JP2010101353A - スプラインを用いた圧入構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】外歯スプラインが内歯スプラインに圧入される圧入構造において、両スプラインの圧入の精度を高める。
【解決手段】外歯スプラインの歯先面17の両スプラインの嵌合の際に最初に嵌合される先端面17b側に、進むにつれて高さが次第に減少するように緩く傾斜した歯先嵌合案内面17aを形成し、さらに外歯スプラインの歯面16の先端面側に、進むにつれて歯幅が次第に減少するように緩く傾斜した歯面嵌合案内面16aを形成し、この歯面嵌合案内面の後端位置を歯先嵌合案内面の後端位置よりも先端面側に位置させる。内歯スプライン26の歯面は台形の側辺により形成される先端側平面部とその根本側に続く長方形の側辺により形成される根本側平面部よりなるものとし、先端側平面部と根本側平面部の間に形成される稜線を外歯スプラインの歯面に圧入するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、外歯スプラインが内歯スプラインに圧入されるように嵌合したスプラインを用いた圧入構造に関する。
この種のスプラインを用いた圧入構造としては、例えば特許文献1(特開平11−108070号公報)に開示された技術がある。この技術は、孔の内周に複数の内歯が形成されたリングと、孔の内部に配置され、かつ、複数の内歯に噛合する複数の外歯が形成されたスプライン軸とを備えた軸部材の圧入構造に関するものであり、複数の外歯のいずれかの歯先面と、内歯の歯底面とを当接して相互に塑性変形させた第1圧入部と、第1圧入部が形成される外歯以外の外歯の歯面と、内歯の歯面とを当接して相互に塑性変形させた第2圧入部とを備えたものである。またその実施形態では、外歯の歯面がインボリュート曲線状に成形されている一方、内歯の歯面がほぼ直線状に成形されている構造が開示されており、そのような構造によれば、両スプラインの歯面は両スプラインと同軸的に配置された円筒面上において互いに当接される。
特開平11−108070号公報(段落〔0011〕〜〔0013〕、段落〔0017〕、図1〜図6)。
この特許文献1の技術によれば、単一の歯溝に臨む箇所に第1圧入部および第2圧入部が両方共形成されることなく、第1軸部材の円周方向に分散して形成されており、第1軸部材の孔に第2軸部材を嵌合する場合に第1軸部材の孔の内周側が塑性変形するが、孔の円周方向における局部的な応力の集中が緩和されるので、内歯の強度や耐久性が向上し、また、孔の円周方向における局部的な応力の集中が緩和されるため、第1軸部材の外周形状の変形が抑制され、外周形状の精度が維持される。しかしながら、外歯及び/または内歯の形状が複数種類となるので生産性の向上に難が生じるという問題がある。
このような問題を解決する手段として、図4,図10〜図15に示すような構造の比較例が考えられる。これは図15に示すように、第1のギヤ1aを有する回転軸1の外周に形成した外歯スプライン5が、第2のギヤ20aを有するギヤピース20の内周に形成した内歯スプライン25に圧入されるように嵌合するものであり、外歯スプライン5と内歯スプライン25の各歯の形状寸法はそれぞれ同一である。この技術では、図4,図10〜図12に示すように、回転軸1とギヤピース20が互いに圧入され、この両部材1,20が同軸的に結合されるように、外歯スプライン5の歯先面7が内歯スプライン25の歯底面28に圧入され、この圧入の際に最初に嵌合される外歯スプライン5の先端面7b側に、同先端面7bに向かって進むにつれて高さが次第に減少するように緩く傾斜した歯先嵌合案内面7aが形成されている。外歯スプライン5と内歯スプライン25の各歯形はそれぞれインボリュート及び台形であり、前者の両側の歯面6と後者の両側の歯面26の幅方向中間部は両スプライン5,25と同軸的に配置された仮想的な円筒面S上において円周方向に締め代をもって互いに当接されるようになっている。
圧入に際しては、内歯スプライン25を有するギヤピース20は、図10、図13及び図14の白抜き矢印に示すように、外歯スプライン5を有する回転軸1に向かって移動されるが、圧入装置にセットされる回転軸1とギヤピース20のセット位置には中心のずれ及び円周方向の誤差がまぬがれず、また各スプライン5,25の各歯の歯厚及び円周方向ピッチにも多少の製作誤差があるので、両スプライン5,26の各歯面6,26が互いに当接する二点鎖線6L,26Lを通る円筒面S上における重なり量d1,d2(図14参照)は相当にばらついた値となる。
圧入の際に回転軸1に向かって移動されるギヤピース20は、図10の二点鎖線20Xの位置において、その内歯スプライン25の先端面27aが回転軸1の外歯スプライン5の先端面7bに当接し、その状態では図14からわかるように、先端面27aと先端面7bはほゞ真正面からぶつかり合う。重なり量d1(またはd2)が小さい部分では各スプライン5,25はそれぞれの先端面7b,27aの両側の稜9,29が局部的に塑性変形して各歯面6,26が互いに圧入されその変形抵抗はその値も変動も比較的小さいが、重なり量d1(またはd2)が大きい部分では塑性変形しきれずに各歯面6,26には稜線9,29の部分からむしれを生じるのでその変形抵抗はその値も変動も大きく不規則になる。このため、圧入中に回転軸1とギヤピース20の各中心軸線の同軸度が低下し、また各中心軸線の間に傾きを生じる。
また、両スプライン5,25の先端面7b,27aが当接する二点鎖線20Xの位置では内歯スプライン25の歯底面28の先端部は外歯スプライン5の歯先案内面7aから離れており、内歯スプライン25の歯面26が外歯スプライン5の歯面6に相当程度圧入されてから、内歯スプライン25の歯底面28に外歯スプライン5の歯先面7が同軸的となるように圧入されるが、その時点では外歯スプライン5と内歯スプライン25の各歯面6,26は中心軸線の同軸度と中心軸線の間の傾きに誤差が生じた状態で相当な長さにわたり圧入されているので、それらの間の誤差を両スプライン5,25の歯底面28,7の圧入により完全に修正することはできず、このため圧入された回転軸1とギヤピース20の各中心軸線の同軸度が低下し、また各中心軸線の間に傾きを生じるという問題がある。本発明はこのような各問題を解決して圧入の精度を高めるることを目的とする。
このために、本発明によるスプラインを用いた圧入構造は、第1部材の外周に形成した外歯スプラインを、第2部材の内周に形成した内歯スプラインに、外歯スプラインの歯先面が内歯スプラインの歯底面に圧入されるように嵌合し、外歯スプラインの歯面と内歯スプラインの歯面は、両スプラインと同軸的に配置された円筒面上において円周方向に締め代をもって互いに当接され円周方向に塑性変形されて圧入され、外歯スプラインの歯先面には、両スプラインの嵌合の際に最初に嵌合される外歯スプラインの先端面側に、同先端面に向かって進むにつれて高さが次第に減少するように緩く傾斜した歯先嵌合案内面を形成したスプラインを用いた圧入構造において、外歯スプラインの歯面の先端面側に、同先端面に向かって進むにつれて歯幅が次第に減少するように緩く傾斜した歯面嵌合案内面を形成し、この歯面嵌合案内面の後端位置を歯先嵌合案内面の後端位置よりも先端面側に位置させたことを特徴とするものである。
前項に記載のスプラインを用いた圧入構造において、内歯スプラインの歯面は平面とし、外歯スプラインの歯面は上記円筒面上において内歯スプラインの歯面と締め代をもって当接され塑性変形されて圧入される湾曲面とすることが好ましい。
前々項に記載のスプラインを用いた圧入構造において、内歯スプラインの歯面は台形の側辺により形成される先端側平面部とその根本側に続く傾斜角が台形より大きい第2の台形または長方形の側辺により形成される根本側平面部よりなるものとし、先端側平面部と根本側平面部の間の稜線が上記円筒面上において歯面と締め代をもって当接され塑性変形されて圧入されることが好ましい。
前2項に記載のスプラインを用いた圧入構造において、外歯スプラインの歯面はインボリュート面とすることが好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、外歯スプラインの歯先面には、両スプラインの嵌合の際に最初に嵌合される外歯スプラインの先端面側に、同先端面に向かって進むにつれて高さが次第に減少するように緩く傾斜した歯先嵌合案内面を形成し、外歯スプラインの歯面には、先端面側に、同先端面に向かって進むにつれて歯幅が次第に減少するように緩く傾斜した歯面嵌合案内面を形成し、この歯面嵌合案内面の後端位置を歯先嵌合案内面の後端位置よりも先端面側に位置させたので、圧入のために第1部材に向かって移動される第2部材は、先ずその内歯スプラインの各歯の先端面の両側の各稜線の一部が、両スプラインと同軸的に配置された仮想的な円筒面上において第1部材の外歯スプラインの両側の歯面の先端面側となる各歯面嵌合案内面の一部に緩い角度で斜めに当接され、この各稜線が滑りながら外歯スプラインの先端面側の歯面嵌合案内面の間に入り込むことにより、両スプラインが相対回動されて各歯面の当接位置付近における円周方向の各重なり量がほゞ均一となるように中心位置及び角度が自動的に修正され、それらの間の中心のずれ及び円周方向の誤差は減少される。この状態で両スプラインは当接部が局部的に塑性変形して各歯面が互いに圧入されされるので、その塑性変形抵抗はその値も変動も小さく安定したものとなり、この圧入の際に各部材の各中心軸線の同軸度が低下したり、各中心軸線の間に傾きを生じたりすることは少なくなる。この圧入が相当進行してから内歯スプラインの歯底面が第1部材の外歯スプラインの歯先面に圧入されるが、そのときの上記塑性変形抵抗はその値も変動も小さく安定しているので、この圧入により両部材の各中心軸線の同軸度及び各中心軸線の間の傾きの誤差は一層減少し、圧入の精度が高い2つの部材の圧入構造が得られる。
内歯スプラインの歯面は平面とし、外歯スプラインの歯面は上記円筒面上において内歯スプラインの歯面と締め代をもって当接し塑性変形されて圧入される湾曲面とした請求項2の発明によれば、両歯面の間の当接部の幅が広くなるのでトルク伝達能力が大きくなる。
内歯スプラインの歯面は台形の側辺により形成される先端側平面部とその根本側に続く傾斜角が台形より大きい第2の台形または長方形の側辺により形成される根本側平面部よりなるものとし、先端側平面部と根本側平面部の間の稜線が上記円筒面上において歯面と締め代をもって当接し塑性変形されて圧入されるようにした請求項3の発明によれば、内歯スプラインの歯面はその稜線が外歯スプラインの歯面に圧入され、両歯面の間の圧入部の幅が狭くなるので、圧入に要する力は小さくなる。しかし根本側平面部は両スプラインの中心から半径方向に延びる平面に対する傾斜角が小さくなるので、トルクの伝達能力の低下は少なくなる。従って、圧入に要する力は小さいにもかかわらず、トルクの伝達能力が大きい2つの部材の圧入構造を得ることができる。
外歯スプラインの歯面はインボリュート面とした請求項4の発明によれば、高精度の外歯スプラインを低いコストで得ることができる。
先ず図1〜図6及び図15により本発明によるスプラインを用いた圧入構造の第1の実施形態の説明をする。この第1実施形態は、本発明によるスプラインを用いた圧入構造を、図15に示すように、第1のギヤ10aを有する回転軸(第1部材)10に第2のギヤ20aを有するギヤピース(第2部材)20を結合するのに適用したものであり、回転軸10の外周に形成した外歯スプライン15は、ギヤピース20の内周に形成した内歯スプライン25に圧入されている。この第1実施形態は、内歯スプライン25を含むギヤピース20は前述した比較例と実質的に同一であり、回転軸10の外歯スプライン15だけが比較例の外歯スプライン5と異なっている。
外歯スプライン15は回転軸10の外周に等角度間隔で形成されて軸線方向に延びる多数の同一形状寸法のスプライン歯を有しており、各スプライン歯は図3に最もよく示すように、円周方向両側のインボリュート形状の各歯面16と、各歯面16の上縁と下縁をそれぞれ連結する歯先面17及び歯底面18を有している。外歯スプライン15の各歯面16には、図3において左下側となる先端側の両側に、先端側に向かって進むにつれて歯幅が次第に減少するように緩く傾斜した歯面嵌合案内面16aが形成されている。また外歯スプライン15の歯先面17には、先端側に向かって進むにつれて高さが次第に減少するように緩く傾斜した歯先嵌合案内面17aが形成され、その先端には急傾斜の先端面17bが連続して形成されている。歯面嵌合案内面16aの後端位置は歯先嵌合案内面17aの後端位置よりも先端面17b側に位置されている。外歯スプライン15の後端側には先端面17bと同様な急傾斜の後端面が形成されている。歯先面17及び歯底面18は回転軸10の中心線を中心とする円弧面の一部である。
内歯スプライン25はギヤピース20の内周に等角度間隔で形成されて軸線方向に延びる多数の同一形状寸法のスプライン歯を有しており、各スプライン歯は主として図2及び図4に示すように、台形の両側辺からなる円周方向両側の平面状の各歯面26と、各歯面26の上縁と下縁をそれぞれ連結する歯先面27及び歯底面28を有している。図4において右下側となる内歯スプライン25の先端には急傾斜の先端面27aが形成され、その傾斜角は外歯スプライン15の先端面17bの傾斜角よりも多少大である。内歯スプライン25の先端面27aと反対側には同様な急傾斜の後端面が形成されている。歯先面27及び歯底面28はギヤピース20の中心線を中心とする円弧面の一部である。
外歯スプライン15の歯先面17の外径と内歯スプライン25の歯底面28の内径は、図2に示すように嵌合された状態では、互いに圧入されるように寸法が設定されている。また外歯スプライン15の歯底面18の外径と内歯スプライン25の内径は、この嵌合状態では、相当な隙間が形成されるように寸法が設定されている。また外歯スプライン15の歯面嵌合案内面16aが形成されていない部分の歯面16と内歯スプライン25の歯面26は、この嵌合状態では、両スプライン15,25と同軸的に配置された仮想的円筒面S上に位置する各スプライン15,25の歯筋方向に沿った仮想的直線16L,26L上において、円周方向に締め代をもって互いに当接され円周方向に塑性変形されて圧入されるように寸法が設定されている。この円筒面Sは、外歯スプライン15の各歯先面17により形成される円筒面と内歯スプライン25の各歯先面27により形成される円筒面の間に位置している。
円筒面S上おける外歯スプライン15の歯厚は、歯面嵌合案内面16aが形成されていない部分では一定であるが、歯面嵌合案内面16aが形成された部分では先端面17b側に進むにつれて次第に減少している。これにより先端面17bにおける円筒面Sに沿った外歯スプライン15の歯厚は、歯面嵌合案内面16aが形成されていない部分の円筒面Sに沿った歯厚よりも小さくなり、従って内歯スプライン25の互いに向かい合う歯面26の間の谷部の円筒面Sに沿った幅よりも小さくなっている。
圧入の際には、図1,図5及び図6に示すように、ギヤピース20及び回転軸10は内歯スプライン25の先端面27aと外歯スプライン15の先端面17bの間の谷部が向かい合うように圧入装置にセットされ、白抜き矢印に示すように内歯スプライン25が外歯スプライン15に向かって前進されて嵌合される。前述のように、圧入装置にセットされる回転軸10とギヤピース20のセット位置には中心のずれ及び円周方向の誤差がまぬがれず、また各スプライン15,25の各歯の歯厚及び円周方向ピッチにも多少の製作誤差があるので、嵌合される前の状態では、円筒面S上における各スプライン15,25の間の重なり量d1,d2(図6参照)は相当にばらついた値となっている。
ギヤピース20が回転軸10に向かって前進されて、図1の二点鎖線20Xで示す位置となった状態では、内歯スプライン25の歯先面27の延長面と歯面16の先端面17bの延長面は、円筒面Sの位置において交差する。前述のように、先端面17bにおける外歯スプライン15の円筒面Sに沿った歯厚は、内歯スプライン25の歯面26の間の谷部の円筒面Sに沿った幅よりも小さいので、内歯スプライン25が二点鎖線25Xを多少越えた位置では、図6より明らかなように、先端面17b付近における外歯スプライン15の歯面嵌合案内面16aと、内歯スプライン25の先端面27aの両側の稜線29との間には、多少の隙間が存在する。またこの位置では、図1の二点鎖線20Xに示すように、外歯スプライン15の先端面17b付近における歯先嵌合案内面17aと、内歯スプライン25の先端面27a付近における歯底面28との間にも、多少の隙間が存在する。
この二点鎖線20X,25Xを多少越えた位置から、ギヤピース20がさらに前進されれば、これらの隙間は次第に減少され、先ずその内歯スプライン25の先端面27aの両側の稜線29の何れか1つの円筒面S付近となる一部が、回転軸10の外歯スプライン15の歯面16の1つの先端面17b側となる各歯面嵌合案内面16aの円筒面S付近となる一部に緩い角度で斜めに当接され、この稜線29が滑りながら外歯スプライン15の先端面17b側の歯面嵌合案内面16aと係合して歯面16が歯面26の間に入り込むことにより両部材10,20は相対回動される。この相対回動により残る稜線29も順次対応する歯面嵌合案内面16aに当接され、これにより両スプライン15,25は各歯面16,26の当接位置付近における円周方向の各重なり量d1,d2がほゞ均一となるように中心位置及び角度が自動的に修正される。次いで内歯スプライン25の歯面26の先端部は外歯スプライン15の歯面嵌合案内面16aの途中から歯面16と当接され、両歯面16,26は当接部が局部的に塑性変形して互いに圧入されされる。
内歯スプライン25の歯面26と外歯スプライン15の歯面16の圧入が開始されるのと前後して、内歯スプライン25の歯底面28の先端部は外歯スプライン15の歯先面17の歯先嵌合案内面17aの途中に当接されて圧入が開始されされる。なおこれらの圧入が完了した状態では、各歯面嵌合案内面16aとこれに対応する内歯スプライン25の各歯面26の間、及び歯先嵌合案内面17aとこれに対応する歯底面28の間には、先端面17b側に進むにつれて次第に増大する鋭いくさび形の隙間が形成されている。
上述した第1実施形態によれば、両スプライン15,25は、先ず各歯面16,26の当接位置付近における円周方向の各重なり量d1,d2がほゞ均一となるように中心位置及び角度が自動的に修正されるので、両スプライン15,25の間の中心のずれ及び円周方向の誤差は減少される。次いで内歯スプライン25の歯面26と外歯スプライン15の歯面16の歯面嵌合案内面16aが形成されていない部分は、当接部が局部的に塑性変形して互いに圧入されされるが、両スプライン15,25の各歯面16,26の円筒面S上付近における円周方向の各重なり量d1,d2がほゞ均一となっているので、その塑性変形抵抗はその値も変動も小さく安定したものとなり、この圧入の際に各部材10,20の各中心軸線の同軸度が低下したり、各中心軸線の間に傾きを生じたりすることは少ない。
そして、このように両スプライン15,25は各歯面16,26の間の塑性変形抵抗が変動も小さく安定し、各部材10,20の各中心軸線の同軸度が低下したり、各中心軸線の間に傾きを生じたりすることが少ない状態で、外歯スプライン15の歯先面17が内歯スプライン25の歯底面28に圧入されるので、両部材10,20の各中心軸線の同軸度及び各中心軸線の間の傾きの誤差は一層減少される。従って圧入の精度が高い2つの部材の圧入構造が得られる。
またこの第1実施形態によれば、内歯スプライン25の歯面26は台形の両側辺からなる平面とし、外歯スプライン15の歯面16は円筒面S上において内歯スプライン25の歯面26と締め代をもって当接し塑性変形されて圧入されるインボリュート面としており、このようにすれば両歯面15,16の間の当接部の幅を広くすることができるのでトルク伝達能力を大きくすることができる。
なお、上述した第1実施形態では、回転軸10の外歯スプライン15とギヤピース20の内歯スプライン25は、何れも全ての歯形がそれぞれ同一であるので、生産性がよいものが得られる。
次に図7〜図9に示す第2実施形態の説明をする。この第2実施形態は、ギヤピース(第2部材)20Aの内歯スプライン25Aだけが第1実施形態の内歯スプライン25と異なっており、回転軸(第1部材)10の外歯スプライン15は第1実施形態のものと同一であるので、主としてこの相違部分についてのみ説明する。
内歯スプライン25Aは、第1実施形態の内歯スプライン25と同様、ギヤピース20Aの内周に等角度間隔で形成されて軸線方向に延びる多数の同一形状寸法のスプライン歯を有しており、各スプライン歯は主として図8及び図9に示すように、円周方向両側の各歯面26Aと、各歯面26Aの上縁と下縁をそれぞれ連結する第1実施形態と実質的に同様な歯先面27及び歯底面28を有している。各歯面26Aは、台形の側辺により形成される先端側平面部26Aaと、その根本側に続く横長の長方形の側辺により形成される根本側平面部26Abよりなり、この両平面部26Aa,26Abの間には稜線26Acが形成されている点が第1実施形態の各歯面26と異なっている。この各稜線26Acは、第1実施形態と同様の両スプライン15,25Aと同軸的に配置された仮想的円筒面S上に位置している。なおこの第2実施形態の歯面26Aの根本側平面部26Abは、長方形の側辺の代わりに、先端側平面部26Aaの傾斜角より大きい傾斜角の側辺を両側に有する第2の台形の側辺により形成し、先端側平面部26Aaとの間に稜線26Acを形成するようにしてもよい。この第2実施形態の内歯スプライン25Aは、歯面26Aの形状が歯面26と異なるのを除き、第1実施形態の内歯スプライン25と実質的に同じである。
圧入の際には、第1実施形態の場合と同様にしてギヤピース20A及び回転軸10は圧入装置にセットされ、内歯スプライン25Aが外歯スプライン15に向かって前進されて嵌合される。この場合も内歯スプライン25Aが外歯スプライン15に向かって前進されて二点鎖線20Xの位置を越えれば、前述と同様、先端面17b付近における外歯スプライン15の歯面嵌合案内面16a及び歯先嵌合案内面17aと内歯スプライン25Aの稜線26Acの先端と歯底面28とは、それらの間の隙間が次第に減少され、次いで当接されて両部材10,20Aは相対回動され、両スプライン15,25は円筒面S上となる歯面16と稜線26Acの当接位置付近における円周方向の各重なり量d1,d2がほゞ均一となるように中心位置及び角度が自動的に修正される。次いで内歯スプライン25Aの稜線26Acは外歯スプライン15の歯面16の歯面嵌合案内面16aから歯面16に嵌合され、歯面16と稜線26Acは当接部が局部的に塑性変形して互いに圧入されされる。この第2実施形態でも、内歯スプライン25Aの歯面26Aが外歯スプライン15の歯面16と嵌合されるのと前後して、外歯スプライン15の歯先面17が内歯スプライン25Aの歯底面28に圧入される。
この第2実施形態でも、前述した第1実施形態と同様、両スプライン15,25Aは、先ず歯面16と稜線26Acの当接位置付近における円周方向の各重なり量d1,d2がほゞ均一となるように中心位置及び角度が自動的に修正されて、両スプライン15,25Aの間の中心のずれ及び円周方向の誤差は減少される。次いで内歯スプライン25Aの歯面26Aの稜線26Acと外歯スプライン15の歯面16は、当接部が局部的に塑性変形して互いに圧入されされるが、両スプライン15,25Aの歯面16と稜線26Acの当接位置付近における円周方向の各重なり量d1,d2がほゞ均一となっているので、第1の実施形態と同様、この圧入の際に各部材10,20Aの各中心軸線の同軸度が低下したり、各中心軸線の間に傾きを生じたりすることは少ない。またこのような状態で外歯スプライン15の歯先面17が内歯スプライン25Aの歯底面28に圧入され、これにより両部材10,20Aの各中心軸線の同軸度及び各中心軸線の間の傾きの誤差は一層減少するので、圧入の精度が高い2つの部材の圧入構造が得られる。
またこの第2実施形態によれば、内歯スプライン25Aの歯面26Aはその稜線26Acが外歯スプライン15の歯面16に圧入され、両歯面16,26Aの間の圧入部の幅が狭くなるので、圧入に要する力は小さくなる。しかし根本側平面部26Abは両スプラインの中心から半径方向に延びる平面に対する傾斜角が、この平面に対する第1実施形態の歯面26の傾斜角よりも小さくなるので、トルクの伝達能力の低下は少なくなる。従って、圧入に要する力は小さいにもかかわらず、トルクの伝達能力が大きい2つの部材の圧入構造を得ることができる。
本発明によるスプラインを用いた圧入構造の第1実施形態の要部を示す部分拡大断面図である。 図1の2−2断面図である。 図1に示す第1実施形態の外歯スプラインの1つの歯を示す部分拡大斜視図である。 図1に示す第1実施形態の内歯スプラインの2つの歯を示す部分拡大斜視図である。 図1及び図2の5−5線に沿った外歯スプライン及び内歯スプラインの断面図である。 図5の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明によるスプラインを用いた圧入構造の第2実施形態の要部を示す部分拡大断面図である。 図7の8−8断面図である。 図7に示す第2実施形態の内歯スプラインの2つの歯を示す部分拡大斜視図である。 スプラインを用いた圧入構造の1つの比較例の要部を示す部分拡大断面図である。 図10の11−11断面図である。 図10に示す比較例の外歯スプラインの1つの歯を示す部分拡大斜視図である。 図10及び図11の13−13線に沿った外歯スプライン及び内歯スプラインの断面図である。 図13の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明によるスプラインを用いた圧入構造の第1実施形態及び比較例が適用される回転軸とギヤピースの連結構造の1例を示す側断面図である。
符号の説明
10…第1部材(回転軸)、15…外歯スプライン、16…歯面、16a…歯面嵌合案内面、17…歯先面、17a…歯先嵌合案内面、17b…先端面、20,20A…第2部材(ギヤピース)、25,25A…内歯スプライン、26,26A…歯面、26Aa…先端側平面部、26Ab根本側平面部、26Ac…稜線、28…歯底面、S…円筒面。

Claims (4)

  1. 第1部材の外周に形成した外歯スプラインを、第2部材の内周に形成した内歯スプラインに、前記外歯スプラインの歯先面が前記内歯スプラインの歯底面に圧入されるように嵌合し、前記外歯スプラインの歯面と前記内歯スプラインの歯面は、前記両スプラインと同軸的に配置された円筒面上において円周方向に締め代をもって互いに当接され円周方向に塑性変形されて圧入され、前記外歯スプラインの歯先面には、前記両スプラインの嵌合の際に最初に嵌合される前記外歯スプラインの先端面側に、同先端面に向かって進むにつれて高さが次第に減少するように緩く傾斜した歯先嵌合案内面を形成したスプラインを用いた圧入構造において、
    前記外歯スプラインの歯面の前記先端面側に、同先端面に向かって進むにつれて歯幅が次第に減少するように緩く傾斜した歯面嵌合案内面を形成し、この歯面嵌合案内面の後端位置を前記歯先嵌合案内面の後端位置よりも前記先端面側に位置させたことを特徴とするスプラインを用いた圧入構造。
  2. 請求項1に記載のスプラインを用いた圧入構造において、前記内歯スプラインの歯面は平面とし、前記外歯スプラインの歯面は前記円筒面上において前記内歯スプラインの歯面と締め代をもって当接され塑性変形されて圧入される湾曲面としたことを特徴とするスプラインを用いた圧入構造。
  3. 請求項1に記載のスプラインを用いた圧入構造において、前記内歯スプラインの歯面は台形の側辺により形成される先端側平面部とその根本側に続く傾斜角が前記台形より大きい第2の台形または長方形の側辺により形成される根本側平面部よりなるものとし、前記先端側平面部と根本側平面部の間の稜線が前記円筒面上において前記歯面と締め代をもって当接され塑性変形されて圧入されることを特徴とするスプラインを用いた圧入構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載のスプラインを用いた圧入構造において、前記外歯スプラインの歯面はインボリュート面としたことを特徴とするスプラインを用いた圧入構造。
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