JPH11151794A - 化粧シート被覆材料の製造方法 - Google Patents

化粧シート被覆材料の製造方法

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JPH11151794A
JPH11151794A JP1054198A JP1054198A JPH11151794A JP H11151794 A JPH11151794 A JP H11151794A JP 1054198 A JP1054198 A JP 1054198A JP 1054198 A JP1054198 A JP 1054198A JP H11151794 A JPH11151794 A JP H11151794A
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JP
Japan
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decorative sheet
adhesive
water
base material
based adhesive
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JP1054198A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
Nobuyuki Okinaga
信幸 沖永
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系接着剤を使用して、種々の形状の基材に
表面化粧シートを作業性よく貼り合わせることができ、
安定した品質の化粧シート被覆材料を製造する方法を提
供する。 【解決手段】 水系接着剤を用いて、表面化粧シートを
基材表面に連続的に接着して化粧シート被覆材料を製造
する方法において、製造工程が、第1の工程から第4の
工程までの四つの工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロフィールラミ
ネート加工に用いて好適な化粧シート被覆材料の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建材や家具に用いられる、合
板、木質繊維板、アルミニウム等の金属、無機材料に
は、その付加価値を高めるために、木目、各種紋様、色
彩等が印刷された、合成樹脂フィルム、樹脂含浸紙、金
属箔等の表面化粧シートを貼り合わせて化粧シート被覆
材料としたものが、広く使用されている。
【0003】これらの化粧シート被覆材料に求められる
意匠性は、近年非常に高度なものになりつつあり、例え
ば、化粧シート被覆材料を板状基材の側部や裏面にまで
巻き込むように接着したり、さらに複雑な場合は、溝状
の表面や曲面を有する基材の表面にも表面化粧シートを
貼り合わせることが要求されている。
【0004】このような複雑な形状を有する基材から化
粧シート被覆材料を製造するためには、従来から四面ラ
ミネーター、プロフィールラミネーターと呼ばれる専用
のラミネーターが使用されている。特に、プロフィール
ラミネーターは、表面に凹凸や曲面を有する基材にも適
用できることから、近年特に広まりつつある。
【0005】このような表面化粧シートの貼り合わせに
使用される接着剤には、基材表面の角部、凹凸や曲面に
沿って接着する際に、該シートの反発力に抗して基材の
表面形状に追随して貼り付けを可能にするため、十分な
初期接着力が要求される。このような初期接着力を有す
る接着剤として、例えば、特開平6−256736号公
報には、溶剤系のウレタン接着剤が開示されている。し
かしながら、溶剤系の接着剤は作業環境や地球環境を汚
染する恐れがあるため、その使用が制限される傾向にあ
り、その対策として、例えば、溶剤を全く使用しない水
系の接着剤が検討されている。
【0006】水系接着剤は、セミドライと呼ばれる半乾
燥の状態にまで乾燥させたときに、ウェットタックと呼
ばれる粘着性が発現する。このウェットタックを利用し
て、収まりよく表面化粧シートを貼り合わせることが効
果的である。しかしながら、接着剤の乾燥状態は、接着
剤塗工環境の温度や湿度、乾燥ラインの微妙な条件設
定、ライン速度の微妙なばらつき、接着剤コーター精度
の悪さに起因する塗布量の変動などによって異なるた
め、実際の製造ラインでセミドライ状態を安定的に保つ
ことは非常に困難である。従って、溶剤系の接着剤を使
用せざるを得ない状況にあった。
【0007】また、一方で化粧紙を合板や集成材の表面
にラミネートした化粧紙合板と呼ばれる化粧シート被覆
材料も、各種壁材や建材パネルの面材として広く使用さ
れているが、この化粧紙合板の製造にあたっては、日本
接着協会誌vol.5,No.1(1969)に示されているように、従
来より酢酸ビニル樹脂等のエマルジョンを主成分とする
水系接着剤が使用されている。
【0008】しかし、化粧紙を貼り合わせる時点で接着
剤層に水分が残り過ぎていると、得られる化粧紙合板の
表面にしわが入る等の外観不良を招きやすくなる。これ
とは反対に、水分が乾燥しすぎていると化粧紙に対する
接着剤の浸透が不十分になり、端部の浮き等の性能面に
おいてトラブルの原因になる。このため化粧紙合板の製
造においても、一定のセミドライ状態を安定的に保つこ
とが重要になってくるが、現状ではしばしばトラブルが
発生するため、その都度、乾燥条件、ライン速度、接着
剤の種類を変更するなどして対応せざるを得ず、生産性
向上の妨げになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水系
接着剤を使用して、種々の形状の基材に表面化粧シート
を作業性よく貼り合わせることができ、安定した品質の
化粧シート被覆材料を製造する方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1記載の発
明(以下、第1発明という)である化粧シート被覆材料
の製造方法は、水系接着剤を用いて、表面化粧シートを
基材表面に連続的に接着して化粧シート被覆材料を製造
する方法において、製造工程が、水系接着剤を基材及び
/又は表面化粧シートに塗布する第1の工程、基材及び
/又は表面化粧シート上に塗布された水系接着剤が連続
したフィルムを形成するまで乾燥する第2の工程、水系
接着剤の連続したフィルム表面に、再度水系接着剤を塗
布する第3の工程、並びに、再度水系接着剤が塗布され
た水系接着剤の連続したフィルムを介して、基材と表面
化粧シートとを圧着する第4の工程からなることを特徴
とする。
【0011】本願の請求項2記載の発明(以下、第2発
明という)である化粧シート被覆材料の製造方法は、水
系接着剤を用いて、表面化粧シートを基材表面に連続的
に接着して化粧シート被覆材料を製造する方法におい
て、製造工程が、水系接着剤を基材及び/又は表面化粧
シートに塗布する第1の工程、基材及び/又は表面化粧
シート上に塗布された水系接着剤が連続したフィルムを
形成するまで乾燥する第2の工程、水系接着剤の連続し
たフィルム表面に、水及び/又は有機溶剤を塗布する第
3の工程、並びに、水及び/又は有機溶剤が塗布された
水系接着剤の連続したフィルムを介して、基材と表面化
粧シートとを圧着する第4の工程からなることを特徴と
する。
【0012】本発明で用いられる表面化粧シートとして
は、特にプロフィールラミネートに使用される場合に
は、貼り合わせ時に常温又は加熱下において基材の表面
形状に追従できる程度の柔軟性を有するものが好まし
く、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチ
レン、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩素化ポリプロピレン等の合成樹脂シートも
しくはフィルム;木材の突き板シート;合成樹脂を含浸
させた木材の突き板シート;アルミ箔等の金属箔シー
ト;紙シート;合成樹脂を含浸させた樹脂含浸紙シー
ト;合成樹脂をラミネートした紙シート;布などが挙げ
られる。
【0013】上記表面化粧シートの中でも、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル樹脂等
の合成樹脂シートもしくはフィルム;木材の突き板シー
ト;樹脂含浸紙シート;紙シートなどが好ましい。
【0014】本発明で用いられる基材としては、例え
ば、木材、無機材料、金属、合成樹脂等からなる成形
体、積層構造体等が挙げられ、例えば、天然木材、ラワ
ン合板、パーティクルボード、硬質ファイバーボード、
中密度繊維板(MDF)等の半硬質ファイバーボード、
集成材などの木質材料;石膏ボード、セメントボード等
の無機材料成形体;アルミニウム、ステンレス、鉄等の
金属;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、
アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、塩素化ポリプロピレン等の合成樹脂成形体又はこ
れらの合成樹脂の発泡成形体などが用いられる。
【0015】本発明で用いられる水系接着剤としては、
例えば、樹脂やゴム成分が水を媒体として分散されたエ
マルジョン型接着剤;樹脂やゴム成分の水溶液型接着剤
が挙げられる。具体的には、例えば、酢酸ビニル系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステ
ル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレ
ン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ニトリル
ゴム系樹脂などの水系接着剤が好適に用いられる。これ
らは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されても
よい。
【0016】第1発明の製造方法は、水系接着剤を基材
及び/又は表面化粧シートに塗布する第1の工程、基材
及び/又は表面化粧シート上に塗布された水系接着剤が
連続したフィルムを形成するまで乾燥する第2の工程、
水系接着剤の連続したフィルム表面に、再度水系接着剤
を塗布する第3の工程、並びに、再度水系接着剤が塗布
された水系接着剤の連続したフィルムを介して、基材と
表面化粧シートとを圧着する第4の工程からなる。
【0017】第1の工程において、水系接着剤を基材及
び/又は表面化粧シートに塗布するための塗工装置とし
ては、公知のロールコーター(ロールスプレッダー)、
刷毛塗り、フローコーター、ナイフコーター、スプレー
塗布機等各種の接着剤塗布装置が使用可能である。しか
し、連続的に均一に生産性よく塗布するためには、ロー
ルコーター、フローコーター、ナイフコーターが好まし
い。尚、既存ラミネーターにおいては、四面ラミネータ
ーや化粧紙合板の製造における接着剤塗布機は、ロール
コーターによる塗布が一般的であり、プロフィールラミ
ネーターの場合はナイフコーターによる塗布が一般的で
ある。
【0018】第1の工程において、水系接着剤の塗布量
は、要求性能、ライン速度、乾燥能力等によって決定さ
れるが、例えば、通常のプロフィールラミネーターを使
用して、表面化粧シート側に塗布する場合は、未乾燥状
態で塗布厚み10〜100μmが好ましい。塗布厚みが
10μm未満では、基材表面の凹凸を埋めにくく、十分
な接着面積が得られにくので、得られる化粧シート被覆
材料の接着性能が低下することがある。また、塗布厚み
が100μmを超えると、乾燥時間が著しく長くなるの
で生産性が低下することがある。一方、ロールコーター
を用いて、基材側に塗布する場合は、上記プロフィール
ラミネーターを使用する場合と同様の理由により、接着
剤の塗布重量として20〜300g/m2 が好ましい。
【0019】第2の工程において、第1の工程で塗布さ
れた水系接着剤は、連続したフィルムを形成する状態ま
で乾燥させられる。一般に水系接着剤は、エマルジョン
状態であり、樹脂分が個々の粒子として水中に分散して
いるが、乾燥工程ではこれらの粒子が融着して連続した
フィルムを形成する。このフィルムの形成は、エマルジ
ョン状態で呈する白色が、透明状態になることにより判
断される。
【0020】しかし、実際にはこの時点で水系接着剤は
完全な乾燥状態ではなく、いわゆるセミドライ状態にあ
る。次の第3の工程において、再度水系接着剤を塗布し
安定的なセミドライ状態を得ることが好ましいが、その
ためには、第2工程において接着剤層が連続フィルムを
形成した後も、さらに若干の乾燥を行うことが好まし
い。
【0021】第2の工程の基材及び/又は表面化粧シー
ト上に塗布された水系接着剤が連続したフィルムを形成
する状態まで乾燥するために、例えば、温風の送風、赤
外線ヒーター等による加熱、高周波加熱、マイクロ波加
熱など従来より公知の乾燥方法が用いられる。これらの
乾燥方法のいずれの方法が用いられてもよいが、乾燥手
段の選択はライン速度を支配し、乾燥効率が極端に低下
すると生産性が低下するので、生産性を考慮して決定す
るのが好ましい。
【0022】第2の工程における乾燥温度は、プロフィ
ールラミネートのように表面化粧シート側に水系接着剤
を塗布する工程において、例えば、表面化粧シートとし
てポリ塩化ビニル製の合成樹脂シートを用いた場合は、
80℃以下が好ましい。80℃を超える高温で乾燥させ
ると、表面化粧シートが極端に軟化して、加工が困難に
なるおそれがある。また、基材側に水系接着剤を塗布す
る場合と同様の理由により、基材を構成する材料の耐熱
性を考慮して乾燥温度を決定することが好ましい。ま
た、使用される水系接着剤は、その不揮発分や熱劣化性
を考慮して決定することが好ましい。
【0023】第3の工程において、前工程で表面化粧シ
ートに形成された接着剤層の連続したフィルム表面に
は、再度水系接着剤が塗布されて再びセミドライ状態に
戻される。この水系接着剤の再塗布は、初期粘着性を安
定的に発現させるために重要な工程である。従って、第
3の工程における水系接着剤の塗布量は、セミドライ状
態の再現に必要な量であって、3〜50g/m2 が好ま
しい。塗布量が、3g/m2 未満では接着剤層の連続フ
ィルム表面をセミドライ状態まで湿潤させにくく、十分
な初期粘着力を得ることができないことがあり、50g
/m2 を超えると、ウェットな状態のままであるため、
そのままの状態で貼り合わせた場合に、表面化粧シート
の反発に耐えられるだけの凝集力が得られ難く、セミド
ライ状態にするためには再度乾燥工程が必要になること
がある。
【0024】第3の工程における水系接着剤の塗布方法
としては、第1の工程と同様、公知のロールコーター、
刷毛塗り、フローコーター、ナイフコーター、スプレー
塗布機等各種の接着剤塗布装置が使用可能である。この
中で、特にスプレー塗布機が好ましい。スプレー塗布機
は、第1及び第2の工程において、予め塗布、乾燥され
た接着剤層の表面に接触することなく、連続的に塗布す
ることができるからである。また、スプレー塗布機は、
比較的少量の接着剤塗布に有効であるため好ましく、特
に、スプレー塗布機の中でも、ノズルの先端部から吐出
される接着剤を空気圧によって霧状に噴霧するエアガン
が好適に用いられる。
【0025】スプレー塗布機以外の塗布装置によって塗
布する場合は、予め塗布、乾燥された水系接着剤の連続
したフィルムの表面に接触するので、該フィルムの表面
を荒らしたり、掻き取ったりすることのないよう配慮す
ることが好ましい。
【0026】第4の工程では、再度水系接着剤が塗布さ
れた水系接着剤の連続したフィルムを介して、基材と表
面化粧シートとを圧着する。圧着する方法としては、一
般にロール圧着が用いられる。プレス圧着や真空圧着等
も使用可能であるが、これらはバッチ方式の生産方法で
あるため、生産性が低下する。また、プレス圧着は、表
面が凹凸などの非平面である基材への適用が困難であ
る。ロール圧着の場合は、プロフィールラミネートの方
法として公知であるように、表面化粧シートを基材の断
面形状に追随させながら、基材の流れ方向に配置された
複数のロールで順次貼り合わせていくことにより、様々
な形状に適用可能である。
【0027】ロール圧着のタイミングとしては、第3の
工程において水系接着剤を再度塗布してから貼り合わせ
るまでの時間(オープンタイム)は余りあけ過ぎないこ
とが好ましい。このオープタイムは、水系接着剤の塗布
量、温度等に影響されるが、例えば、第3の工程におけ
る塗布量が10g/m2 の場合は、室温におけるオープ
ンタイムは3分以内が好ましい。3分を超えると、接着
剤層の表面は再び乾燥して初期接着性が低下し、良好に
貼り合わせにくくなる。
【0028】以下、第2発明の製造方法について説明す
る。第2発明の製造方法は、水系接着剤を基材及び/又
は表面化粧シートに塗布する第1の工程、基材及び/又
は表面化粧シート上に塗布された水系接着剤が連続した
フィルムを形成するまで乾燥する第2の工程、水系接着
剤の連続したフィルム表面に、水及び/又は有機溶剤を
塗布する第3の工程、並びに、水及び/又は有機溶剤が
塗布された水系接着剤の連続したフィルムを介して、基
材と表面化粧シートとを圧着する第4の工程からなる。
【0029】第1の工程及び第2の工程は、第1発明と
同様にして行われる。
【0030】第3の工程において、前工程で基材及び/
又は表面化粧シート上に形成された水系接着剤の連続し
たフィルム表面に、水もしくは有機溶剤の単独又は水と
有機溶剤との混合物を塗布する。水もしくは有機溶剤の
単独又は水と有機溶剤との混合物を塗布することによっ
て、完全乾燥された水系接着剤の連続したフィルム表面
が、再びセミドライ状態に戻され、初期接着力を安定的
に発現させることができる。
【0031】上記水もしくは有機溶剤の単独又は水と有
機溶剤との混合物の塗布量は、セミドライ状態の再現に
必要な量であって、3〜50g/m2 が好ましい。塗布
量が、3g/m2 未満では水系接着剤の連続したフィル
ム表面をセミドライ状態にまで湿潤させにくいため、十
分な初期接着力が得られないことがあり、50g/m2
を超えるとウェットな状態となるため、そのままの状態
で貼り合わせた場合に、表面化粧シートの反発に耐えら
れるだけの凝集力が得られにくく、セミドライ状態にす
るために再度乾燥工程が必要になることがある。
【0032】有機溶剤を使用すると、乾燥した水系接着
剤の連続したフィルムの表面が可塑化されてウェットタ
ックを発現し易くなるので好ましい。有機溶剤の塗布量
(水と有機溶剤との混合物の場合は有機溶剤換算量)
は、3〜20g/m2 が好ましい。塗布量が、20g/
2 を超えると作業環境に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0033】上記有機溶剤としては、特に限定されない
が、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン等の非水溶性有機溶剤;メタノ
ール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルセロソルブ、グリセリン、N−メチルピロリドン、
ジオキサン等の水溶性有機溶剤;フタル酸ジエステル等
の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤などが挙げられる。
【0034】上記水及び/又は有機溶剤の塗布方法とし
ては、スプレー塗布機が好適に用いられる。スプレー塗
布機は、乾燥された水系接着剤の連続したフィルムの表
面に接触することなく連続的に塗布できるばかりでな
く、比較的少量の塗布に有効である。中でも、特にノズ
ルの先端部から吐出された水及び/又は有機溶剤を空気
圧によって霧状に噴霧するエアガンが好ましい。
【0035】第4の工程では、第3の工程で得られた、
水及び/又は有機溶剤が塗布された水系接着剤の連続し
たフィルムを介して、基材と表面化粧シートとを圧着す
る。圧着には、一般にロール圧着が用いられる。ロール
圧着以外に、プレス圧着や真空圧着も使用可能である
が、これらの方法はバッチ方式の生産方法であり、生産
性が低下するという欠点がある。さらに、プレス圧着
は、表面に凹凸などがある非平面の基材への適用が困難
である。これに対して、ロール圧着の場合は、プロフィ
ールラミネートの方法として公知であるように、表面化
粧シートを基材の断面形状に追従させながら、基材の流
れ方向に配置された複数のロールで順次貼り合わせてい
くことにより、種々の形状に適応可能である。
【0036】ロール圧着のタイミングとしては、第3の
工程において水及び/又は有機溶剤を塗布してから貼り
合わせるまでの時間(オープンタイム)を余りあけない
ことが好ましい。このオープンタイムは、水及び/又は
有機溶剤の塗布量、温度等によって影響されるが、例え
ば、第3の工程における塗布量が5g/m2 の場合は、
室温におけるオープンタイムは、3分以内が好ましい。
オープンタイムが3分を超えると、水系接着剤の連続し
たフィルム表面が再び乾燥して初期接着性が低下し、良
好な貼り合わせがしにくくなる。但し、第3の工程で、
有機溶剤単独又は水と有機溶剤との混合物を塗布する場
合は、オープンタイムを3分より長くとることができ
る。
【0037】本発明の製造方法において、基材及び表面
化粧シートの両方に水系接着剤が塗布されると、基材と
表面化粧シートとの接着強度が一層向上する。例えば、
プロフィールラミネートのように、表面化粧シート側に
水系接着剤を塗布する場合は、同時に基材側にも水系接
着剤を塗布するような方法が採用される。この場合、水
系接着剤を塗りおきした状態で接着に供してもよいし、
インラインで水系接着剤を基材に塗布しながら接着して
もよい。基材側に水系接着剤を塗布することによって基
材表面への水系接着剤の濡れがより十分になるため、表
面化粧シート接着後の接着強度が向上する。
【0038】なお、紙を素材とする表面化粧シートの場
合は、表面化粧シート側に水系接着剤を塗布すると表面
化粧シートの強度が低下するため、張力が加わると切断
が起こったり、含水によるしわ入りによって外観が損な
われることがある。このため、基材側に水系接着剤を塗
布し、貼り合わせた後の表面化粧シートの吸水による、
しわ入りを避けるため、乾燥した後水系接着剤の連続し
たフィルムの表面の粘着性によって貼り合わせることが
好ましい。
【0039】
【作用】本発明の製造方法では、従来の方法では安定的
に発現させることが困難であったセミドライ状態におけ
る水系接着剤層の初期接着性を、圧着直前の基材及び/
又は表面化粧シートの表面に形成された水系接着剤の連
続したフィルムの表面に、再度水系接着剤を塗布する
か、又は、水及び/又は有機溶剤を塗布することによっ
て付与することができる。このようにして得られたセミ
ドライ状態の水系接着剤の連続したフィルムの表面は、
環境条件、乾燥条件、塗布むら等による影響を受けるこ
となく、安定的に発現されるので、優れた表面状態の化
粧シート被覆材料を安全な水系接着剤を使用して作業性
よく製造することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0041】(実施例1)プロフィールラミネーター
(丸仲商事社製「PL−300」)を用いて、表面化粧
シート(厚さ170μmの塩化ビニル樹脂シート)を5
m/分の速度で供給し、その片面にナイフコーターで水
系接着剤(I)(積水化学工業社製、酢酸ビニルエマル
ジョン型接着剤「エスダイン6352」)を40μm厚
みで塗布した後直ちに70℃の温風乾燥炉を通過させて
乾燥した。乾燥炉を通過した表面化粧シート表面の水系
接着剤は無色透明になり、連続したフィルムを形成して
いた。乾燥炉を通過した直後の上記連続したフィルムの
表面にエアースプレー塗布機を用いて水系接着剤(II)
〔接着剤(I)100重量部に対して水5重量部を加え
て粘度調整したもの〕を10g/m2 の塗布量で再度塗
布した。次いで、基材の上部中央から裏面の両縁部にか
けて順次包み込むように表面化粧シートにより被覆しな
がら圧着ロールで圧着して化粧シート被覆材料を得た。
得られた化粧シート被覆材料は、表面化粧シートの浮き
や剥離等の外観不良がなく、基材の溝部も含めて全面が
良好に接着されていた。
【0042】尚、基材として、長さ2m、幅100m
m、厚さ20mmで、表面に2本のU字状溝(深さと幅
がそれぞれ約5mm、コーナー部のRが2mm)が70
mm間隔で長手方向に設けられた異形断面のMDF(ミ
ディアムデンシティファイバーボード)を用いた。
【0043】また、プロフィールラミネーターとして、
表面化粧シートを連続的に送り出す供給ロール、水
系接着剤を表面化粧シートに塗布するナイフコーター、
塗布された水系接着剤を乾燥させる熱風乾燥機、一
定の長さの基材を供給する基材供給機、表面化粧シー
トを基材に被覆しながら曲面又は凹凸面に沿って圧着す
る圧着ロール、及び、表面化粧シートを基材の長さに
合わせて切断するカッターとを備えたものを使用した。
【0044】(比較例1)水系接着剤(I)を40μm
厚みで塗布し、水系接着剤(II)の塗布を全く行わなか
ったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シート被覆
材料を作製しようとしたが、表面化粧シートはほぼ全面
的に基材に対して食いつかず、接着ができなかった。ま
た、ロール圧着直前の水系接着剤(I)の連続したフィ
ルムを指触したところ、該フィルムは完全な乾燥状態で
粘着性は全く認められなかった。
【0045】(実施例2)通常のロールスプレッダーを
用いて、ラワン合板(2.5mm厚、JAS1類合格
品)の片側に60g/m2 の塗布量で水系接着剤 (III)
(積水化学社製、酢酸ビニルエマルジョン型接着剤「エ
スダイン5620」)を塗布した後、直ちに120℃の
温風乾燥炉を通過(通過時間約10秒)させて乾燥し
た。乾燥炉を通過した表面化粧シート表面の水系接着剤
は無色透明になり、連続したフィルムを形成していた。
乾燥炉を通過直後の接着剤層表面にエアースプレー塗布
機を用いて水系接着剤(IV)〔接着剤 (III)100重量
部に対して水5重量部を加えて粘度調整したもの〕を1
0g/m2 の塗布量で塗布した。次いで、塗布直後に表
面化粧シート(50g/m2 の表面印刷が施された強化
紙シート)を貼り合わせ、圧着ロールでラミネートして
化粧シート被覆材料を得た。得られた化粧シート被覆材
料は、表面化粧シートの浮きや剥離等による外観不良が
なく、全面が良好に接着されていた。
【0046】(比較例2)水系接着剤 (III)を塗布量1
0g/m2 で塗布し、水系接着剤(IV)を全く塗布しな
かったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シート被
覆材料を作製しようとしたが、表面化粧シートの端部に
部分的なめくれ上がりが認められた。これは、ロールス
プレッダーの塗布むらにより塗布量が少ない部分が乾燥
状態になり、セミドライタックが不足して、接着不良を
招いたためと考えられる。
【0047】(実施例3)プロフィールラミネーター
(丸仲商事社製「PL−300」)を用いて、実施例1
と同様にして、表面化粧シート(厚さ170μmの塩化
ビニル樹脂シート)上に、接着剤(I)の連続したフィ
ルムを形成した後、乾燥炉を通過した直後の該フィルム
の表面にエアースプレー塗布機を用いて、水−エタノー
ル混合物(重量比1:2)を10g/m2 の塗布量で塗
布した。次いで、基材の上部中央から裏面の両縁部にか
けて順次包み込むように表面化粧シートにより被覆しな
がら圧着ロールで圧着して化粧シート被覆材料を得た。
得られた化粧シート被覆材料は、表面化粧シートの浮き
や剥離等の外観不良がなく、基材の溝部も含めて全面が
良好に接着されていた。尚、基材は、実施例1と同様の
ものを使用した。
【0048】(実施例4)通常のロールスプレッダーを
用いて、実施例2と同様にして、ラワン合板(2.5m
m厚、JAS1類合格品)上に、60g/m2 の塗布量
で水系接着剤 (III)(積水化学社製、酢酸ビニルエマル
ジョン型接着剤「エスダイン5620」)を塗布した
後、直ちに120℃の温風乾燥炉を通過(通過時間約1
0秒)させて乾燥させ、実施例2と同様にして接着剤
(I)の連続したフィルムを形成した後、乾燥炉を通過
した直後の該フィルムの表面にエアースプレー塗布機を
用いて、水−エタノール混合物(重量比1:2)を10
g/m2 の塗布量で塗布した。次いで、その直後に表面
化粧シート(50g/m2 の表面印刷が施された強化紙
シート)を貼り合わせ、圧着ロールでラミネートして化
粧シート被覆材料を得た。得られた化粧シート被覆材料
は、表面化粧シートの浮きや剥離等による外観不良がな
く、全面が良好に接着されていた。
【0049】
【発明の効果】本発明の化粧シート被覆材料の製造方法
は、上述の構成であり、水系接着剤を使用して、種々の
形状の基材に表面化粧シートを作業性よく貼り付けるこ
とができるので、意匠性の高い高品質の化粧シート被覆
材料を安定して提供することができる。しかも、水系接
着剤の使用によって、生産環境を汚染する恐れがなく、
安全性を確保することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系接着剤を用いて、表面化粧シートを
    基材表面に連続的に接着して化粧シート被覆材料を製造
    する方法において、製造工程が、水系接着剤を基材及び
    /又は表面化粧シートに塗布する第1の工程、基材及び
    /又は表面化粧シート上に塗布された水系接着剤が連続
    したフィルムを形成するまで乾燥する第2の工程、水系
    接着剤の連続したフィルム表面に、再度水系接着剤を塗
    布する第3の工程、並びに、再度水系接着剤が塗布され
    た水系接着剤の連続したフィルムを介して、基材と表面
    化粧シートとを圧着する第4の工程からなることを特徴
    とする化粧シート被覆材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 水系接着剤を用いて、表面化粧シートを
    基材表面に連続的に接着して化粧シート被覆材料を製造
    する方法において、製造工程が、水系接着剤を基材及び
    /又は表面化粧シートに塗布する第1の工程、基材及び
    /又は表面化粧シート上に塗布された水系接着剤が連続
    したフィルムを形成するまで乾燥する第2の工程、水系
    接着剤の連続したフィルム表面に、水及び/又は有機溶
    剤を塗布する第3の工程、並びに、水及び/又は有機溶
    剤が塗布された水系接着剤の連続したフィルムを介し
    て、基材と表面化粧シートとを圧着する第4の工程から
    なることを特徴とする化粧シート被覆材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基材の表面が凹凸形状又は曲面形状
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の化粧シ
    ート被覆材料の製造方法。
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