JP2010092664A - 双極型二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性を有する樹脂層2a〜2cを含む集電体11と、前記集電体11の一方の面に電気的に結合した正極層13と、前記集電体11の他方の面に電気的に結合した負極層15とからなる双極型電極16であって、前記集電体11は、前記樹脂層2a〜2cより薄い金属層1a、1bを含み、前記金属層1aは、前記樹脂層2a、2bにより挟まれ、前記金属層1bは、前記樹脂層2b、2cにより挟まれた構造を有する。
【選択図】図2D
Description
本発明の双極型電極を用いた双極型二次電池は、一般的な基本構成として、複数の双極型電極と、これらの双極型電極の間に配置される電解質層とを備えてなる、双極型電極と電解質層とが交互に積層された構造を有する。そして、前記双極型電極は、集電体と、前記集電体の一方の面に電気的に結合した正極層と、前記集電体の他方の面に電気的に結合した負極層と、からなる構成を有する。
本発明に係る双極型二次電池の特徴は、上記した一般的な基本構成を有する双極型二次電池において、双極型電極の集電体が、導電性を有する樹脂層と、該樹脂層より薄い金属層を含み、該金属層が該樹脂層により挟まれた構造を有することにある。かかる構成とすることで、該樹脂層内のイオン透過による双極型電極内の正極層と負極層との間の液絡を防ぐことができ、寿命特性が向上した長期信頼性に優れた双極型二次電池を構築できる。更に、集電体の一部に導電性を有する樹脂層を用いているため、集電体全体でみた場合、金属箔集電体に較べて軽量であり、電池の出力が向上し得る双極型電極を用いた双極型二次電池を構築できる。加えて、金属層が前記樹脂層により挟まれた構造(金属層と前記樹脂層の積層構造)を、3層以上の多層構造にすることで、双極型電極を用いた双極型二次電池の耐振動性能を向上することができる。この点は、比較例2の2層構造と、実施例1の3層構造と、実施例6〜8の5〜6層構造の充放電特性を対比参照のこと。また、正極層及び負極層側表面層に、正極電位及び負極電位それぞれの電位に長期間耐えうる前記樹脂層や金属層を選択的に配置した集電体を形成することが可能である。かかる構成とすることで、より一層寿命特性が向上した長期信頼性に優れた双極型電極を用いた双極型二次電池を構築できる。
本発明の双極型電極の特徴部分である集電体について、図面を用いて説明する。図2A〜2Hは、いずれも本発明の双極型二次電池の双極型電極における集電体内の金属層と導電性を有する樹脂層との積層配置の例を模式的に表した、双極型二次電池内の任意の双極型電極の断面概略図である。
図2Aに示す双極型電極16では、集電体11が、導電性を有する樹脂層2a、2bと、樹脂層2a、2bより薄い金属層1から構成されている。そして、前記金属層1が、前記樹脂層2a、2bにより挟まれた(挟持されている)構造を有している。別言すれば、集電体11が、前記金属層1を中間層とし、該金属層1を介して前記樹脂層2a、2bが接合された樹脂層2a−金属層1−樹脂層2bの3層積層構造を有する。即ち、本構成例では、樹脂集電体の軽量化、微小短絡に対する安全性確保等の観点から、導電性を有する樹脂層を厚くし、かつ軽量化、イオン透過防止付与の観点から、該樹脂層より薄い金属層を中間層(樹脂層により挟まれた構造)に形成する構成となっている。
図2Bに示す双極型電極16は、図2Aの双極型電極の変形例である。
図2Cに示す双極型電極16も、図2Aの双極型電極の変形例である。
図2Dに示す双極型電極16では、集電体11が、導電性を有する樹脂層2a、2b、2cと、これら樹脂層2a、2b、2cより薄い金属層1a、1bから構成されている。そして、前記金属層1aが、前記樹脂層2a、2bにより挟まれ、前記金属層1bが、前記樹脂層2b、2cにより挟まれた(挟持されている)構造を有している。別言すれば、前記集電体11が、金属層1と導電性を有する樹脂層2とが交互に複数積層された、樹脂層2a−金属層1a−樹脂層2b−金属層1b−樹脂層2cの5層積層構造を有する。本構成例では、該集電体11の正極層13側および負極層15側の表面層が、共に導電性を有する樹脂層2a、2cで構成されている。
図2Eに示す双極型電極16では、集電体11が、導電性を有する樹脂層2a、2b、2cと、これら樹脂層2a、2b、2cより薄い金属層1a、1b、1cから構成されている。そして、前記金属層1bが、前記樹脂層2a、2bにより挟まれ、前記金属層1cが、前記樹脂層2b、2cにより挟まれた(挟持されている)構造を有している。別言すれば、集電体11が、前記金属層1と導電性を有する樹脂層2とが交互に複数積層された、金属層1a−樹脂層2a−金属層1b−樹脂層2b−金属層1c−樹脂層2cの6層積層構造を有する。本構成例では、該集電体11の正極層13側の表面層は、金属層1aで構成され、負極層15側の表面層は、前記樹脂層2cで構成されている。このように、本発明でいう「金属層が樹脂層により挟まれた構造」には、本構成例の双極型電極16に含まれる金属層の1つである金属層1aのように、該金属層1aが樹脂層2aと正極層13との間で挟まれた(挟持されている)構造も含まれるものとする。ただし、本発明の双極型電極では、本構成例のように集電体内部の少なくとも一部に「金属層が樹脂層により挟まれた構造」を有する必要があり、こうした構造を全く含まない、樹脂層と金属層からなる2層積層構造は含まないものとする。
図2Fに示す双極型電極16は、図2Eの双極型電極の変形例である。
(2−1)金属層
(a)金属層の構成材料
集電体内の金属層としては、集電体内のイオン透過を防止し、双極型電極内の正極層と負極層との間の液絡を防ぐ機能を奏し得るものであれば、特に制限されるものではなく、既存の金属集電箔と同様の材料を用いて形成することができる。具体的には、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレスあるいはこれらの金属(合金を含む)の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを金属層の形成材料として用いることが好ましい。また、図2E、2Fのように正極層側や負極層側表面層に配置される金属層においては、正極電位や負極電位に耐えうる点から、Feを主成分とし、Cr、Niを合金化したステンレスを金属層の形成材料として用いることが好ましい。また、負極層側表面層に配置される金属層においては、0Vに電圧をおとすことが可能になる点で、Mo成分を有するSUS316Lを金属層の形成材料として用いることが好ましい。
集電体内の金属層の厚さとしては、集電体内のイオン透過を防止し、双極型電極内の正極層と負極層との間の液絡を防ぐ機能を発現し得るものであればよいが、更に軽量化の観点からは、機能を発現し得る範囲で、導電性を有する樹脂層より薄くするのが望ましいといえる。但し、図2Fで説明したように、複数の金属層を有する場合には、そのうちの少なくとも1つの金属層が導電性を有する樹脂層より薄ければよい。好ましくは、複数の金属層を有する場合でも、すべての金属層が全ての導電性を有する樹脂層より薄くするのが望ましい。
(a)構成材料
集電体内の導電性を有する樹脂層としては、双極型電池用の集電体に求められる導電性を有し、集電体全体を既存の金属箔集電体に較べて軽量化できものであれば、特に制限されるものではなく、既存の樹脂集電体と同様の材料を用いて形成することができる。即ち、導電性フィラーが添加された樹脂や導電性高分子などの導電性を有する樹脂から構成することができる。
上記1)の形態に用いられる導電性高分子は、導電性を有する材料から選択される。好ましくは、導電性を有する樹脂層内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料を用いるのが望ましい。これらの導電性高分子は、共役したポリエン系がエネルギー帯を形成し導電性を示すと考えられている。代表的な例としては電解コンデンサなどで実用化が進んでいるポリエン系導電性高分子を用いることができる。具体的には、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール、またはこれらの混合物などが好ましい。導電性(電子伝導性)および電池内で安定に使用できるという観点から、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンがより好ましい。
上記2)の形態に用いられる導電性フィラー(導電材)は、導電性を有する材料から選択される。好ましくは、導電性を有する樹脂層内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料を用いるのが望ましい。また、導電性フィラーは、積層配置される位置にもよるが、正極層側や負極層側の表面層に配置される場合には、印加される正極電位や負極電位に耐えうる材料から選択されるのが望ましい。
また、導電性フィラー(導電材)の形状(形態)は、粒子形態で用いればよいが、粒子形態に限られず、カーボンナノチューブなど、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている粒子形態以外の形態であってもよい。
導電性を有する樹脂層における導電性フィラーの分布は、均一でなくてもよく、導電性を有する樹脂層内部で導電性フィラー粒子の分布が変化していてもよい。また、集電体に複数の導電性を有する樹脂層が用いられることから、複数の導電性フィラーが用いられ、各導電性を有する樹脂層間でも、導電性フィラー粒子の分布、含有量、材料の種類等が変化していてもよい。例えば、正極層に接する表面層の導電性を有する樹脂層や正極層寄りの導電性を有する樹脂層と、負極層に接する表面層の導電性を有する樹脂層や正極層寄りの導電性を有する樹脂層とで、好ましい導電性フィラー材料を使い分けてもよい。
導電性フィラーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.01〜10μm程度であることが望ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電性フィラーの輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。後述する活物質粒子などの粒子径や平均粒子径も同様に定義することができる。
導電性を有する樹脂層中の導電性フィラーの添加量は、1〜30wt%であることが望ましい。導電性を有する樹脂層中の導電性フィラーの添加量が1wt%以上あれば、双極型電極の集電体に必要な導電性能を有効に発現することができる。一方、導電性フィラーの添加量が30wt%以下であれば、導電性フィラーを含有する導電性を有する樹脂層の重量増加を抑制することができる。
また、上記2)の形態のように導電性を有する樹脂層が導電性フィラーを含む形態の場合、導電性を有する樹脂層を形成する高分子材料は、当該導電性を付加する為の導電性フィラーを結着させる絶縁性の高分子材料(導電性のない高分子材料)を含む。また、上記3)の形態でも、導電性を有する樹脂層を形成する高分子材料は、導電性フィラーを結着させる導電性のない高分子材料、上記1)の導電性高分子のいずれでもよく、これらを併用してもよい。
上記2)、3)の形態のように導電性を有する樹脂層が導電性フィラーを含む形態の場合、導電性を有する樹脂層における、高分子材料と導電性フィラーとの比率は、(ii−3)で規定した通りである。好ましくは、高分子材料および導電性フィラーの合計に対して、2〜20wt%の導電性フィラーが存在する。十分な量の導電性フィラーを存在させることにより、集電体における導電性を十分に確保できるためである。
導電性を有する樹脂層には、導電性フィラーおよび高分子材料の他、本発明の作用効果に瑛キュを与えない範囲内であれば、撥水剤、結着剤などの他の添加剤を適量含有していてもよい。
導電性を有する樹脂層の厚さは、上記したように少なくとも1つの金属層よりも厚ければよく、軽量化により電池の出力密度を高める上では、薄いほど好ましい。双極型二次電池においては、双極型電極の正極層と負極層の間に存在する集電体は、積層方向に水平な方向の電気抵抗が高くてもよいため、集電体の厚さを薄くすることが可能であり、集電体内の導電性を有する樹脂層の厚さも薄くできる。そのため、電池出力特性に優れ、長期信頼性に優れた電池を構築できる。
金属層と導電性を有する樹脂層(1層分)との厚み比(導電性を有する樹脂層/金属層)は、上記した金属層の厚さと、導電性を有する樹脂層(1層分)の厚さの範囲内であれば、特に制限されるものではない。任意の厚さの金属層と導電性を有する樹脂層とを組み合わせることができる。
(3−1)集電体の厚さ
集電体の厚さは、軽量化により電池の出力密度を高める上では、薄いほど好ましい。双極型二次電池においては、双極型電極の正極層と負極層の間に存在する集電体は、積層方向に水平な方向の電気抵抗が高くてもよいため、集電体の厚さを薄くすることが可能である。そのため、電池出力特性に優れ、長期信頼性に優れた電池を構築できる。
集電体の抵抗値に関しては、双極型電池用の集電体に求められる積層方向の導電性が十分に確保できれいればよく、特に制限されるものではない。好ましくは、電池全体の抵抗値に対して、集電体の積層方向における抵抗値が、1/100以下、好ましくは1/1000以下となるように、集電体の金属層と導電性を有する樹脂層の構成配置や材料、厚さなどを選定するのが望ましい。
以上が、本発明の双極型二次電池の特徴的な構成要件である集電体に関する説明であり、他の構成要件に関しては特に制限されるものではない。よって、以下では、本発明の双極型二次電池の特徴的な構成要件である集電体以外の他の構成要件に関し、双極型リチウムイオン二次電池を例に取り説明するが、本発明がこれらに制限されるものではない。
電極層(正極層13および負極層15)は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
電解質層17を構成する電解質としては、充放電時に正負極間を移動するリチウムイオンのキャリアーとしての機能を有するものであれば特に制限されず、液体電解質、ポリマー電解質、無機固体電解質(酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質)等が用いられうる。
最外層集電体11aおよび11bとしては、上記したように、双極型電極用の集電体11を用いることができるほか、既存の金属集電箔を用いることができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが挙げられる。中でも正極電位、負極電位に耐えうる最外層集電体とするためには、アルミニウム箔、ステンレス箔が好ましい。
シール部(シーラントないし周辺絶縁層とも称されている)31は、電解質層17の漏れを防止するために単電池層19の周辺部に配置されている。この他にも電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止することもできる。該シール部31としては、例えば、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが使用でき、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。ただし、これらに何ら制限されるものではない。
電池外部に電流を取り出す目的で、各集電体に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が電池外装材の外部に取り出されている。具体的には、図3に示すように最外層正極集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と最外層負極集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、電池外装材29であるラミネートシートの外部に取り出される。
正極および負極集電板(電極端子板、強電端子などとも称されている)は、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体11a、11bから正極タブ25及び負極タブ27を直接取り出す場合には、正極および負極集電板は用いなくてもよい。この電極集電板の一部を延長することにより正極タブ25および負極タブ27としてもよい(強電端子;実施例参照のこと)。あるいは、別途準備した正極タブ25および負極タブ27や正極および負極端子リードを正極および負極集電板に接続してもよい。
正極端子リードおよび負極端子リードに関しても、必要に応じて使用する。例えば、最外層集電体11aおよび11bから出力電極端子となる正極タブ25および負極タブ27を直接取り出す場合には、正極端子リードおよび負極端子リードは用いなくてもよい。
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるラミネートフィルムが望ましい。
図3は、本発明に係る双極型二次電池の代表的な実施形態である積層型の扁平な双極型リチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
本発明の組電池は、本発明の双極型二次電池を複数個接続して構成したものである。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。なお、本発明の組電池では、本発明の双極型二次電池と、他の非双極型リチウムイオン二次電池とを組み合わせて、これらを直列に、並列に、または直列と並列とに、複数個組み合わせて、組電池を構成することもできる。
本発明の車両は、本発明の電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を搭載したことを特徴とするものである。本発明の双極型二次電池は高い出力であるから、電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。言い換えれば、本発明の双極型二次電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池は、車両の駆動用電源として用いられうる。車両としては、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)が挙げられる。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
次に、本発明の双極型二次電池の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適用して作製することができる。
1.集電体の作製工程
表1に示す実施例1の3層積層構造の集電体を構成した。
正極活物質として、LiMn2O4(平均粒子径:10μm)85wt%、導電助剤としてアセチレンブラック 5wt%、およびバインダとしてPVdF 10wt%からなる固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極スラリーを作製した。
負極活物質として、ハードカーボン(平均粒子径:10μm)90wt%およびバインダとしてPVdF 10wt%からなる固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるNMPを適量添加して、負極スラリーを作製した。
ポリプロピレン製の多孔質フィルムセパレータ(厚さ20μm)の両面に、前記電解質材料(プレゲル溶液)を塗布し、室温でDMCを乾燥させることでゲルポリマー電解質層(厚さ20μm)を得た。
上記で得られた双極型電極の正極層上にゲル電解質層をのせ、その周りに幅12mmm厚さ100μmのPE(ポリエチレン)製フィルムをおきシール材とした。このような双極型電極を6層積層したのちにシール材を上下からプレス(熱と圧力)をかけ融着し、各層をシールして(プレス条件:0.2MPa、160℃、5s)、シール部を形成した。
集電体の金属層1として、厚さの異なる金属層1(厚さ10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体の金属層1として、厚さの異なる金属層1(厚さ5μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、厚さの異なる導電性を有する樹脂層1(20μm)、金属層1(厚さ5μm)及び導電性を有する樹脂層2(80μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、厚さの異なる導電性を有する樹脂層1(10μm)、金属層1(厚さ5μm)及び導電性を有する樹脂層2(90μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、導電性を有する樹脂層1(20μm)、金属層1(厚さ5μm)、導電性を有する樹脂層2(20μm)、金属層2(厚さ5μm)及び導電性を有する樹脂層3(20μm)からなる5層積層構造の集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、導電性を有する樹脂層1(10μm)、金属層1(厚さ5μm)、導電性を有する樹脂層2(20μm)、金属層2(厚さ5μm)及び導電性を有する樹脂層3(30μm)からなる5層積層構造の集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、導電性を有する樹脂層1(10μm)、金属層1(厚さ5μm)、導電性を有する樹脂層2(20μm)、金属層2(厚さ5μm)、導電性を有する樹脂層3(20μm)及び金属層3(厚さ5μm)からなる6層積層構造の集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、厚さの異なる導電性を有する樹脂層1(80μm)、金属層1(厚さ20μm)及び導電性を有する樹脂層2(20μm)からなる6層積層構造の集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、導電性を有する樹脂層1(100μm)のみからなる、いわゆる樹脂集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
集電体として、導電性を有する樹脂層1(50μm)及び金属層1(厚さ20μm)からなる2層積層構造の集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして双極型二次電池を作製した。
実施例1〜9、比較例1〜2それぞれの電池で初回充放電試験を行った。試験は0.5Cの電流で21.0Vまで定電流充電(CC)し、その後定電圧で充電(CV)し、あわせて10時間充電し、その後1Cの放電容量で容量測定を行った。
上記表2の結果より、実施例と比較例の容量維持率結果から集電体内に、金属層が導電性を有する樹脂層により挟まれた構造(導電性を有する樹脂層−金属層−導電性を有する樹脂層の構造を有する3層積層構造以上)を設けることで集電体内のイオン透過を抑制できることが確認された。
2、2a、2b、2c 導電性を有する樹脂層、
10 双極型リチウムイオン二次電池、
11 集電体、
11a 正極層側の最外層集電体、
11b 負極層側の最外層集電体、
13 正極層、
15 負極層、
16、16a、16b 双極型電極、
17 電解質層(ゲル電解質層)、
19 単電池層(=電池単位ないし単セル)、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 電池外装材(たとえばラミネートフィルム)、
31 シール部、
50 双極型リチウムイオン二次電池、250 装脱着可能な小型の双極型二次電池の組電池(モジュール)、
300 双極型二次電池の組電池(モジュール)、
310 接続治具、
400 電気自動車。
Claims (7)
- 導電性を有する樹脂層を含む集電体と、前記集電体の一方の面に電気的に結合した正極層と、前記集電体の他方の面に電気的に結合した負極層とからなる双極型電極であって、
前記集電体は、前記樹脂層より薄い金属層を含み、
前記金属層は、前記樹脂層により挟まれた構造であることを特徴とする双極型電極。 - 前記集電体の負極層側の前記樹脂層が、高分子材料に導電性金属フィラーを分散させた層であり、かつ
該負極層側の前記樹脂層と正極層側で接する金属層が、集電体の中央より負極層側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の双極型二次電池。 - 前記集電体の負極層側の前記樹脂層が、高分子材料に導電性金属フィラーを分散させた層であり、かつ
該負極層側の前記樹脂層の厚さが、他の樹脂層の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1または2に記載の双極型二次電池。 - 前記集電体の正極層側および負極層側の表面層が、樹脂層で構成されていることを特徴とする特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の双極型電極と電解質層とが交互に積層されてなることを特徴とする双極型二次電池。
- 請求項5に記載の双極型二次電池を少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されることを特徴とする組電池。
- 請求項5に記載の双極型二次電池または請求項6に記載の組電池を搭載してなることを特徴とする車両。
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JP2008259878A JP5343500B2 (ja) | 2008-10-06 | 2008-10-06 | 双極型電極及びこれを用いた双極型二次電池 |
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