JP2002158144A - 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ

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JP2002158144A
JP2002158144A JP2000400382A JP2000400382A JP2002158144A JP 2002158144 A JP2002158144 A JP 2002158144A JP 2000400382 A JP2000400382 A JP 2000400382A JP 2000400382 A JP2000400382 A JP 2000400382A JP 2002158144 A JP2002158144 A JP 2002158144A
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solid electrolyte
electrolytic capacitor
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manufacturing
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English (en)
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Chiharu Hayashi
千春 林
Kazuo Kawahito
一雄 川人
Toshitaka Kato
寿孝 加藤
Yasunobu Tsuji
康暢 辻
Yoshiki Hashimoto
芳樹 橋本
Mitsuo Terada
美津雄 寺田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体電解質層形成時に発生する残渣により性
能が低下することを解決し、優れた性能の製品を得るこ
とができる固体電解コンデンサの製造方法および固体電
解コンデンサを提供することを目的とする。 【解決手段】 複素環式化合物およびその誘導体からな
るモノマーを含む溶液を陽極体の外表面に形成された誘
電体酸化皮膜層上に被覆させ、続いてこのモノマーを含
む溶液中のモノマーを重合することにより重合膜を形成
し、続いてこの重合膜の残渣を除去するためのシャワー
洗浄を行った後、乾燥することにより導電性高分子から
なる固体電解質層を形成し、この上に陰極層を形成する
ようにした製造方法とすることにより、生産性を向上さ
せ、信頼性の高い製品を安定して製造することが可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に使用
される導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解
コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の固体電解コンデンサの製
造方法について図面を用いて説明する。
【0003】図11は上記従来の固体電解コンデンサの
構成を示した断面図であり、同図において、20は弁作
用金属であるタンタルの金属粉末を所望の形状にプレス
成形して焼結することにより得られた多孔質の陽極体で
あり、21はこの陽極体20に埋設されたタンタル線か
らなる陽極導出線である。
【0004】22は上記陽極体20の外表面に形成され
た誘電体酸化皮膜層、23はこの誘電体酸化皮膜層22
上に形成された固体電解質層、24はこの固体電解質層
23上に形成された陰極層であり、この陰極層24はカ
ーボンと銀ペイントを積層して形成されており、このよ
うにしてコンデンサ素子25が構成されている。26は
上記コンデンサ素子25の陽極導出線21に接続された
陽極端子、27は陰極層24に導電性接着剤28を介し
て接合された陰極端子、29は上記陽極端子26と陰極
端子27の一部が外表面に露呈するようにしてコンデン
サ素子25を被覆した外装樹脂であり、一般的にエポキ
シ系の樹脂が用いられている。なお、30は補強樹脂で
ある。
【0005】次に、このように構成された従来の固体電
解コンデンサの製造方法について図12を用いて説明す
る。図12は従来の固体電解コンデンサの製造方法を示
した製造工程図であり、同図に示すように、まず、成形
・焼結工程で、タンタル線からなる陽極導出線21を埋
設したタンタル金属粉末を所望の形状にプレス成形し、
これを焼結することにより多孔質の陽極体20を作製す
る。
【0006】次に、化成工程でリン酸を用いて陽極酸化
処理することにより上記陽極体20の外表面に誘電体酸
化皮膜層22を形成する。次に、重合工程で上記陽極体
20の外表面および細孔内部にピロールモノマー溶液を
均一に分散させた後、酸化剤を含む溶液と接触させる
か、もしくは逆に酸化剤を均一に分散させた後、ピロー
ルモノマー溶液と接触させることによりポリピロールを
固体電解質とする固体電解質層23を化学酸化重合によ
り形成する。次に、陰極形成工程でカーボン塗布、銀ペ
イント塗布、乾燥を行って陰極層24を形成し、これに
よってコンデンサ素子25を作製する。
【0007】次に、組立工程で上記コンデンサ素子25
の陽極導出線21をコム端子の陽極端子26に溶接によ
り接合し、さらに陰極層24を導電性接着剤28を介し
て陰極端子27に接合する。次に、モールド成形工程で
上記陽極端子26と陰極端子27の一部が夫々外表面に
露呈するようにしてコンデンサ素子25をエポキシ系の
外装樹脂29によりモールドし、最後に完成工程で個片
に分断して検査等を行って完成するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の固体電解コンデンサの製造方法では、重合工程におい
て、化学酸化重合を複数回繰り返して陽極体20の外表
面ならびに細孔の内部にポリピロールからなる固体電解
質層23を形成する際に、図13、図14に示すよう
に、陽極体20の外表面ならびに細孔の内部に固体電解
質の残渣31が発生するという問題があった。
【0009】この固体電解質の残渣31は、化学酸化重
合の際の重合の粕や未重合の導電性高分子または酸化剤
等で、コンデンサ素子25としての外観形状を悪化させ
てコンデンサ素子25の体積収納効率を低下させ、特性
を劣化させるばかりでなく、最悪の場合には外装樹脂2
9から残渣31が露出する場合もあった。従って、この
残渣31を除去するために、陰極層形成工程の前にブラ
シや筆を用いて残渣31を取り除くことにより固体電解
質層23の面を平坦にして外観形状を修正する作業が必
要となって生産性が悪化するばかりでなく、残渣31の
除去状態によっては固体電解質層23を損傷して特性劣
化を招く恐れがあるという課題があった。
【0010】また、上記重合工程において、モノマー溶
液と酸化剤を含む溶液のうち、一方の溶液に含浸した陽
極体20を他方の溶液に浸漬すると、先に陽極体20に
含浸しておいた溶液がもう一方の溶液中に拡散するため
に陽極体20の内部の溶液濃度が低下してしまい、陽極
体20の内部の導電性高分子の形成量が小さくなってし
まうため、誘電体酸化皮膜層22上に連続した導電性高
分子からなる固体電解質層23が被覆されず、容量特性
やESR特性の劣化が起きるという課題があった。
【0011】そのため、陽極体20の内部の誘電体酸化
皮膜層22上を連続した導電性高分子からなる固体電解
質層23で被覆し、本来の容量を完全に引き出し、かつ
ESR特性の低い固体電解コンデンサを得るには、導電
性高分子からなる固体電解質層23を形成する工程を数
十回繰り返す必要があり、生産性が極めて悪いという問
題点を有していた。
【0012】本発明はこのような従来の課題を解決し、
生産性に優れると共に信頼性の高い製品を安定して製造
することができる固体電解コンデンサの製造方法および
固体電解コンデンサを提供することを目的とするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、複素環式化合物およびその誘導体からなる
モノマーを含む溶液を陽極体の外表面に形成された誘電
体酸化皮膜層上に被覆させ、続いてこのモノマーを含む
溶液中のモノマーを重合することにより重合膜を形成
し、続いてこの重合膜の残渣を除去するための洗浄を行
った後、乾燥することにより導電性高分子からなる固体
電解質層を形成し、この固体電解質層上に陰極層を形成
するようにした固体電解コンデンサの製造方法であり、
この方法により、生産性を向上させ、信頼性の高い製品
を安定して製造することが可能になる。
【0014】また、第1の固体電解質層形成工程の前ま
たは後に、異なる条件で固体電解質層を形成する第2の
固体電解質層形成工程を設けるようにした製造方法、ま
たは第1の固体電解質層形成工程の後に異なる条件で固
体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工程と、
異なる導電性高分子からなる固体電解質層を形成する第
3の固体電解質層形成工程を設けるようにした製造方法
とすることにより、容量特性やESR特性を向上させ、
信頼性の高い製品を製造することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1における特徴は、複素環式化合物およびその誘導
体からなるモノマーを含む溶液を陽極体の外表面に形成
された誘電体酸化皮膜層上に被覆させ、続いてこのモノ
マーを含む溶液中のモノマーを重合することにより重合
膜を形成し、続いてこの重合膜に残存する残渣を除去す
るための洗浄を行った後、乾燥することにより導電性高
分子からなる固体電解質層を形成し、この固体電解質層
上に陰極層を形成するようにした固体電解コンデンサの
製造方法であり、固体電解質層形成工程の途中で乾燥前
に残渣を除去するために容易に、かつ確実に残渣を除去
することができるので、生産性の向上と品質の安定を同
時に達成することができるという作用を有する。
【0016】以下、本発明の実施の形態1における固体
電解コンデンサの製造方法について、図面を用いて説明
する。
【0017】図1は本発明の実施の形態1による固体電
解コンデンサの製造方法を示す製造工程図であり、まず
成形・焼結工程で、タンタル線からなる陽極導出線を埋
設したタンタル金属粉末を所望の形状にプレス成形し、
これを焼結することにより多孔質の陽極体を作製する。
次に、化成工程でリン酸を用いて陽極酸化処理すること
により上記陽極体の外表面に誘電体酸化皮膜層を形成す
る。
【0018】次に、第1の固体電解質層形成工程とし
て、上記陽極体の外表面および細孔内部にピロールモノ
マー溶液を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させる
か、もしくは逆に酸化溶液を均一に分散させた後、ピロ
ールモノマー溶液と接触させることによりポリピロール
の重合膜を化学酸化重合により形成する。
【0019】なお、ピロールモノマー溶液は、エチレン
グリコールを10wt%含有する水溶液にピロールを
1.0mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムを0.25mol/lとなるよ
うに溶解させて調整したものを用い、また酸化溶液は、
エチレングリコールを10wt%含有する水溶液に酸化
剤として硫酸鉄(III)を0.75mol/l、ドーパ
ントとしてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
0.05mol/l、添加剤として硫酸を0.75mo
l/lとなるように溶解させて調整したものを用いる。
【0020】続いて、この重合膜形成時に発生した重合
膜に残存する残渣を洗浄により除去し(詳細は後述す
る)、この残渣を除去した重合膜を乾燥することによ
り、陽極体にポリピロールからなる固体電解質層を形成
する。
【0021】次に、陰極形成工程で上記陽極体にカーボ
ン塗布、銀ペイント塗布、乾燥を行って陰極層を形成
し、これによってコンデンサ素子を作製する。
【0022】次に、組立工程で上記コンデンサ素子の陽
極導出線をコム端子の陽極端子に溶接により接合し、さ
らに陰極層を導電性接着剤を介して陰極端子に接合す
る。次に、モールド成形工程で上記陽極端子と陰極端子
の一部が夫々外表面に露呈するようにしてコンデンサ素
子をエポキシ系の外装樹脂によりモールドし、最後に完
成工程で個片に分断して検査等を行って完成するもので
ある。
【0023】次に、上記固体電解質層形成工程の一部を
なす洗浄工程について説明する。
【0024】図2は上記洗浄工程を行うための洗浄装置
の正面断面図であり、同図において、1はコンデンサ素
子、2はこのコンデンサ素子1から導出された陽極導出
線、3はコンデンサ素子1の陽極導出線2が複数個所定
の間隔で溶接により接合された取付バーである。4Aは
上記コンデンサ素子1をシャワー洗浄するためにコンデ
ンサ素子1の上部に配設されたシャワーノズルであり、
同図の下部、すなわちコンデンサ素子1に向かってシャ
ワー状に水が噴射されるように溝あるいは穴が設けられ
ている。5はこのシャワーノズル4Aから噴射される噴
霧状の水、6はタンク、7はこのタンク6内に充填され
た水、8はタンク6内の水7を配管9を介してシャワー
ノズル4Aに圧送するポンプ、10はシャワー室本体、
11はカバーである。
【0025】次に、このように構成された洗浄装置を用
いて、コンデンサ素子1に向かってシャワーノズル4A
から1.0kg/cm2の圧力で10秒間水5を噴射して一
旦休止し、再度同じことを繰り返してシャワー洗浄を行
った。また、上記圧力を0.3kg/cm2、0.5kg/c
m2、1.0kg/cm2、1.5kg/cm2と変化させてシャワ
ー洗浄を行った時の残渣の残存量を比較した結果を(表
1)に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(表1)から明らかなように、シャワーノ
ズル4Aからコンデンサ素子1に向かってシャワー洗浄
を行う時の圧力は0.5kg/cm2以上の圧力であれば良
いことが分かる。
【0028】図3は上記シャワー洗浄を行って固体電解
質層を形成したコンデンサ素子1を示したものであり、
同図に示すように取付バー3に接合されたコンデンサ素
子1の外表面にはポリピロールからなる固体電解質層が
均一に形成され、その残渣は確実に除去されていた。
【0029】このように本発明による固体電解コンデン
サの製造方法は、重合膜形成工程で発生する残渣を除去
するための洗浄工程を設けることにより、均一な固体電
解質層を形成して優れた品質の固体電解コンデンサを製
造することができるものである。
【0030】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
おける特徴は、残渣を除去するための洗浄として、陽極
体の外表面の残渣を除去する洗浄と、陽極体の細孔の内
部に残存する残渣を除去する洗浄とを行うようにし、上
記陽極体の外表面の残渣を除去する洗浄としては、水、
湯、有機溶媒などの液体、空気、ガスのいずれかを用い
たシャワー洗浄、または上記液体による超音波洗浄、あ
るいはブラストのいずれかを、また上記陽極体の細孔の
内部に残存する残渣を除去する洗浄としては、水、湯、
有機溶媒などの液体による洗浄または超音波洗浄を行う
ようにした固体電解コンデンサの製造方法であり、上記
実施の形態1に記載の発明による作用に加え、より高性
能の固体電解コンデンサを製造することができるという
作用を有する。
【0031】以下、本発明の実施の形態2における固体
電解コンデンサの製造方法について図面を用いて説明す
る。
【0032】固体電解質層を形成する工程において発生
するポリピロールの重合膜の残渣は、陽極体の外表面に
発生する残渣と陽極体の細孔の内部に発生する残渣に大
別され、上記陽極体の外表面に発生する残渣について
は、水(湯の方がより効果が大)や空気を用いたシャワ
ー洗浄により充分に除去できるものであるが、陽極体の
細孔の内部に発生する残渣については、超音波洗浄を用
いる方がより確実に除去できるものである。なお、図3
は上記陽極体の外表面に発生した残渣を除去した後の陽
極体を示したもので、図4は陽極体の細孔の内部に発生
した残渣を除去した後の状態を示したものである。
【0033】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
おける特徴は、第1の固体電解質層形成工程として、陽
極体の細孔の内部に残存する残渣を除去する洗浄を行っ
た後に誘電体酸化皮膜層の修復を行うようにした固体電
解コンデンサの製造方法であり、上記実施の形態1に記
載の発明による作用に加え、より高性能の固体電解コン
デンサを製造することができるという作用を有する。
【0034】以下、本発明の実施の形態3における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0035】固体電解質層を形成する工程において発生
するポリピロールの重合膜の残渣を除去する手段の一つ
として、陽極体の細孔の内部に発生する残渣を洗浄によ
り除去した後に誘電体酸化皮膜層の修復を行うようにす
れば、万が一、上記残渣除去による洗浄により誘電体酸
化皮膜層がダメージを受けていたとしても、これを修復
することができるものである。
【0036】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
おける特徴は、第1の固体電解質層形成工程として、陽
極体の外表面の残渣を除去する洗浄の前に誘電体酸化皮
膜層の修復を行うようにした固体電解コンデンサの製造
方法というものであり、上記実施の形態1に記載の発明
による作用に加え、より高性能の固体電解コンデンサを
製造することができるという作用を有する。
【0037】以下、本発明の実施の形態4における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0038】固体電解質層を形成する工程において発生
するポリピロールの重合膜の残渣を除去する手段の一つ
として、陽極体の外表面に発生する残渣を洗浄により除
去する前に誘電体酸化皮膜層の修復を行うようにすれ
ば、上記残渣除去による洗浄により誘電体酸化皮膜層が
ダメージを受けにくくすることができるものである。
【0039】なお、重合膜に残存する残渣の洗浄を行っ
た後に誘電体酸化皮膜層の修復を行って乾燥しても良
い。
【0040】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
おける特徴は、固体電解質層形成工程の中で、少なくと
も第1の固体電解質層形成工程を複数回繰り返して行う
ようにした固体電解コンデンサの製造方法であり、上記
実施の形態1に記載の発明による作用に加え、より高性
能の固体電解コンデンサを製造することができるという
作用を有する。
【0041】以下、本発明の実施の形態5における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0042】固体電解質層の形成は上記実施の形態1で
詳細に説明したように、ポリピロールの重合膜を化学酸
化重合により形成するものであるが、1回の重合におい
て形成される重合膜の厚さは限られているため、同じ工
程を複数回繰り返し行うことにより、厚みが厚く、品質
的に安定した固体電解質層を形成することができるもの
である。
【0043】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
おける特徴は、固体電解質層形成工程の中で、少なくと
も第1の固体電解質層形成工程の乾燥を真空で行うよう
にした固体電解コンデンサの製造方法であり、上記実施
の形態1に記載の発明による作用に加え、より高性能の
固体電解コンデンサを製造することができるという作用
を有する。
【0044】以下、本発明の実施の形態6における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0045】固体電解質層の形成は上記実施の形態1で
詳細に説明したように、ポリピロールの重合膜を化学酸
化重合により形成した後、これを乾燥することにより形
成するものであるが、この乾燥を真空雰囲気で行うこと
により、ポリピロールの重合膜が酸素劣化することがな
いので、より高性能で品質的に安定した固体電解質層を
形成することができるものである。
【0046】(実施の形態7)本発明の実施の形態7に
おける特徴は、シャワー洗浄を陽極体の上部または下部
のいずれか一方、もしくは両方から行うようにし、かつ
シャワー洗浄の条件として、0.5kg/cm2以上の圧力
で少なくとも10秒間洗浄するようにした固体電解コン
デンサの製造方法であり、上記実施の形態1に記載の発
明による作用に加え、より高性能の固体電解コンデンサ
を製造することができるという作用を有する。
【0047】以下、本発明の実施の形態7における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0048】図5はシャワー洗浄を陽極体の下部から行
うようにしたものであり、同図に示すように、シャワー
ノズル4Bをコンデンサ素子1の下方に配設し、コンデ
ンサ素子1に向かってシャワーノズル4Bから1.0kg
/cm2の圧力で10秒間水5を噴射して一旦休止し、再
度同じことを繰り返してシャワー洗浄を行うようにした
ものであり、本実施の形態7は上記実施の形態1による
シャワー洗浄と同様の効果が得られるものである。ま
た、上記圧力を0.3kg/cm2、0.5kg/cm2、1.0
kg/cm2、1.5kg/cm2と変化させてシャワー洗浄を行
った時の残渣の残存量を比較した結果を(表2)に示
す。
【0049】
【表2】
【0050】(表2)から明らかなように、シャワーノ
ズル4Bからコンデンサ素子1に向かってシャワー洗浄
を行う時の圧力は0.5kg/cm2以上の圧力であれば良
いことが分かる。
【0051】また、図6はシャワー洗浄をコンデンサ素
子1の上部と下部の両方から行うようにしたものであ
り、同図に示すように、シャワーノズル4Aをコンデン
サ素子1の上方に配設すると共に、シャワーノズル4B
をコンデンサ素子1の下方に配設し、コンデンサ素子1
に向かってシャワーノズル4Aから1.0kg/cm2の圧
力で、シャワーノズル4Bから0.5kg/cm2の圧力で
10秒間水を噴射して一旦休止し、再度同じことを繰り
返してシャワー洗浄を行うようにしたもので、このよう
に陽極体の上下方向から洗浄を行うことにより、より精
度の良い残渣除去を効率良く行うことができるものであ
る。
【0052】(実施の形態8)本発明の実施の形態8に
おける特徴は、第1の固体電解質層形成工程の前または
後に、異なる条件で固体電解質層を形成する第2の固体
電解質層形成工程を設けた固体電解コンデンサの製造方
法であり、上記実施の形態1に記載の発明による作用に
加え、より高性能の固体電解コンデンサを製造すること
ができるという作用を有する。
【0053】以下、本発明の実施の形態8における固体
電解コンデンサの製造方法について、図面を用いて説明
する。
【0054】図7は本発明の実施の形態8による固体電
解コンデンサの製造方法を示す製造工程図であり、本実
施の形態8は上記実施の形態1の第1の固体電解質層形
成工程の前または後に、第2の固体電解質層形成工程を
設けたものである。この第2の固体電解質層形成工程
は、上記第1の固体電解質層形成工程とは異なる条件で
固体電解質層を形成するようにしたものであり、より具
体的には、第2の固体電解質層形成工程で用いるモノマ
ー溶液を、エチレングリコールを10wt%含有する水
溶液にモノマーとしてピロールを0.75mol/l、
ドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウムを0.25mol/lとなるように溶解させて調製
したものを用い、酸化溶液は、エチレングリコールを1
0wt%含有する水溶液に酸化剤として硫酸鉄(III)
を0.75mol/l、ドーパントとしてアルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウムを0.05mol/l、添
加剤として硫酸を0.75mol/lとなるように溶解
させて調製したものを用い、上記第1の固体電解質層形
成工程で形成された固体電解質層上にモノマー溶液を均
一に分散させた後、酸化溶液と接触させることにより、
ポリピロールの重合膜を化学酸化重合により形成する。
次に、水洗または湯洗により余分の酸化剤を除去し、続
いて誘電体酸化皮膜層の修復を行い、その後水洗または
湯洗を行い乾燥することにより、陽極体にポリピロール
からなる固体電解質層を形成する。
【0055】上記第2の固体電解質層形成工程の条件
は、第1の固体電解質層形成工程の条件に対してピロー
ルモノマー溶液の濃度を変えたものであるが、この他に
第2の固体電解質層形成工程のピロールモノマー溶液の
濃度を低くする方法もある。
【0056】このように、第1の固体電解質層形成工程
の条件に対して第2の固体電解質層形成工程の条件を変
えて、第2の固体電解質層形成工程での化学酸化重合の
反応を抑制することにより、陽極体の細孔の内部まで導
電性高分子の固体電解質層を均一に形成することができ
るので、より高性能の固体電解コンデンサを製造するこ
とができるものである。
【0057】(実施の形態9)本発明の実施の形態9に
おける特徴は、第2の固体電解質層形成工程が陽極体を
モノマー溶液に所定時間浸漬する工程と、続いて酸化溶
液に上記陽極体を所定時間浸漬する工程と、続いて上記
陽極体を溶液から引き上げて空気中に所定時間保持する
工程を少なくとも1回以上繰り返して行うようにした固
体電解コンデンサの製造方法であり、上記実施の形態8
に記載の発明による作用に加え、より高性能の固体電解
コンデンサを製造することができるという作用を有す
る。
【0058】以下、本発明の実施の形態9における固体
電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0059】上記実施の形態8において、第2の固体電
解質層形成工程をモノマー溶液を均一に分散させた後、
酸化溶液と接触させることによりポリピロールの重合膜
を化学酸化重合により形成する。この時に、モノマー溶
液および酸化溶液に順次浸漬した後、陽極体を溶液から
引き上げて空気中で所定時間保持するようにする。これ
により、陽極体の細孔の内部の化学酸化重合反応が充分
に行われるようになる。なお、上記空気中で保持する温
度は、酸化溶液の温度よりも高くすることにより、より
化学酸化重合反応を促進させることができる。
【0060】次に、水洗または湯洗により余分の酸化剤
を除去し、続いて誘電体酸化皮膜層の修復を行い、その
後水洗または湯洗を行い乾燥する。この一連の操作を数
回繰り返し行うことにより、より均一な固体電解質層を
得ることが可能となる。
【0061】(実施の形態10)本発明の実施の形態1
0における特徴は、第1の固体電解質層形成工程の後に
異なる条件で固体電解質層を形成する第2の固体電解質
層形成工程と、異なる導電性高分子からなる固体電解質
層を形成する第3の固体電解質層形成工程を設けた固体
電解コンデンサの製造方法、さらには、重合膜に残存す
る残渣を除去するための洗浄を第1の固体電解質層形成
工程、第2の固体電解質層形成工程、第3の固体電解質
層形成工程の少なくとも一つ以上で行うようにした固体
電解コンデンサの製造方法というものであり、上記実施
の形態1に記載の発明による作用に加え、より高性能の
固体電解コンデンサを製造することができるという作用
を有する。
【0062】以下、本発明の実施の形態10における固
体電解コンデンサの製造方法について、図面を用いて説
明する。
【0063】図8は本発明の実施の形態10による固体
電解コンデンサの製造方法を示す製造工程図であり、本
実施の形態10は上記実施の形態1の第1の固体電解質
層形成工程の後に第2の固体電解質層形成工程と、第3
の固体電解質層形成工程を設けたものであり、上記第3
の固体電解質層形成工程は、上記第1の固体電解質層形
成工程とは異なる導電性高分子からなる固体電解質層を
形成するようにしたものである。
【0064】より具体的には、第1の固体電解質層形成
工程として、上記実施の形態1に示したように、誘電体
酸化皮膜層が形成された陽極体の表面にピロールモノマ
ー溶液を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させる
か、もしくは逆に酸化剤を均一に分散させた後、ピロー
ルモノマー溶液と接触させることによりポリピロールの
重合膜を化学酸化重合により形成する。続いて、水洗ま
たは湯洗により余分の酸化剤を除去した後、この重合膜
形成時に発生した重合膜に残存する残渣を洗浄により除
去し、この残渣を除去した重合膜を乾燥することによ
り、陽極体にポリピロールからなる固体電解質層を形成
する。なお、重合膜に残存する残渣の洗浄を行う前に誘
電体酸化皮膜層の修復を行っても良い。
【0065】次に、第2の固体電解質層形成工程とし
て、上記実施の形態8に示したように、第1の固体電解
質層形成工程で形成された固体電解質層上にピロールモ
ノマー溶液を均一に分散させた後、酸化溶液と接触させ
ることによりポリピロールの重合膜を化学酸化重合によ
り形成する。続いて、水洗または湯洗により余分の酸化
剤を除去し、続いて誘電体酸化皮膜層の修復を行い、そ
の後水洗または湯洗を行い乾燥することにより、陽極体
にポリピロールからなる固体電解質層を形成する。
【0066】次に、第3の固体電解質層形成工程は、懸
濁液としてエチレングリコールを10wt%含有する水
溶液にエチレンジオキシチオフェンを1.0mol/
l、酸化剤としてP−トルエンスルホン酸第2鉄を0.
75mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウムを0.15mol/lとなるよう
に溶解させて調製したものを用い、上記第2の固体電解
質層形成工程で固体電解質層が形成された陽極体を上記
懸濁液に所定時間浸漬させ、その後引き上げて所定時間
保持してから水洗または湯洗により余分の懸濁液を除去
し、続いて誘電体酸化皮膜層の修復を行い、その後水洗
または湯洗を行い乾燥することにより、陽極体にポリチ
オフェンからなる固体電解質層を形成する。
【0067】このように、第3の固体電解質層としてポ
リチオフェンを用いて導電性高分子材料を使い分けるこ
とにより、より高性能の固体電解コンデンサを製造する
ことができるものである。
【0068】また、本実施の形態10においては、重合
膜形成時に発生した重合膜に残存する残渣を洗浄により
除去する作業を、第1の固体電解質層形成工程時に行う
製造方法を例にして説明したが、上記残渣の除去作業は
第1〜第3の固体電解質層形成工程の全てで行っても良
く、また、いずれか一つで行っても良いものであり、最
終的に製品として満足できる性能を得るために、どの製
造方法を選択すれば良いかを、適宜決定すれば良いもの
である。
【0069】(実施の形態11)本発明の実施の形態1
1における特徴は、第3の固体電解質層形成工程が陽極
体をモノマー、酸化剤および導電性高分子粒子を含有す
る懸濁液に所定時間浸漬する工程と、続いて、上記陽極
体を溶液から引き上げて溶液外に所定時間保持する工程
を少なくとも1回以上繰り返して行うようにした固体電
解コンデンサの製造方法であり、上記実施の形態10に
記載の発明による作用に加え、より高性能の固体電解コ
ンデンサを製造することができるという作用を有する。
【0070】以下、本発明の実施の形態11における固
体電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0071】上記実施の形態10において、上記第3の
固体電解質層形成工程を懸濁液に所定時間浸漬させ、そ
の後引き上げて所定時間保持してから水洗または湯洗に
より余分の懸濁液を除去し、続いて誘電体酸化皮膜層の
修復を行い、その後水洗または湯洗を行い乾燥する。こ
の一連の操作を数回繰り返し行うことにより、より均一
なポリチオフェンからなる固体電解質層を得ることが可
能となる。
【0072】(実施の形態12)本発明の実施の形態1
2における特徴は、第1の固体電解質層形成工程の後に
異なる条件で固体電解質層を形成する第2の固体電解質
層形成工程を行い、その後、再度第1の固体電解質層形
成工程を行い、続いて、異なる導電性高分子からなる固
体電解質層を形成する第3の固体電解質層形成工程を設
けた固体電解コンデンサの製造方法であり、より高性能
の固体電解コンデンサを製造することができるという作
用を有する。
【0073】以下、本発明の実施の形態12における固
体電解コンデンサの製造方法について、図面を用いて説
明する。
【0074】図9は本発明の実施の形態12による固体
電解コンデンサの製造方法を示す製造工程図であり、本
実施の形態12は上記実施の形態10の第2の固体電解
質層形成工程と第3の固体電解質層形成工程の間に第1
の固体電解質層形成工程を設けたものであり、ポリピロ
ールからなる導電性高分子の固体電解質層がより均一化
され、より高性能の固体電解コンデンサを製造すること
ができるものである。
【0075】(実施の形態13)本発明の実施の形態1
3における特徴は、上記実施の形態1または8もしくは
9のいずれか一つにおいて、陰極層形成工程の後に固体
電解質層が形成された陽極体を熱処理するようにした固
体電解コンデンサの製造方法であり、この方法により、
重合膜に残存する有機物を完全に除去すると共に固体電
解質層を固定化することができることから、容量特性及
びESR特性に優れた固体電解コンデンサを得ることが
できるという作用を有する。
【0076】以下、本発明の実施の形態13における固
体電解コンデンサの製造方法について実施例を用いて説
明する。
【0077】[実施例1]上記実施の形態1において、
モノマーを含む溶液中のモノマーを重合することにより
重合膜を形成し、続いてこの重合膜に残存する残渣を除
去するための洗浄を行い、その後乾燥することにより導
電性高分子からなる固体電解質層を形成し、続いて陰極
層を形成した後、この固体電解質層が形成された陽極体
を250℃で熱処理を行った以外は実施の形態1と同様
にして固体電解コンデンサを作製した。
【0078】[実施例2]上記実施の形態8において、
第2の固体電解質層形成工程のモノマー溶液を均一に分
散させた後、酸化溶液と接触させることによりポリピロ
ールの重合膜を化学酸化重合により形成する。次に、水
洗または湯洗により余分の酸化剤を除去し、誘電体酸化
皮膜層の修復を行い、続いて水洗または湯洗を行い乾燥
することにより陽極体にポリピロールからなる固体電解
質層を形成する。続いて陰極層を形成した後、この固体
電解質層が形成された陽極体を250℃で熱処理を行っ
た以外は実施の形態8と同様にして固体電解コンデンサ
を作製した。
【0079】[実施例3]上記実施の形態9において、
第3の固体電解質層形成工程の懸濁液に所定時間浸漬さ
せ、その後引き上げて所定時間保持してから水洗または
湯洗により余分の懸濁液を除去し、続いて誘電体酸化皮
膜の修復を行い、その後水洗または湯洗を行い乾燥する
ことにより、ポリチオフェンからなる固体電解質層を形
成する。続いて陰極層を形成した後、この固体電解質層
が形成された陽極体を250℃で熱処理を行った以外は
実施の形態9と同様にして固体電解コンデンサを作製し
た。
【0080】[比較例]上記従来の技術の項で説明した
方法により固体電解コンデンサを作製した。
【0081】上記実施例1〜3および比較例の固体電解
コンデンサについて、120Hzでの容量特性、100
kHzでのESR特性を測定した結果を(表3)に示
す。
【0082】
【表3】
【0083】(表3)より明らかなように、比較例に比
べて実施例1〜3の固体電解コンデンサは容量特性、E
SR特性に優れていることが分かる。
【0084】このように、陰極層形成工程の後に、固体
電解質層が形成された陽極体を熱処理することにより、
固体電解質層を完全に固定化して密着性を向上させるこ
とができるので、容量特性及びESR特性に優れた固体
電解コンデンサを得ることが可能となる。
【0085】なお、熱処理温度は230〜280℃の範
囲が好ましく、熱処理温度が230℃未満では固体電解
質層を完全に固定化することができず、280℃を超え
ると固体電解質層が変化してしまい、良好な容量特性、
ESR特性を得ることができない。
【0086】(実施の形態14)本発明の実施の形態1
4における特徴は、第1の固体電解質層の残渣を5重量
%未満である構成としたものであり、残渣を可能な限り
少なくすることにより、体積収納効率に優れた高性能の
固体電解コンデンサを得ることができるという作用を有
する。
【0087】以下、本発明の実施の形態14における固
体電解コンデンサについて説明する。
【0088】本実施の形態14は、第1の固体電解質層
形成工程における重合膜に残存する残渣を可能な限り少
なくするようにしたものであり、上記残渣による特性を
比較した結果を図10に示す。
【0089】図10から明確なように、第1の固体電解
質層形成工程における残渣除去後の残渣を5重量%未満
に抑えることにより、ESRの劣化を低減することがで
きるものである。
【0090】
【発明の効果】このように本発明によれば、重合工程に
おいて発生する固体電解質の残渣を、固体電解質層形成
時にシャワー洗浄等の手段により除去するようにしたた
め、均一な固体電解質層を形成して信頼性に優れた固体
電解コンデンサを得ることができるものである。
【0091】また、第1の固体電解質層形成工程の前ま
たは後に、異なる条件で固体電解質層を形成する第2の
固体電解質層形成工程を設けるようにした製造方法、ま
たは、第1の固体電解質層形成工程の後に異なる条件で
固体電解質層を形成する第2の固体電解質層形成工程
と、異なる導電性高分子からなる固体電解質層を形成す
る第3の固体電解質層形成工程を設けるようにした製造
方法とすることにより、容量特性やESR特性を向上さ
せ、信頼性の高い製品を製造することが可能になる。
【0092】さらに、陰極層形成工程の後に固体電解質
層が形成された陽極体を熱処理することにより、重合膜
に残存する有機物を完全に除去すると共に、固体電解質
層を固定化することができることから、容量特性及びE
SR特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができ
るという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による固体電解コンデン
サの製造方法を示す製造工程図
【図2】同実施の形態による洗浄装置の正面断面図
【図3】同実施の形態によるシャワー洗浄後のコンデン
サ素子を示す正面図
【図4】本発明の実施の形態2によるシャワー洗浄後の
陽極体の細孔内部を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態7による洗浄装置の正面断
面図
【図6】同実施の形態による他の洗浄装置の正面断面図
【図7】本発明の実施の形態8による固体電解コンデン
サの製造方法を示す製造工程図
【図8】本発明の実施の形態10による固体電解コンデ
ンサの製造方法を示す製造工程図
【図9】本発明の実施の形態12による固体電解コンデ
ンサの製造方法を示す製造工程図
【図10】本発明の実施の形態14による固体電解コン
デンサの特性図
【図11】従来の固体電解コンデンサの構成を示す断面
【図12】従来の固体電解コンデンサの製造方法を示す
製造工程図
【図13】従来の固体電解コンデンサの製造方法により
発生した陽極体表面の残渣を示す正面図
【図14】従来の固体電解コンデンサの製造方法により
発生した陽極体の細孔内部の残渣を示す断面図
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 陽極導出線 3 取付バー 4A,4B シャワーノズル 5 噴霧状の水 6 タンク 7 水 8 ポンプ 9 配管 10 シャワー室本体 11 カバー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/24 C (72)発明者 加藤 寿孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻 康暢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 橋本 芳樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 寺田 美津雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用金属粉末を成形、焼結した多孔質
    の陽極体の外表面に誘電体酸化皮膜層を形成する誘電体
    酸化皮膜層形成工程と、複素環式化合物およびその誘導
    体からなるモノマーを含む溶液を上記誘電体酸化皮膜層
    上に被覆させ、続いてこのモノマーを含む溶液中のモノ
    マーを重合することにより重合膜を形成し、続いてこの
    重合膜に残存する残渣を除去するための洗浄を行った
    後、これを乾燥することにより導電性高分子からなる固
    体電解質層を形成する第1の固体電解質層形成工程と、
    上記固体電解質層上に陰極層を形成する陰極層形成工程
    からなる固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の固体電解質層形成工程の重合膜の
    形成を、酸化剤を用いた化学酸化重合で行うようにした
    請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の固体電解質層形成工程を、陽極体
    をモノマー溶液または酸化溶液のいずれか一方の溶液に
    所定時間浸漬し、続いて他方の溶液に上記陽極体を所定
    時間浸漬して重合膜を形成するようにした請求項1に記
    載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の固体電解質層形成工程を複数回繰
    り返して行うようにした請求項1に記載の固体電解コン
    デンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 残渣を除去するための洗浄として、陽極
    体の外表面の残渣を除去する洗浄または陽極体の細孔の
    内部に残存する残渣を除去する洗浄の少なくともいずれ
    かを行うようにした請求項1に記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
  6. 【請求項6】 陽極体の外表面の残渣を除去するための
    洗浄として、水、湯、有機溶媒などの液体、空気、ガス
    のいずれかを用いたシャワー洗浄、または上記液体によ
    る超音波洗浄、あるいはブラストのいずれかを行うよう
    にした請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 陽極体の細孔の内部に残存する残渣を除
    去するための洗浄として、水、湯、有機溶媒などの液体
    による洗浄または超音波洗浄を行うようにした請求項5
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 シャワー洗浄を陽極体の上部または下部
    のいずれか一方または両方から行うようにした請求項5
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 シャワー洗浄の条件として、0.5kg/
    cm2以上の圧力で少なくとも10秒間洗浄するようにし
    た請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の固体電解質層形成工程として、
    重合膜に残存する残渣を除去する洗浄を行った後に誘電
    体酸化皮膜の修復を行うようにした請求項1に記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 第1の固体電解質層形成工程として、
    重合膜に残存する残渣を除去する洗浄の前に誘電体酸化
    皮膜の修復を行うようにした請求項1に記載の固体電解
    コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 第1の固体電解質層形成工程の乾燥を
    真空で行うようにした請求項1に記載の固体電解コンデ
    ンサの製造方法。
  13. 【請求項13】 第1の固体電解質層形成工程の前また
    は後に、異なる条件で固体電解質層を形成する第2の固
    体電解質層形成工程を設けた請求項1に記載の固体電解
    コンデンサの製造方法。
  14. 【請求項14】 第1の固体電解質層形成工程の後に、
    異なる条件で固体電解質層を形成する第2の固体電解質
    層形成工程と、異なる導電性高分子からなる固体電解質
    層を形成する第3の固体電解質層形成工程を設けた請求
    項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  15. 【請求項15】 重合膜に残存する残渣を除去するため
    の洗浄を第1の固体電解質層形成工程、第2の固体電解
    質層形成工程、第3の固体電解質層形成工程の少なくと
    も一つ以上で行うようにした請求項1または14に記載
    の固体電解コンデンサの製造方法。
  16. 【請求項16】 第2の固体電解質層形成工程が陽極体
    をモノマー溶液に所定時間浸漬する工程と、続いて酸化
    溶液に上記陽極体を所定時間浸漬する工程と、続いて上
    記陽極体を酸化溶液から引き上げて空気中に所定時間保
    持する工程を少なくとも1回以上繰り返して行うように
    した請求項13または14に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 酸化溶液の温度を空気中で保持する温
    度以下とした請求項16に記載の固体電解コンデンサの
    製造方法。
  18. 【請求項18】 第3の固体電解質層形成工程が陽極体
    をモノマー、酸化剤および導電性高分子粒子を含有する
    懸濁液に所定時間浸漬する工程と、続いて上記陽極体を
    溶液から引き上げて溶液外に所定時間保持する工程を少
    なくとも1回以上繰り返して行うようにした請求項14
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  19. 【請求項19】 懸濁液が所定量のモノマーと酸化剤を
    混合させることにより導電性高分子粒子を生成させ、そ
    の後モノマーを添加するようにしたものである請求項1
    8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  20. 【請求項20】 陰極層形成工程の後に固体電解質層が
    形成された陽極体を熱処理するようにした請求項1に記
    載の固体電解コンデンサの製造方法。
  21. 【請求項21】 熱処理する温度を230〜280℃で
    行うようにした請求項20に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 第2の固体電解質層形成工程と第3の
    固体電解質層形成工程の間に、第1の固体電解質層形成
    工程を再び行うようにした請求項14に記載の固体電解
    コンデンサの製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22のいずれか一つに記載
    の固体電解コンデンサの製造方法により製造された固体
    電解コンデンサ。
  24. 【請求項24】 固体電解質層の残渣が5重量%未満で
    ある請求項23に記載の固体電解コンデンサ。
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