JP2003109851A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP2003109851A JP2001301310A JP2001301310A JP2003109851A JP 2003109851 A JP2003109851 A JP 2003109851A JP 2001301310 A JP2001301310 A JP 2001301310A JP 2001301310 A JP2001301310 A JP 2001301310A JP 2003109851 A JP2003109851 A JP 2003109851A
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Takuya Suzuki
拓哉 鈴木
Shuichi Tanno
修一 丹野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解
コンデンサのショート発生の低減を図る。 【解決手段】 タンタル粉末の焼結体をコンデンサ素子
とし、3,4−エチレンジオキシチオフェン溶液と酸化
剤溶液にコンデンサ素子を交互に浸漬して酸化重合して
固体電解質とした固体電解コンデンサの製造方法とし
て、コンデンサ素子を重合性モノマー溶液に浸漬し、さ
らに酸化剤溶液に浸漬する工程を所定回数行った後、コ
ンデンサ素子を重合性モノマー溶液に浸漬し、さらにコ
ンデンサ素子の陽極導出線が導出された端面の反対端部
からコンデンサ素子を酸化剤溶液に所定深さまで浸漬
し、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子に底面
の角部にも所定厚さの導電性高分子層が形成されるた
め、この部位でのショート発生を低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解コンデンサ
の製造方法に関し、特に導電性高分子を固体電荷質に用
いた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、高速化、高周
波化に伴い、電解コンデンサにおいても小型化、高周波
性能の向上が求められている。従来、固体電解コンデン
サの固体電解質としては二酸化マンガン等の無機半導体
が用いられていたが、これらの物質の電導度は必ずしも
高いものではないため、高周波領域でのインピーダンス
が大きく、このような固体電解コンデンサでは高周波対
応の電子機器へ応用することが困難になりつつある。こ
のため、より電導度の高い機能性高分子を固体電解質と
して用いた高周波数領域でのインピーダンス特性が改善
された固体電解コンデンサが開発されている。
【0003】導電性高分子を固体電解質に用いたコンデ
ンサとしては従来より図1に示す構造のものが知られて
いる。すなわち、符号1はコンデンサ素子であり、タン
タル等の弁作用金属の微粉末を直方体状に成形し、焼結
して形成したものである。コンデンサ素子1には陽極導
出線8が植設されており、直方体状のコンデンサ素子1
の一つの端面から導出されている。コンデンサ素子1の
表面には誘電体参加皮膜が形成されており、さらにこの
誘電体酸化皮膜の上に導電性高分子層2が形成される。
導電性高分子層2の上には、カーボン層3、銀ペースト
層4が順次形成され、銀ペースト層4には陰極リード線
が取り付けられ、外部に引き出されている。一方、陽極
導出線8には、陽極リード線5が溶接されて外部に引き
出されている。さらにコンデンサ素子1は外装樹脂7に
よって樹脂外装を施し、陽極リード線5、陰極リード線
6を外装樹脂7の外周に沿って折り曲げて、固体電解コ
ンデンサが形成されている。
【0004】導電性高分子層2の形成方法としては、化
学酸化重合及び電解重合によって製作できるが、電解重
合手段を講じた場合、一個に数点の重合用電極を取り付
けることが必要であることと、導電性高分子が電極上に
フィルム状に形成されるため大量に製造することに困難
性が伴う問題を抱えているのに対して、化学酸化重合手
段の場合は、そのような問題はなく、電解重合と比較し
て大量の導電性高分子層を容易に得ることができること
は当業者の中では良く知られている。
【0005】そして、化学酸化重合による導電性高分子
層2の形成方法としては、例えば次のような工程よって
形成される。
【0006】まず、図3(a)に示すように、コンデン
サ素子1を所定の重合性モノマー溶液11に浸漬する。
この際にはコンデンサ素子1の陽極導出線8を治具12
で把持するようにして保持し、コンデンサ素子1の陽極
導出線8が植設された端面の対向端面(以下、この明細
書中では下部端面と表現する)より、重合性モノマー溶
液11に浸漬するように降下させる(モノマー浸漬工
程)。この際のコンデンサ素子1の浸漬深さは、陽極導
出線8の導出端面と重合性モノマー溶液11の液面が同
レベルとなる深さまで浸漬する。
【0007】そして、図3(b)に示すように、コンデ
ンサ素子1を重合性モノマー溶液11に所定時間浸漬し
た後、コンデンサ素子1を引き上げて放置する。このよ
うに大気中にコンデンサ素子1を放置することによっ
て、重合性モノマー溶液を希釈している溶媒が揮発し
て、コンデンサ素子1に重合性モノマーが付着した状態
となる。
【0008】次に、図3(c)に示すように、コンデン
サ素子1を酸化剤溶液12に浸漬する(酸化剤浸漬工
程)。この酸化剤溶液12に浸漬することによって、重
合性モノマーが化学酸化重合を開始し、高分子化する。
この酸化剤含浸工程での浸漬深さも、モノマー含浸工程
と同じように、陽極導出線8の導出端面と酸化剤溶液1
2の液面が同レベルとなる深さまで浸漬する。
【0009】さらに、図3(d)に示すように、コンデ
ンサ素子1を引き上げて、純水の流水によってコンデン
サ素子を洗浄し、さらに乾燥させる(洗浄・乾燥工
程)。
【0010】このようにして、誘電体酸化皮膜の上に導
電性高分子層2を形成する。このとき導電性高分子層2
は、図4に示すように、陽極導出線1が植立された端面
以外の5つの面の平坦部の他、コンデンサ素子4の各辺
(稜線)とコンデンサ素子の下部端面の頂点の上にも形
成される。
【0011】しかしながら、上述の引き上げ工程でコン
デンサ素子1の表面に付着したモノマー溶液は、表面張
力によってコンデンサ素子1の平坦部の中央部に引き寄
せられたまま乾燥し、酸化剤浸漬工程に移行する。この
ため、コンデンサ素子1の平坦部、特にその中央部には
導電性高分子層2が厚く形成されるが、コンデンサ素子
1の各辺(稜線)、コンデンサ素子の下部端面の頂点に
は導電性高分子層2が形成されにくく、形成されても導
電性高分子層2の厚さが薄くなってしまう。特に、コン
デンサ素子の下部端面の頂点においてはこの傾向が著し
い。
【0012】そして、このコンデンサ素子4を用いて図
1に示された固体電解コンデンサとする際に、外装樹脂
7によって樹脂外装を施すと、上述の導電性高分子層2
が形成されていないか、または非常に薄い部分に外装樹
脂7から応力が加わり、この下に形成された誘電体酸化
皮膜を損傷し、漏れ電流が増大する場合がある。
【0013】そこで、重合性モノマー溶液と酸化剤溶液
に浸漬を繰り返し、コンデンサ素子下部端面の頂点にも
導電性高分子層2を十分な厚さになるまで重合を繰り返
すことも考えられるが、重合を繰り返すと、コンデンサ
素子1の平坦部の導電性高分子層2の厚さが厚くなって
しまい、コンデンサ素子1全体の形状にばらつきを生じ
てしまう。コンデンサ素子1の大きさのばらつきが大き
くなると、外装樹脂のマージンを大きく取らねばなら
ず、コンデンサの小形化を阻害する要因となってしま
う。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の問題を解決する
ために特開平9−306787号公報においては、機能
性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサ
を製造する際、陽極導出線を植設させたコンデンサ素子
上に導電性高分子からなる固体電解質層を形成するにお
いて、モノマー溶液と酸化剤溶液からなる重合反応液
に、前記コンデンサ素子を浸漬し、このコンデンサ素子
を引き上げ、乾燥・重合する塗布形成工程のうち、乾燥
・重合時に前記コンデンサ素子の辺または頂点が下端と
なるように固定して保持することによって解決できると
している。
【0015】しかしながら、上述の特開平9−3067
87号公報に示された方法によれば、下端となった辺ま
たは頂点においては、所望の厚さの導電性高分子層を形
成することができるが、その他の辺や頂点には導電性高
分子層を所望の厚さに形成することができない。例えば
直方体形状のコンデンサ素子の底辺には4つの辺がある
が、このそれぞれに所望の厚さの動電子高分子層を形成
するのは、少なくとも4回の重合を行わなければなら
ず、作業工程の煩雑化を招いてしまう。
【0016】そこでこの発明では、導電性高分子を固体
電解質として用いた固体電解コンデンサにおいて、簡易
な方法によって導電性高分子層をほぼ均一の厚さとする
ことで、ショート不良の発生を低減することができる固
定電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明では、陽極導出
線を埋設し表面に誘電体酸化皮膜を形成した弁作用金属
からなるコンデンサ素子を、重合性モノマー溶液と酸化
剤溶液に浸漬することによって誘電体酸化皮膜上に導電
性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサ
の製造方法において、コンデンサ素子を陽極導出線が導
出された端面まで重合性モノマー溶液に浸漬し、さらに
酸化剤溶液に浸漬する工程を所定回数行った後、コンデ
ンサ素子の陽極導出線が導出された端面の反対端部から
コンデンサ素子を酸化剤溶液に所定深さまで浸漬し、さ
らに重合性モノマー溶液に浸漬して、導電性高分子層を
形成したことを特徴とする。
【0018】コンデンサ素子を陽極導出線が導出された
端面まで重合性モノマー溶液に浸漬し、さらに酸化剤溶
液に浸漬する工程を所定回数行うことにより、コンデン
サ素子の平坦部には十分な厚さの導電性高分子層を形成
することができる。その後に、コンデンサ素子を重合性
モノマー溶液に浸漬し、さらに、コンデンサ素子の陽極
導出線が導出された端面の反対端部からコンデンサ素子
を酸化剤溶液に所定深さまで浸漬すると、酸化剤に浸漬
した深さの部分まで導電性高分子層が形成されることに
なる。従って、コンデンサ素子の平坦部の導電性高分子
層の厚さを必要以上に厚くすることなく、コンデンサ素
子の各辺や頂点に所望の厚さの導電性高分子層を形成す
ることができる。
【0019】前記重合性モノマーがチオフェン又はその
誘導体からなるモノマーであることを特徴とする。
【0020】チオフェンの誘導体としては次に掲げる構
造のものを例示できる、チオフェン又はその誘導体は、
ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高
いとともに熱安定性が特に優れているため、低ESRで
耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができ
る。また、弁作用金属の微粉末を焼結させた焼結体をコ
ンデンサ素子として用いる固体電解コンデンサにおいて
は、導電性高分子が面状よりも粒子状に成長する酸化剤
が好ましく、このような酸化剤としては過硫酸塩、また
はスルホン酸塩の溶液が好適である。
【0021】
【化1】 XはOまたはS XがOのとき、Aはアルキレン、又はポリオキシアルキ
レン Xの少なくとも一方がSのとき、Aはアルキレン、ポリ
オキシアルキレン、置換アルキレン、置換ポリオキシア
ルキレン:ここで、置換基はアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基
【0022】前記チオフェンの誘導体が3,4−エチレ
ンジオキシチオフェンであることを特徴とする。
【0023】3,4−エチレンジオキシチオフェンは、
酸化剤と接触することで、緩やかな重合反応によってポ
リ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を生成す
るため、3,4−エチレンジオキシチオフェンのモノマ
ー溶液を微細な構造を有するコンデンサ素子の内部にま
で浸透した状態で重合させることができる。この結果、
コンデンサ素子の内部にまで導電性高分子層を形成する
ことができるようになり、固体電解コンデンサの静電容
量の増大を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施に形態につい
て図1、図2とともに説明する。
【0025】コンデンサ素子1はタンタル微粉末を直方
体形状に成型し、焼結して形成されたものである。この
コンデンサ素子1にはタンタルよりなる陽極導出線8が
植設され、外部に導出されている。このコンデンサ素子
1のタンタルの表面には、公知の方法により誘電体酸化
皮膜が形成される。
【0026】このようなコンデンサ素子1を形成するに
は、タンタルの他、アルミニウム、ニオブ、チタン等の
弁作用金属の粉末を用いることができる。
【0027】このコンデンサ素子1に導電性高分子層2
を形成するために、図2(a)に示すように、まずコン
デンサ素子1を重合性モノマー溶液11に浸漬する。重
合性モノマー溶液11は3,4−エチレンジオキシチオ
フェンをイソプロピルアルコールを所定の割合で希釈し
たものである。希釈することによって重合性モノマー溶
液11の粘性が低くなり、コンデンサ素子1の内部にま
で重合性モノマーが浸透しやすくなる。この重合性モノ
マー溶液11にはコンデンサ素子1を所定時間浸漬す
る。この際、コンデンサ素子1の浸漬深さは、図2
(a)に示すように、コンデンサ素子1の陽極導出線8
の導出端面と重合性モノマー溶液11の液面が同レベル
となる深さまで浸漬する。
【0028】コンデンサ素子1を重合性モノマー溶液1
1に所定時間浸漬した後、コンデンサ素子1を重合性モ
ノマー溶液より引き上げ(図2(b))、大気中で放置
する。この大気中への放置によって重合性モノマー溶液
のイソプロピルアルコールが揮発し、3,4−エチレン
ジオキシチオフェンがコンデンサ素子1に付着した状態
となる。
【0029】さらに、図2(c)に示すように、コンデ
ンサ素子1を酸化剤溶液12に浸漬する。酸化剤溶液1
2は純水等の所定溶媒に、過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩やスルホン酸塩を溶解した溶液を用いることができ
る。
【0030】この酸化剤溶液12にコンデンサ素子1を
浸漬する際のコンデンサ素子1の浸漬深さは、コンデン
サ素子1の陽極導出線8が植設された端面と液面がほぼ
同レベルとなる深さに浸漬する。この酸化剤溶液12へ
の浸漬によって、重合性モノマーの重合が進行し、高分
子化する。この結果、コンデンサ素子1の表面に導電性
高分子層2が形成される。
【0031】酸化剤水溶液12中で所定時間放置し、重
合を行った後、コンデンサ素子1を引き上げ(図2
(d))、さらに純水による流水で洗浄する。その後コ
ンデンサ素子を乾燥し、1回の重合を終える。
【0032】以上のような、重合性モノマー溶液への浸
漬から乾燥までの工程(図2(a)〜(d))を3回繰
り返し、所望の厚さの導電性高分子層を得る。
【0033】さらに、図2(e)に示すように、コンデ
ンサ素子1を重合性モノマー溶液11への浸漬、放置、
引き上げまでの工程を行い、その後、図2(f)に示す
ように、酸化剤溶液12への浸漬を行う。この際の酸化
剤溶液12への浸漬深さは、コンデンサ素子1の下部端
面のみを浸漬するようにする。
【0034】このようにコンデンサ素子1の下部端面の
みを酸化剤溶液12に浸漬することによって、酸化剤溶
液12と接触している部分のみで重合が進行する。この
ため、コンデンサ素子1の下部端面のみに導電性高分子
層2が形成され、コンデンサ素子1の下部端面の辺や頂
点にも十分な厚さの導電性高分子層2が形成されるよう
になる。
【0035】さらに、純水洗浄、乾燥まで行った後、導
電性高分子層2の上にカーボン層3、銀ペースト層4を
形成する。さらに、陽極導出線8に陽極リード線5を溶
接するとともに、銀ペースト層4上に、陰極リード線6
を取り付ける。そして、外装樹脂7で樹脂被覆して、外
装樹脂7に沿って陽極リード線5、陰極リード線6を折
り曲げて、固体電解コンデンサを得る。
【0036】
【実施例】次により具体的な実施例を従来技術と対比し
ながら説明する。
【0037】(実施例)3.4×3.9×1.7mm3
のコンデンサ素子を用意し、公知の方法で陽極酸化皮膜
を形成した。その後、先の実施の形態に示した重合性モ
ノマー溶液と酸化剤水溶液に交互に浸漬し、導電性高分
子層を形成した。この導電性高分子層の形成は重合を3
回繰り返すことによって行った。
【0038】その後、コンデンサ素子の下部端面のみを
重合性モノマー溶液と酸化剤水溶液に交互に浸漬し、コ
ンデンサ素子の下部端面のみに導電性高分子層を形成し
た。
【0039】この際、導電性高分子層の形成前と形成後
の重量を測定したところ、導電性高分子層は平均で8.
12mg形成されていた。
【0040】この導電性高分子層が形成されたコンデン
サ素子にカーボン層と銀ペースト層を形成するととも
に、陽極リード線、陰極リード線を接続し、さらに樹脂
外装を施して、固体電解コンデンサを得た。
【0041】この固体電解コンデンサのショート率を調
べたところ、100個中ショート不良が発生したものは
なかった。
【0042】(従来例)実施例と同様のコンデンサ素子
を用い、先の実施の形態に示した重合性モノマー溶液と
酸化剤溶液に交互に浸漬し、導電性高分子層を形成し
た。この導電性高分子層の形成は重合を3回繰り返すこ
とによって行った。
【0043】この際、導電性高分子層の形成前と形成後
の重量を測定したところ、導電性高分子層は平均で6.
70mg形成されていた。
【0044】この導電性高分子層が形成されたコンデン
サ素子にカーボン層と銀ペースト層を形成するととも
に、陽極リード線、陰極リード線を接続し、さらに樹脂
外装を施して、固体電解コンデンサを得た。
【0045】この固体電解コンデンサのショート率を調
べたところ、100個中ショート不良が発生したものは
8個であった。
【0046】上記の実施例と従来例と実施例の導電性高
分子層が形成されたコンデンサ素子の外観を観察したと
ころ、実施例と従来例のコンデンサ素子の平坦部では導
電性高分子層の厚さはほぼ同じであった。実施例では導
電性高分子層の形成量が大きいものの、コンデンサ素子
の下部端面に導電性高分子層が多く形成されているため
である。コンデンサ素子の側面の膨れ等がないため、実
施例のコンデンサ素子も従来例と同様に取り扱うことが
でき、特に不都合は発生しなかった。
【0047】さらに完成した固体電解コンデンサを比較
すると、実施例ではショート不良が発生していないのに
対し、従来例ではショート不良が発生しており、本発明
の効果が確認できる。
【0048】
【発明の効果】この発明のよれば、陽極導出線を植設し
表面に誘電体酸化皮膜を形成した弁作用金属からなるコ
ンデンサ素子を、重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に交
互に浸漬することによって誘電体酸化皮膜上に導電性高
分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製
造方法において、コンデンサ素子を重合性モノマー溶液
に浸漬し、さらに酸化剤溶液に浸漬する工程を所定回数
行った後、コンデンサ素子の陽極導出線が導出された端
面の反対端部からコンデンサ素子を酸化剤溶液に所定深
さまで浸漬し、さらに重合性モノマー溶液に浸漬して、
導電性高分子層を形成したことにより、簡易な方法によ
って導電性高分子層をほぼ均一の厚さとすることで、シ
ョートの発生を低減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体電解コンデンサの内部構造示す断面図であ
る。
【図2】この発明の固体電解コンデンサの製造方法を示
す工程図である。
【図3】従来の固体電解コンデンサの製造方法を示す工
程図である。
【図4】従来例でのコンデンサ素子への導電性高分子層
の形成状態を説明する図面である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 導電性高分子層 3 カーボン層 4 銀ペースト層 5 陽極リード線 6 陰極リード線 7 外装樹脂 8 陽極導出線 11 重合性モノマー溶液 12 酸化剤溶液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極導出線を植設し表面に誘電体酸化皮
    膜を形成した弁作用金属からなるコンデンサ素子を、重
    合性モノマー溶液と酸化剤溶液に交互に浸漬することに
    よって誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する工
    程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、 コンデンサ素子を重合性モノマー溶液に浸漬し、さらに
    酸化剤溶液に浸漬する工程を所定回数行った後、コンデ
    ンサ素子を重合性モノマー溶液に浸漬し、さらにコンデ
    ンサ素子の陽極導出線が導出された端面の反対端部から
    コンデンサ素子を酸化剤溶液に所定深さまで浸漬し、導
    電性高分子層を形成したことを特徴とする固体電解コン
    デンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記重合性モノマーがチオフェン又はそ
    の誘導体からなるモノマーであることを特徴とする請求
    項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チオフェンの誘導体が3,4−エチ
    レンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項
    2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1683168A1 (en) * 2003-11-13 2006-07-26 Showa Denko K.K. Solid electrolyte capacitor
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