JP2002313684A - 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ

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JP2002313684A
JP2002313684A JP2002003095A JP2002003095A JP2002313684A JP 2002313684 A JP2002313684 A JP 2002313684A JP 2002003095 A JP2002003095 A JP 2002003095A JP 2002003095 A JP2002003095 A JP 2002003095A JP 2002313684 A JP2002313684 A JP 2002313684A
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JP
Japan
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electrolyte layer
solid electrolyte
electrolytic capacitor
solid electrolytic
manufacturing
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Application number
JP2002003095A
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English (en)
Inventor
Tomoko Hosokawa
知子 細川
Yasunobu Tsuji
康暢 辻
Toshitaka Kato
寿孝 加藤
Chiharu Hayashi
千春 林
Yoshihiro Watanabe
善博 渡辺
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体電解質層形成時に発生する残渣により性
能が低下することを解決し、優れた性能の製品を得るこ
とができる固体電解コンデンサの製造方法および固体電
解コンデンサを提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリマー骨格内に親水基を有する導電性
高分子の水溶液に陽極体を浸漬した後、これを引き上げ
て加熱処理を行うことにより上記陽極体上に導電性高分
子層を形成し、次に、複素環式化合物またはその誘導体
からなるモノマーを含む溶液を上記導電性高分子層上に
被覆させ、続いてこのモノマーを含む溶液中のモノマー
を重合することにより重合膜を形成し、続いてこの重合
膜に残存する残渣を除去するための洗浄を行った後、こ
れを乾燥することにより第1の固体電解質層を形成する
ようにした製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に使用
される固体電解質層を用いた固体電解コンデンサの製造
方法および固体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の固体電解コンデンサの製
造方法について図面を用いて説明する。
【0003】図8は上記従来の固体電解コンデンサの構
成を示した断面図であり、同図において、20は弁作用
金属であるタンタルの金属粉末を所望の形状にプレス成
形して焼結することにより得られた多孔質の陽極体であ
り、21はこの陽極体20に埋設されたタンタル線から
なる陽極導出線である。
【0004】22は上記陽極体20の外表面に形成され
た誘電体酸化皮膜層、23はこの誘電体酸化皮膜層22
上に形成された固体電解質層、24はこの固体電解質層
23上に形成された陰極層であり、この陰極層24はカ
ーボンと銀ペイントを積層して形成されており、このよ
うにしてコンデンサ素子25が構成されている。26は
上記コンデンサ素子25の陽極導出線21に接続された
陽極端子、27は陰極層24に導電性接着剤28を介し
て接合された陰極端子、29は上記陽極端子26と陰極
端子27の一部が外表面に露呈するようにしてコンデン
サ素子25を被覆した外装樹脂であり、一般的にエポキ
シ系の樹脂が用いられている。なお、30は陽極導出線
21の補強樹脂である。
【0005】次に、このように構成された従来の固体電
解コンデンサの製造方法について図9を用いて説明す
る。図9は従来の固体電解コンデンサの製造方法を示し
た製造工程図であり、同図に示すように、まず、成形・
焼結工程でタンタル線からなる陽極導出線21を埋設し
たタンタル金属粉末を所望の形状にプレス成形し、これ
を焼結することにより多孔質の陽極体20を作製する。
【0006】次に、化成工程でリン酸を用いて陽極酸化
処理することにより上記陽極体20の外表面に誘電体酸
化皮膜層22を形成する。次に、重合工程で上記陽極体
20の外表面および細孔内部にアニリン、ピロール、チ
オフェン等のモノマー溶液を均一に分散させた後、酸化
剤を含む溶液と接触させるか、もしくは逆に酸化剤を均
一に分散させた後、上記モノマー溶液と接触させること
により導電性高分子からなる固体電解質層23を化学酸
化重合により形成する。次に、陰極形成工程でカーボン
塗布、銀ペイント塗布、乾燥を行って陰極層24を形成
し、これによってコンデンサ素子25を作製する。
【0007】次に、組立工程で上記コンデンサ素子25
の陽極導出線21をコム端子の陽極端子26に溶接によ
り接合し、さらに陰極層24を導電性接着剤28を介し
て陰極端子27に接合する。次に、モールド成形工程で
上記陽極端子26と陰極端子27の一部が夫々外表面に
露呈するようにしてコンデンサ素子25をエポキシ系の
外装樹脂29によりモールドし、最後に完成工程で個片
に分断して検査等を行って完成するものである。
【0008】また、上記固体電解質層の別の形成方法
は、例えば特開平10−321474号公報に開示され
た技術は、固体電解質層がポリアニリンまたはその誘導
体の溶液を加熱することにより形成される第1の固体電
解質層と、ポリピロールまたはその誘導体を電解重合し
て形成される第2の固体電解質層からなる固体電解コン
デンサとするものであり、均一な厚さの固体電解質層を
得ることができることから、静電容量およびインピーダ
ンス特性に優れ、信頼性の良好な固体電解コンデンサを
得ることができるということが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の固体電解コンデンサの製造方法では、重合工程におい
て、化学酸化重合を複数回繰り返して陽極体20の外表
面ならびに細孔の内部にポリピロールからなる固体電解
質層23を形成する際に、図10、図11に示すよう
に、陽極体20の外表面ならびに細孔の内部に導電性高
分子の残渣31が発生するという問題があった。
【0010】この導電性高分子の残渣31は、化学酸化
重合の際の重合の粕や未重合の導電性高分子または酸化
剤等で、コンデンサ素子25としての外観形状を悪化さ
せてコンデンサ素子25の体積収納効率を低下させ、特
性を劣化させるばかりでなく、最悪の場合には外装樹脂
29から残渣31が露出する場合もあった。従って、こ
の残渣31を除去するために、陰極層形成工程の前にブ
ラシや筆を用いて残渣31を取り除くことにより固体電
解質層23の面を平坦にして外観形状を修正する作業が
必要となって生産性が悪化するばかりでなく、残渣31
の除去状態によっては導電性高分子層23を損傷して特
性劣化を招く恐れがあるという課題があった。
【0011】また、上記重合工程において、モノマー溶
液と酸化剤を含む溶液のうち、一方の溶液に含浸した陽
極体20を他方の溶液に浸漬すると、次に陽極体20に
含浸しておいた溶液がもう一方の溶液中に拡散するため
に陽極体20の内部の溶液濃度が低下してしまい、陽極
体20の内部の導電性高分子の形成量が小さくなってし
まうため、誘電体酸化皮膜層22上に連続した導電性高
分子からなる固体電解質層23が被覆されず、静電容量
特性やインピーダンス特性の劣化が起きるという課題が
あった。
【0012】そのため、陽極体20の内部の誘電体酸化
皮膜層22上を連続した導電性高分子からなる固体電解
質層23で被覆し、本来の容量を完全に引き出し、かつ
インピーダンス特性の低い固体電解コンデンサを得るに
は、導電性高分子からなる固体電解質層23を形成する
工程を数十回繰り返す必要があり、生産性が極めて悪い
という問題点を有していた。
【0013】一方、特開平10−321474号公報に
開示された技術では、第1の固体電解質層の形成におい
て、水を含有する溶媒にポリマー状のアニリンまたはそ
の誘導体を溶解させた溶液中で加熱して形成するため、
次に形成する第2の固体電解質層の形成時に第1の固体
電解質層の一部が溶解してしまい、静電容量を向上させ
にくいという課題を有していた。
【0014】本発明はこのような従来の課題を解決し、
生産性に優れると共に静電容量の高い信頼性に優れた製
品を安定して製造することができる固体電解コンデンサ
の製造方法および固体電解コンデンサを提供することを
目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、弁作用金属からな
る陽極体の表面に誘電体酸化皮膜層を形成する工程と、
この陽極体をポリマー骨格内に親水基を有する導電性高
分子の水溶液に浸漬した後これを引き上げて加熱処理を
行うことにより上記誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子
層を形成する工程と、複素環式化合物またはその誘導体
からなるモノマーを含む溶液を上記導電性高分子層上に
被覆させ、続いてこのモノマーを含む溶液中のモノマー
を重合することにより重合膜を形成し、続いてこの重合
膜に残存する残渣を除去するための洗浄を行った後、こ
れを乾燥することにより第1の固体電解質層を形成する
工程と、上記第1の固体電解質層上に陰極層を形成する
工程とを含む製造方法とするもので、この方法により、
生産性を向上させ、低インピーダンス特性、漏れ電流特
性に優れ、かつ静電容量の高い製品を安定して製造する
ことができるという作用を有する。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、ポリマー骨格内に親水基を有する導電
性高分子がモノマーのアニリン、ピロール、チオフェ
ン、フランのいずれかの誘導体である製造方法とするも
ので、この方法により、高い導電性を得ることができ、
高周波領域でのインピーダンス特性の優れた固体電解コ
ンデンサを得ることができるという作用を有する。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、ポリマー骨格内に親水基を有する導電
性高分子がスルホン酸基を持つ自己ドープ型導電性高分
子である製造方法であり、請求項4に記載の発明は、ポ
リマー骨格内に親水基を有する導電性高分子が(化2)
に表されるアニリン誘導体である製造方法とするもの
で、これらの方法により、簡素な工法で高周波領域での
インピーダンス特性および漏れ電流特性に優れ、耐電圧
の高い固体電解コンデンサを得ることができるという作
用を有する。
【0018】
【化2】
【0019】なお、(化2)のRは水素、アルキル基、
アルコキシ基、水酸基あるいはニトロ基を表したもので
ある。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、ポリマー骨格内に親水基を有する導電
性高分子の水溶液の表面張力を70×10-3N/m以下
とした製造方法で、この方法により、誘電体酸化皮膜層
への浸透性を向上させることができるという作用を有す
る。
【0021】なお、水溶液の表面張力が70×10-3
/mを超えると誘電体酸化皮膜層への浸透性が悪くなる
ので好ましくない。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、加熱処理を160〜250℃の温度範
囲で行うようにした製造方法であり、この方法により、
導電性高分子層の一部の親水基が分離し、水に対する溶
解性を低減することができるという作用を有する。
【0023】なお、加熱処理の温度が160℃未満では
導電性高分子層の水に対する溶解性が高く、静電容量お
よび耐電圧を向上させることができず、また、250℃
を超えると導電性高分子層への熱ストレスが高まり、漏
れ電流特性が悪くなるので好ましくない。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、第1の固体電解質層の形成を、酸化剤
を用いて化学酸化重合で行うようにした製造方法であ
り、請求項8に記載の発明は、第1の固体電解質層を形
成する工程と、陽極体をモノマー溶液または酸化溶液の
いずれか一方の溶液に所定時間浸漬し、続いて他方の溶
液に上記陽極体を所定時間浸漬して重合膜を形成し、続
いて誘電体酸化皮膜を修復する操作を少なくとも複数回
繰り返して行うようにした製造方法であり、また、請求
項9に記載の発明は、酸化溶液の温度を空気中で保持す
る温度以下とした製造方法であり、これらの方法によ
り、高周波領域でのインピーダンス特性および漏れ電流
特性に優れ、導電性の高い固体電解質層を得ることがで
きるという作用を有する。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、第1の固体電解質層の形成を電解重
合で行うようにした製造方法であり、また、請求項11
に記載の発明は、電解重合が複素環式化合物またはその
誘導体のモノマーとpH調整剤と水とを少なくとも含ん
だpH5以下の水溶液で重合するものである製造方法と
するものであり、これらの方法により、重合速度が向上
し、かつ初期および高温中にコンデンサを放置するよう
な条件下でもインピーダンス特性の優れた固体電解コン
デンサを得ることが可能となるという作用を有する。
【0026】請求項12に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、残渣を除去するための洗浄として、
陽極体の外表面の残渣を除去する洗浄または陽極体の細
孔の内部に残存する残渣を除去する洗浄の少なくともい
ずれかを行うようにした製造方法であり、請求項13に
記載の発明は、陽極体の外表面の残渣を除去するための
洗浄または陽極体の細孔の内部に残存する残渣を除去す
る洗浄として、水、湯、有機溶媒などの液体、空気、ガ
スのいずれかを用いたシャワー洗浄、または上記液体に
よる超音波洗浄あるいはブラストのいずれかを行うよう
にした製造方法であり、これらの方法により、請求項8
に記載の発明の作用をより効果的に得ることができると
共に、固体電解質層の漏れ電流特性を低減することがで
きるという作用を有する。
【0027】請求項14に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、第1の固体電解質層を形成する工程
の後に、第1の固体電解質層を形成する条件と異なる条
件で固体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工
程を設けた製造方法であり、この方法により、漏れ電流
特性が低減した導電性の高い固体電解質層を得ることが
できるという作用を有する。
【0028】請求項15に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、第1の固体電解質層を形成する工程
の後に、第1の固体電解質層を形成する条件と異なる条
件で固体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工
程と、第1の固体電解質層および第2の固体電解質層と
異なる導電性高分子からなる固体電解質層を形成する第
3の固体電解質層形成工程を設けた製造方法であり、請
求項16に記載の発明は、この第3の固体電解質層を形
成する工程が陽極体をモノマー、酸化剤および導電性高
分子粒子を含有する懸濁液に所定時間浸漬する工程と、
続いて上記陽極体を溶液から引き上げて溶液外に所定時
間保持する工程を少なくとも1回以上繰り返して行うよ
うにした製造方法で、また、請求項17に記載の発明
は、懸濁液が所定量のモノマーと酸化剤を混合させるこ
とにより導電性高分子粒子を生成させ、その後モノマー
を添加するようにしたものである製造方法とするもの
で、これらの方法により、請求項14に記載の発明によ
り得られる作用をさらに効果的に得ることができるとい
う作用を有する。
【0029】請求項18に記載の発明は、請求項15に
記載の発明において、第3の固体電解質層の形成を電解
重合で行うようにした製造方法であり、また、請求項1
9に記載の発明は、電解重合が複素環式化合物またはそ
の誘導体のモノマーとpH調整剤と水を少なくとも含ん
だpH5以下の水溶液で重合するものである製造方法と
するものであり、これらの方法により、重合速度が向上
し、かつ初期および高温中にコンデンサを放置するよう
な条件下でもインピーダンス特性の優れた固体電解コン
デンサを得ることが可能となるという作用を有する。
【0030】請求項20に記載の発明は、請求項1また
は14もしくは15のいずれか一つに記載の発明におい
て、第1の固体電解質層を形成する工程として、重合膜
に残存する残渣を除去する洗浄を行う前に誘電体酸化皮
膜の修復を行うようにした製造方法とするものであり、
この方法により、より漏れ電流を低減することができる
という作用を有する。
【0031】請求項21に記載の発明は、請求項1また
は14もしくは15のいずれかに記載の発明において、
陰極層形成工程の後に熱処理するようにした製造方法で
あり、また、請求項22に記載の発明は、熱処理する温
度を230〜280℃で行うようにした製造方法であ
り、固体電解質層と陰極層の密着性を高め、低インピー
ダンスおよび漏れ電流特性を向上させることができると
いう作用を有する。
【0032】請求項23に記載の発明は、請求項1〜2
2のいずれか一つに記載の固体電解コンデンサの製造方
法により製造された固体電解コンデンサであり、請求項
24に記載の発明は、請求項21に記載の発明におい
て、導電性高分子層の残渣が5重量%未満である構成で
あり、この構成にすることにより、低インピーダンス特
性、漏れ電流特性に優れ、かつ静電容量の高い製品を安
定して得ることができるという作用を有する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る固体電解コンデンサの製造方法について、図面を用い
て説明する。
【0034】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1による固体電解コンデンサの製造方法を示す製造工
程図であり、まず成形・焼結工程で、タンタル線からな
る陽極導出線を埋設したタンタル金属粉末を所望の形状
にプレス成形し、これを焼結することにより多孔質の陽
極体を作製する。次に、化成工程でリン酸を用いて陽極
酸化処理することにより上記陽極体の外表面に誘電体酸
化皮膜層を形成する。
【0035】次に、導電性高分子層形成工程は、上記誘
電体酸化皮膜層が形成された陽極体をポリマー骨格内に
親水基を有する導電性高分子の水溶液に浸漬した後、こ
れを引き上げて溶媒である水を揮発させる。その後加熱
処理を行い、導電性高分子層を形成する。
【0036】次に、第1の固体電解質層形成工程は、上
記導電性高分子層が形成された陽極体の外表面および細
孔内部に複素環式化合物およびその誘導体からなるモノ
マー溶液を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させる
かもしくは逆に酸化溶液を均一に分散させた後、モノマ
ー溶液と接触させることにより複素環式化合物の重合膜
を化学酸化重合により形成する。続いて、この重合膜形
成時に発生した重合膜に残存する残渣を洗浄により除去
し、この残渣を除去した重合膜を乾燥することにより、
陽極体に複素環式化合物からなる第1の固体電解質層を
形成した。
【0037】次に、陰極層形成工程で上記陽極体にカー
ボン塗布、銀ペイント塗布、乾燥を行って陰極層を形成
し、これによってコンデンサ素子を作製する。
【0038】次に、組立工程で上記コンデンサ素子の陽
極導出線をコム端子の陽極端子に溶接により接合し、さ
らに陰極層を導電性接着剤を介して陰極端子に接合す
る。次に、モールド成形工程で上記陽極端子と陰極端子
の一部が夫々外表面に露呈するようにしてコンデンサ素
子をエポキシ系の外装樹脂によりモールドし、最後に完
成工程で個片に分断して検査等を行って完成するもので
ある。
【0039】このような製造方法により、生産性の向上
を図ることができ、低インピーダンス特性、漏れ電流特
性に優れ、かつ静電容量の高い固体電解コンデンサを安
定して製造することができるものである。
【0040】以下、実施例を用いて詳細に説明をする。
【0041】(実施例1)まず成形・焼結工程で、タン
タル線からなる陽極導出線を埋設したタンタル金属粉末
を所望の形状にプレス成形し、これを焼結することによ
り多孔質の陽極体を作製した。
【0042】次に、誘電体酸化皮膜層の形成は、リン酸
水溶液を用いて陽極酸化処理することにより上記陽極体
の外表面に誘電体酸化皮膜層を形成した。
【0043】次に、導電性高分子層の形成は、上記誘電
体酸化皮膜層を形成した陽極体を(化2)中のRをエチ
ル基で置換したモノマーから得られるポリアニリンを1
0wt%溶解した表面張力70×10-3N/mの水溶液
に浸漬した後、これを引き上げ溶媒である水を揮発させ
る。その後、160℃で5分間加熱処理を行い、導電性
高分子層を形成した。
【0044】次に、第1の固体電解質層の形成は、上記
陽極体の外表面および細孔内部にピロールモノマー溶液
を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させることによ
りポリピロールの重合膜を化学酸化重合により形成し
て、その後、酢酸水溶液で陽極体の誘電体酸化皮膜層を
修復した。続いて、この重合膜形成時に発生した重合膜
に残存する残渣を洗浄により除去し、この残渣を除去し
た重合膜を乾燥しこの操作を3回繰り返し行って陽極体
にポリピロールからなる第1の固体電解質層を形成し
た。
【0045】なお、ピロールモノマー溶液は、エチレン
グリコールを10wt%含有する水溶液にピロールを
1.0mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムを0.25mol/lとなるよ
うに溶解させて調製したものを用い、また酸化溶液は、
エチレングリコールを10wt%含有する水溶液に酸化
剤として硫酸鉄(III)を0.75mol/l、ドーパ
ントとしてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
0.05mol/l、添加剤として硫酸を0.75mo
l/lとなるように溶解させて調製したものを用いた。
【0046】次に、陰極層の形成は上記陽極体にカーボ
ン塗布、銀ペイント塗布、乾燥を行って陰極層を形成
し、これによってコンデンサ素子を得た。
【0047】次に、組立は、上記コンデンサ素子の陽極
導出線をコム端子の陽極端子に溶接により接合し、さら
に陰極層を導電性接着剤を介して陰極端子に接合する。
続いて、モールド成形工程で上記陽極端子と陰極端子の
一部が夫々外表面に露呈するようにしてコンデンサ素子
をエポキシ系の外装樹脂によりモールドし、最後に完成
工程で個片に分断して検査等を行って固体電解コンデン
サを作製した。
【0048】(実施例2)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を(化2)中のRをエトキシ基で置換
したモノマーから得られるポリアニリンを5wt%溶解
した水溶液を用い、加熱処理を180℃で5分間にした
以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製
した。
【0049】(実施例3)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を(化2)中のRをエトキシ基で置換
したモノマーから得られるポリアニリンを5wt%溶解
した水溶液を用い、加熱処理を200℃で5分間にした
以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製
した。
【0050】(実施例4)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を(化2)中のRを水素であるモノマ
ーから得られるポリアニリンを5wt%溶解した水溶液
を用い、加熱処理を250℃で5分間にした以外は実施
例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0051】(実施例5)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を(化2)中のRをニトロ基で置換し
たモノマーから得られるポリアニリンを5wt%溶解し
た水溶液を用い、加熱処理を200℃で5分間にした以
外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製し
た。
【0052】(実施例6)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を(化2)中のRを水酸基で置換した
モノマーから得られるポリアニリンを5wt%溶解した
水溶液を用い、加熱処理を200℃で5分間にした以外
は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製し
た。
【0053】(実施例7)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を(化2)中のRをエチル基で置換し
たモノマーから得られるポリアニリンを5wt%溶解し
た水溶液を用い、加熱処理を200℃で5分間にした以
外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製し
た。
【0054】(実施例8)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成をエタノールを添加して表面張力を5
0×10-3N/mにした水溶液を用いた以外は実施例1
と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0055】(実施例9)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成をフッ素系界面活性剤を添加して表面
張力を40×10-3N/mにした水溶液を用いた以外は
実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0056】(実施例10)上記実施例1において、導
電性高分子層の形成を(化2)中のRをメトキシ基で置
換したモノマーから得られるポリアニリンを1wt%溶
解した水溶液を用い、加熱処理を180℃で5分間にし
た以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作
製した。
【0057】(実施例11)上記実施例1において、導
電性高分子層の形成を(化2)中のRをメトキシ基で置
換したモノマーから得られるポリアニリンを0.5wt
%溶解した水溶液を用い、加熱処理を180℃で1、
5、10、20、30分にした以外は実施例1と同様に
して加熱処理時間の異なる固体電解コンデンサを作製し
た。
【0058】(比較例1)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を硝酸マンガン30%水溶液に浸漬
し、自然乾燥させた後、300℃で10分間熱分解処理
をして二酸化マンガン層を形成した以外は実施例1と同
様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0059】上記実施例1〜11および比較例1の固体
電解コンデンサについてエージングを行い、その後コン
デンサの特性を測定した。これらの結果を(表1)に示
す。この結果は各固体電解コンデンサをそれぞれ10個
を測定した平均値である。
【0060】
【表1】
【0061】なお、(表1)における漏れ電流は、定格
電圧を印加後1分後の電流値を表した。また、耐電圧は
0.2V/sec.で電圧掃引した場合の電流の変極点にお
ける電圧を表したものである。
【0062】(表1)より、実施例1〜11と比較例1
により、ポリマー骨格内に親水基を有する導電性高分子
の水溶液に浸漬した後、これを引き上げて160〜25
0℃で加熱処理を行うことにより、導電性高分子層が水
に対する溶解性を抑制することができ、その後水を含む
重合液を用いて固体電解質層を形成しても優れた静電容
量およびインピーダンス特性を得ることができる。
【0063】また、実施例8は、ポリマー骨格内に親水
基を有する導電性高分子の水溶液の表面張力を50×1
-3N/mにすることにより、実施例1と比較して誘電
体酸化皮膜層への浸透性を向上させることができるの
で、コンデンサ特性を高める効果があることが分かる。
【0064】(実施の形態2)上記実施の形態1におい
て、第1の固体電解質層の形成工程の一部をなす洗浄工
程を図2に示す洗浄装置を用いて行った。
【0065】図2は上記洗浄工程を行うための洗浄装置
の正面断面図であり、同図において、1はコンデンサ素
子(ポリピロールの第1の固体電解質層が形成されてい
る)、2はこのコンデンサ素子1から導出された陽極導
出線、3はコンデンサ素子1の陽極導出線2が複数個所
定の間隔で溶接により接合された取付バーである。4A
は上記コンデンサ素子1をシャワー洗浄するためにコン
デンサ素子1の上部に配設されたシャワーノズルであ
り、同図の下部、すなわちコンデンサ素子1に向かって
シャワー状に水が噴射されるように溝あるいは穴が設け
られている。5はこのシャワーノズル4Aから噴射され
る噴霧状の水、6はタンク、7はこのタンク6内に充填
された水、8はタンク6内の水7を配管9を介してシャ
ワーノズル4Aに圧送するポンプ、10はシャワー室本
体、11はカバーである。
【0066】次に、このように構成された洗浄装置を用
いて、コンデンサ素子1に向かってシャワーノズル4A
から1.0kg/cm2の圧力で10秒間水5を噴射して一
旦休止し、再度同じことを繰り返してシャワー洗浄を行
った。また、上記圧力を0.3kg/cm2、0.5kg/c
m2、1.0kg/cm2、1.5kg/cm2と変化させてシャワ
ー洗浄を行った時の残渣の残存量を比較した結果を(表
2)に示す。
【0067】
【表2】
【0068】(表2)から明らかなように、シャワーノ
ズル4Aからコンデンサ素子1に向かってシャワー洗浄
を行う時の圧力は0.5kg/cm2以上の圧力であれば良
いことが分かる。
【0069】図3は上記シャワー洗浄を行って第1の固
体電解質層を形成したコンデンサ素子1を示したもので
あり、同図に示すように取付バー3に接合されたコンデ
ンサ素子1の外表面にはポリピロールからなる第1の固
体電解質層が均一に形成され、その残渣は確実に除去さ
れていた。
【0070】このように本発明による固体電解コンデン
サの製造方法は、重合膜形成工程で、発生する残渣を除
去するための洗浄工程を設けることにより、均一な固体
電解質層を形成して優れた品質の固体電解コンデンサを
製造することができるものである。
【0071】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
おける特徴は、残渣を除去するための洗浄として、陽極
体の外表面の残渣を除去する洗浄と、陽極体の細孔の内
部に残存する残渣を除去する洗浄とを行うようにし、上
記陽極体の外表面の残渣を除去する洗浄としては、水、
湯、有機溶媒などの液体、空気、ガスのいずれかを用い
たシャワー洗浄、または上記液体による超音波洗浄、あ
るいはブラストのいずれかを、また上記陽極体の細孔の
内部に残存する残渣を除去する洗浄としては、水、湯、
有機溶媒などの液体による洗浄または超音波洗浄を行う
ようにした固体電解コンデンサの製造方法であり、上記
実施の形態2に記載の発明による作用に加え、より高性
能の固体電解コンデンサを製造することができるもので
ある。
【0072】以下、本発明の実施の形態3における固体
電解コンデンサの製造方法について図面を用いて説明す
る。
【0073】第1の固体電解質層を形成する工程におい
て発生するポリピロールの重合膜の残渣は、陽極体の外
表面に発生する残渣と陽極体の細孔の内部に発生する残
渣に大別され、上記陽極体の外表面に発生する残渣につ
いては、水(湯の方がより効果が大)や空気を用いたシ
ャワー洗浄により充分に除去できるものであるが、陽極
体の細孔の内部に発生する残渣については、超音波洗浄
を用いる方がより確実に除去できるものである。なお、
図3は上記陽極体の外表面に発生した残渣を除去した後
の陽極体を示したもので、図4は陽極体の細孔の内部に
発生した残渣を除去した後の状態を示したものである。
【0074】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
おける特徴は、第1の固体電解質層形成工程の後に、異
なる条件で固体電解質層を形成する第2の固体電解質層
形成工程を設けた固体電解コンデンサの製造方法であ
り、上記実施の形態1に記載の発明による作用に加え、
より高性能の固体電解コンデンサを製造することができ
るものである。
【0075】以下、本発明の実施の形態4における固体
電解コンデンサの製造方法について、図面を用いて説明
する。
【0076】図5は本発明の実施の形態4による固体電
解コンデンサの製造方法を示す製造工程図であり、本実
施の形態4は上記実施の形態1の第1の固体電解質層形
成工程の後に、第2の固体電解質層形成工程を設けたも
のである。この第2の固体電解質層形成工程は、上記第
1の固体電解質層形成工程とは異なる条件で固体電解質
層を形成するようにしたものであり、より具体的には、
第2の固体電解質層形成工程で用いるモノマー溶液を、
エチレングリコールを10wt%含有する水溶液にモノ
マーとしてピロールを0.75mol/l、ドーパント
としてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.
25mol/lとなるように溶解させて調製したものを
用い、酸化溶液は、エチレングリコールを10wt%含
有する水溶液に酸化剤として硫酸鉄(III)を0.75
mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウムを0.05mol/l、添加剤として
硫酸を0.75mol/lとなるように溶解させて調製
したものを用い、上記第1の固体電解質層形成工程で形
成された固体電解質層上にモノマー溶液を均一に分散さ
せた後、酸化溶液と接触させることにより、ポリピロー
ルの重合膜を化学酸化重合により形成する。次に、水洗
または湯洗により余分の酸化剤を除去し、続いて誘電体
酸化皮膜層の修復を行い、その後水洗または湯洗を行い
乾燥することにより、陽極体にポリピロールからなる固
体電解質層を形成する。
【0077】上記第2の固体電解質層形成工程の条件
は、第1の固体電解質層形成工程の条件に対してピロー
ルモノマー溶液の濃度を変えたものであるが、この他に
第2の固体電解質層形成工程のピロールモノマー溶液の
濃度を低くする方法もある。
【0078】このように、第1の固体電解質層形成工程
の条件に対して第2の固体電解質層形成工程の条件を変
えて、第2の固体電解質層形成工程での化学酸化重合の
反応を抑制することにより、陽極体の細孔の内部まで導
電性高分子の固体電解質層を均一に形成することができ
るので、より高性能の固体電解コンデンサを製造するこ
とができるものである。
【0079】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
おける特徴は、第2の固体電解質層形成工程が陽極体を
モノマー溶液に所定時間浸漬する工程と、続いて酸化溶
液に上記陽極体を所定時間浸漬する工程と、続いて上記
陽極体を溶液から引き上げて空気中に所定時間保持する
工程を少なくとも1回以上繰り返して行うようにした固
体電解コンデンサの製造方法であり、上記実施の形態4
に記載の発明による作用に加え、より高性能の固体電解
コンデンサを製造することができるものである。
【0080】以下、本発明の実施の形態5における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0081】上記実施の形態4において、第2の固体電
解質層形成工程をモノマー溶液を均一に分散させた後、
酸化溶液と接触させることによりポリピロールの重合膜
を化学酸化重合により形成する。この時に、モノマー溶
液および酸化溶液に順次浸漬した後、陽極体を溶液から
引き上げて空気中で所定時間保持するようにする。これ
により、陽極体の細孔の内部の化学酸化重合反応が充分
に行われるようになる。なお、上記空気中で保持する温
度は、酸化溶液の温度よりも高くすることにより、より
化学酸化重合反応を促進させることができる。
【0082】次に、水洗または湯洗により余分の酸化剤
を除去し、続いて誘電体酸化皮膜層の修復を行い、その
後水洗または湯洗を行い乾燥する。この一連の操作を数
回繰り返し行うことにより、より均一な固体電解質層を
得ることが可能となる。
【0083】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
おける特徴は、第1の固体電解質層形成工程の後に、こ
の条件と異なる条件で固体電解質層を形成する第2の固
体電解質層形成工程と、第1の固体電解質層および第2
の固体電解質層と異なる導電性高分子からなる固体電解
質層を形成する第3の固体電解質層形成工程を設けた固
体電解コンデンサの製造方法というものであり、上記実
施の形態4に記載の発明による作用に加え、より高性能
の固体電解コンデンサを製造することができるものであ
る。
【0084】以下、本発明の実施の形態6における固体
電解コンデンサの製造方法について、図面を用いて説明
する。
【0085】図6は本発明の実施の形態6による固体電
解コンデンサの製造方法を示す製造工程図であり、本実
施の形態6は上記実施の形態1の第1の固体電解質層形
成工程の後に第2の固体電解質層形成工程と、第3の固
体電解質層形成工程を設けたものであり、上記第3の固
体電解質層形成工程は、上記第1の固体電解質層形成工
程とは異なる導電性高分子からなる固体電解質層を形成
するようにしたものである。
【0086】より具体的には、第1の固体電解質層形成
工程として、上記実施の形態1に示したように、誘電体
酸化皮膜層が形成された陽極体の表面にピロールモノマ
ー溶液を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させる
か、もしくは逆に酸化剤を均一に分散させた後、ピロー
ルモノマー溶液と接触させることによりポリピロールの
重合膜を化学酸化重合により形成する。続いて、水洗ま
たは湯洗により余分の酸化剤を除去した後誘電体酸化皮
膜層の修復を行い、続いて、この重合膜形成時に発生し
た重合膜に残存する残渣を洗浄により除去し、この残渣
を除去した重合膜を乾燥することにより、陽極体にポリ
ピロールからなる固体電解質層を形成する。
【0087】次に、第2の固体電解質層形成工程とし
て、上記実施の形態4に示したように、第1の固体電解
質層形成工程で形成された固体電解質層上にピロールモ
ノマー溶液を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させ
ることによりポリピロールの重合膜を化学酸化重合によ
り形成する。続いて、水洗または湯洗により余分の酸化
剤を除去し、続いて誘電体酸化皮膜層の修復を行い、そ
の後水洗または湯洗を行い乾燥することにより、陽極体
にポリピロールからなる固体電解質層を形成する。
【0088】次に、第3の固体電解質層形成工程は、懸
濁液としてエチレングリコールを10wt%含有する水
溶液にエチレンジオキシチオフェンを1.0mol/
l、酸化剤としてP−トルエンスルホン酸第2鉄を0.
75mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウムを0.15mol/lとなるよう
に溶解させて調製したものを用い、上記第2の固体電解
質層形成工程で固体電解質層が形成された陽極体を上記
懸濁液に所定時間浸漬させ、その後引き上げて所定時間
保持してから水洗または湯洗により余分の懸濁液を除去
し、その後水洗または湯洗を行い乾燥することにより、
陽極体にポリチオフェンからなる固体電解質層を形成す
る。
【0089】このように、第3の固体電解質層としてポ
リチオフェンを用いて導電性高分子材料を使い分けるこ
とにより、より高性能の固体電解コンデンサを製造する
ことができるものである。
【0090】(実施の形態7)本発明の実施の形態7に
おける特徴は、上記実施の形態6において、第3の固体
電解質層形成工程を電解重合により形成したものであ
り、重合速度が向上し、かつ初期および高温中にコンデ
ンサを放置するような条件下でもインピーダンス特性の
優れた固体電解コンデンサを得ることができるものであ
る。
【0091】以下、本発明の実施の形態7における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0092】上記実施の形態6において、第3の固体電
解質層形成工程をエチレンジオキシチオフェン0.5m
ol/lとアルキルナフタレンスルホン酸塩0.1mo
l/lと液の安定性のためのイソプロピルアルコールを
含有した水溶液中に浸漬して、導電性高分子層上の一部
に作用電極を接触させて3Vの定電圧で30分の電解重
合を行うことにより、ポリエチレンジオキシチオフェン
からなる導電性高分子を均一に析出させた以外は実施の
形態6と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0093】上記の製造方法により、上記実施の形態6
に記載の発明による作用に加え、より高性能の固体電解
コンデンサを製造することができるものである。
【0094】(実施の形態8)本発明の実施の形態8に
おける特徴は、第3の固体電解質層形成工程が陽極体の
モノマー、酸化剤および導電性高分子粒子を含有する懸
濁液に所定時間浸漬する工程と、続いて、上記陽極体を
溶液から引き上げて溶液外に所定時間保持する工程を少
なくとも1回以上繰り返して行うようにした固体電解コ
ンデンサの製造方法であり、上記実施の形態6に記載の
発明による作用に加え、より高性能の固体電解コンデン
サを製造することができるものである。
【0095】以下、本発明の実施の形態8における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0096】上記実施の形態6において、上記第3の固
体電解質層形成工程を懸濁液に所定時間浸漬させ、その
後引き上げて所定時間保持してから水洗または湯洗によ
り余分の懸濁液を除去し、その後水洗または湯洗を行い
乾燥する。この一連の操作を数回繰り返し行うことによ
り、より均一なポリチオフェンからなる固体電解質層を
得ることが可能となる。
【0097】(実施の形態9)本発明の実施の形態9に
おける特徴は、上記実施の形態1または4もしくは6の
いずれか一つにおいて、陰極層形成工程の後に固体電解
質層が形成された陽極体を熱処理するようにした固体電
解コンデンサの製造方法であり、この方法により、重合
膜に残存する有機物を完全に除去すると共に固体電解質
層を固定化することができることから、容量特性及びE
SR特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができ
るという作用を有する。
【0098】以下、本発明の実施の形態9における固体
電解コンデンサの製造方法について実施例を用いて説明
する。
【0099】(実施例12)上記実施の形態1におい
て、第1の固体電解質層を形成し、続いて陰極層を形成
した後、この固体電解質層が形成された陽極体を250
℃で熱処理を行った以外は実施の形態1と同様にして固
体電解コンデンサを作製した。
【0100】(実施例13)上記実施の形態4におい
て、第2の固体電解質層を形成し、続いて陰極層を形成
した後、この固体電解質層が形成された陽極体を250
℃で熱処理を行った以外は実施の形態4と同様にして固
体電解コンデンサを作製した。
【0101】(実施例14)上記実施の形態6におい
て、第3の固体電解質層を形成し、続いて陰極層を形成
した後、この固体電解質層が形成された陽極体を250
℃で熱処理を行った以外は実施の形態6と同様にして固
体電解コンデンサを作製した。
【0102】(比較例2)上記従来の技術の項で説明し
た方法により固体電解コンデンサを作製した。
【0103】上記実施例12〜14および比較例2の固
体電解コンデンサについて、120Hzでの容量特性、
100kHzでのESR特性を測定した結果を(表3)
に示す。
【0104】
【表3】
【0105】(表3)より明らかなように、比較例に比
べて実施例12〜14の固体電解コンデンサは容量特
性、ESR特性に優れていることが分かる。
【0106】このように、陰極層形成工程の後に固体電
解質層が形成された陽極体を熱処理することにより、固
体電解質層を完全に固定化して密着性を向上させること
ができるので、容量特性及びESR特性に優れた固体電
解コンデンサを得ることが可能となる。
【0107】なお、熱処理温度は230〜280℃の範
囲が好ましく、熱処理温度が230℃未満では固体電解
質層を完全に固定化することができず、280℃を超え
ると固体電解質層が変化してしまい、良好な容量特性、
ESR特性を得ることができない。
【0108】(実施の形態10)本発明の実施の形態1
0における特徴は、第1の固体電解質層の残渣を5重量
%未満である構成としたものであり、残渣を可能な限り
少なくすることにより、体積収納効率に優れた高性能の
固体電解コンデンサを得ることができるという作用を有
する。
【0109】以下、本発明の実施の形態10における固
体電解コンデンサについて説明する。
【0110】本実施の形態10は、第1の固体電解質層
形成工程における重合膜に残存する残渣を可能な限り少
なくするようにしたものであり、上記残渣による特性を
比較した結果を図7に示す。
【0111】図7から明確なように、第1の固体電解質
層形成工程における残渣除去後の残渣を5重量%未満に
抑えることにより、ESRの劣化を低減することができ
るものである。
【0112】(実施の形態11)本発明の実施の形態1
1における特徴は、第1の固体電解質層の形成を電解重
合で行うようにすることにより、重合速度を向上させ、
かつ初期および高温中にコンデンサを放置するような条
件下でもインピーダンス特性の優れた固体電解コンデン
サを得ることができるものである。
【0113】以下、本発明の実施の形態11における固
体電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0114】(実施例15)陽極体としてリードをつけ
たアルミニウムエッチド箔を使用する。これに3%アジ
ピン酸アンモニウム水溶液を用いて陽極酸化処理するこ
とにより上記陽極体の外表面に誘電体酸化皮膜を形成し
た。
【0115】次に導電性高分子層の形成は、上記誘電体
酸化皮膜を形成した陽極体を(化2)中のRをエトキシ
基で置換したモノマーから得られるポリアニリンを5w
t%溶解した表面張力70×10-3N/mの水溶液に浸
漬した後、これを引き上げ溶媒である水を揮発させる。
その後200℃で5分間加熱処理を行い、導電性高分子
層を形成した。
【0116】次に、第1の固体電解質形成は、ピロール
モノマー0.5mol/lとアルキルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム0.1mol/lをあらかじめ混合した
後に溶媒である水とpH調整剤としてプロピルリン酸エ
ステルを添加してpHを2に調整した重合液を用いて、
重合開始用電極をアルミニウムエッチド箔表面に近接さ
せ、重合電圧2Vで電解重合した後、重合膜に残存する
残渣を除去するための洗浄、乾燥することにより行っ
た。
【0117】次に、陰極層の形成は、上記陽極体にカー
ボン塗布、銀ペイント塗布、乾燥を行って陰極層を形成
し、これによってコンデンサ素子を得た。その後、エポ
キシ樹脂により外装して固体電解コンデンサを作製し
た。
【0118】(比較例3)上記実施例15において、第
1の固体電解質層の形成を陽極体の外表面および細孔内
部にピロールモノマー溶液を均一に分散させた後、酸化
溶液と接触させることによりポリピロールの重合膜を化
学酸化重合により形成して、その後、酢酸水溶液で陽極
体の誘電体酸化皮膜層を修復した。続いて、この重合膜
形成時に発生した重合膜に残存する残渣を洗浄により除
去し、この残渣を除去した重合膜を乾燥し、この操作を
3回繰り返し行って形成した以外は実施例15と同様に
して固体電解コンデンサを作製した。
【0119】なお、ピロールモノマー溶液は、エチレン
グリコールを10wt%含有する水溶液にピロールを
1.0mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムを0.25mol/lとなるよ
うに溶解させて調製したものを用い、また酸化溶液は、
エチレングリコールを10wt%含有する水溶液に酸化
剤として硫酸鉄(III)を0.75mol/l、ドーパ
ントとしてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
0.05mol/l、添加剤として硫酸を0.75mo
l/lとなるように溶解させて調製したものを用いた。
【0120】(比較例4)上記実施例15において、導
電性高分子層の形成を硝酸マンガン30%水溶液に浸漬
し、自然乾燥させた後、300℃で10分間熱分解処理
をして二酸化マンガン層を形成した以外は実施例15と
同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0121】上記実施例15および比較例3および4の
固体電解コンデンサについてエージングを行い、その後
コンデンサの特性を測定した。これらの結果を(表4)
に示す。この結果は各固体電解コンデンサをそれぞれ1
0個を測定した平均値である。
【0122】
【表4】
【0123】(表4)から明らかなように、実施例15
の固体電解コンデンサは、pHの低い重合液を用いて電
解重合を行うことにより、比較例3の化学酸化重合で形
成した固体電解コンデンサよりも特にインピーダンスお
よび漏れ電流特性において大幅に改善することができ
る。また、比較例4の二酸化マンガン層の表面に電解重
合で固体電解質層を形成した固体電解コンデンサと比べ
ても特に静電容量および漏れ電流特性において優れるも
のである。
【0124】
【発明の効果】このように本発明によれば、陽極体をポ
リマー骨格内に親水基を有する導電性高分子の水溶液に
浸漬した後これを引き上げて加熱処理を行うことにより
上記陽極体上に導電性高分子層を形成する工程と、複素
環式化合物またはその誘導体からなるモノマーを含む溶
液を上記導電性高分子層上に被覆させ、続いてこのモノ
マーを含む溶液中のモノマーを重合することにより重合
膜を形成し、続いてこの重合膜に残存する残渣を除去す
るための洗浄を行った後、これを乾燥することにより第
1の固体電解質層を形成する工程にすることにより、重
合工程において発生する固体電解質の残渣を固体電解質
層形成時にシャワー洗浄等の手段により除去するように
したため、均一な固体電解質層を形成して信頼性に優れ
た固体電解コンデンサを得ることができるものである。
【0125】また、第1の固体電解質層形成工程の後
に、第1の固体電解質層形成工程と異なる条件で固体電
解質層を形成する第2の固体電解質層形成工程を設ける
ようにした製造方法、または、第1の固体電解質層形成
工程の後に第1の固体電解質層形成工程と異なる条件で
固体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工程
と、第1の固体電解質層と第2の固体電解質層と異なる
導電性高分子からなる固体電解質層を形成する第3の固
体電解質層形成工程を設けるようにした製造方法とする
ことにより、容量特性やESR特性を向上させ、信頼性
の高い製品を製造することが可能になる。
【0126】さらに、陰極層形成工程の後に固体電解質
層が形成された陽極体を熱処理することにより、重合膜
に残存する有機物を完全に除去すると共に、固体電解質
層を固定化することができることから、容量特性及びE
SR特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができ
るという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による固体電解コンデン
サの製造方法を示す製造工程図
【図2】本発明の実施の形態2による洗浄装置の正面断
面図
【図3】同実施の形態によるシャワー洗浄後のコンデン
サ素子を示す正面図
【図4】本発明の実施の形態3によるシャワー洗浄後の
陽極体の細孔内部を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態4による固体電解コンデン
サの製造方法を示す製造工程図
【図6】本発明の実施の形態6による固体電解コンデン
サの製造方法を示す製造工程図
【図7】本発明の実施の形態10による固体電解コンデ
ンサの特性図
【図8】従来の固体電解コンデンサの構成を示す断面図
【図9】従来の固体電解コンデンサの製造方法を示す製
造工程図
【図10】従来の固体電解コンデンサの製造方法により
発生した陽極体表面の残渣を示す正面図
【図11】従来の固体電解コンデンサの製造方法により
発生した陽極体の細孔内部の残渣を示す断面図
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 陽極導出線 3 取付バー 4A,4B シャワーノズル 5 噴霧状の水 6 タンク 7 水 8 ポンプ 9 配管 10 シャワー室本体 11 カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 寿孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 林 千春 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡辺 善博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4J032 BA03 BA04 BA08 BA09 BA13 BA14 BC02 BC03 BC06 BC12 BC21 BD02 BD05 BD07 CG01 4J043 PA01 PC186 QB02 QB03 RA02 RA03 SA05 SB01 UA121 VA011 XA21 XA28 XA29 YA01 YA03 YB05 YB38 ZA44 ZB49

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用金属からなる陽極体の表面に誘電
    体酸化皮膜層を形成する工程と、この陽極体をポリマー
    骨格内に親水基を有する導電性高分子の水溶液に浸漬し
    た後これを引き上げて加熱処理を行うことにより上記誘
    電体酸化皮膜層上に導電性高分子層を形成する工程と、
    複素環式化合物またはその誘導体からなるモノマーを含
    む溶液を上記導電性高分子層上に被覆させ、続いてこの
    モノマーを含む溶液中のモノマーを重合することにより
    重合膜を形成し、続いてこの重合膜に残存する残渣を除
    去するための洗浄を行った後これを乾燥することにより
    第1の固体電解質層を形成する工程と、上記第1の固体
    電解質層上に陰極層を形成する工程とを含む固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー骨格内に親水基を有する導電性
    高分子がモノマーのアニリン、ピロール、チオフェン、
    フランのいずれかの誘導体である請求項1に記載の固体
    電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリマー骨格内に親水基を有する導電性
    高分子がスルホン酸基を有する自己ドープ型導電性高分
    子である請求項2に記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリマー骨格内に親水基を有する導電性
    高分子が(化1)に表されるアニリン誘導体である請求
    項3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。 【化1】
  5. 【請求項5】 ポリマー骨格内に親水基を有する導電性
    高分子の水溶液の表面張力を70×10-3N/m以下と
    した請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱処理を160〜250℃の温度範囲
    で行うようにした請求項1に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1の固体電解質層の形成を酸化剤を用
    いて化学酸化重合で行うようにした請求項1に記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の固体電解質層を形成する工程と、
    陽極体をモノマー溶液または酸化溶液のいずれか一方の
    溶液に所定時間浸漬し、続いて他方の溶液に上記陽極体
    を所定時間浸漬して重合膜を形成し、続いて誘電体酸化
    皮膜の修復する操作を少なくとも複数回繰り返して行う
    ようにした請求項7に記載の固体電解コンデンサの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 酸化溶液の温度を空気中で保持する温度
    以下とした請求項8に記載の固体電解コンデンサの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 第1の固体電解質層の形成を電解重合
    で行うようにした請求項1に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 電解重合が複素環式化合物またはその
    誘導体のモノマーとpH調整剤と水とを少なくとも含ん
    だpH5以下の水溶液で重合するものである請求項10
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 残渣を除去するための洗浄として、陽
    極体の外表面の残渣を除去する洗浄または陽極体の細孔
    の内部に残存する残渣を除去する洗浄の少なくともいず
    れかを行うようにした請求項1に記載の固体電解コンデ
    ンサの製造方法。
  13. 【請求項13】 陽極体の外表面の残渣を除去するため
    の洗浄または陽極体の細孔の内部に残存する残渣を除去
    する洗浄として、水、湯、有機溶媒などの液体、空気、
    ガスのいずれかを用いたシャワー洗浄、または上記液体
    による超音波洗浄あるいはブラストのいずれかを行うよ
    うにした請求項12に記載の固体電解コンデンサの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 第1の固体電解質層を形成する工程の
    後に、第1の固体電解質層を形成する条件と異なる条件
    で固体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工程
    を設けた請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 第1の固体電解質層を形成する工程の
    後に、第1の固体電解質層を形成する条件と異なる条件
    で固体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工程
    と、第1の固体電解質層および第2の固体電解質層と異
    なる導電性高分子からなる固体電解質層を形成する第3
    の固体電解質層形成工程を設けた請求項1に記載の固体
    電解コンデンサの製造方法。
  16. 【請求項16】 第3の固体電解質層を形成する工程が
    陽極体をモノマー、酸化剤および導電性高分子粒子を含
    有する懸濁液に所定時間浸漬する工程と、続いて上記陽
    極体を溶液から引き上げて溶液外に所定時間保持する工
    程を少なくとも1回以上繰り返して行うようにした請求
    項15に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  17. 【請求項17】 懸濁液が所定量のモノマーと酸化剤を
    混合させることにより導電性高分子粒子を生成させ、そ
    の後モノマーを添加するようにしたものである請求項1
    6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 第3の固体電解質層の形成を電解重合
    で行うようにした請求項15に記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
  19. 【請求項19】 電解重合が複素環式化合物またはその
    誘導体のモノマーとpH調整剤と水とを少なくとも含ん
    だpH5以下の水溶液で重合するものである請求項18
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  20. 【請求項20】 第1の固体電解質層を形成する工程と
    して、重合膜に残存する残渣を除去する洗浄を行う前に
    誘電体酸化皮膜の修復を行うようにした請求項1または
    14もしくは15のいずれか一つに記載の固体電解コン
    デンサの製造方法。
  21. 【請求項21】 陰極層形成工程の後に熱処理するよう
    にした請求項1または14もしくは15のいずれか一つ
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  22. 【請求項22】 熱処理する温度を230〜280℃で
    行うようにした請求項21に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22のいずれか一つに記載
    の固体電解コンデンサの製造方法により製造された固体
    電解コンデンサ。
  24. 【請求項24】 導電性高分子層の残渣が5重量%未満
    である請求項23に記載の固体電解コンデンサ。
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