JP2010089506A - 天然木薄紙、その製法、その施工方法および金属化粧板 - Google Patents

天然木薄紙、その製法、その施工方法および金属化粧板 Download PDF

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【課題】天然木の質感を備えており、木質住宅の木材と共に呼吸する性質を有し、極薄であって平面だけでなく曲面にも貼ることができ、割れや裂けが無く厚み公差の小さい天然木薄紙と、その製法、その施工方法および金属化粧板を提供する。
【解決手段】天然木の極薄突き板1の裏面に裏打ちシート8を接着しており、極薄突き板1の厚さが0.05〜0.1mmであり、裏打シート8の厚さが、0.03〜0.1mmである。裏打ちシート8は紙にアルミ箔5を積層したものか、不織布からなる。天然木をスライスした突き板1Aの裏面に裏打ちシート8を接着する貼合せ工程Iと、突き板1Aを研削・研磨することにより厚さを0.05〜0.1mmの極薄突き板1にする研削・研磨工程IIと、極薄突き板1の表面に塗装する塗装工程IIIとを順に実行する。研削・研磨することによって突き板1Aを損傷することなく極薄の0.05〜0.1mmの極薄突き板1にでき、曲面にも貼付できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然木薄紙、その製法、その施工方法および金属化粧板に関する。さらに詳しくは、代表的には壁紙に使用されるが、家具や文具、雑貨の表面材として貼付できる薄紙に関する。
薄紙の典型的な利用分野は壁紙であるが、壁紙は一般に、紙のほか布やビニール樹脂加工紙の3種類が用いられてきた。しかし、本発明はこれらのどれにも属さない新しいタイプの壁紙として利用できる薄紙に関する。すなわち、天然木を主材とし、天然木の風合いをそのまま活かした天然木薄紙、その製法、その施工方法および金属化粧板に関する。
木材を主材とする木質シート材を作るには、一般に図9の(a)〜(c)に示す予備作業が必要とされる。Lは丸太状の原木であって、(a)これを角材Pに製材する。(b)ついで、角材Pを複数本あわせて集成材Cとする。(c)さらに、集成材を煮沸し、刃物で突き板1Aにスライスし乾燥させる。この状態の突き板1Aは通常、厚さが0.2〜2mm、幅が50〜1200mm、長さが900〜4500m位の板材である。
この突き板1Aのままであると、枠材の周囲や天板、四方柱の化粧面、家具の木端廻りには利用できるが、壁紙に使う場合はもとより厚すぎるので、更に薄くし、かつ薄くても必要な強度をもち、かつ接着等の施工作業ができるように加工しなければならない。
そのような薄板加工の従来技術として、特許文献1がある。
この従来技術は、壁紙ではなく包装材や文具あるいは家具や建具に使用される木質シート材である。この従来技術は、図9の(1)〜(3)に示すように、まず、(1)突き板1Aを刃物でスライスして更に薄い経木シートを作り、(2)それにポリウレタン樹脂等を含浸させ、(3)ついで、薄葉紙などのシート状部材とアルミフォイルなどの金属シートを接着するものである。
経木シートの厚さは0.1〜0.15mmであり、工程(2)でポリウレタン樹脂等を含浸させるのは、経木シートに柔軟性を与え、縦方向の裂けや横方向の割れが生じにくいようにするためである。
しかるに、上記従来技術には、つぎの欠点がある。
i)木材を0.1mm前後の厚さに刃物でスライスするのは現実には不可能である。たとえば刃物を当てたとき、タモ材やオーク材、ケヤキ等の広葉樹は導管の繊維強度が弱いため、スライス加工と同時に、穴が開いたり、裂けた状態となって、木材の均一性が無くなる。また、厚み寸法もバラツキが生じ、厚み公差が大きくなる。このため、製品価値を損なうという問題がある。
ii)ポリウレタン樹脂等を経木シートに含浸させると、ポリウレタン樹脂が導管等に充満し、それが薄い木質部分を透過して見えるので、経木シートの外観がプラスチックのように見えてしまう。そればかりか、表面から木材特有の凹凸やザラザラ感が消えてしまい、木の香りもしなくなってしまう。このような木質感が失われてしまったシート材はまるでプラスチック製の模造品のような外観となるので壁紙としての高級感をもたせることができない。
特許第4054334号公報
本発明は上記事情に鑑み、天然木の質感をそのまま備えており、木質住宅の木材と共に呼吸する性質を有し、かつ極薄であって平面だけでなく曲面にも貼ることができ、しかも割れや裂けが無く厚み公差の小さい天然木薄紙と、その製法、その施工方法および金属化粧板を提供することを目的とする。
第1発明の天然木薄紙は、天然木の極薄突き板の裏面に裏打ちシートを接着しており、前記極薄突き板の厚さが0.05〜0.1mmであり、前記裏打シートの厚さが、0.03〜0.1mmであることを特徴とする。
第2発明の天然木薄紙は、第1発明において、前記裏打ちシートが、紙にアルミ箔を積層したものであることを特徴とする。
第3発明の天然木薄紙は、第1発明において、前記裏打ちシートが、不織布からなることを特徴とする。
第4発明の天然木薄紙は、第1発明において、前記裏打ちシートが、紙からなることを特徴とする。
第5発明の天然木薄紙の製造方法は、天然木をスライスした突き板の裏面に裏打ちシートを接着する貼合せ工程と、前記突き板を研磨することにより厚さを0.05〜0.1mmの極薄突き板にする研削・研磨工程と、前記極薄突き板の表面に塗装する塗装工程とを順に実行することを特徴とする。
第6発明の天然木薄紙の製造方法は、施工すべき基材の表面を下地処理したうえで、でんぷん系接着剤を塗布し、ついで請求項1の天然木薄紙における裏打ちシートを貼付することを特徴とする。
第7発明の天然木薄紙の製造方法は、請求項1の天然木薄紙における裏打ちシートの裏面に、粘着材層を形成し、かつ該粘着剤層の裏面に雛型材を貼付しておき、施工現場において前記雛型材を剥離して、施工面に前記粘着剤層を圧着させることを特徴とする。
第8発明の天然木薄紙は、請求項1記載の天然木薄紙における裏打ちシート同士を合わせて、接着剤で2枚の天然木薄紙を貼り合わせていることを特徴とする。
第9発明の天然木薄紙は、請求項8記載の天然木薄紙に打ち抜き加工を施したことを特徴とする。
第10発明の金属化粧板は、請求項1記載の天然木薄紙を曲げ部を有する金属製基板に貼付した金属化粧板であって、該金属製基板における前記天然木薄紙の木目と平行な平行曲げ部は鋭角曲げが行われ、木目に交差する交差曲げ部は前記平行曲げ部よりも大きい曲率で曲げられていることを特徴とする。
第1発明の天然木薄紙は、天然木をそのまま使っているので、住宅の木材と共に呼吸する。このため、室内の湿度調整が壁紙等として使った天然木薄紙を通じてできるので住環境が良くなる。また、天然木に特有の凹凸やザラザラ感、木の香りなどの木質感をそのまま備えているので、壁や家具に貼ったとき高級木質壁の雰囲気を実現できる。そして、厚さが非常に薄いので曲面部分にも接着することができる。
第2発明によれば、裏打ちシートにアルミ箔を含んでいるので、アルミ箔の曲げ特性をそのまま継承しており、シャープな曲げが可能であり、かつその曲げを保持できる。
第3発明によれば、裏打ちシートが不織布なので低コストであり、反り防止や表面からの塗料の浸透に対する裏面への裏抜け防止の効果がある。
第4発明によれば、アルミ箔がないので、より柔軟性が高いので、曲率の小さな部分にも貼付できる。したがって、形状の複雑な金属製品にも適用できる。
第5発明の製法によれば、研削・研磨することによって突き板を損傷することなく刃物によるスライスでは不可能だった極薄の0.05〜0.1mmの厚さにすることができ、その厚み公差も小さくできる。また、極薄突き板には何の合成樹脂も含浸させていないので、木材の呼吸を可能とし、かつ天然木そのままの木質感を保つことができる。
第6発明によれば、第1発明の天然木薄紙が非常に薄いことから内部応力が小さくなり、弱い糊でも貼付できる。つまり、従来のビニールクロスと同じ接着剤と同じ施工法で壁紙施工が可能である。
第7発明によれば、雛型材を剥離するだけで貼付できるので、施工が極めて容易である。
第8発明によれば、裏表両面とも天然木が存在するので、木質感が高くなる。しかも応力のバランスが良いので、曲りが生じにくく長期にわたって平坦性を維持する。
第9発明によれば、打ち抜きされた部分を引き出して舌片として使用でき、用途が広がる。
第10発明によれば、天然木薄紙は極薄であるので小さな曲率で曲げることができ、曲げ部分のある金具に木目を施した金属化粧板を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る天然木薄紙の説明図である。 本発明に係る天然木薄紙の製造方法の工程図である。 本発明の製造方法における貼合せ工程の説明図である。 本発明の製造方法における研削・研磨工程の説明図である。 本発明の製造方法における塗装工程の説明図である。 本発明の一実施形態に係る天然木薄紙Aの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る天然木薄紙Bの断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る天然木薄紙Cの断面図である。 木質シートの予備作業工程と従来技術の製造工程の説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(本発明の製造方法)
図2は本発明に係る天然木薄紙の製造方法の工程図である。同図に示すように、本発明に係る天然木薄紙の製法は、突き板1Aの裏面に裏打ちシートを接着する貼合せ工程Iと、突き板1Aを研削・研磨することにより厚さを0.05〜0.1mm極薄突き板にする研削・研磨工程IIと、極薄突き板1Aの表面に塗装する塗装工程IIIとを順に実行することを特徴とする。
以下、同図に図3〜図5を併せ参照しながら説明する。
なお、図2に示す符号1Aは、図8に示す突き板1Aであるが、ロール状に巻取ったロール1R3の形態か、あるいは1枚の長い突き板1Aの形態で製造工程に供される。突き板1Aを得るまでの工程は、図8の(a)〜(c)と同様であり、それ以降の工程が本発明にしたがって実行される。
I:貼合せ工程
図2の貼合せ工程Iでは、図3に示す貼合せ機が用いられる。
図3において、符号8は裏打ちシート、11は接着剤塗布部である。裏打ちシート8は後述するが紙にアルミ箔を積層したものや、不織布を用いたもの等が用いられ、ロール状に巻いた状態で接着剤塗布部11に供給される。接着剤塗布部11は2本のローラで構成されている。接着剤3は2本のローラの谷間に入れられており、この2本のローラの間を通る裏打ちシート8の表面に塗布される。なお、接着剤塗布部は符号11に示す2本ローラのものに限らず、図5に示す3本ローラで構成したものと同様の塗布部であってもよい。
12は1次乾燥器で、接着剤3が塗布された裏打ちシート8が通過する間に接着剤3が適度に乾燥される。
13はプレスで、このプレス13の入側に接着剤3が塗布された裏打ちシート8と既述の突き板1Aが共に挿入され、互いに接合される。
14はヒータが内蔵された熱ロールであって、プレス13を通過した突き板1Aと裏打ちシート8との間の接着剤3が熱ロール14で加熱されることによって、硬化し、接合強度を高めることになる。
15は2次乾燥器であって、接着剤3を冷却しながら、突き板1Aと裏打ちシート8の接合を確実にする。
2次乾燥器15を出て巻き取ったものを半製品ロール1Rとして示す。
II:研削・研磨工程
図2に示す研磨工程IIでは、図4に示す研削・研磨機が用いられる。
21は本発明の製法に特有の研削・研磨機で、上下2本のローラ22,23にサンドペーパ24を巻き掛けたものである。一方のローラ23を駆動輪として回転させると、サンドペーパ24がローラ22,23の間を巡回する。25は下支えローラであり、自由回転するようになっている。
半製品ロール1Rを繰り出しながら突き板1Aをサンドペーパ24で研削・研磨していくと、突き板1Aの厚さを無理なく薄くすることができる。薄くなった突き板を符号1を付した極薄突き板1として以下に説明する。
この研削・研磨工程では、目の粗いサンドペーパで厚さを薄くしていく研削と、目の細かいサンドペーパで表面をみがく研磨の両方が含まれるが、この両方は別工程として分けて行ってもよく、一つの工程としてまとめて行ってもよい。また、研削もサンドペーパの目の粗さを順に変えて複数工程でおこなってもよく、一工程で行ってもよい。このように、研削と研磨を行うと、効率よく厚さを薄くしながら、表面粗さを緻密に仕上げていくことができる。
突き板1Aの厚さは、一般的な突き板と同じく約0.5〜0.15mm位であるが、本工程IIIによると、0.05〜0.1mm位の極薄突き板1に仕上げることができる。この薄さは、刃物によるスライスでは得ることができない極薄の厚さである。しかも、研削・研磨により仕上げた厚さは、厚み公差をかなり小さくすることができる。突き板をスライスした場合は、厚み公差にどうしてもバラツキが生ずるが、研削・研磨による場合は厚み公差を極少にできる点が特有の効果である。
この工程IIで得られたものは、半製品ロール1Rとして巻き取られる。
III:塗装工程
図2に示す塗装工程では、図5に示す塗装機が用いられる。
31は塗装機で、2本の転写胴32,33と下支えロール34からなる。2本の転写胴32,33の間に入れた塗装液が転写胴32,33の回転に伴って極薄突き板1の表面に転写され塗膜9となる。塗膜9が形成された極薄突き板1は巻き取られ薄紙ロール1Rとなる。
上記塗装工程IIIでは、極薄突き板1は何ら合成樹脂を含浸していないものであるため、様々な塗料を制限なく用いることができる。たとえば、自然塗料も撥水性塗料も使用可能である。
これにより、様々な風合いをもっていたり、木材の木肌がありながら撥水性も有する薄紙を得ることができる。
(本発明の薄紙)
図6は本発明の一実施形態に係る天然木薄紙Aの断面図である。
極薄突き板1の表面には塗膜9が形成されている。塗膜9としては、アクリル樹脂やウレタン樹脂を成分とする合成塗料の外、漆や亜麻仁油、柿渋、ひまわり油などの天然系塗料を、とくに制限なく用いることができる。
前記極薄突き板1の裏面には接着剤3を介して裏打ちシート8が接合されている。裏打ちシート8の代表例は、含浸紙4、アルミ箔5、紙6をこの順で積層したものである。しかし、これ以外の任意の組合せも可能である。
図6の符号10は建物のかべを構成する石膏ボード等の基材である。本発明の薄紙Aは、この基材10の表面に適当な公知の接着剤を用いて貼付されると壁紙となる。
前記裏打ちシート8の詳細を、つぎに説明する。
代表的な裏打ちシート8は、図6に示すように、含浸紙4、アルミ箔5および紙6からなり、これらは適宜の公知の接着剤で接合される。
前記含浸紙4は、柔軟性の向上と強度の向上のために用いられ、薄用紙や不織布等にアクリル酸エステル樹脂やSBR樹脂を含浸したものである。
前記アルミ箔5は、耐腐食性をもち、5〜15μmのものが好適である。
前記紙6は、石膏ボード10との接着のために用いられ、接着性がよく、層間剥離の起り易いものが選ばれる。
前記裏打ちシート8は数層の積層シートで構成されているが、積層された状態で図3に示す貼合せ機に通してもよい。また、突き板1Aと含浸紙4を積層する工程と、アルミ箔5に紙6を積層する工程を別々に行い、その後これらを互いに積層してもよい。
図7は本発明の他の実施形態に係る天然木薄紙Bの断面図である。この実施形態の天然木薄紙Bは、裏打ちシート8として、不織布7を用いたものである。不織布7をそのまま貼付してもよく、内部にポリエチレン等の防水層を入れたものであってもよい。
この不織布7を用いた裏打ちシート8は、安価であり、また反り防止、表面からの塗料の浸透に対する裏面への裏抜け防止等の利点がある。
図8は、本発明の更に他の実施形態に係る天然木薄紙Cの断面図である。この実施形態の天然木薄紙Cは、裏打ちシート8として、含浸紙等4にアクリル酸エステル樹脂やSBR樹脂を含浸していない紙や不織布からなる紙6を積層し、公知の接着剤3で接合したものである。
本実施形態は、アルミ箔を有しないものであるが、金属板等の基材10に貼付する場合は、基材10自体が防火性を有しているので、天然木薄紙Cに防火性を付与する必要がなく、下地からアルカリ成分が浸出することもないので、充分な実用性を有するものである。基材10の代表的なものは石膏ボードであるが、金属製の基材10にでも本発明の天然木薄紙Cは貼付可能である。金属製の基材10には、たとえば鉄板やアルミ板、ガルガニウム鋼板などが挙げられるが、これに制限されるものではない。金属製の基材10は種々の曲加に成形できるが、本発明の天然木薄紙Cは、極薄であり、かなり曲率半径の小さい曲面にでき貼付もできるので、実用性が高い。
金属製の基板10に天然木薄紙Cを貼付する場合、基板10は小さな曲率で曲げた金具、その他の金属製品などであってもよい。この場合、木目と平行な平行端部(曲げ部)はかなり小さい曲率で鋭角の曲げが可能であり、木目に交差する交差端部(曲げ部)は前記平行端部(曲げ部)よりも大きな曲率、たとえば、半径2mm程度までの曲げが可能である。
このような鋭い曲げをもった金属化粧板は、建具などに嵌め込む木目付き金具として有用である。
図1は本発明の一実施形態に係る天然木薄紙Aの説明図である。
上記の構造の薄紙Aの厚さは、下記のとおりである。
全体の厚さ:0.08〜0.2
極薄突き板1:0.05〜0.1
裏打ちシート8:0.03〜0.1
上記のごとき薄紙Aは、一枚の薄紙を基材10に貼付して、壁紙として使用することができる。
しかし、2枚の薄紙の裏面同士を貼り合わせて、両面が木目の天然木薄紙としてもよい。こうした2枚合せの天然木薄紙としては、文具、雑貨、建築用素材製品など種々用途がある。
また、2枚合せの天然木薄紙に打ち抜き加工をすると、しおり、ブックマークなどの文具や雑貨その他種々な用途に使うことができる。
図1は本発明の一実施形態に係る天然木薄紙Aの説明図である。
本発明の天然木薄紙Aは、つぎの利点がある。
a)天然木をそのまま使っているので、住宅の木材と共に呼吸する。このため、室内の湿度調整が薄紙を通じてできるので住環境が良くなる。
b)極薄突き板1には製造工程で合成樹脂を含浸させていないので、天然木に特有の凹凸やザラザラ感、木の香りなどの木質感をそのまま備えている。このため、壁に貼ったとき高級木質壁の雰囲気を実現できる。
c)厚さが非常に薄いので曲面部分にも接着することができる。このため、適用範囲が広いという利点がある。
d)第1実施形態の薄紙Aは、アルミ箔5を有しているので、壁面施工下地からのアルカリ成分を遮蔽して壁紙の表面の汚染を防止でき、また、アルミ箔5の曲げ特性をそのまま継承するので、シャープな曲げが可能であり、かつその曲げを保持できる。
e)第2実施形態の薄紙Bは、不織布を有しているので、安価であり、また反り防止、表面からの塗料の浸透に対する裏面への裏抜け防止等の利点がある。
f)第3実施形態の薄紙Cは、アルミ箔がないので、より柔軟性が高いので、曲率の小さな部分にも貼付できる。したがって、形状の複雑な金属製品にも適用できる。
つぎに、本発明の天然木薄紙の施工方法を説明する。
施工方法には、二種類があり、第1は現場工法で、第2はプレファブリック工法である。
(現場工法)
従来より建物の壁にビニルクロスを貼付する方法と同様の施工法が使える点が、本発明の一つの利点である。
接着剤には、でんぷん系の糊が使用でき、現場で下地処理を行い、刷毛やローラーで接着剤を壁面に塗布し、乾燥する前に本発明の天然木薄紙を貼付することでよい。
(プレファブリック工法)
本発明の天然木薄紙の裏面、すなわち裏打ちシート8の裏面に、予め粘着剤層を形成しておく。この施工法は工場で粘着剤層を形成すると共に離型紙を貼付しておく。粘着剤層は、アクリル系などで形成するとよい。離型紙は公知のものが用いられる。
現場では、離型紙を剥がし取り、粘着剤層を基材10に接着させ、全面的に圧力をかけると、それだけで接合することができる。
この工法は、基材10が金属である場合に好適である。
前記粘着剤層が強い接着力をもつタイプであれば、一度貼ればそのまま長期間使用する壁紙などに適しており、前記粘着層が弱く保持力を有する程度の接着力をもつタイプであれば、一度貼った後も何度か剥がしたり再接着できる用途、たとえば広告宣伝用アイテムなどの雑貨に好適である。
つぎに、本発明の天然木薄紙の補修方法を説明する。
本発明の天然木薄紙を壁紙として壁に貼付した後、家具の角でこすったりすると部分的に破れなどが生ずることがある。
このような場合、既存の壁紙の上から新しい壁紙を貼付しても、元々表面の平滑性が高いので見映えよく補修することができる。また、部分的な貼り替えも同様に容易に行える。
本発明の薄紙は、住宅の壁紙として利用できる外、家具や柱、天井、建具、造作材などの表面材として貼付することもできる。この場合、既存の柱や建具等との色彩や風合いのコーディネートが容易に行える。また、文具や雑貨の素材としても利用でき、極薄の性格を利用して紙の代替品となりうる。この場合、通常は紙製品であるところ、木質の感覚を楽しめる製品となる。
1 突き板
4 含浸紙
5 アルミ箔
6 紙
7 不織布
8 裏打ちシート
9 塗膜
21 研削・研磨機

Claims (10)

  1. 天然木の極薄突き板の裏面に裏打ちシートを接着しており、
    前記極薄突き板の厚さが0.05〜0.1mmであり、前記裏打シートの厚さが、0.03〜0.1mmである
    ことを特徴とする天然木薄紙。
  2. 前記裏打ちシートが、紙にアルミ箔を積層したものである
    ことを特徴とする請求項1記載の天然木薄紙。
  3. 前記裏打ちシートが、不織布からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の天然木薄紙。
  4. 前記裏打ちシートが、紙からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の天然木薄紙。
  5. 天然木をスライスした突き板の裏面に裏打ちシートを接着する貼合せ工程と、
    前記突き板を研磨することにより厚さを0.05〜0.1mmの極薄突き板にする研削・研磨工程と、
    前記極薄突き板の表面に塗装する塗装工程とを順に実行する
    ことを特徴とする天然木薄紙の製造方法。
  6. 施工すべき基材の表面を下地処理したうえで、でんぷん系接着剤を塗布し、ついで請求項1の天然木薄紙における裏打ちシートを貼付する
    ことを特徴とする天然木薄紙の施工方法。
  7. 請求項1の天然木薄紙における裏打ちシートの裏面に、粘着材層を形成し、かつ該粘着剤層の裏面に雛型材を貼付しておき、施工現場において前記雛型材を剥離して、施工面に前記粘着剤層を圧着させる
    ことを特徴とする天然木薄紙の施工方法。
  8. 請求項1記載の天然木薄紙における裏打ちシート同士を合わせて、接着剤で2枚の天然木薄紙を貼り合わせている
    ことを特徴とする天然木薄紙。
  9. 請求項8記載の天然木薄紙に打ち抜き加工を施した
    ことを特徴とする天然木薄紙。
  10. 請求項1記載の天然木薄紙を曲げ部を有する金属製基板に貼付した金属化粧板であって、
    該金属製基板における前記天然木薄紙の木目と平行な平行曲げ部は鋭角曲げが行われ、木目に交差する交差曲げ部は前記平行曲げ部よりも大きい曲率で曲げられている
    ことを特徴とする金属化粧板。
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