JP6984352B2 - 積層体の製造方法、および積層体 - Google Patents

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本発明は、積層体の製造方法、詳しくは薄さと層間回路絶縁性に優れた導電回路付き積層体の製造方法、および導電回路付き積層体に関する。
近年の回路性能や通信機能の向上、端末の軽薄短小化を背景として、現在多種多様なモバイル型電子デバイスが日常生活の広範囲に浸透しつつある。これらのモバイル型電子デバイス内の導電回路には、二次電池の容量(即ち容積や厚み)の増大の必要性や次世代型デバイスとしてのフレキシブルデバイス化への期待の観点から、更なる回路部分の薄型化が必要とされている。
特許文献1には、導電配線を立体的に多層化させる方法として、絶縁基材上に、導電インキからなる第1の導電配線、絶縁インキからなる絶縁層、導電インキからなる第2の導電配線、の順にスクリーン印刷法により積層パターン印刷を行うことで回路配線を形成する手法が開示されている([0017]、[0048]、図2)。
また、絶縁基材上に導電配線を直に設けるのではなく、剥離可能な基材上に導電配線を形成しておいたうえで、前記導電配線を剥離可能な基材から剥離し、絶縁基材に転写する手法も既に報告例がある。
例えば、特許文献2には、加熱により発泡ないし膨張する熱膨張剤を含有し加熱により粘着力を低減する粘着層の上に、導電層を含む転写膜を有する導電層転写シート、および前記導電層転写シートを被着体に接着し、加熱処理して粘着層の接着力を低減させたのち前記転写シートを剥離して、前記転写膜を被着体に移着する方法が開示されている(請求項1、2、7、[0010]〜[0014]等)。
また、特許文献3には、絶縁樹脂基板の第1主面側に埋設された互いに厚さの異なる第1及び第2導電層を備えた回路配線基板が開示されている(請求項1等)。
さらに、特許文献4には、転写フィルム上にガラスペーストにより印刷パターンを形成し、前記印刷パターンを基材上に熱転写した後、焼成を行う、転写式印刷パターン形成方法が開示されている(請求項1)。そして、前記ガラスペーストは、ガラスフリットと熱可塑性樹脂を含むものであり、焼成により前記熱可塑性樹脂を分解揮散させて、回路機能を発現させる旨記載されている([0036])。
特開2011−216756号公報 特開2000−154354号公報 特開2010−129604号公報 特開2000−151080号公報
特許文献1に記載されるような導電ペーストは、一般に導電粒子が多量に配合されるので、導電粒子の形状に由来する突起や導電粒子の凝集物に由来する突起が、通常の印刷などの配線形成法で形成される導電配線の表面に生じる。また、印刷方法そのものによる表面突起(例えば、スクリーン印刷におけるメッシュ痕など)も生じる。
絶縁層を間に挟み導電配線を立体的に多層化させる場合、導電配線の表面突起は層間絶縁性の不良原因となる。即ち、導電配線の表面突起によって、絶縁層が部分的に薄くなったり絶縁層にピンホールが発生したりして、短絡しやすくなる。そこで、層間絶縁性確保のためには、絶縁層をかなり厚くしたり、絶縁層を2層以上重ね刷りしたりする必要があり、積層回路の厚みやフレキシブル性を犠牲にせざるを得ない。
特許文献2に記載される転写法では、導電層を含む転写膜を、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法により得る旨記載されている(請求項4、[0036])。また、パターン化した転写膜を得る方法としては、真空蒸着等する際にパターンマスクを用いる方法、連続した転写膜をフォトリソグラフィ法などによりエッチング処理する方法、粘着剤層等の上にフォトリソグラフィ法などによりパターニングを施したのち無電解メッキ処理する方法などが開示されている([0041]、[0042])。
粘着層上に印刷によって直に精細な配線を形成することは困難であるため、特許文献2に記載される転写法の場合、前記したような方法で配線パターンを形成するものと解されるが、いずれの方法も非常に長い工程を必要とする。また、特許文献2に記載される転写法の場合、発泡や膨張では十分に粘着性が低減し切らないので、比較的高い剥離応力によって導電層表面に微細な突起が却って発生してしまうという問題があった。
特許文献3に記載される発明は、そもそも導電配線を立体的に多層化させる方法を開示するものではなく、同一の平面上に厚みの異なる導電層を形成しようとするものである。
しかも、特許文献3に記載される発明は、それ自体に接着能力が無い導電層および絶縁基板を用い、非常に高い温度と非常に高い圧力を加えることによって絶縁樹脂基板を変形させつつパターン化導電層を基板内へ埋設させるという方法である。従って、絶縁基板として熱収縮しやすい一般的な樹脂フィルムを用いようとする場合、埋設自体はし易いが埋設後の平坦な表面形成が難しいという欠点があった。逆に絶縁基板として全く熱変形しないガラス基板等を用いようとする場合、埋設が難しいという欠点があった。また、導電層の形成に導電インキ等を用いようとする場合には、上記加熱・加圧により配線パターンの広がりや変形が起こる点も問題であった。
特許文献4に記載される転写法は、前述の通り、ガラスフリットと熱可塑性樹脂を含むガラスペーストによる印刷パターンを転写後、焼成により前記熱可塑性樹脂を分解揮散させて、回路機能を発現させる方法である。従って、用いられる基板が、焼成に耐えられるガラス基板などに限られ、樹脂フィルムには適用できないという問題があった。
本発明の目的は、簡易な印刷プロセスと比較的温和な処理プロセスとによって、導電層表面の突起が無く回路として使用するに当たり薄膜性と層間絶縁性を両立可能な積層体を提供することである。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の表面状態の剥離性基材と、加熱または活性エネルギー線の照射によって、粘着性を喪失し得る粘着層とを利用することにより、下記[1]〜[10]の発明を完成した。
[1] 下記工程(1)、(2−1)、(3)、(4−1)、(5)、および(6−1)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線とを有する、第1積層体の製造方法。
工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
工程(2−1) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性基材の剥離性表面に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
工程(4−1) 前記粘着層に、前記工程(2−1)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
工程(6−1) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線を転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である第1の導電配線を形成する工程。
[2] 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、前記[1]記載の第1の導電配線を有する、第1積層体の製造方法。
[3] 下記工程(1)、(2−1)、(3)、(4−1)、(5)、(6−1)、(7)、(8)、および(9)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線と絶縁層Cと第2の導電配線とを有する、第3積層体の製造方法。
工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
工程(2−1) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
工程(4−1) 前記粘着層に、前記工程(2)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
工程(6−1) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線を転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である第1の導電配線を形成する工程。
工程(7) 前記工程(6−1)で転写された第1の導電配線上に絶縁層Cを形成する工程。
工程(8) 第2の導電性粒子を含む第2の導電性インキを用意する工程。
工程(9) 絶縁層C上に、前記第2の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第2の導電配線を形成する工程。
[4]
工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、前記[3]記載の第3積層体の製造方法。
[5] 下記工程(1)、(2−2)、(2−3)、(3)、(4−2)、(5)、および(6−2)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線と絶縁層Cとを有する、第2積層体の製造方法。
工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
工程(2−2) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面に、絶縁層Cを形成する工程。
工程(2−3) 前記絶縁層C上に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
工程(4−2) 前記粘着層に、前記工程(2−3)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
工程(6−2) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線および絶縁層Cを転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である絶縁層Cを形成する工程。
[6] 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、前記[5]記載の第2積層体の製造方法
[7] 下記工程(1)、(2−2)、(2−3)、(3)、(4−2)、(5)、(6−2)、(8)、および(9)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線と絶縁層Cと第2の導電配線とを有する、第3積層体の製造方法。
工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
工程(2−2) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面に、絶縁層Cを形成する工程。
工程(2−3) 前記絶縁層C上に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
工程(4−2) 前記粘着層に、前記工程(2−3)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
工程(6−2) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線および絶縁層Cを転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である絶縁層Cを形成する工程。
工程(8) 第2の導電性粒子を含む第2の導電性インキを用意する工程。
工程(9) 絶縁層C上に、前記第2の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第2の導電配線を形成する工程。
[8] 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、前記[7]記載の第3積層体の製造方法。
[9] 絶縁基材Aと、
受理層Bと、
第1の導電配線とがこの順番で積層されてなる第1積層体であって、
前記第1の導電配線が、第1の導電性粒子を含み、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である、
第1積層体。
[10] 前記[9]記載の第1積層体と、絶縁層Cと、第2の導電性粒子を含む第2の導電配線を具備する第3積層体であって、
前記絶縁層Cが、第1の導電配線と第2の導電配線との間に位置する、第3積層体。
本発明により、層間絶縁性を損なう微細突起の無い第1の導電配線を簡易に形成することが可能となり、その上の絶縁層の厚塗りや2回以上の積層印刷が必要無く、比較的膜厚の薄い絶縁層を有する導電配線の積層体を提供することができる。これにより工程の短縮や製造コストの低下だけでなく、総厚みが薄くそれ故に柔軟な積層回路基板とすることができる。
第1積層体を製造する方法を説明するための工程図である。 第1積層体を経て、第3積層体を製造する方法を説明するための工程図である。 第2積層体の製造方法を説明するための工程図である。 第2積層体を経て、第3積層体を製造する方法を説明するための工程図である。 平方根平均粗さRqの概念図を示す。 粗さのスキューネスRskの概念図を示す。
以下、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
まず、第1積層体の製造方法、および第1積層体を経て、第3積層体を製造する方法について説明する。
[工程(1):第1の導電性インキの調整]
まず本発明における工程(1)、即ち第1の導電性インキの調整について説明する。
本発明の第1の導電性インキは第1の導電性粒子を必須とし、必要に応じて樹脂およびその他成分を含んでなる、流動性を有し、パターン印刷可能な液状インキであり、印刷後に加熱および/または活性エネルギー線照射により乾燥・硬化し、導電性を発現するものであれば特に制限されない。第1の導電性インキは乾燥・硬化後に導電配線として使用されるため、その導電性は導電配線塗膜の体積固有抵抗として1.0×10−6Ω・cm以上1.0×10−1Ω・cm未満であることが好ましく、1.0×10−6Ω・cm以上1.0×10−4Ω・cm未満であることがより好ましい。
[第1の導電粒子]
本発明の第1の導電性インキの調整に用いられる第1の導電性粒子としては、金属粉、導電性酸化物粉、または炭素系導電粉等を用いることができるが、必要な導電性を付与することが可能な限りにおいて特に限定されない。導電性粒子の粒径としては、導電性インキとしての流動性および導電性を損なわない限り特に制限されないが、過剰に凹凸の大きな配線とならないために、平均粒子径として10μm以下のものが好ましい。また、第1の導電性粒子としては、1種単独または2種以上併用して用いることもできる。
上記金属粉としては、例えば金、銀、銅、ニッケル等の金属元素からなる微粒子を用いることができ、これらの金属元素を含む合金材質の微粒子であってもよい。また、前記金属粉や樹脂、ガラス製の粉末をコア材として、その表面をコア材とは異なる種類の前記金属でコーティングもしくはめっきされた表面コート粉であってもよい。これらの金属粉の中でも、特に導電性の観点で銀粉、銅粉および表面銀コート粉が好ましい。また、金属粉表面は脂肪酸やアルキルアミン等で処理されたものも好ましい。上記金属粉の粒子形状としては、球状、フレーク状、球の凝集体状、ワイヤー状、ウィスカー状のものを特に制限なく用いることができる。また、上記金属粉としては極めて導電性に優れた導電配線を形成可能な点において、平均粒子径が1nm以上1μm未満の金属ナノ粒子であることも好ましい。
上記導電性酸化物粉としては、高導電性の酸化物半導体からなる微粒子であれば特に制限なく使用することができるが、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)などが挙げられる。
上記炭素系導電粉としては、グラファイト、活性炭、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素同素体を主とした導電性粉末であれば特に制限なく使用することができる。
本発明における第1の導電性インキには、被膜強度や密着性を付与する観点で必要に応じて樹脂を含んでもよい。本発明の第1の導電性インキに用いられる樹脂としては、公知の合成樹脂または天然樹脂を特に制限なく使用することができ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂に大きく分類される。なお、本発明においては、元来硬化性を有しない樹脂であったとしても、変性等の所作によって熱硬化性の官能基が導入された樹脂は熱硬化性樹脂とみなし、光硬化性の官能基が導入された樹脂は光硬化性樹脂とみなす。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂などがあげられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、α‐オレフィン化合物などのオレフィンモノマーやブタジエン、イソプレン、β−ファルネセンなどのジエンモノマーを重合して得られるホモポリマーまたはコポリマーならびにさらにスチレン等を共重合したブロックポリマーであればよく、例えば、スミカセンシリーズ(ポリエチレン、住友化学社製)住友ノーブレン(ポリプロピレン、住友化学社製)三井EPTシリーズ(エチレンプロピレンゴム、三井化学社製)、ミラストマーシリーズ(オレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学社製)、アペルシリーズ(エチレン−環状オレフィンコポリマー、三井化学社製)エルクリスタシリーズ(α−オレフィンポリマー、出光興産社製)、タフテックシリーズ(スチレン−ブタジエン系ブロックポリマー、旭化成社製)、クレイトンG,DおよびFGシリーズ(スチレン−ブタジエン系ブロックポリマー、クレイトンポリマー社製)などが挙げられる。
ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルなどのビニルエステルの重合により得られるポリマーおよびビニルエステルとエチレンなどのオレフィン化合物とのコポリマーであればよく、例えば、エスレックシリーズ(積水化学工業社製)、ゴーセノールシリーズ(部分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学社製)、ソアレックスSシリーズ(エチレン−酢酸ビニル共重合体、日本合成化学社製)などが挙げられる。
スチレン・アクリル系樹脂としては、スチレンや(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド類などからなるホモポリマーまたはコポリマーであればよく、例えば、ザレックシリーズ(シンジオタクチックポリスチレン、出光興産社製)、バレックスシリーズ(ポリアクリロニトリル、三井化学社製)、アクリフトシリーズ(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、住友化学社製)、ハリアクロンシリーズ(アクリルコポリマー、ハリマ化成社製)、ハイパールシリーズ(アクリルコポリマー、根上工業社製)などが挙げられる。
ジエン系樹脂としては、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物のホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの水素添加物であればよく、住友SBR(スチレン−ブタジエンゴム、住友化学社製)、セプトンシリーズ(スチレン−イソプレンブロックコポリマー、株式会社クラレ製)などが挙げられる。
テルペン樹脂としては、テルペン類からなるポリマーまたはその水素添加物であればよく、YSレジンシリーズ(テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製)、クリアロンシリーズ(水添テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製)などが挙げられる。
石油系樹脂としては、マルカレッツMシリーズ(ジシクロペンタジエン型石油樹脂、丸善石油化学社製)、アイマーブシリーズ(水添石油樹脂、出光興産社製)、アルコンシリーズ(水添石油樹脂、荒川化学社製)などが挙げられる。
セルロース系樹脂としては、SOLUSシリーズ(セルロースアセテートブチレート樹脂、イーストマンケミカル社製)などが挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、ユニチカナイロン6シリーズ、ユニチカナイロン66シリーズ(いずれもユニチカ社製)、ニューマイドシリーズ(ハリマ化成社製)、ダイアミドシリーズ、ベスタミドシリーズ(いずれもダイセル・エボニック社製)などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、ミラクトランシリーズ、ニッポランシリーズ(いずれも日本ポリウレタン工業社製)、クラミロンU−8000シリーズ(株式会社クラレ製)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、エリーテルシリーズ(ユニチカ社製)、バイロンシリーズ(東洋紡績社製)、ニチゴーポリエスターシリーズ(日本合成化学社製)、プリマロイシリーズ(三菱化学社製)などが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、タフロンシリーズ(ビスフェノールAポリカーボネート、出光興産社製)、タフゼットシリーズ(特殊ポリカーボネート、出光興産社製)などが挙げられる。
ポリイミド系樹脂としては、オーラムシリーズ(熱可塑性ポリイミド、三井化学社製)、バイロマックスHRシリーズ(ポリアミドイミド樹脂、東洋紡績社製)、HCPシリーズ(ポリアミドイミド樹脂、日立化成式会社製)、HCIシリーズ(ポリアミック酸型ポリイミド樹脂、日立化成式会社製)などが挙げられる。
フッ素樹脂としては、CYTOP(旭硝子社製)などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、加熱による架橋反応に利用できる官能基、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、メトキシメチル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、ブロック化カルボキシル基、シラノール基などを1分子中に1つ以上有する樹脂であればよく、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、官能基変性ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、本発明における熱硬化性樹脂は、上記の樹脂に加え、必要に応じて上記の官能基と反応し化学的架橋を形成する樹脂または低分子化合物などの所謂「硬化剤」と称する化合物を含んでもよい。
アクリル樹脂としては、アクリディックシリーズ(水酸基またはカルボキシル基含有アクリル樹脂、DIC社製)、8UAシリーズ(水酸基含有ウレタングラフトアクリル樹脂、大成ファインケミカル社製)などが挙げられる。
マレイン酸樹脂としては、マルキードシリーズ(マレイン酸樹脂、荒川化学社製)、アラスターシリーズ(スチレン−マレイン酸樹脂、荒川化学社製)、イソバンシリーズ(イソブチレン−無水マレイン酸ブロックコポリマー、株式会社クラレ製)などが挙げられる。
官能基変性ポリジエン系樹脂としては、Poly bdシリーズ(水酸基末端ポリブタジエン、出光興産社製)Poly ipシリーズ(水酸基末端ポリイソプレン、出光興産社製))、エポールシリーズ(水酸基末端水添ポリイソプレン、出光興産社製)、NISSO−PBシリーズ(ポリブタジエン系樹脂、日本曹達社製)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、エリーテルシリーズ(水酸基末端またはカルボキシル基末端ポリエステル、ユニチカ社製)、バイロンシリーズ(水酸基末端またはカルボキシル基末端非晶質ポリエステル、東洋紡績社製)、ニチゴーポリエスターシリーズ(日本合成化学社製)などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、バイロンURシリーズ(水酸基末端およびまたはカルボキシル基含有ポリエステルウレタン、東洋紡績社製)などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、エポトートシリーズ(東都化成社製)、jERシリーズ(三菱化学社製)、エピクロンシリーズ(DIC社製)などが挙げられる。
オキセタン樹脂としては、アロンオキセタンシリーズ(東亜合成社製)、エタナコールシリーズ(宇部興産社製)などが挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、jER1256、jER4275(いずれも三菱化学社製)、PKHH、PKHB(いずれもInChem社製)などが挙げられる。
ポリイミド樹脂としては、ユニディックV−8000シリーズ(カルボキシル基含有分岐ポリイミド樹脂、DIC社製)などが挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、ニューマイドシリーズ(ハリマ化成社製)、トレジンシリーズ(長瀬ケムテックス社製)などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、ハリフェノールシリーズ(ロジン変性フェノール樹脂、ハリマ化成社製)、フドウライトシリーズ(フドー社製)、ニカノールシリーズ(キシレン樹脂、フドー社製)、マルカリンカーシリーズ(ポリパラビニルフェノール樹脂、丸善石油化学社製)、フェノライトシリーズ(ノボラック型フェノール樹脂、DIC社製)などが挙げられる。
アルキド樹脂としては、ベッコゾールシリーズ(DIC社製)、ハリフタールシリーズ(ハリマ化成社製)などが挙げられる。
アミノ樹脂としては、ベッカミンシリーズ(DIC社製)、サイメルシリーズ(三井サイテック社製)、メランシリーズ(日立化成工業社製)などが挙げられる。
オキサゾリン樹脂としては、エポクロスシリーズ(日本触媒社製)、1,3−PBO(三國製薬工業社製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン樹脂としては、P−d、F−a(いずれも四国化成工業社製)などが挙げられる。
シリコーン樹脂としては、KRシリーズ、ESシリーズ(ともに信越シリコーン社製)、サイラプレーンシリーズ(チッソ社製)、ゼムラックシリーズ(株式会社カネカ製)などが挙げられる。
フッ素樹脂としては、ルミフロンシリーズ(旭硝子社製)、フルオネートシリーズ(水酸基含有フッ素樹脂、DIC社製)などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射による架橋反応に利用できる官能基、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基、オキセタニル基などを1分子中に1つ以上有する樹脂であれば特に限定されず、低分子化合物である所謂「単量体」もしくは「モノマー」と称する化合物、オリゴマーなどもこれに属するものとする。例えば、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ジエポキシド樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
アクリル(メタ)アクリレートとしては、8KXシリーズ(大成ファインケミカル社製)などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、紫光シリーズ(日本合成化学社製)、ビームセット500シリーズ(荒川化学社製)、ユニディックV−4000シリーズ(DIC社製)、EBECRYLシリーズ(ダイセル・オルネクス社製)、アートレジンシリーズ(根上工業社製)などが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ビームセット700シリーズ(荒川化学社製)、EBECRYLシリーズ(ダイセル・オルネクス社製)などが挙げられる。
ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、EBECRYL80、EBECRYL81、EBECRYL83(いずれもダイセル・オルネクス社製)などが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、KAYARAD ZARおよびZFRシリーズ(日本化薬社製)、ディックライトシリーズ(DIC社製)、リポキシシリーズ(昭和高分子社製)などが挙げられる。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートとしては、PCD−DMシリーズ、PCD−DAシリーズ(いずれも宇部興産社製)などが挙げられる。
本発明の第1の導電性インキに使用される樹脂は必須成分では無く、例えば第1の導電性粒子として金属ナノ粒子を用いる場合など樹脂を添加しなくとも導電配線塗膜の被膜強度や密着性の観点で問題が無い場合には樹脂を含まなくてもよい。
また、樹脂として活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる際には、活性エネルギー線照射に伴い開始種となるラジカル種を発生する必要がある。この際、光ラジカル発生剤は必要に応じて添加すればよく、活性エネルギー線が電子線であったり活性エネルギー線硬化性樹脂自体にラジカル開始能があったりする場合には使用しなくともよいが、例えば公知の光ラジカル開始剤であれば特に制限なく用いることができる。
このような光重合開始剤の例としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシー2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;メチルフェニルグリオキシレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノフェニルグリオキシレート、ジエチレングリコールジフェニルグリオキシレート等のフェニルグリオキシル酸エステル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’ −テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’ −テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等が挙げられる。これらは1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明における第1の導電性インキには、性能を補助する目的でその他成分として更に溶剤、反応性希釈剤、硬化剤、光ラジカル発生剤、熱ラジカル発生剤、硬化触媒、分散剤、界面活性剤、ワックス、染料、顔料、酸化防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、保湿剤、粘度調整剤、チクソトロピー付与剤、可塑剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、フィラー等を添加することができる。
本発明における第1の導電性インキは、上記原料を公知の混合・分散装置を用いて湿式混合・分散することにより製造することができる。混合・分散装置としては、例えばホモディスパー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、トリミックスミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、バンバリーミキサー、遊星式攪拌装置、フーバーマーラー、二軸混練機、ビーズミル、サンドミル、三本ロールミル等が挙げられるが、これらのうち1つの装置を単独で用いても、2つ以上の装置を併用して混合・分散しても良い。これらの中でも作業性の観点でプラネタリーミキサー、二軸押出機、遊星式攪拌装置、三本ロールミルが好ましく、分散に際し大きなせん断力が得られる点で三本ロールミルがより好ましい。
[工程(2−1):第1の導電配線の形成]
次に本発明における工程(2−1)、即ち第1の導電配線の形成方法について説明する。
図1、2の(2−1)に示すように、剥離性表面を有する剥離性基材1の前記剥離性表面上に対し、前記第1の導電性インキを公知の印刷または塗布方法により、導電配線として好適な形状にパターニング塗布し、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことによって、第1の導電配線2を形成することができる。
前記のような公知の印刷または塗布方法としては、例えばオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷、パッド印刷、反転オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーンオフセット印刷、マイクロコンタクト印刷、ディスペンサー塗布、ジェットディスペンサー塗布、マイクロニードル塗布、スプレーマスキング塗布などが挙げられる。これらの中でも、より多種の基材に対応可能な点でパターニング精度にも優れる点からインクジェット印刷またはスクリーン印刷が好ましく、特にスクリーン印刷がより好ましい。
第1の導電性インキは、公知の加熱乾燥装置を用いて加熱処理を行うことにより乾燥・硬化し第1の導電配線2としての特性を発現することができる。このような加熱乾燥装置としては、熱風乾燥オーブン、減圧加熱乾燥オーブン、真空加熱乾燥オーブン、電気炉オーブン、赤外線乾燥オーブンなどが挙げられる。
これら加熱乾燥装置の形態としては、バッチ式であってもよく、コンベア方式などの連続式であってもよい。また、加熱に際し有機化合物等の可燃性ガスが発生する場合があることから、防爆機構を備えたものであることが特に好ましい。
第1の導電性インキが活性エネルギー線硬化型の樹脂成分を有するものである場合には、公知の活性エネルギー線照射装置を用いて活性エネルギー線照射処理を行うことにより乾燥・硬化し第1の導電配線2としての特性を発現することができる。
このような活性エネルギー線照射装置としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマ―ランプ、UV−LED等の紫外線照射装置やキセノンフラッシュランプなどのフラッシュアニーリングが行える照射装置、電子線照射装置などが挙げられる。これら活性エネルギー線照射装置の形態としては、バッチ式であってもよく、コンベア方式などの連続式であってもよい。
第1の導電配線2の厚みは、0.1μm〜10μm程度であることが好ましい。第1の導電配線2の厚みが0.1μm以上であることにより良好な導電性が得られ、また10μm以下であることにより回路配線基板の総厚を低減でき、フレキシブル性を向上できる。
[剥離性基材1]
本発明に用いられる剥離性基材としては、基材の少なくとも片面の表面に導電配線および絶縁層を印刷形成可能であり、かつその後の転写工程(6−1)または(6−2)において後述する絶縁性基材Aの表面に導電配線および絶縁層が容易に転写できる基材であれば特に制限されない。具体的には、例えばプラスチックフィルムやガラス板、金属板などの基材上にシリコーン剥離処理、シリコーン樹脂コーティング、非シリコーン系剥離コーティング、ノンシリコーン系剥離コーティング、シランカップリング剤剥離処理、長鎖アルキルイソシアネート系剥離コーティング等の剥離性処理がなされている剥離性処理基材ものであってもよく、またテフロンシートやシリコーンゴムシート、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等の表面処理無しで基材そのものが剥離性を示す自己剥離性基材であってもよい。
本発明では、剥離性基材1として、平方根平均粗さRqが0.1nm〜150nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50であるものを用いることが重要であり、平方根平均粗さRqが0.1nm〜100nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.20であるものが好ましい。
平方根平均粗さRqが150nm以下の剥離性基材1を用いることによって、後の転写工程において良好な転写を達成できる。平方根平均粗さRqが0.1nm以上の剥離性基材1を用いることによって、第1の導電配線2が剥離性基材1へ適度に付着し、転写工程の前に剥離性基材1から導電配線2が脱落しない。また、粗さのスキューネスRskが−0.30以上の剥離性基材1を用いることによって、その形状が導電配線の表面に写し取られることとなるので、導電配線の表面の微細突起の生成が抑制される。粗さのスキューネスRskが+1.50以下の剥離性基材1を用いることによって、後の転写工程において良好な転写を達成できる。
尚、本発明における平方根平均粗さRqは、JIS規格JIS B 0601:2001において2乗平均平方根粗さとも呼称されるものと同義であり、下記式(1)によって定義される表面粗さの標準偏差として規定される2次元の形状パラメータである(概念図を図7に示す)。尚、本発明における平方根平均粗さRqは、測定対象の表面を干渉光顕微鏡などにより測定して得られた3次元形状データから切り出された任意の断面の輪郭曲線に対し、フィルタ処理(ロバストガウシアン回帰フィルタ、カットオフ波長0.04mm)を行うことにより、カットオフ波長より長い波長のうねり成分を除外し、カットオフ波長より短い波長の粗さ成分のみを算出し、断面を変えて5点平均した値である。
即ち、平方根平均粗さRqの値が大きい程表面の凹凸が多く、小さい程表面の凹凸が少なく平滑であることを表している。
式1
Figure 0006984352
[式(1)中のlは基準長さ(任意の断面の輪郭曲線の横幅)を、Z(x)は断面の輪郭曲線中の任意の位置xにおける高さを表す]
また、本発明における粗さのスキューネスRskも同様にJIS規格JIS B 0601:2001において規定されている2次元の形状パラメータであり、下記式(2)によって定義されるように二乗平均平方根高さ(Zq)の三乗によって無次元化した基準長さにおけるZ(x)の三乗平均を表したものである。Rskも同様に材料表面を干渉光顕微鏡などにより測定して得られた3次元形状データから切り出された任意の断面の輪郭曲線に対し、フィルタ処理(ロバストガウシアン回帰フィルタ、カットオフ波長0.04mm)を行うことにより、カットオフ波長より長い波長のうねり成分を除外し、カットオフ波長より短い波長の粗さ成分のみを算出し、断面を変えて5点平均した値である。概念図を図8に示す。
即ち、粗さのスキューネスRskは歪度(わいど)を意味し、平均線を中心としたときの山部と谷部の対称性を表すため、正の値であると表面粗さは上方向の突起として存在し、負の値であると下方向の窪みとして存在することを表している。
式2
Figure 0006984352
[式(2)中のlは基準長さ(任意の断面の輪郭曲線の横幅)を、Z(x)は断面の輪郭曲線中の任意の位置xにおける高さを、Rqは前記平方根平均粗さを表す]
[工程(3):絶縁基材A上に粘着層を設ける工程]
本発明における工程(3)、即ち絶縁基材A上に粘着層を設ける工程について説明する。
工程(3)では、図1、2の(3)に示すように、プラスチックフィルムである絶縁基材A上に、公知のコーティング方法または印刷方法により粘着剤溶液を、基材全面に、または一部にパターン化して塗布し、次いで加熱乾燥することにより、絶縁基材A上に粘着層4を形成する。
粘着層4の形成に用いられる粘着剤としては、粘着層4として後述する工程(4−1)においては十分な粘着性を有し、かつ後述する工程(5)における加熱または活性エネルギー線の照射によって粘着性を喪失し、後述する工程(6−1)において、第1の導電配線2にとって密着性に優れる受理層Bを形成し得るものであれば特に制限はない。
このような粘着剤としては、活性エネルギー線の照射により粘着力を喪失する活性エネルギー線粘着消失粘着剤や、加熱によりにより粘着力を喪失する熱粘着消失粘着剤が挙げられる。
これらの粘着剤は加熱または活性エネルギー線の照射によって材料中の架橋反応性官能基同士の架橋により、剥離性基材1に対しての粘着力および表面のべたつき感を喪失させ、粘着層Bを形成する。
活性エネルギー線粘着消失粘着剤としては、粘着樹脂および前記活性エネルギー線硬化性樹脂を必須の成分とし、必要に応じて前記光ラジカル発生剤を含んでなるものが挙げられる。
粘着樹脂としては、一般的な粘着剤用のベース樹脂として使用しうるガラス転移点−10℃以下−90℃以上の樹脂であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、アクリル系粘着樹脂、ウレタン系粘着樹脂、シリコーン系粘着樹脂、ゴム系粘着樹脂などが挙げられ、粘着性に優れる点でアクリル系粘着樹脂が好ましい。アクリル系粘着樹脂としては、十分な凝集力を発現する観点から、重量平均分子量として20万〜200万程度のものが好ましい。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂としては、粘着力および表面のべたつき感を完全に喪失させる点において官能基数が4〜15のものを用いることが好ましい。
粘着樹脂と活性エネルギー線硬化性樹脂の比率は重量比として30:70〜70:30であることが好ましい。
熱粘着消失粘着剤としては粘着樹脂および前記熱硬化性樹脂を必須の成分とするものが挙げられる。粘着樹脂としては、前記活性エネルギー線粘着消失粘着剤に使用しうるものと同様のものを用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、粘着力および表面のべたつき感を完全に喪失させる点において官能基数が4〜100のものを用いることが好ましい。
また、粘着樹脂と熱硬化性樹脂の比率は重量比として30:70〜70:30であることが好ましい。
その他活性エネルギー線粘着消失粘着剤および熱粘着消失粘着剤には、性能を補助する目的でその他成分として更に溶剤、反応性希釈剤、架橋剤、硬化触媒、タッキファイヤ―、界面活性剤、ワックス、染料、顔料、酸化防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、粘度調整剤、チクソトロピー付与剤、可塑剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、フィラー等を添加することができる。
粘着剤の全面コーティング方法としては、コンマコート、リップコート、カーテンコート、ブレードコート、グラビアコート、キスコート、リバースコート、マイクログラビアコート、等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
また、粘着層をパターン化して形成する場合には、印刷方法として前記第1の導電配線の形成に使用されうる公知の印刷方法と同様の方法を用いることができる。
粘着層の厚みは、5μm〜50μm程度であることが好ましい。感圧性接着剤の厚みが5μm未満であると十分な接着性が得られず、また50μmを越えると回路配線基板の総厚増加およびフレキシブル性低下の観点で好ましくない。
[絶縁性基材A]
絶縁性基材Aとしては、フレキシブルで薄型の配線回路基板とするためにプラスチックフィルムを用いることが望ましい。前記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル類、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィン樹脂(COP)、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル樹脂、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアセタール、三酢酸セルロース、フッ素樹脂板、ポリメチルペンテン、ポリウレタン、フタル酸ジアリル樹脂、セロハン等の公知のフィルムや、紙、ナノペーパー、プラスチックペーパー、不織布等の繊維集合体のシートが使用できるが、価格や特性の面でポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートが好ましい。
絶縁性基材Aの厚みとしては、5〜200μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。厚みが5μm未満であると取扱い性が悪くなり、200μmを越えると、回路配線基板の総厚増加およびフレキシブル性低下の観点で好ましくない。
[工程(4−1):第1の導電配線と粘着層との貼り合せ工程]
次に工程(4−1)、即ち第1の導電配線2と粘着層4との貼り合せ工程について説明する。
図1、図2の(4−1)に示すように、前記粘着層4に、前記工程(2)で形成された第1の導電配線2を貼り合わせる。図では簡略化のために示さないが、前記粘着層4に、前記工程(2)で第1の導電配線2が形成されず露出している前記剥離性基材1の剥離性表面も貼り合わせることが好ましい。
前記粘着層4に、第1の導電配線2等を貼り合わせる方法としては、常温ラミネートや加温ラミネート、加圧ラミネート、加熱加圧ラミネートがある。中でもラミネート精度と簡便性の点で、機械式ラミネーターを使用した常温ラミネートが好ましいが、第1の導電配線2等と粘着層4との間に空気が入ると、所望の性能が得られないことから、真空ラミネートを実施することも好ましい。
[工程(5):受理層Bの形成工程]
次に工程(5)、即ち受理層Bの形成工程について説明する。
工程(5)は、図1、図2の(5)に示すように、工程(4−1)において得られた中間のラミネート物に対し、加熱または活性エネルギー線の照射によって粘着層4を硬質化し第1の導電配線2との接着を固定化するとともにその露出部の粘着性を喪失させ、受理層Bを形成する工程である。
工程(5)における加熱方法としては、前記第1の導電配線2形成時に用いた加熱方法と同様の方法を使用することができるが、簡便のため熱風乾燥オーブンまたは赤外線乾燥オーブンを使用して加熱することが好ましい。
工程(5)における活性エネルギー線の照射方法としても、前記第1の導電配線2形成時に用いた活性エネルギー線方法と同様の方法を使用することができる。剥離性基材1側から活性エネルギー線を照射すると、第1の導電配線2の陰の部分の粘着層4が活性エネルギー線を十分に受光できず、第1の導電配線2との界面における受理層Bの硬質化および粘着性の喪失が不十分となる可能性がある。粘着性の硬質化が不十分だと、後述する工程(6−1)で剥離性基材1を剥がそうとする際、第1の導電配線2が軟質の受理層Bと一緒に剥離性基材1側に引っ張られて変形し、表面の突起が増加してしまう可能性がある。活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射することによって、第1の導電配線2の裏面(即ち、第1の導電配線2と粘着層4との界面)に活性エネルギー線が照射されるため、第1の導電配線をより硬質で変形しにくい受理層Bに固定化することができる点においてより好ましい。
[工程(6−1):剥離性基材の剥離工程]
工程(6−1)、即ち剥離性基材の剥離工程について説明する。
図1、図2の(6−1)に示すように、絶縁基材A上に設けられた受理層Bに第1の導電配線2を残す形で剥離性基材1を剥離し、第1の導電配線2を剥離性基材1から受理層Bに転写する。剥離性基材1の剥離方法には特に制限はないが、剥離時の剥離角を安定化させるため、ロールtоロールラインでの剥離が好ましい。
工程(6−1)における剥離性基材1の剥離により、剥離性基材1の表面形状が反転転写された、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である第1の導電配線2を得ることができる。これにより第1積層体の製造方法を完了し、第1積層体が得られる。
[工程(7):絶縁層Cの形成]
続いて、図2に基づき第3積層体の製造方法を各工程に沿って説明する。
工程(7)は、絶縁層Cの形成工程であり、第3積層体の製造方法においてのみ必要な工程である。
工程(7)は、図2の(7)に示すように、工程(6−1)で得られた第1積層体における第1の導電配線2上に、後述する絶縁性インキを公知の印刷方法により印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことによって絶縁層Cを形成する工程である。図2では、第1の導電配線2の全面を覆うように、絶縁層Cを設ける場合を示したが、絶縁層Cは第1の導電配線2が一部露出するように必要な部分、即ち後述する第2の導電配線6との間のみに位置するように設けることもできる。また、図2では簡略化のために示さないが、絶縁層Cは、受理層Bの表面も覆うように設けることもできる。
[絶縁性インキ]
工程(7)の絶縁層C形成に用いる絶縁性インキとしては、樹脂を必須成分とし、必要に応じて硬化剤または光ラジカル発生剤、その他成分を含んでなる、流動性を有し、パターン印刷可能な液状インキであり、印刷後に加熱および/または活性エネルギー線照射により乾燥・硬化し、絶縁性を発現するものであれば特に制限されない。絶縁性インキは乾燥・硬化後に絶縁層として使用されるため、その絶縁性は絶縁層塗膜の体積固有抵抗として1.0×1010Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm未満であることが好ましく、1.0×1012Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm未満であることがより好ましい。
前記絶縁性インキに用いられる樹脂としては、前記第1の導電配線の調整に使用し得るものとして挙げた樹脂を特に制限なく用いることができる。また、絶縁性インキを熱硬化性とする場合には硬化剤として前記熱硬化性樹脂を用いることができ、絶縁性インキを活性エネルギー線硬化性とする場合には前記光ラジカル開始剤を併用しても良い。
前記絶縁性インキには、性能を補助する目的でその他成分として更に溶剤、反応性希釈剤、硬化剤、熱ラジカル発生剤、硬化触媒、分散剤、界面活性剤、ワックス、染料、顔料、酸化防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、保湿剤、粘度調整剤、チクソトロピー付与剤、可塑剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、フィラー等を添加することができる。
工程(7)における絶縁性インキの印刷方法としては、前記第1の導電配線の形成に使用されうる公知の印刷方法と同様の方法を用いることができる。
また、工程(7)における加熱方法としては、前記第1の導電配線形成時に用いた加熱方法と同様の方法を使用することができるが、簡便のため熱風乾燥オーブンまたは赤外線乾燥オーブンを使用して加熱することが好ましい。
工程(7)における活性エネルギー線の照射方法としても、前記第1の導電配線形成時に用いた活性エネルギー線方法と同様の方法を使用することができる。
絶縁層Cの厚みは、0.2μm〜20μm程度であることが好ましい。第1の導電配線の厚みが0.2μm未満であると十分な層間絶縁性が得られず、また20μmを越えると回路配線基板の総厚増加およびフレキシブル性低下の観点で好ましくない。
[工程(8):第2の導電性インキの調整]
工程(8)、即ち第2の導電性インキの調整工程について説明する。
工程(8)における第2の導電性インキおよびその調整法については、前記第1の導電性インキおよびその調整法と同様のものを用いることができる。第2の導電性インキおよびその調整法には、第1の導電性インキおよびその調整法と同じものを使用しても良いし、異なる導電性インキおよび異なる調整法を用いても良い。
[工程(9):第2の導電配線の形成]
工程(9)、第2の導電配線の形成工程について説明する。
図2の(9)に示すように第2の導電インキを用いて、前記工程(7)で得られた積層体の最表面に位置する絶縁層C上に、第1の導電配線の形成で用いた公知の印刷方法および加熱または活性エネルギー線の照射方法を使用することで第2の導電配線6を形成することができる。第2の導電配線6の形成に用いる印刷方法および加熱または活性エネルギー線の照射方法は、それぞれ第1の導電配線と同様の方法を用いてよいしそれぞれ異なる方法を用いても良い。
これにより第3積層体の製造方法を完了し、第3積層体が得られる。
次に、第2積層体の製造方法、および第2積層体を経て、第3積層体を製造する方法について説明する。
なお、前述の第1積層体の製造方法、および第1積層体を経て、第3積層体を製造する方法の場合共通の前記工程(1)、工程(3)、工程(5)、工程(8)、および工程(9)については、その説明を省略する。
[工程(2−2):絶縁層の形成]
工程(2−2)、即ち剥離性基材上への絶縁層Cの形成方法について説明する。
工程(2−2)は、図3、図4の(2−2)に示すように剥離性基材1上へ直接絶縁層Cを形成する。この際、絶縁層Cは剥離性基材1が一部露出するように必要な部分のみを被覆していてもよい。
工程(2−2)における剥離性基材1としては、前記工程(2−1)と同様のものを用いることができ、絶縁層Cの形成方法についても、前記工程(7)と同様に行うことができる。
[工程(2−3):第1の導電配線の形成]
工程(2−3)、即ち剥離性基材上に形成した絶縁層C上への第1の導電配線の形成方法について説明する。
工程(2−3)は、図3、図4の(2−3)に示すように、前記絶縁層C上に第1の導電配線2を形成する工程である。この際、第1の導電配線2は絶縁層Cが一部露出するように必要な部分のみを被覆していてもよく、さらに絶縁層Cで覆われていない剥離性基材2上に直接印刷されている部分があってもよい。工程(2−3)における第1の導電配線2の形成方法および用いられる第1の導電性インキとしては、何れも工程(2−1)と同様のものを用いることができる。
[(4−2):第1の導電配線・絶縁層と粘着層との貼り合せ工程]
前述の第1積層体の製造方法の場合と同様に、絶縁基材A上に粘着層4を設けておく。
工程(4−2)は、図3、4の(4−2)に示すように、前記粘着層4に前記工程(2−3)で形成された第1の導電配線2を貼り合わせる工程である。表面を貼り合わせる方法としては、前述の工程(4−1)で用いられるラミネート方法と同様の方法を用いることができる。
[(6−2):剥離性基材の剥離工程]
工程(6−2)は、図3、図4の(6−2)に示すように、工程(4−2)の後、剥離性基材1と絶縁層Cとの間を剥離し、絶縁基材A上に設けられた受理層Bに、第1の導電配線2および絶縁層Cを転写する工程である。
前述の工程(6−1)の場合と同様、剥離性基材の剥離方法には特に制限はないが、剥離時の剥離角を安定化させるため、ロールtоロールラインでの剥離が好ましい。
工程(6−2)における剥離性基材1の剥離により、剥離性基材1の表面形状が絶縁層Cの表面に写し取られることとなる。即ち、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である絶縁層Cを得ることができる。
ところで、上記の通り工程(6−2)においては、第1の導電配線は絶縁層Cの上に形成された後に絶縁層Cと積層したまま纏めて転写されるため、工程(6−1)と異なり第1の導電配線の表面形状は剥離性基材1の表面形状に依存せず、代わりに絶縁層Cの第1の導電配線と接する面の表面形状に依存する。この際、粗大なフィラー等を含まずレベリング性の良い絶縁インキを用いることで、剥離性基材1の表面形状に依らず剥離性基材1と接しない表面が平方根平均粗さRq:150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRsk:−1.50〜+0.30である絶縁層Cの印刷塗膜を得ることができる。これにより然る後に印刷工程を経て絶縁層Cの表面と接する表面形状が反転した、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である第1の導電配線を得ることが可能である。
なお、上記したように絶縁層Cには剥離性基材1の表面形状(突起)に由来する局所的な凹部が形成されるので、次工程である工程(9)にてその上形成される第2の導電配線6の下側、つまり、絶縁層C側には、下に凸の導電性突起が形成されてしまうのでないかとの懸念が生じるかもしれない。
しかし、第2の導電性インキ中に含まれる有機溶剤や反応性希釈剤が絶縁層Cの表面の極く薄い表層を膨潤させることにより、元々小さい絶縁層Cの局所的な凹部の径は更に小さくなり、第2の導電性インキ中の第2の導電粒子は凹部内には入り込むことができず、前記の下に凸の導電性突起の形成は現実的には起こりえない。
このため、工程(6−2)により、絶縁層C上に第1の導電配線2を形成しこれを一括して受理層B上に転写することにより、剥離性基材1ではなく絶縁層Cの表面形状に由来する、表面突起が無く平滑性に優れた第1の導電配線2を得ることができる。
[工程(9):第2の導電配線の形成]
続いて、工程(6−2)で得られた第2積層体における絶縁層C上に、工程(8)で調整した第2の導電インキを印刷することによって、第2の導電配線の形成を行うことにより、第3積層体を製造することができる。
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
また、実施例中の重量平均分子量は、GPC(東ソー社製HLC−8220 GPC)を用いて求めたポリスチレン換算分子量としての値である。
また実施例中の金属ナノ粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡装置JEM101(日本電子社製)により観察した粒子300個の一次粒子径を計測して求めた平均粒子径である。
[製造例1]
<導電性インキ(a1)の製造>
エポキシ樹脂溶液(三菱化学社製、JER1256(重量平均分子量57,000,エポキシ当量7,500))のジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液、固形分40%)100部と、金属キレート剤(アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピオネートのソルベントナフサ溶液、固形分90%)0.9部、球状銀粉(DOWAエレクトロニクス社製球状銀粉、タップ密度5.5g/cm3、D50粒子径0.9μm、比表面積0.93m2/g)330部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート40部とをディスパーにて混合後、3本ロールにより分散し、導電性インキ(a1)を得た。
[製造例2]
<導電性インキ(a2)の製造>
セパラブル4つ口フラスコに冷却管、熱電対、窒素ガス導入用通気管、撹拌装置を取り付け、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらトルエン40部と、ヘキサン酸銀5.0部を混合した液に、分散剤としてオレイン酸を3.28部、アミンとしてオレイルアミン3.13部、ジメチルアミノエタノール(DMAE)0.9部を添加し、第一溶液とした。第一溶液はオイルバスを用いて90℃まで昇温した。次に、還元剤であるアジピン酸ヒドラジ(ADH)3.5部を、水溶性溶媒としてエチレングリコール(EG)5部と精製水5部に溶解させ第二溶液とした。第二溶液は70℃に昇温させた後、第一溶液に滴下した。反応液はそのまま90℃を維持したまま、1時間加熱撹拌を行い、銀ナノ粒子を形成させた。その後室温まで放冷し、精製水100部をゆっくりと加え、緩やかに撹拌した。その後水相を除去することで還元剤や不純物等を除去した。つづいてトルエン相にメタノールを加え、凝集させた後遠心分離にて上澄みを除去する洗浄操作を3回繰り返した。得られた銀ナノ粒子乾燥固体を固形分50%となるようにテトラリンを加え撹拌し再分散させて、導電性インキ(a2)を得た。銀ナノ粒子の平均粒子径は10nmであり、40℃で1カ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
[製造例3]
<導電性インキ(a3)の製造>
導電性インキを得る際に、洗浄操作で得られた銀ナノ粒子固体に固形分90%となるようにテトラリンを加えて3本ロールミル(小平製作所製)で混練したこと以外は、製造例2と同様にして導電性インキ(a3)を得た。銀ナノ粒子の平均粒子径は10nmであり、40℃で1カ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
[製造例4]
<粘着剤溶液(b0)の製造>
セパラブル4つ口フラスコに冷却管、熱電対、窒素ガス導入用通気管、撹拌装置を取り付け、アクリル酸ブチル79部、アクリル酸メチル20部、アクリル酸2ヒドロキシエチル1.0部、アゾビスイソブチロニトリル0.02部、アセトン200部、トルエン200部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して8時間反応させて、重量平均分子量150万のアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分20重量%)を得た。このアクリル系ポリマーの溶液に多官能イソシアネート架橋剤(住化コベストロウレタン社製、デスモジュールN3200)0.5部を撹拌配合し、粘着剤溶液(b0)を得た。
[製造例5]
<活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)の製造>
前記粘着剤溶液(b0)100部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン0.5部、ヒドロキノン0.01部を配合し、活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)を得た。
[製造例6]
<活性エネルギー線粘着消失粘着剤溶液(b2)の製造>
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンを配合しないこと以外は、製造例5と同様にして活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b2)を得た。
[製造例7]
<加熱により粘着性を消失する粘着剤溶液(b3)の製造>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノンおよびヒドロキノンの代わりに、メチロール化メラミン樹脂(日本サイテック社製、サイメル303)20部およびパラトルエンスルホン酸0.4部を用いたこと以外は製造例5と同様にして加熱により粘着性を消失する粘着剤溶液(b3)を得た。
[製造例8]
<熱膨張性粘着剤溶液(b4)の製造>
前記粘着剤溶液(b0)100部に、熱膨張性球状樹脂フィラー(松本油脂社製、マツモトマイクロスフェア F−48D)を撹拌混合することで熱膨張性粘着剤溶液(b4)を得た。
[製造例9]
<絶縁インキ(c1)の製造>
ポリエステル樹脂溶液(東洋紡社製、バイロン300(重量平均分子量が23,000,水酸基価5)のジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液、固形分40%)100部とブロック化イソシアネート溶液(Baxenden Chemical社製、TRIXENE BI7982(イソシアヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートのジメチルピラゾールブロック体のメトキシー2−プロパノール溶液)、固形分70%)
10部、消泡剤(ビックケミー社製、BYK−1790、固形分100%)0.2部を撹拌混合し、絶縁インキ(c1)を得た。
[製造例10]
<絶縁インキ(c2)の製造>
エポキシアクリレート樹脂(ダイセルオルネクス社製、EBECRYL3703、固形分100%)75部とトリプロピレングリコールジアクリレート25部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン5部、ヒドロキノン0.01部、消泡剤(ビックケミー社製、BYK−1790、固形分100%)を撹拌混合し、絶縁インキ(c2)を得た。
<絶縁基材A>
(A1):ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300、厚み75μm)
(A2):ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人フィルムソリューション社製、テオネックスQ51、厚み125μm)
(A3):ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン300H、厚み75μm)
<剥離性基材>
(D1):シリコーン剥離処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、SP−PET382050、厚み38μm、平方根平均粗さRq=98.2nm、粗さのスキューネスRsk=+1.43)
(D2):2軸延伸ポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製、アルファンE201F、厚み50μm、平方根平均粗さRq=10.8nm、粗さのスキューネスRsk=+0.08nm)
[製造例11]
<剥離性基材(D3)の製造>
水10部、イソプロピルアルコール90部、乳酸2部、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製、Z−6366)20部を混合して剥離処理液を調整した。プラスチックトレイに光学ガラス(Corning社製、EAGLE XG、厚み0.7mm)を設置し、ガラスが完全に浸るように前記剥離処理液を注ぎ入れて常温で30分、剥離処理液を撹拌しながら浸漬した。その後処理された光学ガラスを取り出し、イソプロピルアルコールで表面を洗浄した後に熱風乾燥オーブンで60℃30分乾燥させることで、剥離性基材(D3)を得た。得られた剥離性基材(D3)の平方根平均粗さRqは0.2nmであり、粗さのスキューネスRskは−0.02nmであった。
[実施例1〜10]第1積層体の製造方法
[実施例1]
工程(1)として、第1の導電性インキとして導電性インキ(a1)を製造例1に示した方法で調整した。
工程(2−1)として、剥離性基材(D1)上に導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚6μm、2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで第1の導電配線を形成した。
工程(3)として、活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)を絶縁基材(A1)上にバーコーターを使用して乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、熱風乾燥オーブンで100℃で2分加熱することで粘着層を形成した。
工程(4−1)として、前記工程(3)で形成した粘着層上に、前記工程(2)で形成された第1の導電配線、および前記工程(2)で第1の導電配線が形成されず露出している前記剥離性基材(D1)の剥離性表面を、ロールラミネータ(大成ラミネータ社製)で常温、0.5MPa、1m/minの条件で加圧しながら貼り合わせた。
工程(5)として、絶縁基材A側からコンベア式UV照射装置(東芝ライテック社製、高圧水銀ランプ、120W/cm)を用いて、積算露光量1,500mJ/cm紫外線照射を行うことにより、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層(B1)を形成した。
工程(6−1)として、前記剥離性基材(D1)を剥がし、絶縁基材(A1)に、受理層(B1)および第1の導電配線を転写することで、第1積層体を得た。
[実施例2]
工程(1)・工程(2−1)として、導電性インキ(a1)の代わりに導電性インキ(a2)を用いて、インクジェットプリンタ(富士フイルム社製、マテリアルプリンターDMP−2850)によって乾燥膜厚0.5μmとなるよう印刷したこと以外は、実施例1と同様にして第1積層体を得た。
[実施例3]
工程(1)・工程(2−1)として、導電性インキ(a1)の代わりに導電性インキ(a3)を用いて乾燥膜厚3μmとなるよう印刷したこと以外は、実施例1と同様にして第1積層体を得た。
[実施例4]
工程(3)として、活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)の代わりに活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b2)を用い、工程(5)として、紫外線照射の代わりに電子線照射装置(岩崎電気社製、超低電圧電子線照射装置EZ−V)を用いて、加速電圧50〜70KV、処理能力3000KGy・m/min(at70KV)酸素濃度500ppm の窒素置換した雰囲気で電子線照射を行ったこと以外は、実施例3と同様にして第1積層体を得た。
[実施例5]
工程(3)として、活性エネルギー線照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)の代わりに加熱により粘着性を消失する粘着剤溶液(b3)を用い、工程(5)として、紫外線照射の代わりに熱風乾燥オーブンで135℃、30分加熱したこと以外は、実施例3と同様にして第1積層体を得た。
[実施例6〜9]
表1に示した材料を用いたこと以外は、実施例3と同様にして第1積層体を得た。
[実施例10]
工程(5)として、絶縁基材(A1)側から紫外線照射を行う代わりに、剥離性基材(D1)側から紫外線照射を行ったこと以外は、実施例3と同様にして第1積層体を得た。
[実施例11〜40]第3積層体の製造方法
[実施例11〜20]
工程(7)として、実施例1〜10で得た第1積層体の前記工程(6−1)で転写された受理層B上および第1の導電配線上に、絶縁インキ(c1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚8μmとなるように4cm×4cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃、30分加熱することで絶縁層(C1)を形成した。
工程(8)として、第2の導電性インキとして導電性インキ(a1)を製造例1に示した方法で調整した。
工程(9)として、絶縁層(C1)上に、前記導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって第1の導電配線と直交するように2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで第2の導電配線を形成し、それぞれ表2に示すような第3積層体を得た。
[実施例21〜30]
工程(7)として、絶縁インキ(c1)の代わりに絶縁インキ(c2)を用い、さらに絶縁インキ側からコンベア式高圧水銀ランプ(東芝ライテック社製、高圧水銀ランプ、120W/cm)を用いて、積算露光量1,500mJ/cm紫外線照射を行って絶縁層(C2)を形成したこと以外は、実施例11〜20と同様にしてそれぞれ表2に示すような第3積層体を得た。
[実施例31〜40]
工程(8)・工程(9)として、第2の導電性インキとして導電性インキ(a1)の代わりに導電性インキ(a3)を用いたこと以外は、実施例11〜20と同様にしてそれぞれ表2に示すような第3積層体を得た。
[実施例41〜60]第2積層体の製造方法]
[実施例41]
工程(1)として、第1の導電性インキとして導電性インキ(a3)を製造例1に示した方法で調整した。
工程(2−2)として、剥離性基材(D1)上に絶縁インキ(c1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚8μmとなるように4cm×4cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで絶縁層(C1)を形成した。
工程(2−3)として、剥離性基材(D1)上に形成された絶縁層(C1)上に導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚6μm、2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで第1の導電配線を形成した。
工程(3)として、活性エネルギー線の照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)を絶縁基材(A1)上にバーコーターを使用して乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、熱風乾燥オーブンで100℃で2分加熱することで粘着層を形成した。
工程(4−2)として、前記工程(3)で形成した粘着層に、前記工程(2−3)で形成した第1の導電配線、および前記工程(2−3)で第1の導電配線が形成されず露出している前記絶縁層Cの表面を、ロールラミネータ(大成ラミネータ社製)で常温、0.5MPa、1m/minの条件で加圧しながら貼り合わせた。
工程(5)として、絶縁基材A側からコンベア式高圧水銀ランプ(東芝ライテック社製、高圧水銀ランプ、120W/cm)を用いて、積算露光量1,500mJ/cm紫外線照射を行うことにより、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層(B1)を形成した。
工程(6−2)として、前記剥離性基材(D1)を剥がし、絶縁基材(A1)に、受理層(B1)、第1の導電配線および絶縁層(C1)を転写することで、第2積層体を得た。
[実施例42]
工程(1)・工程(2−3)として、導電性インキ(a1)の代わりに導電性インキ(a2)を用いて、インクジェットプリンタ(富士フイルム社製、マテリアルプリンターDMP−2850)によって乾燥膜厚1μmとなるよう印刷したこと以外は、実施例41と同様にして第2積層体を得た。
[実施例43]
工程(1)・工程(2−3)として、導電性インキ(a1)の代わりに導電性インキ(a3)を用いて乾燥膜厚3μmとなるよう印刷したこと以外は、実施例41と同様にして第2積層体を得た。
[実施例44]
工程(3)として、活性エネルギー線の照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)の代わりに活性エネルギー線の照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b2)を用い、工程(5)として、紫外線照射の代わりに電子線照射装置(岩崎電気社製、超低電圧電子線照射装置EZ−V)を用いて、加速電圧50〜70KV、処理能力3000KGy・m/min(at70KV)酸素濃度500ppm の窒素置換した雰囲気で電子線照射を行ったこと以外は、実施例43と同様にして第2積層体を得た。
[実施例45]
工程(3)として、活性エネルギー線の照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)の代わりに加熱により粘着性を消失する粘着剤溶液(b3)を用い、工程(5)として、紫外線照射の代わりに熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱したこと以外は、実施例43と同様にして第2積層体を得た。
[実施例46〜49]
表3に示した材料を用いたこと以外は、実施例43と同様にして第2積層体を得た。
[実施例50]
工程(5)として、絶縁基材(A1)側から紫外線照射を行う代わりに、剥離性基材(D1)側から紫外線照射を行ったこと以外は、実施例43と同様にして第2積層体を得た。
[実施例51〜60]
工程(2−2)として、絶縁インキ(c1)の代わりに絶縁インキ(c2)を用い、さらに絶縁インキ側からコンベア式高圧水銀ランプ(東芝ライテック社製、高圧水銀ランプ、120W/cm)を用いて、積算露光量1,500mJ/cm紫外線照射を行って絶縁層(C2)を形成したこと以外は、実施例41〜50と同様にしてそれぞれ表3に示すような第2積層体を得た。
[実施例61〜80]第3積層体の製造方法
工程(8)として、第2の導電性インキとして導電性インキ(a1)を製造例1に示した方法で調整した。
工程(9)として、実施例41〜60で得た第2積層体の絶縁層(C1)上に、前記導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって第1の導電配線と直交するように2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで第2の導電配線を形成し、それぞれ表4に示すような第3積層体を得た。
[実施例81〜90]第3積層体の製造方法
工程(8)・工程(9)として、第2の導電性インキとして導電性インキ(a1)の代わりに導電性インキ(a3)を用いたこと以外は、実施例61〜70と同様にしてそれぞれ表3に示すような第3積層体を得た。
[比較例1]
絶縁基材(A1)上に導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚6μm、2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃、30分加熱することで第1の導電配線を形成した。
[比較例2]
剥離性基材(D1)上に導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚6μm、2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで第1の導電配線を形成した。
また、別途剥離性基材(D1)上に熱膨張性粘着剤溶液(b4)をブレードコーターを使用して乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、熱風乾燥オーブンで70℃で2分加熱し粘着層を形成した。この粘着層の表面をポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン400H、厚み100μm)と貼り合せ、剥離性基材(D1)を引き剥がすことにより粘着層をポリイミドフィルムへと転写した。
次いで前記ポリイミドフィルム上の粘着層表面に、前記第1の導電配線と露出した剥離性基材(D1)の表面とを貼り合せ、剥離性基材(D1)を引き剥がすことにより第1の導電配線をポリイミドフィルム上の粘着層上へと転写した。
最後に前記ポリイミドフィルム・粘着層・第1の導電配線の転写用積層体の第1の導電配線の面を絶縁基材(A1)と貼り合せ、170℃で10分間熱風乾燥オーブンで加熱処理を行った後に、前記ポリイミドフィルムと発泡し粘着力を低下させた粘着層を剥離することで、絶縁基材(A1)に第1の導電配線が積層された積層体を得た。
尚、160℃以下の加熱処理では第1の導電配線の絶縁基材(A1)への接着が起こらず、第1の導電配線の転写を行うことができなかった。
[比較例3]
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300、厚み75μm)上に活性エネルギー線の照射により粘着性を消失する粘着剤溶液(b1)をバーコーターを使用して乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、熱風乾燥オーブンで100℃で2分加熱することで粘着層を形成した。
次いでこの粘着層に対し電解銅箔(古川電工社製、GTS−STD、厚み12μm)をラミネートし、ポリイミドテープ(寺岡製作所社製、カプトンテープ650R#12)で2cm×8cmの形状にマスクし、第二塩化鉄エッチング液(サンハヤト社製)で40℃10分エッチング、水洗した後に前記ポリイミドテープを引き剥がし、粘着層上にパターン化された電解銅箔パターンである第1の導電配線を形成した。
別途絶縁基材(A1)に対し、エポキシ樹脂溶液(三菱化学社製、JER1256(重量平均分子量57,000,エポキシ当量7,500))のジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液、固形分40%)をバーコーターを使用して乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、熱風乾燥オーブンで135℃で30分加熱することで第1の導電配線を埋設するための接着層を形成した。
粘着層上に形成された第1の導電配線を、前記接着層を設けた絶縁基材(A1)の接着層面に押し当て、熱プレス機(井元製作所社製)を用いて180℃、10分間熱プレス処理を行い、第1の導電配線を接着層に埋設し接着させた。この積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム側からコンベア式UV照射装置(東芝ライテック社製、高圧水銀ランプ、120W/cm)を用いて、積算露光量1,500mJ/cm紫外線照射を行うことにより、前記粘着層の粘着性を喪失させた。
最後にポリエチレンテレフタレートフィルムおよび粘着性を喪失させた粘着層を引き剥がし、前記第1の導電配線を露出させた。
尚、170℃以下のプレスでは、第1の導電配線が、絶縁基材(A1)上の前記接着層へ埋設・接着せず、第1の導電配線の転写を行うことができなかった。
[比較例4]
剥離性基材(D1)上に導電性インキ(a4)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚6μm、2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃、30分加熱することで第1の導電配線を形成した。
この剥離性基材(D1)上に形成された第1の導電配線を絶縁基材(A1)に重ね、熱プレス機(井元製作所社製)を用いて150℃、10分熱プレス処理を行い、第1の導電配線を絶縁基材(A1)に接着させた後、剥離性基材(D1)を引き剥がした。
尚、140℃以下のプレスでは第1の導電配線が絶縁基材(A1)へ転移しなかった。
[比較例5〜8]
比較例1〜4で得た積層体の第1の導電配線側の表面上に、絶縁インキ(c2)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって乾燥膜厚8μmとなるように4cm×4cmの長方形状に印刷した後、絶縁インキ側からコンベア式高圧水銀ランプ(東芝ライテック社製、高圧水銀ランプ、120W/cm)を用いて、積算露光量1,500mJ/cm紫外線照射を行って絶縁層(C2)を形成した。
更に絶縁層(C1)上に、前記導電性インキ(a1)をスクリーン印刷機(ミノスクリーン社製、ミノマットSR5575半自動スクリーン印刷機)によって第1の導電配線と直交するように2cm×8cmの長方形状に印刷した後、熱風乾燥オーブンで135℃30分加熱することで第2の導電配線を形成し、それぞれ表6に示すような第3積層体を得た。
<(1)、(2)第1の導電配線の平方根平均粗さRqおよび粗さのスキューネスRsk>
各積層体の第1の導電配線の表面粗さは、前記実施例で記載した剥離フィルムの表面粗さと同様に非接触式表面粗さ測定装置(TaylerHobson社製、CCI MP−HS)および倍率50倍レンズを用いて、実施例1〜40および比較例1〜8については各積層体の第1の導電配線露出部表面に焦点を合わせて、また実施例41〜90については第1の導電配線と絶縁層Cの界面に焦点を合わせて測定した。得られた3次元表面形状に対しランダムに5つの断面を選択し、ロバストガウシアンフィルタ0.04mmでうねりパラメータをデータ処理により分離した後に計算された各粗さパラメータそれぞれ5点分のデータを平均し、平方根平均粗さRqおよび粗さのスキューネスRskを得た。
<(3)導電配線のパターニング精度>
各実施例、比較例で得られた積層体の第1の導電配線の形状および基材の状態について、以下の評価基準で評価を行った。
(評価基準)
◎:導電パターンの欠けや変形、基材のたわみ等が無く、良好な第1の導電配線パターンが形成されており、実用特性上非常に好ましい
○:軽度の導電パターンの欠けや変形、基材のたわみ等が認められ、実用特性上問題無く使用することができる
△:中程度の導電パターンの欠けや変形、基材のたわみ等が認められるが、実用特性上好ましくない
×:重度の導電パターンの欠けや変形、基材のたわみ等が認められ、実用特性上使用に堪えない
<(4)第1の導電配線の体積固有抵抗>
各実施例、比較例で得られた積層体の第1の導電配線露出部を切り出し2cm×3cmの寸法のサンプル個片とし、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、ロレスタGP MCP−T610型抵抗率計、JIS−K7194準拠、4端子4探針法定電流印加方式)(0.5cm間隔の4端子プローブ)を用いて、体積固有抵抗を測定した。評価は下記の基準に従って行った。
(評価基準)
◎:体積固有抵抗 1×10−6Ω・cm以上、1×10−5未満
○:体積固有抵抗 1×10−5Ω・cm以上、1×10−4未満
△:体積固有抵抗 1×10−4Ω・cm以上、1×10未満
×:体積固有抵抗 1×10Ω・cm以上
<(5)実施例11〜40、61〜90および比較例5〜8の層間絶縁性(耐電圧)>
各実施例、比較例で得られた積層体に対し、耐電圧測定装置(鶴賀電気社製、8503−A14)を用いて第1の導電配線の露出部と第2の導電配線の露出部間に0.1V/秒の昇圧速度で電圧印加を行い、絶縁破壊が起こった時点の印加電圧を記録した。同様の測定を測定箇所を変えて各サンプルに対し10回ずつ行い、それらの平均値を各積層体の層間絶縁耐電圧とした。評価は下記の基準に従って行った。
(評価基準)
◎:層間絶縁耐電圧 2.0V以上、5.0V未満
○:層間絶縁耐電圧 1.0V以上、2.0V未満
△:層間絶縁耐電圧 0.5V以上、1.0V未満
×:層間絶縁耐電圧 0.5V未満
<(6)実施例11〜40、61〜90および比較例5〜8の層間絶縁の安定性>
前記層間絶縁耐電圧の測定において、10回の測定中0.5V未満となった測定の回数を層間絶縁安定性とした。評価は下記の基準に従って行った。
◎:0.5V未満が 0回
○:0.5V未満が 1回以上、3回未満
△:0.5V未満が 3回以上、5回未満
×:0.5V未満が 5回以上、10回以下
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表1〜6における略号は以下の通り。
S:スクリーン印刷
IJ:インクジェット印刷
UV:紫外線照射
EB:電子線照射
比較例1に示すように、第1の導電配線を直接導電インキのスクリーン印刷によって形成した場合、導電配線のパターニング精度および体積固有抵抗には問題が無いものの、表面粗さRqが大きく粗さのスキューネスRskも大きな正の値をとることから多数の表面突起が存在すると推測される。比較例5は、比較例1の第1の導電配線と膜厚の薄い絶縁層を含む積層体であるが、層間の耐電圧および層間絶縁安定性が著しく劣る結果となり、前記の推測が裏付けられた。
また、比較例2、6および比較例3、7に示すように、高温で第1の導電配線を絶縁基材に接着したり、埋入したりする方法においては、非常に高い加工温度により基材や導電配線の変形が引き起こされることからパターニング精度や体積固有抵抗の劣化が引き起こされるとともに、転写の際の比較的大きい剥離強度のために粗さのスキューネスRskの正の増大が引き起こされ、やはり絶縁の膜厚の薄さから層間耐電圧および層間絶縁安定性が著しく劣る結果となった。
一方、比較例4、8では、第1の導電配線の形成の際、より柔軟な樹脂を使用することで、絶縁基材へ熱圧着される際に接着しやすくなってはいるものの、絶縁基材に受理層が存在しないためやはり同様に導電配線のパターニング精度に問題があり、層間耐電圧および層間絶縁安定性もやや劣る結果であった。
これに対し、実施例1〜90の結果から、本発明の積層体の製造方法およびそれによって得られた積層体については、粘着層が第1の導電配線に対しラミネートにより常温での良好な接着性を示し、かつ導電配線および絶縁基材への負荷の少ない活性エネルギー線照射または比較的低温での加熱により受理層Bとなり第1の導電配線との接着状態を固定するため、温和な条件での転写が可能であり、パターニング精度や体積固有抵抗を良好に保持することが可能であった。また、転写性が非常に良好であるため、第1の導電配線の表面粗さRqが小さくまた粗さのスキューネスRskも小さな正の値〜負の値をとることから、表面の微細突起が少ないことが明らかであった。このため実施例11〜40、61〜90の第1・第2の導電配線が絶縁層を介して積層された構造を有する第3積層体において、高い層間耐電圧および層間絶縁安定性を示すことが確認できた。
特に注目すべきは、剥離性基材に一般的な剥離処理フィルム(D1)や(D2)は、素材コスト・ハンドリング性・工業的生産性に非常に優れるが表面にフィッシュアイ等の突起があるが、本発明の積層体の製造方法によれば、表面粗さRqは剥離性基材の値をそのまま反映するものの、粗さのスキューネスRskが正負反転するため第1の導電配線には微細突起が形成されず、形成された凹部は何ら積層体の絶縁性等に悪影響を及ぼさなくなることである。このため本発明の積層体の製造方法によればコスト・ハンドリング性・工業的生産性に優れた導電配線積層体を容易に得ることができる。
本発明の本発明の積層体の製造方法および積層体を用いたフレキシブル回路は、簡便かつ低負荷な印刷および転写プロセスにより、従来よりも絶縁層厚みおよび絶縁層形成工程を最小限としても良好な歩留り性での製造が可能である上に薄型で軽量性・フレキシブル性に優れており、薄型モバイルデバイスや次世代型デバイスとしてのフレキシブルデバイスの実現が期待される。
1:剥離性基材、2:第1の導電配線、A:絶縁基材A、4:粘着層、B:受理層B、C:絶縁層C、6:第2の導電配線、I:第1積層体、II:第2積層体、III:第3積層体

Claims (10)

  1. 下記工程(1)、(2−1)、(3)、(4−1)、(5)、および(6−1)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線とを有する、第1積層体の製造方法。
    工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
    工程(2−1) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性基材の剥離性表面に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
    工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
    工程(4−1) 前記粘着層に、前記工程(2−1)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
    工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
    工程(6−1) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線を転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である第1の導電配線を形成する工程。
  2. 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、請求項1記載の第1の導電配線を有する、第1積層体の製造方法。
  3. 下記工程(1)、(2−1)、(3)、(4−1)、(5)、(6−1)、(7)、(8)、および(9)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線と絶縁層Cと第2の導電配線とを有する、第3積層体の製造方法。
    工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
    工程(2−1) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
    工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
    工程(4−1) 前記粘着層に、前記工程(2−1)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
    工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
    工程(6−1) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線を転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である第1の導電配線を形成する工程。
    工程(7) 前記工程(6−1)で転写された第1の導電配線上に絶縁層Cを形成する工程。
    工程(8) 第2の導電性粒子を含む第2の導電性インキを用意する工程。
    工程(9) 絶縁層C上に、前記第2の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第2の導電配線を形成する工程。

  4. 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、請求項3記載の第3積層体の製造方法。
  5. 下記工程(1)、(2−2)、(2−3)、(3)、(4−2)、(5)、および(6−2)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線と絶縁層Cとを有する、第2積層体の製造方法。
    工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
    工程(2−2) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面に、絶縁層Cを形成する工程。
    工程(2−3) 前記絶縁層C上に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
    工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
    工程(4−2) 前記粘着層に、前記工程(2−3)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
    工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
    工程(6−2) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線および絶縁層Cを転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である絶縁層Cを形成する工程。
  6. 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、請求項5記載の第2積層体の製造方法。
  7. 下記工程(1)、(2−2)、(2−3)、(3)、(4−2)、(5)、(6−2)、(8)、および(9)を含む、絶縁基材Aと受理層Bと第1の導電配線と絶縁層Cと第2の導電配線とを有する、第3積層体の製造方法。
    工程(1) 第1の導電性粒子を含む第1の導電性インキを用意する工程。
    工程(2−2) 平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−0.30〜+1.50である剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面に、絶縁層Cを形成する工程。
    工程(2−3) 前記絶縁層C上に、前記第1の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第1の導電配線を形成する工程。
    工程(3) 絶縁基材A上に粘着層を設ける工程。
    工程(4−2) 前記粘着層に、前記工程(2−3)で形成された第1の導電配線を貼り合わせる工程。
    工程(5) 加熱または活性エネルギー線の照射によって、前記粘着層の粘着性を喪失させ受理層Bを形成する工程。
    工程(6−2) 前記剥離性基材を剥がし、絶縁基材A上の受理層Bに、第1の導電配線および絶縁層Cを転写し、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である絶縁層Cを形成する工程。
    工程(8) 第2の導電性粒子を含む第2の導電性インキを用意する工程。
    工程(9) 絶縁層C上に、前記第2の導電性インキをパターン印刷し、加熱または活性エネルギー線の照射によって、第2の導電配線を形成する工程。
  8. 工程(5)において、活性エネルギー線を絶縁基材A側から照射する、請求項7記載の第3積層体の製造方法。
  9. 絶縁基材Aと、
    受理層Bと、
    第1の導電配線とがこの順番で積層されてなる第1積層体であって、
    前記第1の導電配線が、第1の導電性粒子を含み、表面の平方根平均粗さRqが150nm〜0.1nmであり、粗さのスキューネスRskが−1.50〜+0.30である、
    第1積層体。
  10. 請求項9記載の第1積層体と、絶縁層Cと、第2の導電性粒子を含む第2の導電配線を具備する第3積層体であって、
    前記絶縁層Cが、第1の導電配線と第2の導電配線との間に位置する、第3積層体。
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