JP5507484B2 - 導電性高分子複合体およびその製造方法、ならびに導電性高分子溶液および帯電防止膜 - Google Patents

導電性高分子複合体およびその製造方法、ならびに導電性高分子溶液および帯電防止膜 Download PDF

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Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含有する導電性高分子複合体およびその製造方法、前記導電性高分子複合体を含有する導電性高分子溶液および帯電防止膜に関する。
π共役系導電性高分子は各種電子部品、電子部品包装用キャリアテープ及びトレイ、光学用透明プラスチックフィルム等の帯電防止、剥離フィルムの帯電防止、固体電解キャパシタの電極、有機エレクトロルミネッセンス装置、電磁波シールド材などの基材のコーティング、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネルなどの透明電極として用いられている。
π共役系導電性高分子の中でもポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)のポリスチレンスルホン酸複合体(以下、「PEDOT/PSS」と略すことがある)は導電性が高く、透明性に優れるため、様々な用途への応用が進められている。
π共役系導電性高分子を含む導電性高分子溶液の調製方法として、質量平均分子量が2,000〜500,000のポリスチレンスルホン酸の存在下で、酸化剤を用いて、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学酸化重合してポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)溶液を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の導電性高分子溶液は水溶液であるため、これを基材に塗布して塗膜を形成する際には乾燥時間が長くなり、導電性塗膜の生産性が低かった。また、表面硬度や耐水性改良のため、各種バインダ樹脂またはその前駆体を混合する場合、水溶液では相溶性が低いことが多かった。そのような事情から、有機溶剤中にπ共役系導電性高分子が溶解した導電性高分子溶液が求められていた。
その要求に対し、特許文献2には、重量平均分子量が10,000〜50,000で水酸基価が160〜230mgKOH/gの水酸基含有アクリル系重合体を分散剤として用いて、水・有機溶剤混合溶媒にPEDOT/PSSを分散することが開示されている。
特許文献3には、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂、スルホン化ポリエステルまたはポリスチレンスルホン酸の存在下、チオフェンまたはその誘導体を、水中または水と水混和性溶剤との混合物からなる水性液中で電解酸化重合する導電性高分子の重合方法が開示されている。
特許第2636968号公報 国際公開第2008/088028号 国際公開第2009/131011号
しかしながら、特許文献2の方法は導電性高分子に対して多量のアクリル系重合体が配合され、塗膜中の導電性高分子の濃度が低くなるため、塗膜の表面抵抗が下がりにくいという欠点があった。
一方、特許文献3の方法は特殊な装置が必要な電解酸化重合という手法であり、また、有機溶媒に対する安定性について何ら開示されていない。
また、有機溶剤中にπ共役系導電性高分子が溶解した導電性高分子溶液を得る方法としては、π共役系導電性高分子の水溶液にアルコールを添加する方法が考えられる。しかし、アルコールを添加すると、π共役系導電性高分子の濃度が低下するため、該導電性高分子溶液により導電性塗膜を形成した際には乾燥時間が長くなる傾向にある。そこで、π共役系導電性高分子の濃度を高くするために、エバポレータ等により水および有機溶剤を除去することが考えられるが、この導電性高分子溶液においてπ共役系導電性高分子濃度を高くすると、π共役系導電性高分子が分離して沈殿したり、ゲル化したりする傾向にあった。
そこで、本発明は、簡便に製造でき、高濃度であっても様々な有機溶剤に対して安定に分散させることができる導電性高分子複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、導電性高分子複合体を含有する導電性高分子溶液および帯電防止膜を提供することを目的とする。
[1]下記一般式(1)で表されるビスフェノールS単位および下記一般式(2)で表されるフェノールスルホン酸単位を有するノボラック樹脂と、チオフェンまたはその誘導体の重合体とを含有することを特徴とする導電性高分子複合体。
[2]下記一般式(1)で表されるビスフェノールS単位および下記一般式(2)で表されるフェノールスルホン酸単位を有するノボラック樹脂の存在下で、チオフェンまたはその誘導体を重合することを特徴とする導電性高分子複合体の製造方法。
(式中、XはH、Li、Na、K、NH(4−Y)のいずれかであり、Yは0から4のいずれかの整数である。Rは、炭素数1から8のいずれかのアルキル基であり、Yが2以上の場合、同一であってもよいし異なってもよい。ビスフェノールS単位およびフェノールスルホン酸単位の芳香環上の水素はメチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。1≦m<10000、1≦n<10000である。)
Figure 0005507484
[3][1]に記載の導電性高分子複合体と、1種以上の有機溶剤とを含有することを特徴とする導電性高分子溶液。
[4]1種以上のアミン化合物を含有することを特徴とする[3]に記載の導電性高分子溶液。
[5][3]または[4]に記載の導電性高分子溶液が塗布されて形成されたことを特徴とする帯電防止膜。
本発明の導電性高分子複合体は、簡便に製造でき、高濃度であっても様々な有機溶剤に対して安定に分散させることができる。
本発明の導電性高分子複合体の製造方法によれば、上記導電性高分子複合体を容易に製造できる。
本発明の導電性高分子溶液は、導電性高分子複合体が高濃度であっても有機溶剤に対して安定に分散できる。
本発明の帯電防止膜は、導電性高分子複合体が均一に含まれており、均一な導電性を有する。
<導電性高分子複合体およびその製造方法>
本発明の導電性高分子複合体(以下、「複合体」と略す。)は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂と、チオフェンまたはその誘導体の重合体(以下、「チオフェンまたはその誘導体の重合体」のことを「ポリチオフェン」という。)とを含有する。(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂はポリチオフェンに配位しているため、ポリチオフェンと(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂とは複合体を形成している。
((ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂)
本発明で用いられる(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂は、上記一般式(1)で表されるビスフェノールS単位と、一般式(2)で表されるフェノールスルホン酸単位とを有するノボラック樹脂である。
上記一般式(1)において、Xは、H、Li、Na、K、NH(4−Y)のいずれかである。ここで、NH(4−Y)におけるYは0から4のいずれかの整数であり、Rは、炭素数1から8のいずれかのアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基)である。炭素数が3以上のアルキル基の場合には、直鎖でもよいし、分岐していてもよい。また、Yが2以上である場合には、Rは同一であってもよいし、異なってもよい。
ビスフェノールS単位およびフェノールスルホン酸単位の芳香環上の水素は、メチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。
一般式(1)においては、1≦m<10,000であり、10≦m≦1,000が好ましい。一般式(2)においては、1≦n<10,000であり、10≦n≦1,000が好ましい。m、nが各々前記上限値未満であれば、導電性高分子溶液の粘度を抑制でき、塗布が容易になる。
(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のビスフェノールS単位とフェノールスルホン酸単位のモル比(m/n)は50/50〜5/95が好ましく、40/60〜15/85がより好ましい。ビスフェノールS単位とフェノールスルホン酸単位のモル比が50/50以下であれば、酸性での水に対する溶解性が向上し、ポリチオフェンの重合度を容易に大きくでき、導電性がより高い帯電防止膜を得ることができる。また、モル比(m/n)が5/95以上であれば、透明性がより高い帯電防止膜を得ることができる。
上記(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の質量平均分子量は5,000〜500,000が好ましく、10000〜100,000がより好ましい。質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィによって測定することができる。
(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の質量平均分子量が5,000以上であれば、導電性および透明性がより高い帯電防止膜を得ることができる。一方、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の質量平均分子量が500,000以下であれば、導電性高分子溶液の粘度を抑制でき、塗布が容易になる。
(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の含有量は、ポリチオフェン1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の含有量が0.1モルより少なくなると、ポリチオフェンへのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。その上、溶媒への分散性および溶解性が低くなり、均一な溶液を得ることが困難になる。また、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の含有量が10モルより多くなると、ポリチオフェンの含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(その他のアニオン)
前記(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂以外にポリチオフェンへのドーピング可能なアニオンが併用されてもよい。この場合、ポリチオフェンからの脱ドープ特性及び複合体の溶剤溶解性、他成分への相溶性、分散性、及び耐熱性、耐環境特性を調整する等の観点からは、有機酸が好ましい。有機酸としては、有機カルボン酸、フェノ−ル類、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシ基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。フェノ−ル類としては、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ル等のフェノ−ル類が挙げられる
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホン酸基が一つまたは二つ以上を含むものが使用できる。スルホン酸基を一つ含むものとしては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフト−ル−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフト−ル−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、へキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸 、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸 、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物等のスルホン酸基を含むスルホン酸化合物等を例示できる。
スルホン酸基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ドデシルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフト−ル−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフト−ル−2,7−ジスルホン酸、アントラセンジスルホン酸、ブチルアントラセンジスルホン酸、4−アセトアミド−4′−イソチオ−シアナトスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4′−イソチオシアナトスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4′−マレイミジルスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、1−アセトキシピレン−3,6,8−トリスルホン酸、7−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、3−アミノ−1,5,7−ナフタレントリスルホン酸等が挙げられる。
この(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂以外のアニオンは、ポリチオフェンの前駆体モノマーの重合前に、前記前駆体モノマー、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂と、酸化剤および又は酸化重合触媒を含む溶液に添加してもよい。また、重合後の、複合体を含む溶液に添加してもよい。
前駆体モノマーと(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂との質量比率は、前駆体モノマー:(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂=1:20〜5:1が好ましく、10:1〜1:1がより好ましい
(ポリチオフェン)
ポリチオフェンを構成する単量体の具体例としては、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン等が挙げられる。中でも、導電性、透明性、耐熱性の点から、3 ,4 − エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
(製造方法)
本発明の複合体の製造方法は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の存在下で、ポリチオフェンの前駆体モノマーを重合する方法である。
具体的には、本発明の複合体は、上記(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の水溶液または水・有機溶剤混合溶液中にポリチオフェンの前駆体モノマーを加え、酸化剤及び場合により酸化触媒を添加し、酸化重合を行うことで得ることができる。この方法は、通常の酸化重合を適用する方法であるから、複合体を容易に大量製造できる。
(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂がアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩等の形で溶解している場合には、系中に硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸や有機酸を加え、反応液を酸性にすることが好ましい。
酸化剤及び酸化触媒としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム、ぺルオキソ二硫酸カリウム等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が使用できる。
酸化重合を行う際に用いる反応溶媒としては、水または水と溶媒との混合溶媒を用いることができる。ここで用いられる溶媒は、水と混和可能であり、前記(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂又はポリチオフェンを溶解または分散しうる溶媒が好ましい。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド等の極性溶媒、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等のアルコ−ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物、ジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。これら水と混和可能な溶媒の水に対する混合割合は、反応溶媒全体の50質量%以下が好ましい。
上記製造方法により得た複合体は、必要によりホモジナイザやボールミルなどで細粒化して用いることができる。
細粒化には、高い剪断力を付与できる混合分散機を用いることが好ましい。混合分散機としては、例えば、ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ、ビーズミル等が挙げられ、中でも、高圧ホモジナイザが好ましい。
高圧ホモジナイザの具体例としては、吉田機械興業製の商品名ナノマイザー、マイクロフルイディスク製の商品名マイクロフルイダイザー、スギノマシン製のアルティマイザーなどが挙げられる。
高圧ホモジナイザを用いた分散処理としては、例えば、分散処理を施す前の複合体溶液を高圧で対向衝突させる処理、オリフィスやスリットに高圧で通す処理等が挙げられる。
細粒化の前または後に、ろ過、限外ろ過、透析等の手法により不純物を除去し、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、キレート樹脂等で精製してもよい。
(作用効果)
上記(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂は親水性と親油性を兼ね備えているため、水溶液中だけでなく有機溶剤中でも安定に存在する。そのため、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂とポリチオフェンとの複合体も有機溶剤中で安定に存在する。また、上記複合体は、電解酸化重合の必要がないため、簡便に製造できる。
<導電性高分子溶液>
本発明の導電性高分子溶液は、上記導電性高分子複合体および1種以上の有機溶剤を含有する溶液である。本発明においては、導電性高分子複合体は高濃度であっても有機溶剤に安定に分散している。
導電性高分子溶液において、複合体の合計の含有量は、全固形分を100質量%とした際の0.05〜99.5質量%であることが好ましく、0.5〜99.5質量%であることがより好ましい。複合体の合計の含有量が前記下限値未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、前記上限値を超えると、均一な塗膜が得られないことがある。
有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド等の極性溶媒、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等のアルコ−ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物、ジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族系溶媒、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等などが挙げられるが、上記に限定されるものではない。これら有機溶剤は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
本発明の導電性高分子溶液は、アミン化合物を配合することで、さらに安定に分散した溶液とすることができる。
アミン化合物としては、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のスルホ基またはフェノール性水酸基に配位あるいは結合するものであれば限定されない。ここで、配位あるいは結合とは、スルホ基またはフェノール性水酸基とアミン化合物とが電子を互いに供与/受容することにより、それらの分子間距離が短くなる結合形態のことである。
本発明で用いられるアミン化合物としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、複素環式アミン等が挙げられる。
1級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、モノデシルアミン、モノウンデシルアミン、モノドデシルアミン、モノステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルヘキサデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等が挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、イミダゾール、N−メチル−イミダゾール、N−エチル−イミダゾール、N−プロピル−イミダゾール、N−ブチル−イミダゾール、N−ペンチル−イミダゾール、N−ヘキシル−イミダゾール、N−ヘプチル−イミダゾール、N−オクチル−イミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キナゾリン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記のうちでも、脱ドープなどポリチオフェンの導電性への影響が小さいことから、3級アミンが好ましく、トリオクチルアミンがより好ましい。
アミン化合物の分子量は、有機溶剤への溶解性を考慮すると、50〜2000であることが好ましい。
アミン化合物の使用量は、系中の遊離のスルホ基及びフェノール性水酸基の合計に対して0.1〜2.0モル当量であることが好ましく、0.5〜1.2モル当量であることがより好ましく、0.85〜1.1モル当量であることが特に好ましい。ここで系中の遊離のスルホ基及びフェノール性水酸基とは、ドーピングに関与せず、かつ塩基性化合物により塩を形成していないスルホ基及びフェノール性水酸基を示す。遊離のスルホ基及びフェノール性水酸基含量は、アミン等による滴定で測定することができる。
アミン化合物の量が0.1モル当量以上であれば、有機溶剤への安定分散性をより高めることができ、2.0モル当量以下であれば、余剰なアミン化合物による導電性や機械的物性の低下を防止できる。
(分散処理)
有機溶剤または有機溶剤及びアミン化合物を添加混合して得た場合の導電性高分子溶液は、ホモジナイザやボールミルなどで細粒化して用いることが好ましい。
細粒化には、高い剪断力を付与できる混合分散機を用いることが好ましい。混合分散機としては、例えば、ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ、ビーズミル等が挙げられ、中でも、高圧ホモジナイザが好ましい。
高圧ホモジナイザの具体例としては、吉田機械興業製の商品名ナノマイザー、マイクロフルイディスク製の商品名マイクロフルイダイザー、スギノマシン製のアルティマイザーなどが挙げられる。
高圧ホモジナイザを用いた分散処理としては、例えば、分散処理を施す前の複合体溶液を高圧で対向衝突させる処理、オリフィスやスリットに高圧で通す処理等が挙げられる。
混合分散機により分散処理を施した場合、原理上、処理により得られる導電性高分子溶液の温度が高くなる。そのため、分散処理前の複合体溶液の温度を−20〜60℃にすることが好ましく、−10〜40℃にすることがより好ましく、−5〜30℃にすることが特に好ましい。複合体溶液の温度を−20以上にすれば、凍結を防止でき、60℃以下にすれば、ポリチオフェンまたは(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の変質を防止できる。
また、分散処理後の導電性高分子溶液を、例えば、冷媒温度−30〜20℃の熱交換器に通して冷却しても構わない。
細粒化は、導電性高分子溶液のキュムラント平均粒子径が好ましくは2000nm以下、より好ましくは500nm以下、特に好ましくは200nm以下になるように分散処理する。複合体のキュムラント平均粒子径が2000nm以下になるように分散処理すれば、得られる導電性高分子溶液の安定性が高くなり、複合体のゲル化や沈殿をより防止できる。
ここで、キュムラント平均粒子径は、動的光散乱法による粒径分布の測定から求められる。キュムラント平均粒子径は、分散工程での混合条件(例えば、圧力等)により調整される。具体的には、圧力が高い程、平均粒子径は小さくなる。
分散工程では、上記複合体固形物に有機溶剤および必要に応じてアミン化合物を添加して複合体溶液を調製し、該複合体溶液を分散処理する。
有機溶剤およびアミン化合物を添加する際には、有機溶剤およびアミン化合物の一方を先に添加してもよいし、両方を同時に添加してもよい。
(導電性向上剤)
本発明の導電性高分子溶液には、得られる帯電防止膜の導電性を向上させるため、下記(a)〜(h)の化合物から選ばれる1種以上の導電性向上剤が含まれていることが好ましい。
(a)窒素含有複素環式化合物
(b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
(c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
(d)1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物
(e)アミド基を有する化合物
(f)イミド基を有する化合物
(g)ラクタム化合物
(h)グリシジル基を有する化合物
(a)窒素含有複素環式化合物
窒素含有複素環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
ピリジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、N−ビニルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ピリジンメタノール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾール類及びその誘導体の具体的な例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデジルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール(N−ヒドロキシエチルイミダゾール)、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン類及びその誘導体の具体的な例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジン類及びその誘導体の具体的な例としては、1,3,5−トリアジン、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
窒素含有複素環式化合物の含有量は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して0.1〜100モルの範囲であることが好ましく、0.5〜30モルの範囲であることがより好ましく、導電性の観点からは、1〜10モルの範囲が特に好ましい。窒素含有複素環式化合物の含有率が0.1モルより少なくなると、窒素含有芳香族性環式化合物と(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂及び共役系導電性高分子との相互作用が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。また、窒素含有芳香族性環式化合物が100モルを超えて含まれると共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物の含有量は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して0.05〜50モルの範囲であることが好ましく、0.3〜10モルの範囲であることがより好ましい。2個以上のヒドロキシ基を有する化合物の含有量が、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して0.05モルより少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物の含有量が、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して50モルより多くなると、得られる導電性塗膜中のポリチオフェンの含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
2個以上のカルボキシ基を有する化合物は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して0.1〜30モルの範囲であることが好ましく、0.3〜10モルの範囲であることがより好ましい。2個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して0.1モルより少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また2個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂のモノマー単位1モルに対して30モルより多くなると、導電性塗膜中のポリチオフェンの含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(d)1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂とポリチオフェンの合計100質量部に対して1〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が1質量部より少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また、1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物の含有量が5,000質量部より多くなると、導電性塗膜中のポリチオフェンの含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得ることが難しい。
(e)アミド化合物
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
また、アミド化合物として、アクリルアミドを使用することもできる。アクリルアミドとしては、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
アミド化合物の分子量は46〜10,000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1,000であることが特に好ましい。
アミド化合物の含有量は、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂とポリチオフェンの合計100質量部に対して1〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。アミド化合物の含有量が1質量部より少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また、アミド化合物の含有量が5,000質量部より多くなると、導電性塗膜中のポリチオフェンの含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得ることが難しい。
(f)イミド化合物
イミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
また、イミド化合物は両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等に分類されるが、溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
イミド化合物の含有量は、ポリチオフェンと(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の合計100質量部に対して10〜10,000質量部であることが好ましく、50〜5,000質量部であることがより好ましい。イミド化合物の添加量が前記下限値未満であると、イミド化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、ポリチオフェン濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
(g)ラクタム化合物
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
ラクタム化合物の含有量は、ポリチオフェンと(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましい。ラクタム化合物の添加量が前記下限値未満であると、ラクタム化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、ポリチオフェン濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
(h)グリシジル基を有する化合物
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物の含有量は、ポリチオフェンと(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましい。グリシジル基を有する化合物の添加量が前記下限値未満であると、グリシジル基を有する化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、ポリチオフェン濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
(バインダ樹脂)
本発明の導電性高分子溶液には、形成した塗膜の耐水性、耐溶剤性、硬度等を向上させるため、バインダ樹脂を混合することができる。
バインダ樹脂としては、前記複合体と相溶又は混合分散可能であれば熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂;エポキシ樹脂;オキセタン樹脂;キシレン樹脂;アラミド樹脂;ポリイミドシリコーン;ポリウレタン;ポリウレア;メラミン樹脂;フェノール樹脂;ポリエーテル;アクリル樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
また、バインダ樹脂には、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶媒、粘度調整剤等を加えて使用することができる。
バインダ樹脂の中でも、容易に混合できることから、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリイミドシリコーンのいずれか1種以上が好ましい。また、アクリル樹脂は、硬度が硬いとともに透明性に優れるため、光学フィルタのような用途には適している。
また、バインダ樹脂は、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって硬化する液状重合体を含むことが好ましい。
ここで、熱エネルギーにより硬化する液状重合体としては、反応型重合体及び自己架橋型重合体が挙げられる。
反応型重合体は、置換基を有する単量体が重合した重合体であり、置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、酸無水物、オキセタン系、グリシジル基、アミノ基などが挙げられる。具体的な単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多官能アルコール、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、ピメリン酸、アスコルビン酸、フタル酸、アセチルサルチル酸、アジピン酸、イソフタル酸、安息香酸、m−トルイル酸等のカルボン酸化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸、ジクロル無水マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ピメリット酸等の酸無水物、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、アジドメチルメチルオキセタン等のオキセタン化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−p−アミノフェノールグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(すなわち、2,2−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン)等のグリシジルエーテル化合物、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N,N−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン等のグリシジルアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、DHP30−トリ(2−エチルヘクソエート)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素、モノエチルアミン、メタンジアミン、キシレンジアミン、エチルメチルイミダゾール等のアミン化合物、1分子中に2個以上のオキシラン環を含む化合物のうち、ビスフェノールAのエピクロロヒドリンによるグリシジル化合物、あるいはその類似物が挙げられる。
反応型重合体においては、少なくとも2官能以上の架橋剤を使用する。その架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物などが挙げられる。金属酸化物としては、塩基性金属化合物のAl(OH)、Al(OOC・CH(OOCH)、Al(OOC・CH、ZrO(OCH)、Mg(OOC・CH、Ca(OH)、Ba(OH)等を適宜使用できる。
自己架橋型重合体は、加熱により官能基同士で自己架橋するものであり、例えば、グリシジル基とカルボキシ基を含むもの、あるいは、N−メチロールとカルボキシ基の両方を含むものなどが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体としては、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドシリコーン等のオリゴマー又はプレポリマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体を構成する単量体単位としては、例えば、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のアクリレート類、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アルキルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーデル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリル(メタクリル)アミド類、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類、酪酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類の単官能モノマー並びに多官能モノマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体は、光重合開始剤によって硬化する。その光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる。
また、カチオン重合開始剤としては、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールハロニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、シラノール/アルミニウムキレート、α−スルホニルオキシケトン類等が挙げられる。
バインダ樹脂の含有量は、ポリチオフェンと(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の合計を100質量%とした際の10〜9000質量%であることが好ましく、20〜8000質量%であることがより好ましい。バインダ樹脂の含有量が10質量%以上であれば、塗膜強度を高くでき、9000質量%以下であれば、充分な導電性を確保できる。
<帯電防止膜>
本発明の帯電防止膜は、上記複合体を含有する塗膜であり、上記導電性高分子溶液が塗布されて形成された塗膜である。上記導電性高分子溶液では、上記複合体が安定に分散しているため、該導電性高分子溶液が塗布されて形成された塗膜は、複合体を面方向に均一に含んでいるため、面方向において導電性が均一になっている。
導電性高分子溶液が塗布される基材としては、例えば、樹脂フィルム、ガラス板などが用いられるが、透明性及び可撓性が高いことから、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、強度等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
塗布方法としては、例えば、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、マイクログラビアコーティング等が適用される
熱硬化性または光硬化性のバインダ樹脂を含有する場合には、導電性高分子溶液塗布後に硬化処理を施すことが好ましい。
硬化方法としては、加熱または光照射が適用される。加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。また、光照射により硬化する場合には、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
本発明の帯電防止膜は、各種電子部品、電子部品包装用キャリアテープ及びトレイ、光学用透明プラスチックフィルム等の帯電防止、剥離フィルムの帯電防止等に好適に用いることができる。
(実施例1)
1.42g(0.01mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、100mlのイオン交換水に12.0gの(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂(上記一般式(2)のXがNaのもの。固形分濃度35.6質量%、ビスフェノールS/フェノールスルホン酸ナトリウム=3/7(mol/mol)、質量平均分子量:約15,000、小西化学工業株式会社製)及び濃硫酸4.26gを溶かした溶液とを20℃で混合して、モノマー分散液を得た。
これにより得られたモノマー分散液を20℃に保ち、かき混ぜながら、20mlのイオン交換水に溶かした2.84g(0.012mol)の過硫酸アンモニウムと0.14g(0.35mmol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、16時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析し、未反応モノマー、酸化剤、酸化触媒を除去し、高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて、圧力100MPaで分散処理後、イオン交換樹脂IR120BH(オルガノ株式会社製)20g(wet)及びIRA96BS(オルガノ株式会社製)10g(wet)を加えて3時間攪拌し、ろ過した。このイオン交換樹脂による処理を計3回行い、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、約1.5質量%の青色の(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)溶液(以下、「複合体溶液A」という。)を得た。
(実施例2)
(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂の量を16.0gに変更した他は実施例1と同様に操作して、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)溶液(以下、「複合体溶液B」という。)を得た。
(比較例1)
1.42g(0.01mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、30mlのイオン交換水に85.2gのポリスチレンスルホン酸樹脂(固形分濃度5.0質量%、質量平均分子量:約150,000)及び濃硫酸4.26gを溶かした溶液とを20℃で混合して、モノマー分散液を得た。
これにより得られたモノマー分散液を20℃に保ち、かき混ぜながら、20mlのイオン交換水に溶かした2.84g(0.012mol)の過硫酸アンモニウムと0.14g(0.35mmol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、16時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を実施例1と同様に処理して、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)溶液(以下、「複合体溶液C」という。)を得た。
(比較例2)
1.42g(0.01mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、100mlのイオン交換水に8.52gのフェノールスルホン酸ノボラック樹脂(固形分濃度50.0質量%、質量平均分子量:約33,500、小西化学工業株式会社製)及び濃硫酸4.26gを溶かした溶液とを20℃で混合して、モノマー分散液を得た。
これにより得られたモノマー分散液を20℃に保ち、かき混ぜながら、20mlのイオン交換水に溶かした2.84g(0.012mol)の過硫酸アンモニウムと0.14g(0.35mmol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、16時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を実施例1と同様に処理して、約1.5質量%の青色のフェノールスルホン酸ノボラックドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)溶液(以下、「複合体溶液D」という。)を得た。
(実施例3)
実施例1で得た複合体溶液Aをイオン交換水で固形分濃度が1.2質量%になるように希釈した。次いで、10mlの1.2質量%の複合体溶液Aに対し、メタノール20mlを混合し、均一なメタノール分散液を調製した。このメタノール分散液にさらに表1に示す有機溶剤30mlを混合して、導電性高分子溶液を調製した。
得られた導電性高分子溶液を室温で静置し、3日後の溶液安定性を目視で観察して評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
複合体溶液Aの代わりに複合体溶液Bを用いたこと以外は実施例3と同様にして導電性高分子溶液を調製し、溶液安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
複合体溶液Aの代わりに複合体溶液Cを用いたこと以外は実施例3と同様にして導電性高分子溶液を調製し、溶液安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005507484
表1に示すように、(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む実施例3,4の導電性高分子溶液は、溶液の状態に変化が見られず、溶液安定性に優れていた。
これに対し、ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む比較例3の導電性高分子溶液は、溶液のゲル化もしくは沈降現象が生じ、溶液安定性が低かった。
(実施例5)
実施例2で得た複合体溶液Bをイオン交換水で固形分濃度が1.2質量%になるように希釈した。次いで、100mlの1.2質量%複合体溶液Bとメタノール200mlを混合し、さらに酢酸エチル400mlを混合して、均一な有機溶媒分散液を調製した。得られた有機溶媒分散液に酢酸エチル200mlを追加し、高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて、圧力100MPaで分散処理後、室温で静置して導電性高分子溶液を調製した。
(実施例6)
有機溶媒分散液に酢酸エチル200mlを追加する代わりに、酢酸エチル200mlとトリオクチルアミン10μlの混合液を追加したこと以外は実施例5と同様にして導電性高分子溶液を得た。
実施例5と実施例6の導電性高分子溶液の溶液安定性を目視で観察した。その結果、トリオクチルアミンを添加しなかった実施例5の導電性高分子溶液では、調製の翌日にゲル化したのに対し、トリオクチルアミン添加した実施例6の導電性高分子溶液は、調製の翌日でも安定に分散していた。
(実施例7)
実施例1で得た複合体溶液Aをイオン交換水で固形分濃度が1.2質量%になるように希釈した。次いで、10.0gの1.2質量%の複合体溶液Aに対し、ジエチレングリコール1.0g、ペスレジンA−210(高松油脂株式会社製、固形分濃度30質量%)6.0g、イオン交換水12.0g、及びメタノール45.0gを混合して、均一な導電性高分子溶液を調製した。
得られた導電性高分子溶液を#8のバーコータによりポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製ルミラーT60、全光線透過率88.5%、ヘイズ3.8%)上に塗布し、100℃、1分間加熱して塗膜を形成した。塗膜の表面抵抗値を、三菱化学社製ハイレスタを用いて測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例8)
複合体溶液Aの代わりに複合体溶液Bを用いたこと以外は実施例7と同様にして塗膜を形成し、その表面抵抗値を測定した。測定結果を表2に示す。
(比較例4)
複合体溶液Aの代わりに複合体溶液Dを用いたこと以外は実施例7と同様にして塗膜を形成し、その表面抵抗値を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 0005507484
(ビスフェノールS−フェノールスルホン酸)ノボラック樹脂ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む実施例7,8の塗膜は、表面抵抗値が低く、高い導電性を有するため、帯電防止膜として充分に使用できるものであった。
これに対し、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂を含む比較例4の塗膜は、表面抵抗値がやや高く、帯電防止膜として使用できるものの、用途によっては不充分な帯電防止性になるおそれがある。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるビスフェノールS単位および下記一般式(2)で表されるフェノールスルホン酸単位を有するノボラック樹脂と、チオフェンまたはその誘導体の重合体とを含有することを特徴とする導電性高分子複合体。
    Figure 0005507484
    (式中、XはH、Li、Na、K、NH(4−Y)のいずれかであり、Yは0から4のいずれかの整数である。Rは、炭素数1から8のいずれかのアルキル基であり、Yが2以上の場合、同一であってもよいし異なってもよい。ビスフェノールS単位およびフェノールスルホン酸単位の芳香環上の水素はメチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。1≦m<10000、1≦n<10000である。)
  2. 下記一般式(1)で表されるビスフェノールS単位および下記一般式(2)で表されるフェノールスルホン酸単位を有するノボラック樹脂の存在下で、チオフェンまたはその誘導体を重合することを特徴とする導電性高分子複合体の製造方法。
    Figure 0005507484
    (式中、XはH、Li、Na、K、NH(4−Y)のいずれかであり、Yは0から4のいずれかの整数である。Rは、炭素数1から8のいずれかのアルキル基であり、Yが2以上の場合、同一であってもよいし異なってもよい。ビスフェノールS単位およびフェノールスルホン酸単位の芳香環上の水素はメチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。1≦m<10000、1≦n<10000である。)
  3. 請求項1に記載の導電性高分子複合体と、1種以上の有機溶剤とを含有することを特徴とする導電性高分子溶液。
  4. 1種以上のアミン化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載の導電性高分子溶液。
  5. 請求項3または4に記載の導電性高分子溶液が塗布されて形成されたことを特徴とする帯電防止膜。
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