JP2001155964A - 導電性組成物前駆体、導電性組成物および固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

導電性組成物前駆体、導電性組成物および固体電解コンデンサの製造方法

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JP2001155964A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極酸化皮膜欠陥部の自己修復機能の優れた
導電性高分子組成物およびその前駆体を容易に得ること
ならびに前記導電性高分子組成物を陰極導電層として用
いて耐電圧の高い固体電解コンデンサを容易に得ること
を目的とする。 【解決手段】 可溶性導電性高分子もしくは導電性高分
子微粒子とリン酸、リン酸エステル、フェノールまたは
電子吸引性置換基を有するフェノール誘導体、ニトロベ
ンゼン誘導体から選ばれる一種と分散媒体からなる液体
導電性高分子組成物前駆体を作製し、さらにこれから液
体媒体を除去すれば、誘電体皮膜修復能力の高い導電性
高分子組成物を得ることができる。またこの導電性高分
子組成物を、誘電体皮膜を有する弁金属からなる電極上
に形成することにより、耐電圧の高い固体電解コンデン
サが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性組成物前駆
体ならびに導電性組成物の製造方法に関し、特に誘電体
皮膜修復能力の高い導電性組成物の製造方法に関するも
のである。
【0002】本発明はまた、上述の導電性組成物前駆体
を介して形成される導電性組成物を陰極導電層に用いる
耐電圧の優れたコンデンサの製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】一般的に、ポリアニリン、ポリピロール
やポリチオフェンに代表される共役二重結合導電性高分
子は、化学的酸化重合及び電解重合で作製することがで
きる。
【0004】電解重合を利用した場合には、導電性高分
子が電極上にフィルム状に形成されるため大量に製造す
ることに困難が伴うのに対し、化学的酸化重合を利用し
た場合には、そのような制約がなく、重合性モノマーと
酸化剤とを反応させて大量の導電性高分子を比較的容易
に得ることができる。
【0005】係る導電性高分子を固体電解コンデンサの
陰極導電層として応用する場合には、高い環境安定性を
付与するとともに、高い誘電体皮膜修復能力を付与する
ことが重要なポイントである。
【0006】ドーパントアニオンの選択または重合性モ
ノマーに適当な置換基を導入することにより、環境安定
性の向上をはかる試みがなされている。
【0007】特に、β、β’位(3、4位)にエチレン
ジオキシ基を導入したチオフェンをモノマーとして用い
ることにより、高い環境安定性を有する導電性組成物を
得ようとする研究が盛んに行われている。
【0008】共役二重結合を有する導電性高分子の誘電
体皮膜修復作用は、誘電体皮膜欠陥部を流れる電流のジ
ュール熱により導電性高分子が絶縁化されるためと一般
に解されている。
【0009】従来、導電性高分子を陰極導電層に用いて
高い耐電圧の固体電解コンデンサを得ようとする際に
は、陽極酸化によって形成される誘電体皮膜厚を厚くす
る、すなわち陽極酸化電圧を高くする方法がしばしば取
られている。
【0010】また、誘電体皮膜能力の高いアニオンをド
ーパントとして用いてその場で導電性高分子からなる陰
極導電層を形成する試みもなされている。
【0011】さらにまた、ある種のフェノール誘導体共
存下でその場重合で導電性高分子からなる陰極導電層を
形成することにより、高い誘電体皮膜能力を付与し、も
って耐電圧の高いコンデンサを得ようとする試みもなさ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘電体
皮膜形成のための陽極酸化電圧を高くして、使用電圧と
のマージンを十分高く取り耐電圧を確保する方法では、
印加電圧に比例して膜厚が厚くなるため、得られるコン
デンサの容量の低下が起こるという望ましくない課題を
抱えていた。
【0013】皮膜修復の過程の詳細な観察から、皮膜修
復能力にはドーパント依存性があり、しかも高い湿度の
場合ほど修復が起こり易いことが判明した。
【0014】このことは、水分とドーパントアニオンの
作用で電気化学的な誘電体皮膜修復機構が働くことを示
している。
【0015】また、ある種の化合物を共存させることに
より、火花開始電圧が上昇し、耐電圧を向上させられる
ことが電解液型電解コンデンサで観察されている。
【0016】さらにまた実際に、ドーパント種でポリピ
ロール(PPy)の性質を変化させることは可能である
が、十分高い環境安定性、特に空気中における高い耐熱
性と高い誘電体皮膜修復能力を同時に付与することは、
単一のドーパントでは困難であるという課題があった。
【0017】そのため、しばしば複数のドーパントを取
り込ませようとする試みがなされたが、ドーパント種に
よるドープ活性が必ずしも同一でなく、それらのドープ
比率のコントロールが困難で、高い耐熱性と高い皮膜修
復能力を兼ね備えた導電性高分子を得ることは困難であ
った。
【0018】また、皮膜修復能力を向上させるための添
加剤の検討もなされているが、重合溶液に添加してその
場重合させる方法では、重合残渣洗浄時に大半が除去さ
れてしまい、十分高い効果が得られないという課題があ
った。
【0019】導電性高分子を陰極導電層として用いた固
体電解コンデンサにおいても、有機または無機酸塩を有
機溶媒に溶解した電解液を陰極導電層に用いた電解コン
デンサで得られるものに匹敵する耐電圧を有するコンデ
ンサを実現したいという強い要求がある。
【0020】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
もので、高い皮膜修復能力を有する導電性組成物前駆体
および導電性組成物の製造方法を提供することを目的と
したものである。
【0021】さらに、本発明は、上記導電性高分子の特
長を生かして高耐圧でかつ耐熱性、耐湿性の優れた固体
電解コンデンサおよびそれを容易に得るための製造方法
を提供することをも目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に係る導電性組成物及びその導電性組成物を用いたコン
デンサの課題を解決するものであり、導電性高分子微粒
子がコロイド状に分散された導電性高分子分散液、また
は可溶性導電性高分子が溶解された導電性高分子溶液
に、高い誘電体皮膜修復能力を有する添加剤を分散また
は溶解させた、導電性組成物前駆体ならびにそれから媒
体を除去して得られる導電性組成物の製造方法を提供す
るものである。
【0023】ここで、取り扱っている導電性高分子は微
粒子で媒体中に分散しているかあるいは導電性高分子が
真性溶液を形成しているかは、議論が分かれるところで
ある。
【0024】ここでは、両方の状態を含めて便宜的に導
電性高分子溶液と称することにする。
【0025】添加剤の分散状態についても同様であり、
コロイド状に分散している場合も含めて便宜的に溶液と
して扱う。
【0026】本発明はまた、上述の導電性高分子組成物
を陰極導電層に用いた、耐電圧の高い固体電解コンデン
サおよびその製造方法を提供するものである。
【0027】導電性高分子溶液または導電性高分子微粒
子分散液の製造方法が種々開示されており、それらを用
いて容易に製造することができる。
【0028】例えば、ポリピロール類については、特開
平6−206986号公報およびE.E.Having
a他著ケミストリーオブマテリアル誌(アメリカンケミ
カルソサイアティ1989年発行)1巻6号650頁に
記載されている方法で作製することができる。
【0029】例えばポリチオフェン類については、S.
Hotta他著シンシテックメタルズ誌(エルゼビア発
行)26巻267頁およびF.Jonas他著シンシテ
ックメタルズ誌(エルゼビア発行)85巻1397頁に
開示されている。
【0030】また例えばポリアニリン溶液の作製法につ
いては、米国特許5232631号公報およびS.Sh
imizu他著シンシテックメタルズ誌(エルゼビア発
行)85巻1337頁に記載されている。
【0031】また、ポリアニリン溶液は三菱レイヨン社
より、アクアセーブという商品名で市販されている。
【0032】本発明の第一の手段は、可溶性導電性高分
子溶液を作成後、リン酸またはリン酸エステルを添加す
る導電性高分子前駆体の製造方法を提供するものであ
る。
【0033】この前駆体から媒体を除去することによ
り、導電性高分子組成物を製造することができる。
【0034】リン酸またはリン酸エステル類は、アルミ
ニウム電解コンデンサおとびタンタル電解コンデンサの
誘電体皮膜形成にしばしば使用されることからも明らか
なように、バリアー型の酸化皮膜を形成することが知ら
れている。
【0035】リン酸として、正リン酸のほか、少なくて
も活性水素が1個残された塩もまた使用することができ
る。
【0036】リン酸エステルとしては、活性水素が少な
くても1個残され、さらに導電性高分子溶液に均一分散
できるものであればどのようなものでも使用できるが、
炭素数3から8程度のアルキルリン酸エステルが好適に
使用される。
【0037】酸化皮膜形成作用は、空気中から供給され
る微量の吸着水分存在下でも十分に起こるため、本発明
による導電性高分子組成物を陰極導電層として用いれ
ば、高い誘電体皮膜修復能力により耐電圧の向上したコ
ンデンサが得られる。
【0038】本発明の第二の手段は、可溶性導電性高分
子溶液を作成後、フェノールまたはフェノール誘導体、
あるいはニトロ基を有するベンゼン誘導体を添加してな
る弁金属の酸化皮膜からなる誘電体皮膜の修復能力を向
上させた導電性高分子前駆体を提供するものである。
【0039】この場合も同様、前駆体から媒体を除去す
ることにより、導電性高分子組成物を製造することがで
きる。
【0040】p―ニトロフェノールまたはp―ニトロ安
息香酸を電解液に添加することにより、火花放電開始電
圧が上昇し耐圧が向上することが知られている。
【0041】p―ニトロフェノールおよびp―ニトロ安
息香酸が添加された導電性高分子溶液から得られた導電
性高分子皮膜が陰極導電層に用いられたコンデンサにお
いても、無添加の場合と比較して高い耐電圧を有する固
体電解コンデンサが得られることを見出した。
【0042】フェノール誘導体としては、p―ニトロフ
ェノールの他、電子吸引性置換基を有するフェノール誘
導体が好適に使用される。
【0043】ニトロ基を有するベンゼン誘導体として
は、ニトロベンゼンのほかp―ニトロ安息香酸、ニトロ
ベンジルアルコールが好適に使用される。
【0044】これらの添加剤を添加するベースとなる導
電性高分子溶液として、ポリピロールもしくはその誘導
体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアニリン
もしくはその誘導体が好適である。
【0045】さらに、上記導電性高分子はドーパントを
含み導電状態で存在するものを使用するほか、未ドープ
状態のものを使用し、後ドープにより導電性を発現させ
ることもできる。
【0046】本発明の第三の手段は、上記添加剤が添加
された可溶性導電性高分子溶液を誘電体皮膜を有するコ
ンデンサ電極表面に適当な方法で塗布後溶媒を除去して
陰極導電層を形成するようにしたものである。
【0047】添加剤として加えられたリン酸またはリン
酸エステル、フェノール誘導体、ニトロ化合物の作用に
より、耐電圧の高い固体電解コンデンサが得られる。
【0048】なお、陰極導電層として上述の可溶性導電
性高分子溶液から得られる導電性高分子を単独で用いる
他、さらにその場重合で他の導電性高分子層を積層形成
して用いることもできる。
【0049】その場重合する方法としては、電解重合ま
たは化学重合が上げられ、使用する導電性高分子とし
て、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体
が好適に使用される。
【0050】なお、以上の添加剤の他、弁金属皮膜修復
機能を有する物質を添加した導電性高分子組成物を電解
コンデンサの陰極導電層として用いても同様の耐電圧向
上効果がもたらされる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
可溶性導電性高分子が溶解された溶液組成物、または導
電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成
物を得た後、製造する工程と、リン酸またはリン酸エス
テルからなる化合物を添加する導電性組成物前駆体の製
造方法である。
【0052】ここで、請求項2記載のように、活性水素
を少なくても1個有するリン酸およびリン酸エステルを
添加剤としてとして用いることができる。
【0053】本発明の請求項3記載の発明は、可溶性導
電性高分子が溶解された溶液組成物、または導電性高分
子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物を得た
後、フェノールまたはフェノール誘導体を添加する導電
性組成物前駆体の製造方法。
【0054】ここで、請求項4記載のように、フェノー
ル誘導体として電子吸引性置換基を少なくても1個有す
るフェノール誘導体を添加剤として用いることができ
る。
【0055】さらにここで、請求項5記載のように、電
子吸引性置換基を有するフェノール誘導体として、ニト
ロフェノール、シアノフェノールなどを用いることがで
きる。
【0056】本発明の請求項6記載の発明は、可溶性導
電性高分子が溶解された溶液組成物、または導電性高分
子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物を得た
後、ニトロベンゼン誘導体を添加する導電性組成物前駆
体の製造方法である。
【0057】ここで、請求項7記載のように、ニトロベ
ンゼン誘導体としてニトロ安息香酸、ニトロベンジルア
ルコールなどを用いることができる。
【0058】またここで、請求項8記載のように、可溶
性導電性高分子または導電性高分子微粒子として、ポリ
ピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの
誘導体からなる導電性高分子を用いることができる。
【0059】本発明の請求項9記載の発明は、可溶性導
電性高分子または導電性高分子微粒子とリン酸またはリ
ン酸エステルが分散された分散液組成物前駆体から分散
媒体を除去することにより、導電性高分子とリン酸また
はリン酸エステルからなる導電性高分子組成物の製造方
法である。
【0060】本発明の請求項10記載の発明は、可溶性
導電性高分子または導電性高分子微粒子とフェノールま
たはフェノール誘導体が分散された分散液組成物前駆体
から分散媒体を除去することにより、導電性高分子とフ
ェノールまたはフェノール誘導体からなる導電性高分子
組成物の製造方法である。
【0061】本発明の請求項11記載の発明は、可溶性
導電性高分子または導電性高分子微粒子とニトロベンゼ
ン誘導体が分散された分散液組成物前駆体から分散媒体
を除去することにより、導電性高分子とニトロベンゼン
誘導体からなる導電性高分子組成物の製造方法である。
【0062】本発明の請求項12記載の発明は、陽極酸
化皮膜を形成した弁金属電極を用意する工程と、可溶性
導電性高分子または導電性高分子微粒子とリン酸または
リン酸エステルと媒体を含む分散液導電性高分子前駆体
を用意する工程と、前記弁金属電極上に前記導電性高分
子前駆体を塗布する工程と、前記導電性高分子前駆体か
ら分散媒体を除去する工程を備えた固体電解コンデンサ
の製造方法である。
【0063】ここで、請求項13記載のように、リン酸
およびリン酸エステルとして活性水素を少なくても1個
有するリン酸およびリン酸エステルを用いることができ
る。
【0064】本発明の請求項14記載の発明は、陽極酸
化皮膜を形成した弁金属電極を用意する工程と、可溶性
導電性高分子または導電性高分子微粒子とフェノールま
たはフェノール誘導体と媒体を含む分散液導電性高分子
前駆体を用意する工程と、前記弁金属電極上に前記導電
性高分子前駆体を塗布する工程と、前記導電性高分子前
駆体から媒体を除去する工程を備えた固体電解コンデン
サの製造方法である。
【0065】ここで、請求項15記載のように、フェノ
ール誘導体として電子吸引性置換基を少なくても1個有
するフェノール誘導体を用いることができる。
【0066】またここで、請求項16記載のように、電
子吸引性置換基を有するフェノール誘導体としてニトロ
フェノール、シアノフェノールを用いることができる。
【0067】本発明の請求項17記載の発明は、陽極酸
化皮膜を形成した弁金属電極を用意する工程と、可溶性
導電性高分子または導電性高分子微粒子とニトロベンゼ
ン誘導体と媒体を含む分散液導電性高分子前駆体を用意
する工程と、前記弁金属電極上に前記導電性高分子前駆
体を塗布する工程と、前記導電性高分子前駆体から媒体
を除去する工程を備えた固体電解コンデンサの製造方法
である。
【0068】ここで、請求項18記載のように、ニトロ
ベンゼン誘導体がとしてニトロ安息香酸、ニトロベンジ
ルアルコールなどを用いることができる。またここで,
弁金属として、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタ
ン、ジルコニウムから選ばれる一種を用いることができ
る。
【0069】(実施の形態1)最初に、本発明第1の実
施の形態について図1を参照しながら説明する。
【0070】まず、ケミストリーオブマテリアル誌(ア
メリカンケミカルソサイアティ1989年発行)1巻6
号650頁に開示されている方法で、ポリピロール水溶
液を作製した。
【0071】このポリピロール水溶液に正リン酸を0.
01%添加して、ポリピロールと正リン酸と分散媒体を
含む導電性高分子前駆体を作製した。
【0072】この前駆体は、正リン酸無添加ものと同様
のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾燥除去
させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性高分子
組成物皮膜が得られた。
【0073】次に、図1に示すような、純度99.99
%、寸法10×30×0.5mmの短冊状アルミニウム
片1を用意した。
【0074】このアルミニウム片1を水酸化ナトリウム
溶液で電解研磨を行った後、アジピン酸アンモニウム3
%水溶液に約20mmの深さまで浸し、70℃で35V
を印加して30分間陽極酸化皮膜2を形成した。
【0075】さらに、陽極酸化皮膜を形成されたアルミ
ニウム片の片面に、直径7mmの円形状にポリピロール
と正リン酸と分散媒体を含む導電性高分子前駆体を塗布
後、室温で風乾後さらに105℃で10分間加熱して、
ポリピロールと正リン酸からなる導電性高分子組成物層
3を形成した。
【0076】さらに導電性高分子層上にコロイダルグラ
ファイト4と銀ペイント5を順次塗布した。
【0077】これをコンデンサに見立て、陽極酸化皮膜
未形成部に陽極リードを、また銀ペイント層に陰極リー
ドを取り付けて120Hzで容量を測定した。
【0078】さらに、両電極間に0.5V刻みで順方向
の電圧を印加して絶縁破壊が起こる電圧を測定した。そ
れらの結果を(表1)に示す。
【0079】
【表1】
【0080】(比較例1)比較のため、比較例1とし
て、正リン酸を添加しない以外実施の形態1と同様にし
てコンデンサを作製した。
【0081】このコンデンサの容量および絶縁破壊電圧
を、実施の形態1と同様に評価してその結果を(表1)
に示した。
【0082】(表1)の比較から、両者容量はほとんど
変わらないが、実施の形態1によるコンデンサの方が高
い耐電圧を有することが明らかであり、本発明の優れた
効果が実証された。
【0083】(実施の形態2)ついで、本発明第2の実
施の形態について説明する。
【0084】本実施の形態では、正リン酸に替えて
(A)n―プロピルリン酸、(B)イソプロピルリン
酸、(C)n―ブチルリン酸、(D)n―ヘキシルリン
酸をそれぞれ添加した以外実施の形態1と同様にしてそ
れぞれ導電性高分子組成物前駆体を作製した。
【0085】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0086】これらの前駆体を用いて実施の形態1と同
様の方法でコンデンサを作製し、やはり実施の形態1と
同様の評価を行った。
【0087】その結果を(表1)に示すが、これから本
実施の形態によるコンデンサはいずれも比較例1と比較
して高い耐電圧を有することが明らかであり、本発明の
優れた効果が実証された。
【0088】(実施の形態3)ついで、本発明第3の実
施の形態について説明する。
【0089】本実施の形態では、実施の形態1の正リン
酸に替えて、(A)p―ニトロフェノール、(B)m―
ニトロフェノール、(C)p―シアノフェノールを添加
した以外実施の形態1と同様にしてコ実施の形態1と同
様にしてそれぞれ導電性高分子組成物前駆体を作製し
た。
【0090】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0091】これらの前駆体を用いて実施の形態1と同
様の方法でコンデンサを作製し、やはり実施の形態1と
同様の評価を行い、その結果を(表1)に示した。
【0092】(表1)の比較から、本実施の形態による
コンデンサはいずれも比較例1と比較して高い耐電圧を
有することが明らかであり、本発明の優れた効果が実証
された。
【0093】(実施の形態4)ついで、本発明第4の実
施の形態について説明する。
【0094】本実施の形態では、実施の形態1の正リン
酸に替えて、(A)p―ニトロ安息香酸、(B)m―ニ
トロ安息香酸、(C)p―ニトロベンジルアルコールを
添加した以外実施の形態1と同様にして導電性高分子組
成物前駆体を作製した。
【0095】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0096】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0097】その後やはり実施の形態1と同様にして容
量と耐電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示
した。
【0098】(表1)から、本実施の形態によるコンデ
ンサはいずれも比較例1と比較して高い耐電圧を有する
ことが明らかであり、本発明の優れた効果が実証され
た。
【0099】(実施の形態5)ついで、本発明第5の実
施の形態について説明する。
【0100】本実施の形態ではまず、約0.4重量%の
コロイド状ポリエチレンジオキシチオフェン微粒子が含
まれる水分散液を用意した。これは、F.Jonas他
著シンシテックメタルズ誌(エルゼビア発行)85巻1
397頁に開示されている方法に準じて作製した。
【0101】本実施の形態では、実施の形態1のポリピ
ロール水溶液に替えて上述のコロイド状ポリエチレンジ
オキシチオフェン微粒子分散液を用いた以外、実施の形
態1と同様にして導電性高分子組成物前駆体を作製し
た。
【0102】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0103】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0104】その後やはり実施の形態1と同様にして容
量と耐電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示
した。
【0105】(比較例2)比較のため、比較例2とし
て、正リン酸を添加しない以外実施の形態5と同様にし
てコンデンサを作製した。
【0106】このコンデンサの容量および絶縁破壊電圧
を、実施の形態1と同様に評価してその結果を(表1)
に示した。
【0107】(表1)から、両者容量はほとんど変わら
ないが、実施の形態5によるコンデンサの方が高い耐電
圧を有することが明らかであり、本発明の優れた効果が
実証された。
【0108】(実施の形態6)ついで、本発明第6の実
施の形態について説明する。
【0109】本実施の形態では、正リン酸に替えて
(A)n―プロピルリン酸、(B)イソプロピルリン
酸、(C)n―ブチルリン酸、(D)n―ヘキシルリン
酸をそれぞれ添加した以外実施の形態5と同様にして導
電性高分子前駆体を作製した。
【0110】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0111】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0112】その後やはり実施の形態1と同様にしてそ
れぞれコンデンサを作製し、実施の形態1と同様の評価
を行った。
【0113】その結果を(表1)に示すが、これから本
実施の形態によるコンデンサはいずれも比較例2と比較
して高い耐電圧を有することが明らかであり、本発明の
優れた効果が実証された。
【0114】(実施の形態7)ついで、本発明第7の実
施の形態について説明する。
【0115】本実施の形態では、実施の形態5の正リン
酸に替えて、(A)p―ニトロフェノール、(B)m―
ニトロフェノール、(C)p―シアノフェノールを添加
した以外実施の形態1と同様にして導電性組成物前駆体
を作製した。
【0116】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0117】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0118】その後実施の形態1と同様にして容量と耐
電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示した。
【0119】(表1)の、本実施の形態によるコンデン
サはいずれも比較例2と比較して高い耐電圧を有するこ
とが明らかであり、本発明の優れた効果が実証された。
【0120】(実施の形態8)ついで、本発明第8の実
施の形態について説明する。
【0121】本実施の形態では、実施の形態5の正リン
酸に替えて、(A)p―ニトロ安息香酸、(B)m―ニ
トロ安息香酸、(C)p―ニトロベンジルアルコールを
添加した以外実施の形態5と同様にして導電性組成物前
駆体を作製した。
【0122】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0123】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0124】その後実施の形態1と同様にして容量と耐
電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示した。
【0125】(表1)から、本実施の形態によるコンデ
ンサはいずれも比較例2と比較して高い耐電圧を有する
ことが明らかであり、本発明の優れた効果が実証され
た。
【0126】(実施の形態9)ついで、本発明第9の実
施の形態について説明する。
【0127】本実施の形態では、まず米国特許5232
631号公報に開示されている方法に準じてポリアニリ
ンのメタクレゾール溶液を用意した。
【0128】ポリピロール水溶液に替えてポリアニリン
のメタクレゾール溶液を用いた以外、実施の形態1と同
様にして導電性高分子前駆体を作製した。
【0129】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0130】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0131】その後やはり実施の形態1と同様にして容
量と耐電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示
した。
【0132】(比較例3)比較のため、比較例2とし
て、正リン酸を添加しない以外実施の形態9と同様にし
てコンデンサを作製した。
【0133】このコンデンサの容量および絶縁破壊電圧
を、実施の形態1と同様に評価してその結果を(表1)
に示した。
【0134】(表1)から、両者容量はほとんど変わら
ないが、実施の形態9によるコンデンサの方が高い耐電
圧を有することが明らかであり、本発明の優れた効果が
実証された。
【0135】(実施の形態10)ついで、本発明第10
の実施の形態について説明する。
【0136】本実施の形態では、正リン酸に替えて
(A)n―プロピルリン酸、(B)イソプロピルリン
酸、(C)n―ブチルリン酸、(D)n―ヘキシルリン
酸をそれぞれ添加した以外実施の形態9と同様にして導
電性高分子前駆体を作製した。
【0137】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0138】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様ににしてコンデンサをそれぞれ作製し、実施の形態
1と同様の評価を行った。
【0139】その結果を(表1)に示すが、これから本
実施の形態によるコンデンサはいずれも比較例3と比較
して高い耐電圧を有することが明らかであり、本発明の
優れた効果が実証された。
【0140】(実施の形態11)ついで、本発明第11
の実施の形態について説明する。
【0141】本実施の形態では、実施の形態9の正リン
酸に替えて、(A)p―ニトロフェノール、(B)m―
ニトロフェノール、(C)p―シアノフェノールを添加
した以外実施の形態1と同様にして導電性高分子前駆体
を作製した。
【0142】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0143】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0144】その後実施の形態1と同様にして容量と耐
電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示した。
【0145】(表1)から、本実施の形態によるコンデ
ンサはいずれも比較例3と比較して高い耐電圧を有する
ことが明らかであり、本発明の優れた効果が実証され
た。
【0146】(実施の形態12)ついで、本発明第12
の実施の形態について説明する。
【0147】本実施の形態では、実施の形態9の正リン
酸に替えて、(A)p―ニトロ安息香酸、(B)m―ニ
トロ安息香酸、(C)p―ニトロベンジルアルコールを
添加した以外実施の形態9と同様にして導電性高分子前
駆体を作製した。
【0148】これらの前駆体は、添加剤を加えないもの
と同様のスムースな液状を示し、基板に塗布後媒体を乾
燥除去させたところ、やはり無添加ものと同様の導電性
高分子皮膜が得られた。
【0149】これらの前駆体を用いて、実施の形態1と
同様にしてコンデンサをそれぞれ作製した。
【0150】その後実施の形態1と同様にして容量と耐
電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示した。
【0151】(表1)から、本実施の形態によるコンデ
ンサはいずれも比較例3と比較して高い耐電圧を有する
ことが明らかであり、本発明の優れた効果が実証され
た。
【0152】(実施の形態13)ついで、本発明第13
の実施の形態について説明する。
【0153】本実施の形態では、実施の形態1のアルミ
ニウム片に替えて純度99.99%で同寸法のタンタル
片を準備した。
【0154】さらに、90℃の0.5%リン酸水溶液を
用いて35Vを1時間印加して陽極酸化皮膜を形成した
以外、実施の形態1と同等にしてコンデンサを作製し
た。
【0155】その後実施の形態1と同様にして容量と耐
電圧の評価を行い、それらの結果を(表1)に示した。
【0156】(比較例4)比較のため、比較例4とし
て、正リン酸を添加しない以外実施の形態13と同様に
してコンデンサを作製した。
【0157】このコンデンサの容量および絶縁破壊電圧
を、実施の形態1と同様に評価してその結果を(表1)
に示した。
【0158】(表1)の比較から、両者容量はほとんど
変わらないが、実施の形態13によるコンデンサの方が
高い耐電圧を有することが明らかであり、本発明の優れ
た効果が実証された。
【0159】(実施の形態14)ついで、本発明第14
の実施の形態について図2とともに説明する。
【0160】厚さ0.1mmの高倍率エッチドアルミニ
ウム箔に実施の形態1と同様の条件で陽極酸化皮膜を形
成し、2.3×155の寸法に切断後アルミニウムタブ
を介して陽極リード12を取り付けたコンデンサ陽極箔
11を用意した。
【0161】また、0.05mmの高倍率エッチドアル
ミニウムを2.3×180mmの寸法に切断し、陰極リ
ード14を取り付けた陰極箔13を用意した。
【0162】図2のように、両箔を2.5×220mm
のマニラ麻製セパレータ15を介して捲回して、捲回型
アルミニウム電解コンデンサ素子を作製した後、終末部
を粘着テープ16で止め、実施の形態1と同様の条件で
再度陽極酸化皮膜形成処理を行った。このコンデンサ素
子の液中容量は、125μFであった。
【0163】このコンデンサ素子を実施の形態1で作製
した導電性高分子前駆体をに浸漬後乾燥して、導電性高
分子組成物層を形成した。
【0164】その後、ナフタレンスルホン酸第二鉄を4
0重量%含むメタノール溶液10gとピロールモノマー
1.6gを−30℃で混合後同温度に保持された上記コ
ンデンサ素子を浸漬してポリピロール層を積層形成し
た。
【0165】重合残渣を洗浄・乾燥後、実施の形態1と
同様に評価を行い、結果を(表1)に示した。
【0166】(比較例5)比較例5として、正リン酸を
添加しないポリピロール溶液を用いて導電性組成物層を
形成した以外、実施の形態14と同様にしてコンデンサ
を作製した。
【0167】このコンデンサについて実施の形態1と同
様の評価を行い、その結果を(表1)に示した。(表
1)から、本実施の形態によるコンデンサの方が耐電圧
の高いことが明らかであり、本発明の優れた効果が実証
された。
【0168】なお、以上に示した各実施の形態では、平
滑な表面を有するアルミニウム、タンタルおよびエッチ
ドアルミニウム箔を用いた場合についてのみ述べたが、
多孔質タンタル焼結体を用いた場合にも適用できること
が明らかであり、本発明は電極形状に限定されない。
【0169】なお、以上に示した各実施の形態では、弁
金属としてアルミニウムおよびタンタルを用いた場合に
ついてのみ述べたが、その他の弁金属を電極として用い
たコンデンサにも本発明が及ぶことは明らかであり、ま
た、趣旨から弁金属同士の金属管化合物を電極に用いた
場合にも本発明が適用できることは明らかである。
【0170】なお、捲回型アルミニウム電解コンデンサ
にかかる実施の形態では、ポリピロールから導電性組成
物とその場化学重合で得られるポリピロールを積層形成
して陰極導電層とする場合についてのみ述べたが、その
他の導電性高分子層を積層形成することもでき、また化
学重合に替えて例えば電解重合により導電性高分子を積
層形成してもよく、本発明は組み合わせる導電性高分子
種類および重合方法に限定されない。
【0171】なお、捲回型アルミニウム電解コンデンサ
かかる実施の形態では、ポリピロールと添加剤を主体と
する導電性組成物前駆体を用いて導電性組成物を形成す
る方法についてのみ触れたが、他の導電性高分子と添加
剤を含む導電性組成物前駆体を用いることができること
は本発明の趣旨から明らかである。
【0172】なお、以上に示した各実施の形態では導電
性高分子組成物前駆体として、可溶性導電性高分または
導電性高分子微粒子と誘電体皮膜形成能力を向上させる
ための添加剤および分散媒体のみが含まれる場合につい
てのみ述べたが、例えば基体との密着性を向上させるこ
ともしくは分散状態の安定性を向上させることを目的と
した他の添加剤もまた同様に使用することができる。
【0173】なお、以上に示した各実施の形態ではその
場重合で積層形成する導電性高分子組成物には、誘電体
皮膜修復能力を向上させるための添加剤を含まない場合
についてのみ述べたが、その重合媒体の中にも本発明と
同様の添加剤を含ませることもできる。
【0174】なお、以上に示した各実施の形態では導電
性高分子組成物前駆体を一回塗布または浸漬形成する場
合についてのみ述べたが、その場重合で導電性高分子層
を積層形成する替わりに、導電性高分子組成物前駆体を
繰り返して塗布または含浸して導電性高分子組成物を陰
極導電層として形成することもできる。
【0175】なお、以上に示した各実施の形態ではポリ
チオフェン誘導体としてコロイド状ポリエチレンジオキ
シチオフェン微粒子と水からなる導電性高分子組成物前
駆体を使用する場合についてのみ述べたが、その他のポ
リチオフェン誘導体を用いることもでき、さらにまた密
着性または誘電体表面あるいはセパレータとの濡れ性を
変化させるなど、皮膜形成性向上を目的とした他の物質
を添加して用いることもできる。
【0176】なお、他の導電性高分子溶液または導電性
高分子前駆体を用いる場合においても、上述の皮膜形成
性向上を目的とした添加剤を使用できることは、本発明
の趣旨から明らかである。
【0177】
【発明の効果】本発明より、電解コンデンサの誘電体皮
膜修復力の高い導電性高分子組成物前駆体および導電性
高分子組成物を容易に製造できる。
【0178】さらに、本発明で得られた導電性高分子組
成物前駆体をコンデンサ電極表面に塗布または含浸する
ことにより、誘電体皮膜能力の高い導電性組成物からな
る陰極導電層が形成されるため、コンデンサの耐電圧を
向上させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるコンデンサの断
面構造を示す図
【図2】本発明の実施の形態14におけるコンデンサの
斜視図
【符号の説明】
1 アルミニウム片 2 陽極酸化皮膜 3 導電性高分子組成物 4 コロイダルグラファイト層 5 銀ペイント層 11 陽極箔 12 陽極リード 13 陰極箔 14 陰極リード 15 セパレータ 16 粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草柳 弘樹 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 松家 安恵 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CE001 CM011 DH026 ES007 ES008 ET007 EW046 GQ00

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性導電性高分子が溶解された溶液組
    成物または導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された
    分散液状組成物を製造する工程と、リン酸またはリン酸
    エステルからなる化合物を添加する工程を含む導電性組
    成物前駆体の製造方法。
  2. 【請求項2】 リン酸またはリン酸エステルが活性水素
    を少なくても1個有するものである請求項1記載の導電
    性組成物前駆体の製造方法。
  3. 【請求項3】 可溶性導電性高分子が溶解された溶液組
    成物または導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された
    分散液状組成物を製造する工程と、フェノールまたはフ
    ェノール誘導体を添加する工程を含む導電性組成物前駆
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 フェノール誘導体が電子吸引性置換基を
    少なくても1個有する請求項3記載の導電性組成物前駆
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 フェノール誘導体がニトロフェノールま
    たはシアノフェノールである請求項3または4記載の導
    電性組成物前駆体の製造方法。
  6. 【請求項6】 可溶性導電性高分子が溶解された溶液組
    成物または導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された
    分散液状組成物を製造する工程と、ニトロベンゼン誘導
    体を添加する工程を含む導電性組成物前駆体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 ニトロベンゼン誘導体がニトロ安息香酸
    またはニトロベンジルアルコールである請求項6記載の
    導電性組成物前駆体の製造方法。
  8. 【請求項8】 可溶性導電性高分子または導電性高分子
    微粒子が、ポリピロール、ポリチオフェンまたはポリア
    ニリンもしくはそれらの誘導体を含む請求項1ないし7
    のいずれか記載の導電性組成物前駆体の製造方法。
  9. 【請求項9】 可溶性導電性高分子または導電性高分子
    微粒子とリン酸またはリン酸エステルが分散された分散
    液組成物から媒体を除去することにより、導電性高分子
    とリン酸またはリン酸エステルを含む導電性高分子組成
    物を得る導電生成高分子の製造方法。
  10. 【請求項10】 可溶性導電性高分子または導電性高分
    子微粒子とフェノールまたはフェノール誘導体が分散さ
    れた分散液組成物から媒体を除去することにより、導電
    性高分子とフェノールまたはフェノール誘導体を含む導
    電性高分子組成物を得る導電生成高分子の製造方法。
  11. 【請求項11】 可溶性導電性高分子または導電性高分
    子微粒子とニトロベンゼン誘導体が分散された分散液組
    成物から媒体を除去することにより、導電性高分子とニ
    トロベンゼン誘導体を含む導電性高分子組成物を得る導
    電生成高分子の製造方法。
  12. 【請求項12】 陽極酸化皮膜を形成した弁金属電極を
    用意する工程と、可溶性導電性高分子または導電性高分
    子微粒子とリン酸またはリン酸エステルと媒体を含む分
    散液導電性高分子前駆体を用意する工程と、前記弁金属
    電極上に前記導電性高分子前駆体を塗布する工程と、前
    記導電性高分子前駆体から媒体を除去する工程を有する
    固体電解コンデンサの製造方法。
  13. 【請求項13】 リン酸およびリン酸エステルが活性水
    素を少なくても1個有するものである請求項12記載の
    固体電解コンデンサの製造方法。
  14. 【請求項14】 陽極酸化皮膜を形成した弁金属電極を
    用意する工程と、可溶性導電性高分子または導電性高分
    子微粒子とフェノールまたはフェノール誘導体と媒体を
    含む溶液状導電性高分子前駆体を用意する工程と、前記
    弁金属電極上に前記導電性高分子前駆体を塗布する工程
    と、前記導電性高分子前駆体から媒体を除去する工程を
    有する固体電解コンデンサの製造方法。
  15. 【請求項15】 フェノール誘導体が電子吸引性置換基
    を少なくても1個有するフェノール誘導体である請求項
    14記載の導電性組成物前駆体の製造方法。
  16. 【請求項16】 フェノール誘導体がニトロフェノール
    またはシアノフェノールである請求項14または15記
    載の導電性組成物前駆体の製造方法。
  17. 【請求項17】 陽極酸化皮膜を形成した弁金属電極を
    用意する工程と、可溶性導電性高分子または導電性高分
    子微粒子とニトロベンゼン誘導体と媒体を含む分散液導
    電性高分子前駆体を用意する工程と、前記弁金属電極上
    に前記導電性高分子前駆体を塗布する工程と、前記導電
    性高分子前駆体から媒体を除去する工程を有する固体電
    解コンデンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 ニトロベンゼン誘導体がニトロベンゼ
    ン、ニトロ安息香酸またはニトロベンジルアルコールで
    ある請求項17記載の導電性組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】 弁金属がアルミニウム、タンタル、ニ
    オブ、チタンまたはジルコニウムである請求項12ない
    し18のいずれか記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
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