JPH09132427A - 無鉛フリット釉及び無鉛フリット顔料 - Google Patents

無鉛フリット釉及び無鉛フリット顔料

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JPH09132427A
JPH09132427A JP29448395A JP29448395A JPH09132427A JP H09132427 A JPH09132427 A JP H09132427A JP 29448395 A JP29448395 A JP 29448395A JP 29448395 A JP29448395 A JP 29448395A JP H09132427 A JPH09132427 A JP H09132427A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有鉛フリットと同等の機能を維持して鉛成分を
配合しない無鉛フリット組成物を提供する。 【解決手段】 無鉛フリット釉であって、酸化リチウム
(Li2 O)と酸化ナトリウム(Na2 O)と酸化カリ
ウム(K2 O)のうち1以上の成分を含み、その成分の
合計量が10〜19wt%であり、前記成分として酸化リ
チウムが含まれる場合には酸化リチウムは11wt%を越
えない範囲であり、前記成分として酸化ナトリウムが含
まれる場合には酸化ナトリウムは16wt%を越えない範
囲であり、前記成分として酸化カリウムが含まれる場合
には酸化カリウムは18wt%を越えない範囲であり、さ
らに、酸化亜鉛(ZnO)1〜12wt%、35〜50wt
%の二酸化珪素(SiO2 )と、16〜30wt%の酸化
ホウ素(B2 3 )とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉛を配合しない
フリット組成物に関し、詳しくは、陶磁器用上絵具及び
上絵具のカバーコートに使用するフリット釉及びフリッ
ト顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器等の表面には、一般に、装飾や仕
上げを目的として、釉薬や、上絵具が施されている。こ
こに釉薬とは、陶磁器等の表面に焼成・溶融を経てガラ
ス皮膜を形成するものであり、一般に、「フリット」と
呼ばれる、細かく粉砕したガラス粒子の形態で陶磁器等
の表面に付与されるものである。また、この釉薬は、絵
具と配合されて、上絵具として陶磁器等の表面に付与さ
れることもある。
【0003】かかるフリットには、従来、酸化鉛(Pb
O)が配合されており、フリットにおける酸化鉛は、低
温(800℃)の焼成を可能とし、化学的耐久性の向上
や発色性や艶の向上を図るという作用を奏している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化鉛
は非常に有毒であり、鉛を含むフリットが食品等と接触
する場合の鉛の溶出に厳しい規制を課してきている。か
かる規制のクリアには、フリット本来の機能を維持しつ
つ、フリットから鉛を完全に排除することが望まれる。
そこで、本発明は、有鉛フリットと同等の機能を維持し
た無鉛フリット釉及び無鉛フリット顔料を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した技
術的課題を解決するため、従来の有鉛フリット組成物の
成分から、酸化鉛を排除する一方、酸化鉛以外の従来使
用してきた成分の配合組成を検討することにより、有鉛
フリットと同等あるいはそれ以上の機能を発揮させうる
ことを見いだし、本発明を完成した。すなわち、第1の
発明は、鉛を配合しないフリット組成物であって、酸化
リチウム(Li2 O)と酸化ナトリウム(Na2 O)と
酸化カリウム(K2 O)のうち1以上の成分を含み、そ
の成分の合計量が10〜19wt%(以下、単に%とい
う。)であり、前記成分として酸化リチウムが含まれる
場合には酸化リチウムは11%を越えない範囲であり、
前記成分として酸化ナトリウムが含まれる場合には酸化
ナトリウムは16%を越えない範囲であり、前記成分と
して酸化カリウムが含まれる場合には酸化カリウムは1
8%を越えない範囲であり、さらに、酸化亜鉛(Zn
O)1〜12%、とを含むことを特徴とする無鉛フリッ
ト釉である。この発明の無鉛フリット釉において、35
〜50%の二酸化珪素(SiO2 )と、16〜30%の
酸化ホウ素(B2 3 )とを含むことが好ましい。ま
た、この発明の無鉛フリット釉において、1〜8%の酸
化アルミニウム(Al2 3 )と、1〜9%の酸化ジル
コニウム(ZrO2 )とを含むことが好ましい。また、
第2の発明は、上記無鉛フリット釉に対し、色素材料を
5〜30%添加することを特徴とする無鉛フリット顔料
である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。なお、本
発明のフリット釉においては、酸化物に換算した場合の
%で配合が示されている。本発明のフリットは、鉛を配
合しない組成でありながら、鉛を含有させたフリット組
成物と同等の溶融性と、耐薬品性、光沢、着色性を有し
ているとともに、さらに、クラックの発生を防止に効果
を有する。本発明の組成において、酸化亜鉛は、従来フ
リット組成物に配合されていた酸化鉛の機能である耐薬
品性、光沢、着色性を発揮し、加えてフリットにおける
クラックの発生を防止することができる。本フリット組
成物において、特に、酸化亜鉛は、1〜12%含まれる
ことが有用である。1%未満では、発色が悪くなり、フ
リットの本来の機能を維持することができないし、12
%を越えると、光沢がなくなり、耐薬品性が悪化するよ
うになる。
【0007】また、本発明の組成物においては、酸化リ
チウム(Li2 O)と、酸化ナトリウム(Na2 O)と
酸化カリウム(K2 O)のうち1以上の成分を含み、そ
の成分の合計量が10〜19%であることが有用であ
る。この合計量が10%未満では、溶融性が悪くなり、
19%を越えると、耐薬品性の悪化やクラックが多く発
生するようになる。
【0008】これらの塩基性成分は、いずれも融剤であ
り、全ての成分が必ずしも必要ではないが、酸化リチウ
ムが前記成分として含まれる場合には、11%を超えな
い範囲で含まれ、酸化ナトリウムが前記成分として含ま
れる場合には、16%を超えない範囲で含まれ、酸化カ
リウムが前記成分として含まれる場合には、18%を超
えない範囲で含まれる。
【0009】本発明のフリット組成物では、二酸化珪素
(SiO2 )を35〜50%含むことが好ましい。二酸
化珪素が、35%未満では、耐薬品性が悪化し、クラッ
クが多く発生するようになり、50%を超えると溶融性
が悪化する。また、酸化ホウ素(B2 3 )を16〜3
0%含むことが好ましい。酸化ホウ素が16%未満で
は、発色が悪化し、光沢も低下するからであり、30%
を超えると、耐薬品性が悪化するからである。また、酸
化ジルコニウム(ZrO2 )を1〜9%含むことが好ま
しい。酸化ジルコニウムが9%を超えると、艶が低下
し、1%未満では、耐薬品性が悪化するからである。さ
らに、酸化アルミニウム(Al2 3 )を1〜8%含む
ことが好ましい。酸化アルミニウムが8%を超えると溶
融性が悪化し、1%未満では、耐薬品性が悪化するから
である。
【0010】さらに、本発明の無鉛フリット釉において
は、CaO、MgO、SrO,Na 3 AlF6 を含める
ことができる。この場合、CaOは、3%を超えない範
囲で含めることが好ましい。3%を超えると耐薬品性が
低下するからである。MgOは、4%を超えない範囲で
含めることが好ましい。4%を超えると耐薬品性が低下
するからである。SrOは4%を超えない範囲で含める
ことが好ましい。4%を超えるとクラックが多く発生す
るようになるからである。Na3 AlF6 は、13%を
超えない範囲で含めることが好ましい。13%を超える
と耐薬品性が低下するからである。
【0011】さらに、前記第1の発明のフリット組成物
に、色素材料を5〜30%添加してなることが有用であ
る。この色素添加フリット組成物によれば、色素材料を
含有することにより、この組成物の塗布表面に着色と同
時にガラス皮膜を形成することができるようになる。こ
こに、色素材料の添加量を5〜30%としたのは、色素
の添加量が5%未満であると、色が薄くて使用できない
からであり、30%を越えると、耐薬品性が低下し、光
沢も低下するからである。なお、色素材料は、1種類に
限定するものでははく、2種類以上の色素材料を用いる
こともでき、かかる場合には、複数種類の色素材料の合
計添加量が5〜30%である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフリット釉を製造
し、使用する場合について説明する。本発明のフリット
釉組成物を得るためには、まず、本発明のフリット組成
物の配合成分としての各種酸化物を形成することができ
る材料を混合して、材料混合物を得る。この混合物にお
いては、前記各種酸化物を得るのに配合する材料の他
に、必要に応じて他の配合物をを配合することができ
る。
【0013】次いで、この材料混合物を、溶融ガラスを
生成させるのに十分に高い温度のガラス溶融炉に投入
し、次いで、この溶融ガラスを水中に投入するか、ある
いは水冷ロール間に通してフリット冷却固化することに
より、フリット釉を製造することができる。溶融温度
は、具体的には、1300℃が好ましい。この工程は、
酸化性雰囲気中で行うか、あるいは溶融及び溶解してい
る混合物に酸素に富んだ成分を包含させることが好まし
い。このフリット釉は、慣用の粉砕技術で粉砕して粉末
にすることができる。
【0014】このようにして製造したフリット釉は、そ
のまま、あるいは、各種顔料を配合してフリット顔料と
して用いることができる。フリット釉として、あるいは
フリット顔料として用いるときは、粉砕物を水あるい
は、油に分散させたスラリー、すなわち、スリップの状
態とし、このスリップを陶磁器等の基体に転写法、浸漬
法、塗布法、あるいは噴霧法により被覆する。なお、基
体である陶磁器等の表面にスリップを適用する方法につ
いては、公知の方法のいずれも使用することができる。
このような、フリット釉あるいはフリット顔料のスリッ
プは、分散媒体である水あるいや油とか構成されるか、
あるいは、その他の、鉱物や、流動性調整剤や、凝集
剤、バインダー、潤滑剤、消泡剤等の混合物としても構
成されることができる。
【0015】フリット釉あるいはフリット顔料を表面に
適用した基体は、被覆すべき基体表面に均一な皮膜を形
成するのに十分な程度に、フリット釉あるいはフリット
顔料が溶融しかつ流動しうる温度で焼成される。焼成温
度は、750〜1000℃の範囲が好ましい。
【0016】このようにして形成された皮膜は、従来の
有鉛フリット釉による皮膜が持つ、艶、発色性、化学的
耐久性、低い焼成温度での皮膜形成性という機能を有す
るとともに、厚塗り時においても、クラックの発生を防
止できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具現化した実施例につき、具
体例を挙げて説明する。 〔実施例1〜22及び対照例の材料混合物の調製〕図1
及び図2の配合表に示す酸化物の組成となるように、各
種材料を混合し、実施例1〜22及び対照例のフリット
顔料のための材料混合物を調製した。なお、対照例は、
酸化鉛を含む従来のフリット釉の配合組成である。 〔比較例1〜10の材料混合物の調製〕図3の配合表に
示す酸化物の組成となるように、各種材料を混合し、比
較例1〜10のフリット顔料のための材料混合物を調製
した。なお、図1〜3の配合組成を示す数値の単位は、
%である。
【0018】これら実施例、比較例及び対照例の材料混
合物約200gを、ムライトルツボに入れて、1300
℃の電気炉中に導入し、1時間加熱して溶融させ、その
後、この溶融物を水中に投下し急冷し、粉砕して各種フ
リット釉を調製した。
【0019】さらに、実施例1〜22(実施例8を除
く)、対照例及び比較例のフリット釉とフリット釉の全
量に対して10%(外割で)のセレン系色素(硫セレン
化カドミウム;赤色系)を混合し、湿式粉砕し、乾燥
後、平均粒径3〜5μmの範囲となるように粉砕し、各
フリット顔料の粉末とした。なお、実施例8のフリット
釉については、その全量に対して15%(外割で)のコ
バルトスピネル系の色素(コバルトブルー、XCoO,
Al2 3 )を混合し、その後、他の実施例と同様に操
作して、実施例8のフリット顔料の粉末とした。これら
のフリット顔料につき、フリット顔料:転写用オイル=
1:0.7の重量比で転写用オイルを混合し、200メ
ッシュのスクリーンを介して、専用の紙に転写し、各種
転写紙を調製した。この各転写紙を用いて、以下の試験
を行い、実施例、対照例及び比較例のフリット顔料によ
って形成される皮膜の特性を評価した。
【0020】1.耐酸性試験 直径13.5cmの白色無地の磁器の皿の凹面に、5セ
ンチ角で200メッシュスクリーンで転写した各種転写
紙を1枚貼付した後、電気炉内で配置し、昇温して、8
00℃で30分間焼成することにより、各フリット顔料
による絵付けを行った。放冷後、各皿の凹部に、4%酢
酸溶液100mlを注いで、絵付けされた部分を4%酢
酸溶液で浸し、24時間25℃で放置した。放置後の酢
酸溶液中のカドミウム量を原子吸光分析により測定し
た。溶出したカドミウム量により、耐酸性を評価した。
【0021】2.耐アルカリ性試験 前記耐酸性試験同様に、前記磁器の皿の凹面に、各種転
写紙を1枚貼付、焼成して絵付けした。放冷後、各皿を
リン酸三ナトリウム1%溶液にて一時間煮沸し、煮沸後
の絵付け部分の外観を肉眼にて観察し、評価した。な
お、評価の基準は以下の通りとした。評価 内容 A 変化なし B 艶がなくなる C 変色する D 色がとれる
【0022】3.クラック試験 前記耐酸性試験同様に、前記磁器の皿の凹面に、各種転
写紙を1枚、2枚、3枚、4枚の範囲でそれぞれ重ねて
貼付して、焼成し、それぞれ重ねた転写紙の厚みに対応
する78μm、156μm、234μm、312μmの
皮膜を調製し、放冷後に、各膜厚の皮膜におけるクラッ
クの発生を肉眼で観察し、クラックの発生した皮膜の厚
みをクラック発生厚みとした。なお、各転写紙1枚の厚
みは、78μmである。
【0023】4.外観試験 前記耐酸性試験同様に、前記磁器の皿の凹面に、各種転
写紙を1枚貼付し、焼成して、絵付けし、放冷後、各皿
の絵付け部分を肉眼で観察し、発色、艶、色の濃さを評
価した。なお、評価はA〜Eの5段階とした。
【0024】これらの試験結果を図1、2及び3に併せ
て示す。
【0025】この結果から明らかなように、実施例1〜
22のフリット顔料は、いずれも耐酸性、アルカリ性、
クラック発生厚み、外観ともに、対照例と同等またはそ
れ以上に優れていた。フリット顔料としてのこれらの結
果は、フリット釉としても、耐酸性、耐アルカリ性、ク
ラック発生厚み、外観が優れていることを意味する。こ
れに対して、比較例については、耐酸性やクラック発生
厚み、外観が良好でない場合が多く、フリット顔料及び
フリット釉としては不適当であった。
【0026】これらの実施例では、酸化リチウム、酸化
ナトリウム、酸化カリウムの合計量が、10.44(実
施例5)〜18.99%(実施例8)の範囲で変量され
ており、この範囲で、良好な皮膜が得られている。一
方、比較例4、6、10におけるこれらの合計量は、そ
れぞれ、19.63%、21.20%、20.90%
で、いずれも19%を超えており、また、比較例7の合
計量は、9.62%であり、これらの比較例の皮膜はい
ずれも、いずれかの項目において不良であった。これら
の試験結果から、3成分の合計量が10%以上19%以
下の範囲で、良好な皮膜が得られることが明らかであ
る。
【0027】これらの実施例においては、酸化リチウム
の割合が0〜10.44%(実施例5)の範囲で変量さ
れているが、すべての実施例において、良好な皮膜が形
成されれている。一方、比較例1では、16.15%の
酸化リチウムが含まれており、皮膜の耐酸性、外観にお
いて不良であった。これらの試験の結果から酸化リチウ
ムを配合する場合には、11%を超えない範囲で配合す
ることが必要であることが明らかである。
【0028】また、実施例では、酸化ナトリウムの配合
量が、0〜15.17%(実施例18)の範囲で変量さ
れているが、すべての実施例において、良好な皮膜が形
成されている。一方、比較例2では、酸化ナトリウムの
配合量は21.65%であり、皮膜の外観が不良であっ
た。これらの試験の結果から、酸化ナトリウムを配合す
る場合には、16%を超えない範囲で配合することが必
要であることが明らかである。
【0029】さらに、実施例では、酸化カリウムの配合
量が、0〜17.76%(実施例17)の範囲で変量さ
れており、すべての実施例において、良好な皮膜が形成
されていた。これに対して、比較例3では、酸化カリウ
ムの量が20.86%であり、得られた皮膜は、耐酸性
及び外観の点で不良であった。これらの試験結果から、
酸化カリウムを配合する場合には、18%を超えない範
囲で配合することが必要であることが明らかである。
【0030】また、実施例では、酸化亜鉛が1.94%
(実施例9)〜11.45%(実施例8)の範囲で変量
されており、すべての実施例において、良好な皮膜が得
られた。これらの試験結果から、酸化亜鉛を1%以上1
2%以下の範囲で配合する必要があることが明らかであ
り、好ましくは、2%以上11%以下の範囲である。
【0031】実施例13では、酸化カルシウムを2.4
1%含んでおり(他の実施例では0%)、良好な皮膜が
得られているのに対し、比較例8では、酸化カルシウム
を5.40%含んでおり、耐酸性、耐アルカリ性、外観
について不良であった。これらの結果から、酸化カルシ
ウムを配合する場合には、3%を超えない範囲で配合で
きることが明らかであり、好ましくは2%を超えない範
囲である。
【0032】実施例15では、酸化マグネシウムを2.
04%、実施例22では、3.79%含んでおり(他の
実施例では0%)、良好な皮膜が得られているのに対
し、比較例7では、酸化マグネシウムを4.34%含ん
でおり、外観において不良であった。これらの結果か
ら、酸化マグネシウム配合する場合には、4%を超えな
い範囲で配合できることが明らかであり、好ましくは3
%を超えない範囲である。
【0033】実施例では、0%(実施例7、8、19)
〜12.30%(実施例17)の範囲で、Na3 AlF
6 を含んでおり、いずれも良好な皮膜が得られている
が、比較例6では、これを14.32%を含んでおり、
耐酸性、クラック発生、外観において不良であり、比較
例9では、14.71%を含んでおり、外観において不
良であった。これらの結果から、Na3 AlF6 を配合
する場合には、13%を超えない範囲で配合できること
が明らかであり、好ましくは、12%を超えない範囲で
ある。
【0034】実施例では、0%(実施例4)、1.14
%(実施例21)〜7.01%(実施例11)の範囲で
酸化アルミニウムを含んでおり、いずれも良好な皮膜が
得られているが、比較例5では、11.17%を含んで
おり、耐酸性において不良であった。これらの結果か
ら、酸化アルミニウムを配合する場合には、8%を超え
ない範囲で配合することができることが明らかであり、
好ましくは、1〜8%である。
【0035】さらに、実施例では、二酸化珪素が35.
03%(実施例12)〜50.20%(実施例19)の
範囲で変量されており、すべての実施例において、良好
な皮膜が得られており、これらの結果から、二酸化珪素
は、35%以上50%以下の範囲で配合できることが明
らかである。
【0036】また、実施例では、酸化ホウ素が16.6
2%(実施例6)〜30.01%(実施例14)の間で
変量されているが、すべての実施例において、良好な皮
膜が得られており、これらの結果から、酸化ホウ素は、
16%以上30%以下の範囲で配合できることが明らか
である。
【0037】また、実施例では酸化ジルコニウムが0%
(実施例19)、1.50%(実施例20)〜8.71
%(実施例5)の範囲で変量されているが、すべての実
施例において、良好な皮膜が得られており、これらの結
果から、酸化ジルコニウムを配合する場合には、9%を
超えない範囲で配合することができることが明らかであ
り、好ましくは1〜9%である。
【0038】これらの実施例においては、色素材料をフ
リット釉に対して10%あるいは15%(実施例8の
み)添加したが、すべての実施例において、皮膜の外観
が良好であり、しかも、耐酸性、クラック、耐アルカリ
性において良好であったことから、色素の添加量として
適切であることが明らかであった。
【0039】
【発明の効果】本発明のフリット釉及びフリット顔料に
よれば、酸化鉛を使用することなく、所定の配合により
形成されているため、鉛が溶出せず、しかもフリットの
機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のフリット釉の配合と試験結果を示す表
である。
【図2】実施例及び対照例のフリット釉の配合と試験結
果を示す表である。
【図3】比較例のフリット釉の配合と試験結果を示す表
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉛を配合しないフリット組成物であって、 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ナトリウム(Na
    2 O)と酸化カリウム(K 2 O)のうち1以上の成分を
    含み、その成分の合計量が10〜19wt%であり、前記
    成分として酸化リチウムが含まれる場合には酸化リチウ
    ムは11wt%を越えない範囲であり、前記成分として酸
    化ナトリウムが含まれる場合には酸化ナトリウムは16
    wt%を越えない範囲であり、前記成分として酸化カリウ
    ムが含まれる場合には酸化カリウムは18wt%を越えな
    い範囲であり、 さらに、酸化亜鉛(ZnO)1〜12wt%、とを含むこ
    とを特徴とする無鉛フリット釉。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の無鉛フリット釉であっ
    て、35〜50wt%の二酸化珪素(SiO2 )と、16
    〜30wt%の酸化ホウ素(B2 3 )とを含むことを特
    徴とする無鉛フリット釉。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の無鉛フリット釉で
    あって、1〜8wt%の酸化アルミニウム(Al2 3
    と、1〜9wt%の酸化ジルコニウム(ZrO 2 )とを含
    むことを特徴とする無鉛フリット釉。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3に記載の無鉛フリット
    釉に対し色素材料を5〜30wt%添加してなることを特
    徴とする無鉛フリット顔料。
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