JP6624904B2 - 樹脂製はすば歯車 - Google Patents

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この発明は、回転伝達に使用される樹脂製はすば歯車に関し、特に歯車軸のミスアライメントに起因する回転伝達誤差の減少を目的として歯形修整が施された樹脂製はすば歯車に関するものである。
従来から、はすば歯車を使用した動力伝達装置の技術分野において、歯車軸のミスアライメントに起因する回転伝達誤差を減少させる様々な技術が開発されてきた。例えば、はすば歯車は、歯当たりを歯幅中央部に集中させるために、歯すじ方向に適当なふくらみをつけるような加工(クラウニング)を施し、歯車軸のミスアライメントに起因する回転伝達誤差を減少させるようにした技術が知られている(特許文献1、2参照)。
特開平8−197332号公報(特に、段落0001〜0006、図17) 特開2014−89483号公報(特に、図5〜6)
しかしながら、上記従来のクラウニングを施した樹脂製はすば歯車は、歯車軸のミスアライメントに起因する回転伝達誤差を十分に減少させることができなかった。
そこで、本発明は、歯車軸のミスアライメントに起因する回転伝達誤差を減少させることができる回転伝達精度の良い樹脂製はすば歯車を提供する。
本発明は、インボリュート歯形形状の歯2の歯面11に三次元的歯面修整部分12を有する樹脂製はすば歯車1に関するものである。この発明において、前記歯面11の三次元的歯面修整部分12は、歯先13と歯元14の間の位置から歯先13に向けて歯厚を漸減させる歯先修整面16と、歯先13と歯元14の間の位置から歯元14に向けて歯厚を漸減させる歯元修整面17と、歯幅方向一端と歯幅方向他端の間の位置から前記歯幅方向両端に向けて歯厚を漸減させる円弧クラウニング面18と、の合成面である。そして、前記インボリュート歯形形状の歯2の歯面11は、前記歯先修整面16の開始位置、前記歯元修整面17の開始位置、及び前記円弧クラウニング面18の頂点位置との交点として残っている。
本発明に係る樹脂製はすば歯車は、歯形修整を施さない樹脂製はすば歯車と比較し、歯車軸のミスアライメントに起因する回転伝達誤差を減少させ、歯車軸のミスアライメントがあった場合でも回転伝達精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る樹脂製はすば歯車を示す図であり、図1(a)が樹脂製はすば歯車の正面図、図1(b)が図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す樹脂製はすば歯車の断面図、図1(c)が樹脂製はすば歯車の歯を斜め上方から見て示す斜視図である。 歯車軸にミスアライメントが生じた場合の歯の噛み合い状態と、歯車軸にミスアライメントが生じない場合の歯の噛み合い状態とを模式的に示す図である。 ラック形工具であるホブの刃の断面形状を示す図である。 図2(a−2)、(b−2)、(c−2)に示した歯の噛み合い状態を設定し、負荷トルクが0.1Nm作用する条件下において、本発明の実施形態に係る樹脂製はすば歯車(本発明品)の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、無修整はすば歯車の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、クラウニングを施した樹脂製はすば歯車(比較例)の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面かみ合い試験で測定した結果と、を対比して示す図である。 図2(a−2)、(b−2)、(c−2)に示した歯の噛み合い状態を設定し、負荷トルクが0.15Nm作用する条件下において、本発明の実施形態に係る樹脂製はすば歯車(本発明品)の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、無修整はすば歯車の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、クラウニングを施した樹脂製はすば歯車(比較例)の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面かみ合い試験で測定した結果と、を対比して示す図である。 図6(a)は歯幅が同一のはすば歯車同士のかみ合い状態を示す図であり、図6(b)は図6(a)のかみ合った歯同士を拡大して示す図である。 図7(a)は歯幅が異なるはすば歯車同士のかみ合い状態を示す図であり、図7(b)は図7(a)のかみ合った歯同士を拡大して示す図である。 本発明の樹脂製はすば歯車を備えたトナーカートリッジの側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂製はすば歯車1を示す図である。なお、図1(a)は、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1の正面図である。また、図1(b)は、図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す樹脂製はすば歯車1の断面図である。また、図1(c)は、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1の歯2を斜め上方から見て示す斜視図である。
この図1に示すように、樹脂製はすば歯車1は、軸に嵌合される軸穴3が形成された円筒状のボス4と、このボス4の外周面4aから径方向外方へ延びる円板状のウェブ5と、このウェブ5の外周端に形成された円筒状のリム6と、リム6の外周側に複数形成された歯2と、を有している。また、この樹脂製はすば歯車1は、ボス4の外周面4aとリム6の内周面6aとを接続するウェブ5がボス4の中心軸7に沿った中央部に位置している。また、この樹脂製はすば歯車1は、中心軸7に直交する第1の仮想平面8上に、ボス4の一方の側面4b(図1(b)における左側面)、リム6の一方の側面6b(図1(b)における左側面)、及び歯2の歯幅方向の一端面2a(図1(b)における左側端面)が位置するように形成されている。また、この樹脂製はすば歯車1は、中心軸7に直交し且つ第1の仮想平面8と平行の第2の仮想平面10上に、ボス4の他方の側面4c(図1(b)における右側面)、リム6の他方の側面6c(図1(b)における右側面)、及び歯2の歯幅方向の他端面2b(図1(b)における右側端面)が位置するように形成されている。そして、このような樹脂製はすば歯車1は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等のプラスチックを使用して形作られている。
図1(c)に示す樹脂製はすば歯車1の歯2は、インボリュート歯形形状(標準歯形形状)の歯2の両歯面11,11に三次元的歯面修整を施すことによって形成されている。すなわち、本実施形態の樹脂製はすば歯車1において、歯面11の三次元的歯面修整部分12は、歯先13と歯元14の間の歯面11上の位置(基準ピッチ円15上の点P0を通る歯幅方向の線分)L0から歯先13に向けて歯厚を漸減させる歯先修整面16と、歯先13と歯元14の間の歯面11上の位置(基準ピッチ円15上の点P0を通る歯幅方向の線分)L0から歯元14に向けて歯厚を漸減させる歯元修整面17と、歯幅方向一端と歯幅方向他端の間の歯面11上の位置(歯幅方向中央に位置し且つ歯先13から歯元14に向かう歯面11上の線分L1)から前記歯幅方向両端に向けて歯厚を漸減させる円弧クラウニング面18と、の合成面になっている。そして、歯先修整面16の開始位置と、歯元修整面17の開始位置と、円弧クラウニング面18の頂点位置との交点(基準ピッチ円上の点で且つ歯幅方向中央の点P0)は、インボリュート歯形形状の歯2の歯面11上の点である。すなわち、インボリュート歯形形状の歯2の歯面11は、歯先修整面16の開始位置と、歯元修整面17の開始位置と、円弧クラウニング面18の頂点位置との交点P0として残っている。また、この樹脂製はすば歯車1は、歯先修整面16の歯先13における歯形修整量をΔ1とし、歯元修整面17の歯元14における歯形修整量をΔ2とし、円弧クラウニング面18の歯幅方向両端における歯形修整量をΔ3とすると、歯先13で且つ歯幅方向両端における歯形修整量Δ4がΔ1とΔ3の和(Δ1+Δ3)となり、歯元14で且つ歯幅方向両端における歯形修整量Δ5がΔ2とΔ3の和(Δ2+Δ3)となる。なお、この図1(c)に基づく樹脂製はすば歯車1の歯2の説明は、歯2の両歯面11,11が同様に三次元的歯面修整を施されたものであるため、両歯面11,11のうちの一方について詳述し、両歯面11,11のうちの他方については省略した。
図2は、歯車軸20,21にミスアライメントが生じた場合の歯22,23の噛み合い状態と、歯車軸20,21にミスアライメントが生じない場合の歯22,23の噛み合い状態とを模式的に示す図である。なお、図2(a−1)は、駆動側はすば歯車24の歯車軸20が被動側はすば歯車25の歯車軸21に対して−θだけずれて組み付けられた状態を示している。そして、図2(a−2)は、図2(a−1)における駆動側はすば歯車24の歯22と被動側はすば歯車25の歯23の噛み合い状態を示している。また、図2(b−1)は、駆動側はすば歯車24の歯車軸20が被動側はすば歯車25の歯車軸21にずれを生じることなく(ミスアライメントを生じることなく)組み付けられた状態を示している。そして、図2(b−2)は、図2(b−1)における駆動側はすば歯車24の歯22と被動側はすば歯車25の歯23の噛み合い状態を示している。また、図2(c−1)は、駆動側はすば歯車24の歯車軸20が被動側はすば歯車25の歯車軸21に対して+θだけずれて組み付けられた状態を示している。そして、図2(c−2)は、図2(c−1)における駆動側はすば歯車24の歯22と被動側はすば歯車25の歯23の噛み合い状態を示している。また、図2(a−1)、図2(b−1)及び図2(c−1)に示す駆動側はすば24と被動側はすば歯車25は、両者の違いを明確にするため、便宜的に駆動側はすば歯車24の歯幅を被動側はすば歯車25の歯幅よりも小さくしてある。
図3は、ラック形工具であるホブ26の刃27の断面形状を示す図である。この図3に示す刃27を備えたホブ26は、図1に示した樹脂製はすば歯車1の射出成形用金型の放電加工用マスタを創成加工するために使用されるものであり、図中において二点鎖線で示す部分が標準歯形部(インボリュート歯形部)29であり、基準ピッチ円に対応する位置28から刃先30側が歯元修整面形成部31であって、基準ピッチ円に対応する位置28から刃元32側が歯先修整面形成部33である。そして、この図3に示す刃27を備えたホブ26は、歯先30における標準歯形部29と歯元修整面形成部31とのずれ量(Δa)が歯形修整量Δ2及び放電加工間隙等を考慮して決定され、刃元32における標準歯形部29と歯先修整面形成部33とのずれ量(Δb)が歯形修整量Δ1及び放電加工間隙等を考慮して決定される。そして、放電加工用マスタは、図3に示す刃27を備えたホブ26によって、樹脂製はすば歯車1の三次元的歯面修整部分12に対応する部分を含めた全体形状が、樹脂製はすば歯車1と同様の形状に創成加工される。
図4は、図2(a−2)、(b−2)、(c−2)に示した歯22,23の噛み合い状態を設定し、負荷トルクが0.1Nm作用する条件下において、本発明の実施形態に係る樹脂製はすば歯車1(本発明品と略称する)の回転伝達誤差としてのかみ合い一次成分を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、一般的に使用される歯面修整を施さない樹脂製はすば歯車(無修整はすば歯車)の回転伝達誤差としてのかみ合い一次成分を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、クラウニング(クラウニング量20μm)を施した樹脂製はすば歯車(比較例)の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面かみ合い試験で測定した結果と、を対比して示す図(第1実験結果を示す図)である。この本発明品は、歯先修整面16の歯幅方向中央の歯先13における歯形修整量Δ1が10μmであり、歯元修整面17の歯幅方向中央の歯元14における歯形修整量Δ2が5μmであり、円弧クラウニング面18の歯幅方向両端における歯形修整量Δ3が5μmであり、歯先13で且つ歯幅方向両端における歯形修整量Δ4(Δ4=Δ1+Δ3)が15μmであり、歯元14で且つ歯幅方向両端における歯形修整量Δ5(Δ5=Δ2+Δ3)が10μmである。なお、図4において、横軸が後述する駆動側はすば歯車のねじれ角βを表し、縦軸が回転伝達誤差のうちのかみ合い一次成分(sec)を表している。また、以下の説明において、回転伝達誤差としてのかみ合い一次成分を回転伝達誤差と適宜略称する。
図5は、図2(a−2)、(b−2)、(c−2)に示した歯22,23の噛み合い状態を設定し、負荷トルクが0.15Nm作用する条件下において、本発明の実施形態に係る樹脂製はすば歯車1(本発明品と略称する)の回転伝達誤差としてのかみ合い一次成分を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、一般的に使用される歯面修整を施さない樹脂製はすば歯車(無修整はすば歯車)の回転伝達誤差としてのかみ合い一次成分を片歯面噛み合い試験で測定した結果と、クラウニング(クラウニング量20μm)を施した樹脂製はすば歯車(比較例)の回転伝達誤差(かみ合い一次成分)を片歯面かみ合い試験で測定した結果と、を対比して示す図(第2実験結果を示す図)である。
片歯面噛み合い試験は、株式会社小笠原プレシジョンラボラトリー製の片歯面噛み合い試験機(MEATA−4)を使用して行った。この片歯面噛み合い試験に使用される駆動側はすば歯車24及び被動側はすば歯車25の歯車諸元は、歯数(Z)36、モジュール(m)0.7、圧力角(α)20°、ねじれ角(β)20°、歯幅7mm、並歯となっている。また、歯車軸20,21のアライメント誤差(図2(a)及び図2(c)に示すθ)は、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1が使用される条件を考慮して0.25°と0.5°とした。また、片歯面噛み合い試験は、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1が使用される条件(主に、0.1〜0.15Nmの負荷トルクが作用した状態で使用される)を考慮して、0.1Nm、0.15Nmの負荷トルクを付与して行った。そして、標準歯形(インボリュート歯形)を有する駆動側はすば歯車24は、樹脂(POM(M25相当))製のはすば歯車(無修整はすば歯車)が使用された。また、被動側はすば歯車25は、回転伝達誤差の良否判断の基準となる樹脂(POM(M25相当))製の無修整はすば歯車(図示せず)、クラウニング(クラウニング量20μm)を施した樹脂(POM(M25相当))製はすば歯車(比較例)、本発明品に係る樹脂(POM(M25相当))製はすば歯車1が使用される。なお、片歯面噛み合い試験機は、歯車軸20,21のアライメント誤差を付与できないため(駆動側はすば歯車24の歯車軸20を被動側はすば歯車25の歯車軸21に対して傾けた状態で取り付けることができない構造であるため)、基準の駆動側はすば歯車24(β=20°)を歯22のねじれ角(β)が19.5°(θ=0.5°)と19.75°(θ=0.25°)の駆動側はすば歯車24に代えることにより、図2(a−2)に示す噛み合い状態を構成し、また、基準の駆動側はすば歯車24(β=20°)を歯22のねじれ角(β)が20.25°(θ=0.25°)と20.5°(θ=0.5°)の駆動側はすば歯車24に代えることにより、図2(c−2)に示す噛み合い状態を構成するようになっている。また、片歯面噛み合い試験機は、駆動側はすば歯車24の歯車軸20と被動側はすば歯車25の歯車軸21の試験時の軸間距離が、理論軸間距離にバックラッシ確保のための0.25mmを加えた距離になっている。ここで、POM(M25)は、ポリプラスチックス株式会社製の商品名「ジュラコン」(登録商標)のグレードM25を示している。
図4に示す片歯面噛み合い試験の結果(第1実験結果)及び図5に示す片歯面噛み合い試験の結果(第2実験結果)によれば、本発明品は、アライメント誤差が無い状態(駆動側はすば歯車24のねじれ角βが20°の状態)、及びアライメント誤差がある状態(駆動側はすば歯車24のねじれ角βが19.5°、19.75°、20.25°、20.5°の状態)において、回転伝達誤差が無修整はすば歯車よりも小さく、歯形修整の効果が大きく現れている。比較例は、無修整はすば歯車と比較し、アライメント誤差が無い状態(駆動側はすば歯車24のねじれ角βが20°の状態)、及びアライメント誤差がある状態(駆動側はすば歯車24のねじれ角βが19.75°の状態)で回転伝達誤差が大きく(悪く)なっている。したがって、比較例は、無修整はすば歯車によって生じる回転伝達誤差を減少させるために、無修整はすば歯車に代えて使用することができない。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1(本発明品)は、主に使用される条件下(負荷トルクが0.1〜0.15Nmの場合)において、歯形修整を施さない樹脂製はすば歯車と比較し、歯車軸20,21のミスアライメントに起因する回転伝達誤差を減少させ、歯車軸20,21のミスアライメントがあった場合でも回転伝達精度を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1は、上記実施形態に限定されず、負荷トルクの大きさに応じて、歯先修整面16及び歯元修整面17の開始位置と円弧クラウニング面18の頂点位置とを適宜変更し、歯形修整量Δ1〜Δ3を適宜変更してもよい。
(変形例1)
図6は、上記実施形態に係る駆動側はすば歯車24と被動側はすば歯車25の噛み合い状態を示す図である。なお、図6(a)は歯幅W1が同一のはすば歯車24,25同士のかみ合い状態を示す図であり、図6(b)は図6(a)のかみ合った歯22,23同士を拡大して示す図である。
この図6に示すように、駆動側はすば歯車24の歯22と被動側はすば歯車25(本発明品)の歯23は、歯幅W1が同一に形成されており、クラウニングの頂点位置P1が歯23の歯幅方向中央CL1に位置している。
しかしながら、本発明に係る樹脂製はすば歯車1(被動側はすば歯車25)は、図6に示す実施態様に限定されるものでなく、図7に示すように、2段歯車の小径はすば歯車25aであって、この小径はすば歯車25aが駆動側はすば歯車24と噛み合う構成の場合、小径はすば歯車25aの歯23の歯幅W3と駆動側はすば歯車24の歯22の歯幅W2とが異なる(W3>W2)ため、クラウニングの頂点位置P2が駆動側はすば歯車24と噛み合う有効歯幅W2の中央CL2に位置するように形成される。
(変形例2)
本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1は、歯先修整面16及び歯元修整面17の開始位置が基準ピッチ円15上になっているが、これに限られず、歯先修整面16及び歯元修整面17の開始位置を基準ピッチ円15上から歯先13寄り又は歯元14寄りにずらしても良い。また、本実施形態に係る樹脂製はすば歯車1は、円弧クラウニング面18の頂点位置が歯2の歯幅方向中央になっているが、これに限られず、円弧クラウニング面18の頂点位置を歯2の歯幅方向一端寄り又は歯2の歯幅方向他端寄りにずらしても良い。
(応用例)
図8は、本発明に係る樹脂製はすば歯車1が回動可能に取り付けられたトナーカートリッジ34を簡略化して示す図である。この図8に示すトナーカートリッジ34は、画像形成装置35(プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの複合機等)に着脱可能に取り付けられるようになっており、画像形成装置本体36内のトナーカートリッジ収容スペース37に収容されると、本発明に係る樹脂製はすば歯車1(25)が画像形成装置本体36側に取り付けられた駆動側はすば歯車24と噛み合い、駆動側はすば歯車24の回転を他の歯車38,40に伝達するようになっている。
なお、本発明に係る樹脂製はすば歯車1は、トナーカートリッジ34に取り付けられる場合に限定されず、画像形成装置35の他の動力伝達部分、自動車部品、精密機械等に広く使用することができる。
1……樹脂製はすば歯車、2……歯、11……歯面、12……三次元的歯面修整部分、13……歯先、14……歯元、16……歯先修整面、17……歯元修整面、18……円弧クラウニング面、P0……点(交点)

Claims (5)

  1. インボリュート歯形形状の歯の歯面に三次元的歯面修整部分を有する樹脂製はすば歯車において、
    前記歯面の三次元的歯面修整部分は、歯先と歯元の間の位置から歯先に向けて歯厚を漸減させる歯先修整面と、歯先と歯元の間の位置から歯元に向けて歯厚を漸減させる歯元修整面と、歯幅方向一端と歯幅方向他端の間の位置から前記歯幅方向両端に向けて歯厚を漸減させる円弧クラウニング面と、の合成面であり、
    前記インボリュート歯形形状の歯の歯面は、前記歯先修整面の開始位置、前記歯元修整面の開始位置、及び前記円弧クラウニング面の頂点位置との交点として残っている、
    ことを特徴とする樹脂製はすば歯車。
  2. 前記歯先修整面及び前記歯元修整面の開始位置は基準ピッチ円であり、前記円弧クラウニング面の頂点位置は歯幅方向中央である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製はすば歯車。
  3. 前記歯先修整面の前記歯先における歯形修整量をΔ1とし、
    前記歯元修整面の前記歯元における歯形修整量をΔ2とし、
    前記円弧クラウニング面の前記歯幅方向両端における歯形修整量をΔ3とすると、
    前記歯先で且つ前記歯幅方向両端における歯形修整量Δ4は、Δ1+Δ3となり、
    前記歯元で且つ前記歯幅方向両端における歯形修整量Δ5は、Δ2+Δ3となる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の樹脂製はすば歯車。
  4. 前記歯先修整面及び前記歯元修整面の開始位置は基準ピッチ円であり、前記円弧クラウニング面の頂点位置は有効歯幅の中央である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製はすば歯車。
  5. 画像形成装置本体側に取り付けられた駆動側はすば歯車と噛み合う被動側はすば歯車を回動可能に有するトナーカートリッジにおいて、
    前記被動側はすば歯車は、前記請求項1に記載の樹脂製はすば歯車である、
    ことを特徴とするトナーカートリッジ。
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