JP2021154672A - シート化粧板材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

シート化粧板材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布する。【解決手段】一方向に並んだ複数の板状基材10に水系接着剤11を介して長尺の化粧シート12を連続的に貼付し、化粧シート12を板状基材10毎に個片化した後に、その個片化した化粧シート12aとそれに貼付された板状基材10とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材15の製造方法であって、化粧シート12の表面に当接するバックアップ部25と、化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布する塗工部20とを備え、塗工部20により形成される隙間Cに応じて水系接着剤11の塗布量を調整する塗布装置30で化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布した後に、塗布された水系接着剤11の塗布量を非接触式の膜厚計41で測定する。【選択図】図1

Description

本発明は、シート化粧板材の製造方法及び製造装置に関するものである。
例えば、板状の木質基材の表面に化粧シートを貼り付けた化粧シートタイプの床材は、近年、商品バリエーションが充実し、注目されている。ここで、化粧シートと木質基材との間には、化粧シートの裏面又は木質基材の表面に塗布された接着剤が介在している。そして、接着剤には、安価な水系接着剤や高価なホットメルト系接着剤等があり、ホットメルト系接着剤では、短時間で安定した接着力を実現することができるものの、コストアップを招くので、水系接着剤を用いたシート化粧板材の製造が見直されている。
例えば、特許文献1には、ロールコーターを用いて、長尺の帯状体に連続して塗布処理を行う塗布方法が開示されている。
特許第5200650号公報
ところで、上記特許文献1に開示されたロールコーターで水系接着剤を塗布する方法では、ライン速度等の設備条件を調整しても、ロールの周方向に沿ってローピングと呼ばれる筋模様が発生する傾向にあり、その傾向は、使用する水系接着剤の粘度が高くなる程、顕著になる。また、ロールコーターで水系接着剤を塗布する方法では、表面積の大きいロールが水系接着剤を表面に濡れ広げた状態で回転することにより、ロールの表面に凝集物が生成し、木質基材と化粧シートとの間に凝集物が挟み込まれるおそれがある。なお、ホットメルト系接着剤を用いた場合には、加熱すると、接着剤自体が溶融するので、接着剤内に凝集物等の異物が生成するおそれが殆どない。また、木質基材と化粧シートとを水系接着剤で接着するには、水系接着剤に含まれる水分による木質基材の反りや寸法変化を抑制するために、出来るだけ水分量が少なく、樹脂含有率の高い水系接着剤を均一に薄く塗布することが好ましく、例えば、50g/m〜200g/m程度(好ましくは50g/m〜100g/m程度)で水系接着剤を均一に薄く塗布する必要があるので、上記のようなローピングが発生していると、化粧シートの表面の平滑性が損なわれたり、塗布された水系接着剤の塗布量の測定及び管理が困難になったりしてしまう。なお、ローピングを抑制する方法としては、ホットメルト系接着剤を用いた場合には、加熱により粘度を下げることが考えられるものの、水系接着剤を用いた場合には、粘度を下げるために水分量を増やすと、固形分の低下による接着力の低下、さらに接着力を確保するために塗布量を多くすると、塗布された水分量の多い接着剤での液だれの発生、化粧シートの表面の平滑性の低下、木質基材と化粧シートとを積層一体化した後に接着強度を確保するために必要な時間の長期化等が懸念される。このように、木質基材と化粧シートとを接着するために、ロールコーターで水系接着剤を塗布する方法では、上記のような問題があるので、水系接着剤を安定的に且つ連続的に均一な膜厚で塗布することが難しく、改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るシート化粧板材の製造方法は、一方向に並んだ複数の板状基材に水系接着剤を介して長尺の化粧シートを連続的に貼付し、該長尺の化粧シートを上記板状基材毎に個片化した後に、該個片化した化粧シートと該化粧シートに貼付された板状基材とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材の製造方法であって、上記長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、該長尺の化粧シートを介して該バックアップ部に対向するように設けられ、該長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、該塗工部により形成される隙間に応じて上記水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置で上記長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布した後に、該塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定することを特徴とする。
上記の方法によれば、長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、長尺の化粧シートを介してバックアップ部に対向するように設けられ、長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、塗工部により形成される隙間に応じて水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置により、一方向に並んだ複数の板状基材に貼付する長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布するので、ロールコーターを用いた塗布方法で懸念されるローピングの発生を抑制することができる。これにより、化粧シートの幅方向において、均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定するので、化粧シートの長さ方向において、水系接着剤の塗布量の変化を連続的に検知することができる。これにより、長尺の化粧シートに対して、幅方向に均一な水系接着剤の膜厚を長さ方向に維持することができるので、長尺の化粧シートの裏面に対して、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。さらに、長尺の化粧シートの裏面に、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができるので、平滑性に優れた美麗なシート化粧板材を製造することができる。
ここで、シート化粧板材を製造する際には、例えば、水系接着剤の粘度の異常等によって、水系接着剤の膜厚が薄すぎたり厚すぎたりすると様々な不具合が発生するので、水系接着剤の塗布量が所定の範囲を超える場合、製造ラインを一旦止めて、水系接着剤の塗布状況を確認する必要がある。このような場合にも、ローピングの発生が抑制されているので、連続的な塗布量の監視により不具合に対する速やかな対応を行うことができるだけでなく、不良品の発生を抑制することができ、より品質の安定した安価なシート化粧板材を製造することができる。
上記塗布装置は、タンクに貯留された上記水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、該供給された水系接着剤を化粧シートの裏面に上記スロットダイから吐出して塗布するように構成されていてもよい。
上記の方法によれば、塗布装置が、タンクに貯留された水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、その供給された水系接着剤を化粧シートの裏面にスロットダイから吐出して塗布するように構成されているので、スロットダイに形成された隙間に応じて、長尺の化粧シートの裏面に塗布する水系接着剤の塗布量を具体的に調整することができる。
上記塗工部には、上記隙間よりも小さい目のフィルターを通して上記水系接着剤が供給されてもよい。
上記の方法によれば、塗工部には、塗工部により形成される隙間よりも小さい目のフィルターを通して水系接着剤が供給される。より具体的には、水系接着剤が吐出される塗工部(例えば、ダイコーターのスロットダイ)に形成された隙間よりも小さい目のフィルターを通して塗工部に水系接着剤が供給されるので、水系接着剤を製造する際、工場で製造、保管及び調整する際に水系接着剤に混入され得るカスや凝集物等のゴミをフィルターで取り除くことができる。特に、ダイコーターでは、圧力を加えながら、目の細かいフィルターを通して、スロットダイに水系接着剤を供給するので、塗工部により形成される隙間に水系接着剤に混入され得るゴミが詰まり難くなることにより、化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する際に、長時間にわたり膜切れの発生を抑制することができる。
上記化粧シートは、樹脂製であり、上記膜厚計は、上記塗布された水系接着剤の水分量に基づいて上記塗布量を測定するように設けられていてもよい。
上記の方法によれば、ローピングの発生を抑制して、長尺の化粧シートの裏面に均一に塗布された水系接着剤の塗布量を膜厚計でその塗布された水系接着剤の水分量に基づいて測定するので、一般的な非接触式の安価な膜厚計で水系接着剤の塗布量を連続的に正確に測定することができる。さらに、化粧シートが樹脂製であるので、化粧シートに水分が殆ど含まないため、化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量をいっそう正確に測定することができる。
上記各板状基材は、木質基材であってもよい。
上記の方法によれば、各板状基材が木質基材であるので、木質のシート化粧板材を製造することができる。
上記膜厚計は、上記長尺の化粧シートの幅方向に沿って移動可能に設けられていてもよい。
上記の方法によれば、膜厚計が化粧シートの幅方向に沿って移動可能に設けられているので、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤において、ローピングの発生が抑制されているので、水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定するだけで、水系接着剤の塗布量を正確に把握することができる。
また、本発明に係るシート化粧板材の製造装置は、一方向に並んだ複数の板状基材に水系接着剤を介して長尺の化粧シートを連続的に貼付し、該長尺の化粧シートを上記板状基材毎に個片化した後に、該個片化した化粧シートと該化粧シートに貼付された板状基材とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材の製造装置であって、上記長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗布装置と、上記塗布装置で塗布された水系接着剤の塗布量を測定する非接触式の膜厚計とを備え、上記塗布装置は、上記長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、該長尺の化粧シートを介して該バックアップ部に対向するように設けられ、該長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、該塗工部により形成される隙間に応じて上記水系接着剤の塗布量を調整するように構成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、長尺の化粧シートを介してバックアップ部に対向するように設けられ、長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、塗工部により形成される隙間に応じて水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置により、一方向に並んだ複数の板状基材に貼付する長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布するので、ロールコーターを用いた塗布方法で懸念されるローピングの発生を抑制することができる。これにより、化粧シートの幅方向において、均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定するので、化粧シートの長さ方向において、水系接着剤の塗布量の変化を連続的に検知することができる。これにより、長尺の化粧シートに対して、幅方向に均一な水系接着剤の膜厚を長さ方向に維持することができるので、長尺の化粧シートの裏面に対して、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。さらに、長尺の化粧シートの裏面に、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができるので、平滑性に優れた美麗なシート化粧板材を製造することができる。
ここで、シート化粧板材を製造する際には、例えば、水系接着剤の粘度の異常等によって、水系接着剤の膜厚が薄すぎたり厚すぎたりすると様々な不具合が発生するので、水系接着剤の塗布量が所定の範囲を超える場合、製造ラインを一旦止めて、水系接着剤の塗布状況を確認する必要がある。このような場合にも、ローピングの発生が抑制されているので、連続的な塗布量の監視により不具合に対する速やかな対応を行うことができるだけでなく、不良品の発生を抑制することができ、より品質の安定した安価なシート化粧板材を製造することができる。
上記塗布装置は、タンクに貯留された上記水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、該供給された水系接着剤を化粧シートの裏面に上記スロットダイから吐出して塗布するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、塗布装置が、タンクに貯留された水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、その供給された水系接着剤を化粧シートの裏面にスロットダイから吐出して塗布するように構成されているので、スロットダイに形成された隙間に応じて、長尺の化粧シートの裏面に塗布する水系接着剤の塗布量を具体的に調整することができる。
上記塗工部の上流側には、上記隙間よりも小さい目のフィルターが設けられ、上記塗布装置は、上記容積式ポンプにおける上記水系接着剤の圧力が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、塗工部の上流側には、塗工部により形成される隙間よりも小さい目のフィルターが設けられている。ここで、塗工部を構成するスロットダイに形成された隙間よりも小さい目のフィルターを通して塗工部に水系接着剤が供給されるので、水系接着剤を製造する際、工場で製造、保管及び調整する際に水系接着剤に混入され得るカスや凝集物等のゴミをフィルターで取り除くことができる。ここで、スロットダイを備えたダイコーターでは、圧力を加えながら、目の細かいフィルターを通して、スロットダイに水系接着剤が供給されるので、塗工部により形成される隙間に水系接着剤に混入され得るゴミが詰まり難くなることにより、化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する際に、長時間にわたり膜切れの発生を抑制することができる。また、塗布装置が、容積式ポンプにおける水系接着剤の圧力が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されているので、製造時の不具合に対して、速やかに対応することができ、不良品の発生を抑制することができる。
上記塗布装置は、上記膜厚計で測定した上記水系接着剤の塗布量が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、塗布装置が、膜厚計で測定した水系接着剤の塗布量が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されているので、製造時の不具合に対して、速やかに対応することができ、不良品の発生を抑制することができる。
上記膜厚計は、上記塗工部により形成される隙間に沿って平行移動可能に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、膜厚計が、塗工部により形成される隙間に沿って、すなわち、化粧シートの幅方向に沿って平行移動可能に設けられているので、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定することができ、塗工部により形成される隙間の一方端から他方端までにわたって水系接着剤の塗布量を測定することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤において、ローピングの発生が抑制されているので、水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定するだけで、水系接着剤の塗布量を正確に把握することができる。
本発明によれば、長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、塗工部により形成される隙間に応じて水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置で長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布した後に、その塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定するので、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。
本発明の第1の実施形態に係るシート化粧板材の製造方法に用いる板材製造装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るシート化粧板材の製造方法に用いる板材製造装置を構成する塗布装置の第1の変形例の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るシート化粧板材の製造方法に用いる板材製造装置を構成する塗布装置の第2の変形例の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《第1の実施形態》
図1は、本発明に係るシート化粧板材の製造方法及び製造装置の第1の実施形態を示している。なお、本実施形態では、シート化粧板材として、シート化粧床材を例示する。ここで、図1は、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法に用いる床材製造装置50の概略構成図である。また、図2及び図3は、床材製造装置50を構成する塗布装置の第1及び第2の変形例の概略構成図である。
シート化粧床材15は、図1に示すように、板状基材として設けられた木質基材10と、木質基材10上に接着剤層11aを介して設けられた(短尺の)化粧シート12aとを備えている。
木質基材10は、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等の木質材料により構成されている。ここで、板状基材としては、吸水性を有していれば、木質基材10の他に、火山性ガラス質複層板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード等の無機基材であってもよい。
接着剤層11aは、例えば、酢酸ビニル系、水性ビニルウレタン系、アクリル系、イソシアネート系、ユリア系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリビニルアルコール系等の水系接着剤11を乾燥させて構成されている。ここで、接着剤層11aには、必要に応じて、例えば、イソシアネート系やメラミン系等の硬化剤が添加されていてもよい。
化粧シート12aは、樹脂製であり、例えば、厚さ0.1mm〜0.4mm程度のオレフィン樹脂、PET(polyethylene terephthalate)樹脂、塩化ビニル樹脂等の水分を殆ど含まない樹脂フィルムにより形成されている。ここで、化粧シート12aとしては、樹脂シートの他に、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、不織布、織布、木質薄化粧突き板、畳表等の薄いシート材であってもよい。また、化粧シート12aの厚さとしては、後述する長尺の化粧シート12を巻き出す巻出ロール35との兼ね合いで決定すればよく、紙であれば、例えば0.05mm〜0.3mm程度のもの、樹脂シートであれば、例えば、0.15mm〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。なお、化粧シート12aには、例えば、木目、石目、抽象柄等が印刷されている。
次に、シート化粧床材15を製造する床材製造装置50について説明する。
床材製造装置50は、図1に示すように、塗布装置として設けられたダイコーター30と、ダイコーター30の後述するバックアップロール25の図中右側に設けられた巻出ロール35と、バックアップロール25の図中下側に設けられた貼付ロール40と、バックアップロール25の図中左側に設けられた膜厚計41と、貼付ロール40の図中右側に設けられた裁断機45とを備えている。なお、床材製造装置50において、貼付ロール40の図1中下側には、複数の木質基材10を図1中左側から図中1右側に一枚ずつ連続的に搬送するように搬送コンベヤーや搬送ロール等の搬送手段(不図示)が設けられている。
ダイコーター30は、図1に示すように、塗工部として設けられたTダイ20と、Tダイ20に接続配管24を介して接続されたタンク23と、接続配管24の経路中にTダイ20側から順に設けられたフィルター21及び容積式ポンプ22と、Tダイ20の図中下側にTダイ20に対向するようにバックアップ部として設けられたバックアップロール25とを備えている。なお、ダイコーター30は、容積式ポンプ22における水系接着剤11の圧力が所定範囲を超えた場合、膜厚計41で測定した水系接着剤11の塗布量が所定範囲を超えた場合等に異常を検知するように構成されていてもよい。
Tダイ20は、図1に示すように、タンク23から供給された水系接着剤11を、例えば、0.3mm程度の幅の細長い隙間Cから定量的にバックアップロール25側に吐出するように設けられている。
フィルター21は、例えば、スチール製の金網等により構成され、Tダイ20の隙間よりも小さい目(例えば、100メッシュ程度)を有している。ここで、100メッシュのフィルター21は、例えば、その線径が0.11mmの場合、その目開きの大きさが0.144mmであり、その線径が0.10mmの場合、その目開きの大きさは、0.154mmである。
容積式ポンプ22は、タンク23に貯留された水系接着剤11をTダイ20に一定時間に一定量で送り出すように設けられている。
バックアップロール25は、その回転駆動により、巻出ロール35から供給された化粧シート12を貼付ロール40に搬送すると共に、その搬送中の化粧シート12の裏面にTダイ20からの水系接着剤11が塗布されるように設けられている。
本実施形態では、塗布装置として設けられたダイコーター30を例示したが、塗布装置は、ナイフコーターやコンマコーター等であってもよい。ここで、ナイフコーターは、図2に示すように、化粧シート12の表面に当接するバックアップロール25と、バックアップロール25の周面で化粧シート12の裏面に当接して、水系接着剤11を溜める液受けパン26と、バックアップロール25の周面で化粧シート12の裏面に一定の隙間Cを空けて塗工部として配置された金属製のナイフ20aとを備え、液受けパン26において化粧シート12の裏面に付着した水系接着剤11をナイフ20aでこそげ取って、均一な膜厚で水系接着剤11を塗布するように構成されている。また、コンマコーターは、図3に示すように、上記ナイフコーターを構成するナイフ20aの代わりに、横断面がコンマ形状のコンマロール20bをバックアップロール25の周面で化粧シート12の裏面に一定の隙間Cを空けて配置し、液受けパン26において化粧シート12の裏面に付着した水系接着剤11をコンマロール20bでこそげ取って、均一な膜厚で水系接着剤11を塗布するように構成されている。なお、塗布装置として上記ナイフコーターやコンマコーターを用いた場合には、上述した容積式ポンプ22に代えて、他の供給ポンプを用いてもよい。
巻出ロール35は、その回転駆動により、ロール状に巻かれた長尺の化粧シート12を巻き出してダイコーター30のバックアップロール25の周面に供給するように設けられている。
貼付ロール40は、その回転駆動により、搬送中の木質基材10の表面に水系接着剤11を介して化粧シート12を貼り付けるように設けられている。
膜厚計41は、ダイコーター30で塗布された水系接着剤11の塗膜に、例えば、赤外線を照射し、その反射スペクトルを解析することにより、その水分量を算出して、その水分量に基づいて水系接着剤11の塗布量を測定するように設けられている。また、膜厚計41は、化粧シート12の幅方向に沿ってスライド移動可能に設けられている。
裁断機45は、木質基材10に貼付した長尺の化粧シート12を木質基材10毎に裁断して短尺の化粧シート12aに個片化するように設けられている。
次に、上記構成の床材製造装置50を用いたシート化粧床材15の製造方法について説明する。
まず、タンク23内に水系接着剤11を貯留し、巻出ロール35にロール状の化粧シート12を設置し、搬送手段に複数の木質基材10をセットする。
続いて、巻出ロール35から化粧シート12を巻き出して、化粧シート12をバックアップロール25及び貼付ロール40に順に送った後に、巻出ロール35、バックアップロール25及び貼付ロール40を駆動させながら容積式ポンプ22を作動させることにより、化粧シート12の裏面にTダイ20から吐出された水系接着剤11を塗布する。ここで、水系接着剤11の塗布量は、例えば、50g/m〜150g/m程度(好ましくは、50g/m〜100g/m)である。また、水系接着剤11の塗布量(膜厚)は、上述したように、非接触式の膜厚計41から赤外線を照射して、その水系接着剤11に含まれる水分量に基づいて測定される。なお、水系接着剤11の塗布量(膜厚)が所定の範囲内に入らない場合には、製造ラインを一旦止め、Tダイ20の隙間Cや容積式ポンプ22の送り量等を確認及び調整する。
その後、搬送手段を作動させることにより、木質基材10を搬送しながら木質基材10の表面に水系接着剤11を塗布した化粧シート12を介して貼付ロール40の周壁を接触させて、木質基材10に水系接着剤11を介して化粧シート12を連続的に貼付する。
さらに、木質基材10に貼付された長尺の化粧シート12を木質基材10毎に裁断機45で裁断することにより、個片化した後に、複数個を積み重ねた状態で平板状にプレスし、木質基材10と短尺の化粧シート12aとの間の水系接着剤11を乾燥して、木質基材10の表面に化粧シート12aを固着させて、積層一体化する。
以上のようにして、本実施形態のシート化粧床材15を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、化粧シート12の表面に当接するバックアップロール25と、化粧シート12を介してバックアップロール25に対向するように設けられ、化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布するTダイ20とを備え、Tダイ20により形成される隙間Cに応じて水系接着剤11の塗布量を調整するダイコーター30により、一方向に並んだ複数の木質基材10に貼付する化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布するので、ロールコーターを用いた塗布方法で懸念されるローピングの発生を抑制することができる。これにより、化粧シート12の幅方向において、均一な膜厚で水系接着剤11を塗布することができる。また、長尺の化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量を非接触式の膜厚計41で測定するので、化粧シート12の長さ方向において、水系接着剤11の塗布量の変化を連続的に検知することができる。これにより、長尺の化粧シート12に対して、幅方向に均一な水系接着剤11の膜厚を長さ方向に維持することができるので、長尺の化粧シート12の裏面に対して、高粘度の水系接着剤11を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤11を塗布することができる。さらに、長尺の化粧シート12の裏面に、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤11を塗布することができるので、平滑性に優れた美麗なシート化粧床材15を製造することができる。
ここで、シート化粧床材15を製造する際には、例えば、水系接着剤11の粘度の異常、フィルター21の目詰まり等によって、水系接着剤11の膜厚が薄すぎたり厚すぎたりすると様々な不具合が発生するので、水系接着剤11の塗布量が所定の範囲を超える場合、製造ラインを一旦止めて、水系接着剤11の塗布状況を確認する必要がある。このような場合にも、ローピングの発生が抑制されているので、連続的な塗布量の監視により不具合に対する速やかな対応を行うことができるだけでなく、不良品の発生を抑制することができ、より品質の安定した安価なシート化粧床材15を製造することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、ローピングの発生を抑制して、化粧シート12の裏面に均一に塗布された水系接着剤11の塗布量を膜厚計41でその塗布された水系接着剤11の水分量に基づいて測定するので、一般的な非接触式の安価な膜厚計41で水系接着剤11の塗布量を連続的に正確に測定することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、化粧シート12が樹脂製であるので、化粧シート12に水分が殆ど含まないため、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量をいっそう正確に測定することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、Tダイ20には、Tダイ20により形成される隙間Cよりも小さい目のフィルター21を通して水系接着剤11が供給されるので、水系接着剤11を製造する際、工場で製造、保管及び調整する際に水系接着剤11に混入され得るカスや凝集物等のゴミをフィルター21で取り除くことができる。ここで、ダイコーター30では、圧力を加えながら、目の細かいフィルター21を通して、Tダイ20に水系接着剤11を供給するので、Tダイ20により形成される隙間Cに水系接着剤11に混入され得るゴミが詰まり難くなることにより、化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布する際に、長時間にわたり膜切れの発生を抑制することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、膜厚計41が化粧シート12の幅方向に沿って平行移動可能に設けられているので、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量を化粧シート12の幅方向の任意の位置で測定することができ、Tダイ20により形成される隙間Cの一方端から他方端までにわたって水系接着剤11の塗布量を測定することができる。また、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11において、ローピングの発生が抑制されることにより、化粧シート12の幅方向における水系接着剤11の塗布量のばらつきが抑制されているので、水系接着剤11の塗布量を化粧シート12の幅方向の任意の位置で測定するだけで、化粧シート12の幅方向における水系接着剤11の塗布量を正確に把握することができる。
なお、本実施形態では、特に明示しなかったが、非接触式の膜厚計41により、化粧シート12の表面がバックアップロール25に当接した状態で、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量を測定すれば、塗布量を測定する際の化粧シート12のばたつきを抑制することができ、水系接着剤11の塗布量の変化を正確に検知することができる。また、水系接着剤の塗布量を測定する際の化粧シート12のばたつきを抑制することができるので、非接触式の膜厚計41と化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11とが接触するリスクを軽減することができる。
《その他の実施形態》
上記第1の実施形態では、シート化粧板材として、床材を例示したが、本発明は、壁材や天井材等にも適用することができる。
また、上記第1の実施形態では、一列に並んだ複数の板状基材に長尺の化粧シートを連続的に貼付するシート化粧板材の製造方法を例示したが、本発明は、複数列に並んだ複数の板状基材に長尺の化粧シートを連続的に貼付するシート化粧板材の製造方法等にも適用することができる。
以上説明したように、本発明は、長尺の化粧シートに対して、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができるので、極めて有用である。
10 木質基材(板状基材)
11 水系接着剤
12 (長尺の)化粧シート
12a (個片化した)化粧シート
15 シート化粧床材(シート化粧板材)
20 Tダイ(塗工部)
21 フィルター
25 バックアップロール(バックアップ部)
30 ダイコーター(塗布装置)
41 膜厚計
50 床材製造装置(シート化粧板材の製造装置)
本発明は、シート化粧板材の製造方法及び製造装置に関するものである。
例えば、板状の木質基材の表面に化粧シートを貼り付けた化粧シートタイプの床材は、近年、商品バリエーションが充実し、注目されている。ここで、化粧シートと木質基材との間には、化粧シートの裏面又は木質基材の表面に塗布された接着剤が介在している。そして、接着剤には、安価な水系接着剤や高価なホットメルト系接着剤等があり、ホットメルト系接着剤では、短時間で安定した接着力を実現することができるものの、コストアップを招くので、水系接着剤を用いたシート化粧板材の製造が見直されている。
例えば、特許文献1には、ロールコーターを用いて、長尺の帯状体に連続して塗布処理を行う塗布方法が開示されている。
特許第5200650号公報
ところで、上記特許文献1に開示されたロールコーターで水系接着剤を塗布する方法では、ライン速度等の設備条件を調整しても、ロールの周方向に沿ってローピングと呼ばれる筋模様が発生する傾向にあり、その傾向は、使用する水系接着剤の粘度が高くなる程、顕著になる。また、ロールコーターで水系接着剤を塗布する方法では、表面積の大きいロールが水系接着剤を表面に濡れ広げた状態で回転することにより、ロールの表面に凝集物が生成し、木質基材と化粧シートとの間に凝集物が挟み込まれるおそれがある。なお、ホットメルト系接着剤を用いた場合には、加熱すると、接着剤自体が溶融するので、接着剤内に凝集物等の異物が生成するおそれが殆どない。また、木質基材と化粧シートとを水系接着剤で接着するには、水系接着剤に含まれる水分による木質基材の反りや寸法変化を抑制するために、出来るだけ水分量が少なく、樹脂含有率の高い水系接着剤を均一に薄く塗布することが好ましく、例えば、50g/m〜200g/m程度(好ましくは50g/m〜100g/m程度)で水系接着剤を均一に薄く塗布する必要があるので、上記のようなローピングが発生していると、化粧シートの表面の平滑性が損なわれたり、塗布された水系接着剤の塗布量の測定及び管理が困難になったりしてしまう。なお、ローピングを抑制する方法としては、ホットメルト系接着剤を用いた場合には、加熱により粘度を下げることが考えられるものの、水系接着剤を用いた場合には、粘度を下げるために水分量を増やすと、固形分の低下による接着力の低下、さらに接着力を確保するために塗布量を多くすると、塗布された水分量の多い接着剤での液だれの発生、化粧シートの表面の平滑性の低下、木質基材と化粧シートとを積層一体化した後に接着強度を確保するために必要な時間の長期化等が懸念される。このように、木質基材と化粧シートとを接着するために、ロールコーターで水系接着剤を塗布する方法では、上記のような問題があるので、水系接着剤を安定的に且つ連続的に均一な膜厚で塗布することが難しく、改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るシート化粧板材の製造方法は、一方向に並んだ複数の板状基材に水系接着剤を介して長尺の化粧シートを連続的に貼付し、該長尺の化粧シートを上記板状基材毎に個片化した後に、該個片化した化粧シートと該化粧シートに貼付された板状基材とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材の製造方法であって、上記長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、該長尺の化粧シートを介して該バックアップ部に対向するように設けられ、該長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、該塗工部により形成される隙間に応じて上記水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置で上記長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布した後に、該塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定し、上記塗布装置は、タンクに貯留された上記水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながら上記塗工部として設けられたスロットダイに供給し、該供給された水系接着剤を化粧シートの裏面に上記スロットダイの隙間から吐出して塗布するように構成されていることを特徴とする。
上記の方法によれば、長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、長尺の化粧シートを介してバックアップ部に対向するように設けられ、長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、塗工部により形成される隙間に応じて水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置により、一方向に並んだ複数の板状基材に貼付する長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布するので、ロールコーターを用いた塗布方法で懸念されるローピングの発生を抑制することができる。これにより、化粧シートの幅方向において、均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定するので、化粧シートの長さ方向において、水系接着剤の塗布量の変化を連続的に検知することができる。これにより、長尺の化粧シートに対して、幅方向に均一な水系接着剤の膜厚を長さ方向に維持することができるので、長尺の化粧シートの裏面に対して、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。さらに、長尺の化粧シートの裏面に、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができるので、平滑性に優れた美麗なシート化粧板材を製造することができる。
ここで、シート化粧板材を製造する際には、例えば、水系接着剤の粘度の異常等によって、水系接着剤の膜厚が薄すぎたり厚すぎたりすると様々な不具合が発生するので、水系接着剤の塗布量が所定の範囲を超える場合、製造ラインを一旦止めて、水系接着剤の塗布状況を確認する必要がある。このような場合にも、ローピングの発生が抑制されているので、連続的な塗布量の監視により不具合に対する速やかな対応を行うことができるだけでなく、不良品の発生を抑制することができ、より品質の安定した安価なシート化粧板材を製造することができる
さらに、塗布装置が、タンクに貯留された水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、その供給された水系接着剤を化粧シートの裏面にスロットダイから吐出して塗布するように構成されているので、スロットダイに形成された隙間に応じて、長尺の化粧シートの裏面に塗布する水系接着剤の塗布量を具体的に調整することができる。
上記塗工部には、上記隙間よりも小さい目のフィルターを通して上記水系接着剤が供給されてもよい。
上記の方法によれば、塗工部には、塗工部により形成される隙間よりも小さい目のフィルターを通して水系接着剤が供給される。より具体的には、水系接着剤が吐出される塗工部(例えば、ダイコーターのスロットダイ)に形成された隙間よりも小さい目のフィルターを通して塗工部に水系接着剤が供給されるので、水系接着剤を製造する際、工場で製造、保管及び調整する際に水系接着剤に混入され得るカスや凝集物等のゴミをフィルターで取り除くことができる。特に、ダイコーターでは、圧力を加えながら、目の細かいフィルターを通して、スロットダイに水系接着剤を供給するので、塗工部により形成される隙間に水系接着剤に混入され得るゴミが詰まり難くなることにより、化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する際に、長時間にわたり膜切れの発生を抑制することができる。
上記化粧シートは、樹脂製であり、上記膜厚計は、上記塗布された水系接着剤の水分量に基づいて上記塗布量を測定するように設けられていてもよい。
上記の方法によれば、ローピングの発生を抑制して、長尺の化粧シートの裏面に均一に塗布された水系接着剤の塗布量を膜厚計でその塗布された水系接着剤の水分量に基づいて測定するので、一般的な非接触式の安価な膜厚計で水系接着剤の塗布量を連続的に正確に測定することができる。さらに、化粧シートが樹脂製であるので、化粧シートに水分が殆ど含まないため、化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量をいっそう正確に測定することができる。
上記各板状基材は、木質基材であってもよい。
上記の方法によれば、各板状基材が木質基材であるので、木質のシート化粧板材を製造することができる。
上記膜厚計は、上記長尺の化粧シートの幅方向に沿って移動可能に設けられていてもよい。
上記の方法によれば、膜厚計が化粧シートの幅方向に沿って移動可能に設けられているので、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤において、ローピングの発生が抑制されているので、水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定するだけで、水系接着剤の塗布量を正確に把握することができる。
また、本発明に係るシート化粧板材の製造装置は、一方向に並んだ複数の板状基材に水系接着剤を介して長尺の化粧シートを連続的に貼付し、該長尺の化粧シートを上記板状基材毎に個片化した後に、該個片化した化粧シートと該化粧シートに貼付された板状基材とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材の製造装置であって、上記長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗布装置と、上記塗布装置で塗布された水系接着剤の塗布量を測定する非接触式の膜厚計とを備え、上記塗布装置は、上記長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、該長尺の化粧シートを介して該バックアップ部に対向するように設けられ、該長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、該塗工部により形成される隙間に応じて上記水系接着剤の塗布量を調整するように構成され、タンクに貯留された上記水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながら上記塗工部として設けられたスロットダイに供給し、該供給された水系接着剤を化粧シートの裏面に上記スロットダイの隙間から吐出して塗布するように構成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、長尺の化粧シートを介してバックアップ部に対向するように設けられ、長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、塗工部により形成される隙間に応じて水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置により、一方向に並んだ複数の板状基材に貼付する長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布するので、ロールコーターを用いた塗布方法で懸念されるローピングの発生を抑制することができる。これにより、化粧シートの幅方向において、均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定するので、化粧シートの長さ方向において、水系接着剤の塗布量の変化を連続的に検知することができる。これにより、長尺の化粧シートに対して、幅方向に均一な水系接着剤の膜厚を長さ方向に維持することができるので、長尺の化粧シートの裏面に対して、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。さらに、長尺の化粧シートの裏面に、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができるので、平滑性に優れた美麗なシート化粧板材を製造することができる。
ここで、シート化粧板材を製造する際には、例えば、水系接着剤の粘度の異常等によって、水系接着剤の膜厚が薄すぎたり厚すぎたりすると様々な不具合が発生するので、水系接着剤の塗布量が所定の範囲を超える場合、製造ラインを一旦止めて、水系接着剤の塗布状況を確認する必要がある。このような場合にも、ローピングの発生が抑制されているので、連続的な塗布量の監視により不具合に対する速やかな対応を行うことができるだけでなく、不良品の発生を抑制することができ、より品質の安定した安価なシート化粧板材を製造することができる。
さらに、塗布装置が、タンクに貯留された水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、その供給された水系接着剤を化粧シートの裏面にスロットダイから吐出して塗布するように構成されているので、スロットダイに形成された隙間に応じて、長尺の化粧シートの裏面に塗布する水系接着剤の塗布量を具体的に調整することができる。
上記塗工部の上流側には、上記隙間よりも小さい目のフィルターが設けられ、上記塗布装置は、上記容積式ポンプにおける上記水系接着剤の圧力が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、塗工部の上流側には、塗工部により形成される隙間よりも小さい目のフィルターが設けられている。ここで、塗工部を構成するスロットダイに形成された隙間よりも小さい目のフィルターを通して塗工部に水系接着剤が供給されるので、水系接着剤を製造する際、工場で製造、保管及び調整する際に水系接着剤に混入され得るカスや凝集物等のゴミをフィルターで取り除くことができる。ここで、スロットダイを備えたダイコーターでは、圧力を加えながら、目の細かいフィルターを通して、スロットダイに水系接着剤が供給されるので、塗工部により形成される隙間に水系接着剤に混入され得るゴミが詰まり難くなることにより、化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布する際に、長時間にわたり膜切れの発生を抑制することができる。また、塗布装置が、容積式ポンプにおける水系接着剤の圧力が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されているので、製造時の不具合に対して、速やかに対応することができ、不良品の発生を抑制することができる。
上記塗布装置は、上記膜厚計で測定した上記水系接着剤の塗布量が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、塗布装置が、膜厚計で測定した水系接着剤の塗布量が所定範囲を超えた場合に異常を検知するように構成されているので、製造時の不具合に対して、速やかに対応することができ、不良品の発生を抑制することができる。
上記膜厚計は、上記塗工部により形成される隙間に沿って平行移動可能に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、膜厚計が、塗工部により形成される隙間に沿って、すなわち、化粧シートの幅方向に沿って平行移動可能に設けられているので、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定することができ、塗工部により形成される隙間の一方端から他方端までにわたって水系接着剤の塗布量を測定することができる。また、長尺の化粧シートの裏面に塗布された水系接着剤において、ローピングの発生が抑制されているので、水系接着剤の塗布量を化粧シートの幅方向の任意の位置で測定するだけで、水系接着剤の塗布量を正確に把握することができる。
本発明によれば、長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、塗工部により形成される隙間に応じて水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置で長尺の化粧シートの裏面に水系接着剤を塗布した後に、その塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定するので、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができる。
本発明の第1の実施形態に係るシート化粧板材の製造方法に用いる板材製造装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るシート化粧板材の製造方法に用いる板材製造装置を構成する塗布装置の第1の変形例の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るシート化粧板材の製造方法に用いる板材製造装置を構成する塗布装置の第2の変形例の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《第1の実施形態》
図1は、本発明に係るシート化粧板材の製造方法及び製造装置の第1の実施形態を示している。なお、本実施形態では、シート化粧板材として、シート化粧床材を例示する。ここで、図1は、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法に用いる床材製造装置50の概略構成図である。また、図2及び図3は、床材製造装置50を構成する塗布装置の第1及び第2の変形例の概略構成図である。
シート化粧床材15は、図1に示すように、板状基材として設けられた木質基材10と、木質基材10上に接着剤層11aを介して設けられた(短尺の)化粧シート12aとを備えている。
木質基材10は、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等の木質材料により構成されている。ここで、板状基材としては、吸水性を有していれば、木質基材10の他に、火山性ガラス質複層板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード等の無機基材であってもよい。
接着剤層11aは、例えば、酢酸ビニル系、水性ビニルウレタン系、アクリル系、イソシアネート系、ユリア系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリビニルアルコール系等の水系接着剤11を乾燥させて構成されている。ここで、接着剤層11aには、必要に応じて、例えば、イソシアネート系やメラミン系等の硬化剤が添加されていてもよい。
化粧シート12aは、樹脂製であり、例えば、厚さ0.1mm〜0.4mm程度のオレフィン樹脂、PET(polyethylene terephthalate)樹脂、塩化ビニル樹脂等の水分を殆ど含まない樹脂フィルムにより形成されている。ここで、化粧シート12aとしては、樹脂シートの他に、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、不織布、織布、木質薄化粧突き板、畳表等の薄いシート材であってもよい。また、化粧シート12aの厚さとしては、後述する長尺の化粧シート12を巻き出す巻出ロール35との兼ね合いで決定すればよく、紙であれば、例えば0.05mm〜0.3mm程度のもの、樹脂シートであれば、例えば、0.15mm〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。なお、化粧シート12aには、例えば、木目、石目、抽象柄等が印刷されている。
次に、シート化粧床材15を製造する床材製造装置50について説明する。
床材製造装置50は、図1に示すように、塗布装置として設けられたダイコーター30と、ダイコーター30の後述するバックアップロール25の図中右側に設けられた巻出ロール35と、バックアップロール25の図中下側に設けられた貼付ロール40と、バックアップロール25の図中左側に設けられた膜厚計41と、貼付ロール40の図中右側に設けられた裁断機45とを備えている。なお、床材製造装置50において、貼付ロール40の図1中下側には、複数の木質基材10を図1中左側から図中1右側に一枚ずつ連続的に搬送するように搬送コンベヤーや搬送ロール等の搬送手段(不図示)が設けられている。
ダイコーター30は、図1に示すように、塗工部として設けられたTダイ20と、Tダイ20に接続配管24を介して接続されたタンク23と、接続配管24の経路中にTダイ20側から順に設けられたフィルター21及び容積式ポンプ22と、Tダイ20の図中下側にTダイ20に対向するようにバックアップ部として設けられたバックアップロール25とを備えている。なお、ダイコーター30は、容積式ポンプ22における水系接着剤11の圧力が所定範囲を超えた場合、膜厚計41で測定した水系接着剤11の塗布量が所定範囲を超えた場合等に異常を検知するように構成されていてもよい。
Tダイ20は、図1に示すように、タンク23から供給された水系接着剤11を、例えば、0.3mm程度の幅の細長い隙間Cから定量的にバックアップロール25側に吐出するように設けられている。
フィルター21は、例えば、スチール製の金網等により構成され、Tダイ20の隙間よりも小さい目(例えば、100メッシュ程度)を有している。ここで、100メッシュのフィルター21は、例えば、その線径が0.11mmの場合、その目開きの大きさが0.144mmであり、その線径が0.10mmの場合、その目開きの大きさは、0.154mmである。
容積式ポンプ22は、タンク23に貯留された水系接着剤11をTダイ20に一定時間に一定量で送り出すように設けられている。
バックアップロール25は、その回転駆動により、巻出ロール35から供給された化粧シート12を貼付ロール40に搬送すると共に、その搬送中の化粧シート12の裏面にTダイ20からの水系接着剤11が塗布されるように設けられている。
本実施形態では、塗布装置として設けられたダイコーター30を例示したが、塗布装置は、ナイフコーターやコンマコーター等であってもよい。ここで、ナイフコーターは、図2に示すように、化粧シート12の表面に当接するバックアップロール25と、バックアップロール25の周面で化粧シート12の裏面に当接して、水系接着剤11を溜める液受けパン26と、バックアップロール25の周面で化粧シート12の裏面に一定の隙間Cを空けて塗工部として配置された金属製のナイフ20aとを備え、液受けパン26において化粧シート12の裏面に付着した水系接着剤11をナイフ20aでこそげ取って、均一な膜厚で水系接着剤11を塗布するように構成されている。また、コンマコーターは、図3に示すように、上記ナイフコーターを構成するナイフ20aの代わりに、横断面がコンマ形状のコンマロール20bをバックアップロール25の周面で化粧シート12の裏面に一定の隙間Cを空けて配置し、液受けパン26において化粧シート12の裏面に付着した水系接着剤11をコンマロール20bでこそげ取って、均一な膜厚で水系接着剤11を塗布するように構成されている。なお、塗布装置として上記ナイフコーターやコンマコーターを用いた場合には、上述した容積式ポンプ22に代えて、他の供給ポンプを用いてもよい。
巻出ロール35は、その回転駆動により、ロール状に巻かれた長尺の化粧シート12を巻き出してダイコーター30のバックアップロール25の周面に供給するように設けられている。
貼付ロール40は、その回転駆動により、搬送中の木質基材10の表面に水系接着剤11を介して化粧シート12を貼り付けるように設けられている。
膜厚計41は、ダイコーター30で塗布された水系接着剤11の塗膜に、例えば、赤外線を照射し、その反射スペクトルを解析することにより、その水分量を算出して、その水分量に基づいて水系接着剤11の塗布量を測定するように設けられている。また、膜厚計41は、化粧シート12の幅方向に沿ってスライド移動可能に設けられている。
裁断機45は、木質基材10に貼付した長尺の化粧シート12を木質基材10毎に裁断して短尺の化粧シート12aに個片化するように設けられている。
次に、上記構成の床材製造装置50を用いたシート化粧床材15の製造方法について説明する。
まず、タンク23内に水系接着剤11を貯留し、巻出ロール35にロール状の化粧シート12を設置し、搬送手段に複数の木質基材10をセットする。
続いて、巻出ロール35から化粧シート12を巻き出して、化粧シート12をバックアップロール25及び貼付ロール40に順に送った後に、巻出ロール35、バックアップロール25及び貼付ロール40を駆動させながら容積式ポンプ22を作動させることにより、化粧シート12の裏面にTダイ20から吐出された水系接着剤11を塗布する。ここで、水系接着剤11の塗布量は、例えば、50g/m〜150g/m程度(好ましくは、50g/m〜100g/m)である。また、水系接着剤11の塗布量(膜厚)は、上述したように、非接触式の膜厚計41から赤外線を照射して、その水系接着剤11に含まれる水分量に基づいて測定される。なお、水系接着剤11の塗布量(膜厚)が所定の範囲内に入らない場合には、製造ラインを一旦止め、Tダイ20の隙間Cや容積式ポンプ22の送り量等を確認及び調整する。
その後、搬送手段を作動させることにより、木質基材10を搬送しながら木質基材10の表面に水系接着剤11を塗布した化粧シート12を介して貼付ロール40の周壁を接触させて、木質基材10に水系接着剤11を介して化粧シート12を連続的に貼付する。
さらに、木質基材10に貼付された長尺の化粧シート12を木質基材10毎に裁断機45で裁断することにより、個片化した後に、複数個を積み重ねた状態で平板状にプレスし、木質基材10と短尺の化粧シート12aとの間の水系接着剤11を乾燥して、木質基材10の表面に化粧シート12aを固着させて、積層一体化する。
以上のようにして、本実施形態のシート化粧床材15を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、化粧シート12の表面に当接するバックアップロール25と、化粧シート12を介してバックアップロール25に対向するように設けられ、化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布するTダイ20とを備え、Tダイ20により形成される隙間Cに応じて水系接着剤11の塗布量を調整するダイコーター30により、一方向に並んだ複数の木質基材10に貼付する化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布するので、ロールコーターを用いた塗布方法で懸念されるローピングの発生を抑制することができる。これにより、化粧シート12の幅方向において、均一な膜厚で水系接着剤11を塗布することができる。また、長尺の化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量を非接触式の膜厚計41で測定するので、化粧シート12の長さ方向において、水系接着剤11の塗布量の変化を連続的に検知することができる。これにより、長尺の化粧シート12に対して、幅方向に均一な水系接着剤11の膜厚を長さ方向に維持することができるので、長尺の化粧シート12の裏面に対して、高粘度の水系接着剤11を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤11を塗布することができる。さらに、長尺の化粧シート12の裏面に、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤11を塗布することができるので、平滑性に優れた美麗なシート化粧床材15を製造することができる。
ここで、シート化粧床材15を製造する際には、例えば、水系接着剤11の粘度の異常、フィルター21の目詰まり等によって、水系接着剤11の膜厚が薄すぎたり厚すぎたりすると様々な不具合が発生するので、水系接着剤11の塗布量が所定の範囲を超える場合、製造ラインを一旦止めて、水系接着剤11の塗布状況を確認する必要がある。このような場合にも、ローピングの発生が抑制されているので、連続的な塗布量の監視により不具合に対する速やかな対応を行うことができるだけでなく、不良品の発生を抑制することができ、より品質の安定した安価なシート化粧床材15を製造することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、ローピングの発生を抑制して、化粧シート12の裏面に均一に塗布された水系接着剤11の塗布量を膜厚計41でその塗布された水系接着剤11の水分量に基づいて測定するので、一般的な非接触式の安価な膜厚計41で水系接着剤11の塗布量を連続的に正確に測定することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、化粧シート12が樹脂製であるので、化粧シート12に水分が殆ど含まないため、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量をいっそう正確に測定することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、Tダイ20には、Tダイ20により形成される隙間Cよりも小さい目のフィルター21を通して水系接着剤11が供給されるので、水系接着剤11を製造する際、工場で製造、保管及び調整する際に水系接着剤11に混入され得るカスや凝集物等のゴミをフィルター21で取り除くことができる。ここで、ダイコーター30では、圧力を加えながら、目の細かいフィルター21を通して、Tダイ20に水系接着剤11を供給するので、Tダイ20により形成される隙間Cに水系接着剤11に混入され得るゴミが詰まり難くなることにより、化粧シート12の裏面に水系接着剤11を塗布する際に、長時間にわたり膜切れの発生を抑制することができる。
また、本実施形態のシート化粧床材15の製造方法及び床材製造装置50によれば、膜厚計41が化粧シート12の幅方向に沿って平行移動可能に設けられているので、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量を化粧シート12の幅方向の任意の位置で測定することができ、Tダイ20により形成される隙間Cの一方端から他方端までにわたって水系接着剤11の塗布量を測定することができる。また、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11において、ローピングの発生が抑制されることにより、化粧シート12の幅方向における水系接着剤11の塗布量のばらつきが抑制されているので、水系接着剤11の塗布量を化粧シート12の幅方向の任意の位置で測定するだけで、化粧シート12の幅方向における水系接着剤11の塗布量を正確に把握することができる。
なお、本実施形態では、特に明示しなかったが、非接触式の膜厚計41により、化粧シート12の表面がバックアップロール25に当接した状態で、化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11の塗布量を測定すれば、塗布量を測定する際の化粧シート12のばたつきを抑制することができ、水系接着剤11の塗布量の変化を正確に検知することができる。また、水系接着剤の塗布量を測定する際の化粧シート12のばたつきを抑制することができるので、非接触式の膜厚計41と化粧シート12の裏面に塗布された水系接着剤11とが接触するリスクを軽減することができる。
《その他の実施形態》
上記第1の実施形態では、シート化粧板材として、床材を例示したが、本発明は、壁材や天井材等にも適用することができる。
また、上記第1の実施形態では、一列に並んだ複数の板状基材に長尺の化粧シートを連続的に貼付するシート化粧板材の製造方法を例示したが、本発明は、複数列に並んだ複数の板状基材に長尺の化粧シートを連続的に貼付するシート化粧板材の製造方法等にも適用することができる。
以上説明したように、本発明は、長尺の化粧シートに対して、高粘度の水系接着剤を塗布する場合であっても、ローピングの発生を抑制して、安定的に且つ連続的に均一な膜厚で水系接着剤を塗布することができるので、極めて有用である。
10 木質基材(板状基材)
11 水系接着剤
12 (長尺の)化粧シート
12a (個片化した)化粧シート
15 シート化粧床材(シート化粧板材)
20 Tダイ(塗工部)
21 フィルター
25 バックアップロール(バックアップ部)
30 ダイコーター(塗布装置)
41 膜厚計
50 床材製造装置(シート化粧板材の製造装置)

Claims (8)

  1. 一方向に並んだ複数の板状基材に水系接着剤を介して長尺の化粧シートを連続的に貼付し、該長尺の化粧シートを上記板状基材毎に個片化した後に、該個片化した化粧シートと該化粧シートに貼付された板状基材とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材の製造方法であって、
    上記長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、該長尺の化粧シートを介して該バックアップ部に対向するように設けられ、該長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、該塗工部により形成される隙間に応じて上記水系接着剤の塗布量を調整する塗布装置で上記長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布した後に、該塗布された水系接着剤の塗布量を非接触式の膜厚計で測定することを特徴とするシート化粧板材の製造方法。
  2. 請求項1に記載されたシート化粧板材の製造方法において、
    上記塗布装置は、タンクに貯留された上記水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、該供給された水系接着剤を化粧シートの裏面に上記スロットダイから吐出して塗布するように構成されていることを特徴とするシート化粧板材の製造方法。
  3. 請求項2に記載されたシート化粧板材の製造方法において、
    上記塗工部には、上記隙間よりも小さい目のフィルターを通して上記水系接着剤が供給されることを特徴とするシート化粧板材の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1つに記載されたシート化粧板材の製造方法において、
    上記化粧シートは、樹脂製であり、
    上記膜厚計は、上記塗布された水系接着剤の水分量に基づいて上記塗布量を測定するように設けられていることを特徴とするシート化粧板材の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載されたシート化粧板材の製造方法において、
    上記各板状基材は、木質基材であることを特徴とするシート化粧板材の製造方法。
  6. 一方向に並んだ複数の板状基材に水系接着剤を介して長尺の化粧シートを連続的に貼付し、該長尺の化粧シートを上記板状基材毎に個片化した後に、該個片化した化粧シートと該化粧シートに貼付された板状基材とを平板状にプレスして積層一体化するシート化粧板材の製造装置であって、
    上記長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗布装置と、
    上記塗布装置で塗布された水系接着剤の塗布量を測定する非接触式の膜厚計とを備え、
    上記塗布装置は、上記長尺の化粧シートの表面に当接するバックアップ部と、該長尺の化粧シートを介して該バックアップ部に対向するように設けられ、該長尺の化粧シートの裏面に上記水系接着剤を塗布する塗工部とを備え、該塗工部により形成される隙間に応じて上記水系接着剤の塗布量を調整するように構成されていることを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  7. 請求項6に記載されたシート化粧板材の製造装置において、
    上記塗布装置は、タンクに貯留された上記水系接着剤を容積式ポンプで圧力を加えながらスロットダイに供給し、該供給された水系接着剤を化粧シートの裏面に上記スロットダイから吐出して塗布するように構成されていることを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  8. 請求項6又は7に記載されたシート化粧板材の製造装置において、
    上記膜厚計は、上記塗工部により形成される隙間に沿って平行移動可能に設けられていることを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
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