JP2007008153A - 圧着離型シートおよび巻回体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品の加熱圧着に用いられる圧着離型シートであって、従来の離型圧着シートとは異なる構成を有しながらも、離型性および柔軟性(クッション性)を両立させた圧着離型シートを提供する。
【解決手段】超高分子量ポリエチレン層とシリコーンゴム層とを含み、超高分子量ポリエチレン層とシリコーンゴム層とが互いに一体化されており、超高分子量ポリエチレン層の厚さが30μm以上である圧着離型シートとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の製造工程において、電子部品の加熱圧着による接合に用いられる圧着離型シートと、当該圧着離型シートを巻回した巻回体とに関する。
現在、電子機器の製造工程において、電子機器に用いられる各種の部品や部材(電子部品)を電気的に接続する方法として、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いる方法が広く採用されている。ACFは、熱硬化性エポキシ樹脂などからなる接着性フィルムに導電性粒子が分散した構造を有している。導電性粒子はフィルム内で互いに独立した状態にあるため、ACFは全体として絶縁性である。
例えば、図4に示すように、表面にストライプ状の電極52が形成されたガラス基板51と、表面に回路パターン54が形成されたプリント回路基板(PCB)53との間に導電性粒子56を含むACF55を配置し、ガラス基板51とPCB53とを加熱圧着すると、ACF55に含まれるエポキシ樹脂が熱によって硬化し、ガラス基板51とPCB53とが接合される。このとき、図5に示すように、ACF55に含まれる導電性粒子56によって、電極52と回路パターン54とが電気的に接続されるが、隣り合う電極52間、あるいは、隣り合う回路パターン54間の絶縁、即ち、ガラス基板51およびPCB53の主面に平行な方向の絶縁は維持される。
このように、ACFを用いれば、特定の方向への電子部品の電気的な接続を比較的容易に実現でき、特に、微細な回路パターンや電極パターンを有する電子部品を電気的に接続する際に、その効果が大きい。また、ACFはフィルム状であり、電子部品の接合に必要な容積を小さくできる。このため、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界発光(EL)ディスプレイなど、フラットディスプレイパネル(FDP)の製造工程において、ACFを用いた電子部品の接合が広く行われている。
実際の製造工程(加熱圧着工程)では、通常、図6に示すように、加熱加圧ヘッド58と電子部品(図6ではPCB53)との間に、ヘッド58と電子部品との接着を防止するための圧着離型シート57が配置される。従来、圧着離型シート57には、離型性に優れることから、フッ素樹脂シートが用いられている。しかし、FDPモジュールなど、接合する電子部品の大型化に伴い、電子部品に対して圧力を均一に印加することが難しくなってきている。このような問題を解決するために、例えば、フッ素樹脂層と熱伝導ゴムシートとを組み合わせた圧着離型シートが開発されており、このようなシートは、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。特許文献1および2に記載のシートでは、フッ素樹脂層と熱伝導ゴムシートとを組み合わせることにより、圧着離型シートにおける離型性と柔軟性(クッション性)との両立が図られている。
特開平5−315401号公報 特開平7−214728号公報
本発明は、特許文献1および2に記載されているような従来の圧着離型シートとは異なる構成を有しながらも、離型性および柔軟性(クッション性)を両立させた圧着離型シートを提供することを目的とする。
本発明の圧着離型シートは、電子部品の加熱圧着による接合に用いられる圧着離型シートであって、超高分子量ポリエチレン層とシリコーンゴム層とを含み、前記超高分子量ポリエチレン層と前記シリコーンゴム層とが互いに一体化されており、前記超高分子量ポリエチレン層の厚さが30μm以上である。
本発明の巻回体は、上記本発明の圧着離型シートを巻回した構造を有する。
本発明によれば、超高分子量ポリエチレン層とシリコーンゴム層とを組み合わせることにより、離型性および柔軟性(クッション性)を両立させた圧着離型シートを提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。以降の説明において、同一の部材に同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
図1に示す圧着離型シート(以下、単に「離型シート」ともいう)1は、電子部品の加熱圧着による接合に用いられる離型シートであって、シリコーンゴム層2と超高分子量ポリエチレン層(UHMWPE層)3とを含み、シリコーンゴム層2とUHMWPE層3とが互いに一体化されている。
このような構成では、まず、UHMWPE層3によって優れた離型性を得ることができる。次に、UHMWPE層3とシリコーンゴム層2とを組み合わせることによって、優れた柔軟性(クッション性)を得ることができる。即ち、従来の離型シートとは異なる構成を有しながらも、離型性および柔軟性(クッション性)を両立させた離型シート1とすることができる。また離型シート1は、シリコーンゴム層2とUHMWPE層3とが互いに一体化されているため、ハンドリング性に優れており、電子部品の加熱圧着による接合を効率よく行うことができる。
離型シート1は、例えば、異方性導電フィルム(ACF)を用いた電子部品の電気的な接続に適している。ただし、離型シート1は、ACFを用いた電気的な接続に限定されず、加熱圧着による電子部品の接合に広く用いることができる。接合する電子部品(加熱圧着工程では、一般に「接続ワーク」とも呼ばれる)の種類は特に限定されず、例えば、金属基板、ガラス基板などの各種基板類(基板上に電極が形成されていてもよい)、プリント回路基板(PCB)、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuit)などの各種回路類(TCPやFPC上に駆動用ICなどが実装、例えば、COF(Chip On Film)実装されていてもよい)、ITO(Indium Tin Oxide)層などの透明導電層などである。離型シート1は、複数の異なる電子部品がモジュール化された電子部品(集積体)の接合にも用いることができる。接合した電子部品によって構成される電子機器の種類も特に限定されないが、例えば、上述したFDPが代表的である。
UHMWPE層3の厚さは30μm以上である。UHMWPE層3の厚さが30μm未満では、加熱圧着工程における離型シート1の耐熱性の確保が困難である。UHMWPE層3の厚さの上限は特に限定されないが、例えば、200μm以下であることが好ましい。UHMWPE層3の厚さが200μmを超えると、離型シート1としての熱伝導性が低下する。
UHMWPE層3を構成する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の分子量は、粘度平均分子量(Mν)にして、50万以上1000万以下であればよく、100万以上1000万以下が好ましく、100万以上700万以下がより好ましい。上記分子量が過小になると、離型シート1の離型性が低下し、上記分子量が過大になると、離型シート1の柔軟性が低下する。UHMWPEの粘度平均分子量(Mν)は、一般的な測定方法である粘度法により評価すればよく、例えば、JIS K 7367−3:1999に基づいて測定した極限粘度数[η]からMνを算出すればよい。
UHMWPE層3には、市販の超高分子量ポリエチレンフィルムを用いることができる。このような超高分子量ポリエチレンフィルムとしては、例えば、日東電工社製No.440(Mν=300万)、旭化成ケミカルズ社製サンファインUH−900(Mν=330万)、同サンファインUH−950(Mν=450万)などが挙げられる。
UHMWPE層3は、必要に応じ、UHMWPE以外の材料を含んでいてもよい。
UHMWPE層3は多孔質であってもよく、即ち、多孔質UHMWPE層3であってもよく、この場合、非多孔質のUHMWPE層3に比べて、その変形量を大きくとることができるため、より柔軟性に優れる離型シート1とすることができる。また、UHMWPE層3に含まれる空孔の変形により、加熱圧着時におけるUHMWPE層3の厚さを薄くできるため、熱が伝わる距離を低減でき、より熱伝導性に優れる離型シート1とすることができる。
多孔質UHMWPE層3の具体的な構造は特に限定されず、全体に均質な構造を有するUHMWPE層3であってもよいし、層の厚さ方向に構造が変化した(例えば、多孔質構造における空孔率および/または平均孔径が変化した)UHMWPE層3であってもよい。
多孔質UHMWPE層3の空孔率は、離型シート1として使用できる限り特に限定されないが、例えば、20体積%〜50体積%の範囲であればよい。空孔率が過大になると、離型シート1としての使用が困難となる。
多孔質UHMWPE層3の平均孔径は、例えば、10μm〜50μmの範囲であればよい。平均孔径が過大になると、離型シート1としての使用が困難になったり、離型シート1としての柔軟性が低下することがある。多孔質UHMWPE層3の平均孔径および空孔率は、ポロシメーターを用いて評価することができる。
多孔質UHMWPE層3には、市販の超高分子量ポリエチレン多孔質フィルムを用いることができる。このような多孔質フィルムとしては、例えば、日東電工社製サンマップLC(Mν=300万)、同サンマップHP−5320(Mν=300万)、旭化成ケミカルズ社製サンファインAQ−100(Mν=330万)、同サンファインAQ−800(Mν=450万)などが挙げられる。
シリコーンゴム層2の具体的な構造は特に限定されず、全体に均質な構造を有するシリコーンゴム層2であってもよいし、粘弾性などの特性が異なるシリコーンゴムを組み合わせたシリコーンゴム層2であってもよい。
シリコーンゴム層2の熱伝導率は、1.5W/(m・K)以上であることが好ましく、より熱伝導性に優れる離型シート1とすることができる。
シリコーンゴム層2の熱伝導率は、例えば、熱伝導性材料を含むシリコーンゴム層2とし、シリコーンゴム層2における熱伝導性材料の含有率を調整することによって制御できる。熱伝導性材料には、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、シリカ、チタニアなどの熱伝導性フィラー類、各種カーボン、グラファイトなどの導電性フィラー類を用いればよい。
シリコーンゴム層2の厚さは特に限定されないが、通常、20μm以上300μm以下の範囲である。
本発明の離型シート1におけるUHMWPE層3およびシリコーンゴム層2の具体的な配置の形態は、双方の層が一体化されている限り特に限定されないが、離型シート1における一方の主面にUHMWPE層3が配置されており、他方の主面にシリコーンゴム層2が配置されていることが好ましい。この場合、加熱圧着工程において、シリコーンゴム層2を加熱加圧ヘッド側に配置すれば、接続ワークへの圧力および熱の伝達をより均一にでき、また、電子部品に接触する面をUHMWPE層3にできるため、加熱圧着工程における離型シート1と電子部品との接着をより確実に防止できる。
本発明の離型シート1が含むUHMWPE層3およびシリコーンゴム層2の層数は特に限定されないが、図1に示すように、離型シート1が双方の層を一層ずつ含むことが好ましい。即ち、本発明の離型シート1は、一層のUHMWPE層3の一方の主面にシリコーンゴム層2が積層されており、双方の層が一体化された構造であることが好ましい。このような離型シートは、製造コストおよび加熱圧着工程におけるハンドリング性に優れている。
本発明の離型シートは、例えば、UHMWPE層3の表面に、液体状またはペースト状のシリコーンゴムを塗布し、熱処理して形成できる。このとき、UHMWPE層3の一方の主面にシリコーンゴムを塗布すれば、図1に示す離型シート1を形成できる。
本発明の離型シートは、また、UHMWPE層3とシリコーンゴム層2とを、それぞれ別途に形成した後に、両者を加熱圧着することによっても形成できる。
液体状またはペースト状のシリコーンゴムには、市販の製品を用いることができ、例えば、東レ・ダウコーニング社製SE4450、GE・東芝シリコーン社製TSE3281−G、信越シリコーン社製KE−1867、X−32−2020、X−32−2151などを用いればよい。また、固形のシリコーンゴムを溶媒に溶解させた溶液や、固形のシリコーンゴムと溶媒とを混練したペーストなどを用いてもよい。
熱伝導性材料を含むシリコーンゴム層2は、液体状またはペースト状のシリコーンゴムと熱伝導性材料とを混合した後に、得られた混合物をUHMWPE層3の表面に塗布し、熱処理して形成できる。
シリコーンゴム層2を別途形成する場合、液体状またはペースト状のシリコーンゴムを基板上に塗布し、液体状またはペースト状のシリコーンゴムに含まれる溶媒の除去および/または熱処理を行えばよい。基板上に塗布する前に、熱伝導性材料を予め混合すれば、熱伝導性材料を含むシリコーンゴム層2を形成できる。UHMWPE層3とシリコーンゴム層2との加熱圧着は、一般的な手法を用いて行えばよい。
本発明の離型シート1は、UHMWPE層3およびシリコーンゴム層2以外にも、必要に応じて任意の部材を含んでいてもよい。例えば、本発明の離型シートが、従来の圧着離型シートが備えていた(多孔質)フッ素樹脂層を備えてもよい。ただし、本発明の離型シート1は、このようなフッ素樹脂層を省略でき、フッ素樹脂層を省略した場合、加熱圧着工程に使用した後における産業廃棄物としてのハロゲンフリー化、フッ素元素フリー化を実現できる。
本発明の巻回体は、上記本発明の圧着離型シートを巻回した構造を有する。このような巻回体では、例えば、図2に示すように、基板21と接続ワーク23とを、巻回体24から圧着離型シート1を徐々にあるいは段階的に送り出しながら、ACF22を介して加熱圧着できる。加熱圧着後の圧着離型シート1は、例えば、図2に示すように、巻き取ればよい。即ち、本発明の巻回体により、電子部品の加熱圧着による接合をより効率よく行うことができる。なお、図2における符号25は、加熱加圧ヘッドである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
本実施例では、離型シートサンプルとして、実施例サンプルを11種類(サンプル1〜11)、比較例サンプルを2種類(サンプルAおよびB)、ならびに、従来例サンプルを1種類(サンプルC)準備し、各離型シートサンプルにおける、離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を評価した。
最初に、各サンプルの作製方法を示す。
−サンプル1−
UHMWPE層として、UHMWPEフィルム(日東電工社製No.440、厚さ30μm)を準備し、準備したUHMWPE層の片面に、液体状のシリコーンゴム(東芝シリコーン社製TSE−3281−G、熱伝導率1.6W/(m・K))を塗布し(塗布の厚さ50μm)、120℃で24時間熱処理して、UHMWPE層とシリコーンゴム層とが一体化された離型シート(サンプル1)を作製した。シリコーンゴムの塗布にはアプリケーターを用いた。
−サンプル2〜5−
UHMWPEフィルムの厚さを変更した以外はサンプル1と同様にして、サンプル2〜5の各離型シートを作製した。各サンプルの構成は、以下の表1に示す。
−サンプル6−
UHMWPE層として、UHMWPE多孔質フィルム(日東電工社製サンマップLC、厚さ30μm、空孔率30%、平均孔径17μm)を準備した以外はサンプル1と同様にして、多孔質UHMWPE層とシリコーンゴム層とが一体化された離型シート(サンプル6)を作製した。
−サンプル7〜10−
UHMWPE多孔質フィルムの厚さを変更した以外はサンプル6と同様にして、サンプル7〜10の各離型シートを作製した。各サンプルの構成は、以下の表1に示す。
−サンプル11−
UHMWPEフィルムに塗布する液体状のシリコーンゴムとして、熱伝導率が1.1W/(m・K)のシリコーンゴム(信越シリコーン社製KE1223)を用いた以外は、サンプル1と同様にして、離型シート(サンプル11)を作製した。サンプル11におけるシリコーンゴム層は、サンプル1〜10におけるシリコーンゴム層と熱伝導率が異なるため、表1ではシリコーンゴム層Bと示す。
−サンプルA(比較例)−
UHMWPEフィルムの厚さを25μmとした以外はサンプル1と同様にして、比較例である離型シート(サンプルA)を作製した。
−サンプルB(比較例)−
UHMWPE多孔質フィルムの厚さを25μmとした以外はサンプル6と同様にして、比較例である離型シート(サンプルB)を作製した。
−サンプルC(従来例)−
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ファインパウダー(旭硝子社製CD123)80重量部と、液状潤滑剤として流動パラフィン20重量部とを混合して、ペーストとし、得られたペーストを押出加工して、円柱状の予備成形体を形成した。次に、形成した予備成形体を、先の押出方向と同一の方向へ圧延した後に焼成(350℃、5分間)し、PTFEフィルム(厚さ50μm)を形成した。
次に、形成したPTFEフィルムの片面に、液体状のシリコーンゴム(東芝シリコーン社製TSE−3281−G、熱伝導率1.6W/(m・K))を塗布し(塗布の厚さ50μm)、120℃で24時間熱処理して、PTFE層とシリコーンゴム層とが一体化された離型シート(サンプルC)を作製した。シリコーンゴムの塗布にはアプリケーターを用いた。
Figure 2007008153
次に、このようにして準備した各サンプルを用いて、ACFを用いた電子部品の接合を行い、加熱圧着工程における各サンプルの離型性、柔軟性(クッション性)、耐熱性および熱伝導性を評価した。
評価は、図3に示すように、ガラス基板11、ACF(日立化成工業社製 AC2102)12、FPC13および離型シートサンプル14を順に積層した後に、加熱加圧ヘッド15(日化設備エンジニアリング社、アニソルム熱圧着機AC−S50)により、ガラス基板11とFPC13とをACF12を介して加熱圧着して、行った。加熱圧着の条件は、加熱加圧ヘッド15の設定温度300℃、圧着圧力3MPa、圧着時間20秒とした。
離型性の評価では、加熱圧着後におけるサンプル14とFPC13との剥離が問題なく行われれば合格(○)、サンプル14とFPC13との接着が確認されれば不合格(×)とした。
クッション性の評価では、加熱圧着後に、ACF12に含まれる導電性粒子の変形をガラス基板11側から確認し、変形がACF全体にわたって均一であれば合格(○)、変形がやや不均一であれば保留(△)、変形が不均一であれば不合格(×)とした。なお、導電性粒子の変形は、光学顕微鏡を用いて観察した。
耐熱性の評価では、加熱圧着後に、離型シートサンプル14におけるシワの有無を確認し、シワが発生していなければ合格(○)、シワが発生していれば不合格(×)とした。
熱伝導性は、ガラス基板11などを順に積層する際に、ACF12とFPC13との間に熱電対16を予め配置しておき、加熱圧着を開始してから20秒後の到達温度と、ACF12近傍の温度が190℃に到達するまでの到達時間とを評価した。
評価結果を、以下の表2に示す。
Figure 2007008153
表2に示すように、サンプル1〜11では、離型性および柔軟性(クッション性)を両立させた離型シートとすることができた。UHMWPE層の厚さが30μm未満であるサンプルAおよびBでは、サンプル1〜11に比べて離型性は同等であったが、柔軟性にやや劣り、また、耐熱性に劣る結果となった。
従来例であるサンプルCと、サンプルCと厚さがほぼ同等であるサンプル2とを比較すると、サンプル2の方が、到達温度をより高く、また、到達時間をより短くすることができた。即ち、サンプルCに代わってサンプル2を用いれば、加熱圧着工程におけるタクトタイムの短縮が可能である。
同じサンプルの厚さで比べると、非多孔質のUHMWPE層を有するサンプル1〜5よりも、多孔質UHMWPE層を有するサンプル6〜10の方が、到達温度をより高く、また、到達時間をより短くすることができた。
以上、説明したように、本発明によれば、超高分子量ポリエチレン層とシリコーンゴム層とを組み合わせることにより、離型性および柔軟性(クッション性)を両立させた圧着離型シートを提供できる。
本発明の圧着離型シートの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の巻回体と、当該巻回体を用いた電子部品の接合と、を説明するための模式図である。 実施例における、圧着離型シートサンプルの特性評価方法を説明するための模式図である。 異方性導電フィルム(ACF)を用いた電子部品の接合を説明するための模式図である。 ACFを用いた電子部品の接合を説明するための模式図である。 ACFを用いた電子部品の接合を説明するための模式図である。
符号の説明
1 圧着離型シート
2 シリコーンゴム層
3 超高分子量ポリエチレン層
11 ガラス基板
12 異方性導電フィルム(ACF)
13 FPC
14 離型シートサンプル
15 加熱加圧ヘッド
16 熱電対
21 基板
22 ACF
23 接続ワーク
24 巻回体
25 加熱加圧ヘッド
51 ガラス基板
52 電極
53 プリント回路基板(PCB)
54 回路パターン
55 異方性導電フィルム(ACF)
56 導電性粒子
57 圧着離型シート
58 加熱加圧ヘッド

Claims (8)

  1. 電子部品の加熱圧着による接合に用いられる圧着離型シートであって、
    超高分子量ポリエチレン層と、シリコーンゴム層とを含み、
    前記超高分子量ポリエチレン層と前記シリコーンゴム層とが互いに一体化されており、
    前記超高分子量ポリエチレン層の厚さが30μm以上である圧着離型シート。
  2. 前記超高分子量ポリエチレン層を構成する超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量が、100万以上700万以下である請求項1に記載の圧着離型シート。
  3. 前記超高分子量ポリエチレン層の厚さが、200μm以下である請求項1に記載の圧着離型シート。
  4. 前記超高分子量ポリエチレン層が、多孔質である請求項1に記載の圧着離型シート。
  5. 前記シリコーンゴム層の熱伝導率が、1.5W/(m・K)以上である請求項1に記載の圧着離型シート。
  6. 前記圧着離型シートにおける一方の主面に前記超高分子量ポリエチレン層が、他方の主面に前記シリコーンゴム層が配置されている請求項1に記載の圧着離型シート。
  7. 前記超高分子量ポリエチレン層および前記シリコーンゴム層を、一層ずつ含む請求項1に記載の圧着離型シート。
  8. 請求項1に記載の圧着離型シートを巻回した巻回体。
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