JP2010095788A - ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents

ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する湿式製錬方法において、鉱石スラリーによる設備の磨耗を抑制すること、また、最終中和残渣量を低減するとともに、資源化するため、不純物成分を分離回収する方法を提供する。
【解決手段】下記(A)〜(C)の工程から選ばれる少なくともひとつの工程を含むことを特徴とする。(A)前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を含む粒子を、物理分離法により分離回収する。(B)前記固液分離工程から産出する浸出残渣スラリー中のヘマタイト粒子を、物理分離法により分離回収する。(C)前記中和工程から産出する中和殿物スラリーは、前記固液分離工程から産出する浸出残渣スラリーとは別途に最終中和処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関し、さらに詳しくは、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、該鉱石処理工程から産出する鉱石スラリーによる配管、ポンプ等の設備の磨耗を抑制し、耐久性を向上させること、また、該最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減し、廃棄される浸出残渣、中和殿物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮によりコスト及び環境リスクを抑えることという課題を達成するとともに、資源化して有効活用することができる不純物成分を分離回収することができるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関する。
近年、石炭、鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン等の鉱物資源において、採掘権の寡占化がますます進んだことにより、金属製錬での原料コストが大幅に上昇している。そのため、金属製錬においても、コスト低減のための施策として、従来コスト的に不利であるため対象にならなかった低品位原料を使用するため、技術開発が行われている。例えば、ニッケル製錬では、高温高圧下において耐食性に優れた材料が開発されたこともあり、ニッケル酸化鉱石を硫酸で加圧下に酸浸出する高圧酸浸出(High Pressure Acid Leach)法に基づく湿式製錬方法が注目されている。
この高圧酸浸出法は、従来の一般的なニッケル酸化鉱石の製錬方法である乾式製錬法と異なり、還元工程、乾燥工程等の乾式工程を含まずエネルギーコスト的に有利であるため、今後も低品位ニッケル酸化鉱石の製錬方法として有力な技術であると見られている。このため、製錬プロセスとしての完成度を上げるため、高温加圧下での浸出工程を中心として、ニッケル及びコバルトの浸出率の向上、浸出液の浄液、操業資材使用量の低減等に関し様々な提案がなされている。
ところで、高温加圧下での浸出を利用するプロセスとしては、例えば、ニッケル、コバルト、マンガン等の有価金属を含有する酸化鉱石から該金属を回収するにあたり、下記の工程(a)〜(c)からなる酸化鉱石から有価金属を回収する方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
工程(a):あらかじめスラリー化した酸化鉱石を、工程(b)で得られた加圧浸出液により、硫酸酸性下で常圧浸出し、常圧浸出液と常圧浸出残留物を得る。
工程(b):工程(a)で得られた常圧浸出残留物を高温高圧下に酸化性雰囲気下で硫酸と反応させ、加圧酸浸出液を得る。
工程(c):工程(a)で得られた常圧浸出液に中和剤を加えて中和し、次いで硫化アルカリ化合物を添加し、浸出液中のニッケル及びコバルトを硫化物として回収する。
この方法では、鉱石スラリーを常圧浸出(工程(a))し、次いで常圧浸出残渣を加圧酸浸出(工程(b))する2段浸出を行うことにより、鉱石からのニッケル浸出率を向上させ、同時に加圧酸浸出の浸出液中に含まれる過剰な酸を、常圧浸出残渣に含有されるアルカリ成分によって中和し、中和工程(工程(c))の負荷を低減させるものである。しかしながら、2段浸出のため、設備点数が増えコストと手間が増加する、及び浸出残渣を洗浄する際発生する多量の薄液の処理にコストを要するという問題点があった。
これらの問題点を解決するため、高温加圧下での浸出を利用する他のプロセスとして、下記の(1)〜(4)からなる工程を含む方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
(1)浸出工程:ニッケル酸化鉱石をスラリー化して硫酸を添加し、220〜280℃の温度で撹拌処理し、浸出スラリーを形成する。
(2)固液分離工程:前記浸出スラリーを多段階のシックナーを用いて洗浄し、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣とに分離する。
(3)中和工程:前記浸出液の酸化を抑制しながら、炭酸カルシウムを用いてpHが4以下となるよう調整し、3価の鉄を含有する中和殿物を生成し、中和殿物スラリーとニッケル回収用母液とに分離する。及び
(4)硫化工程:前記ニッケル回収用母液に硫化水素ガスを吹きこみ、ニッケル及びコバルトを含有する硫化物を生成し、貧液と分離する。
ここで、上記方法(特許文献2)に基づく実用プラントの概要について、図を用いて説明する。図2は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法(特許文献2)に基づく実用プラントの一例を表す製錬工程図である。
図2において、ニッケル酸化鉱石8は、最初に、鉱石処理工程1で水と混合され、次いで異物除去及び鉱石粒度調整が行われ、鉱石スラリー9を形成する。次に、鉱石スラリー9は、浸出工程2で、硫酸を用いた高温加圧浸出に付され、浸出スラリー10が形成される。浸出スラリー10は、固液分離工程3に付され、多段洗浄された後、ニッケル及びコバルトを含む浸出液11と浸出残渣スラリー12に分離される。浸出液11は、中和工程4に付され、3価の鉄水酸化物を含む中和殿物スラリー13とニッケル回収用の母液(1)14に分離される。母液(1)14は、硫化剤を添加する亜鉛除去工程5に付され、硫化亜鉛を含む硫化亜鉛殿物15とニッケル回収用の母液(2)16とに分離される。次に、母液(2)16は、硫化工程6に付され、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物17とニッケル等が除去された貧液18に分離される。なお、貧液18は、固液分離工程3における浸出残渣の洗浄水として使用される。
最後に、浸出残渣スラリー12は、余剰の貧液18とともに、最終中和工程7に付され、中和処理され、最終中和残渣19は、テーリングダム20に貯留される。
この方法の特徴としては、固液分離工程で浸出スラリーを多段階で洗浄することにより、中和工程での中和剤消費量と殿物量が削減できること、浸出残渣の真密度を高めることができるので、固液分離特性を改善することができること、さらに浸出工程を高温加圧浸出のみで行うことでプロセスが簡素化されることなどが挙げられ、前述した方法(特許文献1)に対し利点があるとされている。その上、固液分離工程で用いる洗浄液として貧液を使用すれば、残留する硫酸を利用して浸出残渣に付着したニッケルを浸出させて回収することができ、効果的かつ効率的な水の繰り返し使用を行うことができるとされている。さらに、中和殿物スラリーを固液分離工程へ送れば、ニッケルのロスを低減することができるので、より有利であるとされている。
しかしながら、この方法による実用プラントでは、次の課題があった。
(1)設備の磨耗の抑制:ニッケル酸化鉱石はスラリーとして各工程間を搬送されるが、設備材料の磨耗が著しく促進され、とりわけ浸出工程における配管、ポンプ等の設備では補修頻度が高く、メンテナンスコストの上昇とプラント稼働率の低下の大きな原因となっていた。すなわち、ニッケル酸化鉱石中に含有されるクロマイトは、特に硬く、スラリーの搬送を伴う湿式製錬プラントにおいては、配管、ポンプ等の磨耗を著しく助長する成分であり、浸出工程で処理する原料鉱石から除去することが望ましい。
(2)鉱石スラリーの固形率の上昇:一般的にニッケル酸化鉱石のスラリーの固形率が高いほど扱う液量が少なくなり、配管、タンク等の設備を簡便化できるので、ポンプによる送液等に支障がない程度に、或いは配管閉塞が発生しない程度に、鉱石スラリーを濃縮することが好ましいが、鉱石スラリーの沈降性に伴う限界があった。
(3)鉱石スラリーの不純物元素含有量の低減:浸出工程では、鉱石スラリー中に含有されるマグネシウム、アルミニウム等の不純物元素は硫酸使用量に大きく影響することから、これらの不純物元素の含有量は低い方が好ましい。
(4)最終中和残渣量の低減:固液分離工程で得られる浸出残渣は、硫化工程から産出する余剰の貧液と合一され、これに石灰石スラリー又は消石灰スラリーを添加する中和処理により無害化される。この最終的な中和処理工程(以下、最終中和工程と呼称する場合がある。)から産出される最終中和残渣は、テーリングダムで貯留される。しかしながら、最終中和残渣には、浸出残渣中のヘマタイト、クロマイト、シリカ鉱物、ケイ苦土鉱等の不純物成分のほか、中和処理により形成される石膏を含有するため、テーリングダムの建設及び維持管理のための大きなコスト負担があった。このため、前記浸出残渣中のヘマタイト、クロマイト、シリカ鉱物、ケイ苦土鉱等の不純物成分を有効に資源化することが期待される。例えば、クロマイトは、ステンレス鋼の添加元素として用いられるフェロクロムを製造する原料として活用が期待される。しかしながら、フェロクロム製造には、処理効率やコストの点から、クロム品位が例えば5質量%以上の濃縮物として回収することが望まれる。また、へマタイトは、鉄鋼原料として活用が期待される。しかしながら、前記浸出残渣中には、ヘマタイト以外にも多くの成分が含有されており、これらとの分離が望まれる。特に、イオウは製鋼工程で亜硫酸ガスを発生させるなどの問題があり、イオウをできるだけ含有しないことが望まれる。許容されるイオウ品位の上限値は、鉄鋼原料として受け入れ処理する工場により異なるが、一般的には2〜3質量%程度以下の含有量にすることが必要とされている。
(5)中和殿物スラリーの繰り返し処理:前述のように、中和殿物スラリーの固液分離工程での処理は、ニッケル回収の向上のため有効であるが、ここで中和殿物中の水酸化鉄も再溶解され、結局のところ中和剤消費量を増加させることになり、また浸出残渣量を増加させる。したがって、固液分離工程へ繰り返される中和殿物は少ないほど望ましい。
以上のような状況から、上記高圧酸浸出法に基づく湿式製錬方法を用いた実用プラントでは、上記課題の解決策が求められていた。さらに、上記課題を、効果的かつ経済的に解決するためには、鉱石又は浸出残渣に含まれる不純物成分を効率的に分離回収することが有効な手段であり、これら不純物成分を資源化して有効活用することも求められていた。
特開平6−116660号公報(第1頁、第2頁) 特開2005−350766号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、該鉱石処理工程から産出する鉱石スラリーによる配管、ポンプ等の設備の磨耗を抑制し、耐久性を向上させること、鉱石スラリーの固形率を上昇させて、該鉱石処理工程の設備を簡便化すること、また、該最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減し、廃棄される浸出残渣、中和殿物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮によりコスト及び環境リスクを抑えることという課題を達成するとともに、資源化して有効活用することができる不純物成分を分離回収することができるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、上記課題の解決策について、鋭意研究を重ねた結果、該鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱を含む粒子を特定の方法で分離回収する(A)の工程、該固液分離工程から産出する浸出残渣中のヘマタイト粒子を特定の方法で分離回収する(B)の工程、又は該中和工程から産出する中和殿物スラリーを別途に最終中和処理する(C)工程から選ばれる少なくともひとつの工程を実施したところ、上記課題の解決策として有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、
下記の(A)〜(C)の工程から選ばれる少なくともひとつの工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
(A)前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を含む粒子を、物理分離法により分離回収する。
(B)前記固液分離工程から産出する浸出残渣スラリー中のヘマタイト粒子を、物理分離法により分離回収する。
(C)前記中和工程から産出する中和殿物スラリーは、前記固液分離工程から産出する浸出残渣とは別途に最終中和処理する。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記(C)の工程において、前記亜鉛除去工程から産出する硫化亜鉛殿物スラリーを、前記中和殿物スラリーと同時に最終中和処理することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記鉱石処理工程は、採掘した原料鉱石の異物除去及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリーを形成する工程であり、前記浸出工程は、該鉱石スラリーに硫酸を添加し、高温高圧下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程であり、前記固液分離工程は、該浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣スラリーを得る工程であり、前記中和工程は、該浸出液に炭酸カルシウムを添加し、3価の鉄を含む中和殿物スラリーとニッケル回収用の母液を形成する工程であり、前記亜鉛除去工程は、該母液に硫化水素ガスを吹きこみ、硫化亜鉛殿物スラリーとニッケル及びコバルト回収用の母液を形成する工程であり、前記硫化工程は、該ニッケル及びコバルト回収用の母液に、硫化水素を吹き込み、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物と貧液とを生成する工程であり、及び最終中和工程は、該浸出残渣スラリーに余剰の貧液を加え、pHを8〜9程度に調整し、最終中和残渣を得る工程であることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記鉱石処理工程において、鉱石粒度調整は、2mm以下の粒度で篩分け処理に付すことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、前記(A)の工程において、前記鉱石スラリーを篩分け分級又は遠心分級による物理分離法に付し、その際、分級された粗粒部をシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱の濃縮物として回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記分級粒度は、20〜850μmの範囲から選ばれることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第5の発明において、前記分級粒度は、850μm以上の範囲と20〜850μmの範囲から選ばれる二つの粒度であり、まず、前者の範囲の粒度で分級された粗粒部をシリカ鉱物又はケイ苦土鉱の濃縮物として回収し、次いで後者の範囲の粒度で分級された粗粒部をクロマイトの濃縮物として回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、前記(B)の工程において、前記浸出残渣スラリー又はそれを含む最終中和残渣スラリーを篩分け分級又は遠心分級による物理分離法に付し、その際、分級された細粒部をヘマタイトの濃縮物として回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、前記分級粒度は、20〜100μmの範囲から選ばれることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、前記(B)の工程において、前記浸出残渣スラリー又はそれを含む最終中和残渣スラリーを磁気分離による物理分離法に付し、その際、磁着物をヘマタイト濃縮物として回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法が提供される
本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、(A)〜(C)の工程を採用することにより、以下のように上記課題が解決されるので、その工業的価値は極めて大きい。
(A)の工程を採用すれば、鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱を含む粒子を分離回収することにより、該鉱石スラリーによる配管、ポンプ等の設備の磨耗を抑制するとともに、鉱石スラリーの固形率を上昇させることができる。さらに、これら不純物成分を分離すれば、浸出残渣量の低下により最終中和残渣量を低減することができ、しかも、硫酸使用量に大きく影響する不純物元素含有量の低減も達成される。ここで、これら不純物成分、特にクロマイトは有効活用することができる。
また、(B)の工程を採用すれば、固液分離工程から産出する浸出残渣中のヘマタイトを分離回収することにより、最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減し、廃棄される浸出残渣、中和殿物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮によりコスト及び環境リスクを抑えることができるとともに、鉄資源として有効活用することができるヘマタイトを分離回収することができる。
また、(C)の工程を採用すれば、中和工程から産出する中和殿物スラリーを、最終中和工程とは分割して別途中和処理することにより、前記最終中和残渣量を低減し、特に浸出残渣中のヘマタイトを分離回収する際に有利である。
本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、
下記の(A)〜(C)の工程から選ばれる少なくともひとつの工程を含むことを特徴とする。
(A)前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を含む粒子を、物理分離法により分離回収する。
(B)前記固液分離工程から産出する浸出残渣スラリー中のヘマタイト粒子を、物理分離法により分離回収する。
(C)前記中和工程から産出する中和殿物スラリーは、前記固液分離工程から産出する浸出残渣とは別途に最終中和処理する。
本発明の方法において、上記(A)〜(C)の工程から選ばれる少なくともひとつの工程を含むことが、課題の解決のため重要である。
ここで、(A)の工程を採用すれば、前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱を含む粒子を分離回収することにより、該鉱石スラリーによる配管、ポンプ等の設備の磨耗を抑制するとともに、鉱石スラリーの固形率を上昇させることができる。すなわち、ニッケル酸化鉱石に一般的に含有される極めて硬度が高いクロマイト又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱を分離することにより、磨耗を抑制するとともに、ニッケル酸化鉱石に一般的に含有されている沈降性に悪影響を及ぼす低密度のクリストバライト(無定形シリカ)、粘度質の凝集塊(例えば、モンモリロナイト:鉄、アルミニウムの含水珪酸塩)を分離することにより、鉱石スラリーの固形率の上昇を妨害する要因の一つを排除することができる。さらに、これら不純物成分を分離すれば、浸出残渣量の低下により最終中和残渣量を低減することができ、しかも、硫酸使用量に大きく影響する不純物元素含有量の低減も達成される。ところで、これら不純物成分、特にクロマイトは有効活用することができる。なお、クロマイトはステンレス鋼の成分となるクロムを含む有価鉱物であるので、分離回収されれば有効な資源として活用できる。ここで、ステンレス鋼製造の添加元素として用いるフェロクロムの製造原料として使用する際には、処理効率やコストの点から、例えば5質量%以上となるクロム品位で分離することが好ましい。
また、(B)の工程を採用すれば、前記固液分離工程から産出する浸出残渣中のヘマタイトを分離回収することにより、前記最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減し、廃棄される浸出残渣、中和殿物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮によりコスト及び環境リスクを抑えることができるとともに、鉄資源として有効活用することができるヘマタイトを分離回収することができる。すなわち、ニッケル酸化鉱石中の鉄は、浸出工程で高温加水分解されるので、最終中和残渣ではヘマタイトの形態で含有されている。しかしながら、最終中和残渣には、浸出残渣中のクロマイト、ケイ苦土鉱等のほか、中和処理により形成される石膏を含有するため、その鉄品位は30〜50質量%台と低く、生産効率やコストを考えると一般的には60質量%以上の品位が好ましいとされる製鉄原料などとしてそのまま有効利用することは困難であった。これは、イオウ、クロム、ケイ素等は、銑鉄中への微量成分の分配、鉄鋼製品の品質等に影響する成分であり、これら不純物元素の含有は抑制することが求められるからであった。
また、(C)の工程を採用すれば、前記中和工程から産出する中和殿物スラリーを、最終中和工程とは分割して別途中和処理することにより、前記最終中和残渣量を低減することができ、特に浸出残渣中のヘマタイトを分離回収する際に有利である。すなわち、従来繰り返されていた中和殿物スラリーの固液分離工程での処理では、中和剤消費量を増加させることになっていた。
まず、本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の実施態様について、図を用いて説明する。
図1は、本発明に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法による実施態様の一例を表す製錬工程図である。
図1において、まずニッケル酸化鉱石8は、鉱石処理工程1で水と混合され、次いで異物除去及び鉱石粒度調整が行われ、鉱石スラリー9を形成する。この際、或いはその後、鉱石スラリー9は、新たに設けた(A)の工程21に付され、シリカ鉱物、ケイ苦土鉱又はクロマイト等22が分離回収される。鉱石スラリー9は、浸出工程2に付される。ここで、鉱石スラリー9は、オートクレーブなどを用いてニッケル、コバルト等の有価成分が硫酸で浸出され、浸出スラリー10が形成される。浸出スラリー10は、多段のシックナーなどを用いた固液分離工程3に付され、ニッケル及びコバルトを含む浸出液11と浸出残渣スラリー12とに分離される。
続いて、浸出液11は、中和工程4に付され、3価の鉄水酸化物を主成分とする中和残渣13とニッケルを含む母液(1)14とに分離される。母液(1)14は、硫化剤を添加する亜鉛除去工程5に付され、硫化亜鉛を含む硫化亜鉛殿物15とニッケル回収用の母液(2)16とに分離される。次いで、母液(2)16は、硫化剤を添加する硫化工程6に付され、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物17と貧液18とに分離される。なお、貧液18は、固液分離工程3における浸出残渣の洗浄水、及び中和工程4で産出する中和殿物スラリー13の洗浄水として使用される。
最後に、浸出残渣スラリー12は、余剰の貧液18とともに、最終中和工程(1)7に付され、中和処理される。その際、或いはその後、新たに設けた(B)の工程23に付され、最終中和残渣(1)19とヘマタイト殿物24とに分離される。また、中和殿物スラリー13は、硫化亜鉛殿物15とともに、新たに設けた(C)の工程に当たる最終中和工程(2)25に付される。得られた最終中和残渣(2)26と最終中和残渣(1)19は、テーリングダム20に貯留される。
以下に、各工程をさらに詳細に説明する。
(1)鉱石処理工程及び(A)の工程
上記鉱石処理工程は、異物除去及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリーを形成する工程である。ここで、ニッケル酸化鉱石を、湿式篩等で篩い分けし、浸出工程で浸出できない異物、ポンプで流送困難な粒度の鉱石等を分離する。ここで、篩分け粒度は、通常、2mm程度、好ましくは1.4mmであり、それ以上の粒度の鉱石は、解砕処理される。この解砕−篩分け処理を通過した鉱石によりスラリーが形成され、次いで沈降させて濃縮し、スラリー中の固体濃度(スラリー濃度)を調整した鉱石スラリーを調製する。なお、スラリー濃度としては、通常、25〜45質量%程度に調整される。
上記ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱である。前記ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5質量%であり、ニッケルは水酸化物又は含水ケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10〜50質量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄が含水ケイ苦土鉱物等に含有される。また、珪酸分は、石英、クリストバライト(無定形シリカ)等のシリカ鉱物及び含水ケイ苦土鉱物に含有される。また、クロム分の多くは、鉄又はマグネシウムを含むクロマイト鉱物として含有される。また、マグネシア分は、含水ケイ苦土鉱物のほか、未風化で硬度が高いニッケルをほとんど含有しないケイ苦土鉱物に含有される。以上のように、ラテライト鉱において、シリカ鉱物、クロマイト鉱物及びケイ苦土鉱物は、ニッケルをほとんど含有しない、いわゆる脈石成分である。
したがって、上記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリーには、一般的に固体濃度を上げる際に沈降性に悪影響を及ぼすクリストバライト、浸出工程の配管、ポンプ等の設備の磨耗に大きな影響を及ぼすクロマイト及びケイ苦土鉱物、並びに浸出工程で硫酸を消費するマグネシウムを含み、しかもニッケル含有量が低いケイ苦土鉱物が含まれている。
このため、鉱石処理工程で調製する鉱石スラリーから、クリストバライト等のシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱を事前に鉱石処理工程において分離回収しておくこと望ましい。
ここで、鉱石スラリーを構成する鉱石粒子での各成分の分布状態について説明する。
ニッケル酸化鉱石のEPMA観察では、クロム、ケイ素、及びマグネシウム含有量の高い部分は、鉄含有量の高い部分とは独立した単独相として存在する比率が高く、かつ20〜1000μmの粒径であるものが多い。このことは、クロム、ケイ素、及びマグネシウムを含む鉱物は、約20μm以上の粒子に多く含まれており、一方、ニッケル及び鉄を含む鉱物は、約20μm以下の粒子に多く含まれていることを示している。
したがって、鉱石スラリーから、シリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱を、効果的に分離回収するためには、粗大な塊を除いた後の鉱石をスラリー化し、この鉱石スラリー中のニッケル酸化鉱石を適切な粒度になるように解砕し、適切な分級粒度を設定することが肝要である。なお、前記解砕粒度としては、鉱石スラリーを形成する際の本来の目的、及び鉱石の性状を考慮して決められるが、2mm以下が好ましく、1.4mm以下がより好ましい。
上記鉱石スラリーの鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の例を、表1と表2に示す。なお、表1と表2に用いた鉱石は、産出した鉱床が異なるものである。
表1は、2mm以下の粒度に解砕して得た鉱石スラリーの鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の一例を示すものであるが、表1より、75μm以上の粗粒部の各粒度区分に、クロム、ケイ素、マグネシウム等が濃縮されること、及び特に、355μm以上の粗粒部の各粒度区分に、ケイ素、マグネシウム等が濃縮されることが分かる。
Figure 2010095788
また、表2は、1.4mm以下の粒度に解砕して得た鉱石スラリーの鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の一例を示すものであるが、表2より、75μm以上の粗粒部の各粒度区分に、クロム、ケイ素、マグネシウム等が濃縮されること、及び特に、1000μm以上の粗粒部の各粒度区分に、ケイ素、マグネシウム等が濃縮されることが分かる。また、表3に、表2の各粒度区分を所定の粒度範囲毎にまとめたときの平均分析値を示す。
Figure 2010095788
Figure 2010095788
以上の結果より、クロム、ケイ素、及びマグネシウムを高含有量で含む粒子は、鉄を高含有量で含む粒子よりも粗粒であることを利用し、分級法などの選別手段によって、クロム、ケイ素、及びマグネシウムを高含有量で含む粗粒部とニッケル及び鉄を高含有量で含む細粒部とに分離する。ここで、粗粒部は、系外に払い出し、別工程で精製してクロム等を資源として回収することができる。
また、上記粗粒部において、ケイ素及びマグネシウムを高含有量で含む粒子は、クロムを高含有量で含む粒子よりも粗粒側により多く分布するので、これらを所定の粒度で分級して、ケイ素及びマグネシウムを高含有量で含む粒子を分離して、クロム含有量を向上させた濃縮物を回収することができる。
上記(A)の工程は、上記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を分離回収する工程である。なお、(A)の工程は、上記鉱石処理工程内に含めて、或いはそれに続いて実施することができる。
上記(A)の工程の方法としては、特に限定されるものではなく、鉱石スラリーから、シリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱を分離する種々の物理分離手段を用いた方法が適用されるが、この中で、鉱石スラリーを構成する鉱石粒子での各成分の分布状態の解析から、これらを一括して分離回収することができる、篩分け分級、沈降分級、遠心分級等の湿式法による物理分離法が粗分離手段として簡便であり好ましい。
例えば、鉱石スラリーを篩分け分級又は遠心分級による物理分離法に付し、その際、分級された粗粒部を、シリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱の濃縮物として回収する方法が採用される。すなわち、前記分級において、分級された粗粒部にシリカ鉱物、クロマイト、ケイ苦土鉱などの脈石成分が、一方、分級された細粒部にニッケルが含有されるゲーサイト及び含水ケイ苦土鉱が分布する。
上記分級において、分級粒度としては、特に限定されるものではなく、原料鉱石の性状及び細粒部へのニッケル収率等を考慮して、好ましくは20〜850μm、より好ましくは20〜300μm、特に好ましくは75〜100μmの範囲から選ばれる。すなわち、工業的に実施可能な分級点の下限は、おおむね20μmである上、前記分級粒度が20μm未満では、粗粒部へのシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱の濃縮が不十分であるとともに、浸出工程で用いる鉱石スラリー中のニッケルがロスすることとなる。一方、前記分級粒度が850μmを超えると、細粒部でシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱の除去が不十分である。
また、上記シリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土粗粒部から、クロム含有量を向上させた濃縮物を回収する際には、前記分級粒度としては、850μm以上の範囲と20〜850μmの範囲から選ばれる二つの粒度を用いる。ここで、まず、前者の範囲の粒度で分級された粗粒部をシリカ鉱物又はケイ苦土鉱の濃縮物として回収し、次いで後者の範囲の粒度で分級された粗粒部を、シリカ鉱物又はケイ苦土鉱の混入が低減されたクロマイトの濃縮物として回収する。或いは、まず、後者の範囲の粒度で分級された粗粒部を得て、そこから前者の範囲の粒度で分級された粗粒部を分離することも行える。すなわち、シリカ鉱物又はケイ苦土鉱の濃縮物は、分級粒度として、850μmと鉱石の解砕粒度との間の適切な粒度を選定するにより分離される。一方、クロマイトの濃縮物は、分級粒度として、好ましくは20〜850μm、より好ましくは20〜300μm、特に好ましくは75〜100μmの範囲で適切な粒度を選定するにより効率的に分離される。
(2)浸出工程
上記浸出工程は、上記鉱石処理工程及び(A)の工程で得られた鉱石スラリーに硫酸を添加し、220〜280℃の温度下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程である。この工程では、主要設備として、プレヒーター、オートクレーブ、及びフラッシュタンクが用いられる。
浸出工程においては、下記の式(1)〜(5)で表される浸出反応と高温熱加水分解反応によって、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。しかしながら、鉄イオンの固定化は、完全には進行しないので得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等のほか、2価と3価の鉄イオンが含まれるのが通常である。
[浸出反応]
MO+HSO ⇒ MSO+HO (1)
(式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す。)
2Fe(OH)+3HSO ⇒ Fe(SO+6HO (2)
FeO+HSO ⇒ FeSO+HO (3)
[高温熱加水分解反応]
2FeSO+HSO+1/2O ⇒ Fe(SO+HO (4)
Fe(SO+3HO⇒ Fe+3HSO (5)
上記浸出工程で用いる温度としては、220〜280℃であり、240〜270℃が好ましい。すなわち、この温度範囲で反応を行うことにより、鉄はヘマタイトとして固定される。ここで、温度が220℃未満では、高温熱加水分解反応の速度が遅いため反応溶液中に鉄が溶存して残るので、鉄を除去するための浄液負荷が増加し、ニッケルとの分離が非常に困難となる。一方、温度が270℃を超えると、高温熱加水分解反応自体は促進されるものの、高温加圧浸出に用いる容器の材質の選定が難しいだけでなく、温度上昇にかかる蒸気コストが上昇するため不適当である。
上記浸出工程で用いる硫酸使用量としては、特に限定されるものではなく、鉱石中の鉄が浸出され、へマタイトに変化するのに必要な化学当量よりもやや過剰量、例えば、鉱石1トン当り300〜400kgが用いられる。すなわち、鉱石1トン当りの硫酸添加量が400kgを超えると、硫酸コスト及び後工程での中和剤コストが増加し好ましくない。
上記硫酸使用量としては、特に限定されるものではなく、浸出終了時の遊離硫酸の濃度が25〜50g/Lが好ましく、35〜45g/Lがより好ましい。これによって、浸出残渣の真密度を高め高密度の浸出残渣を安定的に産出し、スラリーの固液分離性を向上させるので、次工程である固液分離工程の設備の簡素化を行うことができる。すなわち、その濃度が25g/L未満では、浸出残渣を含むスラリーを沈降する際に、固形分の沈降濃縮が不完全となり、上澄みに浮遊固形分が残存する。これは、高温熱加水分解の反応速度が遅く、水酸化鉄の脱水が十分に進まず、真密度の低いヘマタイトが形成されることによる。一方、その濃度が50g/Lを超えると、浸出設備の耐久性を向上させることが必要になり、また酸の中和に必要とされる中和剤の使用量が著しく増加するのでコスト的に不利になる。
(3)固液分離工程
上記固液分離工程は、上記浸出工程で形成される浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣を得る工程である。これによって、浸出残渣に付着して廃棄されるニッケル等を浸出液中に回収する。
(4)中和工程
上記中和工程は、上記浸出工程で得られた浸出液の酸化を抑制しながら、pHが4以下、好ましくは3.2〜3.8となるように炭酸カルシウムを添加し、3価の鉄を含む中和殿物スラリーとニッケル回収用の母液を形成する工程である。これによって、上記浸出工程で用いた過剰の酸の中和を行うとともに、溶液中に残留する3価の鉄イオンの除去を行うものである。すなわち、pHが4を超えると、ニッケルの水酸化物の発生が多くなる。
得られた中和殿物スラリーは、新たに設ける(C)の工程に当たる最終中和工程(2)へ送られ処理される。
(5)亜鉛除去工程
上記亜鉛除去工程は、ニッケル及びコバルトを硫化物として分離する工程に先だって、上記母液に硫化水素ガスを吹きこみ、亜鉛を含む硫化物を生成し、硫化亜鉛殿物スラリーとニッケル及びコバルト回収用の母液を形成する工程である。これは硫化反応の際に弱い条件を作り出すことで硫化反応の速度を抑制し、亜鉛と比較して濃度の高い共存するニッケルの共沈を抑制することにより、亜鉛を選択的に除去するものである。
得られた硫化亜鉛殿物スラリーは、上記中和工程で得られる中和殿物スラリーと同様に最終中和工程(2)へ送られ処理することができる。
(6)硫化工程
上記硫化工程は、上記脱亜鉛工程で得られるニッケル及びコバルト回収用の母液に、硫化水素を吹き込み、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物と貧液とを生成する工程である。
ここで、得られた貧液は、pHが1〜3程度、硫化されずに含まれる鉄、マグネシウム、マンガン等の不純物のほかに、回収ロスであるニッケル及びコバルトを僅かに含んでいるので、固液分離工程における浸出残渣の洗浄水、及び中和工程で産出する中和残渣の洗浄水として使用される。
(7)最終中和工程(1)及び(B)の工程
上記最終中和工程(1)は、上記浸出残渣スラリーに余剰の貧液を加え、それに石灰石スラリーと消石灰スラリーを添加して、pHを8〜9程度に調整し、液中の金属イオンを中和殿物として沈殿させ、該浸出残渣を含む最終中和残渣(1)を得る工程である。
上記浸出残渣は、ヘマタイトを主成分として含有し、上記浸出工程で未浸出の石英、クロマイト、ケイ苦土鉱等の脈石成分を含有する。
ここで、前記浸出残渣スラリーを構成する鉱石粒子での各成分の分布状態の解析について、説明する。
まず、表4に、約2mm以下の粒度に解砕して得た鉱石スラリー(表1参照。)を浸出した際に得られた浸出残渣の鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の一例を示す。
Figure 2010095788
表4より、75μm以下の細粒部に鉄が濃縮され、この部分ではケイ素が分離されていることが分かる。なお、浸出残渣の分析は、浸出残渣スラリーを水洗浄して、付着硫酸を除去したものについて行った。
次に、上記とは別の浸出残渣(鉄品位:47.6質量%、クロム品位:2.6質量%、ケイ素品位:7.1質量%)を用いて、粒度毎の鉄、クロム及びケイ素の品位又は分布率を求めた。図3、4は、粒度と鉄、クロム及びケイ素の品位又は分布率の関係を示す。図より、粒度が細かいほど、鉄品位が高くなり、かつクロム及びケイ素に比べて細粒への分布率が高くなることが分かる。
以上の結果より、鉄を高含有量で含む粒子は、クロム、ケイ素等を高含有量で含む粒子よりも細粒であることを利用し、分級法などの選別手段によって、クロム、ケイ素等を高含有量で含む粗粒部と分離して系外に払い出し、ヘマタイトを資源として回収することができる。
上記(B)の工程は、上記固液分離工程から産出する浸出残渣中のヘマタイト粒子を、物理分離法により分離回収する工程である。なお、(B)の工程は、上記最終中和工程(1)内に含めて、或いはそれに続く工程として実施することができる。なお、後述する石膏の混入を避けるためには、中和前に(B)の工程を導入することが望ましいが、付着硫酸を除去するための洗浄に多量の水が必要であるという問題がある。
上記(B)の工程の方法としては、特に限定されるものではなく、鉱石スラリーからヘマタイトを分離することができる、篩分け分級、沈降分級、遠心分級、磁気分離法等の種々の湿式法による物理分離手段を用いた方法が適用される。
例えば、浸出残渣スラリー又はそれを含む最終中和残渣スラリーを篩分け分級又は遠心分級による物理分離法に付し、その際、分級された細粒部をヘマタイト濃縮物として回収する方法が採用される。
すなわち、前記分級において、分級された細粒部にヘマタイトが、一方、分級された粗粒部に脈石成分が分布する。
上記分級において、分級粒度としては、特に限定されるものではなく、20〜100μmの範囲から選ばれることが好ましい。ここで、分級粒度は、ヘマタイト殿物の鉄品位と収率等を勘案して決められるものであるが、分級粒度が20μm未満では、この粒度区分の浸出残渣量が少なくなるので、鉄の回収という点から効率が悪化する。一方、分級粒度が100μmを超えると、ヘマタイトの細粒部への濃縮、すなわち鉄品位の上昇が不十分である。
ここで、前記最終中和残渣を構成する鉱石粒子での各成分の分布状態の解析について、説明する。
表5に、約2mm以下の粒度に破砕して得た鉱石スラリー(表4参照。)を浸出し、中和処理した際に得られた最終中和残渣の鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の一例を示す。
Figure 2010095788
表5より、75μm以下の細粒部に、鉄が濃縮され、ケイ素、カルシウム等が低下されることが分かる。すなわち、この部分では、脈石成分とヘマタイトが分離されていることが分かる。なお、カルシウムの存在は、最終中和工程(1)で中和の際、石膏が生成され混入されたことによるものであり、この石膏は、粗粒部に分配されることが分かる。
以上の結果より、浸出残渣スラリーを含む最終中和残渣スラリーからヘマタイトを分離回収する際にも、ヘマタイト粒子が他の浸出残渣成分及び中和反応により生成した石膏よりも微細であることを利用し、浸出残渣スラリーの場合と同様に、篩分け分級、沈降分級、遠心分級等の種々の湿式法による物理分離手段が用いられ、ヘマタイト含む細粒部と他の浸出残渣成分及び該石膏を含む粗粒部とに分離することができる。ここで、細粒部は、系外に払い出し、別工程で精製してヘマタイトを鉄資源として回収することができる。なお、粗粒部は、最終中和残渣(1)として、テーリングダムで貯留される。
また、上記(B)の工程の方法としては、磁気分離を利用する磁選法を適用することができ、特に、前述した石膏の分離を向上する手段として、上記分級法との併用も行うことができる。すなわち、磁選法は、ヘマタイトは弱磁性体であり、一方、石膏は非磁性体であるので、この性質の差を利用して、分離するものである。
なお、回収されるヘマタイト殿物へのカルシウムの混入を根本的に防止するためには、最終中和工程(1)で処理する前に、浸出残渣スラリーをカルシウム濃度の低い水で洗浄する方法を採用することにより、付着硫酸を除去して、イオウ品位を1質量%程度以下にまで低減することが有効であるが、立地条件によってはカルシウム濃度の低い水が常時潤沢に確保できるとは限らないという課題がある。
(8)最終中和工程(2)
上記最終中和工程(2)は、上記中和工程で得られる中和殿物スラリー、或いは、必要に応じて、これに上記亜鉛除去工程で得られる硫化亜鉛殿物スラリーを加えて、石灰石スラリーと消石灰スラリーを添加して、pHを8〜9程度に調整し、液中の金属イオンを中和殿物として沈殿させ、最終中和残渣(2)を得る工程である。なお、得られた最終中和残渣(2)は、テーリングダムで貯留される。
なお、従来、上記中和工程で得られる中和殿物スラリーは、必要に応じて、固液分離工程へ送られていたが、このため、中和剤消費量を増加させるとともに、浸出残渣量を増加させることになっていた。本発明の方法のように、浸出残渣からヘマタイトを分離回収する際には、浸出残渣中のヘマタイト含有量を上昇させるため、中和殿物スラリーが別系統で処理されることが好ましい。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で用いた金属の分析方法は蛍光X線分析法又はICP発光分析法で行った。
(実施例1)
上記(A)の工程として、鉱石スラリーから、遠心分級により、シリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱を濃縮分離した。
分級装置として、最大100Gの遠心力を持つネルソン・コンセントレーター(ネルソン社(Knelson Engineering and Manufacturing Division)製)を用いて、上記表1に示す鉱石スラリーの分級を行った。
ここで、スラリー濃度を15質量%とし、液温は常温とした。
得られた結果を表6に示す。
Figure 2010095788
表6から、遠心力分級により、得られる粗粒部では、クロム、ケイ素及びマグネシウムは、給鉱中のクロム2.7質量%に対し5.3質量%に、給鉱中のケイ素6.6質量%に対し12.5質量%に、また給鉱中のマグネシウム2.0質量%に対し4.6質量%にと上昇したが、一方、鉄は、給鉱中の鉄品位45.7質量%に対し34.4質量%に低下した。
以上より、鉱石スラリーの分級により、粗粒部にシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱が濃縮され、分離されることが分かる。
(実施例2)
上記(B)の工程として、浸出残渣から、遠心分級により、ヘマタイトを濃縮分離した。
上記表1に示す鉱石スラリーを用いて、スラリー濃度が30質量%のスラリーに、硫酸濃度45g/Lの硫酸を添加し、撹拌機付きのオートクレーブに装入し、浸出温度245℃で、所定の浸出温度に昇温後60分の浸出時間として浸出した。次いで、浸出終了後、浸出残渣と浸出液とを濾別し、得られた浸出残渣(上記表4参照。)を、実施例1で用いたものと同様の分級装置を用いて分級した。
なお、浸出液の組成は、Ni:7.1g/L、Co:0.6g/L、及びFe:5g/Lであった。
得られた結果を表7に示す。
Figure 2010095788
表7から、遠心力分級により、得られる細粒部では、給鉱中の鉄品位44.6質量%に対し52.4質量%に上昇した。一方、給鉱中のクロム2.52質量%に対し2.2質量%に、給鉱中のケイ素7.8質量%に対し6.1質量%に、また給鉱中のマグネシウム1.33質量%に対し0.97質量%に低下した。
以上より、浸出残渣の分級により、細粒部にヘマタイトが濃縮され、分離されることが分かる。
(実施例3)
上記(B)の工程として、最終中和残渣から、遠心分級により、ヘマタイトを濃縮分離した。
上記浸出残渣(上記表4参照。)に、濃度25質量%の消石灰スラリーを中和剤として添加し、60℃で、pH8.5になるように中和した。さらに得られた最終中和残渣(上記表5参照。)を実施例1で用いたものと同様の分級装置で分級した。得られた結果を表8に示す。
Figure 2010095788
表8から、遠心力分級により、得られる細粒部では、給鉱中の鉄品位35.7質量%に対し40.2質量%に上昇した。以上より、最終中和残渣スラリーの分級により、細粒部にヘマタイトが濃縮され、分離されることが分かる。
(実施例4)
上記(B)の工程として、最終中和残渣から、磁選分離により、ヘマタイトを濃縮分離した。
最終中和残渣スラリー(上記表5参照。)を用いて、高勾配磁気分離機(HGMS)を使用して、磁選した。なお、最終中和条件は実施例3と同様であった。得られた結果を表9に示す。
Figure 2010095788
表9から、磁選により、得られる磁着物では、給鉱中の鉄品位35.7質量%に対し、48.5質量%に上昇し、一方、給鉱中のカルシウム品位5.9質量%に対し、0.6質量%に低下した。このときのスラリー回収率は、51%であった。これより、磁着物へのヘマタイトの濃縮と石膏の減少が行われることが分かる。
(実施例5)
上記(B)の工程として、浸出残渣から、篩分け分級により、ヘマタイトを濃縮分離した。
上記図3、4に示す浸出残渣(鉄品位:47.6質量%、クロム品位:2.6質量%、ケイ素品位:7.1質量%)を用いて、目開き20μm、75μmの篩により、それぞれ湿式篩分けを行い、細粒部の鉄、クロム及びケイ素の品位と分布率を求めた。結果を表10に示す。
Figure 2010095788
表10より、分級粒度を20μm、75μmの範囲に設定した湿式篩分けにより、細粒部にクロム、ケイ素品位が低いヘマタイト濃縮物(鉄品位:50.6、53.2質量%)を得ることができることが分かる。
(実施例6)
上記(B)の工程として、浸出残渣から、遠心分級により、ヘマタイトを濃縮分離した。
上記実施例1から実施例3までを通して得た浸出残渣スラリーを使用し、遠心分離を行なった。ただし、本発明の浸出残渣後の分級によるクロムやシリカの分離効果を確認するために、実施例1における浸出前の分級によるクロムとシリカの分離は行わなかった。
遠心分離には、定格の分級点が50μmであるハイドロサイクロン(日本分離株式会社製、SP−50型)を用いた。ここで、浸出残渣スラリーを供給したサイクロン1段目のアンダーフローをサイクロン2段目に給液して、粗粗粒(アンダーフロー)と粗細粒(オーバーフロー)を得た。また、サイクロン1段目のオーバーフローをサイクロン3段目に給液して、細粗粒(アンダーフロー)と細細粒(オーバーフロー)を得た。その後、これら産出物の分配率と組成を求めた。結果を表11に示す。
Figure 2010095788
表11より、物量分布率70%で、鉄品位61質量%の細細粒が得られることが分かる。
(実施例7)
上記(A)の工程として、鉱石スラリーから、篩分け分級により、クロマイトを濃縮分離した。
上記表2に示す鉱石スラリーを用いて、目開き37μm、75μm、100μm、850μm、及び1000μmの篩により、湿式篩分けを行った場合について、粒度範囲A:100〜850μm、粒度範囲B:75〜1000μm、粒度範囲C:37〜850μm、粒度範囲D:37〜1000μm、及び粒度範囲F:100μm以下のニッケル、鉄、クロム、ケイ素、及びマグネシウムの品位と分布率を求めた。
上記表3から、粒度範囲C:37〜850μm及び粒度範囲D:37〜1000μmでは、クロム品位が10質量%以上となるクロマイトの濃縮物を得ることができることが分かる。また、1000μm以上の粒度範囲Gでは、ケイ素が10.6質量%及びマグネシウムが9質量%に上昇し、粗粒部にシリカ鉱物及びケイ苦土鉱が濃縮され、分離されることが分かる。
特に、粒度範囲A:100〜850μm、粒度範囲B:75〜1000μmでは、クロム品位が20質量%程度となる濃縮物を得ることができる。しかも、濃縮物中のニッケル品位は0.5質量%であり、ニッケルの損失は最小限に抑制され、かつ、100μm以下の粒度範囲Fではクロム品位は1.7質量%まで低減し、一方鉄及びニッケルが濃縮されることが分かる。
(実施例8、参考例1)
図1に示す製錬工程図に従って、(A)、(B)、(C)の工程を含むニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法を行い、クロマイト、シリカ鉱物及びケイ苦土鉱の分離とへマタイトの濃縮分離を行った。
まず、(A)の工程として、上記表2に示す鉱石スラリーを用いて、目開き75μmの篩により、湿式篩分け分級して、粗粒部としてクロマイト、シリカ鉱物及びケイ苦土鉱を分離した。次いで、浸出工程として、得られた細粒部を用いて、スラリー濃度が30質量%のスラリーに、硫酸濃度45g/Lの硫酸を添加し、撹拌機付きのオートクレーブに装入し、浸出温度245℃に昇温後60分間浸出し、浸出残渣スラリーと浸出液を得た。続いて、最終中和工程として、得られた浸出残渣スラリーに、濃度25質量%の消石灰スラリーを中和剤として添加し、60℃で、pH8.5になるように中和し、最後に、(B)の工程として、得られた中和残渣を用いて、最大24000Gの遠心力を持つハイドロサイクロン(日本化学機械製造株式会社製、NHC−1型)により、へマタイトを濃縮した細粒部と石膏が濃縮した粗粒部に分級し、細粒部の鉄、カルシウム、イオウ、クロム、ケイ素、及びマグネシウムの品位を求めた(実施例8)。結果を表12に示す。なお、(C)の工程として、前記浸出液の中和工程から得られた中和殿物スラリーは、前記浸出残渣とは別途最終中和処理した。
これに対して、上記浸出液を、60℃に維持しながら25質量%消石灰スラリーを中和剤として添加してpH2.5になるように中和し、3価の鉄水酸化物を含む中和殿物スラリーを得て、これを浸出残渣と混合したこと以外は実施例8と同様にして、細粒部の鉄、カルシウム、イオウ、クロム、ケイ素、及びマグネシウムの品位を求めた(参考例1)。結果を表12に示す。
Figure 2010095788
表12より、実施例8では、細粒部の鉄品位は57質量%と向上し、同時にカルシウム品位は1.6質量%に低減し、鉄鋼原料として使用できる品質のへマタイト濃縮物が得られることが分かる。これに対して、参考例1では、鉄とカルシウムの分離が不十分であることが分かる。
以上より明らかなように、本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、ニッケル酸化鉱の湿式製錬分野で利用される高圧浸出に基づく製錬方法として好適である。
本発明に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法による実施態様の一例を表す製錬工程図である。 ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法(特許文献2)に基づく実用プラントの一例を表す製錬工程図である。 浸出残渣の粒度と鉄、クロム及びケイ素の品位の関係を示す図である。 浸出残渣の粒度と鉄、クロム及びケイ素の分布率の関係を示す図である。
符号の説明
1 鉱石処理工程
2 浸出工程
3 固液分離工程
4 中和工程
5 亜鉛除去工程
6 硫化工程
7 最終中和工程又は最終中和工程(1)
8 ニッケル酸化鉱石
9 鉱石スラリー
10 浸出スラリー
11 浸出液
12 浸出残渣スラリー
13 中和殿物スラリー
14 母液(1)
15 硫化亜鉛殿物
16 母液(2)
17 混合硫化物
18 貧液
19 最終中和残渣又は最終中和残渣(1)
20 テーリングダム
21 (A)の工程
22 クロマイト等
23 (B)の工程
24 ヘマタイト殿物
25 最終中和工程(2)((C)の工程)
26 最終中和残渣(2)

Claims (10)

  1. 鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、
    下記の(A)〜(C)の工程から選ばれる少なくともひとつの工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
    (A)前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を含む粒子を、物理分離法により分離回収する。
    (B)前記固液分離工程から産出する浸出残渣スラリー中のヘマタイト粒子を、物理分離法により分離回収する。
    (C)前記中和工程から産出する中和殿物スラリーは、前記固液分離工程から産出する浸出残渣とは別途に最終中和処理する。
  2. 前記(C)の工程において、前記亜鉛除去工程から産出する硫化亜鉛殿物スラリーを、前記中和殿物スラリーと同時に最終中和処理することを特徴とする請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  3. 前記鉱石処理工程は、採掘した原料鉱石の異物除去及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリーを形成する工程であり、前記浸出工程は、該鉱石スラリーに硫酸を添加し、高温高圧下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程であり、前記固液分離工程は、該浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣スラリーを得る工程であり、前記中和工程は、該浸出液に炭酸カルシウムを添加し、3価の鉄を含む中和殿物スラリーとニッケル回収用の母液を形成する工程であり、前記亜鉛除去工程は、該母液に硫化水素ガスを吹きこみ、硫化亜鉛殿物スラリーとニッケル及びコバルト回収用の母液を形成する工程であり、前記硫化工程は、該ニッケル及びコバルト回収用の母液に、硫化水素を吹き込み、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物と貧液とを生成する工程であり、及び最終中和工程は、該浸出残渣スラリーに余剰の貧液を加え、pHを8〜9程度に調整し、最終中和残渣を得る工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  4. 前記鉱石処理工程において、鉱石粒度調整は、2mm以下の粒度で篩分け処理に付すことを特徴とする請求項3に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  5. 前記(A)の工程において、前記鉱石スラリーを篩分け分級又は遠心分級による物理分離法に付し、その際、分級された粗粒部をシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱の濃縮物として回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  6. 前記分級粒度は、20〜850μmの範囲から選ばれることを特徴とする請求項5に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  7. 前記分級粒度は、850μm以上の範囲と20〜850μmの範囲から選ばれる二つの粒度であり、まず、前者の範囲の粒度で分級された粗粒部をシリカ鉱物又はケイ苦土鉱の濃縮物として回収し、次いで後者の範囲の粒度で分級された粗粒部をクロマイトの濃縮物として回収することを特徴とする請求項5に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  8. 前記(B)の工程において、前記浸出残渣スラリー又はそれを含む最終中和残渣スラリーを篩分け分級又は遠心分級による物理分離法に付し、その際、分級された細粒部をヘマタイトの濃縮物として回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  9. 前記分級粒度は、20〜100μmの範囲から選ばれることを特徴とする請求項8に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  10. 前記(B)の工程において、前記浸出残渣スラリー又はそれを含む最終中和残渣スラリーを磁気分離による物理分離法に付し、その際、磁着物をヘマタイト濃縮物として回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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