性を有する線状導電体から成り、この線状導電体の少なくとも表面を高純度鉄膜で被覆すると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る膜で被覆してあることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. 電解質を電極で挟み込んでなる発電要素と、この発電要素の電極に積層される集電体を備えた固体電解質型燃料電池において、上記集電体のうち空気極集電体は少なくとも一部分がフェルト状又はブラシ状を成す弾性を有する線状導電体から成り、この線状導電体を金属板上に密着させて線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆すると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る膜で被覆して、上記空気極集電体にインターコネクタの機能を保持させたことを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  3. 電解質を電極で挟み込んでなる発電要素と、この発電要素の電極に積層される集電体を備えた固体電解質型燃料電池において、上記集電体のうち空気極集電体は少なくとも一部分がフェルト状又はブラシ状を成す弾性を有する線状導電体から成り、この線状導電体を金属板上に密着させて線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆すると共に、この高純度鉄膜上の少なくとも一部分を鉄酸化物から成る膜で被覆して、上記空気極集電体にガスセパレータの機能を保持させたことを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  4. 上記空気極集電体の膜の鉄酸化物は、FeO及びFeの少なくともいずれかを含んでいる請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体電解質型燃料電池。
  5. 上記空気極集電体の線状導電体は、炭素繊維又はSiCを成分として含む繊維である請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体電解質型燃料電池。
  6. 上記空気極集電体は、線状導電体を織り込んで成る生地繊維部分と、この生地繊維部分から略直交する方向に突出する突起繊維部分を有している請求項5に記載の固体電解質型燃料電池。
  7. 上記空気極集電体の線状導電体と高純度鉄膜との間に、金,銀,銅のうちの少なくとも1種類の金属から成る層を介在させた請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体電解質型燃料電池。
  8. 請求項2〜5のいずれかの固体電解質型燃料電池の空気極集電体を製造するに際して、金属板上において線状導電体の一部と金属板とを電気的に接続するべく密着させる工程と、電気メッキにより上記線状導電体及び金属板の双方の表面を高純度鉄膜で被覆する第1のメッキ工程と、上記線状導電体及び金属板に対して上記第1のメッキ工程で用いた電源供給部位とは異なる場所に電源を供給して上記線状導電体及び金属板にさらに高純度鉄膜を被覆する第2のメッキ工程と、酸素及び不活性ガスから成るガス中にて200℃以上906℃未満の酸化処理を施す工程からなることを特徴とする空気極集電体の製造方法。
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