JP2010146907A - グレーズド絶縁基板、集合絶縁基板、その製造方法及びヒューズ抵抗器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のグレーズド絶縁基板は、絶縁基板と、該絶縁基板表面に形成されるグレーズ層とを備え、該グレーズ層が、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2を含むガラスと、スピネル構造を有するFe2O3、Cr2O3及びCoOから実質的になる黒色無機顔料とを含み、該黒色無機顔料の含有割合が、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合であり、かつガラス中のZrO2の含有割合が15〜20質量%であることを特徴とし、ヒューズ、ヒューズ抵抗器、センサー等の電子部品に有用である。
【選択図】 なし
Description
このグレーズ層は、絶縁基板の表面の粗さを平滑にし、ヒューズ膜やヒューズ抵抗膜の形成厚さを均一化することを容易にすると共に、使用時におけるこれらの膜に対する熱等による影響を抑制し、電気的信頼性を確保するため等に作用する。
電子部品に使用される上記絶縁基板は、通常、多数の絶縁基板の単位を有する一枚の絶縁板に、個々の基板単位に分割するための縦横分割溝を形成する工程が行なわれる。
このような分割溝は、レーザー光照射により形成することが提案されている(特許文献2)。また、レーザー光照射適性を確保し、且つグレーズ層の平滑性を充分に確保した、特定の黒色無機顔料を用いたグレーズド絶縁基板も提案されている(特許文献3)。
一方、グレーズ層に用いられるガラス成分としては、B2O3、Al2O3、SiO2を基本として、CaO、SrO、BaO、La2O3、ZrO2、Y2O3等を適宜配合した組成が種々提案されている。例えば、特許文献4には、B2O3、Al2O3、SiO2、CaO、SrO、BaOを主成分とし、ZrO2を10質量%以下配合したグレーズ組成物が提案されている。しかし、上記レーザー光照射適正と、分割溝の分割適正との両者を考慮したガラス成分の提案はなされていない。
しかし、従来提案されているグレーズ層が形成された絶縁板に分割溝を形成するにあたり、上記レーザー光の走査速度をある程度以上に上げると、分割時にバリやクラックが発生する割合が高くなり、グレーズド絶縁基板の製造における歩留りが低下するという問題が生じ易いことが分かってきた。また、この傾向は、絶縁基板の厚さが薄いほど顕著である。
本発明の別の課題は、分割溝を有する集合絶縁基板を製造するにあたり、分割溝形成時のレーザー光照射におけるレーザー光の走査速度を上げた場合にも、また、絶縁板の厚さが薄い場合にも、分割時のバリやクラックの発生を抑制しうる、レーザー光照射による分割溝の形成を容易にし、グレーズ層としての平滑性も確保した集合絶縁基板を歩留り良く製造することが可能な分割溝を有する集合絶縁基板の製造方法を提供することにある。
また本発明によれば、絶縁基板と、該絶縁基板表面に形成されるグレーズ層とを備えるグレーズド絶縁基板からなり、該グレーズド絶縁基板のグレーズ層が設けられた面上に、縦横分割溝を形成した集合絶縁基板であって、該グレーズ層が、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2を含むガラスと、スピネル構造を有するFe2O3、Cr2O3及びCoOから実質的になる黒色無機顔料とを含み、該黒色無機顔料の含有割合が、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合であり、ガラス中のZrO2の含有割合が15〜20質量%であり、且つ前記分割溝が、前記グレーズ層から前記絶縁基板にまで達していることを特徴とする集合絶縁基板が提供される。
更に本発明によれば、グレーズド集合絶縁基板を得るために、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2を含むガラスと、スピネル構造を有するFe2O3、Cr2O3及びCoOから実質的になる黒色無機顔料とを含み、該黒色無機顔料の含有割合が、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合であり、ガラス中のZrO2の含有割合が15〜20質量%であるグレーズ用ペーストを、絶縁板の表面に印刷し、グレーズ層を形成する工程(a)と、グレーズ層が形成されたグレーズド絶縁板を、90mm/秒以上の速度でレーザー光を走査して、縦横分割溝を形成する工程(b)と、を含むことを特徴とする集合絶縁基板の製造方法が提供される。
更にまた本発明によれば、上記グレーズド絶縁基板を備えたヒューズ抵抗器が提供される。
本発明の集合絶縁基板の製造方法では、特定の組合せの黒色無機材料とZrO2を含有するガラス成分とを特定量含むグレーズ層を形成する工程を含むので、分割溝形成時のレーザー光照射におけるレーザー光の走査速度を上げた場合にも、また、絶縁板の厚さが薄い場合にも、分割時のバリやクラックの発生を抑制しうる、レーザー光照射による分割溝の形成が容易であり、且つグレーズ層としての平滑性も確保することができる。従って、このようなグレーズ層を有する集合絶縁基板を、歩留り良く製造することができる。また、本発明の製造方法では、上述の集合絶縁基板を、短期間で大量に製造することが可能である。
本発明のグレーズド絶縁基板は、上記グレーズ層を備えるので、チップ型ヒューズやヒューズ抵抗器、センサー、薄膜抵抗器等の電子部品に有用である。更にこの基板を用いた本発明のヒューズ抵抗器は、所望のヒューズ抵抗膜の特性を十分引出すことができる。
本発明のグレーズド絶縁基板は、絶縁基板と、該絶縁基板表面に形成されるグレーズ層とを備える。
前記絶縁基板としては、例えば、純度約96%等のアルミナセラミック基板、窒化アルミナ基板、MgO・SiO2を主成分とするステアタイトセラミック基板、2MgO・SiO2を主成分とするフォルステライトセラミック基板が挙げられるが、本発明の効果をより発揮することが可能なアルミナセラミック基板の使用が好ましい。
絶縁基板の厚さは、薄い方が、本発明の所望の効果が発揮され易いため好ましく、通常、0.5mm以下、特に、0.3mm以下であることが好ましい。
前記ガラスは、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2をガラス質成分として含む。該ガラスは、グレーズ層に用いることにより、例えば、ヒューズ抵抗器を目的とする場合において、ヒューズ機能として安定な溶断特性や他の電気的特性における信頼性を向上させ、過負荷通電時における熱放散及び蓄熱バランスを好適なものとするために、後述する黒色無機顔料との組合せにおいて得られるグレーズ層の物性値、例えば、ガラス軟化点が936〜956℃、ガラス転移点が790〜810℃、熱膨張係数が7.3×10-6〜7.9×10-6となることが好ましい。
ZrO2が15質量%未満の場合には、分割溝を有する集合絶縁基板を製造する際のグレーズ層に使用した場合に、分割によりバリやクラックが生じ易くなり、また、後述する黒色無機顔料の割合によって、形成するグレーズ層の表面平滑性が得られないおそれや分割溝の深さが充分でないおそれがある。
一方、ZrO2が20質量%を超える場合には、グレーズ層の表面平滑性が得られないおそれやグレーズ層にうねりが生じるおそれがあり、また、後述する黒色無機顔料の割合によって、前記クラックが生じるおそれがある。
従って、特に、ガラス中のZrO2の含有割合が上記範囲外では、本発明の所望の効果が得られないおそれがある。
これら黒色無機顔料のグレーズ層中の含有割合は、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合とする必要がある。
黒色無機顔料の前記割合が7.0質量部未満では、所望のレーザー光照射適性が得られず、分割溝の深さが充分でないおそれがあり、また、前記ガラス中のZrO2の含有割合を適正範囲にした場合であっても、前記分割時にクラックが生じるおそれがある。
一方、黒色無機顔料の前記割合が12.0質量部を超える場合には、グレーズ層の表面平滑性が得られないおそれやグレーズ層にうねりが生じるおそれがある。
従って、グレーズ層中の上記黒色無機顔料の含有割合が上記範囲外では、本発明の所望の効果が得られないおそれがある。
この集合絶縁基板は、分割溝に沿って分割することにより、上述の本発明のグレーズド絶縁基板とすることができる。
工程(a)において、グレーズ用ペーストは、上述のガラス質成分を含むガラスと、特定の黒色無機顔料とを特定割合で含み、常法により溶剤及び有機質ビヒクルを用いてペースト状にすることによって得ることができる。
工程(a)において用いる絶縁板の材料としては、前述の絶縁基板において例示した基板の材料等が挙げられる。絶縁板の厚さは、薄い方が、本発明の所望の効果が発揮され易いため好ましく、通常、0.5mm以下、特に、0.3mm以下であることが好ましい。
工程(a)においてグレーズ用ペーストの絶縁板表面への印刷は、スクリーン印刷等により行うことができ、グレーズ層の形成は、該印刷したペーストを、乾燥、焼成することにより行うことができる。この際、印刷、乾燥及び焼成は、得られるグレーズ層の膜厚が、50〜80μmになるように行なうことが望ましい。また、焼成は、絶縁板の変形等が生じないように、通常1000℃以上、好ましくは1200〜1300℃で約30分間程度の条件で行うことが好ましい。
更に、このグレーズ層の形成前においては分割溝が形成されていないので、昇温及び降温時間等を適宜設定することにより容易に絶縁板の変形等を抑制することができる。例えば、グレーズ層を焼成するために、まず1000℃まで毎分20℃の割合で温度上昇させ、次いで、1300℃に達するまで毎分5℃の割合で温度上昇させ、1300℃で30分間程度焼成した後、常温まで毎分20℃程度で降温させる条件が挙げられる。
工程(b)に用いるレーザー光のパワーとしては、好ましくはパワー10〜12Wの出力を有するYAGレーザー光等が使用できる。
レーザー光を走査する速度は、本発明の所望の効果である短期間における大量生産を可能にするために、90mm/秒以上とする必要があり、その上限は特に限定されないが、通常100〜110mm/秒である。前述のとおり、レーザー光を照射するグレーズ層は、レーザー光照射適性を有するように形成されているので、分割溝を形成する他の条件は、走査速度が本願発明のように速い場合であっても、グレーズ層及び絶縁板の厚さに応じて容易に設定することができる。
本発明の集合絶縁基板の製造方法では、上記工程が含まれておれば、通常、目的とする基板の種類等に応じて行なう他の工程を含んでいても良い。また、得られた集合絶縁基板は、常法により分割して本発明のグレーズド絶縁基板とすることができる。
本発明のヒューズ抵抗器は、良好な平滑性及び熱安定性等を有するグレーズ層が形成された基板を用いているので、各膜の特性を十分発揮させることができる。
製造例
(グレーズ用ペーストの製造)
表1に示す組成の8種のガラス質成分(1)〜(8)に、Fe2O345質量%、Cr2O328質量%及びCoO27質量%からなる黒色無機顔料をガラス質成分100質量部に対して表2〜7に示す割合で配合し、常法により溶剤及び有機質ビヒクルを添加混合してそれぞれグレーズ用ペーストを調製した。尚、ガラス質成分(1)はZrO2が0質量%、ガラス質成分(2)はZrO2が10質量%、ガラス質成分(3)はZrO2が13質量%、ガラス質成分(4)はZrO2が15質量%、ガラス質成分(5)はZrO2が17.5質量%、ガラス質成分(6)はZrO2が20質量%、ガラス質成分(7)はZrO2が22質量%、ガラス質成分(8)はZrO2が30質量%の例である。
製造例で調製した各々のグレーズ用ペーストを、厚さ0.32mm、純度約96%のアルミナセラミック基板上に、常法によりスクリーン印刷し、乾燥し、1300℃で30分間焼成することによって、膜厚約70μmのグレーズ層を有する集合絶縁基板を作製した。なお、それぞれのグレーズ層は、焼成により、ガラス質と黒色無機材料とが略原料の配合割合で含まれるものであった。更に、得られたそれぞれのグレーズ層のガラス軟化点は936〜956℃、ガラス転移点は790〜810℃、熱膨張係数は7.3×10-6〜7.9×10-6の範囲のものであった。
次いで、日本電気社製YAGレーザー発振器SL116Eを備えたSL411Bのレーザースクライパー装置を用いて、出力11.5W、周波数20KHz、スピード100mm/秒で、それぞれの集合絶縁基板に対し、グレーズ層上に同一条件で3回スキャンを行ない格子状の縦横分割溝を形成した。
<分割溝周辺におけるバリ、クラックの発生評価>
分割溝に沿って分割した後に生じる、微小な凸状突起をバリ、グレーズ層の微小なヒビをクラックと言い、それぞれの未発生率が90%以上を○、90%未満70%以上を△、70%未満を×とした。
<グレーズ層の表面粗さ及びうねり評価>
(株)東京精密製の表面粗さ計(サーフコム202B)を用いて測定した。表面粗さの評価は、グレーズ層の表面粗さが0.02μm未満を◎、0.03μm未満であったものを○、0.03μm以上1μm未満であったものを△、1μm以上のものを×とした。
うねり評価は、グレーズ層表面うねりが、0.2mm/45mm以下のものを○、0.2mm/45mm以上0.3mm/45mm未満のものを△、0.3mm/45mm以上のものを×とした。
<分割溝評価>
分割溝評価は、グレーズ層面に形成された分割溝の平均深さが0.1mm以上0.2mm未満に達したものを○、0.05mm以上0.1mm未満、0.2mm以上0.25mm未満を△、0.05mm未満と0.25mm以上のものを×とした。尚、○のうち0.1mm以上0.15mm未満のものを◎とした。
Claims (8)
- 絶縁基板と、該絶縁基板表面に形成されるグレーズ層とを備え、該グレーズ層が、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2を含むガラスと、スピネル構造を有するFe2O3、Cr2O3及びCoOから実質的になる黒色無機顔料とを含み、該黒色無機顔料の含有割合が、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合であり、かつガラス中のZrO2の含有割合が15〜20質量%であることを特徴とするグレーズド絶縁基板。
- スピネル構造を有する黒色無機顔料中のFe2O3の含有割合が43〜48質量%、Cr2O3の含有割合が26〜30質量%及びCoOの含有割合が24〜28質量%であることを特徴とする請求項1に記載のグレーズド絶縁基板。
- 絶縁基板の厚さが、0.5mm以下である請求項1又は2に記載のグレーズド絶縁基板。
- 絶縁基板と、該絶縁基板表面に形成されるグレーズ層とを備えるグレーズド絶縁基板からなり、該グレーズド絶縁基板のグレーズ層が設けられた面上に、縦横分割溝を形成した集合絶縁基板であって、
該グレーズ層が、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2を含むガラスと、スピネル構造を有するFe2O3、Cr2O3及びCoOから実質的になる黒色無機顔料とを含み、該黒色無機顔料の含有割合が、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合であり、ガラス中のZrO2の含有割合が15〜20質量%であり、且つ前記分割溝が、前記グレーズ層から前記絶縁基板にまで達していることを特徴とする集合絶縁基板。 - グレーズド集合絶縁基板を得るために、SiO2、BaO、CaO、Al2O3及びZrO2を含むガラスと、スピネル構造を有するFe2O3、Cr2O3及びCoOから実質的になる黒色無機顔料とを含み、該黒色無機顔料の含有割合が、ガラス100質量部に対して7.0〜12.0質量部の割合であり、ガラス中のZrO2の含有割合が15〜20質量%であるグレーズ用ペーストを、絶縁板の表面に印刷し、グレーズ層を形成する工程(a)と、グレーズ層が形成されたグレーズド絶縁板を、90mm/秒以上の速度でレーザー光を走査して、縦横分割溝を形成する工程(b)と、を含むことを特徴とする集合絶縁基板の製造方法。
- 工程(a)のグレーズ層の形成を、印刷後、1000℃以上で焼成することにより行うことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
- 絶縁板の厚さが、0.5mm以下である請求項5又は6に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のグレーズド絶縁基板を備えたヒューズ抵抗器。
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