JPH1128786A - 耐熱性化粧板の製造方法 - Google Patents

耐熱性化粧板の製造方法

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JPH1128786A
JPH1128786A JP18480997A JP18480997A JPH1128786A JP H1128786 A JPH1128786 A JP H1128786A JP 18480997 A JP18480997 A JP 18480997A JP 18480997 A JP18480997 A JP 18480997A JP H1128786 A JPH1128786 A JP H1128786A
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克伸 福田
Chikashi Shigeta
親志 重田
Takeyuki Torii
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着不良等の不都合を生じることなく、強
度、表面硬度及び耐熱性に優れ且つ外観も美麗な耐熱性
化粧板を効率的に製造することができる耐熱性化粧板の
製造方法を提供すること。 【解決手段】 厚さ10ミクロン〜25ミクロンのアル
ミニウム箔1の片面に該アルミニウム箔と木質系基材と
の間に介在されて両者間の結合力を強化する機能を有す
る坪量14〜30g/m2 の紙2が貼着されたアルミシ
ート3の他方の面に、坪量23〜50g/m2 の薄葉紙
からなる化粧材4を溶剤型ウレタン接着剤aにより貼着
して化粧シート5とし、該化粧シート5をロール状に巻
いた後、該化粧シート5を、熱圧ロール7aの表面温度
が70〜120℃のラミネーター7を用い、該化粧シー
ト5の上記化粧材4側が上記熱圧ロール7aに接触する
ようにして、木質系基板8に水溶性接着剤cにより接着
させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性化粧板、詳しく
は、耐熱性に優れ、強度及び表面の硬度も高く且つ外観
も美麗な、テ−ブル,カウンタ−又は厨房機器の天板等
に使用される耐熱性化粧板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の耐熱性化粧板としては、特開昭5
0−31012号公報(難燃性化粧合板の製造方法)、
特開昭61−102943号公報(不燃新建材)及び特
開平2−175240号公報(家具に使用する化粧材)
に記載のもの等が知られており、これらは合板等の木質
系基板にアルミニウム箔を貼着させることにより耐熱性
を付与させたものである。
【0003】特開昭50−31012号公報に記載の難
燃性化粧合板は、基材と化粧材との間にアルミ箔と紙よ
りなるシートを挿入することにより、化粧材を強固に接
着し優秀な防火性能を与えたものであり、また、特開昭
61−102943号公報に記載の不燃性新建材は、ベ
ニヤ板等の下地の上にアルミニウム箔を貼着し、更にそ
の上にプリント紙等を貼着させたものであり、同公報に
は、アルミニウム箔が接着剤に侵されプリント紙等の表
面に染みが発生する場合には、アルミニウム箔の上にも
う1枚紙を貼着させる旨の記載もある。これらの2つの
化粧合板等は、何れも主に建築内装壁面材として使用さ
れ、火災初期に炎にさらされても着火し難いことをその
主たる目的としたものである。また、特開平2−175
240号公報に記載の化粧板は、基板の表面にアルミ箔
を介して樹脂層等を設け、更にその表面にUV塗装層を
設けたもので、外観の美麗さや耐熱性の付与をその主た
る目的としたものである。
【0004】しかし、上記特開昭50−31012号公
報及び特開昭61−102943号公報に記載の化粧合
板等は、主に壁面に使用されるため強度や硬度は余り要
求されず、テ−ブルやカウンタ−の天板のような水平使
用で強度や硬度が要求される場所には、表面が弱すぎて
使用に耐えられないという問題を有していた。また、テ
−ブルやカウンタ−の天板面は硬度と共に、美観上では
肉厚の化粧材と塗膜が望まれるが、上記の化粧合板等
は、火災初期の難燃性をその目的としているため、表面
に燃えやすい有機可燃物である肉厚の化粧材と塗膜が設
けられておらず、テ−ブルやカウンタ−の天板には適さ
ないものであった。
【0005】また、上記特開昭61−102943号公
報に記載の不燃性新建材は、紙力増強剤を添加しないも
のであり、紙の層あるいはアルミニウム箔と基材との間
からの剥離が発生する危険性があった。また、特開昭5
0−31012号公報に記載の化粧合板は、紙力増強剤
を添加して抄造した木材パルプからなる紙が片面に貼着
されたアルミニウム箔を、紙が貼着されていない面に基
材が貼着され、紙の貼着された面に化粧材が貼着された
もので、同公報には、上記のようにパルプからなる紙を
介してアルミニウム箔と化粧材とを貼着すると、化粧材
とアルミニウム箔とが強固に貼着されると記載されてい
る。しかし、この場合の化粧材とアルミニウム箔との貼
着力は、紙の繊維の絡み合い以上の力にはなり得ず且つ
紙は片面のみにしか貼着されておらず、他方の面はアル
ミニウム箔のままであるため、アルミニウム箔と基材と
の難接着性も依然として解消されておらず、この化粧合
板も施工現場等で切断される際、紙の層あるいはアルミ
ニウム箔と基材との間からの剥離が発生する危険性があ
った。
【0006】上記特開昭50−31012号公報に記載
の化粧合板における木材パルプからなる紙は、パルプ自
身が空気を含んだ中空部分のある木材細胞から構成され
ており且つ紙自身の構造もパルプ繊維の絡み合いのため
の中空部分を有し、熱伝導率の極めて悪い空気を多く含
んでいる。このため、同公報に記載の化粧合板は、外部
からの熱を放熱体であるアルミニウム箔へ熱を伝えると
いう点からは不利であり、十分な耐熱効果を発揮できな
いという問題を持つものであった。
【0007】また、上記特開平2−175240号公報
に記載の化粧板は、樹脂層等の上にUV塗装層が設けら
れるので、肉厚のある塗膜と十分な美観が得られると考
えられる。しかし、MDF等の木質系基材と樹脂層等と
はアルミ箔を介して接着されており、アルミ箔と多孔質
の木質系基材を接着させる事が非常に困難である事は周
知の事実である。一般に、これらの接着の際には、アル
ミ箔表面の圧延オイルを洗浄除去後、通常二液型エポキ
シ樹脂で接着し、室温に注意しながらタ−ンバックル等
を用いて圧締養生しなければならないが、それでも、木
質系基材とアルミ箔との間で剥離が発生する危険性があ
る。
【0008】このような事情に鑑み、本発明者らは、先
に特開平8−1865号公報において、厚さ30〜50
ミクロンのアルミニウム箔の両面に坪量14〜30g/
2の化学繊維紙が貼着された化繊紙被覆アルミシート
を木質系基板の貼着し、上記化繊紙被覆アルミシートの
表面に、化粧材を熱伝導性の優れた粉末無機物が3〜1
0重量%混入された水溶性接着剤により貼着したことを
特徴とする、耐熱性に優れ、強度及び表面の硬度も高く
且つ外観も美麗な、テーブル、カウンター又は厨房機器
の天板等に好適に使用可能な耐熱性化粧板に関わる技術
を公開した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同公報に開示
された耐熱性化粧板の製造方法においては、使用する化
粧材の種類を問わず、例えば化粧材として木目柄印刷紙
を使用する場合であっても、化粧材をアルミニウム箔に
貼着する前に予め該アルミニウム箔を木質系基板に接着
しておく必要があり、そのため作業効率・機械効率の面
で問題を残していた。
【0010】同公報の耐熱性化粧板の製造方法における
耐熱性化粧板製造の手順の一例を挙げて具体的に説明す
ると、先ず、アルミニウム箔の両面に化学繊維紙として
のレーヨン紙(坪量15g/m2 )を貼着し、化繊紙被
覆アルミシートを造る。次いで、木質系基板の表面に、
酢酸ビニル接着剤をスプレッダー等の糊付機で40g/
2 塗布した後、該木質基板に上記化繊紙被覆アルミシ
ートをラミネーターで仮接着する。次いで、これらをホ
ットプレスで加熱圧締し、化繊紙被覆アルミシートを木
質系基板に密着させる。そして、このように化繊紙被覆
アルミシートを木質系基板に接着するまでの工程が第1
作業工程とされており、次の第2作業工程以降の基礎を
造る意味で、このような作業工程が耐熱性等に優れた上
記耐熱性化粧板の製造する上で必要な工程と考えられて
いた。
【0011】そして、次の第2作業工程において、上記
第1作業工程を経て化繊紙被覆アルミシートが貼着され
た木質系基板の該化繊紙被覆アルミシート上に、例えば
5重量%のアルミナを混合、分散させた酢酸ビニル接着
剤を60〜70g/m2 塗布し、熱風により半乾燥させ
た後、直ちに化粧材としての木目柄印刷紙をラミネータ
ーにより貼り付け、耐熱性化粧板を得る。このように、
同公報の製造方法においては、第1及び第2の両作業工
程において同種の機械による接着作業が必要とされ、そ
のため、工程上のロスとなっており機械効率の観点から
優れた製造方法とは言えなかった。また、品質の点から
は、化粧紙被覆アルミシート上に化粧材を貼着する際に
接着不良(パンク等)が生ずる危険が大きかった。ま
た、第1作業工程においてラミネーターが使用できない
場合、予め木質系基板と同じ大きさに裁断した化繊紙被
覆アルミシートの木質系基板の上への貼着を、人の手に
より行っても良いとされていたが、この場合には更にパ
ンク等の接着不良が起こり易かった。
【0012】従って、本発明の目的は、接着不良等の不
都合を生じることなく、強度、表面硬度及び耐熱性に優
れ且つ外観も美麗な耐熱性化粧板を効率的に製造するこ
とができる耐熱性化粧板の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、厚さ10ミク
ロン〜25ミクロンのアルミニウム箔の片面に該アルミ
ニウム箔と木質系基材との間に介在されて両者間の結合
力を強化する機能を有する坪量14〜30g/m2 の紙
が貼着されてなるアルミシートの他方の面に、坪量23
〜50g/m2 の薄葉紙からなる化粧材を溶剤型ウレタ
ン接着剤により貼着して化粧シートとし、該化粧シート
をロール状に巻いた後、該化粧シートを、熱圧ロールの
表面温度が60〜120℃のラミネーターを用い、上記
化粧シートの上記化粧材側が上記熱圧ロールに接触する
ようにして、木質系基板に水溶性接着剤により接着させ
ることを特徴とする耐熱性化粧板の製造方法を提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐熱性化粧板の製
造方法について詳述する。ここで、図1は、本発明の耐
熱性化粧板の製造方法により製造された耐熱性化粧板の
一例を一部省略して示す拡大断面図である。図2は、本
発明の耐熱性化粧板の製造方法の一実施形態における製
造過程を示す概略説明図である。
【0015】本発明の耐熱性化粧板の製造方法において
は、厚さ10ミクロン〜25ミクロンのアルミニウム箔
1の片面に該アルミニウム箔と木質系基材との間に介在
されて両者間の結合力を強化する機能を有する坪量14
〜30g/m2 の紙2が貼着されたアルミシート3の他
方の面に、坪量23〜50g/m2 の薄葉紙からなる化
粧材4を溶剤型ウレタン接着剤aにより貼着して化粧シ
ート5とし、該化粧シート5をロール状に巻いた後、該
化粧シート5を、熱圧ロール7aの表面温度が60〜1
20℃のラミネーター7を用い、該化粧シート5の上記
化粧材4側が上記熱圧ロール7aに接触するようにし
て、木質系基板8に水溶性接着剤cにより接着させるこ
とにより耐熱性化粧板を製造する。
【0016】<アルミシート3の製造>本発明の耐熱性
化粧板の製造方法においては、厚さ10ミクロン〜25
ミクロンのアルミニウム箔1の片面に該アルミニウム箔
と木質系基材との間に介在されて両者間の結合力を強化
する機能を有する坪量14〜30g/m2 の紙2が貼着
されたアルミシート3が用いられる。上記アルミニウム
箔1は、放熱体として作用するもので、その厚さが10
〜25ミクロンのものであれば通常公知のものを特に制
限なく用いることができる。このアルミニウム箔1の厚
さが10ミクロン未満であると、熱容量が低く、アルミ
ニウム箔1全体の熱の拡散力が不十分であり、煙草やマ
ッチの火に対して有効な耐熱効果が得られない。一方、
上記厚さが25ミクロンを超えると、コストが高くなり
且つ取り扱いが不便になる。このような観点から、該ア
ルミニウム箔1のより好ましい厚さの範囲は15〜20
ミクロンである。
【0017】上記アルミニウム箔と木質系基材との間に
介在されて両者間の結合力を強化する機能を有する坪量
14〜30g/m2 の紙2(以下、接着用介在紙と称す
ることがある。)としては、レーヨン紙、薄葉紙又はク
ラフト紙が好ましく用いられる。これらのレーヨン紙、
薄葉紙又はクラフト紙は、その坪量が14〜30g/m
2 のものであれば特に制限されず、通常公知の各種のレ
ーヨン紙、薄葉紙又はクラフト紙を用いることができ
る。上記接着用介在紙2の坪量が14g/m2 未満であ
ると、アルミニウム箔1との貼り合わせ時に切れ易くな
り、また、その坪量が30g/m2 を超えると、コスト
が高くなり、接着剤の浸透が悪くなり且つ熱拡散性能が
低下する危険がある。上記レーヨン紙、薄葉紙又はクラ
フト紙の中でも、レーヨン紙又は薄葉紙が好ましい。こ
れらは薄くて強度及び柔軟性に優れるため、層間の剥離
が生じず且つ強度にも優れた化粧シートを得ることがで
きる。そのため、接着不良等の不都合を生じることな
く、より強度や外観に優れた耐熱性化粧板を効率的に製
造することができる。特に好ましいのは薄葉紙である。
薄葉紙を用いることにより、優れた特性を有する耐熱性
化粧板を製造することができると共に、製造コストの低
減を図ることができる。
【0018】上記接着用介在紙2は、通常、化粧材4の
貼着に先立ち上記アルミニウム箔1に貼着され、両者は
アルミシート3として用いられるが、上記アルミニウム
箔1の他方の面に、後述する化粧材4を貼着する直前あ
るいは該貼着と同時に貼着しても良い。これら接着用介
在紙2の上記アルミニウム箔1への貼着には、通常、ウ
レタン系接着剤、変性酢酸ビニル溶剤型又は合成ゴム溶
剤型接着剤等の有機溶剤型の接着剤bが用いられる。
【0019】<アルミシート3への化粧材4の貼着>次
に、上記アルミシート3の他方の面に、坪量23〜50
g/m2 の薄葉紙からなる化粧材4を貼着させる。ここ
で、薄葉紙からなる化粧材4には、坪量23〜50g/
2 の薄葉紙に各種の印刷を施してなる化粧紙の他、印
刷面上に更にウレタン樹脂塗料やアミノアルキッド樹脂
塗料等を塗装焼付したプレコート化粧紙も含まれる。例
えば、薄葉紙に樹脂処理を施しハード紙とした後、木目
柄等の任意柄を施し、次いでウレタン樹脂をトップコー
トしエッチング加工を施してなるプレコート化粧紙(例
えば、段谷産業(株)製のPEP(商品名))も上記化
粧材4として用いることができる。上記薄葉紙の坪量が
23g/m2 未満であると、各種作業工程中に紙が切れ
易くなり、50g/m2 を越えると、薄葉紙の繊維間で
剥離を生じ易くなる。
【0020】上記化粧材4としては、坪量23〜50g
/m2 の薄葉紙に、印刷等により木目柄や抽象柄の任意
柄を施してなる坪量30〜80g/m2 の化粧紙が好ま
しく用いられる。上記化粧材4の坪量が30g/m2
満であると、表面物性が充分発揮されないおそれがあ
り、また、ラミネーターによる貼り作業時に、紙切れを
起こし易くなるので好ましくない。一方、上記坪量が8
0g/m2 を超える場合は、上記薄葉紙に施される印刷
インキや、トップコートの樹脂等の量が多い場合であ
り、化粧材が柔軟性を失いこわばるため、アルミニウム
箔1との貼り合わせ時や、その後のラミネート作業時に
おける作業性が低下する危険がある。
【0021】化粧材4の上記アルミニウム箔1への貼着
には、溶剤型ウレタン接着剤aが用いられる。化粧材4
とアルミニウム箔1との接着に溶剤型ウレタン接着剤a
を用いることにより、強固な接着層を有する化粧紙−ア
ルミニウム箔一体シートを得ることができる。尚、上記
アルミニウム箔1の両面への上記接着用介在紙2及び上
記化粧材4の接着は、特に記載しない点に関しては、そ
れぞれ通常公知の各種の方法や装置により行うことがで
きる。
【0022】<化粧シート5の木質系基板8への接着>
アルミニウム箔1に両面にそれぞれ上記接着用介在紙2
及び上記化粧材4が貼着されてなる化粧シート5は、ラ
ミネータ7を用いて木質系基板8に接着される。尚、上
述のようにして得られる化粧シート5は、ロール状に巻
き取っても化粧材4の剥離等を生じることなく、ロール
状のシートロール6として保管することができる。従っ
て、化粧シート5の保管管理の観点からも有利であり、
また、運搬も容易である。また、必要に際して、容易且
つ迅速にラミネータ等に化粧シート5の供給を開始する
ことができるので、製造調整等の観点からも有利であ
る。
【0023】上記化粧シート5の接着対象である上記木
質系基板8としては、通常公知の各種の木質系基板8を
用いることができるが、中質繊維板(MDF)、合板、
LVL、パーティクルボード、OSB等が好適に用いら
れる。これらの中でも中質繊維板が特に好ましく、該中
質繊維板を用いると、接着不良等の危険がより減少し、
優れた特性を有する耐熱性化粧板を効率よく製造するこ
とができる。
【0024】上記化粧シート5は、通常、図2に示され
るように、ロール状に巻かれた後、ラミネータ7に供給
される。上記ラミネータ7は、一対のロール7a,7b
を備え、その一方のロールが、表面温度が60〜120
℃の熱圧ロール7aである。上記一対のロール7a,7
bの下流には通常1〜5対程度のロール(図示せず)が
更に設けられているが、これら下流に配設されるロール
の温度には特に制限はない。上記熱圧ロール7aの表面
温度が60℃未満であると、美しい化粧板表面が得られ
ず、満足な接着力が得られない場合があり、120℃を
越えると接着剤中の水分の急激な蒸発によりパンク現象
が発生する危険がある。このような観点から、更に好ま
しい熱圧ロール7aの表面温度は70〜80℃である。
【0025】上記ラミネータ7による上記化粧シート5
と上記木質系基板8との接着には、水溶性接着剤cが用
いられる。水溶性接着剤cは、通常スプレッター等の糊
付機9により塗布され、その塗布量は50〜80g/m
2 であることが好ましい。水溶性接着剤cは、通常、熱
圧ロール7aに挿入される手前において、上記木質系基
板8及び/又は上記化粧シート5の接着される面に塗布
されるが、好ましくは、上記木質系基板8の接着面に塗
布する。また、この水溶性接着剤cの塗布は、二回以上
に分けて複数箇所において行っても良い。特に好ましく
は、木質系基板8に接着剤の塗付した後、70〜120
℃の熱風乾燥炉中を30〜50秒間通して、上記接着剤
の水分の略半分以上を蒸発させ指触乾燥(手の指で軽く
接着剤塗付面に触れるとベト付く程度)の状態にしてか
ら、ラミネーターにて化粧シート5を貼着する。このよ
うにすると、水溶性接着剤cが接着剤介在紙2によく浸
透し、また、化粧シート5と木質系基板8との密着性が
向上するため、層間剥離等の生じない外観美麗な耐熱性
化粧板10を効率的に製造することができる。上記水溶
性接着剤cとしては、通常、酢酸ビニル接着剤、尿素樹
脂系接着剤、塩ビ用アクリル系接着剤及びビニルウレタ
ン系接着等の水溶性接着剤が用いられ、木質系基板8の
性質により適宜選択又は混合して使用される。
【0026】このようにして、木質系基板8の表面に化
粧シート5を貼着されて得られる耐熱性化粧板10の表
面には、必要に応じ、また化粧材4の種類に応じて、公
知の塗装作業により塗膜が施される。例えば、化粧材4
が木目柄印刷紙の場合には、木目柄印刷紙表面に、リバ
ースコーターを用いて、UVポリエステル樹脂を100
g/m2 塗布し、硬化させた後、サンダーで研磨し、更
にハードコート型UVポリエステル樹脂を120〜16
0g/m2 ガン塗布し、再度UV照射により硬化させる
ことにより、印刷紙と塗膜の厚みの合計が500〜60
0ミクロン厚の塗膜を得ることができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の耐熱性化粧板の製造方法につ
いての実施例を説明する。実施例1〜3について、それ
ぞれ下記に示す条件の下に耐熱性化粧板を製造した。そ
の結果、実施例1〜3のいずれの場合にも、パンク等の
接着不良を生じることなく、外観美麗な耐熱性化粧板を
作業性良く製造することができた。
【0028】〔実施例1〕厚さ25ミクロンのアルミニ
ウム箔の片面に坪量23g/m2 の薄葉紙が貼着された
アルミシートの他方の面に、坪量23g/m2 の薄葉紙
に木目柄印刷を施してなる坪量30g/m2 の化粧材を
予め溶剤型ウレタン接着剤により貼着して化粧シートと
し、これをロール状に巻き取った。次いで、該化粧シー
トを熱圧ロールの表面温度が90〜120℃のラミネー
ターを用いて、中質繊維板に、水溶性接着剤により貼着
し、次に、二液混合型ウレタン塗料を32g/m2 塗布
(ロールコーターにて3パス)して化粧材を得た。
【0029】〔実施例2〕厚さ18ミクロンのアルミニ
ウム箔の片面に坪量30g/m2 の薄葉紙が貼着された
アルミシートの他方の面に、坪量30g/m2 の薄葉紙
に単色柄印刷を施し、塗料が14g/m2 プレコートさ
れた化粧材を予め溶剤型ウレタン接着剤により貼着して
化粧シートとし、これをロール状に巻き取った。次い
で、該化粧シートを熱圧ロールの表面温度が60〜80
℃のラミネーターを用いて、中質繊維板に、水溶性接着
剤により貼着して化粧材を得た。
【0030】〔実施例3〕厚さ25ミクロンのアルミニ
ウム箔の片面に坪量23g/m2 の薄葉紙が貼着された
アルミシートのもう一方の面に、坪量30g/m2 の段
谷産業(株)製のPEP(商品名,前もってエッチング
加工された化粧紙)を予め溶剤型ウレタン接着剤により
貼着して化粧シートとし、これをロール状に巻き取っ
た。次いで、該化粧シートを熱圧ロールの表面温度が1
00〜120℃のラミネーターを用いて、中質繊維板
に、水溶性接着剤により貼着し、化粧材を得た。
【0031】以上、本発明の好ましい実施形態について
説明したが、本発明の耐熱性化粧板の製造方法は、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例
えば、上述した通り、上記木質系基板8の表面に化粧シ
ート5が貼着されてなる耐熱性化粧板10の表面に、所
望により適宜の塗膜を形成しても良い。また、上記化粧
シートは、ロール状に巻いて用いるのが作業効率上好ま
しいが、ロール状とせずにラミネーターに供給しても良
い。
【0032】また、上記化粧材は、耐熱性の観点から上
記坪量23〜50g/m2 の薄葉紙を用いた化粧材であ
ることが好ましいが、木目柄や抽象柄等の任意柄が印刷
等により施された塩ビシート等のプラスティックシート
やゴムシート等を用いることもできる。従って、本願
は、厚さ10ミクロン〜25ミクロンのアルミニウム箔
の片面に該アルミニウム箔と木質系基材との間に介在さ
れて両者間の結合力を強化する機能を有する坪量14〜
30g/m2 の紙が貼着されたアルミシートの他方の面
に、任意柄模様が施された塩ビシート等のプラスティッ
クシート又はゴムシートからなる化粧材を溶剤型ウレタ
ン接着剤により貼着して化粧シートとし、該化粧シート
をロール状に巻いた後、該化粧シートを、熱圧ロールの
表面温度が所定温度のラミネーターを用い、上記化粧シ
ートの上記化粧材側が上記熱圧ロールに接触するように
して、木質系基板に水溶性接着剤により接着させること
を特徴とする耐熱性化粧板の製造方法を提供するもので
もある。
【0033】
【発明の効果】本発明の耐熱性化粧板の製造方法による
と、予めアルミニウム箔1の片面に接着用介在紙2が貼
着され他方の面に化粧材4が貼着されてなる上記所定の
化粧シート5を用いているため、一工程で耐熱性化粧板
の製造が可能である。また、本発明の耐熱性化粧板の製
造方法においては、厚み10〜25μmのアルミニウム
箔を用いること等により化粧シートが柔軟性を有するた
め、従来のようにホットプレスによらずにラミネーター
によるラミネートが可能となり、生産性が高く、効率的
に耐熱性化粧板を製造することができる。
【0034】また、厚み10〜25μmのアルミニウム
箔を用いているため、例えば、また、連続した化粧シー
ト5を切断したり、化粧板の周囲の耳を通常作業で使用
する紙切りサンダーで切断除去することも可能である。
尚、従来の30〜50μmのアルミニウム箔を用いた場
合には、ラミネート作業において化粧シート5の切断や
紙切りサンダーによる耳取りは困難ないし不可能であ
る。更に、上記構成の化粧シートを用いると共に、ラミ
ネータ7の熱圧ロール7aの温度を所定の温度としたた
め、化粧シート5と木質系基板8との間に接着不良が生
じない。
【0035】また、本発明の耐熱性化粧板の製造方法に
よると、木質系基板8から化粧材4に至るまで熱伝導率
の低い空気層(空気の熱伝導率は0.025W・m-1・
K-1)を含まない一体構造の耐熱性化粧板、即ち、化粧
材表面に加えられた熱を良好に放熱体であるアルミニウ
ム箔1に伝達することができ、表面の焼け焦げ、変色等
が生じ難い耐熱性化粧板を、効率的に製造することがで
きる。
【0036】また、本発明の耐熱性化粧板の製造方法に
よると、木質系基板8から化粧材に至るまで強固に接着
された一体構造の耐熱性化粧板を製造することができ、
従って、強度及び硬度に優れ、剥離の危険性のない、テ
ーブルやカウンターの天板のような用途にも好適に用い
ることができる耐熱性化粧板を効率的に製造可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の耐熱性化粧板の製造方法によ
り製造された耐熱性化粧板の一例を一部省略して示す拡
大断面図である。
【図2】図2は、本発明の耐熱性化粧板の製造方法の一
実施形態における製造過程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム箔 2 接着用介在紙 3 アルミシート 4 化粧材 5 化粧シート 6 シートロール 7 ラミネーター 7a 熱圧ロール 8 木質系基板 10 耐熱性化粧板 a 溶剤型ウレタン接着剤 b 有機溶剤型の接着剤 c 水溶性接着剤
フロントページの続き (72)発明者 鳥井 丈之 静岡市柳町135番地 住友林業クレックス 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ10ミクロン〜25ミクロンのアル
    ミニウム箔の片面に該アルミニウム箔と木質系基材との
    間に介在されて両者間の結合力を強化する機能を有する
    坪量14〜30g/m2 の紙が貼着されてなるアルミシ
    ートの他方の面に、坪量23〜50g/m2 の薄葉紙か
    らなる化粧材を溶剤型ウレタン接着剤により貼着して化
    粧シートとし、該化粧シートをロール状に巻いた後、該
    化粧シートを、熱圧ロールの表面温度が60〜120℃
    のラミネーターを用い、上記化粧シートの上記化粧材側
    が上記熱圧ロールに接触するようにして、木質系基板に
    水溶性接着剤により接着させることを特徴とする耐熱性
    化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記木質系基板が、中質繊維板である請
    求項1記載の耐熱性化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記紙が、レーヨン紙、薄葉紙又はクラ
    フト紙である請求項1又は請求項2に記載の耐熱性化粧
    板の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010028626A (ko) * 1999-09-22 2001-04-06 이영자 유해파 차폐장판
JP2007030416A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Ohbayashi Corp 可燃性材料の不燃化方法及び不燃材料
JP2009172799A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Eidai Co Ltd 板材及びその板材を用いた化粧板並びにその化粧板の製造方法
JP2013035252A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Panasonic Corp 木質化粧板の製造方法
JP2018172103A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 豊田合成株式会社 エアバッグ用耐熱補強布

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