JP2006231916A - 圧着離型シート - Google Patents

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Seiichi Takaoka
Tomoyoshi Nagayama
知義 永山
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Abstract

【課題】電子部品の加熱圧着に用いられる圧着離型シートであって、離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を並立させた圧着離型シートを提供する。
【解決手段】シリコーンゴム層と、第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層とを含み、第1の多孔質PTFE層が空孔を有し、シリコーンゴム層と第1の多孔質PTFE層とが互いに一体化されている圧着離型シートとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の製造工程において、加熱圧着によって電子部品を接合する際に用いられる圧着離型シートに関する。
現在、電子機器の製造工程において、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用い、電子機器に用いられる各種の部品や部材(電子部品)を電気的に接続する方法が広く採用されている。ACFは、熱硬化性エポキシ樹脂などからなる接着性フィルムに導電性粒子が分散した構造を有しており、それぞれの粒子はフィルム内で互いに独立した状態にあるため、フィルム全体として絶縁性である。例えば、図4に示すように、表面にストライプ状の電極52が形成されたガラス基板51と、表面に回路パターン54が形成されたプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)53との間に導電性粒子56を含むACF55を配置し、ガラス基板51とPCB53とを加熱圧着すると、ACF55に含まれるエポキシ樹脂が熱によって硬化して、ガラス基板51とPCB53とが接合される。このとき、図5に示すように、ACF55に含まれる導電性粒子56によって、電極52と回路パターン54とが電気的に接続されるが、隣り合う電極52間、および、隣り合う回路パターン54間の絶縁、即ち、ガラス基板51およびPCB53の主面に平行な方向の絶縁、は維持される。
このように、ACFを用いれば、特定の方向への電子部品の電気的な接続を比較的容易に形成でき、特に、微細な回路パターンや電極パターンを有する電子部品を電気的に接続する際にその効果が大きい。また、ACFはフィルム状であり、電子部品の接合に必要な容積を小さくできる。このため、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界発光(EL)ディスプレイなど、フラットディスプレイパネル(FDP)の製造工程において、ACFを用いた電子部品の接合が広く行われている。
実際の製造工程(加熱圧着工程)では、通常、図6に示すように、加熱加圧ヘッド58と電子部品(図6ではPCB53)との間に、ヘッド58と電子部品との接着を防止するための圧着離型シート57が配置される。従来、圧着離型シート57には、離型性に優れることから、フッ素樹脂シートが用いられている。しかし、FDPモジュールなど、接合する電子部品の大型化に伴い、当該電子部品に対して圧力を均一に印加することが難しくなってきており、柔軟性(クッション性)に優れる圧着離型シートが求められている。
例えば、特許文献1および2には、フッ素樹脂層と熱伝導ゴムシートとを組み合わせた圧着離型シートが開示されている。特許文献1および2に開示の圧着離型シートでは、離型性と柔軟性との両立が図られている。
また現在、加熱圧着工程におけるタクトタイムを短縮するために、離型性に優れるとともに熱伝導性に優れる圧着離型シートが求められている。ここで、当該圧着離型シートがさらに柔軟性に優れる場合、圧着温度を低くできることによるタクトタイムの短縮も期待される。
このように、離型性、柔軟性および熱伝導性を並立させた圧着離型シートが求められているが、特許文献1および2に開示されている圧着離型シートでは、これらの特性の並立は困難である。
なお、圧着離型シートにおける弾性層と離型層との間の接着性の向上を目的として、特許文献3には、エラストマーが埋められた孔を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる弾性層と、フッ素樹脂フィルムからなる離型層とから構成された圧着離型シートが開示されている。
特開平5−315401号公報 特開平7−214728号公報 特開2004−167881号公報
そこで本発明は、離型性、柔軟性および熱伝導性を並立させた圧着離型シートを提供することを目的とする。
本発明の圧着離型シートは、電子部品の加熱圧着による接合に用いられる圧着離型シートであって、シリコーンゴム層と、第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層とを含み、前記第1の多孔質PTFE層が空孔を有し、前記シリコーンゴム層と前記第1の多孔質PTFE層とが互いに一体化されている。
本発明によれば、空孔を有する多孔質PTFE層とシリコーンゴム層とを組み合わせることにより、離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を並立させた圧着離型シートとすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。以降の説明において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1に示す圧着離型シート(以下、単に「離型シート」ともいう)1は、電子部品の加熱圧着による接合に用いられる離型シートであって、シリコーンゴム層2と、空孔を有する多孔質PTFE層3(第1の多孔質PTFE層)とを含んでおり、シリコーンゴム層2と多孔質PTFE層3とが互いに一体化されている。ここで「空孔」とは、内部に気体を含む、例えば、内部にシリコーンゴムが充填されていない、孔をいう。
このような構成では、まず、多孔質PTFE層3によって優れた離型性を得ることができる。
次に、多孔質PTFE層3とシリコーンゴム層2とを組み合わせることによって、例えば、特許文献1および2に記載の離型シートに比べて、優れた柔軟性(クッション性)を得ることができる。多孔質PTFE層3は、空孔を有さないPTFE層に比べて、その変形量を大きくとることができるため、加熱圧着工程において離型シート1に印加される圧力への追従性に優れるからである。また、PTFEは、温度が低くなるに従って弾性率が増加する、即ち、固くなる、傾向にあるが、空孔の変形により、従来より低い温度で加熱圧着を行う場合にも、離型シート1の柔軟性の低下を抑制できる。
次に、多孔質PTFE層3によって優れた熱伝導性を得ることができる。空孔の変形により、加熱圧着時における多孔質PTFE層3の厚さを薄くできるため、熱が伝わる距離を低減できるからである。
即ち、離型シート1では、離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を並立でき、離型シート1を用いることによって、例えば、電子部品の加熱圧着工程におけるタクトタイムの短縮が可能である。
また、離型シート1は、シリコーンゴム層2と多孔質PTFE層3とが互いに一体化されているため、ハンドリング性に優れており、電子部品の加熱圧着による接合を効率よく行うことができる。
離型シート1は、例えば、異方性導電フィルム(ACF)を用いた電子部品の電気的な接続に適している。ただし、離型シート1は、ACFを用いた電気的な接続に限定されず、加熱圧着による電子部品の接合に広く用いることができる。接合する電子部品(加熱圧着工程では、一般に「接続ワーク」とも呼ばれる)の種類は特に限定されず、例えば、金属基板、ガラス基板などの各種基板類(基板上に電極が形成されていてもよい)、プリント回路基板(PCB)、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuit)などの各種回路類(TCPやFPC上に駆動用ICなどが実装、例えば、COF(Chip On Film)実装されていてもよい)、ITO(Indium Tin Oxide)層などの透明導電層などである。離型シート1は、複数の異なる電子部品がモジュール化された電子部品(集積体)の接合にも用いることができる。接合した電子部品によって構成される電子機器の種類も特に限定されないが、例えば、上述したFDPが代表的である。
多孔質PTFE層3の具体的な構造は、層が空孔を有する限り、特に限定されない。全体に均質な構造を有する多孔質PTFE層3であってもよいし、層の厚さ方向に構造が変化した(例えば、空孔率および/または空孔の平均孔径が変化した)多孔質PTFE層3であってもよい。層の構造は連続的に変化していもよいし、段階的に変化していてもよく、段階的に変化している場合、複数の異なる構造を有するPTFE膜が積層された多孔質PTFE層3であってもよい。
多孔質PTFE層3の空孔率は、離型シート1として使用できる限り特に限定されず、例えば、10体積%〜98体積%の範囲である。空孔率が過小になると、離型シート1の柔軟性および/または熱伝導性が低下することがある。
離型シート1における柔軟性および/または熱伝導性をより向上させる観点から、当該空孔率は、30体積%を超えることが好ましく、55体積%以上がより好ましい。
多孔質PTFE層3が有する空孔の平均孔径、即ち、多孔質PTFE層3の平均孔径、は、例えば、0.05μm〜10μmの範囲であればよく、0.3μm〜3μmの範囲が好ましい。平均孔径が過大あるいは過小になると、離型シート1としての使用が困難になったり、離型シート1の柔軟性および/または熱伝導性が低下することがある。空孔率および平均孔径は、ポロシメーターを用いて求めることができる。
離型シート1の柔軟性と熱伝導性とを両立させる観点から、多孔質PTFE層3の厚さは、離型シート1の厚さの5%以上80%以下の範囲であることが好ましく、10%以上50%以下の範囲であることがより好ましい。
多孔質PTFE層3の厚さは特に限定されないが、例えば、5μm以上300μm以下程度の範囲である。
多孔質PTFE層3は、PTFE以外の材料を含んでいてもよく、例えば、導電性材料を含んでいてもよい。加熱圧着工程における離型シート1への静電気の発生を抑制でき、電子部品の接合をより安定して行うことができる。導電性材料は、例えば、カーボン粒子であればよい。多孔質PTFE層3が導電性材料を含む場合、多孔質PTFE層3における当該導電性材料の含有率は、例えば、5重量%〜30重量%程度の範囲であればよい。
多孔質PTFE層3は帯電防止加工されていてもよく、多孔質PTFE層3が導電性材料を含む場合と同様に、加熱圧着工程における離型シート1への静電気の発生を抑制できる。帯電防止加工には、一般的な加工法を用いればよい。
シリコーンゴム層2の具体的な構成は特に限定されず、全体に均質な構造を有するシリコーンゴム層2であってもよいし、粘弾性などの特性が異なるシリコーンゴム膜を組み合わせたシリコーンゴム層2であってもよい。
シリコーンゴム層2は熱伝導性材料を含んでいてもよく、離型シート1の熱伝導性をより向上できる。熱伝導性材料は、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、シリカ、チタニアなどの粒子であればよい。シリコーンゴム層2が熱伝導性材料を含む場合、シリコーンゴム層2における当該熱伝導性材料の含有率は、例えば、50重量%〜95重量%程度の範囲であればよい。
シリコーンゴム層2の厚さは特に限定されないが、通常、20μm以上300μm以下の範囲である。
図2に、本発明の離型シートの別の一例を示す。図2に示す離型シート1は、シリコーンゴム層2と多孔質PTFE層3との間に、孔内にシリコーンゴムが充填された、即ち、シリコーンゴムが充填された孔を有する、多孔質PTFE層4(第2の多孔質PTFE層)をさらに含んでいる。
このように本発明の離型シートでは、シリコーンゴム層と、空孔を有する多孔質PTFE層との間に、任意の層を含んでいてもよい。
図2に示す例では、離型シート1の柔軟性と熱伝導性とを両立させる観点から、多孔質PTFE層4の厚さは、離型シート1の厚さの80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
本発明の離型シートにおける多孔質PTFE層3およびシリコーンゴム層2の具体的な配置の形態は、双方の層が一体化されている限り特に限定されないが、離型シートにおける一方の主面に多孔質PTFE層3が配置されており、他方の主面にシリコーンゴム層2が配置されていることが好ましい。この場合、加熱圧着工程において、シリコーンゴム層2を加熱加圧ヘッド側に配置すれば、接続ワークへの圧力および熱の伝達をより均一にでき、また、電子部品に接触する面が多孔質PTFE層3となるため、加熱圧着工程における離型シート1と電子部品との接着をより確実に防止できる。
本発明の離型シートが含む多孔質PTFE層3およびシリコーンゴム層2の数は特に限定されないが、離型シートが双方の層を一層ずつ含むことが好ましい。即ち、本発明の離型シートは、一層の多孔質PTFE層3における片方の主面にシリコーンゴム層2が積層され、かつ、双方の層が一体化された構造を有することが好ましい。このような離型シートは、製造コストおよび加熱圧着工程におけるハンドリング性に優れている。図1および図2に示す離型シート1は、このような構造を有している。
図1および図2に示す離型シート1では、離型シート1を構成する各層の境界が明瞭であるが、当該境界は必ずしも明瞭でなくてもよい。
本発明の離型シートは、例えば、空孔を有する多孔質PTFE層の表面に、液体状またはペースト状のシリコーンゴムを塗布し、熱処理して形成できる。このとき、空孔を有する多孔質PTFE層の片面にシリコーンゴムを塗布すれば、図1あるいは図2に示すような離型シート1を形成できる。図2に示すような離型シート1を形成する場合、空孔を有する多孔質PTFE層の内部へ染みこむシリコーンゴムの量を調整することにより、多孔質PTFE層3および4の厚さを制御できる。シリコーンゴムが染みこむ量の調整は、シリコーンゴムの粘度、シリコーンゴムを塗布する速度などを調整して行えばよい。
本発明の離型シートは、また、空孔を有する多孔質PTFE層と、シリコーンゴム層とを、それぞれ別途に形成した後に、両者を加熱圧着することによっても形成できる。
空孔を有する多孔質PTFE層は、一般的な手法を用いて形成すればよく、例えば、PTFE成形体を一軸または二軸延伸して形成できる。このとき、延伸の方向および/または程度を調整することにより、層の空孔率および/または空孔の平均孔径を制御できる。PTFE成形体を延伸した後に、PTFEの融点以上の温度で熱処理(焼成)してもよく、形成する多孔質PTFE層の強度をより向上できる。なお、延伸するPTFE成形体の形状は、シート状が好ましい。
PTFE成形体は、例えば、PTFEファインパウダーと液状潤滑剤とを混合してペースト(予備成形体)を形成し、形成した予備成形体を押出加工および/または圧延することにより、形成できる。液状潤滑剤は、PTFEファインパウダーの表面を濡らすことができ、後の工程において抽出や加熱により除去できる材料である限り、特に限定されず、例えば、流動パラフィン、ナフサ、ホワイトオイルなどの炭化水素類を用いればよい。PTFEファインパウダーと混合する液状潤滑剤の量は、通常、PTFEファインパウダー100重量部に対して、5重量部〜50重量部程度の範囲である。なお、PTFE成形体の一軸および/または二軸延伸を行うにあたっては、成形体に含まれる液状潤滑剤を予め除去しておくことが好ましい。
導電性材料を含み、かつ、空孔を有する多孔質PTFE層は、例えば、予備成形体を形成する際に、PTFEファインパウダーと液状潤滑剤と導電性材料とを混合することにより、形成できる。
液体状またはペースト状のシリコーンゴムは、市販の製品を利用することができ、例えば、東レ・ダウコーニング社製SE4450、GE・東芝シリコーン社製TSE3281−G、信越シリコーン社製KE−1867、X−32−2020、X−32−2151などを用いればよい。また、固形のシリコーンゴムを溶媒に溶解させた溶液や、固形のシリコーンゴムと溶媒とを混練したペーストなどを用いてもよい。
熱伝導性材料を含むシリコーンゴム層は、液体状またはペースト状のシリコーンゴムと熱伝導性材料とを混合した後に、得られた混合物を、空孔を有する多孔質PTFE層の表面に塗布し、熱処理して形成できる。
シリコーンゴム層を別途形成する場合、例えば、液体状またはペースト状のシリコーンゴムを基板に塗布した後に、溶媒の除去および/または熱処理を行えばよい。基板に塗布する前に、当該シリコーンゴムに熱伝導性材料を予め混合すれば、熱伝導性材料を含むシリコーンゴム層を形成できる。空孔を有する多孔質PTFE層とシリコーンゴム層との加熱圧着は、一般的な手法を用いて行えばよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
本実施例では、実施例サンプルを4種類(サンプル1〜4)、比較例サンプルを3種類(サンプルA〜C)準備し、各離型シートサンプルにおける、離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を評価した。
最初に、各サンプルの作製方法を示す。
−サンプル1−
PTFEファインパウダー(ダイキン工業社製 F104)80重量部と、液状潤滑剤として流動パラフィン20重量部とを混合して、ペーストとし、得られたペーストを押出加工して、円柱状の予備成形体を形成した。次に、形成した予備成形体を、先の押出方向と同一の方向へ圧延して、シート状のPTFE成形体(厚さ0.12mm)を形成した。
次に、形成したPTFE成形体を、先の圧延方向に一軸延伸(4倍)した後に、350℃で5分間焼成して、空孔を有する多孔質PTFE層(厚さ0.1mm)を得た。なお、得られた多孔質PTFE層の空孔率をポロシメーターにより測定したところ、56体積%であった。
次に、このようにして得た多孔質PTFE層の片面に、液体状のシリコーンゴム(信越シリコーン社製KE−1867)を塗布し(塗布の厚さ0.05mm)、120℃で24時間熱処理して、離型シート(サンプル1)を得た。シリコーンゴムの塗布には、アプリケーターを用いた。得られた離型シートの断面を観察したところ、図2に示すシリコーンゴム層2、多孔質PTFE層3(空孔を有する多孔質PTFE層)および多孔質PTFE層4(孔内にシリコーンゴムが充填された多孔質PTFE層)が形成されており、多孔質PTFE層3の厚さは約0.06mm(離型シートの厚さの約40%)であった。
−サンプル2−
液体状のシリコーンゴムの塗布の厚さを0.1mmにした以外は、サンプル1と同様にして、離型シート(サンプル2)を得た。得られた離型シートの断面を観察したところ、図2に示す各層が形成されており、多孔質PTFE層3の厚さは約0.05mm(離型シートの厚さの約25%)であった。
−サンプル3−
液体状のシリコーンゴムの塗布の厚さを0.2mmにした以外は、サンプル1と同様にして、離型シート(サンプル3)を得た。得られた離型シートの断面を観察したところ、図2に示す各層が形成されており、多孔質PTFE層3の厚さは約0.05mm(離型シートの厚さの約17%)であった。
−サンプル4−
サンプル1と同様にして形成したシート状のPTFE成形体(厚さ0.12mm)を、当該PTFE成形体を形成する際の圧延方向に一軸延伸(8倍)した後に、350℃で5分間焼成して、空孔を有する多孔質PTFE層(厚さ0.08mm)を得た。なお、得られた多孔質PTFE層の空孔率をポロシメーターにより測定したところ、85体積%であった。
次に、このようにして得た多孔質PTFE層の片面に、液体状のシリコーンゴム(信越シリコーン社製KE−1867)を塗布し(塗布の厚さ0.2mm)、120℃で24時間熱処理して、離型シート(サンプル4)を得た。シリコーンゴムの塗布には、アプリケーターを用いた。得られた離型シートの断面を観察したところ、図2に示す各層が形成されており、多孔質PTFE層3の厚さは約0.07mm(離型シートの厚さの約25%)であった。
−サンプルA(比較例)−
PTFEファインパウダー(ダイキン工業社製 F104)80重量部と、液状潤滑剤として流動パラフィン20重量部とを混合して、ペーストとし、得られたペーストを押出加工して、円柱状の予備成形体を形成した。次に、形成した予備成形体を、先の押出方向と同一の方向へ圧延し、シート状のPTFE成形体(厚さ0.12mm)を形成した。
次に、形成したPTFE成形体を延伸することなく、350℃で5分間焼成して、孔を有さないPTFE層(厚さ0.1mm)を得た。得られたPTFE層は、そのままサンプルAとした。
−サンプルB(比較例)−
上記サンプルAの片面に、液体状のシリコーンゴム(信越シリコーン社製KE−1867)を塗布し(塗布の厚さ0.2mm)、120℃で24時間熱処理して、離型シート(サンプルB)を得た。
−サンプルC(比較例)−
サンプル1と同様にして形成したシート状のPTFE成形体(厚さ0.12mm)を、当該PTFE成形体を形成する際の圧延方向に一軸延伸(2倍)した後に、350℃で5分間焼成して、空孔を有する多孔質PTFE層(厚さ0.11mm)を得た。なお、得られた多孔質PTFE層の空孔率をポロシメーターにより測定したところ、32体積%であった。
次に、このようにして得た多孔質PTFE層の一方の面に、液体状のシリコーンゴム(信越シリコーン社製KE−1867)を塗布した。シリコーンゴムの塗布にはアプリケーターを用い、当該塗布は、上記一方の面上に形成されるシリコーンゴム層の厚さが0.2mmとなるように行った。塗布後、全体を真空乾燥機に収容し、温度25℃において6時間真空に引いて、多孔質PTFE層における孔内にシリコーンゴムを浸透させた。次に、常圧下において全体を120℃で24時間熱処理して、離型シート(サンプルC)を得た。得られた離型シートの断面を観察したところ、シリコーンゴム層と、孔内にシリコーンゴムが充填された多孔質PTFE層(多孔質PTFE層4)とが形成されており、多孔質PTFE層4の厚さは約0.11mm(離型シートの厚さの約35%)であった。なお、サンプルCでは、空孔を有する多孔質PTFE層(多孔質PTFE層3)は形成されなかった。
このようにして準備した各サンプルを用いて、ACFを用いた電子部品の接合を行い、加熱圧着工程における各サンプルの離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を評価した。
評価は、図3に示すように、ガラス基板11、ACF(日立化成工業社製 AC2102)12、FPC13およびサンプル14を順に積層した後に、加熱加圧ヘッド15(日化設備エンジニアリング社、アニソルム熱圧着機AC−S50)により、ガラス基板11とFPC13とをACF12を介して加熱圧着して行った。加熱圧着の条件は、加熱加圧ヘッド15の設定温度300℃、圧着圧力3MPa、圧着時間20秒とした。
離型性の評価では、加熱圧着後におけるサンプル14とFPC13との剥離が問題なく行われれば合格(○)、サンプル14とFPC13との接着が確認されれば不合格(×)とした。
クッション性の評価では、加熱圧着後に、ACF12に含まれる導電性粒子の変形をガラス基板11側から確認し、変形がACF全体にわたって均一であれば合格(○)、変形がやや不均一であれば保留(△)、変形が不均一であれば不合格(×)とした。なお、導電性粒子の変形は、光学顕微鏡を用いて観察した。
熱伝導性は、ガラス基板11などを順に積層する際に、ACF12とFPC13との間に熱電対16を予め配置しておき、当該熱電対16により加熱圧着時におけるACF12近傍の最大温度を測定して評価した。
評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2006231916
表1に示すように、実施例サンプル1〜4では、比較例であるサンプルAおよびBとほぼ同等の離型性を保持したまま、サンプルAおよびBに比べて、柔軟性および熱伝導性を向上できた。
また、実施例サンプル1〜4では、比較例であるサンプルCに比べて、離型性、柔軟性および熱伝導性を向上できた。サンプルCは、多孔質PTFE層として、シリコーンゴムが孔に充填された層のみを有するため、加熱圧着時に変形しづらく、そのクッション性および熱伝導性がサンプル1〜4に比べて低くなったと考えられる。また、同様の理由から、その離型性にも劣る結果となったと考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、離型性、柔軟性(クッション性)および熱伝導性を並立させた圧着離型シートを提供できる。本発明の圧着離型シートを用いることによって、例えば、電子部品の加熱圧着工程におけるタクトタイムを短縮できる。
本発明の圧着離型シートの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の圧着離型シートの別の一例を模式的に示す断面図である。 実施例における、圧着離型シートサンプルの特性評価方法を説明するための模式図である。 異方性導電フィルム(ACF)を用いた電子部品の接合を説明するための模式図である。 ACFを用いた電子部品の接合を説明するための模式図である。 ACFを用いた電子部品の接合を説明するための模式図である。
符号の説明
1 圧着離型シート
2 シリコーンゴム層
3 空孔を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレン層
4 孔内にシリコーンゴムが充填された多孔質ポリテトラフルオロエチレン層
11 ガラス基板
12 異方性導電フィルム(ACF)
13 FPC
14 サンプル
15 加熱加圧ヘッド
16 熱電対
51 ガラス基板
52 電極
53 プリント回路基板(PCB)
54 回路パターン
55 異方性導電フィルム(ACF)
56 導電性粒子
57 圧着離型シート
58 加熱加圧ヘッド

Claims (9)

  1. 電子部品の加熱圧着による接合に用いられる圧着離型シートであって、
    シリコーンゴム層と、第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層とを含み、
    前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層が空孔を有し、
    前記シリコーンゴム層と前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層とが、互いに一体化されている圧着離型シート。
  2. 第2の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層をさらに含み、
    前記第2の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層は、シリコーンゴムが充填された孔を有し、かつ、前記シリコーンゴム層と前記第1のポリテトラフルオロエチレン層との間に配置されている請求項1に記載の圧着離型シート。
  3. 前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層の空孔率が、10体積%〜98体積%の範囲である請求項1に記載の圧着離型シート。
  4. 前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層の空孔率が、30体積%を超える請求項3に記載の圧着離型シート。
  5. 前記空孔の平均孔径が、0.05μm〜10μmの範囲である請求項1に記載の圧着離型シート。
  6. 前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層の厚さが、前記圧着離型シートの厚さの5%以上である請求項1に記載の圧着離型シート。
  7. 前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層の厚さが、5μm以上300μm以下である請求項1に記載の圧着離型シート。
  8. 前記圧着離型シートにおける一方の主面に前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層が、他方の主面に前記シリコーンゴム層が配置されている請求項1に記載の圧着離型シート。
  9. 前記第1の多孔質ポリテトラフルオロエチレン層および前記シリコーンゴム層を、一層ずつ含む請求項1に記載の圧着離型シート。
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