JP2015206068A5 - - Google Patents

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ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法
本発明は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関するもので、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬において、鉱石処理工程から産出する鉱石スラリーを搬送する際の搬送配管、ポンプ等の設備の鉱石スラリーによる磨耗の抑制、及び耐久性の向上により、最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減して、廃棄される浸出残渣及び中和澱物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮を可能として、コスト及び環境リスクを抑えるという課題を達成するとともに、資源化して有効活用することができる不純物成分を分離回収することができるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関する。
近年、石炭、鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン等の鉱物資源において、採掘権の寡占化がますます進んだことにより、金属製錬での原料コストが大幅に上昇している。そのため、金属製錬においても、コスト低減のための施策として、従来コスト的に不利であるため対象にならなかった低品位原料を使用するための技術開発が行われている。
例えば、ニッケル製錬では、高温高圧下において耐食性に優れた材料が開発されたこともあり、ニッケル酸化鉱石を硫酸で加圧下に酸浸出する高圧酸浸出(High Pressure Acid Leach)法に基づく湿式製錬方法が注目されている。
この高圧酸浸出法は、従来の一般的なニッケル酸化鉱石の製錬方法である乾式製錬法と異なり、還元工程、乾燥工程等の乾式工程を持たないために、エネルギーコスト的に有利であり、今後も低品位ニッケル酸化鉱石の製錬方法として有力な技術であると見られている。
このため、製錬プロセスとしての完成度を上げるため、高温加圧下での浸出工程を中心として、ニッケル及びコバルトの浸出率の向上、浸出液の浄液、操業資材使用量の低減等に関し様々な提案がなされている。
ところで、高温加圧下での浸出を利用するプロセスとしては、例えば、ニッケル、コバルト、マンガン等の有価金属を含有する酸化鉱石から、それらの金属を回収するにあたり、下記工程(a)〜(c)からなる酸化鉱石から有価金属を回収する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
工程(a):あらかじめスラリー化した酸化鉱石を、工程(b)で得られた加圧酸浸出液により、硫酸酸性下で常圧浸出し、常圧浸出液と常圧浸出残留物を得る。
工程(b):工程(a)で得られた常圧浸出残留物を、高温高圧下の酸化性雰囲気下で硫酸と反応させて加圧酸浸出液を得る。
工程(c):工程(a)で得られた常圧浸出液に中和剤を加えて中和し、次いで硫化アルカリ化合物を添加し、浸出液中のニッケル及びコバルトを硫化物として回収する。
上記工程による方法では、鉱石スラリーを常圧浸出(工程(a))し、次いで常圧浸出残渣を加圧酸浸出(工程(b))する2段浸出を行うことにより、鉱石からのニッケル浸出率を向上させ、同時に加圧酸浸出の浸出液中に含まれる過剰な酸を、常圧浸出残渣に含有されるアルカリ成分によって中和し、中和工程(工程(c))の負荷を低減させるものである。
しかしながら、2段浸出のため、設備点数が増えコストと手間が増加する、及び浸出残渣を洗浄する際発生する多量の薄液の処理にコストを要するという問題点があった。
そこで、これらの問題点を解決するため、高温加圧下での浸出を利用する他のプロセスとして、下記(1)〜(4)からなる工程を含む方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
(1)浸出工程:ニッケル酸化鉱石をスラリー化して硫酸を添加し、220〜280℃の温度で撹拌処理し、浸出スラリーを形成する。
(2)固液分離工程:先の浸出工程で得た浸出スラリーを、多段階のシックナーを用いて洗浄し、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣とに分離する。
(3)中和工程:固液分離工程で得た浸出液の酸化を抑制しながら、炭酸カルシウムを用いてpHが4以下となるよう調整し、3価の鉄を含有する中和澱物を生成し、中和澱物スラリーとニッケル回収用母液とに分離する。
(4)硫化工程:中和工程で得たニッケル回収用母液に硫化水素ガスを吹きこみ、ニッケル及びコバルトを含有する硫化物を生成し、貧液と分離する。
ここで、特許文献2に開示される技術に基づく実用プラントの概要について、図を用いて説明する。
図2は、特許文献2に開示されるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に基づく実用プラントの一例における製錬工程図である。
図2において、ニッケル酸化鉱石8は、最初に、(1)鉱石処理工程で水との混合液を形成し、次いで、その混合液からの異物除去、及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリー9を形成する。
次に、得られた鉱石スラリー9は、(2)浸出工程において、硫酸を用いた高温加圧浸出に付され、浸出スラリー10が形成される。
この得られた浸出スラリー10は、(3)固液分離工程に付され、多段洗浄された後、ニッケル及びコバルトを含む浸出液11と浸出残渣スラリー12に分離される。
その分離された浸出液11は、(4)中和工程に付され、3価の鉄水酸化物を含む中和澱物スラリー13とニッケル回収用の母液(1)14に分離される。
分離された一方の母液(1)14は、硫化剤を添加する(5)亜鉛除去工程に付され、硫化亜鉛を含む硫化亜鉛澱物15とニッケル回収用の母液(2)16とに分離される。
他方の母液(2)16は、(6)硫化工程に付され、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物17とニッケル等が除去された貧液18に分離される。なお、貧液18は、(3)固液分離工程における浸出残渣の洗浄水として使用される。
最後に、浸出残渣スラリー12は、余剰の貧液18とともに、(7)最終中和工程に付され、中和処理され、最終中和残渣19は、テーリングダム20に貯留される。
この特許文献2に開示される方法の特徴としては、固液分離工程で浸出スラリーを多段階で洗浄することにより、中和工程での中和剤消費量と澱物量が削減できること、また浸出残渣の真密度を高めることができるので、固液分離特性を改善することができること、さらに浸出工程を高温加圧浸出のみで行うことでプロセスが簡素化されることなどが挙げられ、特許文献1に提案される方法に対し利点があるとされている。
その上、固液分離工程で用いる洗浄液として貧液を使用すれば、残留する硫酸を利用して浸出残渣に付着したニッケルを浸出させて回収することができ、効果的かつ効率的な水の繰り返し使用を行うことができるとされている。
さらに、中和澱物スラリーを固液分離工程へ送れば、ニッケルのロスを低減することができるので、より有利であるとされている。
しかしながら、この方法による実用プラントでは、以下の課題がある。
第一に設備の磨耗の抑制が挙げられる。
ニッケル酸化鉱石は、スラリーとして各工程間を搬送されるが、搬送されるスラリーによる設備材料の磨耗の促進が著しく、とりわけ浸出工程における配管、ポンプ等の設備では補修頻度が高く、メンテナンスコストの上昇とプラント稼働率の低下の大きな原因となっている。
第二に最終中和残渣量の低減が挙げられる。
固液分離工程で得られる浸出残渣は、硫化工程から産出する余剰の貧液と合一され、これに石灰石スラリー又は消石灰スラリーを添加する中和処理により無害化される。
この最終的な中和処理工程(以下、最終中和工程と呼称する場合がある。)から産出される最終中和残渣は、テーリングダムで貯留されるが、この最終中和残渣には、浸出残渣中のヘマタイト、クロマイト等の不純物成分のほか、中和処理により形成される石膏を含有するため資源化できず、テーリングダムの建設及び維持管理のための大きなコスト負担があった。
従って、従来の高圧酸浸出法に基づく湿式製錬方法を用いた実用プラントでは、上記課題の解決策が求められていた。
さらに、上記課題を、効果的かつ経済的に解決するためには、鉱石又は浸出残渣に含まれる不純物成分を効率的に分離回収することが有効な手段であり、これら不純物成分を資源化して有効活用することも求められていた。
そこで、本出願人は、高圧酸浸出法に基づく湿式製錬工程中に、鉱石スラリーからシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を含む粒子を物理分離、回収する工程、浸出残渣スラリー中のヘマタイト粒子を物理分離、回収する工程を含むニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法を特許文献3に提案しているが、鉱石又は浸出残渣に含まれる不純物成分の効率的な分離回収には、更なる改善を必要とされてきた。
特開平6−116660号公報 特開2005−350766号公報 特開2010−95788号公報
このような状況に鑑み、本発明は、従来技術の問題点に鑑み、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いてニッケル及びコバルトを回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬において、鉱石処理工程から産出する鉱石スラリーを搬送する際の搬送配管、ポンプ等の設備の鉱石スラリーによる磨耗の抑制し、及び耐久性の向上により、鉱石スラリーの固形率を上昇させて、該鉱石処理工程の設備を簡便化すること、また、最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減し、廃棄される浸出残渣、中和澱物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮によりコスト及び環境リスクを抑えることという課題を達成するとともに、資源化して有効活用することができるクロマイトやヘマタイト等の不純物成分を分離回収することができるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の提供を目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、高圧酸浸出法によりニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、上記課題の解決策について、鋭意研究を重ねた結果、鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイトを含む粒子を特定の方法で分離回収する(A)工程、(A)工程後の浸出工程、固液分離工程後、石膏を作らない特定の方法で中和し、回収する(B)工程の中から選ばれる少なくともひとつの工程を実施したところ、上記課題の解決策として有効であることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いて、ニッケル及びコバルトを回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、下記(A)工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。

(A)工程:前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、Cr 品位が少なくとも50重量%を超える高濃度クロマイト濃縮物を回収する工程。
すなわち、本発明の第2の発明によれば、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いて、ニッケル及びコバルトを回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、下記(A)工程を含み、且つ前記(A)工程を経た後に、(B−1)工程、(B−2)工程のいずれかを含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。

(A)工程:前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、Cr 品位が少なくとも50重量%を超える高濃度クロマイト濃縮物を回収する工程。
(B−1)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出液を中和処理する中和工程であって、
前記中和処理に際してCa系又はMg系中和剤の少なくとも一種以上を用いて中和する工程。
(B−2)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出残渣スラリーを中和処理する中和工程であって、
前記中和処理に際してMg系中和剤を用いて中和処理し、前記浸出残渣スラリーからヘマタイト粒子を回収する工程。
本発明の第3の発明は、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、下記(A)工程、(B−1)工程、及び(B−2)工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。

(A)工程:前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、Cr 品位が少なくとも50重量%を超える高濃度クロマイト濃縮物を回収する工程。
(B−1)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出液を中和処理する中和工程であって、
前記中和処理に際してCa系又はMg系中和剤の少なくとも一種以上を用いて中和する工程。
(B−2)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出残渣スラリーを中和処理する中和工程であって、
前記中和処理に際してMg系中和剤を用いて中和処理し、前記浸出残渣スラリーからヘマタイト粒子を回収する工程。
本発明の第4の発明は、第1〜第3の発明における(A)工程の回収プロセスが、前記鉱石スラリーにサイクロンによる分級処理を行って、微細な鉄水酸化物粒子を低減させた貧鉄粒子鉱石スラリーを形成した後、前記貧鉄粒子鉱石スラリーに含まれるクロマイト粒子を、比重分離法を用いてクロマイト濃縮物として前記鉱石スラリーから回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第5の発明は、第4の発明における(A)工程の回収プロセスが、鉱石スラリーのスラリー濃度を希釈せずに、サイクロンによる分級処理することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における(A)工程の回収プロセスが、サイクロンによる分級処理におけるクロマイトのアンダーフローへの採取が不可避的損失を除く全量が行われることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明における比重分離法が、デンシティ セパレーターを用いる工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第8の発明は、第1から第6の発明における比重分離法が、スパイラルコンセントレーターを用いる工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第9の発明は、第1から第6の発明における比重分離法が、デンシティ セパレーターを用いる工程及びスパイラルコンセントレーターを用いる工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第10の発明は第7及び第9の発明におけるデンシティ セパレーターを用いる工程が、濃縮スラリーを二回以上デンシティ セパレーターで処理することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第11の発明は、第8及び第9の発明におけるスパイラルコンセントレーターを用いる工程が、濃縮スラリーを二回以上スパイラルコンセントレーターで処理することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第12の発明は、第8、第9及び第11の発明におけるスパイラルコンセントレーターに供給されるスラリーのパルプコンテントが、15〜35重量%Solid、好ましくは20〜30重量%Solidであることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第13の発明は、第7、第9及び第10の発明におけるデンシティ セパレーターに供給されるTeeter Water量が、0.5〜7.0[m・h−1/m]であることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第14の発明は、第1から第13の発明における比重分離法により分離されたクロマイト濃縮物に、物理分離処理である磁力分離法を施して前記クロマイト濃縮物中のマグネタイトを着磁物として除去し、非着磁物を高濃度クロマイト濃縮物として回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第15の発明は、第2又は第3の発明における(B−2)工程が、中和処理後のpHを4〜7とし、前記中和処理後にMg系中和剤以外のアルカリで最終中和を行うことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第16の発明は、第2又は第3の発明における(B−2)工程が、前記浸出残渣スラリー又は前記浸出残渣スラリーを含む中和残渣スラリーに、サイクロンによる分級処理を施し、前記分級処理により得られた分級された細粒部を、ヘマタイトの濃縮物として回収することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第17の発明は、第1から第16の発明における鉱石処理工程が、採掘した原料鉱石の異物除去及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリーを形成する工程、浸出工程が、鉱石スラリーに硫酸を添加し、高温高圧下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程、固液分離工程が、浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣スラリーを得る工程、中和工程が、浸出液にアルカリを添加し、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用の母液を形成する工程、亜鉛除去工程が、母液に硫化水素ガスを吹きこみ、硫化亜鉛澱物スラリーとニッケル及びコバルト回収用の母液を形成する工程、硫化工程が、ニッケル及びコバルト回収用の母液に、硫化水素を吹き込み、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物と貧液とを生成する工程、及び最終中和工程が、浸出残渣スラリーに余剰の貧液を加え、pHを8〜9程度に調整し、最終中和残渣を得る工程であることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第18の発明は、第1から第17の発明の鉱石処理工程における鉱石粒度調整が、2mm以下の粒度で篩い分け処理による粒度調整であることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明の第19の発明は、第1から第18の発明における濃縮されたクロマイトのCr品位が、41重量%以上であることを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、(A)工程と(B)工程を採用することにより、以下に示すように従来の課題を解決することを可能とすることから工業上顕著な効果を奏するものである。
本発明における(A)工程の採用は、鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイトを含む粒子を分離回収することにより、鉱石スラリーの輸送時の配管、ポンプ等の設備の磨耗を極めて抑制することができる。
また、湿式製錬前にクロマイトを分離するので、浸出残渣量の減少が期待でき、最終中和残渣量を低減することもできる。さらに、分離したクロマイトを濃縮すれば、資源として有効活用することも可能である。
本発明における(B)工程の採用は、固液分離工程から産出する浸出残渣中のヘマタイトを分離回収するので、最終中和工程から産出する最終中和残渣量の低減が図られ、廃棄される浸出残渣、中和澱物等を貯留するテーリングダムの容量圧縮によるコスト及び環境リスクを抑えることができるとともに、分離回収したヘマタイトを鉄資源として有効活用することも可能である。
本発明に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法による実施態様の一例を表す製錬工程図である。 従来のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法(特許文献2)に基づく実用プラントの一例を表す製錬工程図である。 本発明の実施例1における実施フロー図である。 本発明の実施例2における実施フロー図である。 本発明の比較例1における実施フロー図である。 本発明の比較例4における実施フロー図である。
本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、下記(A)工程を含み、あるいは(A)工程を経た後に(B−1)工程、(B−2)工程のいずれか又は両者を含むことを特徴とするものである。
[工程]
・(A)工程
鉱石処理工程を経てから産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、高濃度のクロマイト濃縮物を回収する工程である。
・(B)工程
(B−1)工程
(A)工程を経てCr品位の下がった鉱石スラリーを、浸出工程、固液分離工程で処理し、固液分離工程後の浸出液の中和を、Mg(OH)、MgOなどのMg系中和剤やCaCO、Ca(OH)などのCa系中和剤で行うものである。
(B−2)工程
(A)工程を経てCr品位の下がった鉱石スラリーを、浸出工程、固液分離工程で処理し、固液分離工程後の浸出残渣スラリーの中和を、Mg(OH)、MgOなどのMg系中和剤で行い、ヘマタイト粒子を回収するものである。
本発明の製造方法においては、上記(A)工程を必須工程として含むことが、課題の解決のために重要である。
この(A)工程の採用は、前工程の鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイトを含む粒子を分離回収することにより、鉱石スラリーの輸送時の配管、ポンプ等の設備の磨耗を抑制する効果を付与するものである。
すなわち、ニッケル酸化鉱石に一般的に含有される極めて硬度が高いクロマイトを分離することにより、磨耗を抑制するものである。また、湿式製錬前にクロマイトを鉱石スラリーから予め取り除くことで、浸出残渣量の低減が期待でき、その結果最終中和残渣量を減らすこともできる。
さらに、分離回収したクロマイトを、十分濃縮することが出来れば、資源として有効活用することも可能である。
一方、(B−1)工程及び(B−2)工程の(B)工程の採用は、固液分離工程から産出する浸出残渣中のヘマタイトを分離回収するので、最終中和工程から産出する最終中和残渣量を低減し、廃棄される浸出残渣、中和澱物等を貯留するテーリングダムの容量の圧縮によるコスト及び環境リスクを抑えることができる。同時に、分離回収したヘマタイトを鉄資源として有効活用することも可能である。
即ち、ニッケル酸化鉱石中の鉄は、浸出工程で高温加水分解されるので、最終中和残渣ではヘマタイトの形態で含有されている。しかしながら、最終中和残渣には、浸出残渣中のクロマイトの他、Caを含む中和剤を用いた中和処理により形成される石膏を含有するため、その鉄品位は30〜40重量%台と低く、製鉄原料などとしてそのまま有効利用することは困難である。
なぜなら、最終中和残渣に含まれるイオウ(石膏;硫酸カルシウム)、クロム(クロマイト)等は、銑鉄中への微量成分の分配、鉄鋼製品の品質等に影響する成分であり、これら不純物元素の含有は抑制することが求められるからである。
対して、本発明の(B−2)工程ではMg系中和剤のみで中和するので、溶解度の大きいMgSOが生成し、固体にイオウを固定することを抑制し、イオウ品位の低いヘマタイトを分離回収することが可能となる。
次に、本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の概要を、図1を用いて説明する。
図1は、本発明に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法による実施態様の一例を表す製錬工程図である。
図1に示すように、まずニッケル酸化鉱石8は、[1]鉱石処理工程で水との混合液を形成し、次いで、その混合液からの異物除去及び鉱石粒度調整が行われて鉱石スラリー9が形成される。
その後、この鉱石スラリー9は、新たに設けた(A)工程に付され、クロマイト23を分離回収する。一方のオートクレーブ供給スラリー22は、[2]浸出工程に供される。
ここで、オートクレーブ供給スラリー22は、オートクレーブなどを用いてニッケル、コバルト等の有価成分を硫酸で浸出して浸出スラリー10となる。
形成された浸出スラリー10は、多段のシックナーなどを用いた[3]固液分離工程に供され、ニッケル及びコバルトを含む浸出液11と浸出残渣スラリー12とに分離される。
分離した浸出液11は、(B−1)工程に供され、3価の鉄水酸化物を主成分とする(B−1)工程残渣26とニッケルを含む母液(1)14とに分離される。
分離した一方の母液(1)14は、硫化剤を添加する[5]亜鉛除去工程に付され、硫化亜鉛を含む硫化亜鉛澱物15とニッケル回収用の母液(2)16とに分離される。
次いで、もう一方の母液(2)16は、硫化剤を添加する[6]硫化工程に付され、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物17と貧液18とに分離される。
なお、貧液18は、[3]固液分離工程における浸出残渣の洗浄水として使用される他に、貧液18は、最終中和工程に供される場合もある。
一方の浸出残渣スラリー12は、その一部を余剰の貧液18とともに、(B−2)工程に供されて中和処理を施すことによりヘマタイト28を分離回収する。
その際、(B−2)工程後処理液27と(B−2)工程に供されなかった浸出残渣スラリー12は、[7]最終中和工程に供され、pH8〜9程度に中和される。
得られた最終中和残渣19は、テーリングダム20に貯留される。
以下に、各工程をさらに詳細に説明する。
[1]鉱石処理工程及び(A)工程
鉱石処理工程は、異物除去及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリーを形成する工程である。
この工程では、ニッケル酸化鉱石を、湿式篩等で篩い分けし、浸出工程で浸出できない異物、ポンプで流送困難な粒度の鉱石等を分離する。
通常、篩分け粒度は、2mm程度であり、それ以上の粒度の鉱石は、分別される。
篩分け処理を通過した鉱石によりスラリーが形成され、次いで沈降させて濃縮し、スラリー中の固体濃度(以下、スラリー濃度と称す)を調整したオートクレーブ供給スラリーを調製する。なお、スラリー濃度としては、通常、30〜45重量%程度に調整すると良い。
本発明の湿式製錬法で処理される原料となるニッケル酸化鉱石は、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱である。
このラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、ニッケルは水酸化物、又は含水ケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。
また、鉄の含有量は、10〜50重量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄が含水ケイ苦土鉱物等に含有される。珪酸分は、石英、クリストバライト(無定形シリカ)等のシリカ鉱物及び含水ケイ苦土鉱物に含有されている。
さらに、クロム分の多くは、鉄又はマグネシウムを含むクロマイト鉱物として1〜5重量%含有される。また、マグネシア分は、含水ケイ苦土鉱物のほか、未風化で硬度が高いニッケルをほとんど含有しないケイ苦土鉱物に含有される。
以上のように、ラテライト鉱において、シリカ鉱物、クロマイト鉱物及びケイ苦土鉱物は、ニッケルをほとんど含有していない、いわゆる脈石成分である。
つまり、この鉱石処理工程から産出する鉱石スラリーには、一般的に浸出工程の配管、ポンプ等の設備の磨耗に大きな影響を及ぼすクロマイトが含まれていることになる。
そのため、鉱石処理工程で調製する鉱石スラリーから、クロマイトを事前に鉱石処理工程において分離回収しておくことが望ましい。
ここで、鉱石スラリーを構成する鉱石粒子での各成分の分布状態について説明する。
ニッケル酸化鉱石のEPMA観察では、クロム含有量の高い部分は、鉄含有量の高い部分とは独立した単独相として存在する比率が高く、かつ20〜1000μmの粒径であるものが多い。
このことは、クロムを含む鉱物は、約20μm以上の粒子に多く含まれており、一方、ニッケル及び鉄を含む鉱物は、約20μm以下の粒子に多く含まれていることを示している。
したがって、鉱石スラリーからクロマイトを効果的に分離回収するためには、粗大な粒子を除いた後の鉱石をスラリー化し、この鉱石スラリー中のニッケル酸化鉱石を適切な粒度になるように解砕し、適切な分級粒度を設定することが肝要である。
なお、この時の解砕粒度としては、鉱石スラリーを形成する際の本来の目的を考慮して決められるが、約2mm以下が好ましい。
表1に、約2mm以下の粒度に破砕して得た鉱石スラリーの鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の一例を示す。
表1より、75μm以上の粗粒部に、クロム、珪素、マグネシウム等が濃縮されることが分かる。一方、75μm以下の細粒部には鉄が濃縮されることがわかる。
Figure 2015206068
次に、(A)工程は、鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイトを分離回収する工程である。その工程中間物としてシリカ鉱物、又はケイ苦土鉱等の鉱物粒子を分離除去することも可能となる。
なお、(A)工程は、鉱石処理工程内に含めて実施する、或いは鉱石処理工程に続いて実施することもできる。
この(A)工程の方法としては、特に限定されるものではなく、鉱石スラリーからクロマイトを分離する種々の物理分離手段を用いた方法が適用できるが、この中で、鉱石スラリーを構成する鉱石粒子での各成分の分布状態の解析から、クロマイトを分離回収した後、資源化が容易な、例えば41〜50重量%Crまでクロマイトを濃縮するためには、比重分離法を含む湿式の物理分離法、並びにクロマイトが濃縮されている粒径範囲の鉱石を分級回収することが必須である。
すなわち、表1に示すように、分級で濃縮できる品位には限界があり、分級だけでなく、比重差を利用した分離が必要となる。
この分級における分級粒度としては、細粒部のニッケルが含有されるゲーサイトが効率良く分離できれば良く、好ましくは20〜150μm、より好ましくは45〜75μmの範囲から選ばれることが好ましい。
すなわち、工業的に実施可能な分級点の下限は、おおむね20μmである上、この分級粒度が20μm未満では、粗粒部へのクロマイトの濃縮が不十分であるとともに、浸出工程で用いる鉱石スラリー中のニッケルがロスすることとなる。一方、分級粒度が150μmを超えると、細粒部でシリカ鉱物、クロマイト及びケイ苦土鉱の除去が不十分となってしまう。
また、この分級における手法は、特に限定されるものではないが、高性能で大量処理が可能なサイクロン分級を選択することが望ましい。
一般に、クロマイトの比重はゲーサイト等の水酸化鉄のそれよりも大きいことが知られており、粗大で比重が大きいクロマイトと微細で比重が小さいゲーサイトは、サイクロンにより効率良く分離することが可能である。
そのサイクロンの運転圧力は、分離性能と処理速度を考慮すると0.1〜0.3MPaが望ましい。
サイクロンの形状は、アンダーフローのパルプコンテントが50重量%以上となるように形状を調整することが望ましい。
また、サイクロンに供する鉱石スラリーのパルプコンテントについては、特に限定しないが、10〜30重量%が好ましく、更に好ましくは15〜20重量%が好ましい。
サイクロンの分離としては10重量%以下でも可能だが、水を大量に必要とする上、後工程の沈降濃縮にも不利である。また、30重量%を超えるとスラリーの粘度が上昇し、分離が困難になる場合がある。
すなわち、鉱石処理工程後のパルプコンテントを上記範囲の10〜30重量%に設定すれば、更に新たに水を供給する必要がなく、希釈のためのタンクも不要になるため、好ましい。
以上のように、パルプコンテント、サイクロン運転圧力、サイクロン形状を最適化することにより、オーバーフローへのクロマイトの分配を、殆どなくすことは可能であり、クロマイト回収の観点から好ましい。
上記サイクロンを用いた分級によりニッケルが含有されるゲーサイトを極力、分離除去した後に、比重分離装置によりクロマイトを更に濃縮する。
使用する比重分離装置は、特に限定されるものではないが、シェーキングテーブル、デンシティ セパレーター、スパイラルコンセントレーターの少なくとも1種を選択することが好ましく、大量処理に適したデンシティ セパレーター、スパイラルコンセントレーターの少なくとも1種を選択することが更に好ましい。
スパイラルコンセントレーターを用いる場合には、これに供給するスラリーのパルプコンテントは15重量%を超えて35重量%未満が好ましく、20重量%を超えて30重量%未満が更に好ましい。
15重量%以下であると、分離性能が悪化する場合があり、35重量%以上であると、スパイラルコンセントレーターで分離中にクロマイト濃縮側(内側)で粒子の流れが滞留してビルドアップが起こり、分離が十分に行われなくなる場合がある。
更に、スパイラルコンセントレーターを用いる場合には、15重量%以上40重量%以下に濃縮されたクロマイト(外側)を数回スパイラル処理することで、クロマイト回収率が高くなる。
また、デンシティ セパレーターを用いる場合においては、Teeter Water量を0.5〜7.0[m・h−1/m]とすることが望ましい。
ここで、Teeter Waterとは、デンシティ セパレーター内で上記鉱石粒子を浮き上がらせるための水をいう。前記鉱石粒子を浮き上がらせて流動層を形成させて重い粒子を下層に集める。Teeter WaterはFluidization Waterと呼ぶこともある。
そのTeeter Water量が、0.5未満であると干渉落下の効果が小さくなり、比重分離が効率良く行われない。
一方、7.0より大きいと、クロマイト粒子まで上昇させ、オーバーフロー側に損失する場合がある。この場合、浸出工程に供給されるスラリー中のクロマイトが多くなり、クロマイトの回収のみならず、ヘマタイト中Cr品位低減の観点からも不利になる。
更に、デンシティ セパレーターでスラリーを数回処理することで、Cr品位は上昇する。
また、この比重分離だけでもクロマイトのCr品位で41〜50重量%以上までの濃縮が可能であるが、更に高濃度に濃縮するためには微量に含まれるマグネタイトを分離除去することが望ましい。
除去するマグネタイトの比重は、クロマイトの比重に極めて近いので磁気分離を利用する。
この磁気分離に際して、その磁界強度は特に限定されるものではなく、ベルトの速度やベルトの厚み、他、装置により異なるが、200[Oe]〜2000[Oe]の範囲であることが好ましい。
磁界強度が200[Oe]未満であると磁界が弱すぎて、マグネタイトの分離除去が不十分な場合がある。一方、2000[Oe]を超えるとマグネタイトの除去には問題ないが、クロマイトまで着磁される場合があり、磁気分離がうまくいかない。
特に望ましくは、低磁界磁力選鉱機を使用すると良い。
さらに、比重分離、または、磁力選鉱後に、それらの処理により得られたクロマイトの分級処理を行う。
例えば、低磁界磁力選鉱で得られたNon−Magスラリーを、53μmと300μmのメッシュを備えた分級装置で分級処理を行うことによって、この分級処理により得られるCr品位を上昇させることができる。
[2]浸出工程
浸出工程は、鉱石処理工程及び(A)工程を経て得られた鉱石スラリーに、硫酸を添加して220〜280℃の温度下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程である。この工程では、主要設備として、プレヒーター、オートクレーブ、及びフラッシュタンクが用いられる。
この浸出工程においては、下記の反応式(1)〜(3)で表される浸出反応と反応式(4)〜(5)で表される高温熱加水分解反応によって、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。
しかしながら、鉄イオンの固定化は、完全には進行しないので得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等のほか、2価と3価の鉄イオンが含まれるのが通常である。
Figure 2015206068
Figure 2015206068
浸出工程における反応温度は、220〜280℃、好ましくは240〜270℃である。
すなわち、この温度範囲で反応を行うことにより、鉄はヘマタイトとして固定される。
反応温度が220℃未満では、高温熱加水分解反応の速度が遅いため反応溶液中に鉄が溶存して残るので、鉄を除去するための浄液負荷が増加し、ニッケルとの分離が非常に困難となる。一方、温度が280℃を超えると、高温熱加水分解反応自体は促進されるものの、高温加圧浸出に用いる容器の材質の選定が難しいだけでなく、温度上昇にかかる蒸気コストが上昇するため不適当である。
浸出工程で用いる硫酸使用量は、特に限定されるものではなく、鉱石中の鉄が浸出され、へマタイトに変化するのに必要な化学当量よりもやや過剰量、例えば、鉱石1トン当り300〜400kgが用いられる。特に、鉱石1トン当りの硫酸添加量が400kgを超えると、硫酸コスト及び後工程での中和剤コストが増加し好ましくない。また、浸出工程生成物から見た硫酸使用量としては、浸出終了時の遊離硫酸の濃度が25〜50g/Lを目標とし、好ましくは35〜45g/Lになるような硫酸使用量とする。
以上の条件を満足することによって、浸出残渣の真密度を高め高密度の浸出残渣を安定的に産出し、スラリーの固液分離性を向上させるので、次工程である固液分離工程の設備の簡素化を行うことができる。
すなわち、その濃度が25g/L未満では、浸出残渣を含むスラリーを沈降する際に、固形分の沈降濃縮が不完全となり、上澄みに浮遊固形分が残存する。これは、高温熱加水分解の反応速度が遅く、水酸化鉄の脱水が十分に進まず、真密度の低いヘマタイトが形成されることによる。
一方、その濃度が50g/Lを超えると、浸出設備の耐久性を向上させることが必要になり、また酸の中和に必要とされる中和剤の使用量が著しく増加するのでコスト的に不利になる。
[3]固液分離工程
固液分離工程は、前工程の浸出工程で形成された浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と、浸出残渣を得る工程である。これによって、浸出残渣に付着して廃棄されるニッケル等を浸出液中に回収する。
[4]中和工程[(B−1)工程及び(B−2)工程]
(4−1)中和工程1[浸出液の処理]
・(B−1)工程
この(B−1)工程は、前工程の固液分離工程で分離された浸出液11を中和するもので、浸出工程で得られた浸出液11の酸化を抑制しながら、pHが4以下、好ましくは3.2〜3.8の範囲になるように中和剤(pH調整剤)を添加し、3価の鉄を含む中和澱物スラリーの(B−1)工程残渣26とニッケル回収用の母液(1)14を形成する工程である。
この工程を用いることによって、浸出工程で用いた過剰の酸の中和を行うとともに、浸出液中に残留する3価の鉄イオンの除去を行うものである。
中和に際し、pHが4を超えると、ニッケルの水酸化物の発生が多くなる。
したがって、中和剤にはCaを含まないMg(OH)等のMg系アルカリや、浸出液に溶けてアルカリ性を示すMgO等のMg系中和剤を使用するのが好ましい。
中和剤として、CaCO等のCaを含むものを使用すると、石膏を生成することになる。本工程で発生する中和澱物スラリーの(B−1)工程残渣26は、その一部を固液分離工程に戻し、繰り返すため、浸出残渣スラリー中への石膏の混入が懸念されるが、少量であるため、ヘマタイト品位に大きな影響を及ぼさない。ここでCa系中和剤を使用しても問題はない。
[5]亜鉛除去工程
この亜鉛除去工程は、ニッケル及びコバルトを硫化物として分離する工程に先だって、前工程で得られた母液に、硫化水素ガスを吹きこみ、亜鉛を含む硫化物を生成し、硫化亜鉛澱物スラリーと、ニッケル及びコバルト回収用の母液を形成する工程である。
これは硫化反応の際に弱い条件を作り出すことで硫化反応の速度を抑制し、亜鉛と比較して濃度の高い共存するニッケルの共沈を抑制することにより、亜鉛を選択的に除去するものである。
この得られた硫化亜鉛澱物スラリーは、中和工程で得られる中和澱物スラリーと同様に最終中和工程(7)へ送られ処理することができる。
[6]硫化工程
この硫化工程は、脱亜鉛工程で得られたニッケル及びコバルト回収用の母液(2)に、硫化水素を吹き込み、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物(硫化亜鉛澱物)17と貧液18とを生成する工程である。
ここで、得られた貧液18は、pHが1〜3程度、硫化されずに含まれる鉄、マグネシウム、マンガン等の不純物のほかに、回収ロスであるニッケル及びコバルトを僅かに含んでいるので、固液分離工程における浸出残渣の洗浄水、及び中和工程で産出する中和残渣の洗浄水として使用する。
(4−2)中和工程2[浸出残渣スラリーの処理]
・(B−2)工程
この(B−2)工程は、固液分離工程から産出する浸出残渣(浸出残渣スラリー:図1の符号12で示される)の一部をMg(OH)等のMg系アルカリやMgOなどのMg系中和剤で中和し、ヘマタイト粒子を回収する工程である。
(B−2)工程の方法としては、特に限定されるものではないが、中和剤はCa系アルカリは用いない。例えば、中和剤としてCaCOを使用した場合、付着硫酸と反応して石膏が生成する。この石膏の溶解度は小さいので固体として析出し、残渣中のイオウ品位を上げてしまう。一方、MgSOは溶解度が大きいので固体として析出しにくく、イオウの低減に有効である。
従って、中和剤としてはMg系アルカリであるMg(OH)が好ましいが、MgOのようなMg系中和剤であれば良い。
ここで、浸出残渣スラリー12を構成する鉱石粒子における各成分の分布状態の解析について、説明する。
まず、表2に、約2mm以下の粒度に解砕して得た鉱石スラリーを浸出した際に得られた浸出残渣の鉱石粒度分布と各粒度区分での各成分の品位の一例を示す。
Figure 2015206068
表2より、75μm以下の細粒部に鉄が濃縮され、この部分では珪素が分離されていることが分かる。なお、浸出残渣の分析は、浸出残渣スラリーを水洗浄して、付着硫酸を除去したものについて行った。
以上の結果より、鉄を高含有量で含む粒子は、クロム、珪素等を高含有量で含む粒子よりも細粒であることを利用し、分級法などの選別手段によって、クロム、珪素等を高含有量で含む粗粒部と分離して系外に払い出し、ヘマタイトを資源として回収することができる。
分級法としては大量処理が可能なサイクロン等による処理が好ましい。
[7]最終中和工程
この最終中和工程は、(B−2)工程で得られる(B−2)工程後処理液27、固液分離工程後の浸出残渣スラリー12のうち、(B−2)工程では処理しなかったスラリーと、(B−1)工程残渣26、或いは、必要に応じて、これに亜鉛除去工程で得られる硫化亜鉛澱物15をスラリー化したものを加えて、さらに石灰石スラリーと消石灰スラリーを添加し、そのpHを8〜9程度に調整することによって、液中の金属イオンを中和澱物として沈殿させ、最終中和残渣19を得る工程である。なお、得られた最終中和残渣19は、テーリングダム20に貯留される。
以下に、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例では、金属の分析に蛍光X線分析法、又はICP発光分析法を用いて分析を行っている。
図1の本発明の製造フローにおいて、鉱石スラリー9に対する(A)工程を、図3に示す実施フロー図に沿って、ハイドロサイクロンによる分級処理してゲーサイトを分離した後、デンシティ セパレーターとスパイラルコンセントレーターの順に組み合わせで、比重分離を1処理行った。
(A)工程で使用する分級装置として、ハイドロサイクロン(アタカ大機株式会社製、MD−9型)を用い、表3に組成を示す鉱石スラリーの分級を行った。
実施例1では、スラリー濃度は15重量%、スラリーの温度を常温とし、運転圧力を0.2MPaの条件で分級を行った。
鉱石スラリー組成と、ハイドロサイクロンのアンダーフロー(ハイドロサイクロンU/F)の組成を、表3に併せて記す。なお、以下の表の単位は重量%とした。
Figure 2015206068
表3から、ハイドロサイクロンにより得られる粗粒部(ハイドロサイクロンU/F)では、Crは、給鉱中の2.5重量%に対し13.5重量%に、SiOは給鉱中の4.4重量%に対し6.0重量%に上昇したが、一方、Feは、給鉱中の鉄品位51.5重量%に対し45.2重量%に低下した。
以上より、鉱石スラリーの分級により、粗粒部にシリカ鉱物、クロマイト濃縮され、分離されていることが分かる。
次に、デンシティ セパレーターによる分離性を把握するために、ハイドロサイクロンU/F(スラリー濃度:33重量%)を、デンシティ セパレーター(Density Separator:Outotec Inc.製、「Tanksizer TS−Lab」、タンク内径228.6mm)に供給した。
その供給速度を56[kg/Hr]、スラリーの温度を常温とした。
この時のTeeter Water量は、6.9[m・h−1/m]、Set Point(密度計の設定値)を20として行った。
デンシティ セパレーターのフィード(ハイドロサイクロンU/F)およびアンダーフロー(デンシティ セパレーターU/F)の組成を表4に記す。
Figure 2015206068
表4から、デンシティ セパレーターにより得られる粗粒部(デンシティ セパレーターU/F)では、Crは、ハイドロサイクロンによる分級処理時(ハイドロサイクロンU/F)の13.5重量%に対し16.9重量%に上昇したが、一方、SiOは6.0重量%に対し1.9重量%に、鉄は45.2重量%に対し、35.2重量%に低下した。
以上より、デンシティ セパレーター処理により、粗粒部にクロマイトは濃縮され、分離されることが分かる。
さらに、スパイラルコンセントレーターによる分離性を把握するために、ハイドロサイクロンU/F(スラリー濃度:33重量%)を、スパイラルコンセントレーター(Spiral Concentrator:Outotec Inc.製、「MC7000」)にて分離試験を行った。
その結果を表5に記す。
Figure 2015206068
表5から、スパイラルコンセントレーターにより得られる「Concentrate」では、Crは、給鉱中の13.5重量%に対し41.1重量%に上昇した。
Middlingでは24.4重量%に上昇した。一方、Tailingでは5.3重量%となった。
この結果からスパイラル処理によっても、クロマイトが分離されることが分かる。
そこで、次に図3のフローに従って、そのデンシティ セパレーターで得られたデンシティ セパレーターU/F(1)(スラリー濃度75重量%)を水で希釈してスラリー濃度を25重量%とし、スパイラルコンセントレーター(Spiral Concentrator:Outotec Inc.製、「MC7000」)にて分離試験を行った。
試験の結果を表6に記す。
Figure 2015206068
表6から、スパイラルコンセントレーターにより得られる「Concentrate」では、Crは、給鉱中の16.9重量%に対し41.2重量%に上昇した。
Middlingでは24.3重量%に上昇した。一方、Tailingでは5.0重量%となった。
この結果からスパイラル処理により、クロマイトが分離されることが分かる。
次に、スパイラル試験で得られた「Concentrate」をスラリー濃度20重量%に希釈し、供給速度45.4[kg/Hr]で低磁界磁力選鉱装置(Outotec Inc.製、「Inprosys benchtop LIMS」)に供給し、着磁物(Mag)と非着磁物(Non−mag)を得た。
その結果を表7に示す。
Figure 2015206068
表7から、低磁界磁力選鉱により得られるCr(非着磁物/Non−mag)は、給鉱中の41.2重量%に対し45.3重量%に上昇した。一方、Feは28.5重量%から23.1重量%に低下した。
対して、Cr(着磁物/Mag)のFe品位は43.7重量%と、Fe品位が高いことからも、磁力選鉱によりヘマタイトが分離除去され、クロマイトのCr品位が上昇したことがわかる。
以上の結果から、鉱石スラリーをハイドロサイクロン、デンシティ セパレーター2処理、スパイラルコンセントレーターの順番で処理することにより、一般に市販されるクロマイトのCr品位を上回る濃度まで濃縮が可能であると言える。
また、得られたクロマイトの回収率は42.5重量%であった。
なお、回収率の計算は下記の式(6)で求めた。
Figure 2015206068
次に、その低磁界磁力選鉱処理により得られたクロマイトに対して分級処理を以下に示すように行った。
低磁界磁力選鉱で得られたNon−Magスラリーを、53μmと300μmのメッシュを備えた分級装置(株式会社DALTON製:振動ふるい機702CB)で分級処理を行った。
その結果を表8に示す。
表8から分級処理により得られるCrは給鉱中の45.3重量%に対し51.4重量%に上昇した。
一方Feは23.1重量%から31.2重量%に上昇した。
以上の結果から、実施例1で示される本発明の製錬方法では、一般に市販されるクロマイトのCr品位を上回る濃度まで濃縮が可能であると言える。
実施例1で得られたクロマイトの回収率は19%であった。なお、回収率の計算は式(6)で求めた。
Figure 2015206068
図1の本発明の製造フローにおいて、鉱石スラリーに対する(A)工程を、図4の(A)工程の実施フロー図に示すように、デンシティ セパレーターによる比重分離を2処理繰り返した後スパイラルコンセントレーターを用いた比重分離を行った。
先ず、(A)工程で使用する分級装置として、ハイドロサイクロン(アタカ大機株式会社製、MD−9型)を用い、表9に組成を示す鉱石スラリーの分級を行った。
実施例2では、スラリー濃度は15重量%、スラリーの温度を常温とし、運転圧力を0.2MPaの条件で分級を行った。
鉱石スラリー組成と、ハイドロサイクロンU/Fの組成を、表9に併せて記す。なお、以下の表の単位は重量%とした。
Figure 2015206068
表9から、ハイドロサイクロンにより得られる粗粒部(ハイドロサイクロンU/F)では、Crは、給鉱中の2.5重量%に対し13.5重量%に、SiOは給鉱中の4.4重量%に対し6.0重量%に上昇したが、一方、Feは、給鉱中の鉄品位51.5重量%に対し45.2重量%に低下した。
以上より、鉱石スラリーの分級により、粗粒部にシリカ鉱物、クロマイトが濃縮され、分離されていることが分かる。
次に、ハイドロサイクロンU/F(スラリー濃度:33重量%)を、デンシティ セパレーター(Density Separator:Outotec Inc.製、「Tanksizer TS−Lab」、タンク内径228.6mm)に供給した。
その供給速度を56[kg/Hr]、スラリーの温度を常温とした。
この時のTeeter Water量は、6.9[m・h−1/m]、Set Point(密度計の設定値)を20として行った。
デンシティ セパレーター(1)のフィード(ハイドロサイクロンU/F)およびアンダーフロー(デンシティ セパレーターU/F(1))の組成を表10に記す。
Figure 2015206068
表10から、デンシティ セパレーター(1)により得られる粗粒部(デンシティ セパレーターU/F(1))では、Crは、サイクロン分級時(HC−U/F)の13.5重量%に対し16.9重量%に上昇したが、一方、SiOは6.0重量%に対し1.9重量%に、鉄は45.2重量%に対し、35.2重量%に低下した。
以上より、デンシティ セパレーター処理により、粗粒部にクロマイトが濃縮され、分離されることが分かる。
そのデンシティ セパレーターU/F(1)(スラリー濃度75重量%)を水で希釈してスラリー濃度を40重量%とし、再度デンシティ セパレーター処理を行った。デンシティ セパレーター(2)のフィード(1回目のデンシティ セパレーター処理で得られたデンシティ セパレーターU/F(1))およびアンダーフロー(2回目のデンシティ セパレーター処理で得られたデンシティ セパレーターU/F(2))の組成を表11に記す。
Figure 2015206068
表11からCrは、16.9重量%から21.1重量%まで上昇していることが分かる。このように繰返しデンシティ セパレーターの処理を行うことでクロマイト濃縮が進むことが確認できる。
次に、そのデンシティ セパレーター(2)で得られたデンシティ セパレーターU/F(2)(スラリー濃度75重量%)を水で希釈してスラリー濃度を25重量%とし、スパイラルセパレーター((Spiral Concentrator:Outotec Inc.製、「MC7000」)にて処理するスパイラル試験を行った。
スパイラル試験の結果を表12に記す。
Figure 2015206068
表12から、スパイラルにより得られる「Concentrate」では、Crは、給鉱中の21.1重量%に対し44.5重量%に上昇した。Middling(1)では30.3重量%に上昇した。一方、Tailingでは6.3重量%となった。
この結果からスパイラル処理により、クロマイトが分離されることが分かる。
次に、Cr濃度30.3重量%のMiddling(1)を再度スパイラル処理による分離を試みた。その結果を表13に示す。
Figure 2015206068
表13から、Middling(1)を再度スパイラル処理をすることにより、「Concentrate」では、Crは、給鉱中の30.3重量%に対し42.5重量%に上昇した。一方で、Middling(2)では19.4重量%に、Tailingでは19.5重量%と低下した。これらのMiddling(2)、Tailingは必要に応じて再度スパイラル処理を行っても良い。
二回のテーブル試験で得られた「Concentrate」を混合して、スラリー濃度を20重量%に希釈し、供給速度45.4[kg/Hr]で低磁界磁力選鉱装置(Outotec Inc.製、「Inprosys benchtop LIMS」)に供給し、着磁物(Mag)と非着磁物(Non−mag)を得た。その結果を表14に示す。
Figure 2015206068
表14から、低磁界磁力選鉱により得られるCr(非着磁物/Non−mag)は、給鉱中の44.1重量%に対し48.5重量%に上昇した。一方、Feは24.7重量%から20.0重量%に低下した。
対して、Cr(着磁物/Mag)のFe品位は36.6重量%と、Fe品位が高いことからも、磁力選鉱によりマグネタイトが分離除去され、クロマイトのCr品位が上昇したことがわかる。
以上の結果から、鉱石スラリーをハイドロサイクロン、デンシティ セパレーター2処理、スパイラルコンセントレーターの順番で処理することにより、一般に市販されるクロマイトのCr品位を上回る濃度まで濃縮が可能である。
また、得られたクロマイトの回収率は44%であった。
回収率の計算は実施例1と同様に式(6)で求めた。
次に、その低磁界磁力選鉱処理により得られたクロマイトに対して分級処理を以下に示すように行った。
その低磁界磁力選鉱で得られたNon−Magスラリーを、53μmと300μmのメッシュを備えた分級装置(株式会社DALTON製:振動ふるい機702CB)で分級処理を行った。
その結果を表15に示す。
表15から分級処理により得られるCrは給鉱中の48.5重量%に対し55.0重量%に上昇した。一方Feは20.0重量%から27.0重量%に上昇した。
以上の結果から、実施例2で示される本発明の製錬方法では、一般に市販されるクロマイトのCr品位を上回る濃度まで濃縮が可能である。
実施例2で得られたクロマイトの回収率は20%であった。なお、回収率の計算は実施例1と同様に式(6)で求めた。
Figure 2015206068
(比較例1)
図5に示す比較例1における実施フローに沿って、ハイドロサイクロンによる分級処理後、実施例1の比重分離処理に代り、ハイメッシュセパレーターを用いた鉱石スラリー中に含まれる固形物の大きさによる分離を行った。
分級装置として、ハイドロサイクロン(アタカ大樹株式会社製、「MD−9型」)を用いて、鉱石スラリーの分級を行った。
ここで、スラリー濃度を9.8重量%、スラリーの温度は常温とし、運転圧力0.22MPaの条件で分級を行った。
33重量%のスラリー濃度を有するハイドロサイクロンのアンダーフロー(ハイドロサイクロンU/F)を、スラリー濃度4.9重量%まで希釈し、ハイメッシュセパレーター(株式会社気工社製、「KUC−612S」)に装入した。
ハイメッシュセパレーターへの供給速度は0.98[m/時]、バケットの回転数は0.8rpm、バケット長は75mm、バケットは4mm直径の孔が6mmピッチで開いており、開孔率は40%である。
洗浄水量は6m/時とした。
鉱石スラリーとハイドロサイクロンのアンダーフロー(ハイドロサイクロンU/F)の組成、及びハイメッシュセパレーターのアンダーフロー(ハイメッシュセパレーターU/F)の組成を表16に記す。
Figure 2015206068
表16から明らかなように、鉱石スラリーのCr品位4.1重量%からハイドロサイクロン粗粒部(ハイドロサイクロン−U/F)で13.0重量%、ハイメッシュセパレーター粗粒部(ハイメッシュセパレーター−U/F)で19.1重量%と濃縮されているが、目的とする市販レベル組成には至らなかった。
この工程の中では、特にハイドロサイクロンによる濃縮には問題は見られなかったが、ハイメッシュセパレーターでの濃縮が不十分であると判定できる。
そこで、その原因について以下の調査を行った。
それぞれのアンダーフロー(ハイドロサイクロン−U/F、ハイメッシュセパレーター−U/F)を75μmで篩い、その上下の分析を実施したところ、表17に示す結果が得られた。
Figure 2015206068
表17からは、ハイメッシュセパレーターのアンダーフロー(ハイメッシュセパレーター−U/F)のCr品位は14.2重量%(20.7重量%;Cr)とハイドロサイクロンのアンダーフロー(ハイドロサイクロンU/F)の16.7重量%(24.4重量%;Cr)よりも低く、比重分離が全くできていないことが明らかになった。
この結果から、ハイメッシュセパレーターはスライム除去の仕事しかしておらず、比重分離の仕事をしていない。
このように市販レベルのCr品位を持つクロマイトは、比重分離を行わない限り、濃縮できないことがわかる。
実施例1のハイドロサイクロンのオーバーフローと、デンシティ セパレーターのオーバーフローを、固体重量77:15の割合でオートクレーブに装入し、これに98%硫酸を添加して、以下の条件で高温加圧硫酸浸出を行い、浸出スラリー10を作製した。
さらに、作製した浸出スラリーを固液分離工程により浸出液11と浸出残渣スラリー12に分離した。
[浸出条件]
浸出温度:245℃
浸出時間:60分
最終(浸出終了時の)遊離硫酸濃度:40[g/L]
スラリー濃度:30重量%
オートクレーブ容量:5L
次に、この浸出残渣スラリー12中のCr品位を知るために、浸出残渣スラリー12に濃度20重量%の中和剤のMg(OH)スラリーを添加し、70℃で、pH2.5になるように中和した。
次に、このスラリーを5C濾紙で固液分離し、さらにMg(OH)スラリーをpH6になるまで添加した後、さらに5C濾紙で固液分離した。
得られた最終中和残渣のCr品位は0.9重量%であった。生成するMgSOの溶解度が大きいため、残渣のイオウ品位は0.53重量%であった。
(比較例2)
実施例1の鉱石スラリーをハイドロサイクロンと、デンシティ セパレーターで処理することなくオートクレーブに装入し、それ以外は実施例3と同様に処理したところ、得られた最終中和残渣のCr品位は2.1重量%であった。
生成するMgSOの溶解度が大きいため、残渣のイオウ品位は0.53重量%であった。
実施例3と比較例2の比較から明らかなように、先ずハイドロサイクロンで分級し、次に比重分離装置の一つであるデンシティ セパレーターで処理することにより、鉱石スラリー中のクロマイトを分離除去し、残渣中のCr品位を半減させることができた。
(比較例3)
実施例3と同様にして浸出残渣スラリー12を作製し、その全量に濃度25重量%の消石灰スラリーを中和剤として添加し、60℃で、pH8.5になるように中和して、金属イオンを澱物として沈殿させ、固液分離により中和残渣と中和後処理液を得た。
この中和残渣をサイクロン分級してヘマタイト28を分離した。
ヘマタイト28を分離した残りの中和残渣と中和後処理液を混合した混合液に、濃度25重量%の消石灰スラリーを添加した後、5C濾紙での固液分離を繰り返して最終中和残渣を得た。
得られた最終中和残渣のCr品位は0.8重量%であった。生成するCaSOの溶解度が小さいため、残渣のイオウ品位は5.72重量%で、Ca品位は8.49であった。
(比較例4)
図6の比較例4の実施フロー図に示されるように、ハイドロサイクロンによる分級処理をせずに、鉱石スラリーを実施例1と同様に比重分離を1処理し、最後にハイドロサイクロンによる分級処理を実施した以外は、実施例1と同じ条件で分離試験を行った。
表18は、ハイドロサイクロンによる分級処理を行わなかった鉱石を、デンシティ セパレーターで比重分離処理した結果である。
フィード(鉱石スラリー)の粘度が高いためか、デンシティ セパレーターによるCr濃度は分級処理を行った、フィードを処理したアンダーフロー(表4、デンシティ セパレーターU/Fを参照。)ほどには高くならなかった。
Figure 2015206068
このデンシティ セパレーターU/Fを、スパイラルセパレーターで分離した結果を表19に示す。
表19から明らかなように、スパイラルセパレーターによる比重分離処理を行っても、Cr濃度は25.3重量%と41重量%以上にはならなかった。
このことは、デンシティ セパレーターで粗粒と細粒の分離が出来ていないため、スラリー粘度が高く、スパイラルの効果が発揮できないと考えられる。
Figure 2015206068
続いて、ハイドロサイクロンによる分級処理を行った。
表20に示した通り、Cr濃度は35.3重量%と41重量%以上を満たすことはなかった。
Figure 2015206068
一般に市販されるクロマイトのCr品位を上回る濃度までの濃縮は不可能であった。このことから最初にサイクロン分級を行い、微細粒を除去することがクロマイト回収においては重要であることが分かる。
以上より明らかなように、本発明のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、ニッケル酸化鉱の湿式製錬分野で利用される高圧浸出に基づく製錬方法として好適である。
8 ニッケル酸化鉱石
9 鉱石スラリー
10 浸出スラリー
11 浸出液
12 浸出残渣スラリー
14 母液(1)
15 硫化亜鉛澱物
16 母液(2)
17 Ni,Co混合硫化物
18 貧液
19 最終中和残渣
20 テーリングダム
22 オートクレーブ供給スラリー
23 クロマイト
26 (B−1)工程残渣
27 (B−2)工程後処理液
28 ヘマタイト

Claims (19)

  1. 鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いて、ニッケル及びコバルトを回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、下記(A)工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。

    (A)工程:前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、Cr 品位が少なくとも50重量%を超える高濃度クロマイト濃縮物を回収する工程。
  2. 鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いて、ニッケル及びコバルトを回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、下記(A)工程を含み、且つ前記(A)工程を経た後に、(B−1)工程、(B−2)工程のいずれかを含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。

    (A)工程:前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、Cr 品位が少なくとも50重量%を超える高濃度クロマイト濃縮物を回収する工程。
    (B−1)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出液を中和処理する中和工程であって、
    前記中和処理に際してCa系又はMg系中和剤の少なくとも一種以上を用いて中和する工程。
    (B−2)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出残渣スラリーを中和処理する中和工程であって、
    前記中和処理に際してMg系中和剤を用いて中和処理し、前記浸出残渣スラリーからヘマタイト粒子を回収する工程。
  3. 鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、
    下記(A)工程、(B−1)工程、及び(B−2)工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。

    (A)工程:前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のクロマイト粒子を、比重分離法を含む回収プロセスにより分離した後、分級処理を行い、Cr 品位が少なくとも50重量%を超える高濃度クロマイト濃縮物を回収する工程。
    (B−1)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出液を中和処理する中和工程であって、
    前記中和処理に際してCa系又はMg系中和剤の少なくとも一種以上を用いて中和する工程。
    (B−2)工程:前記(A)工程を経てクロマイト粒子を分離してCr品位の下がった鉱石スラリーを、前記浸出工程、固液分離工程の順に処理して生成した浸出残渣スラリーを中和処理する中和工程であって、
    前記中和処理に際してMg系中和剤を用いて中和処理し、前記浸出残渣スラリーからヘマタイト粒子を回収する工程。
  4. 前記(A)工程の回収プロセスが、前記鉱石スラリーにサイクロンによる分級処理を行って、微細な鉄水酸化物粒子を低減させた貧鉄粒子鉱石スラリーを形成した後、前記貧鉄粒子鉱石スラリーに含まれるクロマイト粒子を、比重分離法を用いてクロマイト濃縮物として前記鉱石スラリーから回収することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  5. 前記(A)工程の回収プロセスが、前記鉱石スラリーのスラリー濃度を希釈せずに、サイクロンによる分級処理することを特徴とする請求項4に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  6. 前記(A)工程の回収プロセスが、サイクロンによる分級処理におけるクロマイトのアンダーフローへの採取が不可避的損失を除く全量が行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  7. 前記比重分離法が、デンシティ セパレーターを用いる工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  8. 前記比重分離法が、スパイラルコンセントレーターを用いる工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  9. 前記比重分離法が、デンシティ セパレーターを用いる工程及びスパイラルコンセントレーターを用いる工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  10. 前記デンシティ セパレーターを用いる工程が、濃縮スラリーを二回以上デンシティ セパレーターで処理することを特徴とする請求項7又は9に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  11. 前記スパイラルコンセントレーターを用いる工程が、濃縮スラリーを二回以上スパイラルコンセントレーターで処理することを特徴とする請求項8又は9に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  12. 前記スパイラルコンセントレーターに供給されるスラリーのパルプコンテントが、15〜35重量%Solidであることを特徴とする請求項8、9、11のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  13. 前記デンシティ セパレーターに供給されるTeeter Water量が、0.5〜7.0[m・h−1/m]であることを特徴とする請求項7、9、10のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  14. 前記比重分離法により分離されたクロマイト濃縮物に、物理分離処理である磁力分離法を施して前記クロマイト濃縮物中のマグネタイトを着磁物として除去し、非着磁物を高濃度クロマイト濃縮物として回収することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  15. 前記(B−2)工程が、中和処理後のpHを4〜7とし、前記中和処理後にMg系中和剤以外のアルカリで最終中和を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  16. 前記(B−2)工程が、前記浸出残渣スラリー又は前記浸出残渣スラリーを含む中和残渣スラリーに、サイクロンによる分級処理を施し、前記分級処理により得られた分級された細粒部を、ヘマタイトの濃縮物として回収することを特徴とする請求項2又は3に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  17. 前記鉱石処理工程は、採掘した原料鉱石の異物除去及び鉱石粒度調整を行い、鉱石スラリーを形成する工程、
    前記浸出工程は、前記鉱石スラリーに硫酸を添加し、高温高圧下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程、
    前記固液分離工程は、前記浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣スラリーを得る工程、
    前記中和工程は、前記浸出液にアルカリを添加し、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用の母液を形成する工程、
    前記亜鉛除去工程は、前記母液に硫化水素ガスを吹きこみ、硫化亜鉛澱物スラリーとニッケル及びコバルト回収用の母液を形成する工程、
    前記硫化工程は、前記ニッケル及びコバルト回収用の母液に、硫化水素を吹き込み、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物と貧液とを生成する工程、
    及び最終中和工程は、前記浸出残渣スラリーに余剰の前記貧液を加え、pHを8〜9に調整し、最終中和残渣を得る工程であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  18. 前記鉱石処理工程における鉱石粒度調整が、2mm以下の粒度で篩い分け処理による粒度調整であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  19. 濃縮されたクロマイトのCr品位が、41重量%以上であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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