JP7118582B2 - 展延性導電性組成物および三次元プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 熱可塑性樹脂からなるバインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤および硬化剤を含有することを特徴とする導電性組成物であって、上記導電性粒子が球状導電性粒子を含むことを特徴とする展延性導電性組成物。
[2] 前期球状導電性粒子の含有量が導電性粒子全体に対し、30質量%以上であることを特徴とする[1]に記載の展延性導電性組成物。
[3] 前記有機溶剤がグリコールエーテル系溶剤およびアルコール系溶剤から選択される一種、または二種の有機溶剤であることを特徴とする[1]または[2]に記載の展延性導電性組成物。
[4] 前記有機溶剤の沸点が100~300℃の範囲であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の展延性導電性組成物。
[5] 前記硬化剤がブロックイソシアネート化合物であることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の展延性導電性組成物。
[6] 前記バインダ樹脂の数平均分子量が5000~150000の範囲であることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の展延性導電性組成物。
[7] [1]から[6]のいずれかに記載の展延性導電性組成物をプラスチック基材に印刷後にプラスチック基板を熱変形させる工程を含む事を特徴とする三次元プリント配線板の製造方法。
さらに、
[8] 前記、球状導電性粒子が、真球度0.7以上であり、中心径Dが0.08μm~4.0μmであり、粒子径0.5D~2.0Dの間に入る粒子の体積%が70%以上となる粒度分布を有することを特徴とする[1]から[6]のいずれかに記載の展延性導電性組成物。
[9] [8]に記載の展延性導電性組成物をプラスチック基材に印刷後にプラスチック基板を熱変形させる工程を含む事を特徴とする三次元プリント配線板の製造方法。
[10] [7]または[9]のいずれかに記載の三次元プリント配線板の製造方法において、展延性導電性組成物が印刷された部分の伸び率が15%以上であることを特徴とする三次元プリント配線板の製造方法。
[11] 少なくとも熱可塑性樹脂からなり曲面を有する基材と、熱可塑性樹脂からなるバインダ樹脂、導電性粒子、および硬化剤を含有することを特徴とする導電性組成物からな導体層にて構成される電気配線を前記曲面上に有し、前記導体層の厚さが、導体層に含まれる導電性粒子の中心径相当の厚さ以上である三次元プリント配線板。
[12] 前期導電性粒子が、真球度0.7以上であり、中心径Dが0.08μm~4.0μmであり、粒子径0.5D~2.0Dの間に入る粒子の体積%が70%以上となる粒度分布を有することを特徴とする[11]記載の三次元プリント配線板。
[13] 前期導体層の比抵抗が300μΩcm以下であることを特徴とする[11]または[12]に記載の三次元プリント配線板。
本発明においては硬化剤を使用することで熱硬化性樹脂をバインダに用いるにもかかわらず、良好な電気特性・信頼性を備え、後工程で基材を熱変形させても導電層が変形に十分追随し良好な展延性を得ることができる。これは本発明の硬化剤成分が、乾燥硬化課程において十分に反応し、かつ基材の熱変形される温度領域においてもバインダとしての性能を保つ効果によるものと考えられる。
本発明においては球状粉を使用することで展延した際に展延する方向によらず、良好な展延性を得ることができる。これはフレーク粉のようなアスペクト比が高いものでは印刷時に銀粉が印刷方向に配向してしまうことで、印刷方向とは同一の方向と垂直な方向で導電性粒子の重なり方が異なるためであると考えられる。その結果、垂直方向の展延性が印刷と同一方向の展延性よりも劣る結果となる。それに対し、球状粉はアスペクト比が低いため上記のような方向により展延性が異なることがなく、展延する向きによらず良好な展延性を得ることができると考えられる。
その結果、最低導電層厚さ3μm、導電層の導電率が3×10-4Ωcm以下、好ましくは1×10-4Ωcm以下である導電層からなる電気配線を有する三次元プリント配線を有する電子部品を実現可能である。
本発明の展延性導電性組成物に含有されるバインダ樹脂は、柔軟性と三次元成形性とを有する樹脂を主成分として含む必要がある。
バインダ樹脂の種類は熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合、ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独で、あるいは2種以上の混合物として、使用することができる。ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、繊維素誘導体樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。また、これらの樹脂の中でも、フェノキシ樹脂および/またはウレタン樹脂および/またはアクリル樹脂、および/またはポリビニルアセタール樹脂が、バインダ樹脂として好ましい。
本発明に用いられる導電性粒子としては、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉等の卑金属粉、銀等の貴金属でめっき又は合金化した卑金属粉等を挙げることができる。これらの金属粉は、単独で用いてもよく、また、併用してもよい。これらの中でも導電性、安定性、コスト等を考慮すると銀粉単独又は銀粉を主体とするものが好ましい。
本発明の真球度は、粒子の顕微鏡写真において、粒子の長径に対する短径の比をもって真球度とし、無作為に選別した100個の粒子の算術平均値とする。粒度分布は中心径(D)測定時に得られた累積分布曲線から求める。
本発明において球状粒子と非球状粒子が配合されている場合には、導電粒子全てを球状粒子と見做してパラ-メータを測定する。画像処理結果より体積%を求める場合には、粒子径から算出される球相当体積を用いる。
また、硬化後の導電層が得られる場合には、導電層の断面観察を行い、断面に観察される粒子の形状を画像処理して得る。
本発明に用いることのできる有機溶剤は、グリコールエーテル系溶剤または/およびアルコール系溶剤であることが好ましい。グリコールエーテル系溶剤または/およびアルコール系溶剤は印刷基材となる三次元成形加工が可能な樹脂フィルムへのダメージがほとんど無い為、得られた導電性薄膜が良好な展延性を示すことができる。これらの構造を含有していない溶剤を使用した場合、三次元成形加工が可能な樹脂フィルムが溶剤によるダメージを受ける場合があり、得られた導電性薄膜の下地が弱い状態となるために良好な展延性が得られない場合がある。
本発明に用いることのできる硬化剤は、種類は限定しないが密着性、耐屈曲性、硬化性等からイソシアネート化合物およびエポキシ化合物が特に好ましい。さらに、これらのイソシアネート化合物として、イソシアネート基をブロック化したものを使用すると、貯蔵安定性が向上し、さらに好ましい。イソシアネート化合物およびエポキシ化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂等のアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の公知の化合物が挙げられる。これらの硬化剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。硬化剤の配合量としては、バインダ樹脂100質量部に対して、0.5~50質量部が好ましく、1~30質量部がより好ましく、2~20質量部がさらに好ましい。
本発明の展延性導電性組成物の粘度は特に限定されず、塗膜の形成方法に応じて適切に調整すればよい。例えば、展延性導電性組成物の基材への塗布をスクリーン印刷によって行う場合には、展延性導電性組成物の粘度は、印刷温度において100dPa・s以上、さらに好ましくは150dPa・s以上であることが好ましい。上限は特には限定しないが、粘度が高すぎるとスクリーン印刷性が低下する場合がある。
本発明の展延性導電性組成物は前述したようにバインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤、硬化剤および必要に応じてその他の成分を三本ロール等で分散して作製することができる。ここで、より具合的な作製手順の例を示す。バインダ樹脂をまずは有機溶剤に溶解する。その後、導電性粒子、硬化剤、ならびに必要に応じてその他の成分や添加剤を添加し、ダブルプラネタリーやディゾルバー、遊星式の攪拌機等で分散を実施する。その後、三本ロールミルで分散して、導電性組成物を得る。このようにして得られた導電性組成物は必要に応じて濾過することができる。その他の分散機、例えばビーズミル、ニーダー、エクストルーダーなどを用いて分散しても何ら問題はない。
本発明における展延性導電性組成物は三次元成形加工が可能な樹脂フィルムに印刷法のような簡単な方法で回路パターンとなる塗膜を形成し、次いで塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させ塗膜を乾燥させることにより、本発明の導電性薄膜を形成することができる。三次元成形加工が可能な樹脂フィルムは、三次元形状に成形される前は、三次元成形加工が可能な平坦なシートであり得る。樹脂フィルムは、無色透明のフィルムや着色された半透明フィルムなどの光透過性の樹脂フィルムでも、光不透過性の樹脂フィルムであってもよい。樹脂フィルムには、柔軟性に優れている種々の樹脂フィルムの使用が可能であり、例えば、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系などの樹脂フィルムが挙げられる。なかでも、透明性および成形性の双方が良好であるから、ポリカーボネート系フィルムまたはポリカーボネート/ポリブチルテレフタレートアロイフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。フィルムの厚さは特に限定されないが、50~500μmのものが好ましい。フィルム厚が50μmより薄いと、回路パターンを印刷する際にフィルムのカールが発生する場合や成形時にフィルムの破損が発生する場合がある。また、フィルム厚が500μmより厚くなると、フィルムの成形性が低下し得る。
本発明の三次元加工に於ける最大変形率は400%とすることが好ましく、最大300%である事がさらに好ましく、さらに最大200%であることが好ましい。変形率は変形前の長さに対する変形後の長さの比である。本発明における変形後の導体層の厚さは、導体層に含まれる導電性粒子の中心径相当の厚さ以上となるように留めることが好ましい。導体層の厚さは、最低厚さと、その部位の変形率から、あらかじめ必要な厚さを見積もって、印刷する。変形率が所定範囲を越えるとクラックなどが入りやすくなる。また導体層の厚さが導体層に含まれる導電粒子の中心径相当厚さに満たない場合には、必要な導電性を得られない場合が生じる。また、導電性粒子の中心径が0.3μm以下の場合には、100~250℃程度の熱処理であっても硬化時に粒子間の焼結が生じる場合が有り、クラックが生じやすくなる。したがって、変形後の導電層の膜厚の加減は0.3μmとすることが好ましい。
1.導電性積層体テストピースの作製
厚さ400μmのポリカーボネート(PC)フィルム(三菱ガス化学(株)製FE-2000)、300メッシュのポリエステルスクリーン版を用いてスクリーン印刷法により導電性組成物を印刷し、熱風循環式乾燥炉にて130℃×30分乾燥させ、塗膜を形成した。尚、乾燥膜厚が10~30μmになるように印刷時の塗布厚を調整した。その後、以下に示す比抵抗測定用に幅5mm、長さ5mmの端子部を両サイドに有する幅0.2mm、長さ100mmの導電性積層体テストピース、密着性測定用に幅15mm、長さ110mmの導電性積層体テストピースを、展延性評価用に幅5mm、長さ5mmの端子部を両サイドに有する幅0.2mm、長さ60mm、ライン長さの10mm毎に抵抗値測定用の2mm角の端子部を有する導電性積層体テストピースを作製した。
1でPCフィルム上に作製した導電性積層体テストピースを用いてJIS K-5400-5-6:1990に従って、セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を用い、剥離試験により評価した。但し、格子パターンの各方向のカット数は11個、カット間隔は1mmとした。100/100は剥離がなく密着性が良好なことを示し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
1で基材フィルム上に作製した導電性積層体テストピースの回路抵抗と膜厚を測定し、比抵抗を算出した。膜厚はゲージスタンドST-022(小野測器社製)を用い、フィルムの厚さをゼロ点として硬化塗膜の厚さを左右の端子部2点測定し、その平均値を用いた。
回路抵抗はHIOKI製 RM3544抵抗値測定器を用いてテストピース3枚について測定し、その平均値を用いた。
1でPCフィルム上に作製した導電性積層体テストピースのPC基材へのケミカルアタックの有無に関して以下の方法で評価を行った。光学顕微鏡(キーエンス製VHX-1000)を用いて倍率100で観測し、塗膜の周辺に塗膜の硬化収縮による跡の有無により判断した。塗膜周辺に跡が残る場合は×、跡が確認できない場合は○とした。
2および3でPCフィルム上に作製した導電性積層体テストピースを、85℃、85%RH(相対湿度)下で120時間静置した後、取り出した。その後24時間常温で放置した後、各種評価を行った。
展延性評価は以下の測定方法によって評価した。展延性評価用サンプルピースを測定サンプルとし、島津製オートグラフAG-X plusを用いて測定サンプルの両端をチャッキングした。このとき、両チャックの間隔を8cmに設定し、チャック部が測定サンプルの端子部の外側になるように設定した。そして、140℃雰囲気にて25mm/minの速度で導電性積層体テストピースの2mm角の端子に挟まれた部分が初期の10mmに対し30%(13mm)および60%(16mm)の長さになるまで測定サンプルの長手方向に引っ張りを行った。塗膜の展延方向に関しては、印刷方向を変更することで各々評価した。印刷方向と同一方向の展延性評価には、通常のラインパターンの方向に印刷をし、印刷方向と垂直方向の展延性評価には、通常とは異なるラインパターンに対して垂直に印刷したものを使用した。
その後、光学顕微鏡(キーエンス製VHX-1000)を用いて倍率100で観測し、塗膜の割れ・剥がれの有無を確認した。塗膜に割れ・剥がれの無いものを○、割れや剥がれが発生しているものを×とした。また、回路抵抗の変化率を各々2mm角の端子間で測定し、抵抗値変化が初期の抵抗値の1~5倍のものを◎、6~10倍のものを○、11~15倍のものを△、16倍以上のものを×とした。(倍率は小数点以下を四捨五入した値とする)。
展延性(30%伸び)は変形率130%:(変形後長さ/初期長さ)×100[%]を意味する。また展延性(60%伸び)は変形率160%:(変形後長さ/初期長さ)×100[%]を意味する。
バインダ樹脂として東洋紡社製ウレタン樹脂UR-3210を500部(有機溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを(400部含む))、導電性粉体として球状銀粉(D=0.9μm)を1000部、硬化剤としてブロックイソシアネートを15部、硬化触媒として錫触媒を2部、カーボンブラック粉を10部、プロピレングリコールを10部添加して遊星式攪拌機で攪拌し、三本ロール混練り機に2回通して分散した。その後粘度調整としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル50部で希釈した。得られた導電性組成物をPCフィルムに対してそれぞれ所定のパターンに印刷後、130℃×30分間熱風乾燥機にて乾燥し、導電性薄膜を得た。その後、本導電性薄膜を用いて、比抵抗、密着性、などの物性を測定し評価を行った。評価結果を表1に示した。
導電性組成物の樹脂および配合を変えて実施例2~11を実施した。導電性組成物の配合および評価結果を表1に示した。実施例においては良好な塗膜物性、ケミカルアタックなしの評価を得ることができた。
バインダ樹脂A(1):ポリウレタン樹脂 (本件特許出願人から得られる) UR-3210のジプロピレングリコールモノメチルエーテル溶剤置換品(重量平均分子量:40,000 ガラス転移温度:-3℃)
バインダ樹脂A(2):ポリエステル樹脂 (本件特許出願人から得られる) バイロンGK890(重量平均分子量:17.000 ガラス転移温度:20℃)
バインダ樹脂A(3):フェノキシ樹脂 InChem社製 PKFE(重量平均分子量:60,000 ガラス転移温度:96℃)
バインダ樹脂A(4):アクリル樹脂 共栄社化学性 オリコックスKC-7000(重量平均分子量:30.000 ガラス転移温度:56℃)
バインダ樹脂A(5):ポリビニルアセタール樹脂 積水化学社 製BH-5(重量平均分子量:53,000 ガラス転移温度:67℃)
導電性粒子b(1):球状銀粉(D:0.9μm)、真球度0.95、0.5D-.2.0Dに入る個数体積分布85%
導電性粒子B(1):凝集銀(D:1.3μm)
導電性粒子B(2):フレーク状銀粉(D:3.3μm)
有機溶剤C(1):東邦化学(株)製ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(ハイソルブDPM)
有機溶剤C(2):クラレ(株)製 3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(ソルフィット)
その他の有機溶剤(1):(株)ダイセル製エチルジグリコールアセテート(EDGAC)
無機フィラー(1):ライオン社製ケッチェンブラック(ECP-600JP)
無機フィラー(2):日本アエロジル製 AEROSIL R972
無機ファイラー(3):東亜合成製 IXE-100
硬化剤D:ブロックイソシアネート バクセンデン製BI7960
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
分散剤:ビックケミー製 Disperbyk192
添加剤:ビックケミー製 BYK-410
展延性(30%伸び)は変形率130%:(変形後長さ/初期長さ)×100[%]を意味する。
展延性(60%伸び)は変形率160%:(変形後長さ/初期長さ)×100[%]を意味する。
表1に示す成分及び配合により実施例と同様に導電性組成物を作製し、PCフィルムを基材として塗膜を作製し、塗膜物性ならびに評価を実施例と同様に行った。評価結果を表1に示す。
厚さ400μmのポリカーボネート(PC)フィルム(三菱ガス化学(株)製FE-2000)に実施例1にて得られた展延性導電性組成物を用いて所定の回路パターンを、乾燥膜厚が15μm±3μmとなるように印刷し、所定の条件にて乾燥した。次いで得られた回路パターン付きポリカーボネートフィルムを、直径30mmの半球形状の雄型/雌型により曲面加工を行った。得られた回路パターンに断線は無く、導通不良は発生しなかった。
実施例3の配合において、球状銀粒子として、以下の粒子を用いて同様に導電性ペースト(組成物)を作製した。
球状銀粒子b(2) 中心径D:3.5μm、真球度0.86、0.5D-.2.0Dに入る個数体積分布72%、
球状銀粒子b(3) 中心径D:1.8μm、真球度0.96、0.5D-.2.0Dに入る個数体積分布78%、
球状銀粒子b(4) 中心径D:0.5μm、真球度0.98、0.5D-.2.0Dに入る個数体積分布82%、
球状銀粒子b(5) 中心径D:1.3μm、真球度0.94、0.5D-.2.0Dに入る個数体積分布92%、
各々の導電性ペーストについて、表面に易接着加工した、厚さ188μmの易成型ポリエステルフィルム「ソフトシャイン」(東洋紡株式会社製)上にスクリーン印刷を用いて所定のパターンに印刷後、130℃×30分間熱風乾燥機にて乾燥し、導電性薄膜を得た。その後得られた印刷物を直径20cmの球面に沿わせる形で所定の変形率まで三次元変形させた。それぞれの結果について表2に示す。
いずれも例においても断線、クラック等は発生せず、良好な展延性を示した。なお、本応用実施例においては、変形後の比抵抗については、パターンの10点平均厚さと抵抗値から求めた。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂からなるバインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤および硬化剤を含有することを特徴とする導電性組成物であって、上記導電性粒子が球状導電性粒子を含み、前記導電性粒子が銀粉であり、かつ前記球状導電性粒子の真球度が0.7以上であり、前記球状導電性粒子の含有量が導電性粒子全体に対し、30質量%以上であり、前記バインダ樹脂がフェノキシ樹脂、ウレタン樹脂およびポリビニルアセタール樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする展延性導電性組成物。
- 前記有機溶剤がグリコールエーテル系溶剤およびアルコール系溶剤から選択される一種、または二種の有機溶剤であることを特徴とする請求項1に記載の展延性導電性組成物。
- 前記有機溶剤の沸点が100~300℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の展延性導電性組成物。
- 前記硬化剤がブロックイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の展延性導電性組成物。
- 前記バインダ樹脂の数平均分子量が5000~150000の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の展延性導電性組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の展延性導電性組成物をプラスチック基材に印刷後にプラスチック基板を熱変形させる工程を含む事を特徴とする三次元プリント配線板の製造方法。
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