JP4565522B2 - 導電性高分子の分散液の製造方法、導電性高分子の分散液、導電性高分子およびその用途 - Google Patents

導電性高分子の分散液の製造方法、導電性高分子の分散液、導電性高分子およびその用途 Download PDF

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本発明は、導電性高分子の分散液の製造方法、それによって製造された導電性高分子の分散液、上記導電性高分子の分散液を乾燥して得られた導電性高分子、上記導電性高分子を導電体として用いた帯電防止フィルムおよび帯電防止シートならびに上記導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関する。
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサ、アルミニウム固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として用いられている。
そして、この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーを酸化重合することによって合成したものが用いられている。
上記チオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーの酸化重合、特に化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、主として有機スルホン酸が用いられ、その中でも、芳香族スルホン酸が適しているといわれており、酸化剤としては遷移金属が用いられ、その中でも、第二鉄が適しているといわれていて、通常、芳香族スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーの化学酸化重合にあたっての酸化剤兼ドーパントとして用いられている。
そして、その芳香族スルホン酸の第二鉄塩の中でも、トルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩などが特に有用であるとされていて、それらを用いた導電性高分子の合成は、それらの酸化剤兼ドーパントをチオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーと混合することにより行うことができ、簡単で、工業化に向いていると報告されている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、トルエンスルホン酸第二鉄塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて得られた導電性高分子は、初期抵抗値や耐熱性において、充分に満足できる特性を有さず、また、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて得られた導電性高分子は、トルエンスルホン酸第二鉄塩を用いた導電性高分子に比べれば、初期抵抗値が低く、耐熱性も優れているが、それでも、充分に満足できる特性は得られなかった。
これは、トルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩が、固体であるため、一般にアルコールに溶解された状態で用いられるが、これらの溶液は、保存している間に沈殿が生じるからである。
すなわち、沈殿が生じてしまったトルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩のアルコール溶液を用いると、均一性が低下して、得られた導電性高分子を用いた固体電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)が増加したり、高温条件下における信頼性が低下するためである。
また、得られた導電性高分子を、固体電解コンデンサの固体電解質として用いる場合、化学酸化重合法で合成した導電性高分子は、通常、溶剤に対する溶解性がないため、タンタル、ニオブ、アルミニウムなどの弁金属の多孔体からなる陽極と、前記弁金属の酸化皮膜からなる誘電体層とを有するコンデンサ素子の誘電体層上に直接導電性高分子層を形成しなければならないという制約があった。
そのような状況をふまえ、可溶化導電性高分子が積極的に検討されている(特許文献3)。この特許文献3によれば、ポリスチレンスルホン酸、過硫酸アンモニウム、鉄塩、エチレンジオキシチオフェンなどを混合して、エチレンジオキシチオフェンを化学酸化重合させることにより、導電性高分子の分散液が得られると報告されている。しかしながら、それによって得られる導電性高分子は、導電性が充分に高いとはいえず、固体電解コンデンサの固体電解質として用いるには、さらなる導電性の向上が必要である。
また、化学酸化重合によって、ポリアニリンにフェノールスルホン酸ノボラック樹脂をドーピングさせた導電性高分子が報告されている(特許文献4〜5)。しかしながら、この導電性高分子も導電率が充分に高いとはいえず、固体電解コンデンサの固体電解質として用いるには、さらなる導電性の向上が必要である。
さらに、電解酸化重合法による可溶化導電性高分子に関しても検討されている(特許文献6〜7)。しかしながら、これらによる場合、電極上に形成された不溶性の導電性高分子を取り出し、可溶化する処理を必要とするため、工業的には利用しにくいという問題があった。
特開2003−160647号公報 特開2004−265927号公報 特許第2636968号公報 特許第3906071号公報 特開2007−277569号公報 特開平1−161013号公報 特開昭62−181328号公報
本発明は、上記のような事情に鑑み、導電性が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子を提供し、かつ、上記導電性高分子を導電体として用いて、導電性が高く、かつ耐熱性が優れた帯電防止フィルムを提供し、また、上記導電性高分子を固体電解質として用いて、ESRが小さく、かつ高温条件下における信頼性が高い固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高分子のドーパントの存在下で、モノマーを水中または水と水混和性溶剤との混合液からなる水性液中で、陽極と陰極とをセパレータで隔離しつつ、電解酸化重合することによって導電性高分子の分散液を製造するときは、導電性高分子が陽極にほとんど密着することなく、水中または水性液中に均一に分散し、かつ、その導電性高分子がセパレータによって陰極に接触するのが防止されて脱ドープ化が防止された状態で導電性高分子の分散液が得られ、その導電性高分子の分散液から得られる導電性高分子は、導電性が高く、かつ耐熱性が優れていることを見出し、それに基づいて本発明を完成するにいたった。
そして、その高分子のドーパントとして、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステルおよび下記の一般式(I)で表される繰り返し単位を有するフェノールスルホン酸ノボラック樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるときは、得られる導電性高分子を、特に導電性が高く、かつ耐熱性が優れたものにすることができ、本発明の実施にあたって適している。
Figure 0004565522
(式中のRは水素またはメチル基である)
本発明は、上記のような導電性高分子の分散液の製造方法に関するものであるとともに、それによって製造された導電性高分子の分散液、その導電性高分子の分散液を乾燥して得られる導電性高分子、その導電性高分子を導電体として用いた帯電防止フィルムおよび帯電防止シートならびに上記導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサなどにも及ぶものである。
本発明の導電性高分子の分散液から得られる導電性高分子は、導電性が高く、かつ耐熱性が優れている。また、該導電性高分子は、電解酸化重合により合成されたものであることから、化学酸化重合により合成された導電性高分子に見られるような酸化剤に基づく硫酸根の含有が少なく、残存硫酸根に基づく導電性の低下や透明性の低下などが少ない。
従って、そのような導電性高分子の特性に基づき、それを導電体として用いることによって、導電性が高く、かつ耐熱性が優れた帯電防止フィルム、帯電防止樹脂、帯電防止シートなどを得ることができる。また、そのような導電性が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子を固体電解質として用いることによって、ESRが小さく、かつ高温条件下における信頼性が高い固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明で電解酸化重合にあたって使用する装置を模式的に断面表示で示す図である。
本発明の実施にあたって、高分子のドーパントとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステルおよび一般式(I)で表される繰り返し単位を有するフェノールスルホン酸ノボラック樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、これらの高分子のドーパントが、導電性高分子の合成時、優れた分散剤としても機能し、モノマーや必要に応じて添加される触媒などを水中または水性液中を均一に分散させ、かつ合成されるポリマー中にドーパントとして取り込まれるので、その優れた分散剤として機能することが、組成が均一な導電性高分子の合成を可能にし、その結果、導電性が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子が得られるようになるのに寄与しているものと考えられる。
上記ポリスチレンスルホン酸としては、例えば、その重量平均分子量が10,000〜1,000,000のものが好ましい。
すなわち、上記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が10,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなり、また、透明性も悪くなるおそれがある。また、上記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が1,000,000より大きい場合は、導電性組成物の分散液の粘度が高くなり、固体電解コンデンサの作製にあたって使用しにくくなる。そして、上記ポリスチレンスルホン酸としては、その重量平均分子量が上記範囲内で、20,000以上のものが好ましく、40,000以上のものがより好ましく、また、800,000以下のものが好ましく、300,000以下のものがより好ましい。
また、上記スルホン化ポリエステルは、スルホイソフタル酸エステルやスルホテレフタル酸エステルなどのジカルボキシベンゼンスルホン酸ジエステルとアルキレングリコールとを酸化アンチモンや酸化亜鉛などの触媒の存在下で縮重合させたものであり、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が5,000〜300,000のものが好ましい。
すなわち、上記スルホン化ポリエステルの重量平均分子量が5,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなり、透明性も悪くなるおそれがある。また、上記スルホン化ポリエステルの重量平均分子量が300,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、固体電解コンデンサなどの作製にあたって使用しにくくなる。そして、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が上記範囲内で、10,000以上のものが好ましく、20,000以上のものがより好ましく、また、100,000以下のものが好ましく、80,000以下のものがより好ましい。
そして、上記一般式(I)で表されるフェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、その重量平均分子量が5,000〜500,000のものが好ましい。これは、下記の理由に基づいている。
すなわち、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂の重量平均分子量が5,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなり、また、透明性も悪くなるおそれがある。また、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂の重量平均分子量が500,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、固体電解コンデンサなどの作製にあたって使用しにくくなる。そして、このフェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、その重量平均分子量が上記範囲内で、5,000以上のものが好ましく、10,000以上のものがより好ましく、また、400,000以下のものが好ましく、80,000以下のものがより好ましい。
上記導電性高分子の分散液には、高沸点溶剤を含有させることが好ましい。これは、高沸点溶剤を含有させることによって、得られる導電性高分子の製膜性を向上させ、それによって、導電性を向上させることができるからである。このように高沸点溶剤を含有させることによって、導電性高分子の導電性を向上させることができる理由は、現在のところ必ずしも明確ではないが、例えば、導電性高分子の分散液を基材に塗布し、乾燥すると、高沸点溶剤が脱け出る際に厚み方向の層密度を高くさせ、それによって、導電性高分子間の面間隔が狭くなり、導電性高分子の導電性が高くなるものと考えられる。
上記高沸点溶剤としては、沸点が150℃以上のものが好ましく、そのような高沸点溶剤の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)、スルホラン(沸点285℃)、N−メチルピロリドン(沸点202℃)、ジメチルスルホン(沸点233℃)、エチレングリコール(沸点198℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)などが挙げられ、特にジメチルスルホキシドが好ましい。そして、この高沸点溶剤の含有量としては、分散液中の導電性高分子に対して質量基準で5〜3,000%(すなわち、導電性高分子100質量部に対して高沸点溶剤が5〜3,000質量部)が好ましく、特に20〜700%が好ましい。高沸点溶剤の含有量が上記より少ない場合は、導電性高分子の製膜性が低下し、その結果、導電性高分子の導電性を向上させる作用が低下し、高沸点溶剤の含有量が上記より多い場合は、分散液の乾燥に時間を要するようになり、また、かえって、導電性の低下を引き起こすおそれがある。
なお、分散液中における導電性高分子の含有量は、その分散液を乾燥してフィルム状などにする際の作業性などに影響を与えるので、通常1〜10質量%程度が好ましい。つまり、導電性高分子の含有量が上記より少ない場合は、乾燥に時間を要し、また、導電性高分子の含有量が上記より多い場合は、粘度が高くなって、塗布する際などの作業性が低下するおそれがある。
高沸点溶剤を含有させた場合の分散液を乾燥して得られる乾燥物は、乾燥時の加熱により高沸点溶剤がほとんど蒸発してしまうので、ほとんどが導電性高分子になる。ただ、高沸点溶剤の蒸発のいかんによっては、高沸点溶剤が若干残る場合もあると考えられるが、本書ではそのような高沸点溶剤が若干残っている場合も含めて導電性高分子と表現することとする。
本発明において、導電性高分子を電解酸化重合によって合成するためのモノマーとしては、チオフェンまたはその誘導体、ピロールまたはその誘導体およびアニリンまたはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性モノマーを用いるが、そのチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンなどが挙げられ、ピロールの誘導体としては、例えば、3,4−アルキルピロール、3,4−アルコキシピロールなどが挙げられ、アニリンの誘導体としては、例えば、2−アルキルアニリン、2−アルコキシアニリンなどが挙げられる。そのアルキル基やアルコキシ基の炭素数としては1〜16が好ましい。
導電性高分子の合成にあたっての電解酸化重合は、水中または水と水混和性溶剤との混合液からなる水性液中で行われる。その際、高分子のドーパントとしては、前記のように、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、一般式(I)で表される繰り返し単位を有するフェノールスルホン酸ノボラック樹脂などを用いることが好ましい。
上記水性液を構成する水混和性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられ、これらの水混和性溶剤の水との混合割合としては、水性液全体中の50質量%以下が好ましい。
上記電解酸化重合に際してのドーパントや重合性のモノマーの使用量は、特に限定されることはないが、例えば、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸、重合性のモノマーとしてチオフェンの誘導体である3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いる場合を例に挙げて説明すると、それらの使用比率としては、質量比で、ポリスチレンスルホン酸1に対して、3,4−エチレンジオキシチオフェンが0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、また、5以下が好ましく、1以下がより好ましい。そして、これは、ドーパントとして他のものを用い、重合性のモノマーとして他のものを用いる場合もほぼ同様である。
電解酸化重合は、定電流でも定電圧でも行い得るが、例えば、定電流で電解酸化重合を行う場合、電流値としては0.05〜10mA/cmが好ましく、上記範囲内で0.2mA/cm以上がより好ましく、定電圧で電解酸化重合を行う場合は、電圧としては0.5〜10Vが好ましく、上記範囲内で1.5V以上がより好ましい。電解酸化重合時の温度としては、5〜95℃が好ましく、10℃以上がより好ましく、また、30℃以下がより好ましい。また、重合時間としては、1〜72時間が好ましく、8時間以上がより好ましく、また、24時間以下がより好ましい。そして、電極間距離(つまり、陽極と陰極とがセパレータを介して向き合っている面間の距離)は、1〜15cmが好ましい。すなわち、電極間距離が上記より広くなると(つまり、陽極と陰極との間の距離が長くなると)、理由は明確ではないが、得られる導電性高分子の導電率が低くなり、また、電極間距離が上記より狭くなると、液の流れが悪くなって、導電性高分子の固形化が生じるおそれがある。なお、電解酸化重合にあたっては、触媒として硫酸第一鉄または硫酸第二鉄を添加してもよい。電解酸化重合をこれら触媒の鉄イオンを含有した水中または水性液中で行うと、モノマーの重合が促進される。
本発明において、電解酸化重合は、陽極と陰極とをセパレータで隔離して行うが、そのようにセパレータで陽極と陰極とを隔離することを除いては、特定のものや特定の手段に限られることなく、例えば、陽極や陰極をはじめ、その他の部材も、従来と同様のものを用いることができるし、また、その実施にあたっても、従来と同様の手段で行うことができる。
セパレータとしては、陽極の周辺で生成した導電性高分子が陰極と接触して脱ドープ化するのを防止するため、機能的に、生成した導電性高分子を通過させないものであれば特に限定されることはないが、例えば、その分画分子量が50,000以下のもの(つまり、分子量が50,000以下のものは通過させるが、50,000より大きいものは通過させないもの)、特に分画分子量が10,000以下のものが好ましい。そして、材質面などからは、このセパレータとして、例えば、再生セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリルなどの高分子製の多孔性フィルムが好ましく、特に再生セルロース製の多孔性フィルムが好ましい。
ここで、陽極と陰極とをセパレータで隔離しつつ電解酸化重合を行う際の装置の概略を図1を参照しつつ説明する。
図1は本発明において電解酸化重合を行う際に用いる装置の概略を模式的に断面表示で示す図であり、図1中、1は陽極で、この陽極1はステンレス鋼製の有底円筒状の容器で構成されていて、電解酸化重合が行われる電解槽としての役割も兼ねている。陰極2はステンレス鋼製の板で構成されていて、この図1に示すものでは、陰極2は2個設けられているが、1個でもよく、また、電解酸化重合を迅速に進行させるためにさらに多数個設けてもよい。セパレータ3は有底円筒状をしていて、上記の陰極2の下部側はこの有底円筒状のセパレータ3内に入れられている。そして、上記陽極1と陰極2との間の電極間距離は、前記のように、1〜15cmが好ましい。
4はステンレス鋼製の攪拌翼であり、この図1では図示していないが、陰極2の上部はリード線で電源と電気的に接続され、陽極1もリード線で電源と電気的に接続されている。
そして、高分子のドーパントを含む水または水性液は、ドーパントが電解質としての機能を有することから電解液として作用し、この高分子ドーパントを含む電解液5は、電解槽を兼ねる陽極1内に充填され、この電解液5はセパレータ3の内部にも充填されていて、陰極2とも接触している。攪拌翼4を回転させながら、モノマーを陰極2に接触しないようにしつつ陽極1内に滴下すると(すなわち、セパレータ3の外側に滴下すると)、電解酸化重合が開始され、モノマーは電解液5中の高分子ドーパントを取り込みつつ重合して導電性高分子が合成され、陽極1を構成するステンレス鋼製容器の周壁にくっつかずに電解液中に分散されるが、その際、セパレータ3によって導電性高分子の陰極2との接触が阻止され、導電性高分子の脱ドープ化が防止された状態で導電性高分子が合成される。
上記のようにして得られる導電性高分子は、重合直後、水中または水性液中に分散した状態で得られ、触媒として用いた硫酸鉄塩やその分解物などを含んでいる。そこで、その不純物を含んでいる導電性高分子の分散液を超音波ホモジナイザーや遊星ボールミルなどの分散機にかけて不純物を分散させた後、カチオン交換樹脂で金属成分を除去する。このときの導電性高分子の粒径としては、100μm以下が好ましく、特に10μm以下が好ましい。その後、エタノール沈殿法、限外濾過法、陰イオン交換樹脂などにより、触媒の分解により生成した硫酸などを除去し、必要に応じて、高沸点溶剤を添加する。
本発明の導電性高分子の分散液から得られる導電性高分子は、導電性が高く、耐熱性が優れ、しかも透明性が優れているので、帯電防止フィルム、帯電防止布、帯電防止樹脂などの帯電防止材の導電体として好適に使用することができる。また、上記の導電性高分子は、導電性が高く、かつ耐熱性が優れていることから、アルミニウム固体電解コンデンサをはじめ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として好適に用いられ、ESRが低く、かつ高温条件下における信頼性が高い固体電解コンデンサを提供することができる。
さらに、本発明の導電性高分子の分散液から得られる導電性高分子は、導電性が高く、かつ耐熱性が優れているという特性を利用して、上記の固体電解コンデンサの固体電解質や帯電防止材の導電体以外にも、バッテリーの正極活物質、耐腐食用塗料の基材樹脂などとしても好適に用いることができる。
上記のように、本発明の導電性高分子の分散液から得られる導電性高分子を帯電防止材の導電体や固体電解コンデンサの固体電解質として用いる際は、それをそのままでも使用することもできるが、上記導電性高分子が水中または水性液中に分散した分散液で使用し、その後、乾燥して得られた導電性高分子を導電体や固体電解質として使用に供する方が適している。
本発明の導電性高分子の分散液から得られる導電性高分子(以下、「本発明に係る導電性高分子」という)を導電体として用いて帯電防止フィルムを作製するには、基材シートに上記本発明の導電性高分子の分散液を塗布するか、基材シートを本発明の導電性高分子の分散液に浸漬し、引き上げた後、乾燥して、フィルムを形成し、そのフィルムを基材シートから剥離すればよいが、むしろ、基材シートの一方の面または両面に形成した帯電防止フィルムを、その基材シートから剥がさずに、その基材シートを支持材とした帯電防止シートとして、使用に供する方が適する場合がある。また、本発明に係る導電性高分子を導電体として用いて帯電防止布を作製するには、布に本発明の導電性高分子の分散液を塗布するか、あるいは布を上記導電性高分子の分散液に浸漬し、引き上げた後、乾燥すればよい。そして、上記のように帯電防止シートや帯電防止布を作製するにあたっては、本発明の導電性高分子の分散液にバインダ樹脂を添加しておくと、基材シートや布に対する導電性高分子の密着性を向上させることができるので好ましい。このように導電性高分子の分散液にバインダを添加しておくことは、導電性高分子を固体電解コンデンサの固体電解質として用いる場合も同様に好ましい。
上記のようなバインダ樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ノボラック樹脂、シランカップリング剤などが挙げられ、特にポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂などが好ましい。また、スルホン化ポリアリル、スルホン化ポリビニル、スルホン化ポリスチレンのように、スルホン基が付加されていると、導電性高分子の導電性を向上させることができるので、より好ましい。
そして、このバインダ樹脂あるいはその他の樹脂を、本発明の導電性高分子の分散体に添加し、乾燥することにより帯電防止樹脂が得られる。また、本発明に係る導電性高分子組成物を固体電解コンデンサとして用いる場合は、以下に示すようにして固体電解コンデンサを作製することができる。
まず、本発明に係る導電性高分子をタンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサ、積層型アルミニウム固体電解コンデンサなどの固体電解質として用いる場合、タンタル、ニオブ、アルミニウムなどの弁金属の多孔体からなる陽極と、それらの弁金属の酸化皮膜からなる誘電体層を有するコンデンサ素子を、本発明の導電性高分子の分散液に浸漬し、取り出した後、乾燥する工程を繰り返すことによって、導電性高分子からなる固体電解質層を形成した後、カーボンペースト、銀ペーストを付け、乾燥した後、外装することによって、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサ、積層型アルミニウム固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサを作製することができる。
また、例えば、有機スルホン酸塩をドーパントとして用い、重合性モノマー、酸化剤を含む液に、前記のコンデンサ素子を浸漬し、取り出した後、室温で重合を行い、水に浸漬し、取り出し、洗浄した後、乾燥することで導電性高分子を合成した後、それら全体を本発明の導電性高分子の分散液に浸漬し、取り出して乾燥する工程を繰り返して固体電解質層を形成してもよく、また、その逆の形態にしてもよい。
そして、そのようにして導電性高分子で覆われた素子をカーボンペースト、銀ペーストで覆った後、外装することによって、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサ、積層型アルミニウム固体電解コンデンサなどを作製することもできる。
また、本発明に係る導電性高分子を巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの固体電解質として用いる場合は、アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を作製し、そのコンデンサ素子を本発明の導電性高分子の分散液に浸漬し、取り出して、乾燥した後、アルミニウム箔のエッチングにより形成された細孔に入っていない導電性高分子を取り除くため、純水に浸漬し、取り出した後、乾燥し、これらの操作を繰り返したのち、外装材で外装して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に例示のもののみに限定されることはない。なお、以下の実施例などにおいて濃度や使用量を示す際の%は特にその基準を付記しないかぎり、質量基準によるものである。
実施例1
電解酸化重合に用いる装置としては、先に説明した図1に示すものを用いた。この電解酸化重合用装置の各部材について説明すると次の通りである。
陽極1はステンレス鋼製の有底円筒状の容器で構成され、陰極2は厚さ4mm、縦500mm、横135mmの短冊状のステンレス鋼製の板で構成されている。そして、この陰極2は、2個用いられていて、その両者とも、その下部側は有底円筒状のセパレータ3内に入れられ、その下端から250mmのところまでが後述の電解液5中に浸漬している。セパレータ3は、三光純薬社製の分画分子量14,000、型番UC C−150−100のセルロースチューブ(再生セルロース製の多孔性フィルムでチューブ状に形成されたもの)で有底円筒状に形成されたものが用いられていて、このセパレータ3も陰極2の個数にあわせて2個用いられている。陽極1と陰極2との間の距離(電極間距離)は、両者の対峙する部位によって若干の相違はあるものの、陽極1からどちらの陰極2に対しても8〜10cmの範囲内にあった。
攪拌翼4はステンレス鋼製で、この攪拌翼4はステンレス鋼製容器で構成される陽極1の中央部に設けられていて、上記2個の陰極2は、それらのそれぞれの下部側が有底円筒状のセパレータ3に入れられた状態で、上記攪拌翼4を中央にしてその両側に対向するように陽極1内に配置されている。
ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(テイカ社製、重量平均分子量100,000)の3%水溶液30kgをステンレス鋼製容器で構成される陽極1内に入れ、そこに硫酸第一鉄・7水和物15gを添加し、攪拌して、均一に混合し、ドーパントを含有する電解液5とした。このドーパントを含有する電解液5はセパレータ3を通過して陰極2とも接触している。
そして、この状態で、重合性のモノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェン200mLを陰極2に接しないようにしつつ、つまり、セパレータ3の外側の電解液5に滴下し、室温下0.2mA/cmの定電流で30時間電解酸化重合を行った。この電解酸化重合によりモノマーの3,4−エチレンジオキシチオフェンは電解液5中のドーパントを取り込みつつ重合し、ポリスチレンスルホン酸をドーパントとする導電性高分子が合成された。
上記電解酸化重合後、水で2倍に希釈した後、超音波ホモジナイザー(日本精機社製US−T1200)で12時間分散処理を行った。その後、オルガノ社製のカチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を5kg添加し、1時間攪拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンなどのカチオン成分をすべて除去した。
上記処理後の液を孔径が1μmのフィルターに通し、その通過液を限外濾過膜〔旭化成ケミカルズ社製ACP−2053(商品名)、分画分子量1万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去することによって、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体にポリスチレンスルホン酸がドーパントとして取り込まれた導電性高分子の分散液を得た。
この導電性高分子の分散液に水を加えて濃度を3%に調整し、その3%液25kgに対し、高沸点溶剤としてジメチルスルホキシドを1kg(導電性高分子に対して質量基準で133%)添加した。
実施例2
ポリスチレンスルホン酸に代えて、スルホン化ポリエステル〔互応化学工業社製プラスコートZ−561(商品名)、重量平均分子量27,000〕をドーパントとして用い、硫酸第一鉄・7水和物の量を15gから2gに変更した以外は、すべて実施例1と同様の操作を行った。なお、この実施例2で得られた導電性高分子の分散液にも、実施例1と同様に高沸点溶剤としてジメチルスルホキシドを添加している。
比較例1
セパレータを使用しなかった以外はすべて実施例1と同様の操作を行った。
比較例2
セパレータを使用しなかった以外はすべて実施例2と同様の操作を行った。
[導電性高分子としての評価]
上記実施例1〜2および比較例1〜2の導電性高分子の分散液を2.8cm×4.8cmのガラスプレートの上にそれぞれ50μLずつ滴下し、No.8のバーコーターで均一にしたのち、60℃で10分間乾燥し、続いて150℃で10分間乾燥して、ガラスプレート上に導電性高分子のフィルムを形成し、その導電性高分子のフィルムの導電率を室温(約25℃)下でJIS K 7194に準じて4探針方式の電導度測定器〔三菱化学社製MCP−T600(商品名)〕により測定した。その結果を表1に示す。なお、測定は、各試料とも、5点ずつについて行い、表1に示す数値はその5点の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 0004565522
表1に示すように、実施例1〜2は、比較例1〜2に比べて、導電率が高く、導電性が優れていた。
[帯電防止フィルムとしての評価]
実施例3〜4および比較例3〜4
前記実施例1および比較例1の導電性高分子の分散液に対し、バインダー樹脂としてのスルホン化ポリエステル樹脂〔互応化学工業社製プラスコートZ−561(商品名)〕を導電性高分子に対して樹脂分がそれぞれ約150%になるように添加し、攪拌した。そのスルホン化ポリエステル樹脂入りの分散液を2.8cm×4.8cmのポリエチレンシートの上に50μL滴下し、No.8のバーコーターで均一にした後、60℃で10分間乾燥し、続いて150℃で1分間乾燥して、それぞれの導電性高分子を導電体とする実施例3および比較例3の帯電防止フィルムを作製した。
また、前記実施例2および比較例2の導電性高分子の分散液についても、それぞれ、2.8cm×4.8cmのポリエチレンシートの上に上記と同様に滴下し、以後も同様の操作を行って、実施例4および比較例4の帯電防止フィルムを作製した。
得られた実施例3〜4および比較例3〜4の帯電防止フィルムの表面抵抗を室温(約25℃)下でJIS K 7194に準じて4探針方式の電導度測定器〔三菱化学社製MCP−T600(商品名)〕により測定するとともに、波長400〜700nmの可視光透過率をUV−VIS−NIR RECORDING SPECTROPHOTOMETER〔島津社製UV3100(商品名)〕により測定した。その結果を使用した導電性高分子の種類とともに表2に示す。なお、測定は、各試料とも、5点ずつについて行い、表3に示す数値はその5点の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 0004565522
表2に示すように、可視光に対する透過率に関しては、実施例3〜4は、比較例3〜4同様に、91%という高い透過率を示し、高い透明性を有していて、実施例3〜4と比較例3〜4との間に差はなかったが、表面抵抗に関しては、実施例3〜4は、比較例3〜4に比べて、表面抵抗が小さかった。
[固体電解コンデンサとしての評価]
実施例5
タンタル焼結体を濃度が0.1%のリン酸水溶液に浸漬した状態で、20Vの電圧を印加することによって化成処理を行い、タンタル焼結体の表面に酸化皮膜を形成して誘電体層を構成した。次に、濃度が35%の3,4−エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液に上記タンタル焼結体を浸漬し、1分後に取り出し、5分間放置した。その後、あらかじめ用意しておいた濃度が50%のフェノールスルホン酸ブチルアミン水溶液(pH5)と濃度が30%の過硫酸アンモニウム水溶液とを質量比1:1で混合した混合物からなる酸化剤兼ドーパント溶液中に浸漬し、30秒後に取り出し、室温で30分間放置した後、50℃で10分間加熱して、重合を行った。その後、水中に上記タンタル焼結体を浸漬し、30分間放置した後、取り出して70℃で30分間乾燥した。これらの操作を6回繰り返した後、実施例1の導電性高分子の分散液に上記タンタル焼結体を浸漬し、30秒後に取り出し、70℃で30分間乾燥した。この操作を3回繰り返した後、150℃で60分間放置して、導電性高分子からなる固体電解質を形成した。その後、カーボンペースト、銀ペーストで上記固体電解質層を覆ってタンタル固体電解コンデンサを作製した。
実施例6
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例2の導電性高分子の分散液を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
比較例5
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例1の導電性高分子の分散液を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
比較例6
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例2の導電性高分子の分散液を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
上記のように作製した実施例5〜6および比較例5〜6のタンタル固体電解コンデンサについて、そのESRおよび静電容量を測定した。その結果を表3に示す。なお、ESRおよび静電容量の測定方法は以下に示す通りである。ESRの測定にはHEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、100kHzでESRを測定し、静電容量の測定にはHEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、120Hzで静電容量を測定した。それらの測定は、各試料とも、10個ずつについて行い、表3に示すESR値および静電容量値は、それら10個の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示した。
Figure 0004565522
表3に示すように、実施例5〜6は、比較例5〜6に比べて、ESRが小さかった。
1 陽極
2 陰極
3 セパレータ

Claims (3)

  1. 高分子のドーパントの存在下で、モノマーを水中または水と水混和性溶剤との混合液からなる水性液中で攪拌し、かつ陽極と陰極とを分画分子量が50,000以下の高分子製の多孔性フィルムからなるセパレータで隔離して、電解酸化重合することにより、陽極の周辺で生成した導電性高分子が陰極に接触するのを上記セパレータで防止しつつ、導電性高分子の分散液を製造することを特徴とする導電性高分子の分散液の製造方法。
  2. モノマーが、チオフェンまたはその誘導体である請求項1記載の導電性高分子の分散液の製造方法。
  3. 高分子のドーパントが、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステルおよび一般式(I)で表される繰り返し単位を有するフェノールスルホン酸ノボラック樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の導電性高分子の分散液の製造方法。
    Figure 0004565522
    (式中のRは水素またはメチル基である)
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