JP2014189412A - 製鉄用ヘマタイトの製造方法 - Google Patents

製鉄用ヘマタイトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014189412A
JP2014189412A JP2013063905A JP2013063905A JP2014189412A JP 2014189412 A JP2014189412 A JP 2014189412A JP 2013063905 A JP2013063905 A JP 2013063905A JP 2013063905 A JP2013063905 A JP 2013063905A JP 2014189412 A JP2014189412 A JP 2014189412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid
hematite
liquid separation
neutralization
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013063905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5622061B2 (ja
Inventor
Takeshi Obara
剛 小原
Hidenori Sasaki
秀紀 佐々木
Yasumasa Suga
康雅 菅
Masaki Imamura
正樹 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2013063905A priority Critical patent/JP5622061B2/ja
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to AU2013383668A priority patent/AU2013383668B2/en
Priority to CA2905262A priority patent/CA2905262C/en
Priority to PCT/JP2013/083378 priority patent/WO2014155855A1/ja
Priority to US14/777,561 priority patent/US9828256B2/en
Priority to EP13880527.0A priority patent/EP2980024B1/en
Priority to CN201380074990.7A priority patent/CN105050961B/zh
Priority to TW103106445A priority patent/TWI513826B/zh
Publication of JP2014189412A publication Critical patent/JP2014189412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5622061B2 publication Critical patent/JP5622061B2/ja
Priority to PH12015502209A priority patent/PH12015502209B1/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G49/00Compounds of iron
    • C01G49/02Oxides; Hydroxides
    • C01G49/06Ferric oxide [Fe2O3]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B23/00Obtaining nickel or cobalt
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B3/00Extraction of metal compounds from ores or concentrates by wet processes
    • C22B3/04Extraction of metal compounds from ores or concentrates by wet processes by leaching
    • C22B3/06Extraction of metal compounds from ores or concentrates by wet processes by leaching in inorganic acid solutions, e.g. with acids generated in situ; in inorganic salt solutions other than ammonium salt solutions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B3/00Extraction of metal compounds from ores or concentrates by wet processes
    • C22B3/20Treatment or purification of solutions, e.g. obtained by leaching
    • C22B3/44Treatment or purification of solutions, e.g. obtained by leaching by chemical processes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】 HPALプロセスで産出した酸化鉄を含む浸出残渣から、製鉄原料に使用できる程度に硫黄成分の低いヘマタイトを精製する実操業において、従来のCa系中和剤と母岩由来のCa系以外の中和剤とを使用することが可能な、製鉄用ヘマタイトの製造方法を提供する。
【解決手段】 鉄と有価金属を含有する鉱石に、鉱酸と酸化剤を添加し、高温高圧下で有価金属を浸出するプロセスにおける製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法であって、(1)の高圧酸浸出工程、(2)の予備中和工程、(3)の固液分離工程1、(4)の中和工程、(5)の中和工程2、(6)の固液分離工程3、(7)のFe富化スラリーの一部を、(4)の中和工程に種晶として添加する処理、(8)の固液分離工程2を経て製造されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製鉄用ヘマタイトの製造方法に関し、詳しくは、ニッケル酸化鉱の湿式精錬工程のうち固液分離工程を複数系列備えることにより、実操業において浸出残渣への硫黄化合物の混入を効率良く抑制することが可能な、製鉄用ヘマタイトの製造方法に関する。
ニッケルはステンレスの原料として幅広く用いられている。
しかしながら、その原料となる硫化鉱石の資源枯渇傾向に伴い、低品位の酸化鉱石を精製する技術が開発され、実用化されている。
具体的には、リモナイトやサプロライトなどのニッケル酸化鉱石を硫酸溶液とともにオートクレーブなどの加圧装置に入れ、240〜260℃程度の高温高圧下でニッケルを浸出する、「高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)」と呼ばれる製造プロセスが実用化されている。
この硫酸溶液中に浸出されたニッケルは、中和剤を添加して余剰の酸を中和し、次いで固液分離して浸出残渣と分離され、その後不純物を分離して水酸化物や硫化物などの形態の中間原料として回収されている。この中間原料をさらに精錬することにより、ニッケルメタルやニッケル塩化合物などを得ている。
なお、前記の余剰の酸を中和する予備中和工程では、固液分離に適したpHに調整し、次工程の固液分離工程において、CCD(Counter Current Decantation)と呼ばれる設備で、固形分の濃縮および固液分離が行われる。通常CCDでは、連続する複数段のシックナーを使用している。
そのCCDから得られる液体成分(以下、オーバーフローという場合がある)は、硫化工程に適したpHに調整するために中和工程に回され、pHを調整することにより、発生する微細な固形物を沈殿除去した後、例えば、硫化工程に送られ、硫化処理が行われ、ニッケル・コバルトの混合硫化物という中間原料を得るのが一般的である。
この際、例えば特許文献1には、CCDで得られた固形分(以下、アンダーフローという場合がある)の一部を、中和工程に種晶として添加し、微細な沈殿の生成を促進する技術が記載されており、実操業の効率を向上させるために有効に活用されている。
このような高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)と呼ばれる製造プロセスでは、例えばニッケル酸化鉱石の場合、回収目的の有価金属が1〜2重量%以下の低品位鉱石(以下、品位に関しては「%」で表記する。)であっても、ほぼ完全にニッケルを浸出できる。
また浸出液から中間原料を製造することにより、目的金属を従来原料と同程度まで濃縮し、従来原料とほぼ同様の精錬方法および工程で目的金属を得ることができる。
また、このHPALプロセスは、ニッケル酸化鉱のみでなく、ニッケル硫化鉱石や硫化銅鉱石、酸化銅鉱石など多くの種類にも適用できる。
さらに、HPALプロセスで得られる浸出残渣の主な成分は、ヘマタイトなどの形態の酸化鉄であり、浸出残渣中の鉄分はおよそ50%程度であり、また、浸出残渣の生産量は中間原料の生産量に対しておよそ50倍から100倍である。これは原料としたニッケル酸化鉱石や銅の硫化鉱石に、いずれもニッケルや銅の含有量をはるかに超える量の鉄を含有するためである。
この浸出残渣は、高温で生成されているため化学的・環境的には安定な酸化物の形態であるが、現状では特段の利用価値もなく、残渣堆積場に積立保管されている。
このためHPALプロセスの操業に伴って発生する、膨大な量の浸出残渣を積立保管するための広大な残渣堆積場が必要である。
一方、鉄鋼製錬では、酸化鉄が含まれた鉄鉱石をコークスなどの還元剤と共に高炉に装入し、加熱して還元溶融して粗鋼を得、これを転炉で精錬して目的とする鋼を得る方法が用いられる。
その原料の酸化鉄は、限られた資源であり、しかも鋼の品質維持に必要な良質な鉄鉱石の入手は次第に難しくなっている。このため、浸出残渣を鉄鉱石として使用する検討がなされている。
しかしながら、HPALプロセスの浸出残渣は製鉄原料用に直接用いることはできなかった。その理由は、HPALプロセスの浸出残渣には、酸化鉄以外にも脈石や不純物、特に硫黄が含まれるため、従来の一般的な製鉄プロセスに用いる原料には適さなかったためである。詳しくは、硫黄の品位が高いからである。
特に製鉄原料に利用できる酸化鉄中の硫黄品位は、個々の製鉄所の設備能力、生産量などによって異なるが、一般には1%未満に抑制することが必要とされている。
一方、浸出残渣には通常5〜8%程度の硫黄が含有されている。
この浸出残渣中の硫黄の由来は、その大部分がニッケル精製中に混入する硫酸カルシウム(石膏)である。
石膏は、高圧酸浸出で得られた浸出スラリーに残留する遊離硫酸(遊離硫酸とはHPALプロセスで十分な浸出を行うために過剰に加えた硫酸のうち、未反応で残留する硫酸のことである。)を中和する際に、一般的で安価なカルシウム系の中和剤、例えば、石灰石や消石灰を添加しており、中和剤に含まれるカルシウムと遊離硫酸とが反応することで生成し、浸出残渣中に混入することになる。
なお、浸出残渣に含有される硫黄の一部(1%程度)は、生成したヘマタイトの粒子中に取り込まれている。
そこで、添加する中和剤に消石灰や消石灰のような中和後に難溶性の澱物を形成するものでなく、溶解性の塩を生成するものを使用すれば良いと考えられる。
例えばこのような用途に適した中和剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどがある。
しかしながら、これらの中和剤は高価または生産量が少ないなどの理由で、HPALプロセスのような中和剤を大量消費するプロセスには適さない。
このため、全量あるいは部分的に上記のような中和後に難溶性の澱物を形成するカルシウム系の中和剤を使用せざるを得ず、硫黄の混入を避けられないことから、HPALプロセスで生成する浸出残渣をヘマタイトに加工して製鉄原料として用いることはできなかった。
一方、オートクレーブなどの加圧装置を使用して、鉄明礬石中の硫黄を分離する方法も知られている。
例えば特許文献2には、鉄明礬石含有残留物と硫化亜鉛含有物を少なくとも1000kPaの酸素分圧及び130〜170℃の温度条件で、オートクレーブ内において40〜100g/lの遊離硫酸とともに攪拌し、残留物および硫化亜鉛含有濃厚物の鉄分及び亜鉛分を実質的に溶解させ、溶液を亜鉛電解のための浸出循環路に導入して鉄を赤鉄鉱の形で沈殿させ、前記固形物から硫黄を分離し、残留物は別の用途に供給することを特徴とする方法である。
しかしこの方法は、オートクレーブのような高価な新規の装置を要し、設備コストがかさみ、さらに生産性の面でも課題があった。
そこで、鉱石自身に含有される酸化マグネシウムを中和剤として利用することが考えられた。
例えば、特許文献3は、硫酸マグネシウムのソースから酸化マグネシウムを回収するプロセスであって、金属含有鉱石または精鉱の浸出に関連したプロセスの一部から得られた溶液状態の硫酸マグネシウムのソースを用意する工程と、溶液状態の硫酸マグネシウムを固体硫酸マグネシウムに変換する工程と、固体硫酸マグネシウムを還元性雰囲気中で元素状硫黄に接触させる工程と、マグネシウムを酸化マグネシウムとして、かつ硫黄を二酸化硫黄ガスとして回収する工程とを含むプロセスである。
この方法を用いることにより、鉱石に含有されるマグネシウムを中和剤として再利用し、持ち込まれるカルシウムを抑制することができ、その結果、残渣中の酸化鉄に混入するカルシウムを減少することができる。
しかしながら特許文献3の方法は、溶液中のマグネシウムを硫酸マグネシウムとして晶析させたり、得た硫酸マグネシウムを加熱して酸化マグネシウムに変換するのに多量の熱を必要とし、経済的な方法とは言い難い。
対して、マグネシウム含有率が高い酸化鉱石(リモナイト鉱石)を中和剤として用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献4は、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含む酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを回収する方法において、酸化鉱石として、第一の酸化鉱石と、この第一の酸化鉱石よりもマグネシウム含有率が高い第二の酸化鉱石とを準備する工程と、第一の酸化鉱石を、第一の小粒径酸化鉱石と、第一の大粒径酸化鉱石とに分級し、第二の酸化鉱石を第二の小粒径酸化鉱石と、第二の大粒径酸化鉱石とに分級する分級工程と、硫酸を使用して第一の大粒径酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出し、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と浸出残渣とを得る浸出工程と、その浸出残渣を含む硫酸浸出溶液と第二の大粒径酸化鉱石とを混合し、硫酸浸出溶液と第二の大粒径酸化鉱石に含有されるマグネシウムとを反応させてpH調整し、ニッケルまたはコバルトを含む反応液と、鉄を含む反応残渣とを得る反応工程と、その反応残渣を含む反応液を、中和剤を使用して中和し、ニッケルまたはコバルトを含む中和液と、鉄を含む中和残渣とを得る中和工程とを含むことを特徴とする回収方法である。
この方法を用いることにより、ニッケル酸化鉱石自身を中和剤として利用することができる。
しかしながら、鉱石を分級するためのコストや手間は無視できなかった。さらに、浸出残渣中には脈石成分も多く、そのままでは鉄品位が低くなり、効率的な原料とは言い難かった。
従って、HPALプロセスで使用する中和剤の全量を酸化マグネシウムで代替することは困難だった。
また、浸出残渣を産出する予備中和工程だけ、中和剤を母岩由来の酸化マグネシウムに代替して硫黄混入を防ぐ方法が容易に想起される。
しかしながら、中和工程で従来のカルシウム系中和剤を使用して、特許文献1に記載の、実操業の効率を向上する技術を利用しようとすれば、中和工程の残渣がCCDに戻し入れられるため、浸出残渣への硫黄分混入は避けられなかった。
特開2004−225120号公報 特開平03−176081号公報 特開2009−520661号公報 特許第4294685号公報
本発明は、HPALプロセスで産出した酸化鉄を含む浸出残渣から、製鉄原料に使用できる程度に硫黄成分の低いヘマタイトを精製する実操業において、従来のCa系中和剤と母岩由来のCa系以外の中和剤とを使用することが可能な、製鉄用ヘマタイトの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の発明は、鉄と有価金属を含有する鉱石に、鉱酸と酸化剤を添加し、高温高圧下で有価金属を浸出するプロセスにおける製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法であって、下記(1)から(8)の工程を経ることを特徴とする製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法である。
(記)
(1)高温高圧下で得られた浸出液に中和剤を添加して中和して浸出スラリーを形成する高圧酸浸出工程。
(2)前記浸出スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに分離された予備中和後スラリーにする予備中和工程。
(3)前記(2)の予備中和工程による予備中和後スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに固液分離、洗浄する固液分離工程1。
(4)前記(3)の固液分離工程1により得られたNi富化スラリーを、Ca系中和剤を用いて中和する中和工程。
(5)前記(3)の固液分離工程1により得られたFe富化スラリーを、非Ca系中和剤を用いて中和する中和工程2。
(6)前記(5)の中和工程2により中和されたFe富化スラリーを固液分離、洗浄する固液分離工程3。
(7)前記(3)の固液分離工程1で得られたFe富化スラリーの一部を、Ni富化スラリーを中和する前記(4)の中和工程に種晶として添加する処理。
(8)前記(4)のNi富化スラリーの中和工程から得られる沈殿を、固液分離、洗浄する固液分離工程2。
本発明の第2の発明は、第1の発明における(7)の処理において、種晶として添加するFe富化スラリーの量が、(4)の中和工程における中和により生成する沈殿に対し、重量比で50〜80重量%であることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明の(1)の工程における浸出液に添加する中和剤が、母岩または水酸化マグネシウムであることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における(5)の中和工程2における中和剤が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における(4)の中和工程における中和剤が、石灰石又は消石灰であることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における鉄と有価金属を含有する鉱石が、ニッケル酸化鉱石であることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明における(6)の工程の後に、下記(9)の工程を経ることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
(記)
(9)(6)の固液分離工程3で得られた固体成分のヘマタイトから水分を除去して、除去後のヘマタイトの水分率を10wt%〜17wt%とする水分量調整工程。
本発明の製鉄用ヘマタイトの製造方法は、HPALプロセスで産出した酸化鉄を含む浸出残渣から、製鉄原料に使用できる程度に硫黄成分の低いヘマタイトを精製する実操業において、従来のCa系中和剤と母岩由来のCa系以外の非Ca系中和剤とを使用することが可能であるため、工業的価値は極めて大きい。
図1は、本発明の製造工程フロー図である。 図2は、従来の製造工程フロー図である。
本発明では、鉄と有価金属を含有する鉱石に、鉱酸と酸化剤を添加し、高温高圧下で有価金属を浸出する製造プロセスにおけるヘマタイトの製造方法であって、以下の(1)から(8)の処理を経ることを特徴とする製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法である。
(1)高温高圧下で得られた浸出液に中和剤を添加して中和して浸出スラリーを形成する高圧酸浸出工程。
(2)前記浸出スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに分離された予備中和後スラリーにする予備中和工程。
(3)前記(2)の予備中和工程による予備中和後スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに固液分離、洗浄する固液分離工程1。
(4)前記(3)の固液分離工程1により得られたNi富化スラリーを、Ca系中和剤を用いて中和する中和工程。
(5)前記(3)の固液分離工程1により得られたFe富化スラリーを、非Ca系中和剤を用いて中和する中和工程2。
(6)前記(5)の中和工程2により中和されたFe富化スラリーを固液分離、洗浄する固液分離工程3。
(7)前記(3)の固液分離工程1で得られたFe富化スラリーの一部を、Ni富化スラリーを中和する前記(4)の中和工程に種晶として添加する処理。
(8)前記(4)のNi富化スラリーの中和工程から得られる沈殿を、固液分離、洗浄する固液分離工程2。
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の製造工程フロー図である。
鉱石に含まれる有価金属は、図1の最も左側の実線矢印(中和工程からは細実線矢印)で示すフローに従って製造されていく。
一方、この製造プロセスの副生品であるヘマタイトは、図1の太実線で示されるように固液分離工程1(CCD)から右側に分岐した太実線矢印の先で得られる浸出残渣(Fe富化スラリー)に含まれ、その後、図1の最も右側の太実線矢印で示すフローに従って製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
[中和処理]
本発明における中和処理は、「1.予備中和工程」、「2.中和工程」、「3、中和工程2」の3工程において行われる。それぞれの工程において使用する中和剤を下記に記す。
予備中和工程における中和剤には、母岩、酸化マグネシウムもしくは水酸化マグネシウムを用いる。
中和工程における中和剤には、Ca系の中和剤を用いることができ、安価な石灰石や消石灰を用いる。
中和工程2における中和剤には、非Ca系中和剤を使用し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いるが、水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを用いても良い。
各中和工程を説明する。
1.予備中和工程
本発明の予備中和工程では、先ず中和剤に表1に成分組成の代表例を示した母岩(単位:wt%)を用いることで、カルシウムの混入を抑制しながら中和を進める。その目標とするpHは、ニッケル酸化鉱石の精錬の場合、次工程の固液分離工程1での分離効率を向上させるため、pH1〜3程度に中和する。
Figure 2014189412
2.中和工程
固液分離工程1から得られる液体成分(Ni富化スラリー)を中和処理する中和工程で、安価な石灰石や消石灰などのCa系中和剤を用いる。
このことで、安定かつ低コストでの操業が可能となる。その目標とするpHは、ニッケル酸化鉱石の精錬の場合、後工程で不純物分離の効率を向上させるため、pH3〜5程度に中和する。
この工程で中和分離する固形分は、中和槽の底部からスラリーの状態で固液分離工程2に送られるが、石膏が主成分であるため微細な沈殿物となり中和槽内での沈降速度が小さく、沈降殿物の固体率が十分に上がらない欠点がある。
そこで、沈降速度を向上させるため、固液分離工程1(CCD)のアンダーフロー分である浸出残渣のFe富化スラリー(ヘマタイトが主成分)を固形分重量として、沈殿物重量の50重量%以上80重量%以下を添加することが好ましい。
前記数値が50%未満だと、沈降速度の向上が不充分であり、80%より大きいと、沈降速度の向上させる効果があまり変わらないだけでなく、Fe富化スラリーを処理して得られるヘマタイトの生産量が少なくなるので不利である。
3.中和工程2
浸出残渣(Fe富化スラリー)を中和する中和工程2では、供給不安定な水酸化マグネシウムなどは用いず、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを用いるのが好ましい。
また、水酸化マグネシウムを中和剤として用いると、排水中のMg量が多くなり最終Mg固化処理において大量の中和剤が必要になるので好ましくない。
目標とするpHは、ヘマタイトとしては最終的な中和の工程となるため、pH6〜8程度に中和する。
[固液分離処理]
次に本発明における固液分離処理は、「固液分離工程1」、「固液分離工程2」、「固液分離工程3」の3処理にて行われる。
1.固液分離工程1
固液分離工程1では、CCD(Counter Current Decantation)などの公知の方法を用いて行い、予備中和工程により中和された予備中和後スラリーを、Ni富化スラリー(液体成分)とFe富化スラリー(固体成分:浸出残渣)に分離する。
ここで、Ni富化スラリーとは、CCDから得られるオーバーフロー液(上澄み液)であって、わずかながら固形分が混入しているので、便宜上スラリーと称している。
Ni富化スラリーは、後工程で処理されニッケル・コバルト混合硫化物や硫酸ニッケル溶液などの中間原料となり、さらに精錬されて有価金属となる。
一方、Fe富化スラリーの浸出残渣は、図1の最も右側の太実線矢印で示すフローに従って中和工程2、固液分離工程3を経て、製鉄用酸化鉄(高純度ヘマタイト)を回収する。
2.固液分離工程2
固液分離工程2では、CCD(Counter Current Decantation)などの公知の方法を用いて行い、中和工程から得られる、石膏を主成分とする沈殿物のスラリーから液体成分を、固液分離工程1(CCD)の洗浄液として回収し、残渣を最終処理工程に移送する。
この固液分離工程2を設けているため、Fe富化スラリーに石膏が混入することがなくなり、得られるヘマタイトの硫黄品位を抑制することができる。
3.固液分離工程3
固液分離工程3では、湿式分級、シックナーやフィルタープレスなど公知の方法を用いて行い、中和工程2から得られる中和後のFe富化スラリーから固形分として、硫黄分が1%未満のヘマタイトを回収する。また、得られた液体成分は、固液分離工程1(CCD)の洗浄液として回収する。
母岩を使用して浸出スラリー中の余剰酸の中和を行う場合、固液分離工程1を経た後、その浸出残渣(以下、区別するために中和残渣と呼ぶ。)を湿式サイクロン等を使用して分級(湿式分級)することにより、中和残渣の小粒径側(湿式サイクロンのO/F側)にヘマタイトを濃縮し、大粒径側(湿式サイクロンでのU/F側)にはヘマタイト以外の物質を濃縮することでヘマタイトの品位を高めることが好ましい。
以上説明してきたように、実操業で操業効率を向上させるために、中和工程でFe富化スラリーを添加し、中和工程で発生する残渣である沈殿を、CCDに戻し入れる場合(図2の従来の製造工程フロー図を参照)には、5〜8%程度の硫黄を含有するヘマタイトしか得ることが出来なかったが、本発明を適用することにより、硫黄分が1%未満のヘマタイトを得ることが可能となった。
一方、本発明の製造方法における固液分離工程3において得られるヘマタイトケーキ(図1中「ヘマタイト」と表記)は、その硫黄分は1%未満と低いが、水分含有率22%と比較的高い。
一般的に固体物質の運送においては、水分含有量が多いと船舶輸送中に液状化現象を引き起こし、船舶の転覆を引き起こす可能性がある。日本海事検定協会にて調査した結果、本発明ヘマタイトの運送許容水分値(TML:Transportable Moisture Limit)は17%以下であった。このため、船舶搬送する場合、当該ケーキの水分含有率を下げる必要がある。同時に当該ヘマタイトの粒子径は1μm程度と非常に細かいので、発塵の可能性が非常に高い。発塵は水分量が多くなると少なくなる。
水分量を17%から下げていくと10%程度から微細粒子が著しく多くなる傾向がみられるので、水分含有量は10〜17%が好ましい。ハンドリング時にフレコンを使用するなど防塵出来る場合は水分含有量はより低い方が好ましい。
そこで、水分含有量の調製を行う水分調整工程を行うと良い。本発明ではヘマタイトケーキから水分を除去する脱水が行われる。
その脱水方法には、加熱法、フィルタープレス法、遠心分離法などがあるが、水分除去効率の高さや経済性からフィルタープレス(加圧濾過)による方法が広く用いられている。
また、予備中和処理に用いる母岩は、その粒径を粉砕などによって最適範囲に調整することが好ましい。
具体的には、母岩の粒径が500μmを超えない範囲であれば、中和性能に差がなく、また、分級に湿式サイクロンを用いる場合、分級除去したい物質の粒径が大きいほど分級精度を上げることができることから、母岩の粒径は500μm以下となる範囲、そして設備負荷を考えると好ましくは150μm前後の平均粒径となるように調整することにより、ヘマタイト以外の脈石等をU/F側に分配させ、ヘマタイトの品位を向上させることが出来る。
また、これまで述べてきた製造方法で製造された製鉄用ヘマタイトを造粒して造粒物とすることが好ましい。
当該工程で得られるヘマタイトケーキは、(1)形状が不均一、(2)粉立ちが発生、(3)流動性が悪いなどの欠点があるため、(a)製鉄メーカーにおいて他の鉄鉱石と混合する場合、不均一な混合状態となる、(b)流動性が悪く装入効率が悪くなる、(c)粉塵が発生しやすいなどの可能性が高い。
このため、造粒を行い均一なる粒度の造粒物にすることで上記課題が解決される。造粒法としては転動造粒、圧縮造粒、押出造粒が広く知られている。当該ヘマタイトをこれらの造粒方法で造粒することで、均一で流動性の良い造粒物が得られる。同時にヘマタイトケーキよりも粉立ちの発生は低くなる。
また、製造された製鉄用ヘマタイトは、600℃〜1400℃で加熱処理をすることで、硫黄分の減少が図れるために好ましい。
なお、本発明を適用しても残留する硫黄の大部分は、石膏由来の硫黄ではなく、高温加圧酸浸出の工程で、ヘマタイト粒子の中に取り込まれた硫酸成分の硫黄と考えられており、本発明を適用することにより石膏由来の硫黄は実質的に、その全量を除去することが可能である。
以下、実施例、比較例で、本発明をより詳細に説明する。実施例、比較例において共通の条件は以下のとおりとした。
・原料鉱石:ニッケル品位1%、鉄品位46〜48%であるニッケル酸化鉱石
・鉱石スラリー:30〜40重量%のスラリーとなるように前処理した。
・高圧酸浸出:98重量%の硫酸と混合したスラリーを加圧装置に装入し、240〜250℃に昇温して1時間維持し、鉱石中のニッケルを浸出した。
・予備中和工程の中和剤:母岩(<300〜400μm程度)を使用した。
・中和工程の中和剤:消石灰を使用した。
・中和工程に添加するFe富化スラリー量:発生する沈殿量の70%量とした。
なお、水分率は、株式会社エーアンドデイの加熱乾燥式水分計「ML−50」で測定し、硫黄品位は炭素・硫黄分析装置を用いて測定した。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
その結果、得られたヘマタイトの硫黄品位は0.9%であり、製鉄用原料として使用可能なヘマタイトを得ることができた。
中和工程にFe富化スラリーを添加して、沈殿物の沈降を促進したため従来と同様の効率で操業することができた。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
得られたヘマタイトケーキを高圧フィルタープレス(高圧加熱濾過装置)をすることで、ヘマタイト硫黄品位0.9%、水分率13%のヘマタイトが得られた。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
得られたヘマタイトケーキに高圧フィルタープレス(高圧加熱濾過装置)処理をして、押出造粒により1mm径のヘマタイト造粒物を得た。
硫黄品位は0.9%、水分率は13%であった。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
得られたヘマタイトケーキを高圧フィルタープレス(高圧加熱濾過装置)をすることで、ヘマタイト硫黄品位0.9%、水分率13%のヘマタイトが得られた。
このケーキを1400℃で加熱処理することで、水分含有率0%、硫黄濃度0.05%のヘマタイト造粒物が得られた。
(比較例1)
本発明を適用せず、図2の従来の製造工程フロー図に示すように中和工程から得られた沈殿をCCD(固液分離工程1)に戻し入いれる操業を実施した。
その結果、得られたヘマタイトの硫黄品位は6.5%であり、製鉄用原料としては使用が困難なヘマタイトしか得られなかった。
本発明により得られた粉末状のヘマタイトには、1重量%前後の硫黄が残留しているが、更に以下に示す公知の方法を組み合わせて適用することによって、更に良好な製鉄用原料とする可能性がある。
具体的には「特表2012−5175223号公報」に記載があるように、供給材料を乾燥、焼成して、供給材料に閉じ込められている硫黄および結晶水和水を除去することにより、ヘマタイト中に残留する硫黄を除去し、次いで、例えば「特開2004−269960号公報」にあるように粉末状の鉄原料をブリケット化する、または、「特開2006−233220公報」にあるように粉末状の鉄原料をペレット化するなどの方法を組み合わせて適用することにより、更に良好な製鉄用原料とすることが期待できる。
また、得られたヘマタイトを所定の温度で焙焼することにより、ヘマタイト粒子中の硫黄をSOとして除去することができる。
具体的には600℃以上の熱処理を行うことにより0.5%以下の硫黄濃度のヘマタイトを得ることが可能となる。1400℃を超えた熱処理では0.05%以下の硫黄濃度になり、従来の鉄鉱石と同等の硫黄濃度が得られる。1400℃よりも高い温度での熱処理で低硫黄濃度のヘマタイトを得ることが出来るが、熱処理温度を高くすると消費エネルギーの増加、炉壁材質の短寿命化を引き起こすため、経済的に1400℃以下での熱処理が好ましい。
本発明は、製鉄用ヘマタイトの製造方法に関し、詳しくは、ニッケル酸化鉱の湿式精錬工程のうち固液分離工程を複数系列備えることにより、実操業において浸出残渣への硫黄化合物の混入を効率良く抑制することが可能な、製鉄用ヘマタイトの製造方法に関する。
ニッケルはステンレスの原料として幅広く用いられている。
しかしながら、その原料となる硫化鉱石の資源枯渇傾向に伴い、低品位の酸化鉱石を精製する技術が開発され、実用化されている。
具体的には、リモナイトやサプロライトなどのニッケル酸化鉱石を硫酸溶液とともにオートクレーブなどの加圧装置に入れ、240〜260℃程度の高温高圧下でニッケルを浸出する、「高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)」と呼ばれる製造プロセスが実用化されている。
この硫酸溶液中に浸出されたニッケルは、中和剤を添加して余剰の酸を中和し、次いで固液分離して浸出残渣と分離され、その後不純物を分離して水酸化物や硫化物などの形態の中間原料として回収されている。この中間原料をさらに精錬することにより、ニッケルメタルやニッケル塩化合物などを得ている。
なお、前記の余剰の酸を中和する予備中和工程では、固液分離に適したpHに調整し、次工程の固液分離工程において、CCD(Counter Current Decantation)と呼ばれる設備で、固形分の濃縮および固液分離が行われる。通常CCDでは、連続する複数段のシックナーを使用している。
そのCCDから得られる液体成分(以下、オーバーフローという場合がある)は、硫化工程に適したpHに調整するために中和工程に回され、pHを調整することにより、発生する微細な固形物を沈殿除去した後、例えば、硫化工程に送られ、硫化処理が行われ、ニッケル・コバルトの混合硫化物という中間原料を得るのが一般的である。
この際、例えば特許文献1には、CCDで得られた固形分(以下、アンダーフローという場合がある)の一部を、中和工程に種晶として添加し、微細な沈殿の生成を促進する技術が記載されており、実操業の効率を向上させるために有効に活用されている。
このような高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)と呼ばれる製造プロセスでは、例えばニッケル酸化鉱石の場合、回収目的の有価金属が1〜2重量%以下の低品位鉱石(以下、品位に関しては「%」で表記する。)であっても、ほぼ完全にニッケルを浸出できる。
また浸出液から中間原料を製造することにより、目的金属を従来原料と同程度まで濃縮し、従来原料とほぼ同様の精錬方法および工程で目的金属を得ることができる。
また、このHPALプロセスは、ニッケル酸化鉱のみでなく、ニッケル硫化鉱石や硫化銅鉱石、酸化銅鉱石など多くの種類にも適用できる。
さらに、HPALプロセスで得られる浸出残渣の主な成分は、ヘマタイトなどの形態の酸化鉄であり、浸出残渣中の鉄分はおよそ50%程度であり、また、浸出残渣の生産量は中間原料の生産量に対しておよそ50倍から100倍である。これは原料としたニッケル酸化鉱石や銅の硫化鉱石に、いずれもニッケルや銅の含有量をはるかに超える量の鉄を含有するためである。
この浸出残渣は、高温で生成されているため化学的・環境的には安定な酸化物の形態であるが、現状では特段の利用価値もなく、残渣堆積場に積立保管されている。
このためHPALプロセスの操業に伴って発生する、膨大な量の浸出残渣を積立保管するための広大な残渣堆積場が必要である。
一方、鉄鋼製錬では、酸化鉄が含まれた鉄鉱石をコークスなどの還元剤と共に高炉に装入し、加熱して還元溶融して粗鋼を得、これを転炉で精錬して目的とする鋼を得る方法が用いられる。
その原料の酸化鉄は、限られた資源であり、しかも鋼の品質維持に必要な良質な鉄鉱石の入手は次第に難しくなっている。このため、浸出残渣を鉄鉱石として使用する検討がなされている。
しかしながら、HPALプロセスの浸出残渣は製鉄原料用に直接用いることはできなかった。その理由は、HPALプロセスの浸出残渣には、酸化鉄以外にも脈石や不純物、特に硫黄が含まれるため、従来の一般的な製鉄プロセスに用いる原料には適さなかったためである。詳しくは、硫黄の品位が高いからである。
特に製鉄原料に利用できる酸化鉄中の硫黄品位は、個々の製鉄所の設備能力、生産量などによって異なるが、一般には1%未満に抑制することが必要とされている。
一方、浸出残渣には通常5〜8%程度の硫黄が含有されている。
この浸出残渣中の硫黄の由来は、その大部分がニッケル精製中に混入する硫酸カルシウム(石膏)である。
石膏は、高圧酸浸出で得られた浸出スラリーに残留する遊離硫酸(遊離硫酸とはHPALプロセスで十分な浸出を行うために過剰に加えた硫酸のうち、未反応で残留する硫酸のことである。)を中和する際に、一般的で安価なカルシウム系の中和剤、例えば、石灰石や消石灰を添加しており、中和剤に含まれるカルシウムと遊離硫酸とが反応することで生成し、浸出残渣中に混入することになる。
なお、浸出残渣に含有される硫黄の一部(1%程度)は、生成したヘマタイトの粒子中に取り込まれている。
そこで、添加する中和剤に消石灰や消石灰のような中和後に難溶性の澱物を形成するものでなく、溶解性の塩を生成するものを使用すれば良いと考えられる。
例えばこのような用途に適した中和剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどがある。
しかしながら、これらの中和剤は高価または生産量が少ないなどの理由で、HPALプロセスのような中和剤を大量消費するプロセスには適さない。
このため、全量あるいは部分的に上記のような中和後に難溶性の澱物を形成するカルシウム系の中和剤を使用せざるを得ず、硫黄の混入を避けられないことから、HPALプロセスで生成する浸出残渣をヘマタイトに加工して製鉄原料として用いることはできなかった。
一方、オートクレーブなどの加圧装置を使用して、鉄明礬石中の硫黄を分離する方法も知られている。
例えば特許文献2には、鉄明礬石含有残留物と硫化亜鉛含有物を少なくとも1000kPaの酸素分圧及び130〜170℃の温度条件で、オートクレーブ内において40〜100g/lの遊離硫酸とともに攪拌し、残留物および硫化亜鉛含有濃厚物の鉄分及び亜鉛分を実質的に溶解させ、溶液を亜鉛電解のための浸出循環路に導入して鉄を赤鉄鉱の形で沈殿させ、前記固形物から硫黄を分離し、残留物は別の用途に供給することを特徴とする方法である。
しかしこの方法は、オートクレーブのような高価な新規の装置を要し、設備コストがかさみ、さらに生産性の面でも課題があった。
そこで、鉱石自身に含有される酸化マグネシウムを中和剤として利用することが考えられた。
例えば、特許文献3は、硫酸マグネシウムのソースから酸化マグネシウムを回収するプロセスであって、金属含有鉱石または精鉱の浸出に関連したプロセスの一部から得られた溶液状態の硫酸マグネシウムのソースを用意する工程と、溶液状態の硫酸マグネシウムを固体硫酸マグネシウムに変換する工程と、固体硫酸マグネシウムを還元性雰囲気中で元素状硫黄に接触させる工程と、マグネシウムを酸化マグネシウムとして、かつ硫黄を二酸化硫黄ガスとして回収する工程とを含むプロセスである。
この方法を用いることにより、鉱石に含有されるマグネシウムを中和剤として再利用し、持ち込まれるカルシウムを抑制することができ、その結果、残渣中の酸化鉄に混入するカルシウムを減少することができる。
しかしながら特許文献3の方法は、溶液中のマグネシウムを硫酸マグネシウムとして晶析させたり、得た硫酸マグネシウムを加熱して酸化マグネシウムに変換するのに多量の熱を必要とし、経済的な方法とは言い難い。
対して、マグネシウム含有率が高い酸化鉱石(リモナイト鉱石)を中和剤として用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献4は、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含む酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを回収する方法において、酸化鉱石として、第一の酸化鉱石と、この第一の酸化鉱石よりもマグネシウム含有率が高い第二の酸化鉱石とを準備する工程と、第一の酸化鉱石を、第一の小粒径酸化鉱石と、第一の大粒径酸化鉱石とに分級し、第二の酸化鉱石を第二の小粒径酸化鉱石と、第二の大粒径酸化鉱石とに分級する分級工程と、硫酸を使用して第一の大粒径酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出し、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と浸出残渣とを得る浸出工程と、その浸出残渣を含む硫酸浸出溶液と第二の大粒径酸化鉱石とを混合し、硫酸浸出溶液と第二の大粒径酸化鉱石に含有されるマグネシウムとを反応させてpH調整し、ニッケルまたはコバルトを含む反応液と、鉄を含む反応残渣とを得る反応工程と、その反応残渣を含む反応液を、中和剤を使用して中和し、ニッケルまたはコバルトを含む中和液と、鉄を含む中和残渣とを得る中和工程とを含むことを特徴とする回収方法である。
この方法を用いることにより、ニッケル酸化鉱石自身を中和剤として利用することができる。
しかしながら、鉱石を分級するためのコストや手間は無視できなかった。さらに、浸出残渣中には脈石成分も多く、そのままでは鉄品位が低くなり、効率的な原料とは言い難かった。
従って、HPALプロセスで使用する中和剤の全量を酸化マグネシウムで代替することは困難だった。
また、浸出残渣を産出する予備中和工程だけ、中和剤を母岩由来の酸化マグネシウムに代替して硫黄混入を防ぐ方法が容易に想起される。
しかしながら、中和工程で従来のカルシウム系中和剤を使用して、特許文献1に記載の、実操業の効率を向上する技術を利用しようとすれば、中和工程の残渣がCCDに戻し入れられるため、浸出残渣への硫黄分混入は避けられなかった。
特開2004−225120号公報 特開平03−176081号公報 特開2009−520661号公報 特許第4294685号公報
本発明は、HPALプロセスで産出した酸化鉄を含む浸出残渣から、製鉄原料に使用できる程度に硫黄成分の低いヘマタイトを精製する実操業において、従来のCa系中和剤と母岩由来のCa系以外の中和剤とを使用することが可能な、製鉄用ヘマタイトの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の発明は、鉄と有価金属を含有する鉱石に、鉱酸と酸化剤を添加し、高温高圧下で有価金属を浸出するプロセスにおける製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法であって、下記(1)から(8)の工程を経ることを特徴とする製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法である。
(記)
(1)高温高圧下で得られた浸出液に中和剤を添加して中和して浸出スラリーを形成する高圧酸浸出工程。
(2)前記浸出スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに分離された予備中和後スラリーにする予備中和工程。
(3)前記(2)の予備中和工程による予備中和後スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに固液分離、洗浄する固液分離工程1。
(4)前記(3)の固液分離工程1により得られたNi富化スラリーを、Ca系中和剤を用いて中和する中和工程。
(5)前記(3)の固液分離工程1により得られたFe富化スラリーを、非Ca系中和剤を用いて中和する中和工程2。
(6)前記(5)の中和工程2により中和されたFe富化スラリーを固液分離、洗浄する固液分離工程3。
(7)前記(3)の固液分離工程1で得られたFe富化スラリーの一部を、Ni富化スラリーを中和する前記(4)の中和工程に種晶として添加する処理。
(8)前記(4)のNi富化スラリーの中和工程から得られる沈殿を、固液分離、洗浄する固液分離工程2。
本発明の第2の発明は、第1の発明における(7)の処理において、種晶として添加するFe富化スラリーの量が、(4)の中和工程における中和により生成する沈殿に対し、重量比で50〜80重量%であることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明の(1)及び(2)の工程における浸出液に添加する中和剤が、母岩または水酸化マグネシウムであることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における(5)の中和工程2における中和剤が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における(4)の中和工程における中和剤が、石灰石又は消石灰であることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における鉄と有価金属を含有する鉱石が、ニッケル酸化鉱石であることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明における(6)の工程の後に、下記(9)の工程を経ることを特徴とする製鉄用ヘマタイトの製造方法である。
(記)
(9)(6)の固液分離工程3で得られた固体成分のヘマタイトから水分を除去して、除去後のヘマタイトの水分率を10wt%〜17wt%とする水分量調整工程。
本発明の製鉄用ヘマタイトの製造方法は、HPALプロセスで産出した酸化鉄を含む浸出残渣から、製鉄原料に使用できる程度に硫黄成分の低いヘマタイトを精製する実操業において、従来のCa系中和剤と母岩由来のCa系以外の非Ca系中和剤とを使用することが可能であるため、工業的価値は極めて大きい。
図1は、本発明の製造工程フロー図である。 図2は、従来の製造工程フロー図である。
本発明では、鉄と有価金属を含有する鉱石に、鉱酸と酸化剤を添加し、高温高圧下で有価金属を浸出する製造プロセスにおけるヘマタイトの製造方法であって、以下の(1)から(8)の処理を経ることを特徴とする製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法である。
(1)高温高圧下で得られた浸出液に中和剤を添加して中和して浸出スラリーを形成する高圧酸浸出工程。
(2)前記浸出スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに分離された予備中和後スラリーにする予備中和工程。
(3)前記(2)の予備中和工程による予備中和後スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに固液分離、洗浄する固液分離工程1。
(4)前記(3)の固液分離工程1により得られたNi富化スラリーを、Ca系中和剤を用いて中和する中和工程。
(5)前記(3)の固液分離工程1により得られたFe富化スラリーを、非Ca系中和剤を用いて中和する中和工程2。
(6)前記(5)の中和工程2により中和されたFe富化スラリーを固液分離、洗浄する固液分離工程3。
(7)前記(3)の固液分離工程1で得られたFe富化スラリーの一部を、Ni富化スラリーを中和する前記(4)の中和工程に種晶として添加する処理。
(8)前記(4)のNi富化スラリーの中和工程から得られる沈殿を、固液分離、洗浄する固液分離工程2。
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の製造工程フロー図である。
鉱石に含まれる有価金属は、図1の最も左側の実線矢印(中和工程からは細実線矢印)で示すフローに従って製造されていく。
一方、この製造プロセスの副生品であるヘマタイトは、図1の太実線で示されるように固液分離工程1(CCD)から右側に分岐した太実線矢印の先で得られる浸出残渣(Fe富化スラリー)に含まれ、その後、図1の最も右側の太実線矢印で示すフローに従って製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
[中和処理]
本発明における中和処理は、「1.予備中和工程」、「2.中和工程」、「3、中和工程2」の3工程において行われる。それぞれの工程において使用する中和剤を下記に記す。
予備中和工程における中和剤には、母岩、酸化マグネシウムもしくは水酸化マグネシウムを用いる。
中和工程における中和剤には、Ca系の中和剤を用いることができ、安価な石灰石や消石灰を用いる。
中和工程2における中和剤には、非Ca系中和剤を使用し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いるが、水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを用いても良い。
各中和工程を説明する。
1.予備中和工程
本発明の予備中和工程では、先ず中和剤に表1に成分組成の代表例を示した母岩(単位:wt%)を用いることで、カルシウムの混入を抑制しながら中和を進める。その目標とするpHは、ニッケル酸化鉱石の精錬の場合、次工程の固液分離工程1での分離効率を向上させるため、pH1〜3程度に中和する。
Figure 2014189412
2.中和工程
固液分離工程1から得られる液体成分(Ni富化スラリー)を中和処理する中和工程で、安価な石灰石や消石灰などのCa系中和剤を用いる。
このことで、安定かつ低コストでの操業が可能となる。その目標とするpHは、ニッケル酸化鉱石の精錬の場合、後工程で不純物分離の効率を向上させるため、pH3〜5程度に中和する。
この工程で中和分離する固形分は、中和槽の底部からスラリーの状態で固液分離工程2に送られるが、石膏が主成分であるため微細な沈殿物となり中和槽内での沈降速度が小さく、沈降殿物の固体率が十分に上がらない欠点がある。
そこで、沈降速度を向上させるため、固液分離工程1(CCD)のアンダーフロー分である浸出残渣のFe富化スラリー(ヘマタイトが主成分)を固形分重量として、沈殿物重量の50重量%以上80重量%以下を添加することが好ましい。
前記固形分重量が、沈殿物重量の50重量%未満だと、沈降速度の向上が不充分であり、80重量%より大きいと、沈降速度の向上させる効果があまり変わらないだけでなく、Fe富化スラリーを処理して得られるヘマタイトの生産量が少なくなるので不利である。
3.中和工程2
浸出残渣(Fe富化スラリー)を中和する中和工程2では、供給不安定な水酸化マグネシウムなどは用いず、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを用いるのが好ましい。
また、水酸化マグネシウムを中和剤として用いると、排水中のMg量が多くなり最終Mg固化処理において大量の中和剤が必要になるので好ましくない。
目標とするpHは、ヘマタイトとしては最終的な中和の工程となるため、pH6〜8程度に中和する。
[固液分離処理]
次に本発明における固液分離処理は、「固液分離工程1」、「固液分離工程2」、「固液分離工程3」の3処理にて行われる。
1.固液分離工程1
固液分離工程1では、CCD(Counter Current Decantation)などの公知の方法を用いて行い、予備中和工程により中和された予備中和後スラリーを、Ni富化スラリー(液体成分)とFe富化スラリー(固体成分:浸出残渣)に分離する。
ここで、Ni富化スラリーとは、CCDから得られるオーバーフロー液(上澄み液)であって、わずかながら固形分が混入しているので、便宜上スラリーと称している。
Ni富化スラリーは、後工程で処理されニッケル・コバルト混合硫化物や硫酸ニッケル溶液などの中間原料となり、さらに精錬されて有価金属となる。
一方、Fe富化スラリーの浸出残渣は、図1の最も右側の太実線矢印で示すフローに従って中和工程2、固液分離工程3を経て、製鉄用酸化鉄(高純度ヘマタイト)を回収する。
2.固液分離工程2
固液分離工程2では、CCD(Counter Current Decantation)などの公知の方法を用いて行い、中和工程から得られる、石膏を主成分とする沈殿物のスラリーから液体成分を、固液分離工程1(CCD)の洗浄液として回収し、残渣を最終処理工程に移送する。
この固液分離工程2を設けているため、Fe富化スラリーに石膏が混入することがなくなり、得られるヘマタイトの硫黄品位を抑制することができる。
3.固液分離工程3
固液分離工程3では、湿式分級、シックナーやフィルタープレスなど公知の方法を用いて行い、中和工程2から得られる中和後のFe富化スラリーから固形分として、硫黄分が1%未満のヘマタイトを回収する。また、得られた液体成分は、固液分離工程1(CCD)の洗浄液として回収する。
母岩を使用して浸出スラリー中の余剰酸の中和を行う場合、固液分離工程1を経た後、その浸出残渣(以下、区別するために中和残渣と呼ぶ。)を湿式サイクロン等を使用して分級(湿式分級)することにより、中和残渣の小粒径側(湿式サイクロンのO/F側)にヘマタイトを濃縮し、大粒径側(湿式サイクロンでのU/F側)にはヘマタイト以外の物質を濃縮することでヘマタイトの品位を高めることが好ましい。
以上説明してきたように、実操業で操業効率を向上させるために、中和工程でFe富化スラリーを添加し、中和工程で発生する残渣である沈殿を、CCDに戻し入れる場合(図2の従来の製造工程フロー図を参照)には、5〜8%程度の硫黄を含有するヘマタイトしか得ることが出来なかったが、本発明を適用することにより、硫黄分が1%未満のヘマタイトを得ることが可能となった。
一方、本発明の製造方法における固液分離工程3において得られるヘマタイトケーキ(図1中「ヘマタイト」と表記)は、その硫黄分は1%未満と低いが、水分含有率22%と比較的高い。
一般的に固体物質の運送においては、水分含有量が多いと船舶輸送中に液状化現象を引き起こし、船舶の転覆を引き起こす可能性がある。日本海事検定協会にて調査した結果、本発明ヘマタイトの運送許容水分値(TML:Transportable Moisture Limit)は17%以下であった。このため、船舶搬送する場合、当該ケーキの水分含有率を下げる必要がある。同時に当該ヘマタイトの粒子径は1μm程度と非常に細かいので、発塵の可能性が非常に高い。発塵は水分量が多くなると少なくなる。
水分量を17%から下げていくと10%程度から微細粒子が著しく多くなる傾向がみられるので、水分含有量は10〜17%が好ましい。ハンドリング時にフレコンを使用するなど防塵出来る場合は水分含有量はより低い方が好ましい。
そこで、水分含有量の調製を行う水分調整工程を行うと良い。本発明ではヘマタイトケーキから水分を除去する脱水が行われる。
その脱水方法には、加熱法、フィルタープレス法、遠心分離法などがあるが、水分除去効率の高さや経済性からフィルタープレス(加圧濾過)による方法が広く用いられている。
また、予備中和工程に用いる母岩は、その粒径を粉砕などによって最適範囲に調整することが好ましい。
具体的には、母岩の粒径が500μmを超えない範囲であれば、中和性能に差がなく、また、分級に湿式サイクロンを用いる場合、分級除去したい物質の粒径が大きいほど分級精度を上げることができることから、母岩の粒径は500μm以下となる範囲、そして設備負荷を考えると好ましくは150μm前後の平均粒径となるように調整することにより、ヘマタイト以外の脈石等をU/F側に分配させ、ヘマタイトの品位を向上させることが出来る。
また、これまで述べてきた製造方法で製造された製鉄用ヘマタイトを造粒して造粒物とすることが好ましい。
当該工程で得られるヘマタイトケーキは、(1)形状が不均一、(2)粉立ちが発生、(3)流動性が悪いなどの欠点があるため、(a)製鉄メーカーにおいて他の鉄鉱石と混合する場合、不均一な混合状態となる、(b)流動性が悪く装入効率が悪くなる、(c)粉塵が発生しやすいなどの可能性が高い。
このため、造粒を行い均一なる粒度の造粒物にすることで上記課題が解決される。造粒法としては転動造粒、圧縮造粒、押出造粒が広く知られている。当該ヘマタイトをこれらの造粒方法で造粒することで、均一で流動性の良い造粒物が得られる。同時にヘマタイトケーキよりも粉立ちの発生は低くなる。
また、製造された製鉄用ヘマタイトは、600℃〜1400℃で加熱処理をすることで、硫黄分の減少が図れるために好ましい。
なお、本発明を適用しても残留する硫黄の大部分は、石膏由来の硫黄ではなく、高温加圧酸浸出の工程で、ヘマタイト粒子の中に取り込まれた硫酸成分の硫黄と考えられており、本発明を適用することにより石膏由来の硫黄は実質的に、その全量を除去することが可能である。
以下、実施例、比較例で、本発明をより詳細に説明する。実施例、比較例において共通の条件は以下のとおりとした。
・原料鉱石:ニッケル品位1%、鉄品位46〜48%であるニッケル酸化鉱石
・鉱石スラリー:30〜40重量%のスラリーとなるように前処理した。
・高圧酸浸出:98重量%の硫酸と混合したスラリーを加圧装置に装入し、240〜250℃に昇温して1時間維持し、鉱石中のニッケルを浸出した。
・予備中和工程の中和剤:母岩(<300〜400μm程度)を使用した。
・中和工程の中和剤:消石灰を使用した。
・中和工程に添加するFe富化スラリー量:発生する沈殿量の70%量とした。
なお、水分率は、株式会社エーアンドデイの加熱乾燥式水分計「ML−50」で測定し、硫黄品位は炭素・硫黄分析装置を用いて測定した。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
その結果、得られたヘマタイトの硫黄品位は0.9%であり、製鉄用原料として使用可能なヘマタイトを得ることができた。
中和工程にFe富化スラリーを添加して、沈殿物の沈降を促進したため従来と同様の効率で操業することができた。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
得られたヘマタイトケーキを高圧フィルタープレス(高圧加熱濾過装置)をすることで、ヘマタイト硫黄品位0.9%、水分率13%のヘマタイトが得られた。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
得られたヘマタイトケーキに高圧フィルタープレス(高圧加熱濾過装置)処理をして、押出造粒により1mm径のヘマタイト造粒物を得た。
硫黄品位は0.9%、水分率は13%であった。
図1に示す本発明に係る製造工程フローに従い、固液分離工程2(CCD)、固液分離工程3(フィルタープレス)、中和工程2(中和剤:水酸化ナトリウム)を実施し、特に、中和工程から得られる沈殿を固液分離工程1に戻し入れることなく、操業を実施した。
得られたヘマタイトケーキを高圧フィルタープレス(高圧加熱濾過装置)をすることで、ヘマタイト硫黄品位0.9%、水分率13%のヘマタイトが得られた。
このケーキを1400℃で加熱処理することで、水分含有率0%、硫黄濃度0.05%のヘマタイト造粒物が得られた。
(比較例1)
本発明を適用せず、図2の従来の製造工程フロー図に示すように中和工程から得られた沈殿をCCD(固液分離工程1)に戻し入いれる操業を実施した。
その結果、得られたヘマタイトの硫黄品位は6.5%であり、製鉄用原料としては使用が困難なヘマタイトしか得られなかった。
本発明により得られた粉末状のヘマタイトには、1重量%前後の硫黄が残留しているが、更に以下に示す公知の方法を組み合わせて適用することによって、更に良好な製鉄用原料とする可能性がある。
具体的には「特表2012−5175223号公報」に記載があるように、供給材料を乾燥、焼成して、供給材料に閉じ込められている硫黄および結晶水和水を除去することにより、ヘマタイト中に残留する硫黄を除去し、次いで、例えば「特開2004−269960号公報」にあるように粉末状の鉄原料をブリケット化する、または、「特開2006−233220公報」にあるように粉末状の鉄原料をペレット化するなどの方法を組み合わせて適用することにより、更に良好な製鉄用原料とすることが期待できる。
また、得られたヘマタイトを所定の温度で焙焼することにより、ヘマタイト粒子中の硫黄をSOとして除去することができる。
具体的には600℃以上の熱処理を行うことにより0.5%以下の硫黄濃度のヘマタイトを得ることが可能となる。1400℃を超えた熱処理では0.05%以下の硫黄濃度になり、従来の鉄鉱石と同等の硫黄濃度が得られる。1400℃よりも高い温度での熱処理で低硫黄濃度のヘマタイトを得ることが出来るが、熱処理温度を高くすると消費エネルギーの増加、炉壁材質の短寿命化を引き起こすため、経済的に1400℃以下での熱処理が好ましい。

Claims (7)

  1. 鉄と有価金属を含有する鉱石に、鉱酸と酸化剤を添加し、高温高圧下で有価金属を浸出するプロセスにおける製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法であって、
    以下の(1)から(8)の工程を経ることを特徴とする製鉄用(高純度)ヘマタイトの製造方法。
    (記)
    (1)高温高圧下で得られた浸出液に中和剤を添加して中和して浸出スラリーを形成する高圧酸浸出工程。
    (2)前記浸出スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに分離された予備中和後スラリーにする予備中和工程。
    (3)前記(2)の予備中和工程による予備中和後スラリーを、Ni富化スラリーとFe富化スラリーに固液分離、洗浄する固液分離工程1。
    (4)前記(3)の固液分離工程1により得られたNi富化スラリーを、Ca系中和剤を用いて中和する中和工程。
    (5)前記(3)の固液分離工程1により得られたFe富化スラリーを、非Ca系中和剤を用いて中和する中和工程2。
    (6)前記(5)の中和工程2により中和されたFe富化スラリーを固液分離、洗浄する固液分離工程3。
    (7)前記(3)の固液分離工程1で得られたFe富化スラリーの一部を、Ni富化スラリーを中和する前記(4)の中和工程に種晶として添加する処理。
    (8)前記(4)のNi富化スラリーの中和工程から得られる沈殿を、固液分離、洗浄する固液分離工程2。
  2. 前記(7)における種晶として添加するFe富化スラリーの量が、前記(4)の中和工程における中和により生成する沈殿に対し、重量比で50〜80重量%であることを特徴とする請求項1記載の製鉄用ヘマタイトの製造方法。
  3. 前記(1)工程における浸出液に添加する中和剤が、母岩または水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製鉄用ヘマタイトの製造方法。
  4. 前記(5)の中和工程2における中和剤が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製鉄用ヘマタイトの製造方法。
  5. 前記(4)の中和工程における中和剤が、石灰石又は消石灰であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製鉄用ヘマタイトの製造方法。
  6. 前記鉄と有価金属を含有する鉱石が、ニッケル酸化鉱石であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製鉄用ヘマタイトの製造方法。
  7. 前記(6)の工程の後に、下記(9)の工程を経ることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の製鉄用ヘマタイトの製造方法。
    (記)
    (9)前記(6)の固液分離工程3で得られた固体成分のヘマタイトから水分を除去して、前記ヘマタイトの水分率を10wt%〜17wt%とする水分量調整工程。
JP2013063905A 2013-03-26 2013-03-26 製鉄用ヘマタイトの製造方法 Active JP5622061B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063905A JP5622061B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 製鉄用ヘマタイトの製造方法
CA2905262A CA2905262C (en) 2013-03-26 2013-12-12 Method for producing hematite for ironmaking
PCT/JP2013/083378 WO2014155855A1 (ja) 2013-03-26 2013-12-12 製鉄用ヘマタイトの製造方法
US14/777,561 US9828256B2 (en) 2013-03-26 2013-12-12 Method for producing hematite for ironmaking
AU2013383668A AU2013383668B2 (en) 2013-03-26 2013-12-12 Method for producing hematite for ironmaking
EP13880527.0A EP2980024B1 (en) 2013-03-26 2013-12-12 Method for manufacturing hematite for iron manufacture
CN201380074990.7A CN105050961B (zh) 2013-03-26 2013-12-12 炼铁用赤铁矿的制造方法
TW103106445A TWI513826B (zh) 2013-03-26 2014-02-26 The Manufacturing Method of Hematite for Ironmaking
PH12015502209A PH12015502209B1 (en) 2013-03-26 2015-09-22 Method for producing hematite for ironmaking

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063905A JP5622061B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 製鉄用ヘマタイトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014189412A true JP2014189412A (ja) 2014-10-06
JP5622061B2 JP5622061B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=51622889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013063905A Active JP5622061B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 製鉄用ヘマタイトの製造方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9828256B2 (ja)
EP (1) EP2980024B1 (ja)
JP (1) JP5622061B2 (ja)
CN (1) CN105050961B (ja)
AU (1) AU2013383668B2 (ja)
CA (1) CA2905262C (ja)
PH (1) PH12015502209B1 (ja)
TW (1) TWI513826B (ja)
WO (1) WO2014155855A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129385A1 (ja) * 2014-02-27 2015-09-03 住友金属鉱山株式会社 製鉄用ヘマタイトの製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5440823B1 (ja) * 2013-09-18 2014-03-12 住友金属鉱山株式会社 製鉄用ヘマタイトの製造方法
CN108121689A (zh) * 2018-01-10 2018-06-05 上海慧安科技股份有限公司 一种铁矿粉炼铁成本测算方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004225120A (ja) * 2003-01-23 2004-08-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 中和澱物の沈降性改善方法
WO2005098060A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Pacific Metals Co., Ltd. ニッケルまたはコバルトの回収方法
JP2009510258A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 ビーエイチピー ビリトン イノベーション ピーティーワイ エルティーディー 大気圧でラテライト鉱石を浸出するための方法
JP2010095788A (ja) * 2008-09-19 2010-04-30 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法
JP2011195920A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Jx Nippon Mining & Metals Corp ラテライト鉱石の処理方法

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3935362A1 (de) 1989-10-24 1991-04-25 Ruhr Zink Gmbh Verfahren zur aufarbeitung von jarosit-haltigen rueckstaenden
JPH04294685A (ja) 1991-03-22 1992-10-19 Nippon Steel Corp カラー画像信号の符号化方法および装置
WO1994018282A1 (en) 1993-02-05 1994-08-18 E.I. Du Pont De Nemours And Company Compositions of a hydrofluorocarbon and a hydrocarbon
JPH06279881A (ja) * 1993-03-26 1994-10-04 Nisshin Steel Co Ltd 珪酸苦土ニッケル鉱石の処理方法
ZA987219B (en) * 1997-08-15 2000-02-14 Cominco Eng Services Chloride assisted hydrometallurgical extraction of metal.
AUPS201902A0 (en) * 2002-04-29 2002-06-06 Qni Technology Pty Ltd Modified atmospheric leach process for laterite ores
JP4201621B2 (ja) 2003-03-07 2008-12-24 株式会社ジェイテクト 製鉄原料用ブリケット
WO2005116281A1 (ja) 2004-05-27 2005-12-08 Pacific Metals Co., Ltd. ニッケルまたはコバルトの回収方法
BRPI0515434A (pt) * 2004-09-17 2008-07-22 Bhp Billiton Ssm Tech Pty Ltd produção de mate de nìquel ou ferro-nìquel por um processo hidrometalúrgico e pirometalúrgico combinado
ES2394915T3 (es) * 2005-02-14 2013-02-06 Bhp Billiton Ssm Development Pty Ltd Procedimiento para la lixiviación ácida mejorada de minerales de laterita
AU2006298627B2 (en) * 2005-10-03 2011-06-30 Metso Outotec Finland Oy Method for processing nickel bearing raw material in chloride-based leaching
BRPI0620340A2 (pt) 2005-12-22 2011-11-08 Bhp Billiton Ssm Dev Pty Ltd recuperação de óxido de magnésio
CN100543157C (zh) * 2007-08-30 2009-09-23 太原理工大学 一种赤铁矿粉的微波焙烧干式风磁选的方法
AU2009212947B2 (en) * 2008-09-19 2014-06-05 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Hydrometallurgical process of nickel laterite ore
CN101407861A (zh) * 2008-10-22 2009-04-15 郑州永通特钢有限公司 一种含镍褐铁矿的综合回收利用方法
FI121180B (fi) * 2008-11-03 2010-08-13 Outotec Oyj Menetelmä nikkelilateriittimalmin käsittelemiseksi
FI127721B (fi) 2009-02-11 2019-01-15 Outokumpu Oy Menetelmä nikkeliä sisältävän ferroseoksen valmistamiseksi
CN102259054A (zh) * 2010-12-07 2011-11-30 鞍钢集团矿业公司 赤铁矿连续磨矿、中磁、强磁、酸性正浮选工艺
CN102220483B (zh) * 2011-06-08 2013-03-06 广西银亿科技矿冶有限公司 一种二段焙烧处理红土镍矿的方法
JP5454815B2 (ja) * 2012-03-19 2014-03-26 住友金属鉱山株式会社 製鉄用ヘマタイトの製造方法
JP5424139B2 (ja) * 2012-03-19 2014-02-26 住友金属鉱山株式会社 製鉄用ヘマタイトの製造方法
JP5704410B2 (ja) * 2012-03-21 2015-04-22 住友金属鉱山株式会社 製鉄用ヘマタイトの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004225120A (ja) * 2003-01-23 2004-08-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 中和澱物の沈降性改善方法
WO2005098060A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Pacific Metals Co., Ltd. ニッケルまたはコバルトの回収方法
JP2009510258A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 ビーエイチピー ビリトン イノベーション ピーティーワイ エルティーディー 大気圧でラテライト鉱石を浸出するための方法
JP2010095788A (ja) * 2008-09-19 2010-04-30 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法
JP2011195920A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Jx Nippon Mining & Metals Corp ラテライト鉱石の処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129385A1 (ja) * 2014-02-27 2015-09-03 住友金属鉱山株式会社 製鉄用ヘマタイトの製造方法
US10125025B2 (en) 2014-02-27 2018-11-13 Sumitomo Metal Mining Co. Ltd. Method for producing hematite for ironmaking

Also Published As

Publication number Publication date
JP5622061B2 (ja) 2014-11-12
US9828256B2 (en) 2017-11-28
AU2013383668A1 (en) 2015-10-01
AU2013383668B2 (en) 2015-10-22
US20160289084A1 (en) 2016-10-06
CA2905262A1 (en) 2014-10-02
EP2980024B1 (en) 2018-09-12
CN105050961B (zh) 2016-12-14
EP2980024A4 (en) 2017-02-15
TW201439329A (zh) 2014-10-16
CN105050961A (zh) 2015-11-11
WO2014155855A1 (ja) 2014-10-02
TWI513826B (zh) 2015-12-21
PH12015502209A1 (en) 2016-02-01
PH12015502209B1 (en) 2016-02-01
CA2905262C (en) 2016-11-08
EP2980024A1 (en) 2016-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5800255B2 (ja) 製鉄用ヘマタイトの製造方法
AU2014258565B2 (en) Method for producing hematite for ironmaking
JP2014214338A5 (ja)
JP5776913B2 (ja) 製鉄用ヘマタイトの製造方法
WO2013140836A1 (ja) 製鉄用ヘマタイトの製造方法
JP5622061B2 (ja) 製鉄用ヘマタイトの製造方法
JP5800106B2 (ja) 製鉄用ヘマタイトの製造方法
JP5874944B2 (ja) ニッケル酸化鉱の湿式精錬方法
JP2017125239A (ja) 製鉄用ヘマタイトの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20140701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5622061

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150