JP2014154580A - プリント配線板およびプリント配線板用導体シート - Google Patents

プリント配線板およびプリント配線板用導体シート Download PDF

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Abstract

【課題】位置依存性、角度依存性が改善され、種々の信号線のデザインにおいてインピーダンス整合が良好に図られるプリント配線板、およびインピーダンス整合が良好なプリント配線板を実現するためのプリント配線板用導体シートを提供する。
【解決手段】導体部23と複数の独立したパターン開口部22とを備える導体層16、および絶縁層を介して前記導体部23の上方に形成された信号線を備え、局所領域25にて、信号線と同じ線幅の帯状の仮想線とし仮想線の面内における導体部23の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線26または仮想線の面内における導体部23の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線27を仮定したとき、第一仮想線26または第二仮想線27の伸長方向と複数のパターン開口部22の中心位置の並び方向を示す方向線28とが非平行になるようパターン開口部22が設けられるようプリント配線板11を
構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、プリント配線板およびプリント配線板用導体シートに関する。
近年、デジタル回路の高速化が進むと共に、高密度実装に対する要求が高い。これらの回路に用いられるプリント配線板の信号線は、伝送損失や通信品質の劣化などを防止するために、特性インピーダンスZ0が一定の値となるようにし、インピーダンス整合が図られる。特性インピーダンスZ0は、下記式(1)で表される。
(数1)
Z0=√(L/C) ・・・(1)
ここで、Z0は特性インピーダンス、Lはインダクタンス、Cはキャパシタンスである。
上記特性インピーダンスZ0は、プリント配線板の絶縁層を介して対面するグランド層などの導体層間および信号線の距離、信号線の断面積といった物理的形状に作用される。
ところで、近年の高密度実装やデバイスの小型化の要請から、プリント配線板においても信号線のファインライン化、薄膜化の傾向が強く、インピーダンス整合を充分に得られ難いという課題が生じるようになった。
上記課題に対し、信号線の線幅寸法を変更せず、インピーダンス整合を充分にするために、導体層に複数の孔を設け、導体部の面積を減少させることにより、信号線とのキャパシタンスを小さくする技術が提案されている(例えば下記特許文献1)。
特許文献1は、設置層あるいは電源層である導体層を構成する導体層に多数の孔を設け、当該導体層および絶縁層を介して当該導体層と対向する信号線の間のキャパシタンスの減少を試みている。即ち、信号線の線幅を変更せず絶縁層を薄膜化することによってプリント基板の薄膜化を図り、且つ、絶縁層の薄膜化によって増大するキャパシタンスの増加をキャンセルし、インピーダンス整合を図ることが試みられている。例えば特許文献1の図1および図4には、複数の特定形状の孔が整然と配列されてなるメッシュパターンの導体層が開示されており、これらの孔を設けることによって導体部の面積を減少させた例が示されている。
また他の同様の技術の例としては下記特許文献2がある。
特開2000−114722号公報 特開2008−160120号公報
しかしながら絶縁層を介し、多数の孔を設けて導体層の面積を減少させた従来の導体層に対向し任意のデザインの信号線を配置した場合に、充分なインピーダンス整合が得られ難い場合があるという課題があった。
ここで図9、図10に示すプリント配線板500を例に上記課題を説明する。図9は、プリント配線板500を上面から見た透視図であり、図10Aは、図9における領域Aの拡大説明図であり、図10Bは、図10AにおけるA−A概略断面図およびB−B概略断面図である。プリント配線板500は、基材510、複数のパターン開口部520と導体部530とを備える導体層540および信号線550、560を備える。導体部530および信号線550、信号線560は、絶縁性の基材510を介して対向している(図10B参照)。パターン開口部520は正方形の孔であり、整然配列されメッシュパターンを構成している。
信号線560は、メッシュパターンの交差部の上を通過し、図面左右方向に直線的に伸長する。一方、信号線550は、隣りあうメッシュパターンの交差部の間において、信号線560と平行して伸長する。このような配置において、上面視上、信号線550および導体部530の重複領域570の面積の総和は有意に大きく、したがって特性インピーダンスが小さくなることが理解される。一方、信号線560および導体部530の重複領域580の面積の総和は有意に小さく、したがって特性インピーダンスが大きくなることが理解される。上述する信号線550および信号線560と導体部530との重複領域の多少の傾向は、図10Bに示すA−A概略断面図における重複領域570およびB−B概略断面図における重複領域580の割合からも理解容易である。
さらにプリント配線板500において、面内45°方向に信号線を設けようとした場合、上述と同様の理由から、パターン開口部520の略中央を通る信号線I(図示省略)は、導体部530との重複面積が他の任意の信号線より顕著に小さく、インピーダンスが顕著に大きくなる。また同様に、信号線Iを平行移動し、隣り合うパターン開口部520の間にとおる信号線II(図示省略)は、導体部との重複面積が他の任意の信号線よりも顕著に大きく、したがって特性インピーダンスが小さくなる。
上述のとおり、プリント配線板500は、平行して設けられる複数の信号線の位置取りによっては、他の任意の信号線と比較して、顕著にインピーダンスが大きい信号線および顕著にインピーダンスが小さい信号線を含みうる。この結果、プリント配線板500は、選択される信号線のデザインによっては、インピーダンス整合が図れないという問題があった。換言すると、プリント配線板500は、インピーダンス整合を図ろうとすると、信号線のデザインを大きく制限せざるを得ないという問題があった。以上の問題を、本明細書では、「位置依存性の課題」と呼ぶ。
尚、上記メッシュパターンにおける位置依存性の課題に対する改良として、図11に示すようにメッシュパターンの交差部に付加的に設けられた付加的導体部640を設けてなる導体層610を備えるプリント配線板600が提案されている(たとえば特開2000−114722号公報など)。図11は、プリント配線板600を上面から見た透視図である。プリント配線板600は、パターン開口部620、導体部630、付加的導体部640を備える導体層610、および、絶縁性の基材510を介して導体層610に対向する信号線650、信号線660、信号線670、信号線680を備える。信号線660は、図面左側より右側に向けて、メッシュパターンの交差部の上を通過して直線的に伸長し、右端側は45°下方に屈曲しパターン開口部620の中央位置を通過しながら伸長している。一方、信号線650は、図面左側より右側に向けて、隣りあうメッシュパターンの交差部の間において、信号線660と平行して伸長し、右端側は45°下方に屈曲し同方向に伸長する導体部630に沿って伸長している。プリント配線板600は、付加的導体部640を設けたことにより、図面左右方向に伸長する部分の信号線650および信号線660それぞれと、導体部630および付加的導体部640との重複面積は均衡する。
しかし、信号線650であって下方に屈曲した屈曲部650aは、顕著に導体部630との重複面積が大きく、かつ信号線660であって屈曲部650aと平行に屈曲した屈曲部660aは、顕著に導体部630との重複面積が小さい。また同様に、Y軸方向に対し135°の角度であり同方向に伸長する導体部630の上に沿って伸長する信号線680は、顕著に導体部630との重複面積が大きく、かつY軸方向に対し135°の角度でありパターン開口部620の中央位置を通過しながら伸長する信号線670は、顕著に導体部630との重複面積が小さい。以上より、プリント配線板600も位置依存性の課題を有していることが理解される。換言すると、プリント配線板600において、良好なインピーダンス整合を良好に図ろうとすると、信号線のデザインが非常に限定的にならざるを得ない。
また特許文献2に示される印刷回路基板についても、望ましいとされるいくつかのグランド層のパターンが示されてはいるが、開示されるいずれのパターンにおいても上記位置依存性の課題を解決するものではない。具体的な一例として、特許文献2の図8を参照する。上記図8において、X軸方向であって0°にひかれる信号線(以下、「0°信号線」という)は、導体部(特許文献2ではグランド層と称呼)との重複面積が顕著に大きく、インピーダンスが小さくなると理解される。加えて、同図において、上記0°信号線と平行し、パターン開口部(同文献中ではトレースと称呼)の紙面上下方向における略中央を通過する信号線を仮定すると、導体部との重複領域が顕著に小さくなることが容易に理解される。したがって図8に示される印刷回路基板は、位置依存性の課題を有している。
またプリント配線板におけるパターン開口部を有する導体層に関し、位置依存性とは別に角度依存性の課題が存在する。
図12に、パターン開口部520および導体部530を備える導体層540と、図示省略する絶縁性の基材を介して対向する信号線710、信号線720、信号線730、信号線740、信号線750を備える従来技術であるプリント配線板700の一部を上面から透視する透視図を示す。信号線710、信号線720、信号線730、信号線740、信号線750は、任意のパターン開口部520の中心を回転中心とし、0°、15°、45°、90°、135°に回転させた位置に設けられている。かかる態様では、信号線710、信号線720、信号線730、信号線740、信号線750と導体部530とが重複する面積は互いに有意に相違する。特に、信号線730は、ほぼ導体部530とのみ重なっており、著しくインピーダンスが小さくなることが理解され、一方、信号線750は、導体部530との重なりが著しく小さく、インピーダンスが大きくなることが理解される。即ち、導体層540に対向して配置される信号線の選択され得る多くの角度に依存して信号線間のインピーダンスが異なるという課題があった(以下、「角度依存性の課題」ともいう)。
尚、論理的には導体層に設ける孔の寸法を、信号線の線幅よりも充分に小さくすれば、位置依存性および角度依存性の課題は解決しうる。しかし、信号線は、その形成技術の範囲において既に充分な細幅化が進んでおり、それ以上に孔の寸法を著しく小さくデザインするということは実質的ではない。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち本発明は、位置依存性および角度依存性が改善され、種々の信号線のデザインにおいてインピーダンス整合が良好に図られるプリント配線板を提供するものである。また、本発明は、上記課題に鑑みて、インピーダンス整合が良好なプリント配線板を実現するためのプリント配線板用導体シートを提供するものである。
本発明のプリント配線板は、導体部と、複数の独立したパターン開口部と、を備える導体層、および絶縁層を介して前記導体部の上方に形成された信号線を備え、一つの前記パターン開口部、および前記一つのパターン開口部の外縁から前記一つのパターン開口部に最近接する他のパターン開口部の外縁であって前記一つのパターン開口部と隣接する側の外縁までの導体部を含む局所領域において、前記信号線と同じ線幅であり前記局所領域を通過する帯状の仮想線として、前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線を仮定したとき、前記第一仮想線の伸長方向または前記第二仮想線の伸長方向と前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行になるよう前記パターン開口部が設けられていることを特徴とする。
また本発明のプリント配線板用導体シートは、剥離基材と、前記剥離基材の上に、接着層を介して設けられた導体層と、を備え、前記導体層は、導体部と複数の独立したパターン開口部とを備えており、一つの前記パターン開口部、および前記一つのパターン開口部の外縁から当該一つのパターン開口部に最近接する他のパターン開口部の外縁であって前記一つのパターン開口部との隣接側の外縁までの導体部を含む局所領域において、前記局所領域を通過する帯状の仮想線として、前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線を仮定したとき、前記第一仮想線の伸長方向または前記第二仮想線の伸長方向と前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行となるよう前記パターン開口部が設けられていることを特徴とする。
尚、本発明におけるパターン開口部は、導体層に設けられる導体部を厚さ方向に貫通する孔状の開口を意味する。
本発明のプリント配線板は、導体部との重複の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または導体部との重複の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線と、複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行であるという構成を備える。
当該構成によれば、本発明は、局所的には導体部との重複面積の偏りが顕著に多い信号線または顕著に少ない信号線を有していても、その信号線の少なくとも一方が、複数のパターン開口部の並び方向とは非平行に構成することができる。換言すると、局所的に観察される信号線と導体部との重複面積の顕著な偏りは、プリント配線板の面内における広域領域では連続しない。この結果、上記位置依存性の課題および角度依存性の課題を充分に改善する。
つまり本発明は、プリント配線板において選択され得る多くの信号線のデザインにおいて、顕著にインピーダンスが高くなる信号線または顕著にインピーダンスが低くなる信号線の少なくともいずれか一方を排除するものである。その結果、本発明のプリント配線板は、インピーダンス整合が図りやすく、また多様な信号線のデザインを許容する。
また、本発明のプリント配線板用導体シートを用いることにより、後付でプリント配線板にグランド層あるいはシールド層などの導体層を付与することができる。上記導体層は、上述する本発明のプリント配線板における導体層と同様の性質を有するため、多様な信号線のデザインに対応することができ、またプリント配線板における良好なインピーダンス整合の実現に貢献する。
図1Aから図1Dは、本発明のプリント配線板の構造の例を示す断面概略図である。 図2Aは第一実施形態にかかるプリント配線板の上面視における透視図であり、図2Bは第一実施形態にかかるパターン開口部のパターン説明図である。 第一実施形態にかかるプリント配線板の部分拡大説明図である。 第一実施形態にかかるプリント配線板の部分拡大説明図である。 図5Aは第一実施形態にかかるプリント配線板の部分拡大説明図であり、図5Bは、本発明におけるパターン開口部の異なる態様を説明する説明図である。 第二実施形態にかかるプリント配線板の上面視における透視図である。 実施例2のプリント配線板の上面視における透視図である。 図8Aは第三実施形態にかかるプリント配線板用導体シートの概略断面図であり、図8Bは、第四実施形態にかかるプリント配線板用導体シートの概略断面図である。 従来技術にかかるプリント配線板の上面視における透視図である。 図10Aは、図9に示す領域Aの拡大説明図であり、図10Bは図10Aの領域BにおけるA−A概略断面図およびB−B概略断面図である。 従来技術にかかるプリント配線板の上面視における透視図である。 従来技術であるプリント配線板の一部を上面から透視する透視図である。
本発明のプリント配線板は、導体層にパターン開口部を有することにより、絶縁層を介して対向する信号線と導体層とにおいて発生するキャパシタンスを調整する。本発明は、局所的には、導体部と信号線との重複領域の顕著な偏りがあっても、当該顕著な傾向が面内において連続しなければ、全体として適切なインピーダンスを示す信号線を実現することができるという技術的思想に基づきなされた。より具体的には、絶縁層を介して導体層上に設けられる信号線に関し、局所的にパターン開口部との重なりが最も大きい信号線または最も小さい信号線の少なくともいずれかについて、その局所的な傾向が面内に連続することを排除した。この結果、従来の位置依存性の課題および角度依存性の課題が改善され、信号線の広範なデザインを許容しつつ、望ましいインピーダンス整合を示すプリント配線板を提供することを可能とした。
ここで上記導体層とは、プリント配線板において設けられるグランド層、シールド層、電源層などの導電可能な層を包含する。上記絶縁層は、信号線を形成するための絶縁性の基材、信号線の上を覆い、層間の絶縁性を図ることを目的に設けられた絶縁層、絶縁性の部材で構成される保護層など、プリント配線板に含まれる絶縁性の層のいずれであってもよい。また、本発明のプリント配線板は、信号線に対しグランド層などの導体層が一層のみ配置された伝送線路構造だけではなく、信号線に対し上下に導体層が配置された伝送線路構造を包含する。
例えば、図1に本発明のプリント配線板の取り得る層構成のいくつかの例を、断面概略図として示す。尚、図1では、図示簡略のために導体層を一層のべた層として示す。ただし、本発明における導体層は、導体部と、複数の独立したパターン開口部とを備えるものであり、詳細については後述する。また信号線の数など、構成の詳細は適宜に設計できるものである。
図1Aは、本発明のプリント配線板11aの層構成を示す概略断面図である。プリント配線板11aは、基本構成部Aにおける絶縁性の基材12を介して信号線13と対向するよう導体層16が設けられて構成されている。また基材12にはさらにグランドライン19が設けられている。ここで、かかる基材12、信号線13および絶縁層14を基本構成部Aと呼称する。尚、図1において信号線13は1本のみを示したが、本発明において設けられる信号線は、1本でもよく、また2本以上であってもよい。
図1Bは、本発明のプリント配線板11bの層構成を示す概略断面図である。プリント配線板11bは、絶縁性の基材12の一方側の面に信号線13およびグランドライン19が設けられ、信号線13を覆って絶縁層14が設けられている。さらに絶縁層14を介して信号線13と対向するよう導体層15が設けられて構成されている。導体層15の基材12とは反対面側には、保護層20が設けられている。
図1Cは、本発明のプリント配線板11cの層構成を示す概略断面図である。プリント配線板11cは、基本構成部Aにおける絶縁層14を介して信号線13と対向するよう導体層15が設けられており、また絶縁性の基材12を介して信号線13と対向するよう導体層16が設けられて構成されている。また基材12にはさらにグランドライン19が設けられている。導体層15および導体層16の基材12とは反対面側には、保護層20が設けられている。
図1Dは、本発明のプリント配線板11dの層構成を示す概略断面図である。プリント配線板11dは、基本構成部Aにおける絶縁性の基材12を介して信号線13と対向するよう導体層18が設けられている。導体層18は、接着層17により基材12に貼り付けられている。導体層18の基材12とは反対面側には、保護層20が設けられている。基材12には、スルーホール21が設けられており、図示されない基材12の上に形成されたグランドラインと、導体層18とが導通可能となっている。このように本発明における導体層は、プリント配線板に直接に作りこまれた層であってもよいし、後付で貼り付けられた層であってもよい。また、図1では信号線13は基材12の上に直接に設けられた態様で示したが、接着層17を介して基材12の上に信号線13が設けられてもよい。
尚、本発明のプリント配線板11aからプリント配線板11dを説明するために示した基本構成部Aは何ら本発明を制限するものではない。たとえば、基材12の代わりにプリント配線板における他の絶縁層の少なくとも一方側の面に信号線が設けられていてもよい。
上述のとおり、本発明のプリント配線板は、絶縁層を介して信号線と導体層とが対向する層構成を含み、これらの単層の組み合わせ構造および多層積層構造のいずれも包含する。また、本発明のプリント配線板が多層積層構造であって2以上の導体層を備える場合に、パターン開口部と導体部とを備える一以上の導体層が適切な位置において用いられるとともに、他の導体層としてパターン開口部を有しないいわゆるべた形成された、べた形成導体層を含んでもよい。したがって、たとえばプリント配線板11bの基材12の露出面側にも、さらに第二の信号線の層を設け、当該信号線を覆う絶縁層、当該絶縁層を介して第二の信号線の層に対向する導体層を設けるといったビルドアップが適宜可能である。
すなわち、後述する事項も含め、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、一つの構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
基材12は、ガラスエポキシ、PTFEガラス、アルミナなどで構成することができる。また特にフレキシブル性の高い材質を選択することにより、プリント配線板11aからプリント配線板11dをフレキシブルプリント配線板とすることができる。上記フレキシブル性の高い材質としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などのポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂を挙げることができる。またガラス織布などの絶縁性の繊維基材を選択することもできる。基材12は、上記例示に限定されることなく、プリント配線板の層を構成可能な絶縁性の材料により適宜形成してよい。
尚、本発明における絶縁層は、絶縁性の基材も包含する。
信号線13、導体層15、導体層16、導体層18は、銅含有組成物、銀含有組成物などの導電性金属材料あるいは銅箔、銀箔、ニッケル箔などの金属箔を用い、印刷形成、フォトリソグラフィ手法による形成などによりパターン形成することができる。金属箔は、単一の金属箔を用いてもよいし、適宜組み合わせにより積層させて使用してもよい。
絶縁層14は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマー、ガラスエポキシなどで構成することができるが、これに限定されない。これらの絶縁性の材料を用い印刷形成するか、あるいは、フィルムを貼り付ける方法で絶縁層14を形成してよく、またこれに限定されない。
保護層20は、カバーフィルム、フォトカバー、あるいはレジストなどによって形成することができ、絶縁性の層であることが一般的である。
接着層17を構成する接着剤としては、特に限定されず、導電性接着剤および非導電性接着剤のいずれを選択することも可能である。
ただし、図1(D)のような構成において、導体層18および接着層17を含む別体のプリント配線板用導体シートを基材12に貼り付けるような場合には、接着層17を構成する接着剤として導電性接着剤を用いることが望ましい。たとえば導電性接着剤が好ましく用いられる例としては、基材12にスルーホール21を設け、基材12を介して導体層18と、これに対面する任意のグランドライン等とを電気的に接続させる場合などが該当する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。全ての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
尚、本実施の形態では図面上、前後左右上下の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。また図面に示す各構成要素の数量や寸法について特段の記載のない場合には、本発明の所期の課題を解決可能な範囲において適宜、変更しうる。
<第一実施形態>
まず本発明の第一実施形態として、第一仮想線または第二仮想線のいずれか一方が、複数のパターン開口部の中心位置の並び方向と非平行となる態様について説明する。
図2Aは本発明の第一実施形態にかかるプリント配線板11aの上面視における透視図であり、図2Bは第一実施形態にかかるパターン開口部のパターン説明図である。図3、図4、図5Aは、第一実施形態にかかるプリント配線板の部分拡大説明図である。図5Bは、本発明におけるパターン開口部の異なる態様を説明する説明図である。
図2に示すプリント配線板11aは、図1Aに示すものと同様の層構成により構成されている。すなわち、プリント配線板11aは、導体部23と、複数の独立したパターン開口部22と、を備える導体層16、および絶縁性の基材12を介して導体層16の上方に形成された信号線13a、信号線13bを備える。図3に示す局所領域25は、一つのパターン開口部22およびその周囲の導体部23を含む。ここで、局所領域25に含まれる導体部とは、一つのパターン開口部22の外縁から一つのパターン開口部22に最近接する4つの他のパターン開口部22の外縁であって一つのパターン開口部22と隣接する側の外縁までの導体部23である。尚、局所領域25の外周を構成する上記4つの他のパターン開口部22の外縁間は離間するが、離間する箇所は隣り合う外縁の端部を直線または、これに面する上記一つのパターン開口部22のアウトラインに平行なラインでつなぐものとする。図3では、4つのパターン開口部22の離間する外縁間は、直線でつないである。尚、後述する第二実施形態では、5つの他のパターン開口部45の外縁間は、局所領域49に含まれる一つのパターン開口部45のアウトラインに平行な曲線でつないだ。
図3に示す局所領域25において、プリント配線板11aに設けられた信号線13aおよび信号線13bと同じ線幅である帯状の仮想線として第一仮想線26を示す。第一仮想線26は、局所領域25における導体部23と重複する比率が最少となるよう位置取りされている。また図3に、複数のパターン開口部22の中心位置の並び方向を示す線として、方向線28を示す。図3の目視からも明らかなように、第一仮想線26の伸長方向と、方向線28(図3参照)とは非平行である。
本発明において第一仮想線26は直線として示されるものである。これは、本発明におおける仮想線が、プリント配線板において局所的に最もインピーダンスが小さくなる信号線または最もインピーダンスが大きくなる信号線を想定するものであるため、直線性が予定される信号線と同様に直線とするものである。ただし、本発明における信号線は、一本の直線だけではなく、直線と直線とが屈曲部で接続されるデザインも包含する。つまり本発明における信号線は、信号線として充分に直線的であると認識される部分信号線と、当該部分信号線に連続し、かつ任意の方向に直線的に屈曲する屈曲部分信号線とから構成されるものを含む。本発明のプリント配線板は、位置依存性および角度依存性の課題が改善されたため、特定の位置にライン取りされた信号線だけではなく、一方向に伸長し、途中から多方向へ屈曲する信号線のデザインを広く許容する
また本発明における直線性の信号線には、プリント配線板の面内を緩やかに湾曲する信号線を含む。本発明は、複数のパターン開口部を導体層の面内に有し、かつそのパターン開口部のスケールは信号線の伸長長さよりも充分に小さい。そのため、プリント配線板の面内において信号線が緩やかに湾曲する場合であっても、数個から10数個程度の連続するパターン開口部と重複する信号線とを観察した場合には、当該信号線は、充分に直線に近似されうる。したがって、局所領域において仮想線とパターン開口部の中心位置の配列方向とが非平行であるとき、実際に設けられる信号線が緩やかに湾曲するデザインであっても、導体部との局所的な重複面積の大小の顕著な偏りは、面内において充分にバランスされる。
尚、本発明の説明において、仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線は、「導体部との重複面積が顕著に大きい第一仮想線として表現する場合がある。また、仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線は、「導体部との重複面積が顕著に小さい第二仮想線」と表現する場合がある。
プリント配線板11aに設けられる絶縁層14は、本発明において任意の構成である。ただし信号線13が露出された状態を回避する保護層を含む絶縁性の層が、信号線13を覆って設けられることは望ましい態様である。したがって絶縁層14は保護層を含む広義の絶縁性の層として理解することができる。
本実施形態における導体層について、導体層の全面積に対するパターン開口部の開口面積の総和は特に限定されないが、たとえば、50%以下とすることができる。従来は、パターン開口部の総面積を、50%を超えて、たとえば70%以上、あるいはさらに80%以上とすることによって、信号線とのキャパシタンスが調整されていた。これに対し、パターン開口部の層面積を50%以下とすることによっても、結果的に望ましいインピーダンス整合が示されることは、本実施形態の特徴である。
上述に説明するとおり、導体層にパターン開口部を設けることによって、信号線と導体層との間のキャパシタンスを減少させることができる。したがってデバイスの設計において充分な程度に細い信号線の線幅の範囲において、信号線の線幅を大きくすることができる。これにより信号線の形成工程における線幅のばらつき度合を低減することができプリント配線板の特性インピーダンスの安定に貢献するとともに、信号線の形成工程の管理条件を緩やかに設定することが可能である。また、導体層にパターン開口部を設けることによって導体層にフレキシブル性が付与されるため、この観点で、本発明は、フレキシブルプリント配線基板への適用に有利である。
ただし、パターン開口部の開口率を大きくしすぎると導体層の本来の機能(例えばシールド性、電流のリターンパスなど)が損なわれる虞がある。この観点では、パターン開口部の開口面の総面積は適度に小さいことが好ましい。具体的なパターン開口部の開口率の総面積は、信号線の線幅や絶縁層の厚みなどを考慮して決定してよいが、たとえば上述するように、50%以下とすることによって、導体層の本来の機能が充分に維持されるため好ましい。
図2Bに第一実施形態において採用するパターン開口部22のデザインの詳細を示す。パターン開口部22の形状については後述する。
上述のとおり、プリント配線板11aは、任意のデザインの信号線のうち、局所的に導体部23と顕著に重複面積が大となるものを含むことが、第一仮想線26により示された。しかし、第一仮想線26と方向線28とが非平行であることにより、この局所的な傾向が面内において連続しない。即ち、プリント配線板11aは、導体部23との重複面積が大となることによりインピーダンスが顕著に小さくなる信号線が、面内における位置および角度によらず排除されている。つまりプリント配線板11aは、充分に位置依存性および角度依存性の課題が改善されており、所望の信号線のデザインを採用したときに、インピーダンスが顕著に小さくなる信号線を含むという問題がなく、インピーダンス整合が図りやすい。
プリント配線板11aが、角度依存性の問題をも解決することを確認するために、図4を示す。
図4に、パターン開口部22および導体部23を備える導体層16の任意の点(図4では任意に選択されたパターン開口部22の中心位置)を中心とし、角度の異なる複数の信号線を示した。すなわち、図示省略される基材12を介して対向する信号線31aを0°とし、15°、45°、90°、105°、135°に回転させた信号線31b、信号線31c、信号線31d、信号線31e、信号線31fを示した。ここで導体層16は、上述のとおり第一仮想線26において、導体部23との重複面積の局所的な偏りが連続しないことが確認されている。したがって、信号線31aから信号線31fのように伸長方向の角度の異なる複数の信号線が設けられた場合であっても、導体部23との重複面積の局所的な偏りが連続しない。すなわち、プリント配線板11aにおいて、信号線を所望の角度でデザインすることができ、かつ、インピーダンス整合が良好に図られる。
ここで図2から図5Aに示すプリント配線板11aにおけるパターン開口部22は、中心位置が直線方向(即ち、方向線28と同方向)に並ぶように配列されている。パターン開口部22が直線的に整然配列されてなる導体層16は、パターン開口部22の間を縫って連続的に設けられる導体部23との配置間隔が一定であるため、導体層16の全面において伝送経路の特性インピーダンスが安定し良好な信号品質が得られやすい。ただし、本発明におけるパターン開口部は、直線的に整然配列している態様に限定されるものではない。本発明は、導体層において、パターン開口部が直線以外の方向に整然配列される態様、パターン開口部がランダムに配置される部分を含む態様、あるいはパターン開口部が導体層の略全面においてランダムに配置された態様を包含する。
導体層16は、図5に示すとおり、パターン開口部22を内包する最少の円を仮想内包円30としたとき、隣り合うパターン開口部22の仮想内包円30が重なり合っている。このように隣り合う仮想内包円30を互いに重複させることにより、隣り合うパターン開口部22の間に信号線の線幅を超える広い導体部の領域が発生し難くなる。その結果、導体層16の全面において、任意のデザインで形成された複数の信号線間におけるインピーダンスの近似がより得られやすい。
特に、パターン開口部22は、その外縁が規則的な凹凸により構成されるという特徴を有する。上記特徴を有するパターン開口部22であれば、隣り合う仮想内包円30を充分に重複させた結果、一方のパターン開口部22の外縁の凹部に、隣り合う他方のパターン開口部22の外縁の凸部を、互いに当接しない程度に入り込ませることができる。たとえば図2Bに示すパターン開口部22についても、一のパターン開口部22の隣り合う凸部の頂点を直線(図示せず)で結んだ場合に、当該直線よりも内側に、他のパターン開口部の凸部が入り込んでいる。即ち、一つのパターン開口部22の凹部に他のパターン開口部の凸部が入り込んでいる。このようなパターン開口部22の配置により、導体層16において、パターン開口部22と導体部23をバランスよく分散させることができる。その結果、信号線のデザインを制限することなく、導体部との重複の偏りがバランスされた信号線を良好に設けることができる。
ここでパターン開口部22の形状の詳細について図5Bを用いて説明する。パターン開口部22は、図5Bに示すパターンbに相当する。また図5Bに示すパターンa、パターンc、パターンd、パターンeは、パターンbの変形例である。
パターン開口部22は、4つの円弧ライン状開口部分33を有し、これらが同方向の端部で結合するとともに互いに略均等な角度で配置されている(図5B参照)。以上のとおり、パターン開口部22は、部分的に円弧形状が採用されていること、およびその円弧形状が円弧の一方端を中心として同形状の図形を回転方向に等間隔で配置されていること、という要素を含む。当該要素を含むことにより、パターン開口部22は以下の優れた性質を備える。
第一には、パターン開口部22とこれに対向する信号線に関し、位置依存性および角度依存性の改善されうる信号線を設計しやすいという点が挙げられる。もちろん図3により確認されるとおり、パターン開口部22であっても、局所的には、導体部23との重複面積が顕著に小さい信号線のデザインが存在する。しかし、第一仮想線26を外れた、その他の多くの信号線のデザインにおいて、インピーダンスの大小が顕著に偏らない。即ち、パターン開口部22は、これに対向する信号線のデザインの自由度を著しく増大させることが可能である。
第二には、パターン開口部22は、その外縁において規則的に凸部および凹部を備えるという点が挙げられる。これによりパターン開口部22は、隣り合うパターン開口部22同士が互いに接触しない程度に、一方の凹部に他方の凸部を入り込ませるパターニングが可能である。この結果、導体層16において、導通可能に連続する導体部23を確保した上で、密にパターン開口部22を設けることが可能となり、上記第一の優れた性質と相俟って信号線のデザインの自由度を高いものにすることに貢献する。
パターン開口部22により示される上記優れた性質は、図5Bに示す3つ以上の円弧ライン状開口部分33を備えるその他のパターンでも同様に示される。
ただし本発明におけるパターン開口部の形状は図5に示されるものに限定されない。その他の形状の例は、後述する第二実施形態に示す。
特に、パターン開口部22に代表される、円弧ライン状開口部分33から構成されるパターン開口部(本段落では、「円弧ライン開口部」と呼ぶ)を、隣り合う円弧ライン開口部の仮想内包円が互いに重なり合うよう配置することは、本発明の優れた態様の一つである。当該態様において、第一仮想線または第二仮想線のいずれか一方が、円弧ライン開口部の配列方向と非平行であるとき、位置依存性および角度依存性の問題は、良好に改善される。
円弧ライン開口部は、円弧ラインに沿って湾曲状に形成された開口部である。以下、円弧ライン開口部の幅を開口幅と呼ぶ。
パターン開口部22の寸法は特に限定されないが、円弧ライン状開口部分33の開口幅が、信号線の線幅に対し、0.5倍以上とすることが好ましい。昨今の信号線のファインライン化を鑑み、円弧ライン状開口部分33の開口幅を信号線の線幅に対し0.5倍上とすることで、開口面積を確保し、導体層16と信号線とのキャパシタンスを有意に小さくすることを可能とする。一方、円弧ライン状開口部分33の開口幅の上限は特に限定的な範囲を有しないが、たとえば信号線の線幅に対し2倍以下とすることにより、導体層16における複数のパターン開口部22と信号線のデザインとのバランスを取りやすい。
また円弧ライン状開口部分33の外側面の両端部を結んでなる弦S(図5A参照)の長さは、設けられる信号線の線幅以上であることが好ましい。かかる円弧ライン状開口部分33により構成されるパターン開口部22を備える導体層16であれば、上述する位置依存性の課題および角度依存性の課題をより充分に解決することができ、特に自由度の高い信号線のデザインを可能とする。
本発明の好ましい態様として、円弧ライン状開口部分33の開口幅が、信号線の線幅に対し0.5倍以上であり、かつ、円弧ライン状開口部分33の内側面の両端部を結んでなる弦の長さが信号線の線幅以上としてパターン開口部22を構成することができる。
また、導体層16において、隣り合うパターン開口部22の最短距離(例えば図5Aでは距離m)が、信号線の線幅以下とすることは、パターン開口部22の配置の好ましい態様である。上記最短距離を上述の範囲とすることにより、上面視上、任意の信号線とパターン開口部22との重複面積が極端に少なくなることを好適に防止することができる。ここで、信号線が複数本設けられる態様においては、各信号線の線幅が異なる場合または一本の信号線において線幅の異なる箇所が存在する場合が存在する。この場合、上記の隣り合うパターン開口部22の最短距離が信号線の線幅以下であるとは、上記最短距離が、最も大きい線幅以下であることを意味する。
尚、本実施形態においては、上記最短距離が、全信号線の平均信号線幅以下であってもよい。全信号線の平均信号線幅は、たとえば全信号線の面積を全信号線の合計長さで割って求めることができる。さらに上記最短距離が、全信号線の最も小さい線幅以下であってもよい。これによって全信号線の全長さ領域に関して上記効果を得ることができる。
隣り合うパターン開口部22の最短距離を勘案した本発明の好ましい態様として、隣り合うパターン開口部22の最短距離を信号線の線幅の0.5倍以上1倍未満の範囲とし、円弧ライン状開口部分33の開口幅を、信号線の線幅に対し0.5倍以上とし、かつ、円弧ライン状開口部分33の内側面の両端部を結んでなる弦の長さを信号線の線幅の3倍以上として、パターン開口部22を構成することができる。このとき、パターン開口部22は、円弧ライン状開口部分33を4つ備えることがより好ましい。
図2Bに、図2Aに示す導体層16におけるパターン開口部22の形状および配置の詳細を示す。すなわち、1つのパターン開口部22は、開口幅を100μmの円弧ライン状開口部分33(図5B参照)を4つ備え、円弧ライン状開口部分の外側面の端部とパターンの中心を結んでなる弦の長さを650μmとして構成されている。そして隣り合うパターン開口部22同士は、X軸方向およびY軸方向において、中心位置間の距離が約1000μmとなる間隔で直線的に配置されている。かかるパターン開口部22の配置に対して、これに対向する信号線の線幅は特に限定されないが、たとえば50μm以上200μm以下とすることが好適であり、100μm以上200μm以下とすることがより好適である。
図2Bに示されるパターン開口部22は、4つの円弧ライン状開口部(図5B参照)の組み合わせにより、構成されている。即ち、パターン開口部22は、円弧状のラインで構成されており、円弧状のラインであるパターン開口部22を除いた領域に導体部23が存在する。一のパターン開口部22において、隣り合う円弧状の開口部の間には凹部が構成されており、当該凹部に対し、隣り合う他のパターン開口部22の円弧状の開口部の湾曲部が面している。上記湾曲部は、上記凹部に対し入り込むか、あるいは上記凹部を形成する二本の円弧状の開口部の先端を結ぶ直線に略接する位置にあり、かつ、一のパターン開口部22と他のパターン開口部22との最短距離が、パターン開口部22の開口幅と同等程度となっている。このような位置関係において一のパターン開口部22と他のパターン開口部22とは、プリント配線基板における現実的な導電性を確保しつつ、局所的に細幅の導体部23を存在させている。
ところで図2Bの中央領域には、ちょうど4つのパターン開口部22が寄り集まった寄り集まりパターンの配置が示されている。上記寄り集まりパターンの中心部において、一のパターン開口部22の円弧状のラインの端部面が隣りあう他のパターン開口部22に面しており、両者は開口幅の寸法と略同等の距離を残して近接している。そして、中心部に位置する4つの円弧状のラインの端部のぞれぞれの頂点を結んだ時、上記寄り集まりパターンの中心には、略正方形のスペースが形成される。これはちょうど非帯状の導体部23の交差部に相当する。
パターン開口部22を構成する円弧状のラインは、開口幅が略均一である帯状に開口したラインであってよい。
尚、本実施形態ではパターン開口部22が、円弧ラインに沿って湾曲状に形成された開口部である例を示した。しかし本発明におけるパターン開口部は他の開口形状を包含する。たとえば、円弧状のライン以外のライン形状である4つの開口部の端部同士が結合して全体としていわゆる卍状を示すパターン開口部であってもよい。また、卍状のパターン開口部の応用として、円弧状のライン以外のライン形状の開口部が3つまたは5つ以上であって、端部同士が結合してなるパターン開口部であってもよい。円弧状のライン以外のライン形状としては、任意の曲率で湾曲した帯状のライン形状、あるいは任意の角度で屈曲した帯状のライン形状であってよい。ここで帯状のライン形状とは、ラインの開口幅が略均一なライン形状を意味する。帯状のライン形状の代わりに、ラインの開口幅が不均一なライン形状であってもよい。
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態について図6を用いて説明する。第二実施形態は、第一仮想線および第二仮想線のいずれもが、複数のパターン開口部の中心位置の並び方向と非平行となる実施形態の一例である。
図6は、第二実施形態にかかるプリント配線板41の上面視における透視図である。プリント配線板41は、導体層16の代わりに導体層42が設けられたこと以外は、プリント配線板11aと同様に構成される。またプリント配線板41には第一仮想線43および第二仮想線44を併せて示す。尚、第一仮想線43および第二仮想線44は、後述する局所領域49内において仮想される線であるが、図6では便宜的に局所領域49を超えてy軸方向に伸長する直線として示す。
導体層42は円形のパターン開口部45およびその周囲に連続的に設けられる導体部46を備える。複数のパターン開口部45は、点線で示す第一円弧群パターン47を構成する複数の円弧48と点線で示す第二円弧群パターン53を構成する複数の円弧52との交差部の上に設けられている。
第一円弧群パターン47は、導体層42の長軸長さよりも弦の長さの大きい円弧48が開口方向を同じくして複数配列されて構成されている。一方、第一円弧群パターン47を90°の角度で回転してなる第二円弧群パターン53は、円弧48と同形の円弧52が開口方向を同じくして配列されて構成されている。これらの交点が、パターン開口部45の配列方向を示す。
プリント配線板41には信号線の図示を省略しているが、後述にて説明する第一仮想線43および第二仮想線44と同様の線幅であって、任意のデザインで信号線を設けることができる。もちろん異なる態様において、信号線の幅を図示する第一仮想線43および第二仮想線44の線幅とは異ならしめてよく、このときは仮定される第一仮想線および第二仮想線の線幅を信号線の線幅に合わせて変更すればよい。
ここで一つのパターン開口部45および当該パターン開口部45に隣接する他のパターン開口部45の隣接側の外縁までを含む局所領域49において、信号線と同じ線幅であり局所領域49を通過する帯状の仮想線を仮定する。具体的には当該仮想線の面内における導体部46の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線43または当該仮想線の面内における導体部46の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線44を仮定する。このとき、第一仮想線43および第二仮想線44の伸長方向と複数のパターン開口部45の中心位置の並び方向である上記交差部の並び方向(つまり円弧48または円弧52の伸長方向)とは非平行である。
プリント配線板41は、第一仮想線43および第二仮想線44の伸長方向と複数のパターン開口部45の中心位置の並び方向である上記交差部の並び方向とが非平行であることから以下の性質を備える。即ち、プリント配線板41は、局所的に導体部46との重複面積が顕著に大きい信号線および導体部46との重複面積が顕著に小さい信号線を含む。しかし、この重複面積の大小の傾向が、面内において連続せず、その結果、インピーダンスが顕著に大きくなる信号線およびインピーダンスが顕著に小さくなる信号線を排除することができる。したがって、所望のデザインで信号線を設計しても、位置依存性および角度依存性の課題が充分に解決される。
以上に述べるとおり、導体層42を採用するプリント配線板41も本発明のプリント配線板の主たる構成が実現され、第一実施形態で述べる本発明の効果と同様の効果を発揮する。尚、図6ではパターン開口部45が円形形状の態様を示した。しかしパターン開口部45は、円形形状以外の任意の形状であってもよい。また、第一円弧群パターン47に対する第二円弧群パターン53の回転角度は、90°以外の任意の角度とすることができる。
<第三実施形態>
次に図8Aを用いて、本発明の第三実施形態にかかるプリント配線板用導体シートについて説明する。図8Aは、第三実施形態にかかるプリント配線板用導体シート61の概略断面図である。
プリント配線板用導体シート61は、剥離基材63と、剥離基材63の上に、接着層62を介して設けられた導体層16と、を備える。導体層16は、仮定される仮想線の線幅が任意であること以外は、第一実施形態および第二実施形態において説明したものと同様である。プリント配線板用導体シート61における仮想線の線幅は、特に限定されず、導体部23と想定される信号線との重複面積のバランスを図ることができる範囲で適宜決定してよい。たとえば、多くの信号線が採りうる線幅の範囲である50μm以上200μm以下の範囲から適宜、仮想線の線幅を決定することができる。あるいは、プリント配線板用導体シート61における導体層16において、隣り合うパターン開口部22の間の最短距離の1倍以上2倍以下の寸法、特には2倍の寸法を仮想線の線幅として決定してもよい。
プリント配線板用導体シート61における導体層16のその他の構成については、第一実施形態および第二実施形態において説明したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
また、第三実施形態の任意の構成として、プリント配線板用導体シート61は、導体層16の接着層62が設けられた面とは反対側の面に保護層64を備える。保護層64を備えることにより、導体層16の損傷が防止されるため好ましい。保護層64はプリント配線板用導体シート61をプリント配線板に取り付ける工程の前後の任意のタイミングで剥離可能な層として構成してもよいし、プリント配線板の層構成の一部として内包されてもよい。
接着層62は、上述する接着層17と同様の部材で構成することができるため、ここでは説明を割愛する。
<第四実施形態>
図8Bに本発明の第四実施形態にかかるプリント配線板用導体シートを示す。図8Bは、第四実施形態にかかるプリント配線板用導体シート71の概略断面図である。
プリント配線板用導体シート71は、接着層62と導体層16との間に絶縁層72が設けられたこと以外はプリント配線板用導体シート61と同様に構成される。
プリント配線板用導体シート61、71は、剥離基材63を剥離し、プリント配線板を構成する他の任意の層に貼りつけることによって、プリント配線板を構成することができる。このとき導体層16は、プリント配線板におけるグランド層、シールド層、あるいは電極層などの導電性を要する任意の導電層として適用することができる。
特に、一方側の面に信号線が積層された絶縁性の層の他方側の面に、プリント配線板用導体シート61を貼りつけることができる。
また、一方側の面に信号線が露出するプリント配線板構成部材の面に、プリント配線板用導体シート71は、貼りつけることができる。
このとき、プリント配線板用導体シート61、71における導体層16は、上記絶縁性の層あるいは絶縁層72を介してこれに対向する上記信号線との間で発生するキャパスタンスを充分に小さくすることができる。しかも上述で述べるとおり導体層16は、局所領域において、導体部との重複面積の偏りが顕著な信号線の伸長方向と、複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが異なるよう構成されている。したがって、導体層16の広域にて、貼り付け側に存在する任意のデザインの信号線と導体部23との重複面積が、顕著に大きくなること、あるいは顕著に小さくなることを回避することができる。
即ち、プリント配線板用導体シート61、71は、これを用いて構成されるプリント配線板において、第一実施形態に関し述べた有利な効果と同様の効果を発揮することができる。
プリント配線板用導体シート61、71は、プリント配線板に設けられる信号線のデザイン毎に、導体層におけるパターン開口部のデザインを変更する必要がないため、汎用な使用が可能である。
尚、プリント配線板用導体シート61、71における一部の構成要件について、もっぱら第一実施形態の構成要件を適用させて説明した。しかしこれに限定されず、第二実施形態の構成要件を適宜、プリント配線板用導体シート61、71に適用させることができ、また第二実施形態に関し述べた効果と同様の効果を発揮することができる。
(実施例1)
厚さ50μmのポリイミドの基材の一方側の面に厚さ12μmの銅箔を積層させ、フォトリソグラフィ手法により、線幅200μmの信号線Aおよび信号線Bを形成した。信号線A、Bは、それぞれ、図2Aに示す信号線13a、13bと同様のパターンで形成した。尚、信号線A、Bのピッチは100μmとした。
次いで、上記基材の他方側の面に、厚さ12μmの銅箔を積層させ、フォトリソグラフィ手法により、パターン開口部と導電部とを備える導体層を形成して実施例1であるプリント配線板を得た。実施例1のパターン開口部のパターンは、図2Bに示すパターンに倣った。隣り合うパターン開口部の間の最短距離を100μmに設定し、導体部における導電性を確保し導体層として必要な電気容量を損なうことがないよう設計した。
尚、実施例1における信号線Aを特性インピーダンスの狙い値50Ωとして設計し、実施例1の信号線Bおよび後述の実施例2における信号線Cは、線幅を変更せずに配置位置だけを変更した。
(実施例2)
信号線A、Bの代わりに信号線Cを設けたこと以外は、実施例1と同様にプリント配線板を形成し、実施例2とした。図7は実施例2であるプリント配線板81の上面視における透視図である。プリント配線板81は、ポリイミド基材である基材12の一方側の面において、厚さ12μm、幅200μmの信号線が、基材12の中心を通り、かつ基材12の長軸方向に対し平面内45°の傾きとなるようパターニングされている。基材12の他方側の面には、実施例1と同様に導体層を形成した。
(比較例1)
実施例1におけるパターン開口部のパターンを変更した以外は、実施例1と同様にプリント基板を作成し、これを比較例1とした。尚、実施例1における信号線A、Bに相当する信号線を、比較例1では信号線D、Eと呼ぶ。
図10は、比較例1の上面視における透視図に相当する。図10における信号線560が信号線Dに、信号線550が信号線Eに相当する。比較例1のパターン開口部のパターンは、1つのパターン開口部を400μm×400μmの正方形とし、隣り合うパターン開口部のピッチを160μmとした。
尚、比較例1における信号線Dを特性インピーダンスの狙い値50Ωとして設計し、比較例1の信号線Eおよび後述の比較例2における信号線Fは、線幅を変更せずに配置位置だけを変更した。
(比較例2)
比較例2における信号線D、Eの代わりに信号線Fを設けたこと以外は、比較例1と同様にプリント配線板を作成し、これを比較例2とした。信号線Fは、実施例2における信号線Cと同様の部材および同様のパターンで形成した。図11は、比較例2の上面視における透視図に相当する。
(特性インピーダンス測定試験)
実施例1、2および比較例1、2に設けられた信号線Aから信号線Fについて、それぞれ特性インピーダンスを測定し、結果を表1に示した。表1に示すとおり、実施例における信号線Aから信号線Cは、特性インピーダンスの最大最少差分が2Ωと非常に小さいことが確認された。これにより、本発明では1つのプリント配線板において信号線の位置あるいは角度を変更しても、信号線間のインピーダンスが近似し、良好にインピーダンス整合が図られることが理解された。
一方、比較例における信号線Dから信号線Fは、特性インピーダンスの最大最少差分が17Ωと大きかった。これにより、比較例では、1つのプリント配線板において信号線の位置あるいは角度を変更した場合に、信号線間のインピーダンスが有意に相違し、インピーダンス整合を充分に図ることができないことが理解された。
(伝送損失測定試験)
次に、実施例1、2および比較例1、2に設けられた信号線Aから信号線Fについて、それぞれ3GHzでの伝送損失を測定し、結果を表2に示した。表2に示すとおり、実施例における信号線Aから信号線Cは、伝送損失の最大値と最小値の比率が1.1倍と小さいことが確認された。一方、比較例における信号線Dから信号線Fは、伝送損失の最大値と最小値の比率が3.8倍と大きく、実用レベルではなかった。
以上の結果から、実施例1および実施例2はいずれも、導体層にパターン開口部を有しているにもかかわらず、信号線の位置や角度によらずに伝送損失が安定していることが確認された。
Figure 2014154580
Figure 2014154580
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)導体部と、複数の独立したパターン開口部と、を備える導体層、および
絶縁層を介して前記導体部の上方に形成された信号線を備え、
一つの前記パターン開口部、および前記一つのパターン開口部の外縁から前記一つのパターン開口部に最近接する他のパターン開口部の外縁であって前記一つのパターン開口部と隣接する側の外縁までの導体部を含む局所領域において、前記信号線と同じ線幅であり前記局所領域を通過する帯状の仮想線として、前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線を仮定したとき、
前記第一仮想線の伸長方向または前記第二仮想線の伸長方向と前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行になるよう前記パターン開口部が設けられていることを特徴とするプリント配線板。
(2)前記第一仮想線の伸長方向および前記第二仮想線の伸長方向と、前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向と、が異なる上記(1)に記載のプリント配線板。
(3)前記パターン開口部を内包する最少の円を仮想内包円としたとき、
隣り合う前記パターン開口部の前記仮想内包円が重なり合っている上記(1)または(2)に記載のプリント配線板。
(4)前記パターン開口部は、中心位置が直線方向に並ぶように配列されている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のプリント配線板。
(5)前記導体層の長軸長さよりも弦の長さの大きい円弧が開口方向を同じくして複数配列されてなる第一円弧群パターンと、前記第一円弧群パターンを任意の角度で回転してなる第二円弧群パターンとが交差してなる網目の交差部の上に、前記パターン開口部が設けられている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のプリント配線板。
(6)前記第二円弧群パターンの回転角度が、前記第一円弧群パターンに対し90°である上記(5)に記載のプリント配線板。
(7)前記パターン開口部が、3つ以上の円弧ライン状開口部分を有し、これらが同方向の端部で結合するとともに互いに略均等な角度で配置されてなる上記(1)から(6)のいずれか一項に記載のプリント配線板。
(8)前記円弧ライン状開口部分の開口幅が、前記信号線の線幅に対し、0.5倍以上である上記(7)に記載のプリント配線板。
(9)前記円弧ライン状開口部分の外側面の両端部を結んでなる弦の長さが、前記信号線の線幅以上である上記(7)または(8)に記載のプリント配線板。
(10)隣り合う前記パターン開口部の最短距離が、前記信号線の線幅以下である上記(1)から(9)のいずれか一項に記載のプリント配線板。
(11)剥離基材と、
前記剥離基材の上に、接着層を介して設けられた導体層と、を備え、
前記導体層は、導体部と複数の独立したパターン開口部とを備えており、
一つの前記パターン開口部、および前記一つのパターン開口部の外縁から前記一つのパターン開口部に最近接する他のパターン開口部の外縁であって前記一つのパターン開口部と隣接する側の外縁までの導体部を含む局所領域において、前記局所領域を通過する帯状の仮想線として、前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線を仮定したとき、
前記第一仮想線または前記第二仮想線の伸長方向と前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行となるよう前記パターン開口部が設けられていることを特徴とするプリント配線板用導体シート。
(12)前記接着層と前記導体層との間に絶縁層が設けられた(11)に記載のプリント配線板用導体シート。
11a:プリント配線板、11b:プリント配線板、11c:プリント配線板、11d:プリント配線板、12:基材、13:信号線、13a:信号線、13b:信号線、14:絶縁層、15:導体層、16:導体層、17:接着層、18:導体層、19:グランドライン、20:保護層、22:パターン開口部、23:導体部、25:局所領域、26:第一仮想線、28:方向線、30:仮想内包円、31a:信号線、31b:信号線、31c:信号線、31d:信号線、31e:信号線、31f:信号線、33:円弧ライン状開口部分、41:プリント配線板、41a:プリント配線板、42:導体層、43:第一仮想線、44:第二仮想線、45:パターン開口部、46:導体部、47:第一円弧群パターン、48:円弧、49:局所領域、52:円弧、53:第二円弧群パターン、61:プリント配線板用導体シート、62:接着層、63:剥離基材、64:保護層、71:プリント配線板用導体シート、72:絶縁層、81:プリント配線板

Claims (12)

  1. 導体部と、複数の独立したパターン開口部と、を備える導体層、および
    絶縁層を介して前記導体部の上方に形成された信号線を備え、
    一つの前記パターン開口部、および前記一つのパターン開口部の外縁から前記一つのパターン開口部に最近接する他のパターン開口部の外縁であって前記一つのパターン開口部と隣接する側の外縁までの導体部を含む局所領域において、前記信号線と同じ線幅であり前記局所領域を通過する帯状の仮想線として、前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線を仮定したとき、
    前記第一仮想線の伸長方向または前記第二仮想線の伸長方向と前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行になるよう前記パターン開口部が設けられていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記第一仮想線の伸長方向および前記第二仮想線の伸長方向と、前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向と、が異なる請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記パターン開口部を内包する最少の円を仮想内包円としたとき、
    隣り合う前記パターン開口部の前記仮想内包円が重なり合っている請求項1または2に記載のプリント配線板。
  4. 前記パターン開口部は、中心位置が直線方向に並ぶように配列されている請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  5. 前記導体層の長軸長さよりも弦の長さの大きい円弧が開口方向を同じくして複数配列されてなる第一円弧群パターンと、前記第一円弧群パターンを任意の角度で回転してなる第二円弧群パターンとが交差してなる網目の交差部の上に、前記パターン開口部が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  6. 前記第二円弧群パターンの回転角度が、前記第一円弧群パターンに対し90°である請求項5に記載のプリント配線板。
  7. 前記パターン開口部が、3つ以上の円弧ライン状開口部分を有し、これらが同方向の端部で結合するとともに互いに略均等な角度で配置されてなる請求項1から6のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  8. 前記円弧ライン状開口部分の開口幅が、前記信号線の線幅に対し、0.5倍以上である請求項7に記載のプリント配線板。
  9. 前記円弧ライン状開口部分の外側面の両端部を結んでなる弦の長さが、前記信号線の線幅以上である請求項7または8に記載のプリント配線板。
  10. 隣り合う前記パターン開口部の最短距離が、前記信号線の線幅以下である請求項1から9のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  11. 0467−52−6709
    剥離基材と、
    前記剥離基材の上に、接着層を介して設けられた導体層と、を備え、
    前記導体層は、導体部と複数の独立したパターン開口部とを備えており、
    一つの前記パターン開口部、および前記一つのパターン開口部の外縁から前記一つのパターン開口部に最近接する他のパターン開口部の外縁であって前記一つのパターン開口部と隣接する側の外縁までの導体部を含む局所領域において、前記局所領域を通過する帯状の仮想線として、前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最大となるよう位置取りされた第一仮想線または前記仮想線の面内における前記導体部の比率が最小となるよう位置取りされた第二仮想線を仮定したとき、
    前記第一仮想線の伸長方向または前記第二仮想線の伸長方向と前記複数のパターン開口部の中心位置の並び方向とが非平行となるよう前記パターン開口部が設けられていることを特徴とするプリント配線板用導体シート。
  12. 前記接着層と前記導体層との間に絶縁層が設けられた請求項11に記載のプリント配線板用導体シート。
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