JP4281457B2 - 異方導電性膜の製造方法、それにより得られる異方導電性膜及びそれを用いた回路接続方法 - Google Patents

異方導電性膜の製造方法、それにより得られる異方導電性膜及びそれを用いた回路接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、異方導電性膜の製造方法、それにより得られる異方導電性膜及びそれを用いた回路接続方法に関する。
近年、半導体や液晶ディスプレイなどの分野で電子部品を固定し、回路接続を行うために各種の導電性材料が使用されている。これらの用途では、ますます高密度化、高精細化がすすみ、導電性材料にも高い精細度や信頼性が求められている。
特に、回路接続材料としては、液晶ディスプレイとTCP又はFPCとTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続には接着剤中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が使用されている。また、最近では、半導体シリコンチップを基板に実装する場合でも、従来のワイヤーボンドではなく、半導体シリコンチップをフェイスダウンで基板に直接実装するいわゆるフリップチップ実装が行われており、ここでも異方導電性接着剤の適用が開始されている。
また、近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、電極幅および電極間隔が極めて狭くなっている。このため、従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続用導電性材料では、配線の脱落、剥離、位置ずれが生じるなどの問題点があった。
特開昭55−104007号公報 特公昭51−44871号公報 特開平05−002168号公報 特開平05−222195号公報
近年の精密電子部品回路の高密度化に対応するため、微細な電極に精度よく回路を接続することが要求されている。特に、数十μm以下の接続電極幅、電極間隔の場合、異方導電性接着剤による高密度実装では追随しにくい技術領域となっている。このため、数十μm以下の接続電極幅、電極間隔の高密度実装を可能にする回路接続方法が求められており、本発明は、数十μm以下の接続電極幅、電極間隔の高密度実装を可能とする異方導電性膜の製造方法、それにより得られる異方導電性膜及びそれを用いた回路接続方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、離型性面に樹脂、充填材、溶剤を含む異方導電性組成物の塗膜を形成する塗布面形成工程、塗膜に所定の像的形状が形成された凸版を押圧して凸版の凸部に樹脂組成物を転写せしめ前記塗膜を除去する除去工程、離型性面に残った像的な樹脂組成物の塗膜を基板に転写する転写工程とからなる凸版反転オフセット法に使用する異方導電性組成物であり、異方導電性組成物が炭化水素系溶剤を含有し、塗布面形成工程における粘度が50mPa・s以下の異方導電性組成物を用いることを特徴とする異方導電性膜の製造方法に関する。
本発明の請求項2に記載の発明は、充填材が、すくなくとも1種以上の導電性を有する充填材である異方導電性組成物を用いる請求項1に記載の異方導電性膜の製造方法に関する。
本発明の請求項3に記載の発明は、充填材が、半田ボールであり、かつ、異方導電性組成物中にフラックスを含む異方導電性組成物を用いる請求項1または請求項2に記載の異方導電性膜の製造方法に関する。
本発明の請求項4に記載の発明は、炭化水素系溶剤と、エステル系溶剤、アルコ−ル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤を少なくとも1種類以上含む異方導電性組成物を用いる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法に関する。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法により得られる異方導電性膜に関する。
本発明の請求項6に記載の発明は、基板がプラスチック支持体フィルムである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法により得られる異方導電性膜に関する。
本発明の請求項7に記載の発明は、基板上の第一の回路と第二の回路を請求項5に記載の異方導電性膜を介して加熱加圧により電気的に接続することを特徴とする回路接続方法に関する。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の異方導電性膜を第一の回路に貼りあわす工程、プラスチック支持体フィルムを剥離する工程、第一の回路上の異方導電性膜に第二の回路を貼りあわす工程により、電気的に接続することを特徴とする回路接続方法に関する。
従来の印刷法では、異方導電性膜の微細なパターン形成が困難であったため、微細な高密度回路の接続に不向きであり、また、パターンエッジに鋸刃のようなブレが生じるというパターンの直線性にも問題があり、さらに、従来の異方導電性接着剤を用いる高密度回路の接続も数十μmに対応できていないが、本発明の異方導電性膜の製造方法やこれにより得られる異方導電性膜は、微細なパターン形成が可能であり、このため、微細な高密度回路の接続が可能となる。さらに、パターンに鋸刃のようなブレが生じることなく直線パターンの形成も容易で、高密度回路の接続に極めて適する。
本発明を図面を用いて説明する。図1は、本発明の異方導電性膜の製造方法の一例を示す断面図であり、図2は、本発明の異方導電性膜の一例を示す断面図である。
図1に示す主胴表面には、離型性面としてシート状のシリコン樹脂が巻かれてある。この主胴表面のシリコン樹脂表面に導電性機能を附与する異方導電性組成物を塗工する。次に、塗工した異方導電性組成物を乾燥させ、一部の溶剤を揮発させる。さらに、パターン形成した凹凸表面を備える版胴を主胴表面に押し当てながら、主胴と版胴の外周が同一速度で転動することにより、版胴の凸部に異方導電性組成物を転写する。
この結果、主胴表面は、版胴の凸部に対応した箇所にシリコン樹脂の露出面が形成され、凹部に対応した箇所に像的に異方導電性組成物が形成された状態になる。
最後に、主胴を輪転させ、基板に異方導電性組成物を像的に転写する。
異方導電性組成物の塗工方法は、特に制限されないが、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、カーテンフローコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコーティング法、エアナイフコーティング法、インクジェットコーティング法、ドクターブレードコーティング法、スクリーンコーティング法、ダイコーティング法、キャップコーティング法等がある。この中でも、塗布均一性、生産性の観点からキャップコーティング法が好ましい。
塗工する異方導電性組成物の溶剤は、離型性面に塗膜を形成するので離型性面より表面張力を小さくすることのできる炭化水素系溶剤を含有しなけらばならない。また、塗布面形成工程における粘度が50mPa・s以下となるようにしなければならない。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の非極性の炭化水素系の有機溶剤が挙げられる。もちろんこれらの混合系溶剤を使用することも可能である。例えばエクソン化学株式会社のISOPAR H、ISOPAR H Fluid、ISOPAR G、ISOPAR L、ISOPAR L Fluid(以上、商品名)などを使用することも可能である。
これらの炭化水素系溶剤は、離型性面である例えばシリコン樹脂面またはシリコンブランケットに均一な塗膜を形成するために必要な溶剤である。また塗膜の乾燥性という点からは低沸点の炭化水素系溶剤が好ましい。一般のオフセット印刷に使用される炭化水素系溶剤は版上の疎水面と親水面へのインキの付着をコントロ−ルするために使用されているが、本発明では均一な塗膜を得るために炭化水素系溶剤を使用する。したがって同じ炭化水素系溶剤であってもその使用目的はまったく異なる。ただし均一な塗膜面で高精細なパタ−ン及び形状を得るためには上述したように異方導電性組成物の粘度は50mPa・s以下にしなければならない。また炭化水素系溶剤以外にはエステル系溶剤、アルコ−ル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤を使用することも可能であり、異方導電性組成物を構成する樹脂や添加剤等を溶解、分散するのに好適である。例えば、エステル系溶剤として、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸i−プロピル、酢酸n−プロピル、酢酸i−ブチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等が挙げられる。アルコ−ル系溶剤として、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、セカンダリブタノ−ル、タ−シャリブタノ−ル等が挙げられる。ケトン系溶剤として、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。アミド系溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は塗膜の乾燥性に重要で、高沸点の溶剤では塗膜の乾燥性が低下する。また炭化水素系溶剤単独では各種樹脂との相溶性が乏しいためエステル系溶剤またはアルコ−ル系溶剤またはケトン系溶剤との組み合わせが好ましい。
塗布ムラを防止する観点と基板への転写性の観点から、150℃以下の沸点を有する第一の溶剤と100℃以上で、かつ、第一の溶剤より高い沸点を有する第二の溶剤の混合物であることが好ましい。第一の溶剤を含まないと、塗布後の乾燥に時間を要し生産性の観点で好ましくないだけでなく、離型性面であるシリコン樹脂上の異方導電性組成物にハジキ欠陥を生じ塗布ムラとなる場合がある。また、第二の溶剤を含まないと、基板への異方導電性組成物の密着力が小さくなり、転写不良となる場合がある。全溶剤に対する第二の溶剤の含有量は50重量%以下が好ましい。50重量%以上では、転写不良となる場合がある。第二の溶剤は、沸点が高すぎると乾燥に長時間を用して経済的でなくなったり、また、残存溶剤による特性への悪影響から250℃以下が好ましい。
同様の理由により異方導電性組成物の固形分含有量は、特に制限されないが、3〜25重量%であることが好ましく、異方導電性組成物の表面張力は特に制限されないが、20〜30dyne/cmであることが好ましい。
異方導電性組成物の塗布面形成工程における粘度は、50mPa・s以下とされる。好ましくは30mPa・s以下である。さらに好ましくは10mPa・s以下である。粘度が50mPa・sを超えると均一な塗膜を持つ高精細なパタ−ンや形状を得ることが困難となる。
異方導電性組成物の塗工方法がキャップコーティング法であるなら、5〜20mPa・sであることが好ましい。塗工の際の膜厚は、20μm以下であれば、特に制限されないが、解像性の観点で、15μm以下が好ましく、10μm以下が特に好ましい。
異方導電性組成物で使用する充填材として、樹脂組成物に単独に導電性がない場合、1種以上の導電性を有する充填材剤を含有する。これにより、導電性機能を樹脂組成物に附与する。さらに、必要に応じ、1種以上の導電性を有する充填材と1種以上の非導電性充填材を含有してもよい。
本発明で使用する導電性を有する充填材は、電気的接続を得ることができる導電性を有していればとくに制限はないが、Au、Ag、Ni、Cu、Co、はんだなどの金属粒子やカーボンなどが挙げられる。また、非導電性のがらす、セラミックス、プラスチックなどを前記金属の導電物質で被覆したものも使用できる。導電粒子が、プラスチックを核とし、この核に前記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものや熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので電極の高さばらつきを吸収したり、接続時に電極との接触面積が増加し接続信頼性が向上するので好ましい。また、これらの導電粒子の表面を、さらに高分子樹脂などで被覆した微粒子は、導電粒子の配合量を増加した場合の粒子同士の接触による短絡を抑制し、電極回路間の絶縁性が向上できることから、適宜これを単独あるいは導電粒子と混合して用いてもよい。このとき、被覆する金属層の厚さは十分な導電性を得るためには100Å以上が好ましい。充填材は、異方導電性組成物の固形分に対して、0.1〜50体積%の範囲で使用し、好ましくは10〜40体積%の範囲で使用することができる。この値が、0.1体積%未満であると導電性が劣る傾向があり、50体積%を超えると回路の短絡が起こる傾向がある。導電粒子の平均粒径は、分散性、導電性の点から1〜18μmであり、1〜5μmであることが好ましい。
本発明で使用する樹脂としては、回路と回路の接着性を発現するするものであると好ましい。組成内容としては、異方導電性接着剤などで公知のものを用いる。例えば、ラジカル重合性物質などがある。また、別の組成内容としては、高耐熱絶縁性材料として公知のものを用いる。例えば、特公昭51−44871号、特開平05−002168、特開平05−222195号等にあるポリイミド系樹脂前駆体などがある。充填材に半田を使用する場合、必要に応じフラックスを添加した前述の樹脂組成物を用いると好ましい。
接着性を発現するものとして、熱硬化系接着剤、ラジカル硬化系接着剤、光硬化系接着剤、熱可塑系接着剤(ホットメルト)を用いることができる。
熱硬化系接着剤は、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤を含み、フィルム状接着剤とする場合にはフィルム形成材を含むことが好ましい。エポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンとビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが可能である。これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na+、Cl-等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロンマイグレーション防止のために好ましい。
潜在性硬化剤は、イミダゾール系、ヒドラジド系、アミンイミド、ジシアンジアミド等が挙げられる。これらは、単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。潜在性硬化剤の配合量は充分な反応率を得るために、フィルム形成材とエポキシ樹脂の合計100重量部に対して、0.1〜60重量部とするのが好ましく1〜20重量部がより好ましい。潜在性硬化剤の配合量が0.1重量部未満では、充分な反応率を得ることができず良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。潜在性硬化剤の配合量が60重量部を超えると、接着剤の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤のポットライフが短くなる傾向にある。
フィルム形成材は、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取り扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、ベたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取り扱いができるものである。
フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が拳げられる。フィルム形成材の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フィルム形成材の配合量は、2〜80重量%であり、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%が特に好ましい。2重量%未満では、応力緩和や接着力が十分でなく、80重量%を超えると流動性が低下する。フィルム形成材は、接着剤をフィルム化する際に必要であるが、ワニス、ペースト状で使用する場合はなくてもよい。
ラジカル硬化系接着剤は、ラジカル重合性化合物、重合開始剤を含み、フィルム化する場合はフィルム形成性を含有することが好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物で、(メタ)アクリレート樹脂、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂などがあり、2種類以上を混合して使用してもよい。またラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマーいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーを混合して用いてもよい。
(メタ)アクリレート樹脂としては、(メタ)アクリレートをラジカル重合させることで得られるもので、(メタ)アクリレートとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジアクリレートなどが挙げられ、単独または2種類以上を混合して用いても良い。また、必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン等のラジカル重合禁止剤を硬化性が損なわれない範囲で使用しても良い。
さらに、ラジカル重合性化合物としてリン酸エステル化合物を使用した場合、金属等無機物に対する接着力を向上することができる。このリン酸エステル化合物の使用量は、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。リン酸エステル化合物は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの反応生成物として得られる。具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等が有り、単独でも混合して使用しても良い。
マレイミド樹脂としては、分子中にマレイミド基を少なくとも1個有しているもので、例えば、フェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,N'−p−フェニレンビスマレイミド、N,N'−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられ、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
シトラコンイミド樹脂としては、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有しているシトラコンイミド化合物を重合させたもので、シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが有り、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
ナジイミド樹脂としては、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合したもので、ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスナジイミド、N,N'−p−フェニレンビスナジイミド、N,N'−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが有り、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
上記ラジカル重合性化合物を使用した場合には、重合開始剤を使用する。重合開始剤としては、光または加熱によってラジカルを発生する化合物であれば特に制限はなく、過酸化物、アゾ化合物などがあり、目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等を考慮し適宜選択されるが、高反応性と保存安定性の点から、半減期10時間の温度が、40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が、50℃以上かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物が特に好ましい。接続時間を10秒とした場合、十分な反応率を得るための重合開始剤の配合量は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%が特に好ましい。使用される有機過酸化物の具体的な化合物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドなどから選定できるが、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドは、開始剤中の塩素イオンや有機酸が5000ppm以下であり、分解後に発生する有機酸が少なく、電極の腐食を抑えることができるため特に好ましい。
ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−へキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−へキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等を挙げることができる。
パーオキシケタール類では、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
シリルパーオキサイド類としては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
また、電極の腐食を抑えるために、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。また、作製した接着剤の安定性が向上することから室温(25℃)、常圧下で24時間の開放放置後に20重量%以上の重量保持率を有することが好ましい。これらは適宜混合して用いることができる。
これらの遊離ラジカル発生剤は単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いても良い。
また、これらの遊離ラジカル発生剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
フィルム形成材は、上記と同様である。
ラジカル重合性化合物以外に熱硬化性樹脂として上記のエポキシ樹脂を配合することもできる。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
また、このエポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン類、フェノール類、酸無水物類、イミダゾール類、ジシアンジアミド等通常のエポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものが挙げられる。さらには、硬化促進剤として通常使用されている3級アミン類、有機リン系化合物を適宜使用しても良い。
また、エポキシ樹脂を反応させる方法として、前記硬化剤を使用する以外に、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等使用して、カチオン重合させても良い。
光硬化系接着剤は、光カチオン重合性化合物、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射または加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤を含むことが好ましい。
光カチオン重合性化合物として、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物及び環状エーテル化合物から1つ以上選ばれる。
主に180〜750nmの波長成分を含む光照射または加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤として、芳香族スルホニウム塩、ヨードニウム塩、鉄−アレーン錯体、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩などから選ばれる少なくとも一種である。
主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤は、主として180〜750nmの波長成分を含む光照射によってカチオン種を発生する重合開始剤であり、光照射により発生するカチオン種を指すが、加熱によって発生したカチオン種を含んでも良く、光照射により発生するカチオン種が多いとの意味である。また、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤は、主として加熱によってカチオン種を発生する重合開始剤であり、加熱により発生するカチオン種を指すが、光照射によって発生したカチオン種を含んでも良く、加熱により発生するカチオン種が多いとの意味である。光カチオン重合性化合物としては、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射、または主に加熱により発生したカチオン種によって重合する官能基を有する化合物であり、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物及び環状エーテル化合物等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用しうる。例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやビスフェノールF等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂や、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステル、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、ビフェニルジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジルメタクリレートとこれと共重合可能なビニル単量体との共重合体等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
ビニルエーテル化合物としては、アルキルビニルエーテル化合物、アルケニルビニルエーテル化合物、アルキニルビニルエーテル化合物、アリールビニルエーテル化合物等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、オキセタンアルコール、脂肪族オキセタン化合物、芳香族オキセタン化合物等が挙げられる。
環状エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン化合物、テトラヒドロピラン化合物等が挙げられる。
これらの中では、他の化合物と比較すると分子量の異なるグレードが広く入手可能で、接着性や反応性、硬化特性等を任意に設定できる点から、エポキシ化合物が好ましい。
光カチオン重合性化合物の含有量としては、接着剤全体に対して10〜90重量%とするのが好ましく、25〜75重量%とするのがより好ましい。
含有量が10重量%未満の場合、硬化物の物性に乏しい接着剤しか得ることができず、含有量が90重量%を超えると、例えば硬化収縮率の大きな光カチオン重合性化合物を使用した場合、これを他の配合成分によって緩和する等の手段を用いることが困難になる。
エポキシ化合物のエポキシ当量は、43〜1000が好ましく、50〜800がより好ましく、73〜600が特に好ましい。エポキシ当量が43未満又は1000を超えると、電極の接続時に、接着強度が低下する傾向がある。これらのエポキシ化合物は、不純物イオン(Na+、Cl-等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロンマイグレーション防止のために好ましい。
主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ピリジニウム塩、セレノニウム塩等のオニウム塩や金属アレーン錯体、シラノール/アルミニウム錯体等の錯体化合物、ベンゾイントシレート、o−ニトロベンジルトシレート等を用いることができる。また、塩を形成する際の対アニオンとしてはヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が反応性の点で好適に用いられる。
主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、100℃以下の温度で熱触媒活性の低い化合物が、接着剤の保存安定性を高める点で好ましい。また、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤が、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤と同等の熱活性を有していたり、その反対に、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤が、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤と同等の光活性を有している化合物である場合は、接着剤の反応性が向上する点で好ましい。
主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、分子内に芳香族環が1個以上含まれる化合物が好ましく、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ−フェニル]スルフィドビス−ヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ−フェニル]スルフィドビス−ヘキサフルオロアンチモネート等といった芳香族スルホニウム塩やη−5,2,4−(シクロペンタジエニル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(メチルエチル)−ベンゼン]−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロペニル)ボレート、ジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート及びこれらの混合物を用いることができ、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(旭電化工業株式会社製商品名)、サイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバイド社製商品名)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(三新化学工業株式会社製商品名)、イルガキュア261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社製商品名)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR2074(ローディアジャパン社製商品名)等といった市販品としてこれらの化合物及びその溶液を用いることができる。
主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩やジアルキルフェナシルスルホニウム塩等の化合物が好適に用いられ、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(三新化学工業株式会社製商品名)、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(旭電化工業株式会社製商品名)、CI−2624(日本曹達株式会社製商品名)等といった市販品としてこれらの化合物及びその溶液を用いることができる。
主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤、及び、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤を使用する場合、各々、その使用量は、光カチオン重合性化合物の100重量%に対して0.05〜30重量%とすることが好ましく、0.1〜15重量%とすることがより好ましく、0.5〜10重量%とすることが特に好ましい。この量が、0.05重量%未満では、硬化促進効果が不十分となる傾向があり、30重量%を超えると相溶性が低下する傾向がある。
また、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤の含有量と主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤の含有量の重量比率は、1/50〜50/1であるのが好ましい。この範囲外の比率の場合、他方の重合開始剤の含有量が極端に少なくなるために、充分な硬化物が得られなくなる恐れがある。
主に180〜750nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤、及び、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤を使用する場合、それぞれを単独あるいは複数種を併用することもできる。また、カチオン重合を促進して接着剤の硬化性を高めるために、光増感剤を適宜組み合わせて使用することもできる。光増感剤としては、用いる励起光の吸収波長を有効に利用するためのものであれば特に制限されるものではなく、公知の化合物を使用することができ、具体的には、アントラセン、フェノチアジン、ペリレン、カルバゾール、ベンゾフェノン、チオキサントン、フルオレノン、アントラキノン等の化合物及びこれらの誘導体等を用いることができる。
接着剤には、さらにフィルム形成材を添加してもよい。その使用量としては、光カチオン重合性化合物100重量部に対して20〜320重量部とすることが好ましい。この使用量が、20重量部未満又は320重量部を超える場合は、フィルム形成性が低下する傾向がある。
熱可塑系接着剤(ホットメルト)は、基本的には絶縁性を示す通常の凝集力を付与するポリマと、その他必要に応じて用いる粘着付与剤、粘着性調整剤、架橋剤、老化防止剤、分散剤等を含むと好ましい。
これらポリマ種としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体変性物、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸塩共重合体、アクリル酸エステル系ゴム、ポリイソブチレン、アタクチックポリプロピレン、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、ポリブタジエン、エチレンセルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、天然ゴム、シリコン系ゴム、ポリクロロプレン等の合成ゴム類、ポリビニルエーテルなどが適用可能であり、単独あるいは2種以上併用して用いられる。
粘着付与剤としては、ジシクロペンタジエン樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂等があり、これらを必要に応じて、単独あるいは2種以上併用して用いる。粘着性調整剤としてはたとえばジオクチルフタレートをはじめとする各種可塑剤類等が代表的である。
架橋剤はポリマの凝集力を高めることが必要な場合に用いられ、ポリマの官能基と反応する多官能性物質であり、たとえばポリイソシアネート、メラミン樹脂尿素樹脂、フェノール樹脂等があげられる。
老化防止剤は、ポリマーバインダの熱、酸素、光等に対する安定性を高めることが必要な場合に用いるものでたとえば金属石ケン類を代表とする安定剤や、アルキルフェノール類などの酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤等が挙げられ、やはり必要に応じて単独あるいは2種以上併用して用いられる。
分散剤は、粒子の分散性向上のために用いる場合があり、この例としてたとえば界面活性剤が挙げられ、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、両性のうち1種あるいは2種以上併用して用いることができる。
接着剤には、適宜充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、カップリング剤を添加しても良い。
本発明で使用する凸版として、例えば水現像ナイロン系感光性樹脂凸版(東洋紡プリンタイト;東洋紡績株式会社製商品名)等の感光性樹脂を用い、目的とする形状のパターンの逆パターンを形成する。凸部に異方導電性組成物を転写除去するので表面張力の大きな組成としたり、組成物との接触面積を大きくするため凸部を粗化することが重要である。表面張力を大きくするには、構成樹脂に極性基を多量に含ませる配合とする。また、転写除去した異方導電性組成物はブレード等で擦り取ったり、多孔性の紙等に押し当て除去したり溶剤で洗浄除去したり、これらを組み合わせても良い。塗布面に残ったパターンの基板への転写は、離型性面の離型性能に影響されるが、パターンの方向により影響される場合がある。時間的に縦方向に転写される場合、縦方向の線は途切れることなく転写されるが、横方向の線は転写性に劣る傾向にあるので縦方向、斜め方向の線が多くなるようにし、横方向の線が少ないパターンとしたほうが好ましい。例えば、格子パターンでは、その格子を回転し、縦方向にひし形状に転写されるように凸版の形状に工夫をこらし、転写された基板は格子パターンとなるよう角度を変えて製品取りするなどを行うこともできる。これをしなくとも、離型性面の離型性能を調整することにより解決されることもあり、異方導電性組成物に充填材などを配合するなどにより解決することもある。
本発明で使用する離型性面は、離型性を有する面であり、ロール表面に離型処理を施したロール状のものや、フィルム自体が離型性を有するもの、また、離型処理を施したフィルムである。
離型性面がフィルムである場合、連続した塗布面を形成することができ生産性を向上させることができる。フィルムの場合、連続して塗布面を形成でき図1の主胴2の表面に沿わすことにより、次工程の除去工程、転写工程を行うことができる。
ロール表面に離型処理を施したロール状のものは、金属、ゴム、樹脂、セラミック製のロールに離型剤で離型処理したもの、離型処理層を設けたもの等が挙げられる。離型処理層として表面張力の小さい例えばフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリオレフィン系樹脂やオリゴマー等で被覆した層を有するもの、金属複合酸化物層、セラミック層をメッキ、蒸着、プラズマ、焼付け等により形成したものが挙げられる。中でも、柔軟性で離型性に優れたシリコン樹脂で作製されたロールやシリコン樹脂を被覆したロールが好ましい。
フィルム自体が離型性を有するものとして、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの表面張力が小さい樹脂フィルムが挙げられ、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらのフィルムは、表面張力が20〜30dyne/cmであることが好ましい。
離型処理は、離型剤により処理したものであり、離型剤として鉱油系(流動パラフィン、ポリオレフィンワックス、それらの部分酸化物、フッ化物、塩化物等)、脂肪酸系(ステアリン酸、オレイン酸等)、油脂系(動植物油、天然ワックス等)、脂肪酸エステル系(エチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等)、アルコール系(ポリオキシアルキレングリコール、グリコール類、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、高級脂肪族酸系アルコール等)、アミド系(ポリオキシエチレンアルキレンアミド、脂肪酸アマイド系等)、リン酸エステル系(ポリオキシアルキレンリン酸エステル等)、金属石鹸系(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸ナトリウム等)が挙げられ、これらは耐熱性に劣るのでシリコーンを併用して耐熱性を向上したり、離型性を調整する。シリコーンを多くすると耐熱性や離型性を高くすることができる。さらに、離型剤としてシリコーン系、フッ素系があり、シリコーン系としてジメチルシリコンオイル、ジメチルシリコンゴム、シリコーンレジン、有機変性シリコーンを挙げることができる。フッ素系としてポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。印刷インキ組成物と離型性面のSP値(ソルビリティ・パラメータ)が離れていることが好ましく、具体的には、2以上離れていることが特に好ましい。SP値は、組成物などの場合には測定が困難であるので例えば、Polym.Eng.Sci.,Vol.14の147〜154頁に記載されているFedorsの方法に準じて計算される値[単位:(MJ/m3)1/2]などをもちいる。溶解性パラメーターは、一般にSP(ソルビリティ・パラメーター)と呼ばれるもので、樹脂の親水性又は疎水性の度合いを示す尺度であり、樹脂間の相溶性を判断する上でも重要な尺度となる。シリコーン系離型剤では、ジメチルポリシロキサンの表面張力が、20〜21.5dyne/cmであるので、これをベースポリマとして種々の樹脂と組み合わせてブレンド、共重合させることにより離型性を調整した離型剤とすることができる。離型剤の移行防止の観点からペイントタイプのメチルフェニルシリコーンオイル、長鎖アルキル変性オイルとしたり、フッ素化合物とシリコーンポリマーを混合使用したり、フッ素変性シリコーンを用いることもできる。シリコーン系離型剤には、シリコーンオイル(ベースポリマーとして、ジメチルシリコーン、ジメチル/シリコーンレジン、変性シリコーンオイル、フェニル基/長鎖アルキル基含有シリコーンオイル)、硬化型(ベースポリマーとして、ジメチルシリコーン系(縮合反応、付加反応型)、メチルシリコーンワニス)があり、硬化型が本発明には適している。離型処理は、乾燥異方導電性組成物の凝集力>凸版の凸部分と乾燥異方導電性組成物の接着力>離型性面と乾燥異方導電性組成物の接着力となるように調整する。調整は、離型性面が行いやすく、表面張力を調整することで容易に行える。この場合、離型性面は、異方導電性組成物が塗布されるので、異方導電性組成物をはじくことなく塗布でき、しかも、離型性が良くなければならないので重要である。塗布層の厚みが薄いほどはじきやすくなり、はじき、ピンホール等をなくするには、離型性表面の表面張力を上記の接着力の大小関係を考慮して高めにすることや表面を粗化する。離型性面の粗化は、離型性面の粗化でも良く、離型性面の下地の粗化を利用したものでもよく、多孔性としたものでもよい。このようなものとしてシリコン樹脂製のブランケットが好適である。
上記の基板としては、用途により選択されるが、例えば、リジッド印刷配線板、多層板、フレキシブル印刷配線板、セラミック配線板、ITO回路板、半導体シリコンチップ等の回路を形成した基板、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス板、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板などが挙げられる。これら基板の中でもプラスチック支持体フィルムであることが好ましい。
本発明の異方導電性膜は、支持体フィルム/導電性膜/カバーフィルムの積層構造や、支持体フィルム/導電性膜の積層構造よりなる。支持体フィルムとしては、化学的、熱的に安定であり、フィルム、シートまたは板状に成形できるものを用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、ABS、ポリアセタール、PPO、ポリスルホン、エポキシ樹脂などの各種プラスチックである。これらの中で特に好ましいのは寸法安定性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、である。これらの表面は離型処理されていても良い。
導電性膜の基板に転写される面の保護のため、保護フィルムであるカバーフィルムを設けても良い。このカバーフィルムとしては、化学的および熱的に安定で、異方導電性膜との剥離が容易であるものが望ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール等の薄いシート状のもので表面の平滑性が高いものが好ましい。剥離性を付与するために表面に離型処理をしたものも含まれる。これらカバーフィルムの厚みは、5〜120μmが望ましい。5μm未満ではフィルムが切れることがあり、不良になり易い。また、120μmを超えると後工程でフィルムを巻き取る際にしわになり易く、作業性が低下してくる。
本発明の異方導電性膜を使用して接続する基板上の第一の回路と第二の回路を有する基板としては、電気的接続を必要とする電極が形成されているものであれば特に制限はなく、液晶ディスプレイに用いられているITO等で電極が形成されているガラスまたはプラスチック基板、プリント配線板、セラミック配線板、フレキシブル配線板、半導体シリコンチップなどが有り、必要に応じて組み合わせて使用される。
接続する場合の条件としては特に制限はないが、接続温度25〜250℃、接続時間1秒〜10分が好ましく、使用する用途、接着剤、基板によって適宜選択され、必要に応じて、後加熱を行っても良い。また、接続時は加熱加圧により行われるが、必要に応じて熱以外のエネルギーたとえば光、超音波、電磁波等を使用しても良い。
(実施例1)
(異方導電性組成物の作製)
ポリイミド系樹脂前駆体(PIX−1000;日立化成デュポンマイクロシステム製商品名)100ccに、フラックス(デルタラックス529D-1;千住金属工業株式会社製商品名)10cc、アミド系溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン250cc、炭化水素系溶剤としてオクタン100ccと、エステル系溶剤として酢酸エチル300ccを加えて混合し、さらに半田ボール(平均球径2μm)20ccを加え20分かけ十分攪拌し、導電性機能を附与した異方導電性組成物を得た。
(異方導電膜の形成)
この樹脂組成物を、図1に示すようにシリコン樹脂面(ブランケット)上にキャップコ−タを用いて塗布した。1〜2分間乾燥させて膜厚2.0μmの膜を形成した。その後、30μmピッチの20μm幅凸状格子パターン版胴を用いて凸状格子パターンに従った不要部分の塗膜を除去し、第一の回路として50μmピッチの40μm幅ストライプ状ニッケル薄膜電極が形成された700μmの厚さのガラス基板に転写した。転写されたパターンは、四角形が並んだパターンであった。転写されたパターンを120℃のホットプレートで4分間加熱しパターン化された異方導電性膜を第一の回路に形成した。
(回路の接続)
第二の回路として第一の回路と同じストライプ状ニッケル薄膜電極が形成されたガラス基板を第一の回路のストライプ状ニッケル薄膜電極と第二の回路のストライプ状ニッケル薄膜電極が同じ向きになり、かつ、対向して配置されるように位置あわせを行い、第一の回路上の異方導電膜に第二の回路のストライプ状ニッケル薄膜電極を押し当て、100g/平方cmの錘を載せた状態で、ホットプレートで240℃の加熱を3分施し回路を接続した。第一の回路と第二の回路の接続確認は、テスタを用いて行った。同様に隣接する電極の絶縁性の確認もテスタを用いた。その結果、第一の回路と第二の回路が電気的に接続されており、第一の回路の隣接する電極は絶縁されていることを確認した。
(実施例2)
(異方導電膜の形成)
実施例1で作製した異方導電性組成物を用い、この異方導電性組成物を、図1に示したシリコン樹脂面(ブランケット)上にキャップコ−タを用いて塗布した。1〜2分間乾燥させて膜厚2.0μmの膜を形成した。その後、30μmピッチの20μm幅の凸状格子パターン版胴を用いて凸状格子パターンに従った不要部分の塗膜を除去し、50μmの厚さの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PETフィルム)に転写した。転写されたパターンは、四角形が並んだパターンであった。転写されたパターンを100℃のオーブン20分間加熱しパターン化された異方導電性膜が支持体フィルムに積層された回路接続用フィルムを得た。さらに、カバーフィルムとしてポリエチレンフィルムを被覆して図2に示した回路接続用フィルムを得た。
(回路の接続)
この回路接続用フィルムのカバーフィルムを剥がしながら、異方導電性膜が実施例1と同じ第一の回路のガラス基板の40μm幅ストライプ状ニッケル薄膜電極を用い、これに接するようにラミネータ(ロールラミネータHLM1500、日立化成テクノプラント社製商品名)を用いて、基板温度100℃、ロール温度100℃、ロール圧力6kg/平方cm、速度0.2m/分でラミネートし、第一の回路、異方導電性膜、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された基板を得た。さらに基板からPETフィルムを剥がすし、パターン化された異方導電性膜を第一の回路に形成した。
第二の回路として第一の回路と同じストライプ状ニッケル薄膜電極が形成されたガラス基板を第一の回路のストライプ状ニッケル薄膜電極と第二の回路のストライプ状ニッケル薄膜電極が同じ向きになり、かつ、対向して配置されるように位置あわせを行い、第一の回路上の異方導電膜に第二の回路のストライプ状ニッケル薄膜電極を押し当て、100g/平方cmの錘を載せた状態で、ホットプレートで240℃の加熱を3分施し回路を接続した。第一の回路と第二の回路の接続確認は、テスタを用いた。同様に隣接する電極の絶縁性の確認は、テスタを用いた。接続を確認した結果、第一の回路と第二の回路が電気的に接続されていることが確認でき、かつ、第一の回路の隣接する電極の絶縁を確認した。
実施例1、2で示したように、本発明の異方導電性膜の製造方法により、従来は困難であった印刷精度の高い異方導電性膜を回路上に形成でき、しかも、回路幅より十分に小さく形成できるので回路と回路の接続後に回路から異方導電性膜がはみ出ることなく、回路上に形成することができる。従来の異方導電性膜はフィルム状の場合、回路と回路の間にも存在し回路間をショートさせたり、流動化した際に気泡を巻き込みボイドが形成される結果接続信頼性に劣る場合があったが、本発明では回路にのみ形成することもできるので回路間のショート発生がなく、また、接続信頼性にも優れる。また、従来の異方導電性膜がインキ形状である場合、スクリーン印刷などを用いても本発明のように微細形状に転写することができない。本発明では、炭化水素系溶剤を含有し、塗布面形成工程における粘度が50mPa・s以下の異方導電性組成物を用いるが、実施例においては、いずれもその範囲内であり、炭化水素系溶剤のオクタン100ccを酢酸エチルに変えた場合、濃淡むらが発生した。また、塗布面形成工程における粘度を全体の溶剤を減少させて60mPa・sとした場合、濃淡むら、転写されない部分、エッジ部がギザギザになるなどの不都合が生じた。
本発明の異方導電性膜の製造方法によれば、離型性面としてプラスチック支持体フィルムにストライプ状に形成することにより非常に狭い幅の異方導電性膜を形成することができる。従来の、異方導電性フィルムは、プラスチック支持体フィルムに塗工してからスリットしているため、スリットできる幅に制限があったが、本発明により数μm幅で製造することができる。また、本発明により回路形状に合わせて異方導電膜を2次元的に配置して形成することができる。
本発明の異方導電性膜の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の異方導電性膜の一例を示す断面図。
符号の説明
1.導電性機能を附与した樹脂組成物
2.主胴
3.ブランケット(シリコン樹脂)
4.版胴
5.印刷板
6.基板または支持体フィルム
7.CAPコ−タ
8.異方導電膜
9.支持フィルム
10.カバーフィルム

Claims (9)

  1. 離型性面に樹脂、充填材、溶剤を含む異方導電性組成物の塗膜を形成する塗布面形成工程、前記塗膜に所定の像的形状が形成された凸版を押圧して前記凸版の凸部に樹脂組成物を転写せしめ前記塗膜を除去する除去工程、前記離型性面に残った像的な前記樹脂組成物の前記塗膜を基板に転写する転写工程を備えた異方導電性膜の製造方法であって、
    前記異方導電性組成物は、炭化水素系溶剤を含有すると共に前記塗布面形成工程における粘度が50mPa・s以下であり、
    前記塗布面形成工程と前記除去工程との間に、前記離型性面に形成された前記塗膜を乾燥させて前記溶剤の一部を揮発させる半乾燥工程を更に備えたことを特徴とする異方導電性膜の製造方法。
  2. 前記溶剤が、150℃以下の沸点を有する第一の溶剤と、100℃以上かつ前記第一の溶剤より高い沸点を有する第二の溶剤との混合物である請求項1に記載の異方導電性膜の製造方法。
  3. 前記充填材が、すくなくとも1種以上の導電性を有する充填材である異方導電性組成物を用いる請求項1又は2に記載の異方導電性膜の製造方法。
  4. 前記充填材が、半田ボールであり、かつ、前記異方導電性組成物中にフラックスを含む異方導電性組成物を用いる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法。
  5. 炭化水素系溶剤と、エステル系溶剤、アルコ−ル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤を少なくとも1種類以上含む異方導電性組成物を用いる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法により得られる異方導電性膜。
  7. 前記基板がプラスチック支持体フィルムである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の異方導電性膜の製造方法により得られる異方導電性膜。
  8. 前記基板上の第一の回路と第二の回路を請求項6に記載の異方導電性膜を介して加熱加圧により電気的に接続することを特徴とする回路接続方法。
  9. 請求項7に記載の異方導電性膜を第一の回路に貼りあわす工程、プラスチック支持体フィルムを剥離する工程、前記第一の回路上の前記異方導電性膜に第二の回路を貼りあわす工程により、電気的に接続することを特徴とする回路接続方法。
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