JP2003238200A - 無鉛ガラスフラックス及び該フラックスを含む絵付け材料 - Google Patents

無鉛ガラスフラックス及び該フラックスを含む絵付け材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低軟化点(低熔融温度)と低膨張率とを両立
させたSiO含有率の高い無鉛ガラスフラックス及び
該ガラスフラックスを含むオングレーズ装飾に適する絵
付け材料を提供すること。 【解決手段】 本発明によって提供される絵付け材料用
無鉛ガラスフラックスは、(a)SiO2を主体に構成
されたLi2O−Al23−SiO2系無鉛ガラス組成物
であって、熱膨張係数が5.0×10-6以上〜7.0×
10-6未満である高膨張低融点無鉛ガラス組成物と、
(b)SiO2を主体に構成されたLi2O−Al23
SiO2系無鉛ガラス組成物であって、熱膨張係数が
3.0×10- 6以上〜5.0×10-6未満である低膨張
高融点無鉛ガラス組成物とが配合されて構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、鉛成分を実質的
に含有しない絵付け材料用ガラスフラックス(融剤)及
びその製法に関し、当該ガラスフラックスを含む絵付け
材料及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】 陶磁器の絵付け材料として種々の組成
のものが利用されている。例えば特開平6−56558
号公報には、貴金属による加飾のための上絵付け用盛絵
具が開示されている。一般に絵付け材料は、絵付け用顔
料(窯業顔料)とガラスフラックス(融剤)とから構成
される。絵付け材料に用いられるガラスフラックスとし
ては、絵付けによって形成された装飾(以下「絵柄」と
もいう。)の鮮明な発色・光沢を実現するとともに絵柄
の耐水性や耐化学性を向上させるため、SiO2を主体
にするもの(典型的にはSiO2含有率が45質量%以
上のもの)が好ましい。
【0003】ところで、いわゆる上絵付け(オングレー
ズ装飾ともいう。)においては、陶磁器表面に予め形成
された釉(例えば磁器の素地上に硬釉薬によって形成さ
れる釉薬層)上に種々の顔料を含む絵付け材料を絵付け
した後、750〜900℃程度の比較的低温で当該絵付
け物を焼き付ける。このことから、かかるオングレーズ
装飾用絵付け材料に含まれるガラスフラックスには、イ
ングレーズ装飾用絵付け材料(通常1000〜1300
℃で焼き付けられる。)に含まれるガラスフラックスよ
りも熔融温度及びその指標としての軟化点が低いことが
要求される。一方、一般にガラス組成物はSiO2含有
率が高いものほど軟化点が高くなる傾向にある。そこ
で、オングレーズ装飾用絵付け材料に含まれるガラスフ
ラックスとしては、SiO2含有率は比較的高く維持し
つつもオングレーズ装飾に適する低軟化点を示す組成の
ものが望まれる。
【0004】従来、かかる要望を適えるため、軟化点を
下げる成分としてPb(鉛)を含有したガラス組成物
(有鉛ガラス組成物)がオングレーズ装飾用絵付け材料
のガラスフラックスとして用いられていた。例えば、特
開平7−267677号公報には、有鉛の絵付け材料用
ガラスフラックスが開示されている。しかし、環境や健
康に対する配慮から、絵付け材料用ガラスフラックスと
して有鉛ガラス組成物の使用が忌避されるようになり、
現在では鉛に代わる軟化点低下作用を奏する成分を含む
無鉛ガラス組成物がオングレーズ装飾用絵付け材料のガ
ラスフラックスとして使用されはじめている。例えば特
許第2991370号(特開平8−259258号公
報)には、鉛に代わってLi2Oその他のアルカリ金属
酸化物を熔融助長成分(即ち軟化点を下げる成分)とし
て含むLi2O−Al23−SiO2系無鉛ガラス組成物
をガラスフラックスとするオングレーズ装飾及びイング
レーズ装飾用絵付け材料が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、鉛を含有し
ない従来の絵付け材料用ガラスフラックスは、熱膨張に
関する配慮が不十分であった。すなわち、絵付け材料中
のガラスフラックスの熱膨張率(熱膨張係数)が陶磁器
の素地及び釉面の熱膨張率よりも高すぎると、陶磁器の
釉上に施用した絵付け材料を所定の温度で焼き付けた際
に、当該熱膨張率差によって絵柄の剥離や過剰に貫入が
形成されるといった不具合が発生する虞がある。このた
め、ガラスフラックスの熱膨張率(熱膨張係数)は、陶
磁器の素地及び釉に近似させることが好ましい。
【0006】しかし、オングレーズ装飾等に使用される
絵付け材料用ガラスフラックスとして用いられる従来の
無鉛ガラス組成物(例えば熔融助長成分としてアルカリ
金属酸化物を含む高SiO含有無鉛ガラス組成物)
は、軟化点(熔融温度)が低いものほど熱膨張率が大き
くなるといった好ましくない傾向にあった。このため、
低軟化点(低熔融温度)と低熱膨張率とを両立させるた
め、有鉛ガラス組成物フラックスよりもSiO含有率
を低めに設定せざるを得なかった。そこで、高光沢で鮮
やかな高品質の絵付け(典型的にはオングレーズ装飾)
を実現するために、従来よりも高SiO含有率を維持
しつつ低軟化点(低熔融温度)と低熱膨張率とを両立さ
せた絵付け材料用無鉛ガラスフラックスの創成が望まれ
ていた。
【0007】本発明は、無鉛ガラス組成物から成る絵付
け材料用ガラスフラックスに関する上記課題を解決すべ
く創出されたものであり、その目的とするところは、低
軟化点と低膨張率とを両立させた高SiO含有率の無
鉛ガラスフラックスを提供することである。また、他の
目的は、そのような無鉛ガラスフラックスを含む絵付け
材料及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】 本発明
によって提供される絵付け材料用無鉛ガラスフラックス
は、Li2O−Al23−SiO2系無鉛ガラス組成物
(SiO2、Al23及びLi2Oを必須成分として含有
する無鉛ガラス組成物をいう。以下同じ。)であって、
相対的に、熱膨張率が高く且つ軟化点が低いガラス組成
物と、熱膨張率が低く且つ軟化点が高いガラス組成物と
を適当な比率で配合させたガラス組成物の混合物であ
る。
【0009】本発明によって提供される絵付け材料用無
鉛ガラスフラックスは、以下の二種の無鉛ガラス組成物
(a)及び(b)を配合して構成されたものである。す
なわち、一方の(a)無鉛ガラス組成物は、SiO
2と、Al23と、B2 3と、Li2Oを必須とする一種
又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無
鉛ガラス組成物であって、それらの該組成物全体に占め
る含有率は、SiO245〜60質量%、Al235〜
20質量%、B2315〜30質量%、及び、アルカリ
金属酸化物5〜10質量%(但しLi2Oは2質量%以
上である)であり、それら主成分の合量は該組成物全体
の90質量%以上となる無鉛ガラス組成物である。他方
の(b)無鉛ガラス組成物は、SiO2と、Al2
3と、MgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一
種である金属酸化物と、Li2Oを必須とする一種又は
二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無鉛ガ
ラス組成物であって、それらの該組成物全体に占める含
有率は、SiO260〜75質量%、Al235〜20
質量%、MgO+CaO+ZnO5〜20質量%、及
び、アルカリ金属酸化物0.5〜5質量%(但しLi2
Oは0.5質量%以上である)であり、それら主成分の
合量は該組成物全体の90質量%以上となる無鉛ガラス
組成物である。そして、本ガラスフラックスから形成さ
れるガラス成形物(即ちフラックスが熔融した後固化し
たガラス体)の熱膨張係数は、5.5×10-6-1以下
である(以下、熱膨張係数に関する数値はK-1を省略し
て記載する。)。
【0010】かかる構成のガラスフラックスによると、
上記二種類のLi2O−Al23−SiO2系無鉛ガラス
組成物、すなわち、相対的に熱膨張率が高く軟化点が低
い組成の(a)無鉛ガラス組成物(以下「高膨張低軟化
ガラス組成物」という場合がある。)と、相対的に熱膨
張率が低く軟化点が高い組成の(b)無鉛ガラス組成物
(以下「低膨張高軟化ガラス組成物」という場合があ
る。)とを、該フラックスから形成されるガラス成形物
(即ち両方のガラス組成物が熔融・混合されて形成され
るガラス成形物)の熱膨張係数が5.5×10-6以下と
なるような配合比で配合した結果、低熱膨張と低軟化点
との両立を実現したSiO含有率の高いガラス層を陶
磁器の釉上に形成することができる。従って、本ガラス
フラックスを絵付け材料のフラックス成分とすることに
より、陶磁器の釉上(例えば磁器の硬釉面上)に剥離や
貫入のない質感に優れる絵柄をオングレーズ装飾又はイ
ングレーズ装飾によって形成することができる。
【0011】本発明の絵付け材料用無鉛ガラスフラック
スとして好ましい一つのものは、(a)無鉛ガラス組成
物(高膨張低軟化ガラス組成物)の熱膨張係数が5.0
×10-6以上〜7.0×10-6未満であり、(b)無鉛
ガラス組成物(低膨張高軟化ガラス組成物)の熱膨張係
数が3.0×10-6以上〜5.0×10-6未満であるこ
とを特徴とする。熱膨張係数が上記範囲にある(a)と
(b)の無鉛ガラス組成物を配合することにより、低軟
化点に加えて特に低熱膨張性(典型的には熱膨張係数が
5.0×10-6以下)に優れるオングレーズ装飾に好適
なガラスフラックスを提供することができる。
【0012】本発明の絵付け材料用無鉛ガラスフラック
スとして好ましい他の一つのものは、(a)無鉛ガラス
組成物(高膨張低軟化ガラス組成物)の軟化点が500
〜600℃の範囲内にあり、(b)無鉛ガラス組成物
(低膨張高軟化ガラス組成物)の軟化点が700〜80
0℃の範囲内にある。軟化点が上記範囲にある(a)と
(b)の無鉛ガラス組成物を配合することにより、低熱
膨張に加えて特に低温熔融性に優れるオングレーズ装飾
に好適なガラスフラックスを提供することができる。
【0013】また、上述した構成のガラスフラックスと
して特に好ましいものは、(a)無鉛ガラス組成物(高
膨張低軟化ガラス組成物)と(b)無鉛ガラス組成物
(低膨張高軟化ガラス組成物)の配合比が、重量ベース
で(a)60〜90部に対して(b)10〜40部(但
し(a)と(b)の合計100部)である。かかる配合
比とすることによって、オングレーズ装飾(絵付け)に
好ましい低熱膨張と低軟化点(低温熔融性)とを容易に
実現することができる。
【0014】本発明の絵付け材料用無鉛ガラスフラック
スとしては、(a)無鉛ガラス組成物及び(b)無鉛ガ
ラス組成物がそれぞれ粉末状に調製されて配合されたも
のが好ましい。かかる粉末形状のガラスフラックスは、
絵付け材料のフラックス成分として好ましく利用するこ
とができる。
【0015】また、本発明は、上述した無鉛ガラスフラ
ックスのうちの少なくとも一つと、適当な絵付け用顔料
とを主体に構成された、陶磁器の釉上に絵付けするため
の絵付け材料を提供する。典型的には、本発明によって
提供される絵付け材料はその熱膨張係数が5.5×10
-6以下(好ましくは2.0×10-6〜5.0×10-6
に調整されたものである。かかる構成の本発明の絵付け
材料は、フラックス成分として上述のガラスフラックス
を含有する結果、陶磁器の釉上(例えば磁器の硬釉上)
に剥離や貫入が生じるのを防止して質感に優れる絵柄を
オングレーズ装飾又はイングレーズ装飾によって形成す
ることができる。
【0016】本発明の絵付け材料として好ましい一つの
ものは、低膨張性セラミック材を20質量%以下の含有
率で含有する。低膨張性セラミック材の添加によって、
フラックス成分の組成(例えば(a)(b)の配合比や
SiO2含有率)を変更することなく熱膨張率の調整を
行うことができる。
【0017】さらに好ましい絵付け材料は、低膨張性セ
ラミック材としてLi、Al、Si及びOを構成元素と
するセラミック材を含有するものであり、特にユークリ
プタイト、スポジュメン及びペタライトから成る群から
選択される少なくとも一種のセラミック材を含むものが
好ましい。このようなLi、Al、Si及びOを構成元
素とする低膨張性セラミック材は、ガラスフラックスに
含まれるLi2Oとともに、陶磁器の釉上(特に磁器の
硬釉上)に形成される絵柄(ガラス層)の熱膨張率の低
下を助長する。
【0018】本発明によって提供される絵付け材料とし
て特に好適なものは、上記顔料としてジルコン及び/又
はジルコン型顔料が用いられる。そして、全体を100
質量%として、50〜75質量%の上述したいずれかの
無鉛ガラスフラックス、1〜20質量%の上記低膨張性
セラミック材、及び、15〜40質量%のジルコン及び
/又はジルコン型顔料から実質的に構成されている。か
かる構成の絵付け材料は貫入や剥離の防止能に優れ、質
感に優れる絵柄を形成することができる。
【0019】また、本発明は、陶磁器の釉上に絵付けす
るための絵付け材料を製造する方法を提供する。すなわ
ち、本発明によって提供される一つの絵付け材料製造方
法は、(a)SiO2を主体に構成されたLi2O−Al
23−SiO2系無鉛ガラス組成物であって、熱膨張係
数が5.0×10-6以上〜7.0×10-6未満である無
鉛ガラス組成物(好ましくは軟化点が500〜600℃
であるもの)、(b)SiO2を主体に構成されたLi2
O−Al23−SiO2系無鉛ガラス組成物であって、
熱膨張係数が3.0×10-6以上〜5.0×10-6未満
である無鉛ガラス組成物(好ましくは軟化点が700〜
800℃であるもの)、ならびに、(c)絵付け用顔料
をそれぞれ調達する工程と、該調達した(a)無鉛ガラ
ス組成物、(b)無鉛ガラス組成物、及び(c)絵付け
用顔料を最終的に熱膨張係数が5.5×10-6以下の絵
付け材料が得られるように混合する工程とを包含する。
本発明の製造方法によると、上述した低軟化点(低熔融
温度)と低熱膨張率とを両立したLi2O−Al23
SiO2系の無鉛ガラスフラックス成分を含む絵付け材
料を提供することができる。
【0020】本発明の絵付け材料製造方法として好まし
い一つは、(a)無鉛ガラス組成物が、SiO2と、A
23と、B23と、Li2Oを必須とするアルカリ金
属酸化物とを主成分とし、それら主成分の含有率は該組
成物全体のSiO245〜60質量%、Al235〜2
0質量%、B2315〜30質量%、及び、アルカリ金
属酸化物5〜10質量%(但しLi2Oは2質量%以上
である)であって、それら主成分の合量は該組成物全体
の90質量%以上である。そして、(b)無鉛ガラス組
成物が、SiO2と、Al23と、MgO、CaO及び
ZnOのうちの少なくとも一種である金属酸化物と、L
2Oを必須とするアルカリ金属酸化物とを主成分と
し、それら主成分の含有率は該組成物全体のSiO2
0〜75質量%、Al235〜20質量%、MgO+C
aO+ZnO5〜20質量%、及び、アルカリ金属酸化
物0.5〜5質量%(但しLi2Oは0.5質量%以上
である)であって、それら主成分の合量は該組成物全体
の90質量%以上である。上記組成の各無鉛ガラス組成
物を配合することにより、貫入や剥離防止能に優れた絵
柄を形成し得る絵付け材料を好適に製造することができ
る。
【0021】本発明の絵付け材料製造方法として好まし
い他の一つは、前記混合工程において、さらに(d)低
膨張性セラミック材を混合する方法であり、特に低膨張
性セラミック材が、ユークリプタイト、スポジュメン及
びペタライトから成る群から選択される少なくとも一種
であることを特徴とする方法が好ましい。かかる(d)
セラミック材の添加によって、所望する熱膨張率の絵付
け材料を容易に製造し得る。
【0022】また、特に好ましい製造方法の一つは、
(c)絵付け用顔料としてジルコン及び/又はジルコン
型顔料を使用する。そして、前記混合工程において、以
下の組成の混合物を調製する。すなわち、(a)無鉛ガ
ラス組成物と(b)無鉛ガラス組成物の合量50〜75
質量%、(c)絵付け用顔料15〜40質量%、及び、
(d)低膨張性セラミック材1〜20質量%(但し
(a)(b)(c)及び(d)の合計が100質量%)
から実質的に構成され、ここで(a)無鉛ガラス組成物
と(b)無鉛ガラス組成物との配合比は重量ベースで
(a)無鉛ガラス組成物60〜90部に対して(b)無
鉛ガラス組成物10〜40部(但し(a)と(b)の合
計100部)である混合物である。この混合物から成る
絵付け材料は、貫入や剥離防止能に優れ、質感に優れる
絵柄を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好適な実施形態
を説明する。なお、以下の百分率表示(%)は、いずれ
も質量%(mass%)であり、従来用いられていた重量%
(wt%)と同義である。また、本明細書におけるガラス
組成物、ガラスフラックス及び絵付け材料について「熱
膨張係数」及び「軟化点」というときは、以下のように
して算出される数値をいう。すなわち、軟化点(屈伏点
に同じ)は、対象とするガラス試料について示差熱分析
(DTA)を行うことによって求まる値(典型的には示
差熱分析を行った際に出現する2つめの吸熱ピークに相
当する温度)である。また、熱膨張係数は、測定対象で
あるガラス組成物、ガラスフラックス又は絵付け材料を
圧縮成形し、軟化点よりも概ね300℃高い温度で10
0分間焼成することにより長さ20mm×直径5mmの
棒状ガラス成形体を作製し、その棒状ガラス成形体につ
いての室温から900℃までの熱膨張差をTMA分析装
置(示差熱膨張計)により測定して算出された平均熱膨
張係数である。上記の焼成条件は典型的な画付焼成条件
とほぼ合致する。
【0024】本発明のガラスフラックスは、上述のよう
に、Li2O−Al23−SiO2系無鉛ガラス組成物で
あって、含有成分(酸化物)の種類やそれらの含有率が
相互に異なる高膨張低軟化タイプ(上記(a)無鉛ガラ
ス組成物)と低膨張高軟化タイプ(上記(b)無鉛ガラ
ス組成物)とを配合して調製され、絵付け材料のフラッ
クス成分として用いられるフラックス(融剤)である。
【0025】本発明のガラスフラックスを構成する一方
の構成要素である高膨張低軟化ガラス組成物は、SiO
2と、Al23と、Li2Oを必須成分とする。SiO2
は、陶磁器の釉上に形成されるガラス層(絵柄)の骨格
を構成する主成分であり、かかる観点からはシリカ含有
率は高いことが望ましい。しかし、SiO2含有率が高
すぎると熔融温度(軟化点)が高くなりすぎてしまい、
高膨張低軟化ガラス組成物としての目的にそぐわない。
一方、SiO2含有率が低すぎると、良好なガラス層が
形成されず顔料の良好な発色を損なう虞がある。また、
耐水性や耐化学性が低下する。好ましいSiO2含有率
は、高膨張低軟化ガラス組成物全体の45〜60%であ
り、50〜60%程度の含有率が特に好ましい。
【0026】Al23は、ガラス熔融液の流動性を制御
し、当該熔融液の釉上での付着安定性に関与する成分で
ある。好ましいAl23含有率は、高膨張低軟化ガラス
組成物全体の5〜20%であり、7〜15%程度の含有
率が特に好ましい。Al23含有率が低すぎると付着安
定性が低下して、釉上に均一な厚みのガラス層形成を損
なう虞がある。一方、Al23含有率が高すぎると、ガ
ラス層の耐化学性を低下させる虞があり好ましくない。
【0027】Li2Oは、アルカリ金属酸化物の一種で
あるが、特に軟化点及び熔融温度を低下させ得る成分で
ある。また、耐化学性(特に耐酸性)を向上させるとと
もに、絵柄(顔料)の鮮やかな発色を促す作用もある。
さらには、焼成によってガラス層中に低膨張性結晶を生
じさせ得る。なお、Li2Oの一部は他のアルカリ金属
酸化物(典型的にはNa2O及びK2O)によって代替す
ることができる。好ましいアルカリ金属酸化物含有率は
高膨張低軟化ガラス組成物全体の5〜10%であり、5
〜8%程度の含有率が特に好ましい。但しLi2O含有
率は2%以上であることが好ましく、4%以上であるこ
とが特に好ましい。従って、上記好ましい範囲のアルカ
リ金属酸化物含有率から当該Li2O含有率を差し引い
た部分が、Li2O以外のアルカリ金属酸化物(Na
2O、K2O等)の含有率の好適範囲である。Li2Oを
含むアルカリ金属酸化物の含有率が上記数値範囲よりも
低すぎると、軟化点及び熔融温度を低下させる効果が得
られない。一方、かかる含有率が高すぎると、高膨張低
軟化ガラス組成物といえども熱膨張率が高くなりすぎ好
ましくない。
【0028】高膨張低軟化ガラス組成物には、上記の必
須構成要素の他、B23を主成分とするものが好まし
い。B23は、軟化点及び熔融温度を低下させる効果が
高い成分である。また、釉上に形成されたガラス層の透
過率を向上させるとともに光沢を増大させ得る成分でも
ある。好ましいB23含有率は、15〜35%であり、
20〜30%程度の含有率が特に好ましい。B23含有
率が低すぎると、軟化点及び熔融温度を低下させる効果
が得られない。一方、B23含有率が高すぎると、ガラ
ス層(絵柄)の耐水性が低下する虞があり好ましくな
い。
【0029】高膨張低軟化ガラス組成物としては、上記
SiO2、Al23、B23及びアルカリ金属酸化物の
みから構成されるものでもよいが、本発明の目的に反し
ない限りにおいて、それら主成分の他に種々の副成分
(好ましくは副成分合計で高膨張低軟化ガラス組成物全
体の10%以下)が含まれ得る。かかる副成分として好
ましいものにZrO2が挙げられる。ZrO2は耐化学性
(特に耐アルカリ性)を向上し得る成分である。上述の
ように、Li2O等のアルカリ金属酸化物を比較的高率
に含む高膨張低軟化ガラス組成物としては、ZrO2
概ね2〜10%(特には4〜6%)の含有率で含むもの
が好ましい。但し、ZrO2含有率が高すぎると軟化点
の上昇が著しくなり、好ましくない。
【0030】本発明のガラスフラックスのもう一方の構
成要素たる低膨張高軟化ガラス組成物は、上記高膨張低
軟化ガラス組成物と同様、SiO2と、Al23と、L
2Oとを必須成分とする。これら成分の奏する作用効
果は上記のとおりであり重複した説明は省略する。低膨
張高軟化ガラス組成物では、SiO2含有率が高膨張低
軟化ガラス組成物よりも高く設定され得る。好ましいS
iO2含有率は、低膨張高軟化ガラス組成物全体の60
〜75%であり、65〜70%の含有率が特に好まし
い。SiO2含有率がこの範囲よりも低すぎると低膨張
高軟化ガラス組成物としての目的にそぐわない。一方、
SiO2含有率がこの範囲よりも高すぎると低膨張高軟
化ガラス組成物といえども軟化点及び熔融温度が高くな
りすぎるので好ましくない。
【0031】低膨張高軟化ガラス組成物におけるAl2
3の含有率は、高膨張低軟化ガラス組成物と同様、低
膨張高軟化ガラス組成物全体の5〜20%が好ましく、
7〜15%程度の含有率が特に好ましい。また、Li2
Oを含むアルカリ金属酸化物の含有率は、高膨張低軟化
ガラス組成物よりも低く設定し得る。好ましいアルカリ
金属酸化物含有率は低膨張高軟化ガラス組成物全体の
0.5〜5%であり、2〜4%程度の含有率が特に好ま
しい。但しLi2O含有率は0.5%以上であることが
好ましく、1%以上であることが特に好ましい。Li2
Oを含むアルカリ金属酸化物の含有率が上記数値範囲よ
りも高すぎると、熱膨張率が高くなるため好ましくな
い。
【0032】低膨張高軟化ガラス組成物は、上記以外の
主成分としてMgO、CaO及びZnOのうちの少なく
とも一種の金属酸化物を含有する。MgO、CaO及び
ZnOは、熱膨張係数の調整を行うことができる成分で
ある。かかる調整機能の他、ZnOは焼成後の絵柄の発
色性の向上及び光沢の増大ならびに釉面及び素地に対す
るガラス層(絵柄)の融着性向上にも寄与する成分であ
る。また、CaOはガラス層(絵柄)の硬度を上げて耐
摩耗性を向上させ得る成分であり、MgOはガラス熔融
時の粘度調整を行うことができる成分でもある。典型的
には、これら酸化物の少なくとも一種を低膨張高軟化ガ
ラス組成物全体の5〜20%の割合で含有させるのがよ
く、かかる含有率が7〜20%程度であるものが好まし
い。例えば、ZnOの含有率が5〜10%であり、Ca
O及びMgOの含有率がそれぞれ1〜5%であるものが
好ましい。
【0033】なお、上述した組成は、本発明に係るガラ
スフラックスの調製のために用いられる高膨張低軟化ガ
ラス組成物と低膨張高軟化ガラス組成物の好適な例示で
あり、特に限定されるものではない。例えば、本発明の
目的を達成し得る限りにおいて、低膨張高軟化ガラス組
成物は副成分としてB23を適量含むもの(例えばB 2
3含有率1〜2%)であってもよいし、高膨張低軟化
ガラス組成物は副成分としてMgO、CaO及び/又は
ZnOを適量含むもの(例えばB23含有率1〜2%)
であってもよい。また、上記の各酸化物の他、種々の目
的(例えばガラス層の安定性の向上や透明性(透過率)
の調整)のために、P25、BaO、Bi 23、La2
3、TiO2、SnO2等をガラス組成物全体の10%
以下(好ましくは5%以下)となるように適宜含ませて
もよい。
【0034】なお、陶磁器の釉面(例えば磁器の硬釉
面)にオングレーズ装飾等を施すための絵付け材料用ガ
ラスフラックスに配合される高膨張低軟化ガラス組成物
としては、熱膨張係数が5.0×10-6以上〜7.0×
10-6未満(特には5.0×10-6以上〜6.0×10
-6未満)であるものが好ましい。また、軟化点が500
〜600℃の範囲内にあるものが好ましい。従って、そ
のような熱膨張係数及び/又は軟化点を示すように上記
主成分及び副成分それぞれの含有率を決定するとよい。
一方、そのような熱膨張係数及び/又は軟化点を示す高
膨張低軟化ガラス組成物と組み合わされる低膨張高軟化
ガラス組成物としては、熱膨張係数が3.0×10-6
上〜5.0×10-6未満(特には3.0×10-6以上〜
4.0×10-6未満)であるものが好ましい。また、軟
化点が700〜800℃の範囲内にあるものが好まし
い。従って、そのような熱膨張係数及び/又は軟化点を
示すように上記主成分或いは副成分となる酸化物それぞ
れの含有率を決定するとよい。
【0035】高膨張低軟化ガラス組成物及び低膨張高軟
化ガラス組成物の製造方法に関して特に制限はなく、従
来のガラス組成物を製造するのと同様の方法が用いられ
る。典型的には、当該組成物を構成する各種酸化物成分
を得るための化合物(例えば各成分を含有する酸化物、
炭酸塩、硝酸塩、複合酸化物等を含む工業製品、試薬、
又は各種の鉱物原料)及び必要に応じてそれ以外の添加
物を所定の配合比で乾式又は湿式のボールミル等の混合
機に投入し、数〜数十時間混合する。得られた混和物
は、乾燥後、耐火性の坩堝に入れ、適当な高温(典型的
には1000℃〜1500℃)条件下で加熱・融解させ
る。次いで、この溶融物を急冷処理(好ましくは熔融物
を水中に投下)してガラス状態とする。こうして得られ
たガラス質の組成物は、種々の方法で所望する形態に成
形することができる。例えば、ボールミールで粉砕した
り、適宜篩いがけすることによって、所望する平均粒径
(例えば0.1μm〜10μm)の粉末状ガラス組成物
を得ることができる。
【0036】そして、上記のようにして得られた高膨張
低軟化ガラス組成物及び低膨張高軟化ガラス組成物を適
当な配合比で混合することによって、目的とするガラス
フラックスを調製することができる。なお、絵付け材料
用ガラスフラックスとしては粉末状に調製されたものが
好ましい。かかる粉末状ガラスフラックス(好ましくは
平均粒径:1〜10μm)は、粉末状の高膨張低軟化ガ
ラス組成物及び低膨張高軟化ガラス組成物を混合するこ
とによって得られる。例えば、それら二種の粉末状ガラ
ス組成物を一般的な混合攪拌手段(例えば種々のミキサ
ー、粉砕機)によって混合・撹拌することによってそれ
らガラス組成物が均一に混合されて成るガラスフラック
スを調製することができる。
【0037】なお、ガラスフラックスの調製にあたって
は、当該フラックスから形成されるガラス層(ガラス成
形物)の熱膨張係数が5.5×10-6以下となるように
上記二種のガラス組成物の配合比を調整するとよい。一
般に陶磁器の素地及び釉面(釉薬層)の熱膨張係数は、
5.5×10-6以下(典型的には2.0×10-6〜5.
0×10-6)であるところ、かかる絵付け対象物の熱膨
張係数とガラスフラックス及びそれを主体に構成される
絵付け材料の熱膨張係数とは近似することが好ましい。
このことにより、絵付け・焼成したガラス層(絵柄)に
剥離や貫入が生じるのをより良く防止することができ
る。特に磁器の硬釉面等にオングレーズ装飾するための
絵付け材料用ガラスフラックスとしては、低軟化点(好
ましくは600℃以下)であるうえに熱膨張係数が5.
0×10-6以下であることが好ましく、4.0×10-6
以下(例えば2.5〜4.0×10-6)であることが特
に好ましい。このような低熱膨張係数のガラスフラック
スは、例えば上記好適な熱膨張係数及び軟化点を示すそ
れぞれSiO2を主体に構成された高膨張低軟化ガラス
組成物と低膨張高軟化ガラス組成物とを、重量ベースで
高膨張低軟化ガラス組成物60〜90部に対して低膨張
高軟化ガラス組成物10〜40部(但し合計100部)
の配合比で混合することによって、得ることができる。
【0038】次に、本発明に係る絵付け材料について説
明する。本発明によって提供される絵付け材料は、上記
ガラスフラックスの他、各種の絵付け用顔料を主要構成
要素とする。この種の顔料としては、種々の無機顔料
(例えば、ジルコン、トルコ青、マロン、バナジウムジ
ルコニウム黄、コバルトブルー、チタン白等)が例示さ
れる。特に、ジルコン(ZrSiO4)及び/又はジル
コン型顔料(トルコ青のような、ZrO2・SiO2に種
々の金属元素(V、Pr、Fe、Co、Ni等)が固溶
した無機顔料をいう。)の利用が好ましい。ジルコン及
びジルコン型顔料は、一般に熱膨張率が低く、絵付け材
料の熱膨張係数を低下させるための調整材としても機能
し得る。
【0039】また、絵付け材料には、熱膨張を調整する
ため、種々の低膨張性セラミック材を添加し得る。この
種のセラミック材として、コーディエライト、β−ユー
クリプタイト、β−スポジュメン、ペタライト等が挙げ
られる。Li、Al、Si及びOを構成元素とするユー
クリプタイト、スポジュメン及びペタライトの何れか一
種以上を含むものが好ましい。特にβ−ユークリプタイ
トの添加が好ましい。
【0040】本発明の絵付け材料は典型的には粉末形状
で提供されるが、そのような粉末状絵付け材料は、それ
ぞれ粉末状に調製されたガラスフラックス、顔料、及び
必要に応じて加えられる上記低膨張セラミック材その他
の添加物(グリセリン、テレビン油、脂肪油、ゼラチン
等)を、好ましくは最終産物から得られるガラス成形物
の熱膨張係数が5.5×10-6以下(より好ましくは
5.0×10-6以下、典型的には2.0×10-6〜4.
0×10-6)となるような配合比で混合・撹拌すること
によって製造することができる。例えば、上記した好適
数値範囲に属する熱膨張係数及び軟化点を有する高膨張
低軟化ガラス組成物と低膨張高軟化ガラス組成物とから
成る粉末状ガラスフラックス50〜70%、絵付け用無
機顔料(好ましくはジルコン及び/又はジルコン型顔
料)15〜40%、及び、低膨張性セラミック材(ユー
クリプタイト、スポジュメン、ペタライト等)1〜20
%から成る混合物(熱膨張係数5.5×10 -6以下、好
ましくは5.0×10-6以下、典型的には2.0×10
-6〜4.0×10-6)が得られるようにこれら粉末原料
を混合・撹拌する。
【0041】あるいは、個別に調製した高膨張低軟化ガ
ラス組成物と低膨張高軟化ガラス組成物とを、予め配合
することなく(即ち本発明に係るガラスフラックスを予
め調製することなく)、顔料や低膨張セラミック材(β
−ユークリプタイト等)と一緒に混合することによって
絵付け材料を製造してもよい。例えば、熱膨張係数が
5.0×10-6以上〜7.0×10-6未満(より好まし
くは5.0×10-6以上〜6.0×10-6未満)のSi
2を主体に構成された高膨張低軟化ガラス組成物と、
熱膨張係数が3.0×10-6以上〜5.0×10 -6未満
(より好ましくは3.0×10-6以上〜4.0×10-6
未満)のSiO2を主体に構成された低膨張高軟化ガラ
ス組成物とを無機顔料、その他の添加物(低膨張セラミ
ック材等)と一緒に混合・撹拌してもよい。この場合の
好ましい配合比は、混合物全体を100部とした重量割
合で、高膨張低軟化ガラス組成物と低膨張高軟化ガラス
組成物との合量50〜75部、絵付け用無機顔料(好ま
しくはジルコン及び/又はジルコン型顔料)15〜40
部、及び、低膨張性セラミック材(ユークリプタイト、
スポジュメン、ペタライト等)1〜20部(但し熱膨張
係数5.5×10-6以下、好ましくは5.0×10-6
下、典型的には2.0×10-6〜4.0×10-6となる
ように配合比を決定する。)である。このとき添加され
る高膨張低軟化ガラス組成物と低膨張高軟化ガラス組成
物の好ましい配合比は、重量ベースで高膨張低軟化ガラ
ス組成物60〜90部に対して低膨張高軟化ガラス組成
物10〜40部(但しこれらの合計100部)である。
このような配合によって、陶磁器の釉面(例えば磁器の
硬釉面)にオングレーズ装飾等を施すのに適する低膨張
率(好ましくは5.0×10-6以下、典型的には2.0
×10-6〜4.0×10-6)と低軟化点(好ましくは6
00℃以下)を実現した絵付け材料を提供することがで
きる。
【0042】本発明の絵付け材料は、従来の絵付け材料
(絵具)と同様に使用することができる。例えば、絵筆
等を用いて陶磁器に直接絵付けを行ったり、スクリーン
印刷法に用いることができる。あるいは、転写紙を用い
て絵付けを行う場合には、当該転写紙の絵付け層を形成
するのにも使用することができる。かかるスクリーン印
刷法、転写紙使用法等はいずれも従来方法に準じればよ
く、特に本発明を特徴付けるものではないため詳細な説
明は省略する。
【0043】本発明のガラスフラックスを含む絵付け材
料は、低軟化点であるため、750〜900℃程度の温
度を焼成温度とするオングレーズ装飾用途に好適であ
る。このため、本発明によると、ガラスフラックスとジ
ルコン等の顔料とを主構成要素とする絵付け材料(好ま
しくはさらにβ−ユークリプタイト等の低膨張性セラミ
ック材を含む)であって、磁器の硬釉薬層上に白盛等を
形成するのに好適な低融点且つ低熱膨張率の絵付け材料
を提供することができる。
【0044】
【実施例】 以下に説明する実施例によって、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すも
のに限定することを意図したものではない。
【0045】表1に示す高膨張低軟化ガラス組成物(a
−1〜a−3の計3種)及び表2に示す低膨張高軟化ガ
ラス組成物(b−1〜b−2の計2種)の中から適宜選
択して組み合わせた高膨張低軟化ガラス組成物及び低膨
張高軟化ガラス組成物と、粉状ジルコン(顔料)と、粉
状β−ユークリプタイトとを原料にして、磁器の硬釉上
にオングレーズ装飾(白盛)を施すための絵付け材料を
製造した。すなわち、表3の実施例1〜4及び比較例1
〜2の欄に示すように、使用する高膨張低軟化ガラス組
成物(表1のa−1〜a−3)及び低膨張高軟化ガラス
組成物(表2のb−1〜b−2)を選択し、表中に示す
配合比となるように、ガラス組成物、ジルコン及びβ−
ユークリプタイトをボールミルに投入し、8〜10時間
の混合攪拌処理を行った。これにより、各実施例及び比
較例に係る粉状絵付け材料(計6種)を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】得られた各絵付け材料のガラス組成(酸化
物換算)及び熱膨張係数を表4に示す。表示される数値
から明らかなように各実施例に係る絵付け材料の熱膨張
係数は、いずれも5.0×10-6(より具体的には4.
0×10-6)を下回っていた。特に実施例1〜3は、
3.0×10-6以下の低膨張率であった。従って、これ
ら実施例に係る絵付け材料は、一般に熱膨張率が4〜6
×10-6程度である陶磁器の釉(典型的には磁器の硬
釉)上にオングレーズ装飾(上絵付け)するのに適して
いる。一方、低膨張高軟化ガラス組成物(表2のb−
1,2)を含まない比較例1の絵付け材料は、組成的に
は各実施例と同様であるにも拘わらず、熱膨張係数が
5.8×10-6と高く、陶磁器の釉(典型的には磁器の
硬釉)上にオングレーズ装飾するのに適していないこと
が示された。
【0050】
【表4】
【0051】次に、各実施例及び比較例の絵付け材料
(白盛材料)を用いて磁器の釉上にガラス層(絵柄:こ
こでは白盛)を形成し、その特性を調べた。すなわち、
磁器の素地表面に表5に示す釉薬を施して釉薬層を形成
し、その釉上に実施例1〜4及び比較例1〜2に係る絵
付け材料をそれぞれ用いて装飾(オングレーズ装飾)し
た。次いで、当該装飾の施された磁器を880℃で焼成
し、各絵付け材料から成る白盛(ガラス層)を形成し
た。
【0052】
【表5】
【0053】<光沢>得られた白盛(ガラス層)につい
ての光沢を目視にて観察したところ、何れも良好な光沢
を呈した。特に、実施例1の絵付け材料から成る白盛
は、他の実施例及び比較例のものよりも光沢に優れ、従
来の有鉛ガラスフラックスを含む絵付け材料から成る白
盛と同等かそれ以上の光沢を呈した。
【0054】<耐アルカリ性>100℃の0.5M炭酸
ナトリウム溶液(pH11.0)に2時間浸漬し、各白
盛(ガラス層)の耐アルカリ性を評価した。すなわち、
上記アルカリ溶液浸漬後に白盛表面を布で拭き取り、色
艶の有無を目視にて評価した。その結果、各実施例の絵
付け材料から成る白盛は、比較例1の絵付け材料から成
る白盛と比較してアルカリ処理後も色艶が高く維持され
ていた。特に実施例1の絵付け材料から成る白盛は、耐
アルカリ性が高いことが確認された。
【0055】<耐酸性>室温の4M酢酸溶液(pH2.
5)に24時間浸漬し、各白盛(ガラス層)の耐酸性を
評価した。すなわち、上記酢酸溶液浸漬後に白盛表面を
布で拭き取り、浸漬前と比較して色艶に変化があるかど
うかを目視にて評価した。その結果、各実施例の絵付け
材料から成る白盛は、いずれも色艶に変化が認められ
ず、良好な耐酸性を示した。
【0056】<その他の耐化学性>市販の洗剤(商品
名:デターシェルLK(シエル・インターナシヨナル・
ペトロリウム・カムパニーリミテツドの登録商標))を
用いて濃度0.15%の洗浄溶液を調製し、70℃で1
6時間の浸漬を行って、各白盛(ガラス層)の耐洗剤性
を評価した。また、80℃の熱湯中に48時間浸漬し、
各白盛の耐熱湯性を評価した。すなわち、耐洗剤性試験
及び耐熱湯性試験の何れも、浸漬後に白盛表面を布で拭
き取り、浸漬前と比較して色艶に変化があるかどうかを
目視にて評価した。その結果、各実施例の絵付け材料か
ら成る白盛は、いずれも色艶に変化が認められず、良好
な耐洗剤性及び耐熱湯性を示した。
【0057】<硬度及び破壊靭性値>磁器の釉上に形成
された各白盛の硬度をビッカース硬度に基づいて調べ
た。すなわち、白盛の形成された磁器を10mm角(厚
さ5mm)に切り取り、荷重:5kg、荷重時間:15
秒、測定開始時:荷重終了1分後、測定数(n):5の
条件で、JIS B 7725に準じて硬度測定機((株)アカシ
製品「AVK−C1」)を用いてビッカース硬度を求め
た。また、常法(IF法)に基づいて平面ひずみ破壊靭
性KIC(Pa・m1/2)を、式:KIC=(0.026
×E1/2×P1/2×a)/C3/2より求めた。式中のEは
ヤング率(Pa)、Pは圧痕対角長さ(m)、aは荷重
(N)、及びCはクラック長さ平均の半分(m)を示
す。得られた硬度及びKICの測定値を表6に示す。各
実施例の絵付け材料から成る白盛はいずれも充分な硬度
及び破壊靭性値を示した。
【0058】
【表6】
【0059】<貫入の程度>次に、各白盛の表面に蛍光
塗料を塗布し、5分間乾燥した。その後、塗料を拭き取
り、紫外線ランプを当てて白盛表面における貫入の有無
を確認した。すなわち、白盛表面の貫入に染み込んだ蛍
光塗料を検出することにより、貫入の有無を判別した。
結果を表6の該当欄に示した。表中の数字は、蛍光の目
視による相対的な評価であり、数値が大きいほど蛍光発
色が大きいこと即ち貫入がより多く存在していることを
示している。この表から明らかなように、比較例1の絵
付け材料から成る白盛と比較して、各実施例の絵付け材
料から成る白盛は貫入が少なく、特に実施例1に係る絵
付け材料から成る白盛には、貫入の発生が認められなか
った。
【0060】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。例えば、本発明のガラスフラックスを生成するにあ
たっては、2種類以上の組成の異なる高膨張低軟化ガラ
ス組成物と2種類以上の組成の異なる低膨張高軟化ガラ
ス組成物を配合してもよい。また、本明細書または図面
に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わ
せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時
請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。ま
た、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同
時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成
すること自体で技術的有用性を持つものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 博道 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 猪子 展弘 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 BB01 DA05 DA06 DA07 DB03 DB04 DC01 DC02 DC03 DC04 DD01 DD02 DD03 DE01 DE02 DE03 DE04 DF01 EA02 EA03 EB01 EB02 EB03 EC01 EC02 EC03 ED01 ED02 ED03 ED04 EE01 EE02 EE03 EE04 EF01 EG01 EG02 EG03 FA01 FA10 FB01 FB02 FB03 FC01 FD01 FE01 FE02 FE03 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FK02 FK03 FL01 GA01 GA02 GA03 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM12 NN32 PP05 PP06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絵付け材料用無鉛ガラスフラックスであ
    って、以下の(a)及び(b): (a)SiO2と、Al23と、B23と、Li2Oを必
    須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主
    成分とする無鉛ガラス組成物であって、それら主成分の
    含有率は該組成物全体の SiO2 45〜60質量%、 Al23 5〜20質量%、 B23 15〜30質量%、及びアルカリ金属酸化物
    5〜10質量%(但しLi2Oは2質量%以上である)
    であり、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量
    %以上である、無鉛ガラス組成物; (b)SiO2と、Al23と、MgO、CaO及びZ
    nOのうちの少なくとも一種である金属酸化物と、Li
    2Oを必須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化
    物とを主成分とする無鉛ガラス組成物であって、それら
    主成分の含有率は該組成物全体の SiO2 60〜75質量%、 Al23 5〜20質量%、 MgO+CaO+ZnO 5〜20質量%、及びアルカ
    リ金属酸化物 0.5〜5質量%(但しLi2Oは0.
    5質量%以上である)であり、それら主成分の合量は該
    組成物全体の90質量%以上である、無鉛ガラス組成
    物;を配合して成り、 該フラックスから形成されるガラス成形物の熱膨張係数
    が5.5×10-6以下となる、絵付け材料用無鉛ガラス
    フラックス。
  2. 【請求項2】 (a)無鉛ガラス組成物の熱膨張係数は
    5.0×10-6以上〜7.0×10-6未満であり、
    (b)無鉛ガラス組成物の熱膨張係数は3.0×10 -6
    以上〜5.0×10-6未満である、請求項1に記載の無
    鉛ガラスフラックス。
  3. 【請求項3】 (a)無鉛ガラス組成物の軟化点は50
    0〜600℃の範囲内にあり、(b)無鉛ガラス組成物
    の軟化点は700〜800℃の範囲内にある、請求項1
    又は2に記載の無鉛ガラスフラックス。
  4. 【請求項4】 (a)無鉛ガラス組成物と(b)無鉛ガ
    ラス組成物の配合比は、重量ベースで(a)無鉛ガラス
    組成物60〜90部に対して(b)無鉛ガラス組成物1
    0〜40部(但し(a)と(b)の合計100部)であ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の無鉛ガラスフラッ
    クス。
  5. 【請求項5】 (a)無鉛ガラス組成物及び(b)無鉛
    ガラス組成物はそれぞれ粉末状に調製されて配合されて
    いる、請求項1〜4のいずれかに記載の無鉛ガラスフラ
    ックス。
  6. 【請求項6】 陶磁器の釉上に絵付けするための絵付け
    材料であって、請求項1〜5のいずれかに記載の無鉛ガ
    ラスフラックスと、絵付け用顔料とを主体に構成され、
    該絵付け材料から形成されるガラス成形物の熱膨張係数
    が5.5×10-6以下となる、絵付け材料。
  7. 【請求項7】 低膨張性セラミック材を20質量%以下
    の含有率で含有する、請求項6に記載の絵付け材料。
  8. 【請求項8】 前記低膨張性セラミック材は、ユークリ
    プタイト、スポジュメン及びペタライトから成る群から
    選択される少なくとも一種である、請求項7に記載の絵
    付け材料。
  9. 【請求項9】 前記顔料がジルコン及び/又はジルコン
    型顔料であり、 50〜75質量%の前記無鉛ガラスフラックス、 1〜20質量%の前記低膨張性セラミック材、及び15
    〜40質量%のジルコン及び/又はジルコン型顔料、か
    ら実質的に構成されている、請求項7又は8に記載の絵
    付け材料。
  10. 【請求項10】 陶磁器の釉上に絵付けするための絵付
    け材料を製造する方法であって、 (a)SiO2を主体に構成されたLi2O−Al23
    SiO2系無鉛ガラス組成物であって、熱膨張係数が
    5.0×10-6以上〜7.0×10-6未満である無鉛ガ
    ラス組成物; (b)SiO2を主体に構成されたLi2O−Al23
    SiO2系無鉛ガラス組成物であって、熱膨張係数が
    3.0×10-6以上〜5.0×10-6未満である無鉛ガ
    ラス組成物; (c)絵付け用顔料;をそれぞれ調達する工程と、 前記調達した(a)無鉛ガラス組成物、(b)無鉛ガラ
    ス組成物、及び(c)絵付け用顔料を、最終的に熱膨張
    係数が5.5×10-6以下の絵付け材料が得られるよう
    に混合する工程と、を包含する製造方法。
  11. 【請求項11】 (a)無鉛ガラス組成物の軟化点は5
    00〜600℃の範囲内にあり、(b)無鉛ガラス組成
    物の軟化点は700〜800℃の範囲内にある、請求項
    10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 (a)無鉛ガラス組成物は、SiO2
    と、Al23と、B23と、Li2Oを必須とするアル
    カリ金属酸化物とを主成分とし、それら主成分の含有率
    は該組成物全体の SiO2 45〜60質量%、 Al23 5〜20質量%、 B23 15〜30質量%、及びアルカリ金属酸化物
    5〜10質量%(但しLi2Oは2質量%以上である)
    であって、それら主成分の合量は該組成物全体の90質
    量%以上であり、且つ、 (b)無鉛ガラス組成物は、SiO2と、Al23と、
    MgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一種であ
    る金属酸化物と、Li2Oを必須とするアルカリ金属酸
    化物とを主成分とし、それら主成分の含有率は該組成物
    全体のSiO2 60〜75質量%、 Al23 5〜20質量%、 MgO+CaO+ZnO 5〜20質量%、及びアルカ
    リ金属酸化物 0.5〜5質量%(但しLi2Oは0.
    5質量%以上である)であって、それら主成分の合量は
    該組成物全体の90質量%以上である、請求項10又は
    11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記混合工程において、さらに(d)
    低膨張性セラミック材を混合する、請求項10〜12の
    いずれかに記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 (d)低膨張性セラミック材が、ユー
    クリプタイト、スポジュメン及びペタライトから成る群
    から選択される少なくとも一種である、請求項13に記
    載の製造方法。
  15. 【請求項15】 (c)絵付け用顔料としてジルコン及
    び/又はジルコン型顔料を使用し、以下の組成の混合
    物:(a)無鉛ガラス組成物と(b)無鉛ガラス組成物
    の合量 50〜75質量%、(c)絵付け用顔料 15
    〜40質量%、及び(d)低膨張性セラミック材 1〜
    20質量%(但し(a)(b)(c)及び(d)の合計
    が100質量%)から実質的に構成され、ここで(a)
    無鉛ガラス組成物と(b)無鉛ガラス組成物との配合比
    は、重量ベースで(a)無鉛ガラス組成物60〜90部
    に対して(b)無鉛ガラス組成物10〜40部(但し
    (a)と(b)の合計100部)である;が得られるよ
    うに前記混合工程が行われる、請求項13又は14に記
    載の製造方法。
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