JP4014468B2 - 無鉛ガラスフラックス及び該フラックスを含む絵付け材料 - Google Patents

無鉛ガラスフラックス及び該フラックスを含む絵付け材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛成分を実質的に含有しない絵付け材料用ガラスフラックス(融剤)及びその製法に関し、更には当該ガラスフラックスを含む絵付け材料及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
陶磁器の絵付け材料として種々の組成のものが利用されている。例えば特開平6−56558号公報(特許文献1)には、貴金属による加飾のための上絵付け用盛絵具が開示されている。
一般に絵付け材料は、絵付け用顔料(窯業顔料)とガラスフラックス(融剤)とを主体に構成される。絵付け材料に用いられるガラスフラックスとしては、絵付けによって形成された装飾(以下「絵柄」ともいう。)の鮮明な発色・光沢を実現するとともに絵柄の耐水性や耐化学性(陶磁器に要求される耐酸性、耐アルカリ性、耐洗剤性等をいう。以下同じ。)を向上させるため、SiO2を主体にするもの(典型的にはSiO2含有率が45質量%以上のもの)が好ましい。
【0003】
ところで、いわゆる上絵付け(オングレーズ装飾ともいう。)においては、陶磁器表面に予め形成された釉(例えば磁器の素地上に硬釉薬によって形成される釉薬層)上に種々の顔料を含む絵付け材料を絵付けした後、750〜900℃程度の比較的低温で当該絵付け物を焼き付ける。このことから、かかるオングレーズ装飾用絵付け材料に含まれるガラスフラックスには、イングレーズ装飾用絵付け材料(通常1000〜1300℃で焼き付けられる。)に含まれるガラスフラックスよりも熔融温度及びその指標としての軟化点が低いことが要求される。
【0004】
一方、一般にガラス組成物はSiO2含有率が高いものほど軟化点が高くなる傾向にある。そこで、オングレーズ装飾用絵付け材料に含まれるガラスフラックスとしては、SiO2含有率は比較的高く維持しつつもオングレーズ装飾に適する低軟化点を示す組成のものが望まれる。
【0005】
従来、かかる要望を適えるため、軟化点を下げる成分としてPb(鉛)を含有したガラス組成物(有鉛ガラス組成物)がオングレーズ装飾用絵付け材料のガラスフラックスとして用いられていた。例えば、特開平7−267677号公報(特許文献2)には、有鉛の絵付け材料用ガラスフラックスが開示されている。
しかし、環境や健康に対する配慮から、絵付け材料用ガラスフラックスとして有鉛ガラス組成物の使用が忌避されるようになり、現在では鉛に代わる軟化点低下作用を奏する成分を含む無鉛ガラス組成物がオングレーズ装飾用絵付け材料のガラスフラックスとして使用されはじめている。例えば特許第2991370号公報(特許文献3)には、鉛に代わってLi2Oその他のアルカリ金属酸化物を熔融助長成分(即ち軟化点を下げる成分)として含むLi2O−Al23−SiO2系無鉛ガラス組成物をガラスフラックスとするオングレーズ装飾及びイングレーズ装飾用絵付け材料が開示されている。また、特開平10−167756号公報(特許文献4)には、有鉛の上絵付け材料と同様の質感を醸し出すため、酸化ニオブ又は酸化タンタルを含む無鉛の上絵付け材料が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−56558号公報
【特許文献2】
特開平7−267677号公報
【特許文献3】
特許第2991370号公報
【特許文献4】
特開平10−167756号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、鉛を含有しない従来の絵付け材料用ガラスフラックスは、熱膨張性に関する配慮が不十分であった。
すなわち、絵付け材料中のガラスフラックスの熱膨張率(熱膨張係数)が陶磁器の素地及び釉面の熱膨張率よりも高すぎると、陶磁器の釉上に施用した絵付け材料を所定の温度で焼き付けた際に、当該熱膨張率差によって絵柄の剥離や過剰に貫入が形成されるといった不具合が発生する虞がある。このため、ガラスフラックスの熱膨張率(熱膨張係数)は、陶磁器の素地及び釉に近似する程度に低いことが好ましい。
【0008】
他方、オングレーズ装飾等に使用される絵付け材料用ガラスフラックスとして用いられる従来の無鉛ガラス組成物(例えば熔融助長成分としてアルカリ金属酸化物を含む高SiO含有無鉛ガラス組成物)は、軟化点(熔融温度)が低いものほど熱膨張が大きくなるといった好ましくない傾向にあった。
そこで、高光沢で鮮やかな高品質の絵付け(典型的にはオングレーズ装飾)を実現するためにSiO含有率を高めに維持しつつ、低熱膨張率と十分な耐化学性(当該ガラス組成物を用いて形成した絵柄層(ガラス層)についての耐化学性をいう。以下同じ。)とを両立させた絵付け材料用無鉛ガラスフラックスの創成が望まれていた。
【0009】
本発明は、無鉛ガラス組成物から成る絵付け材料用ガラスフラックスに関する上記課題を解決すべく創出されたものであり、その目的とするところは、低軟化点と低熱膨張率とを両立させ、さらに耐化学性に優れる高SiO含有率の無鉛ガラスフラックスを提供することである。また、他の目的は、そのような無鉛ガラスフラックスを含む絵付け材料及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
低軟化点と低熱膨張を両立させることは、熱膨張を上げるアルカリ金属酸化物を少なくしてMgO、CaO及びZnOを入れないガラスフラックスによって実現し得る。しかし、そのようなガラスフラックスは一般に耐化学性が低い。
本発明によって提供される絵付け材料用無鉛ガラスフラックスは、SiO2、Al23、B23及びLi2Oを必須成分として含有する無鉛ガラス組成物であって、相対的に、低膨張だが耐化学性の低いガラス組成物と高膨張で耐化学性の高いガラス組成物とを適当な比率で配合させた混合物である。
【0011】
本発明によって提供される好ましい一つの絵付け材料用無鉛ガラスフラックスは、以下の二種の無鉛ガラス組成物(a)及び(b)を配合して構成されたものである。
すなわち、一方の(a)無鉛ガラス組成物は、SiO2と、Al23と、B23と、Li2Oを必須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無鉛ガラス組成物である。そして、該組成物全体に対する各成分の含有率はSiO245〜60質量%、Al235〜20質量%、B2315〜35質量%、及び、アルカリ金属酸化物5〜10質量%(但しLi2Oは2質量%以上である)であり、それら主成分の合量が該組成物全体の90質量%以上であり、熱膨張係数は5.0×10 -6 -1 以上〜6.5×10 -6 -1 未満である無鉛ガラス組成物である。
他方の(b)無鉛ガラス組成物は、上記主成分に加え、MgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一種の金属酸化物をさらに主成分とする無機ガラス組成物である。そして、該組成物全体に対する各成分の含有率はSiO245〜60質量%、Al235〜20質量%、B235〜20質量%、MgO+CaO+ZnO5〜20質量%、及び、アルカリ金属酸化物10〜15質量%(但しLi2Oは2質量%以上である)であり、それら主成分の合量が該組成物全体の90質量%以上であり、熱膨張係数は7.0×10 -6 -1 以上〜9.0×10 -6 -1 未満である無鉛ガラス組成物である。
そして、(a)ガラス組成物と(b)ガラス組成物の配合比は、質量ベースで(a)ガラス組成物75〜95部に対して(b)ガラス組成物5〜25部(但し(a)と(b)の合計100部)であり、本ガラスフラックスから形成されるガラス成形体(即ちフラックスが熔融した後に固化して成るガラス)の熱膨張係数は、典型的には6.5×10-6-1以下である。
【0012】
かかる構成のガラスフラックスによると、上記二種類の無鉛ガラス組成物、すなわち、相対的に熱膨張率が低く耐化学性の低い組成の(a)無鉛ガラス組成物(以下、単に「低膨張無鉛ガラス組成物」と略称する。)と、相対的に熱膨張率が高く耐化学性の高い組成の(b)無鉛ガラス組成物(以下、単に「高膨張無鉛ガラス組成物」と略称する。)とを、(a)ガラス組成物と(b)ガラス組成物の配合比が質量ベースで(a)ガラス組成物75〜95部に対して(b)ガラス組成物5〜25部(但し(a)と(b)の合計100部)となり、該フラックスから形成されるガラス成形体(即ち両方のガラス組成物が熔融・混合されて形成されるガラス)の熱膨張係数がほぼ6.5×10-6-1以下となるような配合比で配合した結果、低熱膨張性と高い耐化学性との両立を実現したSiO含有率の高い(即ち光沢に優れる)ガラス層を陶磁器の釉上に形成することができる。
従って、本ガラスフラックスを絵付け材料のフラックス成分とすることにより、陶磁器の釉上(例えば磁器の硬釉面上)に、耐化学性が高く、剥離や貫入のない質感に優れる絵柄をオングレーズ装飾又はイングレーズ装飾によって形成することができる。また、熱膨張係数が上記範囲にある(a)と(b)の無鉛ガラス組成物をかかる配合比とすることによって、特にオングレーズ装飾(絵付け)に好ましい高い耐化学性を伴う低熱膨張(熱膨張係数が6.5×10 -6 -1 以下、より好ましくは6.0×10 -6 -1 以下)と低軟化点(低温熔融性)とを共に実現することができる。
【0013】
【0014】
本発明の絵付け材料用無鉛ガラスフラックスとしてさらに好ましい他の一つは、(a)ガラス組成物及び(b)ガラス組成物の軟化点がいずれも概ね500〜600℃の範囲内にあることを特徴とする。
軟化点が上記範囲にある(a)と(b)の無鉛ガラス組成物を配合することにより、低温熔融性に優れ、オングレーズ装飾に好適なガラスフラックスを提供することができる。
【0015】
【0016】
本発明の絵付け材料用無鉛ガラスフラックスとしては、(a)ガラス組成物及び(b)ガラス組成物がそれぞれ粉末状に調製されて配合されたものが好ましい。かかる粉末形状のガラスフラックスは、絵付け材料のフラックス成分として好ましく利用することができる。
【0017】
また、本発明は、上述した無鉛ガラスフラックスのうちの少なくとも一つと、適当な絵付け用顔料とを主体に構成された、陶磁器の釉上に絵付けするための絵付け材料を提供する。典型的には、本発明によって提供される絵付け材料はその熱膨張係数が7.0×10-6-1以下(例えば2.0×10-6-1〜7.0×10-6-1、好ましくは2.0×10-6-1〜6.0×10-6-1)に調整されたものである。
かかる構成の本発明の絵付け材料は、フラックス成分として上述のガラスフラックスを含有する結果、陶磁器の釉上(例えば磁器の硬釉上)に、耐化学性に優れると共に、剥離や貫入が生じるのを防止して質感に優れる絵柄をオングレーズ装飾又はイングレーズ装飾によって形成することができる。
【0018】
本発明によって提供される絵付け材料として特に好適なものは、全体を100質量%として、70〜95質量%の上述したいずれかの無鉛ガラスフラックス、及び、5〜30質量%の絵付け用顔料から実質的に構成されている。
かかる組成の絵付け材料は耐化学性と共に貫入や剥離の防止能が高く、質感に優れる絵柄を形成することができる。
【0019】
また、本発明は、陶磁器の釉上に絵付けするための絵付け材料を製造する方法を提供する。すなわち、本発明によって提供される一つの絵付け材料製造方法は、(a)SiO2を主体に構成され、Al23と、B23と、Li2Oとを必須とする無鉛ガラス組成物であって、(a)ガラス組成物全体に対する各成分の含有率がSiO 2 45〜60質量%、Al 2 3 5〜20質量%、B 2 3 15〜30質量%、及びアルカリ金属酸化物5〜10質量%(但しLi 2 Oは2質量%以上である)であって、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量%以上であり、熱膨張係数が5.0×10-6-1以上〜6.5×10-6-1未満である無鉛ガラス組成物(好ましくは軟化点が500〜600℃であるもの)、(b)SiO2を主体に構成され、Al23と、B23と、MgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一種の金属酸化物と、Li2Oとを必須とする無鉛ガラス組成物であって、(b)ガラス組成物全体に対する各成分の含有率がSiO 2 45〜60質量%、Al 2 3 5〜20質量%、B 2 3 5〜20質量%、MgO+CaO+ZnO
5〜20質量%、及びアルカリ金属酸化物10〜15質量%(但しLi 2 Oは2質量%以上である)であって、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量%以上であり、熱膨張係数が7.0×10-6-1以上〜9.0×10-6-1未満である無鉛ガラス組成物(好ましくは軟化点が500〜600℃であるもの)、及び(c)絵付け用顔料をそれぞれ調達する工程と、該調達した(a)ガラス組成物、(b)ガラス組成物、及び(c)絵付け用顔料を最終的に熱膨張係数が7.0×10-6-1以下(例えば2.0×10-6-1〜7.0×10-6-1、好ましくは3.0×10-6-1〜6.0×10-6-1)の絵付け材料が得られるように混合する工程とを包含する。そして、上記混合工程において、質量ベースで(a)ガラス組成物75〜95部に対して(b)ガラス組成物5〜25部(但し(a)と(b)の合計100部)を配合し、(a)ガラス組成物と(b)ガラス組成物の合量70〜95質量%及び(c)絵付け用顔料5〜30質量%(但し(a)(b)及び(c)の合計が100質量%)の混合物を得る。
本発明の製造方法によると、上述した低熱膨張率と高い耐化学性とを両立した無鉛ガラスフラックス成分を含む絵付け材料を提供することができる。即ち、上記組成の各無鉛ガラス組成物を配合することにより、耐化学性並びに貫入や剥離防止能に優れ、光沢の良い絵柄を形成し得る絵付け材料を好適に製造することができる。即ち、この混合物から成る絵付け材料は、耐化学性並びに貫入及び剥離防止能に優れ、光沢等の質感に優れる絵柄を釉上に形成することができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の百分率表示(%)は、いずれも質量%(mass%)であり、従来用いられていた重量%(wt%)と同義である。
また、本明細書におけるガラス組成物、ガラスフラックス及び絵付け材料について「熱膨張係数」及び「軟化点」というときは、以下のようにして算出される数値をいう。すなわち、軟化点(屈伏点に同じ)は、対象とするガラス試料について示差熱分析(DTA)を行うことによって求まる値(典型的には示差熱分析を行った際に出現する2つめの吸熱ピークに相当する温度)である。
また、熱膨張係数は、測定対象であるガラス組成物、ガラスフラックス又は絵付け材料を圧縮成形し、軟化点よりも概ね300℃高い温度で100分間焼成することにより長さ20mm×直径5mmの棒状ガラス成形体を作製し、その棒状ガラス成形体についての室温から900℃までの熱膨張差をTMA分析装置(示差熱膨張計)により測定して算出された平均熱膨張係数である。上記の焼成条件は典型的な画付焼成条件とほぼ合致する。
【0023】
本発明のガラスフラックスは、上述のように、SiO2と、Al23と、B23と、Li2Oとを必須の成分とする無鉛ガラス組成物(Li2O−Al23−B23−SiO2系無鉛ガラス組成物)であって、含有成分(酸化物)の種類やそれらの含有率が相互に異なる低膨張無鉛ガラス組成物(即ち(a)ガラス組成物)と高膨張無鉛ガラス組成物(即ち(b)ガラス組成物)とを配合して調製され、絵付け材料のフラックス成分として用いられるフラックス(融剤)である。
【0024】
本発明のガラスフラックスを構成する一方の構成要素である低膨張無鉛ガラス組成物は、SiO2と、Al23と、B23と、Li2Oを必須成分とする。
SiO2は、陶磁器の釉上に形成されるガラス層(絵柄)の骨格を構成する主成分であり、かかる観点からはシリカ含有率は高いことが望ましい。しかし、SiO2含有率が高すぎると熔融温度(軟化点)が高くなりすぎてしまい好ましくない。一方、SiO2含有率が低すぎると、良好なガラス層が形成されず顔料の良好な発色を損ない光沢が悪くなる虞がある。また、耐水性や耐化学性が低下する。好ましいSiO2含有率は、低膨張無鉛ガラス組成物全体の45〜60%であり、50〜60%程度の含有率が特に好ましい。
【0025】
Al23は、ガラス熔融液の流動性を制御し、当該熔融液の釉上での付着安定性に関与する成分である。好ましいAl23含有率は、低膨張無鉛ガラス組成物全体の5〜20%であり、7〜10%程度の含有率が特に好ましい。Al23含有率が低すぎると付着安定性が低下して、釉上に均一な厚みのガラス層形成を損なう虞がある。一方、Al23含有率が高すぎると、ガラス層の耐化学性を低下させる虞があり好ましくない。
【0026】
23は、軟化点及び熔融温度を低下させる効果が高い成分である。また、釉上に形成されたガラス層の透過率を向上させるとともに光沢を増大させ得る成分でもある。好ましいB23含有率は、15〜35%であり、20〜30%程度の含有率が特に好ましい。B23含有率が低すぎると、軟化点及び熔融温度を低下させる効果が得られない。一方、B23含有率が高すぎると、ガラス層(絵柄層)の耐水性が低下する虞があり好ましくない。
【0027】
Li2Oは、アルカリ金属酸化物の一種であるが、特に軟化点及び熔融温度を低下させ得る成分である。また、耐化学性(特に耐酸性)を向上させるとともに、絵柄(顔料)の鮮やかな発色を促す作用もある。さらには、焼成によってガラス層中に低膨張性結晶を生じさせ得る。なお、Li2Oの一部は他のアルカリ金属酸化物(典型的にはNa2O及びK2O)によって代替することができる。
好ましいアルカリ金属酸化物含有率は低膨張無鉛ガラス組成物全体の5〜10%であり、8〜10%程度の含有率が特に好ましい。但しLi2O含有率は2%以上であることが好ましく、4%以上であることが特に好ましい。従って、上記好ましい範囲のアルカリ金属酸化物含有率から当該Li2O含有率を差し引いた部分が、Li2O以外のアルカリ金属酸化物(Na2O、K2O等)の含有率の好適範囲である。Li2Oを含むアルカリ金属酸化物の含有率が上記数値範囲よりも低すぎると、軟化点及び熔融温度を低下させる効果が得られない。一方、かかる含有率が高すぎると、熱膨張率が高くなりすぎ好ましくない。
【0028】
本発明のガラスフラックスのもう一方の構成要素である高膨張無鉛ガラス組成物は、上記低膨張無鉛ガラス組成物と同様、SiO2と、Al23と、B23と、Li2Oとを必須成分とする。これら成分の奏する作用効果は上記のとおりであり重複した説明は省略する。
高膨張無鉛ガラス組成物におけるSiO2含有率及びAl23の含有率は、低膨張無鉛ガラス組成物と同様でよい。
また、Li2Oを含むアルカリ金属酸化物の含有率は、低膨張無鉛ガラス組成物よりも高く設定するのが好ましい。このことによって、ガラスフラックスの軟化点を下げる効果を向上させることができる。好ましいアルカリ金属酸化物含有率は高膨張無鉛ガラス組成物全体の10〜15%であり、12〜15%程度の含有率が特に好ましい。但しLi2O含有率は2%以上であることが好ましく、5%以上(例えば5〜8%)であることが特に好ましい。Li2Oを含むアルカリ金属酸化物の含有率が上記数値範囲よりも高すぎると、熱膨張率が過剰に高くなるため好ましくない。
【0029】
高膨張無鉛ガラス組成物は、上記以外の主成分としてMgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一種の金属酸化物を含有する。
MgO、CaO及びZnOは、熱膨張係数の調整を行うことができる成分である。かかる調整機能の他、ZnOは焼成後の絵柄の発色性の向上及び光沢の増大ならびに釉面及び素地に対するガラス層(絵柄層)の融着性向上にも寄与する成分である。また、CaOはガラス層(絵柄層)の硬度を上げて耐摩耗性を向上させ得る成分であり、MgOはガラス熔融時の粘度調整を行うことができる成分でもある。また、これらの成分を入れることによりガラスフラックスが多成分系となり、耐化学性が向上し得る。
典型的には、これら酸化物の少なくとも一種を高膨張無鉛ガラス組成物全体の5〜20%の割合で含有させるのがよく、かかる含有率が7〜15%程度であるものが好ましい。例えば、ZnOの含有率が3〜5%であり、CaO及びMgOの含有率がそれぞれ2〜5%であるものが好ましい。
【0030】
なお、上述した組成は、本発明に係るガラスフラックスの調製のために用いられる低膨張無鉛ガラス組成物と高膨張無鉛ガラス組成物の好適な例示であり、特に限定されるものではない。例えば、低膨張無鉛ガラス組成物及び高膨張無鉛ガラス組成物としては、上記の主成分(必須成分)のみから構成されるものでもよいが、本発明の目的を達成し得る限りにおいて、それら主成分の他に種々の副成分(好ましくは副成分合計でガラス組成物全体の10%以下)が含まれ得る。例えば、低膨張無鉛ガラス組成物は副成分としてMgO、CaO及び/又はZnOを適量含むものであってもよい。
【0031】
かかる副成分として好ましいものにZrO2が挙げられる。ZrO2は耐化学性(特に耐アルカリ性)を向上し得る成分である。低膨張無鉛ガラス組成物及び高膨張無鉛ガラス組成物としては、ZrO2を概ね2〜10%(典型的には4〜7%)の含有率で含むものが好ましい。但し、ZrO2含有率が高すぎると軟化点の上昇が著しくなり、好ましくない。
また、上記の各酸化物の他、種々の目的(例えばガラス層の安定性の向上や透明性(透過率)の調整)のために、P25、BaO、Bi23、La23、TiO2、SnO2等をガラス組成物全体の10%以下(例えば0〜5%)となるように適宜含ませてもよい。
【0032】
なお、陶磁器の釉面(例えば磁器の硬釉面)にオングレーズ装飾等を施すための絵付け材料用ガラスフラックスに配合される低膨張無鉛ガラス組成物としては、熱膨張係数が5.0×10-6-1以上〜6.5×10-6-1未満(特には5.5×10-6-1以上〜6.0×10-6-1未満)であるものが好ましい。また、軟化点が500〜600℃の範囲内にあるものが好ましい。従って、そのような熱膨張係数及び/又は軟化点を示すように上記主成分及び副成分それぞれの含有率を決定するとよい。
一方、そのような熱膨張係数及び/又は軟化点を示す低膨張無鉛ガラス組成物と組み合わされる高膨張無鉛ガラス組成物としては、熱膨張係数が7.0×10-6-1以上〜9.0×10-6-1未満(特には7.5×10-6-1以上〜9.0×10-6-1未満)であるものが好ましい。また、軟化点が500〜600℃の範囲内にあるものが好ましい。従って、そのような熱膨張係数及び/又は軟化点を示すように上記主成分或いは副成分となる酸化物それぞれの含有率を決定するとよい。
【0033】
低膨張無鉛ガラス組成物及び高膨張無鉛ガラス組成物の製造方法に関して特に制限はなく、従来のガラス組成物を製造するのと同様の方法が用いられる。典型的には、当該組成物を構成する各種酸化物成分を得るための化合物(例えば各成分を含有する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、複合酸化物等を含む工業製品、試薬、又は各種の鉱物原料)及び必要に応じてそれ以外の添加物を所定の配合比で乾式又は湿式のボールミル等の混合機に投入し、数〜数十時間混合する。得られた混和物は、乾燥後、耐火性の坩堝に入れ、適当な高温(典型的には900℃〜1500℃)条件下で加熱・融解させる。次いで、この溶融物を急冷処理(好ましくは熔融物を水中に投下)してガラス状態とする。
こうして得られたガラス質の組成物は、種々の方法で所望する形態に成形することができる。例えば、ボールミールで粉砕したり、適宜篩いがけすることによって、所望する平均粒径(例えば0.1μm〜10μm)の粉末状ガラス組成物を得ることができる。
【0034】
そして、上記のようにして得られた低膨張無鉛ガラス組成物及び高膨張無鉛ガラス組成物を適当な配合比で混合することによって、目的とするガラスフラックスを調製することができる。なお、絵付け材料用ガラスフラックスとしては粉末状に調製されたものが好ましい。かかる粉末状ガラスフラックス(好ましくは平均粒径:1〜10μm)は、粉末状の低膨張無鉛ガラス組成物及び高膨張無鉛ガラス組成物を混合することによって得られる。例えば、それら二種の粉末状ガラス組成物を一般的な混合攪拌手段(例えば種々のミキサー、粉砕機)によって混合・撹拌することによってそれらガラス組成物が均一に混合されて成るガラスフラックスを調製することができる。
【0035】
なお、ガラスフラックスの調製にあたっては、当該フラックスから形成されるガラス層(ガラス成形体)の熱膨張係数が6.5×10-6-1以下(好ましくは6.0×10-6-1以下、更に好ましくは5.0×10-6-1以下、例えば3.0〜5.0×10-6-1)となるように上記二種のガラス組成物の配合比を調整するとよい。一般に陶磁器の素地及び釉面(釉薬層)の熱膨張係数は、5.5×10-6-1以下(典型的には2.0×10-6-1〜5.0×10-6-1)であるところ、かかる絵付け対象物の熱膨張係数とガラスフラックス及びそれを主体に構成される絵付け材料の熱膨張係数とはあまり相違しないことが好ましい。両者の熱膨張係数を近似させることにより、絵付け・焼成したガラス層(絵柄)に剥離や貫入が生じるのをより良く防止することができる。特に磁器の硬釉面等にオングレーズ装飾するための絵付け材料用ガラスフラックスとしては、低軟化点(好ましくは600℃以下)であるうえに熱膨張係数が6.0×10-6-1以下であることが好ましく、5.0×10-6-1以下(例えば2.5〜5.0×10-6-1)であることが特に好ましい。
このような低熱膨張係数のガラスフラックスは、好適な熱膨張係数及び軟化点を示す低膨張無鉛ガラス組成物と高膨張無鉛ガラス組成物とを、質量ベースで低膨張無鉛ガラス組成物75〜95部に対して高膨張無鉛ガラス組成物5〜25部(但し合計100部)の配合比で混合することによって、得ることができる。
【0036】
次に、絵付け材料について説明する。本発明によって提供される絵付け材料は、上記ガラスフラックスの他、各種の絵付け用顔料を主要構成要素とする。この種の顔料としては、種々の無機顔料(例えば、ジルコン、トルコ青、マロン、バナジウムジルコニウム黄、コバルトブルー、チタン白、コバルトシリケート等)が例示される。特に、ジルコン(ZrSiO4)及び/又はジルコン型顔料(トルコ青のような、ZrO2・SiO2に種々の金属元素(V、Pr、Fe、Co、Ni等)が固溶した無機顔料をいう。)の利用が好ましい。ジルコン及びジルコン型顔料は、一般に熱膨張率が低く、絵付け材料の熱膨張係数を低下させるための調整材としても機能し得る。
【0037】
また、絵付け材料には、熱膨張を調整するため、好ましくは絵付け材料全量の10%以下(例えば1〜10%)の含有率で種々の低膨張性セラミック材を添加し得る。この種のセラミック材として、コーディエライト、β−ユークリプタイト、β−スポジュメン、ペタライト等が挙げられる。Li、Al、Si及びOを構成元素とするユークリプタイト、スポジュメン及びペタライトの何れか一種以上を含むものが好ましい。特にβ−ユークリプタイトの添加が好ましい。
【0038】
本発明の絵付け材料は、それぞれ粉末状に調製されたガラスフラックス、顔料、及び必要に応じて加えられる上記低膨張セラミック材その他の添加物(グリセリン、テレビン油、脂肪油、ゼラチン等)を、好ましくは最終産物から得られるガラス成形体の熱膨張係数が7.0×10-6-1以下(例えば2.0×10-6-1〜7.0×10-6-1)、好ましくは6.0×10-6-1以下(典型的には3.0×10-6-1〜6.0×10-6-1)となるような配合比で混合・撹拌することによって製造することができる。
例えば、上記した好適数値範囲に属する熱膨張係数及び軟化点を有する高膨張無鉛ガラス組成物と低膨張無鉛ガラス組成物とから成る粉末状ガラスフラックス70〜95%及び絵付け用無機顔料5〜30%から成る混合物が得られるようにこれら粉末原料を混合・撹拌するとよい。
【0039】
あるいは、個別に調製した低膨張無鉛ガラス組成物と高膨張無鉛ガラス組成物とを、予め配合することなく(即ち本発明に係るガラスフラックスを予め調製することなく)、これら二種類の無鉛ガラス組成物を顔料や低膨張セラミック材(β−ユークリプタイト等)と一緒に混合することによって絵付け材料を製造してもよい。
例えば、熱膨張係数が5.0×10-6-1以上〜6.5×10-6-1未満(好ましくは5.5×10-6-1以上〜6.0×10-6-1未満)の低膨張無鉛ガラス組成物と、熱膨張係数が7.0×10-6-1以上〜9.0×10-6-1未満(より好ましくは7.5×10-6-1以上〜9.0×10-6-1未満)の高膨張無鉛ガラス組成物とを、絵付け用顔料(典型的には上記したような無機顔料)及び必要に応じて各種の添加物(低膨張セラミック材等)と一緒に混合・撹拌してもよい。この場合の好ましい配合比は、混合物全体を100部とした重量割合で、高膨張無鉛ガラス組成物と低膨張無鉛ガラス組成物との合量70〜95部(例えば70〜90部)、絵付け用無機顔料5〜30部(例えば10〜30部)である。但し、混合物(即ち絵付け材料)の熱膨張係数が7.0×10-6-1以下(例えば2.0〜7.0×10-6-1)、好ましくは6.0×10-6-1以下(例えば3.0〜6.0×10-6-1)となるように配合比を決定する。
このとき添加される低膨張無鉛ガラス組成物と高膨張無鉛ガラス組成物の好ましい配合比は、質量ベースで低膨張無鉛ガラス組成物75〜95部に対して高膨張無鉛ガラス組成物5〜25部(但しこれらの合計100部)である。このような配合によって、陶磁器の釉面(例えば磁器の硬釉面)にオングレーズ装飾等を施すのに適する低膨張率を実現した絵付け材料を提供することができる。
【0040】
本発明の絵付け材料は、従来の絵付け材料(絵具)と同様に使用することができる。例えば、絵筆等を用いて陶磁器に直接絵付けを行ったり、スクリーン印刷法に用いることができる。あるいは、転写紙を用いて絵付けを行う場合には、当該転写紙の絵付け層を形成するのにも使用することができる。かかるスクリーン印刷法、転写紙使用法等はいずれも従来方法に準じればよく、特に本発明を特徴付けるものではないため詳細な説明は省略する。
【0041】
本発明のガラスフラックスを含む絵付け材料は、低軟化点であるため、750〜900℃程度の温度を焼成温度とするオングレーズ装飾用途に好適である。このため、本発明によると、ガラスフラックスとジルコン等の無機顔料とを主構成要素とする絵付け材料であって、磁器の硬釉薬層上に白盛等を形成するのに好適な低融点且つ低熱膨張率で耐化学性に優れる絵付け材料を提供することができる。
【0042】
【実施例】
以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0043】
表1に示す計3種類の無鉛ガラス組成物(製造例1〜3)の中から適宜選択したガラス組成物と、コバルト顔料(コバルトシリケート)とを原料にして、磁器の硬釉上にオングレーズ装飾を施すための絵付け材料を製造した。なお、製造例1は、上述の低膨張無鉛ガラス組成物に該当するガラス組成物である。製造例2は、上述の高膨張無鉛ガラス組成物に該当するガラス組成物である。他方、製造例3は熱膨張率は高いが、組成上、上述の高膨張無鉛ガラス組成物に該当しない無鉛ガラス組成物である。
【0044】
表2の実施例1〜2及び比較例1〜2の欄に示すように、使用するガラス組成物を選択し、表中に示す配合比となるように、ガラス組成物及びコバルト顔料をボールミルに投入し、8〜10時間の混合攪拌処理を行った。これにより、各実施例及び比較例に係る粉状絵付け材料(計4種)を得た。
【0045】
【表1】
Figure 0004014468
【0046】
【表2】
Figure 0004014468
【0047】
各実施例及び比較例2に係る絵付け材料の熱膨張係数は、いずれも7.0×10-6-1を下回っていた。従って、これら絵付け材料は、一般に熱膨張率が4〜6×10-6-1程度である陶磁器の釉(典型的には磁器の硬釉)上にオングレーズ装飾(上絵付け)するのに適している。
一方、比較例1の絵付け材料は、組成的には各実施例と同様であるにも拘わらず、熱膨張係数が8.0×10-6-1と高く、陶磁器の釉(典型的には磁器の硬釉)上にオングレーズ装飾するのに適していないことが示された。
【0048】
次に、各実施例及び比較例の絵付け材料を用いて磁器の釉上にガラス層(絵柄)をそれぞれ形成し、その特性を調べた。
すなわち、磁器の素地表面に表3に示す釉薬を施して釉薬層を形成し、その釉上に実施例1〜2及び比較例1〜2に係る絵付け材料をそれぞれ用いて装飾(オングレーズ装飾)した。次いで、当該装飾の施された磁器を880℃で焼成し、各絵付け材料から成る絵柄(ガラス層)を形成した。
【0049】
【表3】
Figure 0004014468
【0050】
<光沢>
得られた絵柄(ガラス層)についての光沢を目視にて観察したところ、何れも良好な光沢を呈した。
【0051】
<剥離試験>
各絵柄について、貫入による剥離の有無について次のように試験した。すなわち、絵柄に市販のセロハンテープを貼り、その上から消しゴムでこすることにより絵柄に密着させた。その後、セロハンテープを引きはがした時に絵柄の剥離の有無を観察した。
上記剥離試験の結果を表4の該当欄に示した。この表から明らかなように、実施例1,2及び比較例2の絵付け材料から成る絵柄は、上記試験において貫入による剥離は認められなかった。この結果より、これらの絵付け材料が陶磁器の釉上にオングレーズ装飾するのに適した材料であることが確かめられた。
一方、比較例1の絵付け材料から成る絵柄は、この試験において貫入による剥離が生じた。この結果より、高い熱膨張係数(8.0×10-6-1)を有する比較例1の絵付け材料は、陶磁器の釉上にオングレーズ装飾するのに不適な材料であると判断される。
【0052】
<耐アルカリ性>
耐化学性の指標として、各絵柄について耐アルカリ性を調べた。すなわち、100℃の0.5M炭酸ナトリウム溶液(pH11.0)に2時間浸漬し、絵柄表面を布で拭き取り、色艶の有無を目視にて評価した。その結果、表4の「耐化学性」の欄に○で示したように、各実施例の絵付け材料から成る絵柄は、比較例2の絵付け材料から成る絵柄と比較してアルカリ処理後も色艶が高く維持されていた。
【0053】
<耐酸性>
室温の4M酢酸溶液(pH2.5)に24時間浸漬し、各絵柄(ガラス層)の耐酸性を評価した。すなわち、上記酢酸溶液浸漬後に絵柄表面を布で拭き取り、浸漬前と比較して色艶に変化があるかどうかを目視にて評価した。その結果、各実施例の絵付け材料から成る絵柄は、いずれも色艶に変化が認められず、良好な耐酸性を示した。
【0054】
<その他の耐化学性>
市販の洗剤(商品名:デターシェルLK(シエル・インターナシヨナル・ペトロリウム・カムパニーリミテツドの登録商標))を用いて濃度0.15%の洗浄溶液を調製し、70℃で16時間の浸漬を行って、各絵柄(ガラス層)の耐洗剤性を評価した。また、80℃の熱湯中に48時間浸漬し、各絵柄の耐熱湯性を評価した。すなわち、耐洗剤性試験及び耐熱湯性試験の何れも、浸漬後に絵柄表面を布で拭き取り、浸漬前と比較して色艶に変化があるかどうかを目視にて評価した。その結果、各実施例の絵付け材料から成る絵柄は、いずれも色艶に変化が認められず、良好な耐洗剤性及び耐熱湯性を示した。
【0055】
【表4】
Figure 0004014468
【0056】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、本発明のガラスフラックスを生成するにあたっては、2種類以上の組成の異なる高膨張無鉛ガラス組成物と2種類以上の組成の異なる低膨張無鉛ガラス組成物を配合してもよい。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (7)

  1. 絵付け材料用無鉛ガラスフラックスであって、
    以下の二つの無鉛ガラス組成物:
    (a)SiO2と、Al23と、B23と、Li2Oを必須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無鉛ガラス組成物であって、該組成物全体に対する各成分の含有率は
    SiO2 45〜60質量%、
    Al23 5〜20質量%、
    23 15〜35質量%、及び
    アルカリ金属酸化物 5〜10質量%(但しLi2Oは2質量%以上である)であり、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量%以上であり、
    熱膨張係数は5.0×10 -6 -1 以上〜6.5×10 -6 -1 未満である、無鉛ガラス組成物;及び
    (b)SiO2と、Al23と、B23と、MgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一種の金属酸化物と、Li2Oを必須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無鉛ガラス組成物であって、該組成物全体に対する各成分の含有率は
    SiO2 45〜60質量%、
    Al23 5〜20質量%、
    23 5〜20質量%、
    MgO+CaO+ZnO 5〜20質量%、及び
    アルカリ金属酸化物 10〜15質量%(但しLi2Oは2質量%以上である)であり、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量%以上であり、
    熱膨張係数は7.0×10 -6 -1 以上〜9.0×10 -6 -1 未満である、無鉛ガラス組成物;
    から実質的に構成されており、
    ここで(a)ガラス組成物と(b)ガラス組成物の配合比は、質量ベースで(a)ガラス組成物75〜95部に対して(b)ガラス組成物5〜25部(但し(a)と(b)の合計100部)であり、
    該フラックスから形成されるガラス成形体の熱膨張係数が6.5×10-6-1以下となる、絵付け材料用無鉛ガラスフラックス。
  2. (a)ガラス組成物及び(b)ガラス組成物の軟化点は、いずれも500〜600℃の範囲内にある、請求項1に記載の無鉛ガラスフラックス。
  3. (a)ガラス組成物及び(b)ガラス組成物はそれぞれ粉末状に調製されて配合されている、請求項1又は2に記載の無鉛ガラスフラックス。
  4. 陶磁器の釉上に絵付けするための絵付け材料であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の無鉛ガラスフラックスと、絵付け用顔料とを主体に構成され、該絵付け材料から形成されるガラス成形体の熱膨張係数が7.0×10 -6 -1 以下となる、絵付け材料。
  5. 70〜95質量%の前記無鉛ガラスフラックス、及び、5〜30質量%の絵付け用顔料から実質的に構成されている、請求項4に記載の絵付け材料。
  6. 陶磁器の釉上に絵付けするための絵付け材料を製造する方法であって、
    (a)SiO 2 と、Al 2 3 と、B 2 3 と、Li 2 Oを必須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無鉛ガラス組成物であって、該組成物全体に対する各成分の含有率は
    SiO 2 45〜60質量%、
    Al 2 3 5〜20質量%、
    2 3 15〜35質量%、及び
    アルカリ金属酸化物 5〜10質量%(但しLi 2 Oは2質量%以上である)であり、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量%以上であり、
    熱膨張係数は5.0×10 -6 -1 以上〜6.5×10 -6 -1 未満である、無鉛ガラス組成 物;
    (b)SiO 2 と、Al 2 3 と、B 2 3 と、MgO、CaO及びZnOのうちの少なくとも一種の金属酸化物と、Li 2 Oを必須とする一種又は二種以上のアルカリ金属酸化物とを主成分とする無鉛ガラス組成物であって、該組成物全体に対する各成分の含有率は
    SiO 2 45〜60質量%、
    Al 2 3 5〜20質量%、
    2 3 5〜20質量%、
    MgO+CaO+ZnO 5〜20質量%、及び
    アルカリ金属酸化物 10〜15質量%(但しLi 2 Oは2質量%以上である)であり、それら主成分の合量は該組成物全体の90質量%以上であり、
    熱膨張係数は7.0×10 -6 -1 以上〜9.0×10 -6 -1 未満である無鉛ガラス組成物;
    (c)絵付け用顔料;
    をそれぞれ調達する工程と、
    前記調達した(a)ガラス組成物、(b)ガラス組成物、及び(c)絵付け用顔料を、最終的に熱膨張係数が7.0×10 -6 -1 以下の絵付け材料が得られるように混合する工程と、
    を包含し、
    ここで前記混合工程において、質量ベースで(a)ガラス組成物75〜95部に対して(b)ガラス組成物5〜25部(但し(a)と(b)の合計100部)を配合し、
    (a)ガラス組成物と(b)ガラス組成物の合量70〜95質量%及び(c)絵付け用顔料5〜30質量%(但し(a)(b)及び(c)の合計が100質量%)の混合物を得ることを特徴とする、絵付け材料製造方法。
  7. (a)ガラス組成物及び(b)ガラス組成物の軟化点は、いずれも500〜600℃の範囲内にある、請求項6に記載の製造方法。
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