JP2010090316A - 加硫促進剤 - Google Patents

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Yukitatsu Shirakawa
往立 白川
Takeshi Masuda
武 増田
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Abstract

【課題】
タイヤ等ゴム製品中の金属製補強部材とゴムとの接着性を良好なものにするために、ゴム組成物中に配合する加硫促進剤を提供する。また、前記加硫促進剤として、安全性が高いものを提供する。
【解決手段】
一般式(I)で示される2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物と一般式(II)で示されるベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合した加硫促進剤を用いる。本加硫促進剤は、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物100重量部に対して、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物5〜100重量部配合する。
【化1】
Figure 2010090316

【選択図】 なし

Description

本発明は、加硫促進剤として従来使用されてはいるが毒性が懸念され問題となっているN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、DCBSと略記する)の代替となりうる安全性の高い加硫促進剤に関するものである。
従来、タイヤやベルト等のゴム製品は、ゴムとスチールコードを複合化することにより製造されている。そして、このスチールコードと天然ゴムまたは合成ゴムとの接着力を向上させるために、加硫促進剤としてDCBSが主に使われている。しかしながら、DCBSは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)上、第一種監視化学物質(官報公示整理番号、5−256)として登録されており、その毒性が懸念されて、これを代替する加硫促進剤がゴム工業界で求められている。
特許文献1には、2−エチルヘキシル酸ニッケルを配合したゴム組成物が提案されている。特許文献2には、ニッケルコーティンググラファイトを配合したゴム組成物が提案されている。特許文献3には、マレイン酸ニッケルを配合したゴム組成物が提案されている。特許文献4には、ビスフェノール系化合物とDCBSを配合したゴム組成物が提案されている。しかしながら、これら特許文献1〜4には、本発明の加硫促進剤についての記載がない。特許文献5には、2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールとメルカプトベンゾチアゾールの配合物を加硫促進剤として使用することが提案されている。しかしながら、この配合物をゴム組成物に使用した場合には、DCBSを配合した場合と同等の加硫特性やゴムとスチールコード(金属)の接着性が得られない。
特開2001−206985号公報 特開2003−96242号公報 特開2005−68213号公報 特開2006−22186号公報 ドイツ特許第19528172号公開公報
本発明は、毒性が懸念される加硫促進剤DCBSの代替として、安全性が高く、かつDCBSと同等の加硫促進能力を有し、ゴムと金属との接着性に優れたゴム組成物を与える加硫促進剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、化1の一般式(I)で示される2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物に対して、化2の一般式(II)で示されるベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合した加硫促進剤を用いたゴム組成物が、DCBSを配合したゴム組成物と同等の加硫促進性能を有することを見出した。また、DCBSを配合した場合に比べ耐スコーチ性が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、第1の発明は、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物に対して、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合したことを特徴とする加硫促進剤である。
第2の発明は、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物100重量部に対して、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物5〜100重量部を配合したことを特徴とする第1の発明に記載の加硫促進剤である。
第3の発明は、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物が、2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール、2−ヘプチルジチオベンゾチアゾール、2−アミルジチオベンゾチアゾールおよび2−ヘキシルジチオベンゾチアゾールから選択される少なくとも1種であることを特徴とする第1の発明または第2の発明に記載の加硫促進剤である。
第4の発明は、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物が、N−tert−ブチルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミドおよびN−シクロヘキシルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミドから選択される少なくとも1種であることを特徴とする第1の発明ないし第3の発明に記載の加硫促進剤である。
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明に記載の加硫促進剤100重量部に対して、平均1次粒子径が1〜100nmのシリカ粒子を20〜150重量部配合したことを特徴とする加硫促進剤である。
Figure 2010090316
(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基、アルケニル基を表わす。)
Figure 2010090316
(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基を表わす。)
本発明の加硫促進剤は、DCBSと同等の加硫促進能力を有し、ゴムと金属との接着性に優れたゴム組成物を与えることができる。そして、高い安全性が期待できるため、第一種監視化学物質として毒性が懸念されているDCBSの代替としてゴム工業界に提供し得るものである。
本発明でいう2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物、特に2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールは、安全性の高い加硫促進剤である2−メルカプトベンゾチアゾール(既存化学物質、官報公示整理番号:5−242)と、同じく安全性の高い既存のスコーチ遅延剤N−シクロヘキシルチオフタルイミド(既存化学物質、官報公示整理番号:5−3358)との反応で得られる生成物であるため、毒性の心配はなく高い安全性が期待される。
本発明でいうベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物、特にN−tert−ブチルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド(既存化学物質、官報公示整理番号:5−3417)及びN−シクロヘキシルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド(既存化学物質、官報公示整理番号:5−256)は、いずれも広く市場で用いられている安全性の高い加硫促進剤である。
以下、本発明について詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態及び実施例に限るものではない。
本発明の実施において使用する2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物は、米国特許第3859297号公報に記載されている方法により容易に合成することができる。例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールとN−シクロヘキシルチオフタルイミドを適当な溶剤中で加熱することにより、高収率で目的とする2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールが生成する。反応混合物から副生するフタルイミドを常法に従って、除去精製することにより、高純度の2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールを得ることができる。本発明の実施においては、精製して得られる2−置換ジチオベンゾチアゾールを用いてもよいが、副生成物であるフタルイミドを含んだ粗製物のまま用いても差し支えない。
前記の2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物としては、例えば、
2−メチルジチオベンゾチアゾール、
2−エチルジチオベンゾチアゾール、
2−プロピルジチオベンゾチアゾール、
2−ブチルジチオベンゾチアゾール、
2−ペンチルジチオベンゾチアゾール、
2−ヘキシルジチオベンゾチアゾール、
2−ヘプチルジチオベンゾチアゾール、
2−オクチルジチオベンゾチアゾール、
2−ノニルジチオベンゾチアゾール、
2−デシルジチオベンゾチアゾール、
2−イソプロピルジチオベンゾチアゾール、
2−ネオペンチルジチオベンゾチアゾール、
2−シクロペンチルジチオベンゾチアゾール、
2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール、
2−アリルジチオベンゾチアゾール、
2−イソプロペニルジチオベンゾチアゾール、
2−(シクロヘキセニル−2’)ジチオベンゾチアゾール、
2−(チアゾリル−2’)ジチオベンゾチアゾール、
2−(チアジアゾール−2’)ジチオベンゾチアゾール、
2−(ピリミジニル−2’)ジチオベンゾチアゾール等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施において使用するベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物は、市販されているスルフェンアミド系の加硫促進剤である。例えば、大内新興(株)製のN−tert−ブチルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド(商品名:「ノクセラーNS」)、N−シクロヘキシルベンゾチアゾリルー2−スルフェンアミド(商品名:「ノクセラーCZ」)等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
本発明の加硫促進剤は、2−置換ジチオべンゾチアゾール化合物とベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合したものであり、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物の配合割合は、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましく、更に10〜30重量部であることがより好ましい。ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミドの配合量が5重量部未満では、これを用いたゴム組成物の加硫時の加硫速度が遅すぎたり、加硫が不十分となる。また、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミドの配合量が100重量部を超えると、加硫速度が速くなりゴム組成物と金属の接着性を低下させる。
2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物とベンゾチオアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合した加硫促進剤は、粘稠物質であるため、使用時における取扱い性に難点がある。そこで、この問題を解決するために、粉末状のシリカを加硫促進剤に配合することが有効である。使用するシリカは、平均1次粒子径が1〜100nmであることが好ましく、更に5〜50nmであることがより好ましい。平均一次粒子径が100nmを超えるシリカを配合した加硫促進剤は、これを配合したゴム組成物の機械物性を低下させるので好ましくない。また、シリカの配合割合は、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物とベンゾチアゾリルー2−スルフェンアミド化合物を配合した加硫促進剤100重量部に対して、20〜150重量部であることが好ましく、更に40〜120重量部であることがより好ましい。シリカの配合割合が20重量部未満では、取扱い性の改善効果が乏しい。また、シリカの配合割合が、150重量部を超えると、加硫促進剤中に含まれる2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物とベンゾチアゾリルー2−スルフェンアミド化合物の含有量が低下するので、加硫促進剤として好ましくない。
本発明の加硫促進剤は、ゴム組成物に配合されるゴム成分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部配合することが好ましく、更に0.5〜3.0重量部配合することがより好ましい。加硫促進剤の配合割合が0.3重量部未満では、加硫時の加硫速度が遅くなりすぎる。また、加硫促進剤の配合割合が5重量部を超えると、スコーチが進行しやすく、加硫後のゴム組成物も硬くなりすぎて好ましくない。
本発明の加硫促進剤を配合することによって得られるゴム組成物は、スチールコード等のスチール製のゴムの補強材に加硫接着させる接着性のゴム組成物として有用である。本発明の加硫促進剤を配合し得るゴム組成物に使用するゴム成分としては、天然ゴムや合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、ジエン系ゴムが好ましい。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムやブチルゴム等が好ましく使用できる。
本発明の加硫促進剤を配合することによって得られるゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対して、可溶性硫黄あるいは不溶性硫黄等の硫黄成分を1〜10重量部配合することが好ましく、更に、2〜5重量部の範囲で配合することがより好ましい。硫黄成分が1重量部未満では加硫ゴムの架橋が不十分になる。また、硫黄成分が10重量部を超えると破断伸度(EB)が低下する。
以上の如く本発明の加硫促進剤を配合することによって得られるゴム組成物にあっては、加硫後、金属との接着性が、DCBSを使用した場合と同等に維持される。更に、環境ストレスを与えた後も、例えば、高温、高湿度条件下で長時間放置した後も、ゴムと金属との接着性が十分に維持されるものである。
以下、本発明を実施例および比較例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物]
実施例1〜8に使用した2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物は、以下のとおりである。
・2−ヘプチルジチオベンゾチアゾール
・2−アミルジチオベンゾチアゾール
・2−ヘキシルジチオベンゾチアゾール
・2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール
前記の2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物は、予めN−クロロフタルイミドとジスルフィド化合物を反応させてN−置換チオフタルイミド化合物を中間体として合成し、次いで、この中間体と2−メルカプトベンゾチアゾールを反応させて合成した。得られた生成物は、赤外線吸収スペクトル、NMRスペクトル、質量分析で所望の2−置換ジチオベンゾチアゾールである事を確認した。
2−置換ジチオベンゾチアゾールのうち、2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールは、溶媒の存在下、若しくは無溶媒下で、市販のN−シクロヘキシルチオフタルイミドと2−メルカプトベンゾチアゾールを反応させることによっても容易に合成できる。
実施例9〜16においては、市販のN−シクロヘキシルチオフタルイミドと2−メルカプトベンゾチアゾールの反応によって副生するフタルイミドを除去して精製した2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール(「精製品」と略記する)と、前記の反応後、溶媒を留去したままの副生フタルイミドを含む2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール(「粗製品」と略記する)を用いて試験を行った。
[ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物]
実施例に使用したベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物は、以下のとおりである。
・N−tert−ブチルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド:商品名「ノクセラーNS」(大内新興化学工業(株)製)(「NS」と略記する)
・N−シクロヘキシルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド:商品名「ノクセラーCZ」(大内新興化学工業(株)製)(「CZ」と略記する)
実施例及び比較例に使用した他の原材料は、以下のとおりである。
・天然ゴム:標準マレーシアゴム SMR−CV60
・カーボンブラック:商品名「シーストG3」(東海カーボン(株)製、窒素吸着:79m/g 、DBP吸油量:101ml/100g)
・亜鉛華:商品名「酸化亜鉛2種」(正同化学工業(株)製)
・ナフテンオイル:商品名「SNH−22」(三共油化工業製、プロセスオイル)
・ステアリン酸:商品名「MXST」(ミヨシ油脂製)
・N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド:商品名「ノクセラーDZ」(大内新興化学工業(株)製)(「DCBS」と略記する)
・不溶性硫黄:商品名「ミュークロンOT20」(四国化成工業(株)製)
・シリカ:商品名「Ultrasil VN3XR」(Degussa Taiwan社製、平均1次粒子径:15nm)
[加硫特性試験]
未加硫ゴムシートを用い、JIS K6300−1に基づいて125℃条件のムーニースコーチタイム(t)を測定した。また、日本ゴム協会標準規格SRIS3102−1977(加硫試験機による加硫試験方法)に基づいて140℃条件での加硫試験を行い、加硫速度(tcΔ80)と最大加硫トルク(Mh)を測定した。加硫速度(tcΔ80)は、90%トルク到達時間tc90から10%トルク到達時間tc10を差し引いて示した。
[引張試験]
未加硫ゴムシートを150℃×30分の加硫条件で加硫し、JIS−K6301に準拠してJIS3号ダンベル試験片を打ち抜いて測定した。老化試験は、80℃×72時間保管後のJIS3号ダンベル試験片を用いた。100%モジュラス(M100)、300%モジュラス(M300)、破断強度及び破断伸度を、老化試験前後のサンプルで比較した。
[スチール接着試験]
ASTM D2229に準拠し、1X5構造(素線径0.25mm)の真鍮めっきスチールコードを未加硫ゴムシート中に12.5mmの長さに埋め込み、160℃×10分の加硫条件で加硫接着を行い、テストサンプルを作成した。このテストサンプルを常温で24時間放置した場合と、100℃X24時間条件で老化処理した場合で、スチールコードの引抜力とゴムの被覆率(%)を測定した。
スチール接着試験の結果は、全て比較例の老化前の値を100とした場合の相対値で示した。数値が大きい程、接着性が良好であると判定される。
〔実施例1〕
天然ゴム、カーボンブラック、亜鉛華、ナフテンオイルおよびステアリン酸を表1記載の配合割合になるように配合し、バンバリーミキサーを用いて混練し、マスターバッチを調製した。マスターバッチに不溶性硫黄と2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物として2−ヘプチルジチオベンゾチアゾールを、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物としてN−tert−ブチルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミドをそれぞれ表1記載の配合割合になるように配合し、表面温度70℃の2本ロールミキサーを用いて混練し、未加硫ゴムシートを調製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、加硫特性試験、引張試験、スチール接着試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔実施例2〜8〕
実施例1と同様にして調製したマスターバッチに、不溶性硫黄、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を表1記載の配合割合で配合し、実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを調製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、加硫特性試験、引張試験、スチール接着試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして調製したマスターバッチに、不溶性硫黄とN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを表1記載の配合割合で配合し、実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを調製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、加硫特性試験、引張試験、スチール接着試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔実施例9〜14〕
実施例1と同様にして調製したマスターバッチに、不溶性硫黄と2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールの精製品あるいは粗製品とベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を表2記載の配合割合で配合し、実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを調製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、加硫特性試験、引張試験、スチール接着試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
〔実施例15〜16〕
2−置換ジチオベンゾチアゾールとベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物の混合物は粘稠物質であり、取扱い性に難点がある。そこで、2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾールとN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドの混合物に、更に粉末状のシリカ粒子を添加して取扱い性を改善した加硫促進剤の評価を行った。
実施例1と同様にして調製したマスターバッチに、2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール精製品または粗製品と、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドと、シリカの混合物および不溶性硫黄を表2記載の配合割合で配合し、実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを調製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、加硫特性試験、引張試験、スチール接着試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
Figure 2010090316
Figure 2010090316
表1に示した試験結果によれば、2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物とベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合した加硫促進剤を用いたゴム組成物は、DCBSを用いたゴム組成物と同等の機械物性及びスチール接着性を示した。更に、125℃の加硫特性において、DCBSを用いたゴム組成物に比べて、耐スコーチ性が飛躍的に改善された。
表2に示した試験結果によれば、N−シクロヘキシルチオフタルイミドと2−メルカプトチアゾールの反応により副生したフタルイミドを含む2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール粗製品を用いたゴム組成物は、同精製品を用いたゴム組成物と同等の加硫特性、機械物性及びスチール接着性を示した。また、粗製品を用いたゴム組成物と精製品を用いたゴム組成物は、DCBSを用いたゴム組成物と同等の機械物性及びスチール接着性が得られた。更に、125℃の加硫特性において、粗製品を用いたゴム組成物と精製品を用いたゴム組成物は、DCBSを用いたゴム組成物に比べて、耐スコーチ性が飛躍的に改善された。また、取扱い性を改善するためにシリカを配合した加硫促進剤を用いたゴム組成物は、シリカを配合しない場合と同等の機械物性、スチール接着性および加硫特性を示した。シリカを配合することにより、ゴム組成物の性能を低下させずに、取扱い性が改善された。
以上説明したように、本発明の加硫促進剤を配合することによって得られるゴム組成物は、加硫促進剤として毒性が懸念されつつも使用されているDCBSを用いたゴム組成物と同等のスチールコードとゴムとの間の接着性及び機械物性が得られる。更に、DCBSを用いたゴム組成物に比べて、耐スコーチ性が飛躍的に改善される。また、環境ストレスを与えた後の老化接着性も優れており、本発明の加硫促進剤は、DCBSの代替となりうる。

Claims (5)

  1. 化1の一般式(I)で示される2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物に対して、化2の一般式(II)で示されるベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物を配合したことを特徴とする加硫促進剤。
    Figure 2010090316
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基、アルケニル基を表わす。)
    Figure 2010090316
    (式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基を表わす。)
  2. 2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物100重量部に対して、ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物5〜100重量部を配合したことを特徴とする請求項1に記載の加硫促進剤。
  3. 2−置換ジチオベンゾチアゾール化合物が、2−シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール、2−ヘプチルジチオベンゾチアゾール、2−アミルジチオベンゾチアゾールおよび2−ヘキシルジチオベンゾチアゾールから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加硫促進剤。
  4. ベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミド化合物が、N−tert−ブチルベンゾチアゾリル−2−スルフェンアミドおよびN−シクロヘキシルベンゾチアゾリルー2−スルフェンアミドから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の加硫促進剤。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載の加硫促進剤100重量部に対して、平均1次粒子径が1〜100nmのシリカ粒子を20〜150重量部配合したことを特徴とする加硫促進剤。
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