JP2019085620A - 浸出処理方法、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents

浸出処理方法、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケル酸化鉱石に対する浸出処理方法において、高いニッケル浸出率を維持しながら硫酸使用量を有効に低減させることができる方法を提供する。【解決手段】本発明に係る浸出処理方法は、マグネシウムを含有するニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に対して硫酸を添加することによって浸出処理を施し、ニッケルを含む浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る浸出処理方法であって、硫酸の添加量を、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル酸化鉱石に対する浸出処理方法に関し、より詳しくは、ニッケル酸化鉱石のスラリーに対して硫酸を添加してニッケルを浸出させる浸出処理方法、及びその浸出処理方法を適用したニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関する。
ニッケル品位の低い低品位ニッケル酸化鉱石からニッケルやコバルト等の有価金属を湿式製錬により回収する方法として、例えば特許文献1に示すような、鉱石スラリーに硫酸を添加して高温加圧下で浸出する高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)法が行われている。
低品位ニッケル酸化鉱石には、鉄品位が高くマグネシウムやシリカ等のアルカリ成分品位の低いリモナイト(Limonite)系鉱石と、アルカリ成分を多く含むサプロライト(Saprolite)系鉱石の2つに大別され、HPAL法の原料としてはリモナイト系鉱石が主として用いられている。
さて、HPAL法では、ニッケル等の有価金属を高い浸出率で浸出させることは勿論、近年価格上昇の著しい硫酸の使用量を有効に低減させる方法が求められている。HPAL法における浸出処理では、ニッケルのほか、マグネシウム、アルミニウム、鉄、クロムといった、鉱石中に含まれている他の成分も浸出されることが知られており、特にマグネシウムは、そのほとんどが浸出されて多量の硫酸を消費してしまうため、経済的に好ましくない不純物である。
さらに、浸出処理においては、ニッケル及びマグネシウムの浸出反応が以下の反応式に示すように進行するため、例えば鉱石中のマグネシウム品位が高い場合には、下記(2)式の反応が優先的に進行して、ニッケルを浸出させる(1)式の反応を阻害してしまう。これにより、ニッケル浸出率の低下を招くという問題もある。
NiO+HSO→NiSO+HO ・・・(1)
MgO+HSO→MgSO+HO ・・・(2)
上述のように、ニッケル酸化鉱石には、ニッケル、コバルト等の有価金属の他に、不純物としてマグネシウムが含まれている。そのため、例えば、ニッケル酸化鉱石においてマグネシウム品位が高い場合には、浸出処理において目標とするニッケル浸出率を維持するために硫酸の添加量を増加させる必要がある。しかしながら、硫酸の添加量を増加させると、硫酸の原単位が増加してコスト高となるばかりか、浸出処理に使用する設備腐食の進行が速まるという問題がある。そのため、実操業においては、浸出反応後のスラリーに含まれる未反応の硫酸濃度(遊離硫酸濃度)を監視しており、遊離硫酸濃度が所定の範囲となるように硫酸の添加量を制御している。
ニッケルの浸出反応の浸出率を高める手段として、遊離硫酸濃度や反応温度を上昇させる方法がある。しかしながら、硫酸消費量や、反応温度を高めるための蒸気等の熱エネルギー使用量が増加するという観点からすると、経済的には好ましくない。またそのほか、高いニッケル浸出率を得る手段として、二次浸出を行う方法(例えば特許文献2)等があるが、工程数が増加するため高効率操業という観点では望ましくない。
特開2005−350766号公報 特表2003−514110号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱石に対する浸出処理方法において、高いニッケル浸出率を維持しながら硫酸使用量を有効に低減させることができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、鉱石スラリーに硫酸を添加して浸出処理を施す際、硫酸の添加量を、その浸出処理により得られる浸出スラリー中の金属成分の濃度、特にマグネシウムの濃度に応じて、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整することで、高いニッケル浸出率を維持しながら硫酸使用量を有効に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、マグネシウムを含有するニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に対して硫酸を添加することによって浸出処理を施し、ニッケルを含む浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る浸出処理方法であって、前記硫酸の添加量を、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、該浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する、浸出処理方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が25g/L〜55g/Lの範囲となるように、前記硫酸の添加量を調整する、浸出処理方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1の又は第2の発明において、前記浸出スラリー中のマグネシウム濃度を、ICP発光分析法又は原子吸光分析法により測定する、浸出処理方法である。
(4)本発明の第4の発明は、ニッケル酸化鉱石から硫酸を用いてニッケルを含む有価金属を回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法であって、前記ニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に対して硫酸を添加することによって浸出処理を施し、ニッケルを含む浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る浸出工程を含み、前記浸出工程では、前記硫酸の添加量を、前記浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、該浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明によれば、ニッケル酸化鉱石に対する浸出処理方法において、高いニッケル浸出率を維持しながら硫酸使用量を有効に低減させることができる。
鉱石スラリー中のマグネシウム品位と、浸出スラリー中のマグネシウム濃度との相関関係を示すグラフである。 ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の流れの一例を示した工程図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」であることを意味する。
≪1.ニッケル酸化鉱石に対する浸出処理方法≫
本実施の形態に係る浸出処理方法は、マグネシウムを含有するニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に対して硫酸を添加することによって浸出処理を施し、ニッケルを含む浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る方法である。この浸出処理方法は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)を用いて、高温加圧の環境下にて行われる。
具体的に、この浸出処理方法においては、鉱石スラリーに添加する硫酸の添加量を、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する。
このような方法によれば、ニッケル酸化鉱石から高いニッケル浸出率を維持しながら、鉱石スラリーに添加する硫酸の添加量(使用量)を有効に低減することができる。これにより、処理に要するコストの上昇を防いで効率的な処理を可能とし、また、浸出処理に使用する設備(オートクレーブ)の腐食を抑えることもできる。また、硫酸使用量の低減に伴って、生成する浸出スラリー中の遊離硫酸濃度も有効に低減されることから、その遊離硫酸を中和するための中和剤使用量を低減させることもできる。
浸出処理の対象であるニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等の、いわゆるラテライト鉱である。ラテライト鉱のニッケル含有量(含有率)は、通常、1.0質量%〜2.0質量%程度であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10質量%〜50質量%程度であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。また、ラテライト鉱のほかに、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば深海底に賦存するマンガン瘤等が用いられる。
浸出処理に際しては、ニッケル酸化鉱石を所定の分級点で分級してオーバーサイズの鉱石粒子を除去した後に、アンダーサイズの鉱石粒子に水を添加して鉱石スラリーに調製し、調製した鉱石スラリーに対して硫酸を添加して浸出反応を生じさせる。鉱石スラリーの濃度としては、特に限定されないが、スラリー中の鉱石濃度が15質量%〜45質量%程度になるように調製することが好ましい。スラリー濃度が15質量%未満であると、浸出処理の際に同じ滞留時間を得るために大きな設備が必要となる。また、硫酸の添加量も相対的に増加する可能性がある。一方で、スラリー濃度が45質量%を超えると、設備の規模は小さくできるものの、高濃度スラリーの搬送が困難になる(管内閉塞の頻発、エネルギーを要する等)という問題が生じる。
浸出処理においては、鉱石スラリーに対して高温加圧下で硫酸を添加することにより、下記の式(i)〜(v)で表される浸出反応と高温熱加水分解反応によって、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。なお、鉄イオンの固定化は、完全には進行しないため、通常、得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等のほか、2価と3価の鉄イオンが含まれる。
(浸出反応)
MO+HSO→MSO+HO ・・・(i)
(式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す)
2FeOOH+3HSO→Fe(SO+4HO ・・・(ii)
FeO+HSO→FeSO+HO ・・・(iii)
(高温熱加水分解反応)
2FeSO+HSO+1/2O→Fe(SO+H
・・・(iv)
Fe(SO+3HO→Fe+3HSO ・・・(v)
浸出処理における温度(浸出反応温度)は、特に限定されないが、220℃〜280℃程度であり、240℃〜270℃程度であることが好ましい。このような温度範囲で反応させることにより、鉱石中の鉄の大部分をヘマタイトとして固定することができる。反応温度が220℃未満であると、高温熱加水分解反応の速度が遅くなるため、反応溶液中に鉄が溶存して残り、鉄を除去するための浄液負荷が増加する。また、鉄が溶存して残ることにより、溶存する鉄をその後の処理にて中和するための中和剤使用量が増加する。一方で、反応温度が270℃を超えると、高温熱加水分解反応自体は促進されるものの、高温加圧浸出に用いる反応容器の材質の選定が困難となり、また温度上昇にかかる熱エネルギーコストが上昇する。
浸出処理に用いる硫酸の添加量は、一般的には過剰量が用いられ、例えば鉱石1トン当り300kg〜400kg程度の物量となる。鉱石スラリー中のマグネシウム品位が高い場合、このマグネシウムが浸出反応を起こすのに多くの硫酸を消費する。よって、ニッケルの浸出率を高く保つためには、浸出処理に用いる硫酸の添加量を増加させる必要がある。一方、鉱石スラリー中のマグネシウム品位が低い場合には、浸出処理に用いる硫酸の添加量を抑制しながらも、ニッケルの浸出率を高く保つことが望ましい。
ここで、本発明者の研究により、図1に示すように、鉱石スラリー中のマグネシウム品位は、浸出スラリー中のマグネシウム濃度と強い相関関係を示すことが見出された。これは、上述したように、鉱石スラリーに含まれるマグネシウム成分が高温加圧条件下ではそのほとんどが浸出されるためであると考えられる。
そこで、本実施の形態においては、浸出処理において鉱石スラリーに添加する硫酸の量(添加量)に関して、その浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて調整する。具体的には、硫酸の添加量を、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する。例えば、浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が25g/L〜55g/Lの範囲となるように、硫酸の添加量を調整する。
このように、硫酸の添加量を、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて調整することで、反応容器に供給される鉱石スラリー中のマグネシウム品位が変動しても、その変動を浸出スラリー中のマグネシウム濃度から的確に検出することができ、その結果に合わせて速やかにかつ柔軟に適正な遊離硫酸濃度に調整を実施することができる。これにより、ニッケルの浸出率の高く維持しながら、余剰な硫酸添加を抑制することができ、効率的に浸出処理を行うことができる。
浸出スラリー中のマグネシウム濃度は、例えば、ICP発光分析法や原子吸光分析法により測定することができる。このような測定方法によれば、マグネシウム濃度を迅速に測定することができ、好ましい。また、このように迅速にマグネシウム濃度を測定できることから、鉱石スラリー中のマグネシウム品位が変動した場合でも、その変動を浸出スラリー中のマグネシウム濃度から即座に検出することができ、その結果に合わせて速やかに遊離硫酸濃度の調整を行うことができる。
なお、例えば、浸出処理に供される鉱石スラリー中のマグネシウム品位を測定し、その鉱石スラリー中のマグネシウム品位見合いで、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が適性の範囲となるように硫酸添加量を調整するという方法も考えられる。しかしながら、一般的に、鉱石スラリーのマグネシウム品位の測定には蛍光X線分析方法が用いられ、その蛍光X線分析方法による測定では、試料調製を含めて、試料採取から測定結果が得られるまでにおよそ8時間程度の長時間を要することとなる。そのため、測定結果が得られる頃には、既に鉱石スラリー貯槽内の鉱石スラリーが入れ替わっており、オートクレーブへの硫酸添加量が、実際に供給される鉱石スラリーのマグネシウム品位に対して適切ではないという可能性が考えられる。
これに対して、浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて硫酸添加量を調整することで、上述したようにICP発光分析法や原子吸光分析法等の測定方法により、迅速にかつ適切にマグネシウム濃度を測定できることから、鉱石スラリー中のマグネシウム品位が変動した場合でも、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が適正な範囲となるように、速やかに硫酸添加量を調整ことができる。
浸出スラリー中の遊離硫酸濃度とは、浸出終了時の遊離硫酸の濃度であり、特に限定されないが、25g/L〜55g/L程度であることが好ましく、34g/L〜50g/L程度であることがより好ましい。このような遊離硫酸濃度となるように硫酸の添加量を調整することで、マグネシウムが含まれるニッケル酸化鉱石から高い浸出率でニッケルを浸出させることができる。また、このような遊離硫酸濃度であれば、真密度の高い浸出残渣を安定的に生成させ、浸出スラリーの固液分離性を向上させることもできる。
浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が25g/L未満である場合は、浸出残渣を含むスラリーを沈降操作にかけた場合、固形分が十分に濃縮されず、あるいは上澄みにSS分が多く存在するようになる。これは、高温熱加水分解の反応速度が遅く、水酸化鉄の脱水が十分に進まず、真密度の低いヘマタイトが形成されることによると考えられる。一方で、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が55g/Lを超えると、硫酸量が過剰な状態となり、硫酸使用量が増加してしまうとともに、後工程においてその遊離酸を中和するための中和剤の使用量も増加することとなり、効率的な処理を行うことができない。また、浸出処理設備(オートクレーブ)の耐久性を高めることが必要となる。
以上のように、本実施の形態に係る浸出処理方法は、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度を定期的にモニタリングしておき、そのマグネシウム濃度に応じて、浸出処理に供される鉱石スラリーへの硫酸の添加量を調整する。これにより、ニッケル浸出率を高い割合で維持しながら、硫酸の使用量を有効に低減できる。
なお、浸出反応の進行度合いは、排出される浸出残渣中のニッケル品位をモニタリングすることによって行うことができ、そのニッケル品位に応じて、遊離硫酸濃度の細かい調整を実施することが望ましい。
≪2.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法≫
次に、上述した浸出処理方法を適用した、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法について説明する。なお、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、高温加圧下で浸出を行う高温加圧酸浸出法(HPAL法)による湿式製錬方法である。
図2は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の流れの一例を示した工程図である。ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、原料のニッケル酸化鉱石を解砕分級して鉱石スラリーを調製する鉱石スラリー化工程S1と、鉱石スラリーに硫酸を添加して高温加圧下で浸出処理を施し浸出スラリーを得る浸出工程S2と、浸出スラリーのpHを調整して遊離硫酸を部分的に中和する予備中和工程S3と、浸出スラリーから浸出残渣を分離してニッケル及びコバルトを含む浸出液を得る固液分離工程S4と、浸出液のpHを調整して不純物元素を中和澱物スラリーとして分離する中和工程S5と、中和後液に硫化剤を添加することで亜鉛硫化物を生成させて分離除去し、ニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る脱亜鉛工程S6と、ニッケル回収用母液に硫化剤を添加することでニッケル及びコバルトの混合硫化物を得る硫化工程S7と、を有する。
(1)鉱石スラリー化工程
鉱石スラリー化工程S1は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石から鉱石スラリーを調製する工程であり、いわゆる浸出処理(浸出工程S2)の前処理工程である。具体的に、鉱石スラリー化工程S1では、所定の分級点で分級してオーバーサイズの鉱石粒子を除去した後に、アンダーサイズの鉱石粒子に水を添加することで鉱石スラリーを調製する。
ニッケル酸化鉱石の分級方法は、所望とする粒径に基づいて分級できれば特に限定されず、グリズリーや振動篩等を用いた篩分けによって行うことができる。また、その分級点についても、所望とする粒径値以下の鉱石粒子からなる鉱石スラリーを得るための分級点を適宜設定することができる。
ニッケル酸化鉱石としては、上述したように、リモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱を用いることができる。ラテライト鉱のニッケル含有率は、通常、1.0重量%〜2.0重量%程度である。また、この原料鉱石であるニッケル酸化鉱石には、不純物としてマグネシウムが所定の割合で含まれている。
(2)浸出工程
浸出工程S2は、鉱石スラリーに高温加圧下で硫酸を添加して、鉱石中のニッケル等の有価金属を浸出させる工程である。具体的に、浸出工程S2では、オートクレーブを用い、鉱石スラリーに硫酸を添加して、温度220℃〜280℃程度、圧力3MPa〜5MPa程度の条件下で撹拌し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを生成させる。
ここで、本実施の形態においては、浸出工程S2での浸出処理に際して、得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、その浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように、浸出処理に供される鉱石スラリーに添加する硫酸の量(硫酸添加量)を調整することを特徴としている。遊離硫酸濃度については、上述した範囲であれば、特に限定されるものではなく、ニッケル、コバルト等の有価金属、硫酸、及び中和剤の価格等を考慮して経済的に有利になるように調整可能である。
例えば、下記表1に示すような対応関係、つまり、浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、対応する浸出スラリー中の遊離硫酸濃度となるように、硫酸の添加量を調整すればよい。具体的には、浸出スラリー中のマグネシウム濃度が10.0g/L以上のときの浸出スラリー中の遊離硫酸濃度を「基準値A」として、浸出スラリー中のマグネシウム濃度が7.5g/L以上10.0g/L未満である場合には、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が「基準値A−2.0g/L」となるように、硫酸の添加量を調整する。また、浸出スラリー中のマグネシウム濃度が5.0g/L以上7.5g/L未満である場合には、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が「基準値A−4.0g/L」となるように、硫酸の添加量を調整する。また、浸出スラリー中のマグネシウム濃度が5.0g/L未満である場合には、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が「基準値A−6.0g/L」となるように、硫酸の添加量を調整する。
Figure 2019085620
このように、得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度が高い場合には、ニッケル浸出率を高く保つために、遊離硫酸濃度が高くなるように、硫酸添加量を増加させる。一方で、浸出スラリー中のマグネシウム濃度が低い場合には、硫酸添加量を低減してもニッケル浸出率を高く維持することが可能であることから、遊離硫酸濃度が低くなるように、硫酸添加量を減少させる。
浸出スラリー中のマグネシウム濃度の測定方法については、特に限定されないが、測定結果が迅速に得られる点から、ICP発光分析法や原子吸光分析法が好ましい。ICP発光分析法や原子吸光分析法による測定方法によれば、鉱石スラリー中のマグネシウム品位が変動しても、その変動を浸出スラリー中のマグネシウム濃度から検出することができ、その結果に合わせて速やかに適正な遊離硫酸濃度となるように硫酸添加量の調整を実施することができる。
このように、浸出処理においては、浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて硫酸の添加量を調整することで、ニッケル等の有価金属の浸出率を高い割合で維持しながら、硫酸の使用量を有効に低減できる。これにより、効率的に浸出処理を施すことができるとともに、主たる浸出対象である有価金属のニッケルを効果的に浸出させることができる。また、得られた浸出スラリー中の遊離硫酸濃度を低減できることから、後述する予備中和工程S3にて遊離硫酸を中和する際の中和剤使用量も有効に低減させることができる。
(3)予備中和工程
予備中和工程S3では、浸出工程S2にて得られた浸出スラリーのpHを所定範囲に調整して中和処理を施す。具体的には、例えば、浸出スラリーのpHを、所望とする範囲である、pH2.8〜3.2程度の範囲に調整する。
浸出工程S2を経て得られた浸出スラリーには、上述したように、余剰の硫酸が遊離硫酸として含まれており、そのpHは低い。予備中和工程S3では、移送された浸出スラリーに中和剤を添加してpHを所定範囲に調整することによって、遊離硫酸を中和する。
予備中和工程S3では、例えば中和処理槽に浸出スラリーを装入して、槽内の浸出スラリーに所定量の中和剤を添加することによって中和処理を行うことができる。中和処理槽としては、例えば1段の処理槽のみからなるもの、あるいは直列に並べた複数段の処理槽から構成されるものを用いることができ、上流側の最初の処理槽に、フラッシュタンクから排出された浸出スラリーを装入する。
なお、上述したように、本実施の形態では、浸出工程S2での浸出処理において、浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて硫酸の添加量を調整しており、得られる浸出スラリー中の遊離硫酸濃度も有効に低減できることから、この予備中和工程S3にて遊離硫酸を中和する際の中和剤使用量を有効に低減させることができる。
(4)固液分離工程
固液分離工程S4では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の固液分離装置を用いて固液分離処理を施し、ニッケルやコバルト等の有価金属を含む浸出液(粗硫酸ニッケル水溶液)と浸出残渣とに分離する。
具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、浸出スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケルやコバルトをその希釈度合に応じて減少させることができる。実操業では、このような機能を持つシックナーを多段に連結して用いることにより、ニッケル及びコバルトの回収率の向上を図ることができる。
(5)中和工程
中和工程S5では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、得られる中和後液のpHが4以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように、その浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加し、ニッケル回収用の母液の元となる中和後液と、不純物元素として3価の鉄を含む中和澱物スラリーとを形成する。
中和工程S5では、このように浸出液に対する中和処理(浄液処理)を施すことで、HPAL法による浸出処理で用いた過剰の酸を中和して中和後液を生成するとともに、溶液中に残留する3価の鉄イオンやアルミニウムイオン等の不純物を中和澱物として除去する。このとき、本実施の形態では、浸出工程S2において浸出スラリー中の遊離硫酸濃度を有効に低減させるようにしていることから、中和工程S5における中和処理に使用する中和剤の量についても有効に低減させることができ、効率的な処理を行うことができる。
なお、中和後液は、硫酸による浸出処理(浸出工程S2)を施して得られた浸出液に基づく溶液であって、ニッケル及びコバルトを含む硫酸酸性溶液である。この中和後液は、後述する脱亜鉛工程S6、硫化工程S7における硫化反応の反応始液となるものであり、ニッケル濃度及びコバルト濃度の合計濃度は特に限定されないが、通常2g/L〜6g/Lの範囲である。ニッケル濃度は通常2g/L〜5g/Lの範囲であり、コバルト濃度は通常0.1g/L〜0.6g/Lの範囲である。
(6)脱亜鉛工程
脱亜鉛工程S6では、中和工程S5を経て得られた中和後液に硫化水素ガス等の硫化剤を添加することによって、中和後液中に含まれる亜鉛を硫化物の形態として分離除去する。このように、中和後液に対する硫化処理により生成した亜鉛硫化物を生成させ、それを分離除去することで、ニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る。
具体的に、脱亜鉛工程S6では、例えば、加圧された容器内にニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和後液を導入し、気相中へ硫化水素ガス等を吹き込むことによって、亜鉛をニッケル及びコバルトに対して選択的に硫化し、亜鉛硫化物とニッケル回収用母液とを生成する。硫化反応後に得られたスラリーを固液分離することにより、亜鉛を分離したニッケル回収用母液を得ることができる。
なお、次工程の硫化工程(ニッケル回収工程)においても、硫化水素ガス等の硫化剤を添加して硫化反応を生じさせることによってニッケル及びコバルトの混合硫化物を生成させるが、そのニッケル等の硫化処理に先立って行う脱亜鉛処理では、硫化反応の条件として、ニッケルに対する硫化反応条件よりも緩和させた条件で行う。
(7)硫化工程(ニッケル回収工程)
硫化工程S7では、脱亜鉛工程S6を経て得られたニッケル回収用母液を硫化反応始液として、その硫化反応始液に対して硫化水素ガス等の硫化剤を吹き込むことにより硫化反応を生じさせ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトの硫化物(混合硫化物)と、ニッケルやコバルトの濃度を低い水準で安定させた貧液(硫化後液)とを生成させる。なお、ニッケル回収用母液は、ニッケル及びコバルトを含む硫酸水溶液である。
硫化工程S7における硫化処理は、硫化反応槽等を用いて行うことができ、硫化反応槽に導入した硫化反応始液に対して、その反応槽内の気相部分に硫化水素ガスを吹き込み、溶液中に硫化水素ガスを溶解させることで硫化反応を生じさせる。この硫化処理により、硫化反応始液中に含まれるニッケル及びコバルトを硫化物として固定化して回収する。
なお、硫化反応の終了後においては、得られたニッケル及びコバルトの硫化物を含むスラリーをシックナー等の沈降分離装置に装入して沈降分離処理を施し、その硫化物のみをシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分は、シックナーの上部からオーバーフローさせて貧液として回収する。
以下に、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
ここで、鉱石スラリー中の金属の含有率は、蛍光X線分析装置を用いて測定し、浸出処理により得られた浸出スラリー中の金属の含有率はICP発光分析法により測定した。また、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度は滴定法により測定した。また、ニッケルの浸出率については、[100−(浸出スラリー中ニッケル品位÷鉱石スラリー中ニッケル品位)×100(%)]として算出した。
[実施例1〜3]
ニッケル、コバルト、鉄、マグネシウム、亜鉛等を含む原料鉱石から鉱石スラリーを調製し、これをオートクレーブに装入した後、98%硫酸を添加して高温加圧下で浸出処理を行った。この浸出処理においては、下記表2に示すように、浸出スラリー中のマグネシウム濃度を参照して、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が40g/L〜50g/Lの範囲となるように硫酸添加量の調整を行った。
浸出処理条件は、以下の通りとした。
・鉱石スラリーの固形分比率:42重量%〜45重量%
・鉱石スラリーのマグネシウム品位:0.8重量%〜1.8重量%
・浸出スラリーの流量:200m/時〜250m/時
・高温加圧反応容器内の温度:240℃〜260℃
[比較例1〜3]
鉱石スラリー中のマグネシウム品位を、蛍光X線分析装置を用いて測定し、その測定結果(鉱石スラリー中のマグネシウム品位)を参照して、浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が40g/L〜50g/Lの範囲となるように硫酸添加量の調整を行ったこと以外は、実施例と同様にして高温加圧浸出処理を行った。
下記表2に、実施例及び比較例におけるニッケル浸出率と硫酸添加量を示す。なお、表2中の各数値は、定期的にサンプルを採取して測定した結果の一日の平均値である。
Figure 2019085620
表2の結果に示されるように、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて硫酸添加量の調整を行った実施例1〜3では、高いニッケル浸出率を維持しつつ、適正な硫酸添加量で処理を行うことができた。特に、鉱石スラリー中のマグネシウム品位が高い実施例3においても、ニッケルを高い浸出率で浸出させることができた。
一方、鉱石スラリー中のマグネシウム品位に応じて硫酸添加量の調整を行った比較例1〜2では、実施例と同様のニッケル浸出率を維持することができたものの、硫酸添加量は実施例に比べて多くなってしまい、余剰な硫酸が添加されたことが分かる。このことは、鉱石スラリー中のマグネシウム品位に応じて硫酸添加量の調整を行ったことにより、そのマグネシウム品位の測定に長時間を要してしまったため、正確に測定結果を反映させることができず、結果として実施例に比べて過剰な硫酸添加になってしまったことによると考えられる。また、比較例3では、実施例に比べてニッケル浸出率が低下してしまった。このことは、鉱石スラリー中のマグネシウム品位の測定に長時間を要してしまったことにより、正確に測定結果を反映させることができず、硫酸の添加量が結果として足らない状態となり、そのことがニッケル浸出率の低下につながったと考えられる。

Claims (4)

  1. マグネシウムを含有するニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に対して硫酸を添加することによって浸出処理を施し、ニッケルを含む浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る浸出処理方法であって、
    前記硫酸の添加量を、浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、該浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する
    浸出処理方法。
  2. 前記浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が25g/L〜55g/Lの範囲となるように、前記硫酸の添加量を調整する
    請求項1に記載の浸出処理方法。
  3. 前記浸出スラリー中のマグネシウム濃度を、ICP発光分析法又は原子吸光分析法により測定する
    請求項1又は2に記載の浸出処理方法。
  4. ニッケル酸化鉱石から硫酸を用いてニッケルを含む有価金属を回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法であって、
    前記ニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に対して硫酸を添加することによって浸出処理を施し、ニッケルを含む浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る浸出工程を含み、
    前記浸出工程では、前記硫酸の添加量を、前記浸出処理により得られる浸出スラリー中のマグネシウム濃度に応じて、該浸出スラリー中の遊離硫酸濃度が所定の濃度となるように調整する
    ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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