JP2010135692A - 転写用配線回路板及び配線回路部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】離型性耐熱基板上に、平均粒子径1〜100nmの導電性金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、焼成することにより形成された幅200μm以下の配線からなる配線回路を有する転写用配線回路板を用い、支持基材の少なくとも一方の面に、該転写用配線回路板における配線回路を、粘着剤層を介して転写してなる配線回路部材である。
【選択図】図1
Description
このアンテナシートには、銅箔を抜き加工やエッチング加工したもの、あるいは樹脂製シートに導電性ペーストをスクリーン印刷方式で印刷したものなどがあるが、これらは、それぞれ下記の欠点を有している。
すなわち、銅箔を抜き加工したものは、銅箔の廃材が大量に発生するし、エッチング加工では、操作が煩雑でコスト高となる。また、導電性ペーストのスクリーン印刷方式では、線幅を200μm以下に狭くすることができず、その結果アンテナ配線が肉眼で明瞭に認識されることから、意匠性が悪い。
また、特許文献2には、透明な基材シートの表面に、銀などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷により、アンテナ形状のパターンに印刷してなるアンテナシートが開示されている。この導電性ペーストのスクリーン印刷により、配線を形成する方法は、必要な部分のみに導電性材料を印刷するため、導電性材料のロスが少ないといった長所を有している。しかし、導電性ペーストには、バインダー樹脂や分散樹脂が含まれていることから、電気抵抗率が高く、またスクリーン印刷方式では線幅を狭くすることができないといった欠点があった。
このような欠点を改良するために、特許文献3には、スクリーン印刷により銀ペーストを印刷して形成した配線を、電気めっきにより体積固有抵抗率が8.0×10-10Ω・cm以下の金属で被覆することにより、体積固有抵抗率を1/4に減少させる技術が開示されている。しかし、スクリーン印刷で形成できる配線の幅は0.2mm〜1.5mm程度であり、肉眼で認識できないレベルに至っていない。
一方、特許文献4では、導電性ペーストに含まれるバインダー樹脂や分散樹脂を取り除く手段として、焼結(焼成)する手段が開示されている。
しかし、通常の樹脂製基材シートを用いた場合、焼成する際に、該基材がカールしてしまうといった欠点があった。
しかしながら、この場合、焼成工程があるため、支持基材として、該焼成工程に耐える耐熱性を有するものを用いる必要があり、支持基材の選択自由度が低いという問題が生じる。
本発明は、このような状況下になされたものであり、自動車用アンテナシートなどに用いられる、意匠性が高く、環境への影響を低減し得る上、支持基材の選択自由度の高い配線回路部材を提供することを目的とするものである。
[1]離型性耐熱基板上に、平均粒子径1〜100nmの導電性金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、焼成することにより形成された幅200μm以下の配線からなる配線回路を有することを特徴とする転写用配線回路板、
[2]幅200μm以下の配線の厚さが0.1〜10μmである上記[1]項に記載の転写用配線回路板、
[3]インクジェット記録方式で印刷後の焼成温度が、130〜250℃である上記[1]又は[2]項に記載の転写用配線回路板、
[4]導電性金属系粒子が、金、銀、銅及び錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子の中から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の転写用配線回路板、
[5]離型性耐熱基板が、離型性を有する、ガラス板又はJIS K 7206に準じて測定されるビカット軟化温度150℃以上の耐熱プラスチック板である上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の転写用配線回路板、
[6]支持基材の少なくとも一方の面に、上記[1]〜[5]項のいずれかに記載の転写用配線回路板における配線回路を、粘着剤層を介して転写してなる配線回路部材、
[7]支持基材がプラスチックシートであり、JIS K 7206に準じて測定されるビカット軟化温度120℃以下のものである上記[6]項に記載の配線回路部材、
[8]支持基材が、全光線透過率70%以上の透明支持基材である上記[6]又は[7]項に記載の配線回路部材、
[9]支持基材が、ポリエチレン系シート又はポリプロピレン系シートである上記[7]又は[8]項に記載の配線回路部材、及び
[10]自動車用アンテナシートに用いる上記[6]〜[9]項のいずれかに記載の配線回路部材、
を提供するものである。
[転写用配線回路板]
本発明の転写用配線回路板は、離型性耐熱基板上に、平均粒子径1〜100nmの導電性金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、焼成することにより形成された幅200μm以下の配線からなる配線回路を有することを特徴とする。
この転写用配線回路板は、後述のように、当該配線回路板における配線回路を、粘着剤層を介して、支持基材の少なくとも一方の面に転写して、本発明の配線回路部材を作製するために用いられる。
本発明の転写用配線回路板に用いる離型性耐熱基板としては、この基板上に導電性金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、焼成する際に、その焼成温度に充分に耐える耐熱性を有するものが用いられる。
当該離型性耐熱基板は、繰り返し使用が可能であるため、その種類については経済性をあまり考慮する必要がなく、充分な耐熱性と離型性を有する基板であれば、様々なものの中から適宜選択して用いることができ、例えば離型性を有するガラス板や、離型性を有する耐熱プラスチック板などを使用することができる。
離型性を有するガラス板としては、例えば表面にシリコーン樹脂層やフッ素系樹脂層などの剥離剤層を有する、厚さ2〜19mm程度、好ましくは3〜6mmのガラス板などを挙げることができる。
ビカット軟化温度が150℃以上のプラスチック板としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの、厚さ0.038〜5mm程度、好ましくは0.075〜2mmのプラスチック板を挙げることができ、インクジエット記録方式で印刷後の焼成温度に応じて、適宜選択すればよい。
<ビカット軟化温度(JIS K 7206)>
加熱装置中に、規定された寸法の試験片を据え、中央部に直径1mmの針をのせ、針の上部に10Nの荷重を加えた状態で加熱装置の温度を(50±5℃)/hの速度で昇温し、針が1mm侵入した時の温度をビカット軟化温度(Vicat Softening Temperature、VST)とする。
当該離型性耐熱基板としては、繰り返し使用性などの観点から、離型性耐熱プラスチック板よりも、離型性ガラス板の方が好適である。
本発明の転写用配線回路板においては、前述した離型性耐熱基板上に、導電性金属系粒子及び所望により分散剤を含む分散液を用いてインクジェット記録方式で印刷し、焼成することにより、幅200μm以下の配線からなる配線回路を形成する。
<導電性金属系粒子>
当該分散液に含まれる導電性金属系粒子としては、導電性を有する金属系粒子であればよく、特に制限されず、例えば金、銀、銅、パラジウム、錫などの金属粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)やアンチモンドープ酸化錫(ATO)などの金属酸化物粒子などを挙げることができる。これらの導電性金属系粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの導電性金属系粒子の中では、性能の観点から、金、銀、銅及びITO粒子が好ましい。
当該導電性金属系粒子の平均粒子径は、1〜100nmであることを要する。平均粒子径が上記の範囲にあれば、インクジェット記録方式で幅200μm以下の配線回路を印刷することができるとともに、その金属の融点よりも低い温度で焼成することができ比抵抗の小さい配線を得ることができる。好ましい平均粒子径は1〜30nm、特に好ましくは1〜10nmの範囲である。
なお、前記平均粒子径はレーザ回折・散乱法により測定することができる。
当該分散液に含むことのできる分散剤としては、例えばアルキルアミン、カルボン酸アミド及びアミノカルボン酸塩などの中から選ばれる少なくとも1種を用いることができるが、特に炭素数4〜20、好ましくは8〜18の主骨格をもつアルキルアミンが、分散剤としての性能及び取り扱い性の観点から好ましい。このアルキルアミンとしては、例えばオクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの第1級アミン、ジドデシルアミン、ジステアリルアミンなどの第2級アミン、ドデシルジメチルアミン、ジドデシルモノメチルアミン、ステアリルジメチルアミンなどの第3級アミンなどを挙げることができる。
カルボン酸アミドやアミノカルボン酸塩としては、例えばステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイルアミノエチルグリシンなどを挙げることができる。
これらの分散剤の含有量は、前記導電性金属系粒子に対して、通常0.1〜10質量%程度、好ましくは0.2〜7質量%である。前記分散剤が0.1質量%以上であると、導電性金属系粒子が凝集しにくく、分散安定性が良好となり、また10質量%以下であれば、分散液が適度の粘度を有し、インクジェット記録方式用として用いることができる。
当該分散液は、水系、有機溶媒系のいずれであってもよく、また、溶媒としては、例えば炭素数5〜20の非極性炭化水素溶媒、あるいは水や、炭素数15以下のアルコール系溶媒などを用いることができる。
当該分散液は、インクジェット記録方式に用いられるため、その粘度は、室温(23℃)にて、1〜100mPa・sであることが好ましく、1〜20mPa・sであることがより好ましい。また、導電性金属系粒子の濃度は、通常30〜80質量%程度、好ましくは40〜70質量%である。
このような性状を有する分散液を用い、インクジェット記録方式で、前述した離型性耐熱基板の表面に印刷し、焼成することにより、導電性ペーストを用いるスクリーン印刷方式と異なり、幅200μm以下の配線回路を容易に形成することができる。
焼成処理は、通常130〜250℃の範囲の温度の中から、分散剤の種類や導電性金属系粒子の被覆状態などに応じて、適宜選定することができる。
焼成時間は、焼成温度などにより左右され、一概に決めることはできないが、通常15〜180分間程度、好ましくは20〜120分間程度である。
このようにして形成された配線回路の比抵抗は、使用した導電性金属系粒子の種類にもよるが、通常1〜20μΩ・cm程度、好ましくは2〜10μΩ・cm、より好ましくは3〜8μΩ・cmである。
本発明の転写用配線回路板においては、当該配線回路板における配線回路を、支持基材の少なくとも一方の面に、粘着剤層を介して転写するが、この際、該粘着剤層は、後述のように支持基材に設けて、転写を行ってもよいし、当該転写用配線回路板に設けて、転写を行ってもよい。
当該転写用配線回路板側に粘着剤層を設ける場合には、当該回路板上に設けられた配線回路の上に粘着剤層を設けてもよいし、当該回路板上に、順次粘着剤層、配線回路及び粘着剤層を設けてもよい。これらの構成については、後述する本発明の配線回路部材の作製方法の説明において、添付図面に従って詳述する。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来マーキング用粘着シートなどの粘着剤層に慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤及びポリエステル系粘着剤などを用いることができる。これらの粘着剤は、エマルション型、溶剤型、無溶剤型のいずれであってもよい。粘着剤層の厚さは、通常1〜30μm、好ましくは5〜20μm程度である。
前記各種の粘着剤の中では、耐候性などの面から、アクリル系粘着剤が好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
このアクリル系粘着剤には、所望により粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤などを添加することができる。
<剥離シート>
当該転写用配線回路板においては、前記粘着剤層側に、必要に応じて剥離シートを貼付してもよい。
この剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、上質紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などを用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。該剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度である。
[配線回路部材]
本発明の配線回路部材は、支持基材の少なくとも一方の面に、前述した転写用配線回路板における配線回路を、前記の粘着剤層を介して転写してなることを特徴とする。
(支持基材)
転写用配線回路板における配線回路が転写される支持基材としては、本発明では転写法により配線回路が設けられるので、熱的挙動については関係はないが、例えば、本発明の配線回路部材を自動車用アンテナシートとして用いる場合には、自動車の窓ガラスに貼着又は該窓ガラス内部に装着されるので、窓ガラスの視認性を得るために、全光線透過率が70%以上の透明性を有するものが好ましく用いられる。
なお、全光線透過率は、JIS K 7361−1に準拠して測定することができる。
本発明においては、前記支持基材の中で、特にJIS K 7206に準じて測定されるビカット軟化温度が120℃以下の耐熱性の低い支持基材に、配線回路を形成することができる。ビカット軟化温度が120℃以下の耐熱性の低い基材としてはポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリスチレンなどが挙げられる。このような耐熱性の低い支持基材では、焼成により変形してしまうため、本発明のように、転写法を採用することにより、可能になるからである。
前記プラスチックシートの厚さに特に制限はないが、通常25〜188μm程度、好ましくは50〜125μmである。
また、前記密着性を向上させる目的で、プラスチックシートの片面又は両面に、直接にプライマー層を設けてもよいし、前記表面処理を施した面にプライマー層を設けてもよい。このプライマー層を構成するプライマーとしては、例えばアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系などを用いることができる。プライマー層の厚さは、通常0.005〜0.3μm程度、好ましくは0.01〜0.2μmである。
本発明の配線回路部材は、支持基材の少なくとも一方の面に、前述した転写用配線回路板における配線回路を、粘着剤層を介して転写することにより作製することができる。
次に、本発明の配線回路部材の作製方法及び使用方法について添付図面に従って説明する。
図1は、本発明の配線回路部材を作製する方法の一形態を示す工程図であって、まず、離型性耐熱基板1上に、順に配線回路2及び粘着剤層3aが設けられてなる転写用配線回路板10aを作製し[(a)図]、次いでこの配線回路板10aの粘着剤層3aに、支持基材4を貼合し、離型性耐熱基板1より剥離することにより、配線回路2が、粘着剤層3aを介して支持基材4に転写されてなる配線回路部材15aが得られる[(b)図]。
このようにして得られた配線回路部材15bを、粘着剤層3bを介して被着体5に貼合する[(c)図]。
このようにして得られた配線回路部材15cを、粘着剤層3cを介して被着体5に貼合する[(c)図]。
このようにして得られた配線回路部材15dを、粘着剤層3dを介して被着体5に貼合する。この際、離型性支持基材4aは、粘着剤層3eから剥離する[(c)図]。
このようにして得られた配線回路部材15eを、粘着剤層3bを介して被着体5に貼合する。この際、離型性支持基材4aは、粘着剤層3bから剥離する[(c)図]。
なお、これらの形態においては、転写用配線回路板、配線回路部材及び被着体に配線回路を設けたものにおいて、粘着剤層が露出している場合には、必要に応じ、前述の剥離シートを該粘着剤層上に貼付してもよい。また、各粘着剤層の形成は、インクジェット記録方式を用いて配線回路の上だけに形成してもよく、またロールコーターにより全面に行ってもよい。
自動車用アンテナシートは、ラジオ電波やテレビ電波などの電波受信用として、自動車の窓ガラス、特にフロントガラスの内側面に、あるいは合わせガラスからなる前記窓ガラスの内部に装着することができる。合わせガラスの内部にアンテナシートを装着する場合には、合わせガラスの中間膜であるポリビニルブチラールシートを支持基材とし、これに配線回路を転写すればよいので、極めて効果的にアンテナシートを装着することができる。
フッ素系剥離剤を塗布した厚さ3mmのガラス板の片面に、銀インク[アルバックマテリアル社製、商品名「S−Agナノメタルインク」高温焼成タイプ、銀粒子の平均粒径4nm、23℃粘度10mPa・s]を、インクジェットプリンタ[アルバック社製、機種名「ID225D」]により印刷し、220℃で2時間焼成処理して、線幅30μm、厚さ1.5μmのアンテナ配線回路を形成した。
その後、前記インクジェットプリンタにより、前記アンテナ配線の上に粘着剤[リンテック社製、商品名「PLシン」]を、乾燥厚さが5μmになるように塗布し、70℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、転写用配線回路板を作製した。
次に、厚さ80μmのポリエチレンフィルム[泉社製、商品名「PEワダトウメイ100LF3」、ビカット軟化温度75℃、全光線透過率80%]を、前記転写用配線回路板の粘着剤層に貼合し、配線回路をポリテトラフルオロエチレン板から剥離することにより、粘着剤層を介して配線回路をポリエチレンフィルム上に転写し、配線回路部材(アンテナシート)を作製した。
この配線回路部材について、比抵抗及び外観を、下記の方法に従って求めた。その結果を第1表に示す。
(1)配線回路部の比抵抗
日置電機社製の低抵抗計「3541」を用い四端子法により、配線回路部の比抵抗を測定した。
(2)外観
目視観察により、カール、熱収縮、変色などの発生の有無を確認し、これらの発生がないものを良好とした。
実施例1において、転写されるフィルムとして、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム[住友化学社製、商品名「PPスミトモ 70DEクリア」、ビカット軟化温度120℃、全光線透過率80%]を用いた以外は、実施例1と同様にして、配線回路部材(アンテナシート)を作製して評価を行った。その結果を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、転写されるフィルムとして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ社製、商品名「PET25T−61M トウレ」、ビカット軟化温度175℃、全光線透過率90%]を用いた以外は、実施例1と同様にして、配線回路部材(アンテナシート)を作製して評価を行った。その結果を第1表に示す。
厚さ80μmのポリエチレンフィルム(前出)の片面に、銀インク[アルバックマテリアル社製、商品名「S−Agナノメタルインク」高温焼成タイプ、銀粒子の平均粒径4nm、23℃粘度10mPa・s]を、インクジェットプリンタ[アルバック社製、機種名「ID225D」]により印刷し、220℃で2時間焼成処理して、線幅30μm、厚さ1.5μmのアンテナ配線回路を形成することにより、配線回路部材(アンテナシート)を作製した。
この配線回路部材について、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を第1表に示す。
比較例1は、ビカット軟化温度が75℃のポリエチレン支持基材フィルムに、直接インクジェット記録方式で印刷後、焼成処理を行って配線回路を形成したために、得られた配線回路部材は、熱収縮が大きく、シート形状を保持することができなかった。
2 配線回路
3a、3b、3c、3d、3e 粘着剤層
4 支持基材
4a 離型性支持基材
5 被着体
10a、10b、10c、10d 転写用配線回路板
15a、15b、15c、15d、15e 配線回路部材
Claims (10)
- 離型性耐熱基板上に、平均粒子径1〜100nmの導電性金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、焼成することにより形成された幅200μm以下の配線からなる配線回路を有することを特徴とする転写用配線回路板。
- 幅200μm以下の配線の厚さが0.1〜10μmである請求項1に記載の転写用配線回路板。
- インクジェット記録方式で印刷後の焼成温度が、130〜250℃である請求項1又は2に記載の転写用配線回路板。
- 導電性金属系粒子が、金、銀、銅及び錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の転写用配線回路板。
- 離型性耐熱基板が、離型性を有する、ガラス板又はJIS K 7206に準じて測定されるビカット軟化温度150℃以上の耐熱プラスチック板である請求項1〜4のいずれかに記載の転写用配線回路板。
- 支持基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜5のいずれかに記載の転写用配線回路板における配線回路を、粘着剤層を介して転写してなる配線回路部材。
- 支持基材がプラスチックシートであり、JIS K 7206に準じて測定されるビカット軟化温度120℃以下のものである請求項6に記載の配線回路部材。
- 支持基材が、全光線透過率70%以上の透明支持基材である請求項6又は7に記載の配線回路部材。
- 支持基材が、ポリエチレン系シート又はポリプロピレン系シートである請求項7又は8に記載の配線回路部材。
- 自動車用アンテナシートに用いる請求項6〜9のいずれかに記載の配線回路部材。
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