JP2010123924A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性の低下を招くことなく、耐熱性が優れた固体電解コンデンサを生産性高く製造する方法を提供する。
【解決手段】 コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し引き上げた後、またはコンデンサ素子に上記導電性高分子の分散液を塗布した後、乾燥して、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層からなる第1の固体電解質層を形成した後、上記コンデンサ素子をモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液に浸漬し引き上げた後、または上記コンデンサ素子に上記モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液を塗布した後、上記モノマーを重合させることにより、上記第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成することによって固体電解コンデンサを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサは、二酸化マンガンを固体電解質として用いた従来の固体電解コンデンサに比べて、ESR(等価直列抵抗)が低く、信頼性が高いなど、種々の特性が優れていることから、急速な勢いで市場が拡大している。
このような固体電解コンデンサの製造方法としては、例えば、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの場合、チオフェンまたはその誘導体と酸化剤兼ドーパントとしてのパラトルエンスルホン酸鉄のアルコール溶液との混合液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、上記チオフェンまたはその誘導体を重合させることにより、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層を形成し、それを固体電解質とする方法が採用されてきた(特許文献1)。
また、積層型アルミニウム固体電解コンデンサやタンタル固体電解コンデンサの場合、チオフェンまたはその誘導体と酸化剤兼ドーパントとしてのパラトルエンスルホン酸鉄のアルコール溶液との混合液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、室温で上記チオフェンまたはその誘導体を重合させた後、洗浄により過剰の酸化剤兼ドーパントを洗い流し、次いで、乾燥する操作を数回〜数十回繰り返すことによって、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層を形成し、それを固体電解質とする方法が採用されてきた(例えば、特許文献2)。
しかしながら、上記巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの製造方法では、残存する鉄(遷移金属成分)により漏れ電流不良の発生が多発するだけでなく、短絡不良の発生まで起きる可能性が高かった。また、積層型アルミニウム固体電解コンデンサやタンタル固体電解コンデンサの場合には、洗浄工程が入っているので、鉄(遷移金属成分)がかなり取り除かれているが、完全に取り除くことはできず、漏れ電流不良の発生が多発するだけでなく、短絡不良の発生も生じる可能性があった。
そこで、それらの問題を解消するため、チオフェンまたはその誘導体、ピロールまたはその誘導体、アニリンまたはその誘導体などのモノマーを重合させて得た導電性高分子の分散液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、乾燥してコンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層を形成し、それを固体電解質層とする方法が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、この方法では、固体電解コンデンサに必要な静電容量を得るには、導電性高分子の分散液への浸漬・乾燥を多数回繰り返さなければならず、そのため、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの場合、生産性に欠けるという問題があった。つまり、このような導電性高分子の分散液では、導電性高分子の溶解ないし分散濃度に限界があり、また、限界濃度近くまで導電性高分子を溶解ないし分散させた場合には、粘度が高くなりすぎて作業性に支障を来すため、液中の導電性高分子の濃度を高くすることができず、その結果、1回の浸漬・乾燥で形成できる導電性高分子量が非常に少なくなるからである。また、タンタル固体電解コンデンサ、積層型アルミニウム固体電解コンデンサの場合では、もともと生産性が悪いため、生産効率という点では、それほど大きな問題にはならないものの、導電性高分子の分散液への浸漬・乾燥を多数回繰り返しても、目標とする静電容量を得るのが困難であるという問題があった。
そのため、鉄などの遷移金属を含まない、酸化剤兼ドーパントとモノマーとを含む液に、コンデンサ素子を浸漬し、液中から引き上げた後、モノマーを重合させることによりコンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層を形成し、固体電解質層とする方法が提案されている(特許文献4)。
この方法では、鉄などの遷移金属を含まず、また、反応液の濃度を高くすることができるので、生産性に問題はなく、ESRや静電容量にも問題はないが、コンデンサの耐熱性が予想した程度よりは低下するという問題があった。これは、重合反応の進行に伴い、酸化剤から酸が生成されるため、反応系内の酸性度が高くなり、そのため、誘電体層が腐食されることに基因するものと考えられる。
特開平10−50558号公報 特開平10−64761号公報 特開2005−158482号公報 WO2006/085601号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、生産性が高く、かつ耐熱性の低下を招くことなく、耐熱性が優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し、引き上げた後、またはコンデンサ素子に上記導電性高分子の分散液を塗布した後、乾燥して導電性高分子層からなる第1の固体電解質層をコンデンサ素子の誘電体層上に形成した後、上記コンデンサ素子をモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液に浸漬し、引き上げた後、または上記コンデンサ素子にモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液を塗布した後、上記モノマーを重合させることにより、上記第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成することによって固体電解コンデンサを製造するときは、上記課題を解決できることを見出し、それに基づいて、本発明を完成するにいたった。
また、本発明においては、第2の固体電解質層の形成にあたって、第1の固体電解質層を形成したコンデンサ素子を、上記のようにモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液に浸漬することなく、まず、モノマーを含む液に浸漬し、引き上げ、次いで非遷移金属系酸化剤を含む液に浸漬し、引き上げた後、上記モノマーを重合させて導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成してもよい。また、上記浸漬に代えて、塗布により第2の固体電解質層を形成する場合も、上記と同様に、まず、モノマーを含む液を塗布し、次いで非遷移金属系酸化剤を含む液を塗布した後、上記モノマーを重合させて第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成してもよい。
さらに、本発明においては、上記のように第1の固体電解質層および第2の固体電解質層を形成したコンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し、引き上げた後、または上記コンデンサ素子に上記導電性高分子の分散液を塗布した後、上記モノマーを重合させることによって、上記第2の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第3の固体電解質層を形成してもよい。
なお、本発明においては、コンデンサ素子の誘電体層上に第1の固体電解質層を形成するとか、第1の固体電解質層上に第2の固体電解質層を形成するとか、第2の固体電解質層上に第3の固体電解質層を形成するとか表現しているが、この場合における誘電体層上とか、第1の固体電解質層上とか、第2の固体電解質層上とは、誘電体層や第1の固体電解質層や第2の固体電解質層の表面ないしは開放面を意味するものであって、ある一つの状況下において、それらの誘電体層、第1の固体電解質層、第2の固体電解質層、第3の固体電解質層などが上記のような位置関係にあればよく、固体電解コンデンサがどのような状況下に置かれても、第1の固体電解質層が誘電体層の上部に配置し、第2の固体電解質層が第1の固体電解質層の上部に配置し、第3の固体電解質層が第2の固体電解質層の上部に配置することを意味するものではない。
また、第1の固体電解質層は少なくとも誘電体層上に形成され、第2の固体電解質層は少なくとも第1の固体電解質層上に形成され、第3の固体電解質層は少なくとも第2の固体電解質層上に形成されていればよく、例えば、第2の固体電解質層が第1の固体電解質層上に形成されていれば、たとえ、その一部が第1の固体電解質層上以外の部分に形成されていてもよい。
また、本発明においては、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液やモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液などに浸漬するとか、コンデンサ素子に導電性高分子の分散液やモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液を塗布するとか表現しているが、これらの浸漬や塗布は、コンデンサ素子(このコンデンサ素子には既に第1の固体電解質層や第2の固体電解質層が形成されている場合も含む)の所望位置に導電性高分子の分散液やモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液を存在させるための手段を例示的に示すものであって、それらの液をコンデンサ素子の所望位置に存在させ得るものであれば、それらの中間的な手段やその他の手段であってもよい。また、本発明においては、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し、引き上げたとか、コンデンサ素子をモノマーと非遷移金属系酸化剤を含む液に浸漬し、引き上げたとか、表現しているが、この「引き上げ」とは、それらの液に浸漬したコンデンサ素子をそれらの液外に出すことを例示的に示したものにすぎず、たとえ、表現を「取り出す」とかのように変えたとしても、内容的に異なるものになることはない。
本発明によれば、耐熱性の低下を招くことなく、耐熱性が優れた固体電解コンデンサを生産性高く製造することができる。すなわち、本発明において、固体電解質層の主要部分を構成する第2の固体電解質層を形成するためのモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液では、モノマー濃度を高くすることができるので、コンデンサに必要な静電容量を持たせるための固体電解質層の形成を効率よく行うことができる。従って、本発明によれば、導電性高分子の分散液のみを用いて全固体電解質層を形成する場合に比べて、固体電解コンデンサを生産性高く製造することができる。
そして、この第2の固体電解質層の形成にあたって、コンデンサ素子の誘電体層上は(すなわち、誘電体層の表面は)、第1の固体電解質層で覆われているので、第2の固体電解質層の形成時に、誘電体層が酸化剤の分解により生成する硫酸などの強酸性物質によって腐食を受けることがない。従って、耐熱性の低下を招くことなく、耐熱性の優れた固体電解コンデンサを製造することができる。
なお、第1の固体電解質層を有するコンデンサ素子をまずモノマーを含む液に浸漬し、次いで、非遷移金属系酸化剤を含む液に浸漬する場合も、全固体電解質層を導電性高分子の分散液を用いて形成する場合より生産性が向上するのはもちろんであるが、この場合には、上記コンデンサ素子をモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液に浸漬する場合より、モノマーを有効利用でき、コスト的に優れている。すなわち、モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液を用いる場合は、モノマーは常に酸化剤に接しているので、固体電解質層の形成に使用されることなく、モノマーが消費されることが起こり得るが、上記のように、モノマーと酸化剤とを別々にしている場合には、モノマーはすべて固体電解質層の形成に使用されることになり、無駄に消費されることはない。
また、第2の固体電解質層上に第3の固体電解質層を形成する場合は耐熱性をより向上させることができる。すなわち、第3の固体電解質層を形成するための導電性高分子の分散液により、第2の固体電解質層に残存する酸化剤に基づく酸性度を中和することができ、また、第3の固体電解質層により第2の固体電解質層が直接外気を接触することがなくなり、大気中の水分によって第2の固体電解質中に残存する酸化剤から酸が遊離するおそれがなくなるからである。
まず、第1の固体電解質層を形成するための導電性高分子の分散液における導電性高分子としては、電解酸化重合、化学酸化重合(ただし、酸化剤としては非遷移金属系のものを用い、遷移金属系のものは用いない)のいずれで合成した導電性高分子であってもよいが、電解酸化重合で合成した導電性高分子の方が、化学酸化重合で合成した導電性高分子に見られるような酸化剤に基づく硫酸根の含有が少なく、残存硫酸根に基づく導電性の低下などが少ないので、第1の固体電解質層を構成する導電性高分子として好ましい。従って、電解酸化重合により導電性高分子を合成する場合を主に説明する。
電解酸化重合にあたって、ドーパントとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステルおよびフェノールスルホン酸ノボラック樹脂から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、それらの高分子ドーパントを用いることによって、導電性が高く、かつ耐熱性に優れた導電性高分子が得られやすいからである。その理由については、現在のところ必ずしも明確ではないが、それらの高分子ドーパントが、導電性高分子の合成時、優れた分散剤として機能し、重合性モノマーや必要に応じて添加する触媒などを水中または水性液中に均一に分散させ、かつ合成されるポリマー中にドーパントとして取り込まれることから、その優れた分散剤として機能することが均一な組成の導電性高分子の合成につながり、その結果、導電性が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子が得られるようになる要因になっているものと考えられる。
上記ポリスチレンスルホン酸としては、例えば、その重量平均分子量が10,000〜1,000,000のものが好ましい。
すなわち、上記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が10,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなるおそれがある。また、上記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が1,000,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、固体電解コンデンサの作製にあたって使用しにくくなる。そして、上記ポリスチレンスルホン酸としては、その重量平均分子量が上記範囲内で、20,000以上のものが好ましく、40,000以上のものがより好ましく、また、800,000以下のものが好ましく、300,000以下のものがより好ましい。
また、上記スルホン化ポリエステルは、スルホイソフタル酸エステルやスルホテレフタル酸エステルなどのジカルボキシベンゼンスルホン酸ジエステルとアルキレングリコールとを酸化アンチモンや酸化亜鉛などの触媒の存在下で縮重合させたものであり、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が5,000〜300,000のものが好ましい。
すなわち、上記スルホン化ポリエステルの重量平均分子量が5,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなるおそれがある。また、上記スルホン化ポリエステルの重量平均分子量が300,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、固体電解コンデンサなどの作製にあたって使用しにくくなる。そして、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が上記範囲内で、10,000以上のものが好ましく、20,000以上のものがより好ましく、また、100,000以下のものが好ましく、80,000以下のものがより好ましい。
そして、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、例えば、下記の一般式(I)で表されるフェノールスルホン酸ノボラック樹脂が好ましく、また、その重量平均分子量が5,000〜500,000のものが好ましい。これは、下記の理由に基づいている。
Figure 2010123924
(式中のRは水素またはメチル基)
すなわち、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂の重量平均分子量が5,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなるおそれがある。また、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂の重量平均分子量が500,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、固体電解コンデンサなどの作製にあたって使用しにくくなる。そして、このフェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、その重量平均分子量が上記範囲内で、5,000以上のものが好ましく、10,000以上のものがより好ましく、また、400,000以下のものが好ましく、80,000以下のものがより好ましい。
本発明において、導電性高分子を電解酸化重合によって合成するための重合性モノマーとしては、例えば、チオフェンまたはその誘導体、ピロールまたはその誘導体およびアニリンまたはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましいが、そのチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンなどが挙げられ、ピロールの誘導体としては、例えば、3,4−アルキルピロール、3,4−アルコキシピロールなどが挙げられ、アニリンの誘導体としては、例えば、2−アルキルアニリン、2−アルコキシアニリンなどが挙げられる。そのアルキル基やアルコキシ基の炭素数としては1〜16が好ましい。
導電性高分子の合成にあたっての電解酸化重合は、水中または水と水混和性溶剤との混合液からなる水性液中で行われる。上記水性液を構成する水混和性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられ、これらの水混和性溶剤の水との混合割合としては、水性液全体中の50質量%以下が好ましい。
上記電解酸化重合に際してのドーパントやモノマーの使用量は、特に限定されることはないが、例えば、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸、モノマーとしてチオフェンの誘導体である3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いる場合を例に挙げて説明すると、それらの使用比率としては、質量比で、ポリスチレンスルホン酸1に対して、3,4−エチレンジオキシチオフェンが0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、また、5以下が好ましく、1以下がより好ましい。そして、これは、ドーパントとして他のものを用い、モノマーとして他のものを用いる場合もほぼ同様である。
電解酸化重合は、定電流でも定電圧でも行い得るが、例えば、定電流で電解酸化重合を行う場合、電流値としては0.05〜10mA/cmが好ましく、上記範囲内で0.2mA/cm以上がより好ましく、定電圧で電解酸化重合を行う場合は、電圧としては0.5〜10Vが好ましく、上記範囲内で1.5V以上がより好ましい。電解酸化重合時の温度としては、5〜95℃が好ましく、10℃以上がより好ましく、また、30℃以下がより好ましい。また、重合時間としては、1〜72時間が好ましく、8時間以上がより好ましく、また、24時間以下がより好ましい。そして、電極間距離(つまり、陽極と陰極とが向き合っている面間の距離)は、1〜15cmが好ましい。つまり、電極間距離が上記より広くなると(つまり、陽極と陰極との間の距離が長くなると)、理由は明確ではないが、得られる導電性高分子の導電率が低くなり、また、電極間距離が上記より狭くなると、液の流れが悪くなって、導電性高分子の固形化が生じるおそれがある。なお、電解酸化重合にあたっては、触媒として硫酸第一鉄または硫酸第二鉄を添加してもよい。電解酸化重合をこれら触媒の鉄イオンを含有した水中または水性液中で行うと、モノマーの重合が促進される。
上記のような工程を経由して得られる導電性高分子の分散液は、そのままでも使用できるが、その分散液中に高沸点溶剤を含有させることが好ましい。これは、高沸点溶剤を含有させることによって、得られる導電性高分子の製膜性を向上させ、それによって、導電性を向上させることができるからである。このように高沸点溶剤を含有させることによって、導電性高分子の導電性を向上させることができる理由は、現在のところ必ずしも明確ではないが、例えば、導電性高分子の分散液をコンデンサ素子の誘電体層上に塗布し、乾燥するときに、高沸点溶剤が脱け出る際に厚み方向の層密度を高くさせ、それによって、導電性高分子間の面間隔が狭くなり、導電性高分子の導電性が高くなるものと考えられる。
上記高沸点溶剤としては、沸点が150℃以上のものが好ましく、そのような高沸点溶剤の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)、スルホラン(沸点285℃)、N−メチルピロリドン(沸点202℃)、ジメチルスルホン(沸点233℃)、エチレングリコール(沸点198℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)などが挙げられ、特にジメチルスルホキシドが好ましい。そして、この高沸点溶剤の含有量としては、分散液中の導電性高分子に対して質量基準で5〜3,000%(すなわち、導電性高分子100質量部に対して高沸点溶剤が5〜3,000質量部)が好ましく、特に20〜700%が好ましい。高沸点溶剤の含有量が上記より少ない場合は、導電性高分子の製膜性が低下し、その結果、導電性高分子の導電性を向上させる作用が低下し、高沸点溶剤の含有量が上記より多い場合は、分散液の乾燥に時間を要するようになり、また、かえって、導電性の低下を引き起こすおそれがある。
なお、分散液中における導電性高分子の含有量は、その分散液を乾燥して導電性高分子層を形成する際の作業性などに影響を与えるので、通常1〜10質量%程度が好ましい。つまり、導電性高分子の含有量が上記より少ない場合は、乾燥に時間を要し、また、導電性高分子の含有量が上記より多い場合は、粘度が高くなって、浸漬や塗布する際の作業性が低下するおそれがある。
そして、第1の固体電解質層の形成は、コンデンサ素子を上記のような導電性高分子の分散液に浸漬し引き上げた後、またはコンデンサ素子上に上記導電性高分子の分散液に塗布した後、乾燥することによりコンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層を形成することによって行われるが、この第1の固体電解質層を構成する導電性高分子層は、次の第2の固体電解質層の形成にあたっての化学酸化重合時にコンデンサ素子の誘電体層が酸化剤に基づき腐食されるのを防止できさえすればよいので、その厚みは薄いものでよい。
上記導電性高分子の分散液の乾燥は、室温での自然乾燥から加熱乾燥までのいずれでもよいが、分散液中に高沸点溶剤を含有させている場合には、150℃以上に加熱して乾燥するのが好ましい。
なお、この第1の固体電解質層の形成にあたって使用される導電性高分子の分散液は、それ以外にも、第2の固体電解質層上に形成する第3の固体電解質層の形成にあたっても使用される。
次に第2の固体電解質層の形成について説明する。
この第2の固体電解質層の形成にあたっては、モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを用いるが、該モノマーとしては、前記と同様に、例えば、チオフェンまたはその誘導体、ピロールまたはその誘導体およびアニリンまたはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。そして、チオフェンの誘導体、ピロールの誘電体、アニリンの誘導体なども、前記例示の通りである。
非遷移金属系酸化剤兼ドーパントにおけるドーパントとしては、特に、特定のものに限定されることはないが、例えば、OH基およびスルホン基をそれぞれ1つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩もしくはイミダゾール塩から選ばれる少なくとも1種や、スルホン基を2つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはスルホン基を3つ以上有するナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩もしくはイミダゾール塩から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
そして、非遷移金属系酸化剤兼ドーパントにおける非遷移金属系酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸有機塩が好ましく、非遷移金属系酸化剤兼ドーパントとしては、上記例示のドーパントと過硫酸有機塩との混合物で構成したものが好ましい。
上記OH基およびスルホン基をそれぞれ1つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩や、スルホン基を2つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはスルホン基を3つ以上有するナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩を構成するアルキルアミンのアルキル基は、炭素数が1〜12であるものが好ましい。
また、上記OH基およびスルホン基をそれぞれ1つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸のイミダゾール塩を構成するイミダゾールは、その2位または4位が、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基で置換されているものが好ましく、このOH基およびスルホン基をそれぞれ1つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸のイミダゾール塩の具体例としては、例えば、ベンゼンスルホン酸2−メチルイミダゾール、フェノールスルホン酸4−メチルイミダゾール、フェノールスルホン酸2−メチルイミダゾール、クレゾールスルホン酸4−メチルイミダゾールなどが好ましい。
また、上記スルホン基を2つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはスルホン基を3つ以上有するナフタレン骨格スルホン酸のイミダゾール塩を構成するイミダゾールは、その2位または4位が、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基で置換されているものが好ましく、このスルホン基を2つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはスルホン基を3つ以上有するナフタレン骨格スルホン酸のイミダゾール塩の具体例としては、例えば、ベンゼンジスルホン酸2−メチルイミダゾール、ベンゼンジスルホン酸4−メチルイミダゾール、ナフタレントリスルホン酸2−メチルイミダゾール、ナフタレントリスルホン酸4−メチルイミダゾール、ナフタレントリスルホン酸2−エチル−4−メチルイミダゾールなどが好ましい。
そして、酸化剤を構成する過硫酸有機塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸アルキルアミン塩、過硫酸イミダゾール塩などが好ましい。そして、そのアルキルアミン塩やイミダゾール塩に関しては、上記特定のベンゼン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩やイミダゾール塩に関して説明したものと同様のものが好ましい。
上記非遷移金属系酸化剤兼ドーパントの構成にあたって、それらのドーパントと過硫酸有機塩の比率としては、ドーパントがOH基およびスルホン基をそれぞれ1つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩もしくはイミダゾール塩から選ばれる少なくとも1種の場合、該OH基およびスルホン基をそれぞれ1つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩もしくはイミダゾール塩から選ばれる少なくとも1種が1モルに対して、過硫酸有機塩が0.3〜2.0モルであることが好ましく、ドーパントがスルホン基を2つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはスルホン基を3つ以上有するナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩もしくはイミダゾール塩である場合、質量比で、上記スルホン基を2つ以上有するベンゼン骨格スルホン酸またはスルホン基を3つ以上有するナフタレン骨格スルホン酸のアルキルアミン塩もしくはイミダゾール塩から選ばれる少なくとも1種が1に対して、過硫酸有機塩が0.1〜1.5であることが好ましい。
上記非遷移金属系酸化剤兼ドーパントは、モノマーの化学酸化重合に用いるものであって、溶液状にして用いられるが、その酸化剤兼ドーパント溶液における酸化剤兼ドーパントの濃度としては、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上がさらに好ましく、80質量%以下が好ましい。つまり、酸化剤兼ドーパント溶液における酸化剤兼ドーパントの濃度が、25質量%以上になると重合反応が進行しやすくなり、30質量%以上、より好ましくは40質量%以上になると、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサ、アルミニウム固体電解コンデンサなどの製造効率や特性面のいずれに関しても満足すべき結果が得られるようになり、酸化剤兼ドーパント溶液の濃度が55質量%以上になると、ESRが低く、かつ静電容量が高いなど、特性面で特に満足すべきコンデンサが得られるようになり、酸化剤兼ドーパント溶液の濃度が80質量%より高くなると、かえって特性が低下するようになる。
上記酸化剤兼ドーパント溶液は、例えば、上記のドーパントの溶液と過硫酸有機塩の水溶液とを混合することによって調製される。そして、この酸化剤兼ドーパント溶液のpHは1以上が好ましく、4以上がより好ましく、また10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
また、この酸化剤兼ドーパント溶液には、乳化剤を添加しておくことが好ましい。これは、乳化剤を添加しておくことによって、モノマーの重合反応をより均一に進行させることができるからである。上記乳化剤としては、種々のものを用いることができるが、特にアルキルアミンオキサイドが好ましい。このアルキルアミンオキサイドは、たとえ導電性高分子中に残ったとしても、導電性高分子の導電率を大きく低下させたり、その導電性高分子を固体電解コンデンサの固体電解質として用いた場合に、該コンデンサの機能を著しく低下させるようなことがない。また、モノマーの重合反応が進むにつれて、反応系のpHは低くなるが、上記アルキルアミンオキサイドはpHの低下を抑制する作用も有している。
また、モノマーは、重合にあたって、液状のものはそのまま使用できるが、重合反応をよりスムーズに進行させるには、上記モノマーを、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどの有機溶媒で希釈して溶液(有機溶媒溶液)状にしておくことが好ましい。
モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む溶液は、例えば、モノマーまたはモノマーの有機溶媒溶液と上記酸化剤兼ドーパント溶液とを混合することによって調製される。
そして、上記モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む溶液に、例えば、第1の固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、モノマーを重合させることによって、第1の固体電解質層上に導電性高分子からなる第2の固体電解質層が形成される。上記浸漬の時間は、特に限定されるものではないが、例えば、10〜300秒程度であり、重合時の温度は、特に限定されることはないが、例えば、−20℃〜100℃、好ましくは5〜40℃程度である。そして、重合時の時間は、重合温度によって大きく異なるので、一概に示すことができないが、例えば、15〜400分である。
上記の例示では、第2の固体電解質層の形成にあたって、モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液に第1の固体電解質層が形成された固体電解質層を浸漬する場合を示したが、上記モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液をコンデンサ素子の第1の固体電解質層上に塗布する工程を経て第2の固体電解質層を形成する場合も、その重合に際しては、上記と同様の温度や時間で行なわれる。また、モノマーを含む液にコンデンサ素子を浸漬し、次いで、そのコンデンサ素子を非遷移金属系酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬する工程を経て第2の固体電解質層を形成する場合も、上記とほぼ同様の浸漬時間、重合温度、重合時間などが採用されて、第2の固体電解質層が形成される。
さらに、第2の固体電解質層上に導電性高分子の分散液によって第3の固体電解質層を形成する場合は、前記コンデンサ素子の誘電体層上に第1の固体電解質層を形成する場合とほぼ同様の方法で第3の固体電解質層が形成される。
なお、本発明では、固体電解質の構成を上記のような特定の構成にしたが、固体電解質以外の部分に関しては、固体電解コンデンサに関する従来から公知の構成を採用することができる。
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例に先立ち、実施例で用いる導電性高分子の分散液の製造例を参考例として示す。そして、以下に示す参考例、実施例などにおいて、溶液、分散液などの濃度を示す%は、特にその単位を付記しないかぎり、質量%である。
参考例1
ポリスチレンスルホン酸(テイカ社製、重量平均分子量100,000)の4%水溶液600gを内容積1リットルのステンレス鋼製容器に入れ、硫酸第一鉄・7水和物0.3gを添加し、その中に3,4−エチレンジオキシチオフェン4mlをゆっくり滴下した。ステンレス鋼製の攪拌翼で攪拌し、室温下1mA/cmの定電流で18時間電解酸化重合を行った。この電解酸化重合に際し、陽極は容器に取り付けられ、陰極は攪拌翼の付け根に取り付けられていて、それらの電極間距離は、両者の対峙する部位によって若干相違するものの、8〜10cmの範囲内にあった。
上記電解酸化重合後、水で6倍に希釈した後、超音波ホモジナイザー(日本精機社製、US−T300)で30分間分散処理を行った。その後、オルガノ社製のカチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加し、1時間攪拌機で攪拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンなどのカチオン成分をすべて除去した。
上記カチオン成分除去後の液を孔径が1μmのフィルターに通し、その通過液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去した。次いで、上記液にメチルイミダゾールを添加し、pH6に調整した。このpH調整後の液に精製水を添加して内容物の濃度を3%に調整し、その3%液40gに対し、高沸点溶剤としてジメチルスルホキシド4g(導電性高分子に対して質量基準で333%)を添加し、導電性高分子の分散液を得た。
参考例2
ポリスチレンスルホン酸の4%水溶液600gに代えて、スルホン化ポリエステル〔互応化学工業社製プラスコートZ−561(商品名)、重量平均分子量27,000〕の3%水溶液600gを用い、それに添加する硫酸第一鉄・7水和物の添加量を0.05gに変更した以外は、ジメチルスルホキシドの添加などを含め、参考例1と同様の操作を行って、導電性高分子の分散液を得た。
参考例3
ポリスチレンスルホン酸の4%水溶液600gに代えて、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂〔小西化学工業社製lotEW00130(商品名)、一般式(I)中のRは水素、重量平均分子量60,000〕の4%水溶液600gを用いた以外は、ジメチルスルホキシドの添加などを含め、参考例1と同様の操作を行って、導電性高分子の分散液を得た。
〔巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでの評価〕
次に示す実施例1〜7および比較例1〜4では、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造し、上記実施例1〜7を比較例1〜4と対比して、本発明の効果を明らかにする。
実施例1
アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、10%アジピン酸アンモニウム水溶液中で70Vの電圧を印加することにより化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して対向させることにより、コンデンサ素子を作製した。
上記コンデンサ素子を前記参考例1で製造した導電性高分子の分散液に1分間浸漬した後、引き上げ、150℃で10分乾燥後、さらに150℃で10分乾燥して、上記誘電体層上に導電性高分子層からなる第1の固体電解質層を形成した。
次いで、濃度が70%のナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液(pH5)3.58mlと濃度が45%の過硫酸アンモニウム水溶液3.58mlと濃度が35%ジメチルラウリルアミンオキサイド水溶液0.26mlと3,4−エチレンジオキシチオフェン2mlとを密栓付きバイアルに入れて、10分間混合した後、その中に上記第1の固体電解質層を形成したコンデンサ素子を1分間浸漬し、引き上げ後、室温で2時間重合を行って、上記第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成し、その後、エタノールで2時間洗浄した後、150℃で180分間加熱した後、アルミニウムの外装ケースに入れ、封止した。その後、130℃で25Vの定格電圧をかけながらエージングを行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例2
参考例1で製造した導電性高分子の分散液に代えて、参考例2で製造した導電性高分子の分散液を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例3
参考例1で製造した導電性高分子の分散液に代えて、参考例3で製造した導電性高分子の分散液を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例4
濃度が70%のナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液に代えて、濃度が70%のフェノールスルホン酸2−メチルイミダゾール水溶液(pH5)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例5
濃度が70%のナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液に代えて、濃度が70%のクレゾールスルホン酸4−メチルイミダゾール水溶液(pH5)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例6
濃度が70%のナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液に代えて、濃度が80%のベンゼンジスルホン酸2−メチルイミダゾール水溶液(pH5)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例7
実施例1と同様に、コンデンサ素子の誘電体層上に第1の固体電解質層を形成し、さらに、上記第1の固体電解質層上に第2の固体電解質層を形成し、エタノールで2時間洗浄した後、150℃で、20分乾燥し、さらに、そのコンデンサ素子を参考例2で製造した導電性高分子の分散液に5分間浸漬した後、引き上げ、50℃で10分、150℃で3時間乾燥して、第2の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第3の固体電解質層を形成した後、アルミニウムの外装ケースに入れ、封止した。その後、130℃で25Vの定格電圧をかけながらエージングを行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
比較例1
参考例1で製造した導電性高分子の分散液へのコンデンサ素子の浸漬を行わなかった以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。つまり、この比較例1の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでは、実施例1の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに形成されているような導電性高分子の分散液に基づく誘電体層上への第1の固体電解質層は形成されていない。
比較例2
参考例1で製造した導電性高分子の分散液へのコンデンサ素子への浸漬を行わなかった以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。つまり、この比較例2の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでは、実施例7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに形成されているような導電性高分子の分散液に基づく誘電体層上への第1の固体電解質層は形成されていない。
比較例3
実施例1と同様にコンデンサ素子の誘電体層上に第1の固体電解質層を形成した後、このコンデンサ素子を40%パラトルエンスルホン酸鉄のn−ブタノール溶液と3,4−エチレンジオキシチオフェンとの質量比6:1の混合液に1分間浸漬し、引き上げた後、上記3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合を25℃で1時間行って、上記第1の固体電解質層上に遷移金属系酸化剤兼ドーパントを用いた導電性高分子からなる第2の固体電解質層を形成し、50℃で1時間、150℃で5時間乾燥した後、アルミニウムの外装ケースに入れ、封止した。その後、130℃で25Vの定格電圧をかけながらエージングを行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
比較例4
実施例1と同様に作製したコンデンサ素子を参考例1で製造した導電性高分子の分散液に1分間浸漬し、引き上げ後、50℃で10分、さらに150℃で10分乾燥して、実施例1と同様にコンデンサ素子の誘電体層上に第1の導電性高分子層からなる第1の固体電解質層を形成した。
このコンデンサ素子を参考例1で製造した導電性高分子の分散液に浸漬し、引き上げ後、乾燥する操作をさらに5回繰り返したのち、150℃で4時間乾燥し、その後、アルミニウムの外装ケースに入れ、封止した。その後、130℃で25Vの定格電圧をかけながらエージングを行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。つまり、この比較例4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでは、導電性高分子の分散液への浸漬、乾燥する工程を計6回繰り返して固体電解質層を形成しているものの、実施例1の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのようなモノマーと酸化剤兼ドーパントを含む液へのコンデンサ素子の浸漬や上記モノマーの重合を行っていない。
上記のようにして製造した実施例1〜7および比較例1〜4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、その静電容量、ESRおよび漏れ電流を測定し、また、漏れ電流不良の発生の有無を調べた。その結果を表1に示す。なお、静電容量、ESRおよび漏れ電流の測定方法や漏れ電流不良の発生の有無の試験方法は次に示す通りである。
静電容量:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、120Hzで静電容量を測定した。
ESR:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、100kHzでESRを測定した。
漏れ電流:
巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに、25℃で25Vの定格電圧を60秒間印加した後、デジタルオシロスコープにて漏れ電流を測定した。
漏れ電流不良の発生:
上記漏れ電流の場合と同様に漏れ電流を測定し、漏れ電流が83μA以上のものは漏れ電流不良が発生していると判断した。
なお、測定は、各試料とも、30個ずつについて行い、静電容量、ESRおよび漏れ電流に関して表1に示す数値は、その30個の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。また、この漏れ電流不良の発生の有無を調べた結果の表1への表示にあたっては、試験に供した全コンデンサ個数を分母に示し、漏れ電流不良の発生があったコンデンサ個数を分子に示す態様で表示する。ただし、漏れ電流値に関しては、漏れ電流不良が発生しなかったものについての平均値である。
Figure 2010123924
表1に示すように、実施例1〜7は、静電容量が101μF以上あり、ESRが51mΩ以下で、漏れ電流が11μA以下であり、漏れ電流不良の発生がなかった。
これに対して、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子の分散液に基づく第1の固体電解質層を形成していない比較例1は、このような常態での試験では、実施例1〜7に比べて、それほど大きな特性低下が認められなかったものの、次の表2に示すように、高温貯蔵による静電容量の低下やESRの増加が大きく、耐熱性が実施例1〜7に比べて劣っていた。
また、上記比較例1と同様に、コンデンサ素子の表面に導電性高分子の分散液に基づく第1の固体電解質層を形成していない比較例2は、実施例1〜7に比べて、静電容量が若干小さく、かつESRが若干大きく、しかも、上記比較例1と同様に、次の表2に示すように、高温貯蔵による静電容量の低下やESRの増加が大きく、耐熱性が実施例1〜7に比べて劣っていた。
そして、遷移金属系の酸化剤を用いた比較例3は、実施例1〜7に比べて、漏れ電流が大きく、漏れ電流不良の発生もあり、また、次の表2に示すように、高温貯蔵によるESRの増加が大きく、耐熱性も実施例1〜7に比べて劣っていた。
また、導電性高分子の分散液のみで固体電解質層を形成した比較例4は、導電性高分子の分散液への浸漬と、それに引き続く乾燥を6回も繰り返しているにもかかわらず、実施例1〜7に比べて、静電容量が小さかった。
つぎに、上記実施例1〜7および比較例1〜4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ中からそれぞれ無作為に選んだ20個ずつを105℃で1500時間貯蔵後に前記と同様に静電容量、ESR、漏れ電流を測定し、かつ漏れ電流不良の発生の有無を調べた。その結果を表2に示す。なお、表2に示す静電容量、ESRおよび漏れ電流の値は、それぞれ20個の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 2010123924
この表2に結果と前記の表1に示す結果との対比から明らかなように、実施例1〜7では、高温での貯蔵による静電容量の低下やESRや漏れ電流の増加は、極くわずかにとどまっていたが、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性組成物分散液に基づく第1の固体電解質層を形成していない比較例1〜2は、高温での貯蔵による静電容量の低下やESRの増加が実施例1〜7に比べて大きく、耐熱性が劣っていた。
〔板型アルミニウム固体電解コンデンサでの評価〕
次の実施例8〜11および比較例5〜7では、板型のアルミニウム固体電解コンデンサを製造し、上記実施例8〜11を比較例5〜7と対比して、本発明の効果を明らかにする。
実施例8
縦10mm×横3.3mmのアルミニウムエッチド箔の縦方向4mmと5mmの部分を分けるようにポリイミド溶液を1mm幅で塗布し、乾燥して、ポリイミドからなる幅1mmの耐熱性テープを形成した。次に、端から5mmの部分の端から2mmのところに陽極リード体としての銀線を取り付け、反対側の4mm×3.3mm部分を10%アジピン酸アンモニウム水溶液に漬し、13Vで化成して誘電体層を形成し、この一部に誘電体層を形成したアルミニウムエッチド箔を本実施例8および以下に示す実施例9〜11ならびに比較例5〜7のアルミニウム固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子とした。
上記のようにして作製したコンデンサ素子をその誘電体層を形成した部分側から耐熱性テープのところまで参考例1で製造した導電性高分子の分散液に1分間浸漬した後、引き上げ、50℃で10分、さらに150℃で10分乾燥して、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層からなる第1の固体電解質層を形成した。
次に、上記第1の固体電解質層を形成したコンデンサ素子を濃度が35%の3,4−エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液に1分間浸漬し、引き上げ後、5分間放置した。
その後、上記コンデンサ素子をあらかじめ70%ナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液(pH5)と45%過硫酸アンモニウム水溶液と20%ジメチルラウリルアミンオキサイド水溶液を200:200:1の質量比で混合して調製しておいた酸化剤兼ドーパント水溶液に30秒間浸漬し、引き上げ後、室温で60分間放置して、上記3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合を行い、その後、上記コンデンサ素子を純水に30分間浸漬し、引き上げ後、30分乾燥した。これらの操作を10回繰り返して、上記第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成した。
次いで、上記コンデンサ素子を純水に30分間浸漬し、引き上げ、150℃で60分乾燥した後、カーボンペースト、銀ペーストで上記固体電解質層を覆った後、端から3mmのところに陰極リード体としての銀線を取り付けたのち、エポキシ樹脂を用いて外装し、エージング処理を行って板型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例9
濃度が70%のナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液(pH5)に代えて、濃度が70%のナフタレントリスルホン酸2−メチルイミダゾール水溶液(pH5)を用いた以外は、すべて実施例8と同様の操作を行って、板型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例10
濃度が70%のナフタレントリスルホン酸ブチルアミン水溶液(pH5)に代えて、濃度が70%のフェノールスルホン酸2−メチルイミダゾール水溶液(pH5)を用いた以外は、すべて実施例8と同様の操作を行って、板型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例11
参考例1で製造した導電性高分子の分散液に代えて、参考例2で製造した導電性高分子の分散液を用いた以外は、すべて実施例8と同様の操作を行って、板型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例5
実施例8において参考例1で製造した導電性高分子の分散液への浸漬に基づく誘電体層上への第1の固体電解質層の形成を行わず、また、重合回数を10回から12回に変更した以外は、すべて実施例8と同様の操作を行った。
比較例6
実施例8における酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、濃度が35%のパラトルエンスルホン酸第2鉄のエタノール溶液を用いた以外は、実施例8と同様の操作を行った。
比較例7
実施例8におけるモノマー溶液(3,4−エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液)への浸漬、それに続く酸化剤兼ドーパント溶液への浸漬、それに続くモノマーの重合を行わず、参考例1で製した導電性高分子の分散液へのコンデンサ素子の浸漬・乾燥を12回繰り返し、この導電性高分子の分散液への浸漬・乾燥のみで全固体電解質層を形成した以外は実施例8と同様の操作を行った。
上記のようにして製造した実施例8〜11および比較例5〜7の板型アルミ固体電解コンデンサについて、前記実施例1と同様に静電容量、ESR、漏れ電流を測定し、漏れ電流不良の発生の有無を調べた。その結果を表3に示す。なお、測定は、各試料とも、10個ずつについて行い、表3に示す数値は、その10個の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 2010123924
表3に示すように、実施例8〜11は、静電容量が10.4μF以上あり、ESRが15mΩ以下で、漏れ電流が0.9μA以下であり、漏れ電流不良の発生がなかった。
これに対して、コンデンサ素子の誘電体層上への導電性高分子の分散液に基づく第1の固体電解質層を形成していない比較例5は、この常態での試験では、実施例8〜11と同等の特性を有しているが、次の表4に示すように、高温で貯蔵したときの静電容量の低下やESRの増加が実施例8〜11に比べて大きく、耐熱性が実施例8〜11に比べて劣っている。
また、遷移金属系の酸化剤を用いた比較例6は、漏れ電流が実施例8〜11に比べて大きく、漏れ電流不良も発生した。
また、導電性高分子の分散液のみで全固体電解質層を形成した比較例7は、導電性高分子の分散液への浸漬、それを続く乾燥を12回繰り返しているにもかかわらず、静電容量が8.1μFと、実施例8〜11に比べて、大幅に小さかった。
つぎに、上記実施例8〜11および比較例5〜7の板型アルミ固体電解コンデンサからそれぞれ無作為に選んだ5個ずつを105℃で800時間貯蔵した後、前記と同様に静電容量、ESR、漏れ電流を測定し、漏れ電流不良の発生の有無を調べた。その結果を表4に示す。なお、表4に示す数値は、それぞれ5個の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 2010123924
表3に示す結果と表4に示す結果との対比から明らかなように、実施例8〜11は、高温での貯蔵による静電容量の低下やESRの増加が少なく、耐熱性が優れていて、長期信頼性が高いことを示していた。これに対して、比較例5は、高温での貯蔵による静電容量の低下やESRの増加が実施例8〜11に比べて大きく、耐熱性が実施例8〜11に比べて悪く、長期信頼性に欠けることを示していた。

Claims (7)

  1. コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し引き上げた後、またはコンデンサ素子に上記導電性高分子の分散液を塗布した後、乾燥して、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層からなる第1の固体電解質層を形成した後、上記コンデンサ素子をモノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液に浸漬し引き上げた後、または上記コンデンサ素子に上記モノマーと非遷移金属系酸化剤兼ドーパントを含む液を塗布した後、上記モノマーを重合させることによって、上記第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し引き上げた後、またはコンデンサ素子に上記導電性高分子の分散液を塗布した後、乾燥して、コンデンサ素子の誘電体層上に導電性高分子層からなる第1の固体電解質層を形成した後、上記コンデンサ素子をモノマーを含む液に浸漬し引き上げた後、または上記コンデンサ素子に上記モノマーを含む液を塗布した後、上記コンデンサ素子を非遷移金属系酸化剤を含む液に浸漬し引き上げた後、または上記コンデンサ素子に上記非遷移金属系酸化剤を含む液を塗布した後、上記モノマーを重合させることによって、上記第1の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第2の固体電解質層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の方法によって形成した第1の固体電解質層と第2の固体電解質層を有するコンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し引き上げた後、または上記コンデンサ素子に上記導電性高分子の分散液を塗布した後、乾燥して、第2の固体電解質層上に導電性高分子層からなる第3の固体電解質層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 導電性高分子の分散液における導電性高分子が、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステルおよびフェノールスルホン酸ノボラック樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種をドーパントとしてモノマーを重合させたものからなる請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. モノマーが、チオフェンまたはその誘電体、ピロールまたはその誘電体およびアニリンまたはその誘電体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 非鉄塩金属系酸化剤が、過硫酸有機塩である請求項1〜5のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 非鉄塩金属系酸化剤と組み合せて用いるドーパントが、ナフタレントリスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸およびベンゼンジスルホン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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