JP2010110974A - 葉書、葉書の製造方法及び葉書の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】葉書100は、葉書本体10と添付紙片20の2つのパーツで構成される。このうち葉書本体10は葉書大であり、添付紙片20は略葉書大である。2つのパーツは剥離可能な接着層10c,20cを介して相互に擬似接着され、一体の葉書100として構成されている。このとき、上下一対の短辺と一方の長辺を含む3辺が互いに合致するが、他方の長辺は互いにずれた状態となり、そこにオフセットSが形成されるため、ここを指掛かりとして剥離を容易に行うことができる。また、葉書100の配送後、添付紙片20を剥離させて返信用の葉書として使用したり、略葉書大のカードとして使用することができる。
【選択図】図1
Description
上述した先行技術の隠蔽紙片はあくまで、配送の途中で葉書本体から露出させたくない部分を隠蔽しておくだけのものであり、その目的を果たした後には何らの価値も残らない。したがって、葉書の配送完了後は隠蔽紙片を破棄するよりほかなく、それだけ資源を無駄にすることになる。このため先行技術の隠蔽葉書は、これを使用するたびに廃棄物を増やす原因になることから、近年注目されている環境負荷への配慮に欠けるという問題がある。
また、上述した隠蔽葉書のように、その完成状態で葉書本体にこれとは別体の添付紙片が予め接着されている場合、その製造過程では、葉書本体と添付紙片とを互いに貼り合わせる作業が行われている。この作業を実現するには、例えば先ず葉書本体及び添付紙片それぞれの材料を用意しておき、これら材料に接着剤を塗布した後、互いの接着面同士を貼り合わせた上で両者を擬似接着するという細かな工程が必要となる。
第1に本発明は、完成品としての葉書を提供するものである。本発明の葉書は、第1紙片及び第2紙片を備える。このうち第1紙片は葉書大であって、その縁辺に各一対の長辺及び短辺を有しており、また一方の面が宛名面として形成されている。また第2紙片は略葉書大であって、その縁辺のうちで一対の短辺が第1紙片よりも所定長さだけ短く形成されるとともに、第1紙片の他方の面に擬似接着剤を介して剥離可能に貼り合わせられた状態で、その一対の短辺及び一方の長辺を含む3辺が第1紙片の一対の短辺及び一方の長辺を含む3辺と合致している。
この工程では、互いに一体となるべき葉書本体及び添付紙片の各部位が所定の折り予定線を挟んで幅方向に並んで配列されるとともに、この配列が長手方向に連続して複数に割り付けられた状態で少なくとも葉書本体及び添付紙片の各部位の領域内に剥離可能な接着層が形成された長尺な原料ウェブをその長手方向に連続的に搬送する。なお原料ウェブの搬送工程は、この後の各工程を通じて継続的に行われる。
この工程では、上記(1)の搬送過程の進行に伴い、接着層を有する面を内側にして原料ウェブを折り予定線に沿って二つ折りにし、葉書本体及び添付紙片の各部位を重ね合わせる。このとき、2つのパーツ(葉書本体と添付紙片)となる各部位を細かく位置合わせする作業は不要である。なぜなら、これら両部位は、予め原料ウェブにおいて互いの位置関係を正しく保った状態で折り予定線を挟んだ両側に配列(印刷)されているからである。したがってこの折り工程では、単に機械的に折り予定線で原料ウェブを二つ折りにするだけで、各部位を互いに正しく位置合わせした状態に重ね合わせることができる。
この工程では、先の(3)折り工程で二つ折りにされた状態の原料ウェブを引き続きその長手方向に搬送し、この搬送過程で原料ウェブを厚み方向に加圧することにより、重なり合った葉書本体及び添付紙片の部位同士を接着層を介して擬似接着させる。なおこの段階では、未だ葉書本体及び添付紙片の各部位は二つ折りされた原料ウェブ内に含まれている。
この工程では、擬似接着後の搬送過程で原料ウェブの折り目に沿って幅方向の端部を裁ち落とすことにより、葉書本体及び添付紙片の各部位を互いに別個のものとして二枚重ねの状態にする。この段階で、原料ウェブは二つ折りの状態から二枚重ねの状態に切り離されたことになり、それによって葉書本体及び添付紙片の各部位も別個のものになっている。
そしてこの工程では、裁ち落とし後の原料ウェブを長手方向に連続した配列の割り付け位置ごとに断裁することにより、二枚重ねされた状態の葉書本体及び添付紙片が互いに擬似接着されて一体となった個々の葉書として切り離す。この段階では、既に葉書本体と添付紙片とは完全に表裏で2パーツのものとして別個の(繋がっていない)存在であるが、これらが接着層を介して擬似接着されることにより、互いに一体として1つの葉書を構成する。
上記の接着層形成工程を追加する場合、この工程では、折り予定線を挟んで原料ウェブの幅方向に接着層を二分割して形成することにより、折り予定線に沿って接着層が形成されない折り目領域を合わせて形成する。そして、上記(2)の折り工程では、接着層が形成されていない折り目領域に接触する折り加工治具を用いて原料ウェブを二つ折りにする。またこの場合、上記(4)のスリット工程では、接着層が形成されていない折り目領域を含む端部を裁ち落とすことが好ましい。
この工程では、上記(1)の搬送工程の進行に伴う原料ウェブの搬送過程にて、(2)の折り工程での二つ折り時に内側となる原料ウェブの片面のうち、幅方向でみて葉書本体又は添付紙片のいずれか片方の端縁部となる位置に強接着性の糊剤を線状に塗布(いわゆる線糊塗工)する。
図1は、第1形態の葉書100の構成例を示す分解斜視図である。葉書100は、その完成状態において2つのパーツを擬似接着させた二層構造を有する。すなわち葉書100は、その表面を構成する葉書本体10(第1紙片)及びその裏面に付される添付紙片20(第2紙片)から構成されている。2つのパーツの擬似接着は、剥離可能な糊剤を用いた接着層をそれぞれの貼り合わせ面に形成し、これらを加圧することで実現することができる。あるいは、擬似接着用のシーラントフィルムを2つのパーツにそれぞれ付加し、これらを加熱しながら加圧することで擬似接着を実現することもできる。
葉書本体10の表面は宛名面10aとして構成されており、この宛名面10aには郵便料金(例えば50円)を表す票証や郵便番号の記入枠、そして「郵便はがき」の文字等が印刷されている。図1には示されていないが、葉書本体10の裏面(擬似接着状態でみた内面)には通信文や広告、個人情報等の各種の情報を印刷又は印字することができる。またこの裏面は、添付紙片20が擬似接着される貼り合わせ面10bとして構成されている。
また添付紙片20は、図1でみて裏側に位置する面が表出面20aとして構成されており、また葉書本体10の貼り合わせ面10bに対向する面がもう一つの貼り合わせ面20bとして構成されている。これら表出面20a及び貼り合わせ面20bは、その両方に通信文や広告、個人情報等の各種の情報を印刷又は印字することができるし、あるいは貼り合わせ面20bだけに各種の情報を印刷又は印字し、表出面20aには遮光印刷を施すこともできる。また添付紙片20は、その貼り合わせ面20bを返信用の宛名面として構成することで、これを返信用の葉書として利用することもできる。なお、添付紙片20を返信用の葉書とした形態例については後述する。
図1には添付紙片20についてのみ示されているが、葉書本体10の貼り合わせ面10b及び添付紙片20の貼り合わせ面20bにはそれぞれ、剥離可能な接着層10c,20cが形成されている。葉書100の完成状態では、葉書本体10及び添付紙片20がそれぞれの接着層10c,20cを介して互いに擬似接着されることで、これらが不用意に分離することなく一体となっている。このため葉書100は、2つのパーツで構成されていても、単一の郵便物として配送(配達及び発送)することができる。
また第1形態の葉書100では、葉書本体10と添付紙片20とでそれぞれの幅寸法W1,W2が異なる設定となっている。具体的には、葉書本体10の幅寸法W1よりも添付紙片20の幅寸法W2が短く(例えば0.5〜2mm程度短く)設定されている。このため、これらの一側端縁(図1でみて右側端縁)をぴったり揃えた状態で互いを擬似接着させると、他方の側端縁(図1でみて左側端縁)が互いにずれた状態となり、これらの間にずれ、つまりオフセットSが設けられるものとなっている。このオフセットSは、ユーザが葉書本体10と添付紙片20とを剥離する際に指掛かりとして利用することができる。なお、上記のように葉書本体10と添付紙片20とが擬似接着された状態で、それらの一対の短辺と一方の長辺(図1では線糊層14がある方の長辺)を含む3辺は互いに合致している。
この他に第1形態の葉書100では、例えば葉書本体10及び添付紙片20の一側端縁に沿って線糊層14が形成されている。この線糊層14は、上記の接着層10c,20cと違って強粘着性(強接着性)の糊剤を線状に塗布することで形成されている。なお線糊層14は、葉書本体10の貼り合わせ面10bに塗布されていてもよいし、添付紙片20の貼り合わせ面20bに塗布されていてもよい。いずれにしても、葉書100の完成状態では、この線糊層14の部分で葉書本体10と添付紙片20とが互いに強接着(剥離が容易でない接着)されている。
図2及び図3は、第1形態の葉書100の利用例を連続的に示す斜視図である。なお図中、郵便番号や宛名の図示を省略しているが、ここでは葉書100が郵便物として個人宛に配達された後の利用を想定している。以下、配達後の葉書100の利用例について順を追って説明する。
図4は、葉書100の製造過程を概略的に示す流れ図である。以下、葉書100の製造過程について、各工程の順を追って説明する。また以下の説明において、葉書100の製造装置を実現するための構成を明らかにする。
図4中(A):葉書100は、例えば長尺な原料ウェブWbを用いて連続的に製造されている。原料ウェブWbは、連続紙の幅方向に上記の葉書本体10及び添付紙片20となる予定の各部位が配列されるとともに、この配列が長手方向に連続して割り付けられたものである。このため原料ウェブWbの片面(図4でみて上面)には、上記の貼り合わせ面10b,20bとなる部位が予め印刷されており、その反対側の面には、上記の宛名面10a及び表出面20aとなる部位が予め印刷されている。
図4中(A)に示されているように、原料ウェブWbは製造過程の初期でロールの形態に巻き取られており、このウェブロールWRから長尺な原料ウェブWbが搬送経路に沿って繰り出されている。搬送経路は、例えば図示しない搬送ローラやピンチローラ、ガイドローラ等の機械部品により構成されている。葉書100の製造方法は、長尺な原料ウェブWbを搬送経路に沿って長手方向に搬送しながら以下の各工程を実行することで進行する。
原料ウェブWbの搬送経路上には、糊塗工ローラ30及び支持ローラ32が設置されており、原料ウェブWbはその搬送過程でこれら糊塗工ローラ30と支持ローラ32との間を通過する。このとき糊塗工ローラ30は、原料ウェブWbの搬送に伴いその片面に剥離可能な糊剤を塗布することで、貼り合わせ面10b,20bとなる部位の領域内にそれぞれ接着層10c,20cを形成する。このとき糊塗工ローラ30には、上記のミシン目Mを中心とした一定幅(例えば4mm程度)の非塗工領域が設けられている。このため接着層10c,20cは、ミシン目Mを挟んだ両側で原料ウェブWbの幅方向に二分割して形成され、原料ウェブWbにはミシン目Mに沿って折り目領域(図中符号なし)が形成される。なお糊塗工ローラ30には、糊タンクから転写ローラ(いずれも図示していない)を介して糊剤が供給されており、糊剤は例えば一定の層厚で糊塗工ローラ30の表面に転写される。
また搬送経路上には、例えば糊塗工ローラ30より下流位置に線糊塗工ノズル34が設置されている。この線糊塗工ノズル34は、原料ウェブWbの搬送に伴い、例えば貼り合わせ面10aの一側端縁に沿って強接着性の糊剤を線状に塗布することで、上記の線糊層14を形成する。線糊塗工ノズル34には、例えば図示しない糊タンクから供給ポンプを用いて糊剤が供給されている。なお線糊塗工ノズル34の配置は、糊塗工ローラ30の上流位置であってもよい。
図4中(B):また搬送経路上には、糊塗工ローラ30及び線糊塗工ノズル34の下流位置に折り加工治具36及び折り付けローラ38が搬送方向に離れて設置されている。このうち折り加工治具36は円盤刃形状をなしており、その外周のエッジをミシン目Mに接触させている。原料ウェブWbは折り加工治具36の位置で添付紙片20となる部位が上方へ跳ね上げられ、折り加工治具36の下流位置で全体的に断面V字形状に折り曲げられる。さらに原料ウェブWbは、その搬送に伴い折り曲げ角度を増していき、その下流位置で折り付けローラ38に引き継がれる。このとき、上記のようにミシン目Mの両側には接着層10c,20cが形成されていないので、折り加工治具36に糊剤を付着させることなく折り加工を円滑に行うことができる。
また搬送経路上には、折り加工治具36及び折り付けローラ38より下流位置に加圧ローラ対40が配置されている。二つ折り後の原料ウェブWbは搬送経路上で加圧ローラ対40の間を通過し、ここで厚み方向に強く圧迫される。これにより、重なり合った状態の葉書本体10となる部位と添付紙片20となる部位が接着層10c,20cを介して互いに擬似接着された状態となる。なお、加圧ローラ対40は複数箇所に並べて配置されていてもよい。
図4中(C):さらに搬送経路上には、加圧ローラ対40より下流位置にディスク状のスリッタ42,44が配置されており、これらスリッタ42,44は、それぞれ外周に形成されたカッタ刃を有している。このうち一方のスリッタ42は、折り目に沿って原料ウェブWbの一側端部を裁ち落とす。これにより、原料ウェブWbは折り目部分で切断され、これ以降は葉書本体10となる部位と添付紙片20となる部位とが二枚重ねの状態となる。また他方のスリッタ44は、原料ウェブWbの他側端に沿ってマージン部MGを裁ち落とす。これにより、裁ち落とし後は上記のオフセットSの部分が残されることとなる。
そして搬送経路上には、図示しない断裁機(例えばカッタ胴)が設置されている。この断裁機は、搬送経路の横断方向に延びるカッタ刃で二枚重ねの原料ウェブWbを断裁し、個々の葉書100に切り離す。このときの断裁位置は、長手方向に連続する葉書本体10及び添付紙片20の境界である。これにより、断裁後に葉書本体10と添付紙片20とが擬似接着されて一体となった状態の葉書100を完成させることができる。
図5は、葉書100の製造に用いられる原料ウェブWbの第1形態例を示す部分的な平面図である。この第1形態例では、上記のように原料ウェブWbのマージン部MGに搬送用の穿孔Paが列をなして設けられている。製造装置は、例えば図示しないピントラクタの送りピンをこれら穿孔Paに噛み合わせながら、原料ウェブWbを安定して搬送することができる。なお原料ウェブWbには、幅方向でみてマージン部MGの内側に上記のオフセットSとなる部位が確保されている。
図6は、糊接着層形成工程及び線糊工程を経た後の原料ウェブWbの状態を示す断面図(図4中のVI−VI断面)である。上記のように接着層10c,20cは、ミシン目M(折り目領域)を避けて葉書本体10及び添付紙片20となる各部位の領域に形成されている。これにより、上記のように折り加工治具36に糊剤を付着させることなく折り加工を円滑に進行させることができる。
図7は、擬似接着工程を経た後の原料ウェブWbの状態を示す断面図(図4中のVII−VII断面)である。この段階では、原料ウェブWbの折り加工に伴い、葉書本体10となる部位の上に添付紙片20となる部位が重ね合わせられている。また、擬似接着工程を経て各接着層10c,20cが相互に密着し、これらが葉書本体10となる部位と添付紙片20となる部位とを互いに擬似接着させている。また線糊層14は、両部位をその一側端縁部にて強接着させている。
図8は、スリット工程及び断裁工程を経た葉書100の完成状態を示す断面図(図4中のVIII−VIII断面)である。上記のように完成状態では、葉書本体10と添付紙片20とが接着層10c,20cを介して擬似接着され、これらは一体となっている。また葉書本体10と添付紙片20とは、葉書100の一側縁部にて線糊層14により強接着されており、他方の側縁部にはオフセットSが形成されている。
図9は、原料ウェブWbの第2形態例を示す部分的な平面図である。この第2形態例では、原料ウェブWbの一側縁部だけでなく、ミシン目Mを中心とした折り目領域にも中央マージン部MGCを設けている。この中央マージン部MGCには、ミシン目Mを中心として幅方向で対称位置に搬送用の穿孔Paが2列をなして設けられている。なお第2形態例では、中央マージン部MGCを設けた分、原料ウェブWbの幅寸法は延長されている。
次に図10は、第2形態の葉書200の構成例を示す分解斜視図である。第2形態の葉書200もまた、その完成状態において2つのパーツを擬似接着させた二層構造であり、第1形態と同様の各パーツ(葉書本体10及び添付紙片20)を有する。ただし第2形態の葉書200は、葉書本体10と添付紙片20とが接着層10c,20cだけで擬似接着されており、上記の線糊層14は設けられていない。
また第2形態の葉書200は、例えば葉書本体10の宛名面10aの一部(ここでは下部)に隠蔽シール12が貼付されるものとなっている。この隠蔽シール12は、例えば遮光性を有する材料(アルミ蒸着シート等)や遮光印刷を施された紙片で構成されており、再剥離及び再貼付が可能な接着層を介して宛名面10aに貼り付けられている。このような隠蔽シール12は、例えば添付紙片20を返信用の葉書として利用する場合、そこに何らかの個人情報(氏名、住所、電話番号等)を記入したところを覆い隠すために再貼付することができるものである。
図11及び図12は、第2形態の葉書200の利用例(配達後)を連続的に示す斜視図である。なお以下の説明では、第1形態と同じ構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。以下、配達後の葉書200の利用例について順を追って説明する。
また第2形態の葉書200では、添付紙片20を返信用の葉書として使用する際、返信時の差出人(ユーザ)の個人情報を記入することができる。このため添付紙片20の貼り合わせ面20bには、例えは上下方向でみた下半分の位置に情報記入欄IFが予め設けられている。この情報記入欄IFには、例えば返信時差出人の住所、氏名、電話番号等を記入することができる。
図12に示されているように、個人情報を記入したユーザは、葉書本体10の宛名面10aに貼付されていた隠蔽シール12を再剥離し、これを添付紙片20の情報記入欄IFの上に再貼付することができる。なお隠蔽シール12は、予め情報記入欄IFの全体を覆い隠すことができるだけの大きさに形成されている。このようにして隠蔽シール12を使用することにより、ユーザは自己の個人情報を記入したとしても、これを外見上で表出させることなく添付紙片20を返信用の葉書として使用することができる。
第2形態の葉書200もまた、上述した製造方法を用いて製造することができる。ただし、ここでは線糊層を形成する必要がないことから、製造装置において搬送経路上に線糊塗工ノズル34を設ける必要はない。また隠蔽シール12は、原料ウェブWbの搬送過程で図示しない貼付機により貼り付けてもよいし、あるいは、個々の葉書200に断裁された後の工程で貼り付けてもよい。
図13は、第3形態の葉書300の構成例を示す分解斜視図である。第3形態の葉書300もまた、その完成状態において2つのパーツを擬似接着させた二層構造であり、第1,第2形態と同様の各パーツ(葉書本体10及び添付紙片20)を有する。ただし第3形態の葉書300は、以下の点で第1,第2形態と異なる。
図14及び図15は、第3形態の葉書300の利用例(配達後)を連続的に示す斜視図である。以下の説明においても、第1,第2形態と同じ構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略するものとする。
第3形態の葉書300もまた、上述した製造方法を用いて製造することができる。ただし、ここでは添付紙片20に別のミシン目Mが追加されているため、予め原料ウェブWbの添付紙片20となる部位にミシン目Mを形成しておくか、もしくは搬送過程で添付紙片20に別のミシン目Mを形成する機械を設置する必要がある。なお、ここでは添付紙片20の方にミシン目Mを形成した例を示しているが、ミシン目Mは葉書本体10の方に形成されていてもよいし、両方に形成されていてもよい。
第1〜第3形態において、葉書100,200,300の各宛名面10aや貼り合わせ面10b,20c、表出面20aに印刷(印字)する情報の内容は特に制約されておらず、各種の使用目的に応じて適宜の情報を印刷(印字)することができる。
10a 宛名面
10b 貼り合わせ面
10c 接着層
12 隠蔽シール
14 線糊層
20 添付紙片
20a 表出面
20b 貼り合わせ面
20c 接着層
30 糊塗工ローラ
34 線糊塗工ノズル
36 折り加工治具
38 折り付けローラ
40 加圧ローラ対
42 スリッタ
100 葉書(第1形態)
200 葉書(第2形態)
300 葉書(第3形態)
Wb 原料ウェブ
M ミシン目
S オフセット
Claims (14)
- 縁辺に各一対の長辺及び短辺を有し、一方の面が宛名面として形成された葉書大の第1紙片と、
縁辺のうちで一対の短辺が前記第1紙片よりも所定長さだけ短く形成されるとともに、前記第1紙片の他方の面に擬似接着剤を介して剥離可能に貼り合わせられた状態で、その一対の短辺及び一方の長辺を含む3辺が前記第1紙片の一対の短辺及び一方の長辺を含む3辺と合致する略葉書大の第2紙片と
を備えた葉書。 - 請求項1に記載の葉書において、
前記第1紙片と前記第2紙片との貼り合わせ状態で互いに合致しない他方の長辺同士の間に前記所定長さ分の幅で確保され、前記第1紙片と前記第2紙片との剥離を容易化するための剥離補助領域をさらに備えた葉書。 - 請求項1又は2に記載の葉書において、
前記第1紙片と前記第2紙片との貼り合わせ面のうち、互いに合致する一方の長辺に沿って線状に設けられ、前記第1紙片と前記第2紙片とを剥離不能に接着する強粘着剤層をさらに備えた葉書。 - 請求項3に記載の葉書において、
前記第1紙片と前記第2紙片の少なくとも一方に設けられ、前記強粘着剤層に沿ってその内側を一対の短辺間にわたって延びるミシン目をさらに備えた葉書。 - 請求項1又は2に記載の葉書において、
前記第2紙片は、前記第1紙片との貼り合わせ面に返信用の宛名面を有しており、
前記第1紙片と前記第2紙片とを貼り合わせた状態で往信用の郵便葉書として使用後、前記第1紙片から剥離した前記第2紙片をさらに返信用の郵便葉書として使用可能であることを特徴とする葉書。 - 請求項5に記載の葉書において、
前記第1紙片には、
前記宛名面のうち、往信時の宛名情報を隠蔽しない位置に再剥離及び再貼付可能な状態で隠蔽シールが付されており、
前記第2紙片には、
前記宛名面と反対側の通信面に、前記第1紙片から剥離した状態で返信用の郵便葉書としての使用時に秘密情報が記入される情報記入欄が設けられており、
前記隠蔽シールは、
前記第1紙片からの剥離後、前記第2紙片の前記通信面に貼付された状態で前記情報記入欄を隠蔽可能な大きさを有することを特徴とする葉書。 - 表側に宛名面を有する葉書本体と、この葉書本体の裏面に剥離可能な接着層を介して擬似接着された添付紙片とを有し、これら葉書本体及び添付紙片が互いに一体となった状態で単一の郵便物として配送可能な葉書の製造方法であって、
互いに一体となるべき前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位が所定の折り予定線を挟んで幅方向に並んで配列されるとともに、この配列が長手方向に連続して複数に割り付けられた状態で少なくとも前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位の領域内に剥離可能な接着層が形成された長尺な原料ウェブをその長手方向に連続的に搬送する搬送工程と、
前記搬送過程の進行に伴い、前記接着層を有する面を内側にして前記原料ウェブを前記折り予定線に沿って二つ折りにし、前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位を重ね合わせる折り工程と、
二つ折りにされた状態の前記原料ウェブを引き続きその長手方向に搬送し、この搬送過程で前記原料ウェブを厚み方向に加圧することにより、重なり合った前記葉書本体及び前記添付紙片の部位同士を前記接着層を介して擬似接着させる擬似接着工程と、
前記擬似接着後の搬送過程で前記原料ウェブの折り目に沿って幅方向の端部を裁ち落とすことにより、前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位を互いに別個のものとして二枚重ねの状態にするスリット工程と、
前記裁ち落とし後の前記原料ウェブを長手方向に連続した前記配列の割り付け位置ごとに断裁することにより、二枚重ねされた状態の前記葉書本体及び前記添付紙片が互いに擬似接着されて一体となった個々の葉書として切り離す断裁工程と
を含む葉書の製造方法。 - 請求項7に記載の葉書の製造方法において、
前記接着層は、前記原料ウェブの片面のうち少なくとも前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位の領域内に予め形成されていることを特徴とする葉書の製造方法。 - 請求項7に記載の葉書の製造方法において、
前記折り工程に先立ち、前記搬送工程の進行に伴う前記原料ウェブの搬送過程で少なくとも前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位の領域内に剥離可能な接着層を形成する接着層形成工程をさらに含む葉書の製造方法。 - 請求項9に記載の葉書の製造方法において、
前記接着層形成工程では、
前記折り予定線を挟んで前記原料ウェブの幅方向に前記接着層を二分割して形成することにより、前記折り予定線に沿って前記接着層が形成されない折り目領域を合わせて形成し、
前記折り工程では、
前記折り目領域に接触する折り加工治具を用いて前記原料ウェブを二つ折りにすることを特徴とする葉書の製造方法。 - 請求項7から10のいずれかに記載の葉書の製造方法において、
前記折り工程では、
前記原料ウェブの幅方向でみてその中央位置から一方にずれたオフセット位置に前記折り予定線があるものとして前記原料ウェブを二つ折りにすることにより、その折り目と反対側に位置する前記葉書本体の端縁と前記添付紙片の端縁とを互いにずらした状態で前記各部位を重ね合わせることを特徴とする葉書の製造方法。 - 請求項7から11のいずれかに記載の葉書の製造方法において、
前記搬送工程の進行に伴う前記原料ウェブの搬送過程にて、前記折り工程での二つ折り時に内側となる前記原料ウェブの片面のうち、幅方向でみて前記葉書本体又は前記添付紙片のいずれか片方の端縁部となる位置に強接着性の糊剤を線状に塗布する線糊工程をさらに含み、
前記擬似接着工程では、
前記線状に塗布された糊剤により前記葉書本体及び前記添付紙片の部位同士を互いの縁部にて強接着させることを特徴とする葉書の製造方法。 - 表側に宛名面を有する葉書本体と、この葉書本体の裏面に剥離可能な接着層を介して擬似接着された添付紙片とを有し、これら葉書本体及び添付紙片が互いに一体となった状態で単一の郵便物として配送可能な葉書の製造装置であって、
互いに一体となるべき前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位が所定の折り予定線を挟んで幅方向に並んで配列されるとともに、この配列が長手方向に連続して複数に割り付けられた状態で少なくとも前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位の領域内に剥離可能な接着層が形成された長尺な原料ウェブがその長手方向に連続的に搬送される搬送経路と、
前記搬送経路上に設けられ、前記原料ウェブの搬送に伴い前記接着層が形成された面を内側にして前記原料ウェブを前記折り予定線に沿って二つ折りにし、前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位を重ね合わせる折り加工部と、
前記搬送経路上の前記折り加工部より下流位置に設けられ、二つ折りにされた状態の前記原料ウェブが引き続き前記搬送経路上をその長手方向に搬送される過程で前記原料ウェブを厚み方向に加圧することにより、重なり合った前記葉書本体及び前記添付紙片の部位同士を前記接着層を介して擬似接着させる擬似接着部と、
前記搬送経路上の前記擬似接着部より下流位置に設けられ、前記擬似接着後の搬送過程で前記原料ウェブの折り目に沿って幅方向の端部を裁ち落とすことにより、前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位を互いに別個のものとして二枚重ねの状態にするスリット部と、
前記搬送経路上の前記スリット部より下流位置に設けられ、前記裁ち落とし後の前記原料ウェブを長手方向に連続した前記配列の割り付け位置ごとに断裁することにより、二枚重ねされた状態の前記葉書本体及び前記添付紙片が互いに擬似接着されて一体となった個々の葉書として切り離す断裁部と
を備えた葉書の製造装置。 - 請求項13に記載の葉書の製造装置において、
前記搬送経路上の前記折り加工部より上流位置に設けられ、前記原料ウェブの搬送過程でその片面に糊剤を塗布することにより、少なくとも前記葉書本体及び前記添付紙片の各部位の領域内に剥離可能な接着層を形成する接着層形成部をさらに備えた葉書の製造装置。
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