JP2021194829A - シート化粧板材の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制する
【解決手段】製造装置1は、複数の基材51,…,51を所定の間隔で後側から前側へ搬送する搬送ユニット10と、該搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘り、化粧シート52を水系接着剤53で接着するシート接着ユニット20と、基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の基材51,51間において化粧シート52を前後に切断するシート切断部31とを備えている。貼付ロール23と押圧ロール24との間に、順次搬送される複数の基材51,…,51を化粧シート52の上方から押さえ付ける押さえ部材26,27を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の基材の表面に連続的に化粧シートを接着するシート化粧板材の製造装置に関するものである。
従来、床材等に用いられるシート化粧板材の製造に、複数の板状基材の表面に連続的に化粧シートを接着するシート化粧板材の製造装置が用いられている。従来の製造装置では、所定の方向に連続的に搬送される複数の基材の表面に亘り、裏面に接着剤が塗布された長尺の化粧シートを貼り付けた後、基材間において長尺の化粧シートを切断することによってシート化粧板材を連続的に製造している(例えば、下記の特許文献1を参照)。
上記製造装置では、化粧シートの貼付は、回転駆動される貼付ロールにおいて行われる。具体的には、貼付ロールの外周面に巻き掛けられた長尺の化粧シートの接着剤が塗布された裏面を、貼付ロールの最下点において基材の表面に押し当てることにより、化粧シートが基材の表面に貼り付けられる。
特開2011−88359号公報
ところで、連続的に搬送される複数の基材の中には、多少の反りが生じているものがある。そのような反りが生じた基材が、そのまま貼付ロールの下方に搬送されると、本来、貼付ロールの最下点において基材の表面に化粧シートの裏面を当接させて貼り付けるところ、貼付ロールの最下点よりも後方において基材の浮き上がった前端角部が化粧シートの裏面(接着剤の塗布された面)に衝突してしまい、接着剤を部分的に剥がしてしまうおそれがあった。接着剤の膜厚が薄くなった箇所では、化粧シートが接着し難く剥がれ易いため、基材の反りを補正せずに貼付ロールで化粧シートを貼付する構成では、接着不良のシート化粧板材が製造されるおそれがあった。
特に、接着剤として水系接着剤を用いると、水系接着剤は、ホットメルト接着剤に比べて接着力が発現するまでに時間がかかる上、化粧シートの裏面において一旦乾燥してしまうと、その後いくら化粧シートを基材に押し付けても接着力を発揮できないため、接着不良のシート化粧板材が製造されるおそれが高くなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、貼付ロールの下方に搬送される直前の基材を、基材押さえ部材で下方に押さえ付けるようにした。
具体的には、第1の発明は、板状の基材の表面に化粧シートが接着されて積層一体化されたシート化粧板材を連続的に製造するシート化粧板材の製造装置であって、複数の上記基材を所定の間隔で後側から前側へ搬送する搬送部と、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材の表面に亘り、裏面に水系接着剤が塗布された上記化粧シートを接着するシート接着部と、上記搬送部による上記基材の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の上記基材間において上記化粧シートを前後に切断するシート切断部とを備え、上記シート接着部は、回転しながら外周面の一部に巻き掛けられた上記化粧シートを最下点において上記基材の表面に貼り付ける貼付ロールを有し、上記貼付ロールの後側には、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材を下方に押さえ付ける基材押さえ部材が設けられていることを特徴とするものである。
第1の発明では、貼付ロールの後側に、搬送部によって順次搬送される複数の基材を下方に押さえ付ける基材押さえ部材が設けられている。そのため、基材に反りが生じていても、搬送部によって貼付ロールの下方に搬送される前に、基材押さえ部材によって下方に押さえ付けられることにより、基材の反りが補正され、基材の前端角部が化粧シートの裏面に衝突しなくなる。よって、上記構成によれば、化粧シートは、裏面に塗布された接着剤が部分的に剥がれることなく、均一な膜厚のまま、貼付ロールの最下点において基材の表面に当接して貼り付けられるため、化粧シートが剥がれ難いシート化粧板材を製造することができる。従って、第1の発明によれば、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記基材押さえ部材は、該基材押さえ部材の前端が、前後方向において、上記貼付ロールの中心軸と後端との間に位置づけられるように設けられていることを特徴とするものである。
第2の発明では、基材押さえ部材は、該基材押さえ部材の前端が貼付ロールの後半部分と上下方向に重なる程、貼付ロールに近接して設けられている。基材押さえ部材をこのように設けることにより、搬送部によって順次搬送される複数の基材は、貼付ロールによって表面に化粧シートが貼り付けられる直前まで、基材押さえ部材によって下方に押さえ付けられて反りが補正されることとなる。このような構成によれば、シート化粧板材の製造装置において、貼付ロールの最下点よりも後方において基材の浮き上がった前端角部が化粧シートの裏面(接着剤の塗布された面)に衝突して接着剤を部分的に剥がしてしまうことによって接着不良のシート化粧板材が製造されるのをより確実に抑制することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向において該基材の幅以上の長さに形成され、上記基材を、幅方向の一端から他端まで一体的に押圧するように構成されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、化粧シートの貼り付け直前に、基材押さえ部材によって基材が幅方向の一端から他端まで一体的に押さえ付けられることにより、部分的に押さえ付けられる場合に比べて、基材の反りをより確実に補正することができる。従って、第3の発明によれば、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのをより確実に抑制することができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記基材押さえ部材は、後端部が、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されていることを特徴とするものである。
ところで、複数の基材は、搬送部によって順次後側から前側へ搬送されるのに対し、基材押さえ部材は、前後方向に移動しない。そのため、基材押さえ部材の後端部の形状によっては、基材との摩擦力が増大し、搬送部による基材の搬送を阻害するおそれがある。また、基材押さえ部材の後端角部によって基材の表面が傷つくおそれもある。
これに対し、第4の発明では、基材押さえ部材は、後端部が、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。そのため、基材押さえ部材の後端の角部が基材の表面に当接してひっかかることがない。このような基材押さえ部材によれば、搬送部による基材の搬送を阻害することなく、また、基材の表面を傷つけることなく、基材を下方に押し付けて基材の反りを補正することができる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向に延びる板状部材と、該板状部材の下端面に取り付けられた緩衝部材とを有していることを特徴とするものである。
ところで、硬度が高い材料で構成された基材押さえ部材を用いると、基材押さえ部材によって基材の表面に線状又は面状の押さ付けた跡が残るおそれがある。
第5の発明では、基材押さえ部材が、板状部材と該板状部材の下端面に取り付けられた緩衝部材とで構成されている。このように基材押さえ部材の下部を緩衝部材で構成することにより、基材押さえ部材によって基材の表面に線状又は面状の押さ付けた跡が残らない。上記基材押さえ部材によれば、基材の表面に押さ付けた跡を生じさせることなく基材を下方に押し付けることができる。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、該化粧シートの切断部分よりも前側の上記基材の後端部を上記化粧シートの上から押圧する前側押圧部材と、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、上記化粧シートの切断部分よりも後側の上記基材の前端部を上記化粧シートの上から押圧する後側押圧部材とを有するシート押圧部とを備えていることを特徴とするものである。
ところで、化粧シートの切断時には、化粧シートに刃による圧力が作用するため、各基材の端部において化粧シートが剥がれ易くなる。
第6の発明では、シート接着部において複数の基材の表面に亘って化粧シートが接着された後、シート切断部によって隣接する2枚の基材間において化粧シートを切断する際に、化粧シートの切断部分の前後の部分が、シート押圧部の前側押圧部材と後側押圧部材とによって基材に押圧される。そのため、各基材の端部において化粧シートが剥がれるおそれの高い化粧シートの切断時に、化粧シートが剥がれ難くなる。従って、第6の発明によれば、化粧シートが基材から剥がれるおそれの高い化粧シートの切断時においても、化粧シートの剥がれを抑制することができる。
また、第6の発明によれば、化粧シートの貼付後、化粧シートの切断前に、接着剤の水分を吸収して基材に反りが生じ、隣り合う基材間で高低差が生じて基材の端部において化粧シートが剥がれてしまっても、水系接着剤が乾く前にシート押圧部の前側押圧部材と後側押圧部材とによって基材に押圧されて再度密着することとなる。従って、第6の発明によれば、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのをより確実に抑制することができる。
第7の発明は、第6の発明において、上記シート押圧部は、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が、それぞれ上記前側の基材の後端部及び上記後側の基材の前端部を押圧可能な位置に配置されるように、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を前後方向に移動させる移動機構と、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が上記化粧シートに当接しない上方位置と、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が上記基材を上記化粧シートの上から押圧する下方位置との間において、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上下動させる昇降機構とを有し、上記昇降機構は、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際には、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上記下方位置に移動させ、上記移動機構によって上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が後退する際には、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上記上方位置に移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
第7の発明では、前側押圧部材及び後側押圧部材は、搬送部による基材の搬送に合わせて移動機構によって前後方向に移動させられ、隣接する各2枚の基材間において化粧シートを切断する際に、前側の基材の後端部及び後側の基材の前端部を押圧可能な位置に配置される。そのため、化粧シートの切断後、前側押圧部材及び後側押圧部材は、基材の搬送方向と逆方向に移動して次の基材間に移動することとなる。その際、前側押圧部材及び後側押圧部材は、昇降機構によって上方位置に移動させられ、化粧シートに当接しない。よって、第7の発明によれば、前側押圧部材及び後側押圧部材が、基材の搬送方向と逆方向に移動(後退)する際に、化粧シートが剥がれるのを抑制することができる。
以上説明したように、本発明のシート化粧板材の製造装置によると、貼付ロールの下方に搬送される直前の基材を、基材押さえ部材で下方に押さえ付けるようにしたため、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制することができる。
図1は、実施形態1に係るシート化粧板材の製造装置の概略構成図である。 図2は、図1の基材押さえ部材付近を拡大して示す斜視図である。 図3は、図1のシート切断ユニット付近を拡大して示す斜視図である。 図4は、図1の搬送ユニット及びシート切断ユニットの基材支持部を示す平面図である。 図5は、図5のV−V線断面図である。 図6は、本発明の実施形態1に係るシート化粧板材の製造方法におけるシート切断工程時の動作を説明するための動作図である。 図7は、実施形態2に係るシート化粧板材の製造装置の概略構成図である。 図8は、図7の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るシート化粧板材の製造装置1を示している。製造装置1は、長方形状の板状の基材51と、基材51の表面51a(化粧面)に化粧シート52が接着されて積層一体化されたシート化粧板材50を連続的に製造するものである。
シート化粧板材50は、基材51の表面51aに接着剤53を介して化粧シート52が接着されたものであり、床材等に用いられる。
基材51は、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等の木質材料により構成されている。なお、基材51としては、吸水性を有していれば、例えば、火山性ガラス質複層板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード等の無機質材料によって構成された板材であってもよい。
化粧シート52は、樹脂製であり、例えば、厚さ0.1mm〜0.4mm程度のオレフィン樹脂、PET(polyethylene terephthalate)樹脂、塩化ビニル樹脂等の水分を殆ど含まない樹脂フィルムにより形成されている。なお、化粧シート52としては、樹脂シートの他に、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、不織布、織布、木質薄化粧突き板、畳表等の薄いシート材であってもよい。また、化粧シート52の厚さとしては、後述する長尺の化粧シート52を巻き出す巻出ロール22との兼ね合いで決定すればよく、紙であれば、例えば0.05mm〜0.3mm程度のもの、樹脂シートであれば、例えば、0.15mm〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。なお、化粧シート52には、例えば、木目、石目、抽象柄等が印刷されている。
接着剤53としては、例えば、酢酸ビニル系、水性ビニルウレタン系、アクリル系、イソシアネート系、ユリア系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリビニルアルコール系等の水系接着剤53を乾燥させて構成されている。ここで、接着剤53には、必要に応じて、例えば、イソシアネート系やメラミン系等の硬化剤を添加してもよい。
−製造装置の構成−
図1に示すように、製造装置1は、搬送ユニット10と、シート接着ユニット20と、シート切断ユニット30と、基材押さえ部材40とを備えている。
〔搬送ユニット〕
図1〜図4に示すように、搬送ユニット10は、複数のベルト11と、複数のベルト11を駆動する複数の駆動ローラ12,…,12とを有している。駆動ローラ12,…,12は、図示しない駆動装置によって回転駆動される。ベルト11は、シート切断ユニット30の可動領域では、基材51の幅よりも狭いベルトで構成され、基材51の幅方向に3本平行に設けられ、その他の領域では、基材51の幅よりも広い1本のベルトで構成されている。各ベルト11は、2つの駆動ローラ12,12に巻きかけられている。各ベルト11は、2つの駆動ローラ12,…,12の回転によって、2つの駆動ローラ12,12の上方と下方とにおいて逆向きに送られ、複数の基材51を所定の方向(図1では右方向)に搬送する。
〔シート接着ユニット〕
シート接着ユニット20は、化粧シート52の裏面に接着剤53を塗布するダイコーター21と、ダイコーター21に長尺の化粧シート52を供給する巻出ロール22と、搬送ユニット10によって搬送中の基材51の表面51aに、化粧シート52の裏面に接着剤53が塗布された部分を貼り付ける貼付ロール23と、基材51の表面51aに貼り付けた化粧シート52を押圧する押圧ロール24と、膜厚計25とを備えている。
ダイコーター21は、図1に示すように、Tダイ21aと、Tダイ21aに接続配管を介して接続された接着剤53を貯留するタンク21bと、接続配管の経路中にTダイ21a側から順に設けられたフィルター21c及びポンプ21dと、Tダイ21aの図中下側に設けられたバックアップロール21eとを備えている。
Tダイ21aは、図1に示すように、タンク21bから供給された水系接着剤53を、例えば、0.3mm程度の幅の細長い隙間から定量的に吐出するものである。Tダイ21aは、水系接着剤53がバックアップロール21e側に吐出されるように設けられている。
フィルター21cは、例えば、スチール製の金網等の網目状部材により構成され、Tダイ21aの隙間よりも小さい目(例えば、100メッシュ程度)を有している。ここで、100メッシュのフィルター21cは、例えば、その線径が0.11mmの場合、その目開きの大きさが0.144mmであり、その線径が0.10mmの場合、その目開きの大きさは、0.154mmである。
ポンプ21dは、容積式のポンプによって構成され、タンク21bに貯留された接着剤53を加圧してTダイ21aに送り出すように設けられている。
バックアップロール21eは、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、巻出ロール22から供給された化粧シート52を貼付ロール23に搬送するものである。バックアップロール21eは、搬送する化粧シート52の裏面にTダイ21aからの接着剤53が塗布されるように設けられている。
巻出ロール22は、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、ロール状に巻かれた長尺の化粧シート52を繰り出すものである。巻出ロール22は、繰り出した化粧シート52がダイコーター21のバックアップロール21eの周面に供給されるように設けられている。
貼付ロール23は、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、バックアップロール21eから送られてくる化粧シート52の接着剤53が塗布された裏面を、搬送ユニット10によって順次搬送される基材51の表面51aに貼り付けるものである。貼付ロール23は、外周面の一部に化粧シート52が巻き掛けられ、下端で巻き掛けられた化粧シート52を基材51の表面51aに当接させることにより、基材51の表面51aに貼り付けられるように設けられている。貼付ロール23は、設置高さが変更可能に構成され、基材51の厚さに応じて化粧シート52を基材51の表面51aに貼り付けることができる設置高さに変更される。
押圧ロール24は、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、貼付ロール23において表面51aに化粧シート52が貼り付けられた基材51を、化粧シート52の上から押圧するものである。押圧ロール24は、貼付ロール23の前側に設けられ、下端が順次搬送される基材51に貼り付けられた化粧シート52に当接して下向きに押圧するように設けられている。押圧ロール24は、設置高さが変更可能に構成され、基材51の厚さに応じて化粧シート52を基材51に押し付けられる設置高さに変更される。
〔シート切断ユニット〕
シート切断ユニット30は、シート切断部31と、シート押圧部32と、支持部材33と、押さえ部材37とを備えている。
シート切断部31は、搬送ユニット10による基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2つの基材51,51間において化粧シート52を前後に切断する。具体的には、シート切断部31は、切断機構31aと、昇降機構31bと、スライダー31cと、ガイド部材31dと、2本の支柱31eと、土台31f(移動機構)とを有している。
切断機構31aは、刃31a1と、カバー31a2と、モータ31a3とを有している。刃31a1は、本実施形態1では、鋭利な外周縁部によって化粧シート52を切断可能な円形状の刃物部材によって構成されている。カバー31a2は、前後面が半円の円弧形状に形成され、刃31a1の化粧シート52の切断に寄与しない上側半分を覆っている。モータ31a3は、刃31a1を回転駆動するように駆動軸が刃31a1の中心部に連結されている。切断機構31aは、モータ31a3によって回転駆動される刃31a1が、スライダー31cに伴って化粧シート52の幅方向に移動することによって、化粧シート52を前後に切断する。
昇降機構31bは、切断機構31a(本実施形態1では、モータ31a3)に連結され、刃31a1を上下動させるように構成されている。具体的には、本実施形態1では、昇降機構31bは、下端部がモータ31a3に連結されたロッドと、該ロッドを上下動させるモータ(図示省略)とで構成されている。昇降機構31bは、刃31a1を、化粧シート52から離間した所定の上方位置と、化粧シート52の切断が可能な所定の下方位置とに移動させるように構成されている。また、昇降機構31bは、化粧シート52の切断中は、刃31a1を下方位置に位置させ、化粧シート52の切断後、刃31a1を次の切断箇所まで後退させる際には、上方位置に位置させるように構成されている。
スライダー31cは、昇降機構31bに連結され、刃31aを昇降機構31bと共に化粧シート52の幅方向に移動させるように構成されている。本実施形態1では、スライダー31cは、昇降機構31bのモータを内包し、昇降機構31bのロッドの上端部を収容可能に構成されている。また、スライダー31cは、ガイド部材31dに対してスライド自在に係合する係合部(本実施形態1では、化粧シート52の幅方向に延びる溝部)を有している。スライダー31cは、図示しないモータによって駆動されて化粧シート52の幅方向にスライド移動するように構成されている。
ガイド部材31dは、化粧シート52の幅方向に長い棒状部材によって構成され、スライダー31cがスライド自在に係合する係合部(本実施形態1では、化粧シート52の幅方向に延びる突条部)を有している。スライダー31cは、ガイド部材31dの前面に沿ってスライド移動することにより、化粧シート52の幅方向に移動する。
2本の支柱31eは、上下方向に延びる棒状部材によって構成され、土台31fに立設されている。2本の支柱31eは、上端部にガイド部材31dが連結され、ガイド部材31dを支持している。
土台31fは、複数の駆動ローラ12の上端よりも下方の位置に設けられ、2本の支柱31eと、シート押圧部32の4つの昇降機構36とが、土台31f上に立設されている。土台31fは、刃31a1が、順次後側から前側へ搬送される複数の基材51の各間に順に配置されて化粧シート52を前後に切断するように、搬送ユニット10の搬送速度に合わせて前後方向に移動するように構成されている。
本実施形態1では、土台31fは、所定のシート切断開始位置と、該シート切断開始位置よりも前側の所定のシート切断終了位置との間で往復移動する。シート切断開始位置とシート切断終了位置は、幅方向に並ぶ3本のベルト11,11,11を繰り出す各2つの駆動ローラ12,12の間に設定されている。つまり、土台31fは、3本のベルト11,11,11を駆動する各2つの駆動ローラ12,12の間で往復移動する。なお、シート切断開始位置とは、前後方向に往復移動するシート切断部31の最も後方の位置であり、シート切断部31が、刃31a1がシート接着ユニット20を通過後の隣接する2つの基材51,51間に配されるまで待機する位置である。
具体的には、土台31fは、化粧シート52の切断前に、シート切断開始位置に移動し、刃31a1が、切断対象となる2つの基材51,51間の化粧シート52に対応するまでシート切断開始位置で待機する。そして、刃31a1が基材51,51間に配されると、土台31fは、刃31a1と化粧シート52との相対位置が変化しないように、基材51の搬送速度に等しい速度で基材51の搬送方向(前方)へシート切断終了位置まで移動する。シート切断終了位置に到達すると、土台31fは、シート切断開始位置まで、基材51の搬送方向と逆向き(後向き)に移動する。
なお、土台31fは、前後方向に移動する際に、3本のベルト11に干渉しない形状に形成されている。また、土台31fは、2本の支柱31eと、シート押圧部32の4つの昇降機構36とが立設可能で、3本のベルト11に干渉せずに上述のように前後方向に移動するものであれば、いかなる形状であってもよい。
シート押圧部32は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分の前後の基材51,51の前後に対向する各端部を化粧シート52の上から押圧するように構成されている。具体的には、シート押圧部32は、前側押圧部材34(押圧部材)と、後側押圧部材35(押圧部材)と、4つの昇降機構36,…,36とを有している。
前側押圧部材34は、搬送ユニット10の上方に設けられ、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部を化粧シート52の上から押圧するように構成されている。具体的には、前側押圧部材34は、板状部材34aと、該板状部材34aの下端面に取り付けられた緩衝部材34bとを有している。板状部材34aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材34aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材34bは、平面視において板状部材34aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材34bは、不織布によって構成されている。詳細については後述するが、緩衝部材34bは、基材51を化粧シート52の上から押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接する。
後側押圧部材35は、搬送ユニット10の上方に設けられ、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分よりも後側の基材51の前端部を化粧シート52の上から押圧するように構成されている。具体的には、後側押圧部材35は、板状部材35aと、該板状部材35aの下端面に取り付けられた緩衝部材35bとを有している。板状部材35aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材35aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材35bは、平面視において板状部材35aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材35bは、不織布によって構成されている。詳細については後述するが、緩衝部材35bは、基材51を化粧シート52の上から押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接する。
前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、前側押圧部材34の後端と後側押圧部材35の前端との距離が、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の前後に隣接する2枚の基材51,51間の距離よりも短くなるように設けられている。前側押圧部材34の後端と後側押圧部材35の前端との距離は、シート切断部31による化粧シート52の切断を阻害しない(実施形態1では、前側押圧部材34の後端と後側押圧部材35の前端が刃31a1と干渉しない)程度に狭いのが好ましい。
このような構成により、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、前側押圧部材34は、化粧シート52の前側の基材51の後端の前後に亘る部分を上から押圧し、後側押圧部材35は、化粧シート52の後側の基材51の前端の前後に亘る部分を上から押圧することとなる。つまり、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、隣接する2枚の基材51,51の対向する両端部の端まで化粧シート52を基材51に押し付けると共に、両基材51,51の端からはみ出した化粧シート52も下方へ押圧する。このように前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、隣接する2枚の基材51,51の端からはみ出した化粧シート52を押さえ付けることにより、化粧シート52の切断中に、化粧シート52の前後に切断された部分が上方に捲れ上がって基材51から剥がれてしまうのを抑制することができる。
また、万一、化粧シート52の切断前に、各基材51の端部において化粧シート52の剥がれが生じても、水系接着剤53が乾く前に前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって基材51に押圧されて再度密着することとなる。
4つの昇降機構36,…,36は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35の長手方向の両端部にそれぞれ1つずつ設けられている。4つの昇降機構36,…,36は、同時に同じ高さ位置に上下動することにより、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が化粧シート52に当接しない上方位置と、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が基材51を化粧シート52の上から押圧する下方位置との間において、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を上下動させるように構成されている。
具体的には、前側押圧部材34の長手方向の両端部に設けられた2つの昇降機構36,36(前側の昇降機構36,36)は、前側押圧部材34の長手方向の端部にそれぞれ連結され、前側押圧部材34を、化粧シート52から離間した化粧シート52に当接しない上記上方位置と、化粧シート52に当接して基材51を化粧シート52の上から押圧する上記下方位置とに移動させるように構成されている。また、前側の昇降機構36,36は、化粧シート52の切断中は、前側押圧部材34を下方位置に位置させ、化粧シート52の切断後、前側押圧部材34が後退する際には、上方位置に位置させるように構成されている。
後側押圧部材35の長手方向の両端部に設けられた2つの昇降機構36,36(後側の昇降機構36,36)は、後側押圧部材35の長手方向の端部にそれぞれ連結され、後側押圧部材35を、化粧シート52から離間した化粧シート52に当接しない上記上方位置と、化粧シート52に当接して基材51を化粧シート52の上から押圧する上記下方位置とに移動させるように構成されている。また、後側の昇降機構36,36は、化粧シート52の切断中は、後側押圧部材35を下方位置に位置させ、化粧シート52の切断後、後側押圧部材35が後退する際には、上方位置に位置させるように構成されている。
以上のような構成により、4つの昇降機構36,…,36は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際には、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を下方位置に移動させることにより、化粧シート52を基材51,51の端部に押し付け、土台31f(移動機構)が後退することによって前側押圧部材34及び後側押圧部材35が後退する際には、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を上方位置に移動させることにより、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が化粧シート52に当接しないように構成されている。
支持部材33は、図1,図4及び図5に示すように、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部と後側の前端部とを下方から支持するように構成されている。本実施形態1では、図4及び図5に示すように、支持部材33は、幅方向に並ぶ3本のベルト11,11,11の各間に設けられ、板状部材によって構成されている。各支持部材33は、上面の高さが、搬送ユニット10の幅方向に並ぶ3本のベルト11,11,11の送り部分(搬送方向に進む図1において上側の部分)の上面の高さと略等しくなるように設置されている。また、各支持部材33は、搬送ユニット10による搬送方向において、少なくともシート切断開始位置における後側押圧部材35の後端の位置(図4の左側に二点鎖線で示す後側押圧部材35の左端)からシート切断終了位置における前側押圧部材34の前端(図4の右側に二点鎖線で示す前側押圧部材34の右端)の位置に亘る長さに形成されている。つまり、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、シート切断開始位置からシート切断終了位置まで化粧シート52を基材51,51に押し付けながら移動する間、常時、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と上下方向に対向する前後方向長さに形成されている。
押さえ部材37は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、シート接着ユニット20において基材51の表面51aに貼り付けられた化粧シート52が基材51から剥がれないように、基材51を化粧シート52の上から押さえ付けるものである。
本実施形態1では、シート切断ユニット30は、押さえ部材37を3つ有している。3つの押さえ部材37は、シート押圧部32の後方において化粧シート52の幅方向に間隔を開けて並ぶように設けられている。3つの押さえ部材37は、シート切断部31に連結され、該シート切断部31と共に前後方向に往復移動するように構成されている。
具体的には、3つの押さえ部材37は、それぞれ吊下部材38によってガイド部材31dから吊り下げられている。各吊下部材38は、各押さえ部材37の下端が化粧シート52に当接するように各押さえ部材37を吊り下げている。なお、各吊下部材38は、各押さえ部材37の設置高さを変更可能に構成されている。よって、基材51の厚さに応じて各押さえ部材37の下端が化粧シート52に当接するように各押さえ部材37の設置高さを変更することができる。
各押さえ部材37は、板状部材37aと、該板状部材37aの下端面に取り付けられた緩衝部材37bとを有している。板状部材37aは、金属板によって構成されている。板状部材37aは、本実施形態1では、平面視において略矩形状に形成されている。緩衝部材37bは、平面視において板状部材37aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材37bは、不織布によって構成されている。このような構成により、各押さえ部材37は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、基材51のシート押圧部32の後方の部分を、化粧シート52の上から非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
また、各押さえ部材37は、後端部37rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、各押さえ部材37は、板状部材37aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材37aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材37bを取り付けることによって、後端部37rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、押さえ部材37の後端部37rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
〔基材押さえ部材〕
図1及び図2に示すように、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の後側に設けられ、貼付ロール23において化粧シート52が貼り付けられる前の基材51を、下方に押さえ付けるように構成されている。本実施形態1では、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して貼付ロール23に連結されている。基材押さえ部材40は、搬送ユニット10によって搬送される基材51の表面51aを下方に押さえ付けることができる高さに位置付けられるように貼付ロール23に連結されている。
基材押さえ部材40は、板状部材40aと、該板状部材40aの下端面に取り付けられた緩衝部材40bとを有している。板状部材40aは、基材51の幅方向に長い平面視略矩形状の金属板によって構成されている。板状部材40aは、基材51の幅方向において、基材51の幅以上の長さに形成されている。緩衝部材40bは、平面視において板状部材40aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材40bは、不織布によって構成されている。このような構成により、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の後側において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
また、基材押さえ部材40は、後端部40rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、基材押さえ部材40は、板状部材40aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材40aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材40bを取り付けることによって、後端部40rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、基材押さえ部材40の後端部40rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
さらに、基材押さえ部材40は、前端が貼付ロール23の後半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられている。具体的には、基材押さえ部材40は、前端が、前後方向において、貼付ロール23の中心軸23aと後端23cとの間の第1領域A1内に位置づけられるように設けられている。
−製造方法−
次に、上記シート化粧板材50の製造方法について説明する。この製造方法は、(1)接着剤塗布工程と、(2)シート接着工程と、(3)シート切断工程と、(4)平板プレス工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)接着剤塗布工程
接着剤塗布工程では、化粧シート52の裏面に接着剤53(水系接着剤53)を塗布する。本実施形態1では、接着剤塗布工程は、ダイコーター21によって行われる。
具体的には、巻出ロール22、バックアップロール21e及び貼付ロール23を駆動させると共に、ダイコーター21のポンプ21dを作動させる。これにより、巻出ロール22からロール状の化粧シート52が繰り出され、バックアップロール21e及び貼付ロール23へ順に送られる。ダイコーター21では、タンク21b内に貯留された接着剤53が、ポンプ21dによってフィルター21cを介してTダイ21aに搬送され、Tダイ21aの隙間からバックアップロール21eに向かって定量的に吐出される。Tダイ21aの隙間からバックアップロール21eに向かって吐出された接着剤53は、バックアップロール21eの外周面において該バックアップロール21eによって貼付ロール23へ送られる化粧シート52の裏面に塗布される。このようにして、化粧シート52の裏面に順次接着剤53が塗布される。
なお、接着剤53の塗布量は、例えば、50g/m〜150g/m程度(好ましくは、50g/m〜100g/m)である。接着剤53の塗布量(膜厚)は、非接触式の膜厚計25から赤外線を照射して、その接着剤53に含まれる水分量に基づいて測定される。なお、接着剤53の塗布量(膜厚)が所定の範囲内に入らない場合には、製造ラインを一旦止め、Tダイ21aの隙間やポンプ21dの送り量等を確認及び調整する。
(2)シート接着工程
シート接着工程では、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって所定の間隔で後側から前側へ順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って供給し、接着する。具体的には、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに貼付ロール23で順次送り出すことにより、化粧シート52が複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って貼り付けられる。その後、搬送ユニット10による搬送方向の貼付ロール23よりも前側に設けられた押圧ロール24により、化粧シート52を各基材51の表面51aに押圧する。このようにして、化粧シート52が各基材51の表面51aに接着される。
ところで、本実施形態1では、貼付ロール23の後側に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を下方に押さえ付ける基材押さえ部材40が設けられている。そのため、本実施形態1では、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23において化粧シート52が貼り付けられる前に、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられることとなる。これにより、基材51に反りが生じて基材51の前端が浮き上がっていても、貼付ロール23の下方に搬送される前に、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられることにより、基材51の前端角部が貼付ロール23に衝突しない。また、基材51の前端角部が貼付ロール23に衝突しないことにより、基材51の前端角部によって化粧シート52の裏面に塗布された水系接着剤53が部分的に剥がれることもない。よって、化粧シート52は、裏面に塗布された水系接着剤53が部分的に剥がれることなく、均一な膜厚のまま、貼付ロール23の最下点において基材51の表面51aに当接して貼り付けられる。
(3)シート切断工程
シート切断工程では、搬送ユニット10によって後側から前側へ順次搬送される複数の基材51,…,51の隣接する各2つの基材51,51間において化粧シート52を前後に切断する。化粧シート52は、搬送ユニット10による基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動するシート切断ユニット30のシート切断部31によって切断される。
具体的には、図6の上段の図に示すように、シート切断部31の土台31f(移動機構)が移動(後退)することにより、シート切断部31が所定のシート切断開始位置に移動する。シート切断開始位置とは、前後方向に往復移動するシート切断部31の最も後方の位置である。本実施形態1では、シート切断部31は、シート切断開始位置において、刃31a1が、シート接着ユニット20を通過後の隣接する2つの基材51,51間に配されるまで待機する。そして、刃31a1が基材51,51間に配されると、土台31f(移動機構)が、搬送ユニット10による基材51の搬送速度に等しい速度で移動(前進する)することにより、シート切断部31は、刃31a1が基材51,51間に配された状態のまま、基材51,51と共に前進する。
また、シート切断部31は、シート切断開始位置に到達すると、刃31a1を昇降機構31bによって上方位置から下方位置に下降させる。具体的には、刃31a1が、下方位置において基材51,51間に配されるタイミングで下降させる。これにより、刃31a1が、化粧シート52を切断可能な位置に配置される。また、これと同時に、シート押圧部32は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を、4つの昇降機構36,36,36,36によって上方位置から下方位置に下降させる。これにより、化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部と化粧シート52の切断部分よりも後側の基材51の前端部とが、前側押圧部材34及び後側押圧部材35によって化粧シート52の上から押圧される。
なお、本実施形態1では、各支持部材33は、搬送ユニット10による搬送方向において、少なくともシート切断部31がシート切断開始位置にある際における後側押圧部材35の後端の位置からシート切断部31がシート切断終了位置にある際における前側押圧部材34の前端の位置に亘る長さに形成されている。そのため、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、4つの昇降機構36,36,36,36によって駆動されて下方位置まで下降すると、化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部と化粧シート52の切断部分よりも後側の基材51の前端部とが、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と支持部材33とによって上下に挟持されることとなる。
ここで、上述のように、本実施形態1では、シート切断ユニット30は、シート切断部31に連動する3つの押さえ部材37,37,37を有している。3つの押さえ部材37,37,37は、シート押圧部32の後方に設けられ、シート切断部31に連結されて該シート切断部31と共に前後方向に往復移動するように構成されている。そのため、基材51に反りが生じていても、シート押圧部32の後側押圧部材35の下方に搬送される前に、3つの押さえ部材37,37,37によって下方に押さえ付けられることにより、基材51の反りが補正され、基材51の前端角部が後側押圧部材35の後面に衝突して引っかかることなく後側押圧部材35によって化粧シート52の上から押圧されることとなる。
刃31a1と前側押圧部材34及び後側押圧部材35とが下方位置に達すると、シート切断部31の刃31a1がモータ31a3に回転駆動され、スライダー31cが、図示しないモータによって駆動されることにより、ガイド部材31dに沿って化粧シート52の幅方向に移動する。これにより、刃31a1が、化粧シート52を切断可能な位置において、回転しながら化粧シート52の幅方向の一端側から他端側へ移動することにより、化粧シート52が前後に切断される。これにより、長尺の化粧シート52が基材51毎に個片化される。
ここで、上述のように、本実施形態1では、化粧シート52の切断部分の前後の部分は、前側押圧部材34と後側押圧部材35とにより、上記切断部分よりも前側の基材51の後端部と上記切断部分よりも後側の基材51の前端部とに押圧される。そのため、化粧シート52の切断時には、刃31a1によって化粧シート52に作用する力によって化粧シート52が基材51から剥がれやすくなるところ、前側押圧部材34及び後側押圧部材35によって各基材51の端部に化粧シート52が押し付けられることにより、化粧シート52が各基材51の端部において剥がれ難くなる。また、前側押圧部材34及び後側押圧部材35によって各基材51が反り難くなることによっても化粧シート52の剥がれが抑制される。
図6の下段の図に示すように、シート切断部31は、シート切断終了位置において化粧シート52の切断が完了する(刃31a1が化粧シート52の幅方向の他端に到達する)と、刃31a1の回転を停止し、刃31a1を昇降機構31bによって下方位置から上方位置に上昇させる。これにより、刃31a1が、化粧シート52に当接しなくなる。なお、シート切断終了位置とは、前後方向に往復移動するシート切断部31の最も前方の位置である。また、これと同時に、シート押圧部32は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を4つの昇降機構36,36,36,36によって下方位置から上方位置に上昇させる。これにより、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、化粧シート52に当接しなくなる。
また、シート切断部31は、シート切断終了位置に到達すると、土台31f(移動機構)の移動方向を反転させ、シート切断開始位置(図6の上段の図の位置)まで後退する。そして、シート切断部31は、シート切断開始位置において、刃31a1が、次の基材51,51間に配されるまで待機し、同様の動作により、次の基材51,51間において化粧シート52を切断する。
(4)平板プレス工程
平板プレス工程では、シート切断工程後に、基材51毎に個片化された短尺の化粧シート52が表面に貼り付けられた基材51を、複数枚積み重ね、その状態で、所定時間、平板プレスする。これにより、各基材51と化粧シート52との間において水系接着剤53が乾燥して硬化し、接着剤層となる。このように各基材51と化粧シート52との間において水系接着剤53を硬化させることにより、各基材51の表面51aに接着剤層を介して化粧シート52が積層一体化される。なお、複数枚の基材51を積み重ねる際、上下の基材51,51の化粧シート52,52が当接するように積み重ねてもよく、上方の基材51と下方の基材51の化粧シート52とが当接するように積み重ねてもよい。
以上の工程を経過することにより、製造装置1において基材51の表面51aに化粧シート52が接着されて積層一体化されたシート化粧板材50が連続的に製造される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、貼付ロール23の後側に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を下方に押さえ付ける基材押さえ部材40が設けられている。そのため、基材51に反りが生じていても、搬送ユニット10によって貼付ロール23の下方に搬送される前に、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられることにより、基材51の反りが補正され、基材51の前端角部が化粧シート52の裏面に衝突しなくなる。よって、上記構成によれば、化粧シート52は、裏面に塗布された接着剤53が部分的に剥がれることなく、均一な膜厚のまま、貼付ロール23の最下点において基材51の表面51aに当接して貼り付けられるため、化粧シート52が剥がれ難いシート化粧板材50を製造することができる。従って、本実施形態1によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのを抑制することができる。
また、本実施形態1では、基材押さえ部材40は、該基材押さえ部材40の前端が貼付ロール23の後半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられている。基材押さえ部材40をこのように設けることにより、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23によって表面51aに化粧シート52が貼り付けられる直前まで、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられて反りが補正されることとなる。このような構成によれば、シート化粧板材の製造装置1において、貼付ロール23の最下点よりも後方において基材51の浮き上がった前端角部が化粧シート52の裏面(接着剤53の塗布された面)に衝突して接着剤53を部分的に剥がしてしまうことによって接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態1では、化粧シート52の貼り付け直前に、基材押さえ部材40によって基材51が幅方向の一端から他端まで一体的に押さえ付けられることにより、部分的に押さえ付けられる場合に比べて、基材51の反りをより確実に補正することができる。従って、本実施形態1によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
ところで、複数の基材51,…,51は、搬送ユニット10によって順次後側から前側へ搬送されるのに対し、基材押さえ部材40は、前後方向に移動しない。そのため、基材押さえ部材40の後端部40rの形状によっては、基材51との摩擦力が増大し、搬送ユニット10による基材51の搬送を阻害するおそれがある。また、基材押さえ部材40の後端角部によって基材51の表面51aが傷つくおそれもある。
これに対し、本実施形態1では、基材押さえ部材40は、後端部40rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。そのため、基材押さえ部材40の後端の角部が基材51の表面51aに当接してひっかかることがない。このような基材押さえ部材40によれば、搬送ユニット10による基材51の搬送を阻害することなく、また、基材51の表面51aを傷つけることなく、基材51を下方に押し付けて基材51の反りを補正することができる。
ところで、硬度が高い材料で構成された基材押さえ部材40を用いると、基材押さえ部材40によって基材51の表面51aに線状又は面状の押さ付けた跡が残るおそれがある。
本実施形態1では、基材押さえ部材40が、板状部材40aと該板状部材40aの下端面に取り付けられた緩衝部材40bとで構成されている。このように基材押さえ部材40の下部を緩衝部材40bで構成することにより、基材押さえ部材40によって基材51の表面51aに線状又は面状の押さ付けた跡が残らない。上記基材押さえ部材40によれば、基材51の表面51aに押さ付けた跡を生じさせることなく基材51を下方に押し付けることができる。
また、本実施形態1では、緩衝部材40bは、不織布によって形成されている。このような構成により、本実施形態1によれば、基材51の表面51aに押さ付けた跡を生じさせない基材押さえ部材40を容易に構成することができる。
ところで、化粧シート52の切断時には、化粧シート52に刃31a1による圧力が作用するため、各基材51の端部において化粧シート52が剥がれ易くなる。
これに対し、本実施形態1では、製造装置1が、化粧シート52の切断時に、該化粧シート52の切断部分の前後の基材51,51の端部を化粧シート52の上から押圧する前側押圧部材34及び後側押圧部材35を有するシート押圧部32を備えている。そのため、本実施形態1では、シート接着ユニット20において複数の基材51,…,51に亘って化粧シート52が接着された後、シート切断部31によって隣接する2枚の基材51,51間において化粧シート52を切断する際に、化粧シート52の切断部分の前後の部分が、シート押圧部32の前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって基材51に押圧される。そのため、各基材51の端部において化粧シート52が剥がれるおそれの高い化粧シート52の切断時に、化粧シート52が剥がれ難くなる。従って、本実施形態1によれば、化粧シート52が基材51から剥がれるおそれの高い化粧シート52の切断時においても、化粧シート52の剥がれを抑制することができる。
また、本実施形態1によれば、化粧シート52の貼付後、化粧シート52の切断前に、接着剤53の水分を吸収して基材51に反りが生じ、隣り合う基材51,51間で高低差が生じて基材51の端部において化粧シート52が剥がれてしまっても、水系接着剤53が乾く前にシート押圧部32の前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって基材51に押圧されて再度密着することとなる。従って、本実施形態1によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態1では、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、搬送ユニット10による基材51の搬送に合わせて移動機構(土台31f)によって前後方向に移動させられ、隣接する各2枚の基材51,51間において化粧シート52を切断する際に、前側の基材51の後端部及び後側の基材51の前端部を押圧可能な位置に配置される。そのため、化粧シート52の切断後、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、基材51の搬送方向と逆方向に移動して次の基材51,51間に移動することとなる。その際、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、昇降機構36,36によって上方位置に移動させられ、化粧シート52に当接しない。よって、本実施形態1によれば、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、基材51の搬送方向と逆方向に移動(後退)する際に、化粧シート52が剥がれるのを抑制することができる。
また、本実施形態1では、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、化粧シート52を前側の基材51の後端部及び後側の基材51の前端部に押圧する際に、前側の基材51の後端部及び後側の基材51の前端部を下方から支持する支持部材33が設けられている。そのため、例えば、基材51がベルトコンベア等で搬送される場合であっても、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が化粧シート52を基材51に押圧する際に、基材51が沈み込むことなく、支持部材33によって下方から支持されることとなる。よって、本実施形態1によれば、化粧シート52を確実に基材51に押し付けることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2は、実施形態1のシート化粧板材の製造装置1の一部の構成を変更したものである。なお、以下では、実施形態1と異なる構成についてのみ詳述する。
図7に示すように、実施形態2では、実施形態1のシート化粧板材の製造装置1において、シート接着ユニット20が、ダイコーター21、巻出ロール22、貼付ロール23、押圧ロール24、及び膜厚計25の他、第1〜第3押さえ部材26〜28を備えるように構成されている。
図7及び図8に示すように、第1〜第3押さえ部材26〜28は、基材51の反りを抑制すべく、搬送ユニット10によって順次搬送される基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるものである。第1及び第2押さえ部材26,27は、貼付ロール23と押圧ロール24との間に設けられ、第3押さえ部材28は、押圧ロール24の前側に設けられている。
第1押さえ部材26は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、貼付ロール23側に設けられ、貼付ロール23で表面51aに化粧シート52が貼り付けられた直後の基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるように構成されている。本実施形態2では、第1押さえ部材26は、貼付ロール23の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して貼付ロール23に連結されている。第1押さえ部材26は、下端が、貼付ロール23の下端と略同じ高さに位置付けられるように貼付ロール23に連結されている。
第1押さえ部材26は、板状部材26aと、該板状部材26aの下端面に取り付けられた緩衝部材26bとを有している。板状部材26aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材26aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材26bは、平面視において板状部材26aに等しい形状に形成されている。本実施形態2では、緩衝部材26bは、不織布によって構成されている。このような構成により、第1押さえ部材26は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、化粧シート52の上から幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
第1押さえ部材26は、後端部26rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、第1押さえ部材26は、板状部材26aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材26aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材26bを取り付けることによって、後端部26rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、第1押さえ部材26の後端部26rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
第2押さえ部材27は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、押圧ロール24側に設けられ、第1押さえ部材26を通過した直後の基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるように構成されている。本実施形態2では、第2押さえ部材27は、押圧ロール24の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して押圧ロール24に連結されている。第2押さえ部材27は、下端が、押圧ロール24の下端と略同じ高さに位置付けられるように押圧ロール24に連結されている。
第2押さえ部材27は、板状部材27aと、該板状部材27aの下端面に取り付けられた緩衝部材27bとを有している。板状部材27aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材27aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材27bは、平面視において板状部材27aに等しい形状に形成されている。本実施形態2では、緩衝部材27bは、不織布によって構成されている。このような構成により、第2押さえ部材27は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、化粧シート52の上から幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
第2押さえ部材27は、後端部27rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、第2押さえ部材27は、板状部材27aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材27aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材27bを取り付けることによって、後端部27rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、第2押さえ部材27の後端部27rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
このような構成により、貼付ロール23と押圧ロール24との間には、化粧シート52を基材51に押し付ける押さえ部材26,27が2つ設けられている。また、2つの押さえ部材26,27は、互いの離間距離(第1押さえ部材26の前端と第2押さえ部材27の後端との距離)dが、基材51の間隔Dよりも短くなるように近接して設けられている。
また、2つの押さえ部材26,27のうちの後側の第1押さえ部材26は、後端が貼付ロール23の前半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられている。具体的には、第1押さえ部材26は、後端が、前後方向において、貼付ロール23の中心軸23aと前端23bとの間の第2領域A2内に位置づけられるように設けられている。
一方、2つの押さえ部材26,27のうちの前側の第2押さえ部材27は、前端が押圧ロール24の後半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。具体的には、第2押さえ部材27は、前端が、前後方向において、押圧ロール24の中心軸24aと後端24bとの間の第3領域A3内に位置づけられるように設けられている。
動作の詳細については後述するが、2つの押さえ部材26,27をこのように設けることにより、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23によって表面51aに化粧シート52が貼り付けられた直後から押圧ロール24によって押圧される直前まで、第1押さえ部材26と第2押さえ部材27とによって化粧シート52の上から押さえ付けられ続けることとなる。
第3押さえ部材28は、押圧ロール24を通過した直後の基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるように構成されている。本実施形態2では、第3押さえ部材28は、押圧ロール24の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して押圧ロール24に連結されている。第3押さえ部材28は、下端が、押圧ロール24の下端と略同じ高さに位置付けられるように押圧ロール24に連結されている。
第3押さえ部材28は、第1及び第2押さえ部材26,27と同様に、板状部材28aと、該板状部材28aの下端面に取り付けられた緩衝部材28bとを有している。板状部材28aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材28aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材28bは、平面視において板状部材28aに等しい形状に形成されている。本実施形態2では、緩衝部材28bは、不織布によって構成されている。このような構成により、第3押さえ部材28は、押圧ロール24の前側において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、化粧シート52の上から幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
また、第3押さえ部材28は、第1及び第2押さえ部材26,27と同様に、後端部28rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態2では、第3押さえ部材28は、板状部材28aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材28aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材28bを取り付けることによって、後端部28rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、第3押さえ部材28の後端部28rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
さらに、第3押さえ部材28は、後端が押圧ロール24の前半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。具体的には、第3押さえ部材28は、後端が、前後方向において、押圧ロール24の中心軸24aと前端24cとの間の第4領域A4内に位置づけられるように設けられている。なお、第3押さえ部材28は、シート切断部31が後述するシート切断開始位置(最も後方の位置)にあるときに、前端が後述するシート切断部31の押さえ部材37の後端と近接する大きさに形成されている。例えば、第3押さえ部材28は、前後方向において、第3押さえ部材28の前端とシート切断開始位置におけるシート切断部31の押さえ部材37の後端との距離が、第1及び第2押さえ部材26,27の離間距離dと等しくなるような大きさに形成されている。
以上のように、本実施形態2では、シート接着ユニット20が、ダイコーター21、巻出ロール22、貼付ロール23、押圧ロール24、及び膜厚計25の他、第1〜第3押さえ部材26〜28を備えるように構成されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
−製造方法−
次に、上記シート化粧板材50の製造方法について説明する。実施形態2においても、製造方法は、(1)接着剤塗布工程と、(2)シート接着工程と、(3)シート切断工程と、(4)平板プレス工程とを有する。なお、(1)接着剤塗布工程と、(3)シート切断工程と、(4)平板プレス工程とは、実施形態1と同様である。以下では、実施形態1と異なる(2)シート接着工程についてのみ説明する。
(2)シート接着工程
実施形態2においても、シート接着工程では、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって所定の間隔で後側から前側へ順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って供給し、接着する。具体的には、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに貼付ロール23で順次送り出すことにより、化粧シート52が複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って貼り付けられる。その後、搬送ユニット10による搬送方向の貼付ロール23よりも前側に設けられた押圧ロール24により、化粧シート52を各基材51の表面51aに押圧する。このようにして、化粧シート52が各基材51の表面51aに接着される。
ところで、本実施形態2では、貼付ロール23と押圧ロール24との間に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を化粧シート52の上方から押さえ付ける押さえ部材(第1及び第2押さえ部材26,27)が設けられている。また、第1及び第2押さえ部材26,27は、化粧シート52の幅方向において化粧シート52の幅よりも長い長さに形成され、互いの離間距離dが基材間隔(基材間の距離D)よりも短くなるように近接して設けられている。さらに、後側の第1押さえ部材26は、後端が貼付ロール23の前半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられ、前側の第2押さえ部材27は、前端が押圧ロール24の後半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。
そのため、本実施形態2では、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23によって表面51a,51a,51aに化粧シート52が貼り付けられた直後から押圧ロール24によって押圧される直前まで、第1押さえ部材26と第2押さえ部材27とによって化粧シート52の上方から押さえ付けられ続けることとなる。これにより、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、基材51が反るのが抑制され、化粧シート52が基材51から剥がれるのが抑制される。
また、本実施形態2では、押圧ロール24の前側にも、第1及び第2押さえ部材26,27と同様の押さえ部材(第3押さえ部材28)が設けられ、第3押さえ部材28は、後端が押圧ロール24の前半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。そのため、貼付ロール23から押圧ロール24へ向かう基材51だけでなく、押圧ロール24通過後も、第3押さえ部材28によって基材51が押さえ付けられて反り難くなる。つまり、本実施形態2によれば、押圧ロール24通過後も化粧シート52が剥がれ難いものとなる。
実施形態2においても、以上の(1)接着剤塗布工程、(2)シート接着工程、(3)シート切断工程、(4)平板プレス工程を経過することにより、製造装置1において基材51の表面51aに化粧シート52が接着されて積層一体化されたシート化粧板材50が連続的に製造される。
また、以上のように、本実施形態2では、貼付ロール23と押圧ロールとの間に第1及び第2押さえ部材26,27が設けられ、押圧ロール24の前側に第3押さえ部材28が設けられ、シート切断ユニット30のシート押圧部32の後方に3つの押さえ部材37,37,37が設けられている。このような構成により、本実施形態2では、各基材51は、貼付ロール23によって化粧シート52が貼り付けられてから、対向する基材51の端部との間で化粧シート52の切断が開始されるまでの間、第1〜第3押さえ部材26〜28と3つの押さえ部材37,37,37とによって押さえ付けられる。これにより、化粧シート52が貼り付けられてから化粧シート52の切断が開始されるまでの間、基材51が反り難くなり、化粧シート52が剥がれ難くなる。また、化粧シート52の切断中は、前後に対向する基材51,51の各端部が、シート押圧部32の各緩衝部材34b、35bによって化粧シート52の上方から非気密状態で下向きに押さえ付けられる。これにより、各基材51の端部において化粧シート52が剥がれるおそれの高い化粧シート52の切断時に、化粧シート52が剥がれ難くなる。
また、万一、第1〜第3押さえ部材26〜28と3つの押さえ部材37,37,37とによって押さえ付けられていない部分において化粧シート52が剥がれても、化粧シート52の剥がれた部分の水系接着剤53が乾く間もなく、次の押さえ部材又はシート押圧部32の前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって押し付けられて再度密着することとなる。そのため、本実施形態1のように水系接着剤53を用いた場合であっても、基材51の表面51aに剥がれなく化粧シート52を接着することができる。
−実施形態2の効果−
以上の構成により、実施形態2によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
ところで、木質基材のように水分を吸収して反りが発生するような基材51を用いると、化粧シート52の貼付後、基材51が水系接着剤53の水分を吸収して反るおそれがある。化粧シート52の貼り付け直後は、接着剤53の接着力が弱いため、基材51の反りによって化粧シート52が剥がれるおそれが高い。また、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、基材51の前後の端部が浮き上がるように基材51が反ると、基材51の前後方向の中程で化粧シート52が基材51から剥がれて浮き上がる。このような基材51が押圧ロール24で押圧されると、基材51の反りが補正されて浮き上がった化粧シート52が基材51に押し付けられるものの、基材51の反りが補正される際に、基材51の前後の端部の表面51a側の角部が化粧シート52の裏面に擦れて接着剤53が剥がれ、押圧ロール24で押圧しても化粧シート52が基材51に密着せず、剥がれるおそれが高くなる。
これに対し、本実施形態2によれば、貼付ロール23と押圧ロール24との間に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を化粧シート52の上から押さえ付ける押さえ部材(第1押さえ部材26と第2押さえ部材27)を設けることとしている。このような構成により、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、押さえ部材26,27によって化粧シート52の上から押さえ付けられることにより、反りが補正される。つまり、実施形態2によれば、化粧シート52貼付後における基材51の反りに起因する化粧シート52の剥がれを抑制することができる。従って、本実施形態2によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、基材押さえ部材40は、平面視において略矩形状の1つの板状部材40aと、該板状部材40aの下端面に取り付けられた1つの緩衝部材40bとで構成されていた。しかしながら、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の下方に搬送される直前の基材51の前端部を下方に押さえ付けることによって反りを補正できるものであれば、いかなる形態であってもよい。例えば、基材押さえ部材40は、シート切断ユニット30の3つの押さえ部材37,37,37のように、基材51の幅方向に並ぶ複数の部材によって構成されていてもよい。また、基材押さえ部材40は、平面視において略矩形状に形成されていなくてもよい。
また、上記各実施形態では、シート切断ユニット30は、シート押圧部32とは別に、昇降しない押さえ部材37を有していたが、押さえ部材37を省略し、後側押圧部材35を、押さえ部材37分だけ前後方向に長く形成してもよい。
また、上記各実施形態では、押圧ロール24は、1つのみ設けられていたが、押圧ロール24は、複数設けられていてもよい。その場合、複数のロール24,…,24の各間にも、第1〜第3押さえ部材26〜28と同様に構成された押さえ部材を設けることが好ましい。
また、上記各実施形態では、シート押圧部32は、シート切断部31の土台31f上に設けられ、土台31fによってシート切断部31と共に前後方向に移動するように構成されていたが、シート押圧部32は、シート切断部31とは別に前後方向に移動するための移動機構を有していてもよい。その場合においても、シート押圧部32は、シート切断部31の動作と同様に動作するように構成すればよい。
また、上記各実施形態では、各支持部材33は、設置位置が固定され、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、シート切断開始位置からシート切断終了位置まで化粧シート52を基材51,51に押し付けながら移動する間、常時、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と上下方向に対向する前後方向長さに形成されていた。しかしながら、各支持部材33は、上記実施形態1のものに限られない。各支持部材33は、シート切断部31の土台31f上に設けられ、土台31fによってシート切断部31と共に前後方向に移動するように構成されていてもよい。また、各支持部材33は、シート切断部31とは別に前後方向に移動するための移動機構を有し、シート切断部31と同様に前後方向に移動するものであってもよい。このように各支持部材33が、シート切断部31と同様に前後方向に移動可能な構成の場合、各支持部材33は、前後方向の長さが、少なくとも静止時における前側押圧部材34の前端から後側押圧部材35の後端までの長さ分だけ確保できればよいため、前後方向の長さを実施形態1よりも短く形成することができる。
また、各支持部材33を、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を前後方向に移動させる土台31f(移動機構)に連結する構成の場合、支持部材33は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と共に前後方向に移動する。つまり、支持部材33は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と共に、搬送ユニット10によって搬送される基材51を上下方向に挟み込んだ状態で基材51の搬送方向に移動することとなる。よって、このような形態によれば、実施形態1のように、支持部材33の位置が固定されている場合、搬送ユニット10によって搬送される基材51に支持部材33との摩擦によって搬送方向と逆方向に力が作用するところ、支持部材33が基材51の搬送方向に移動することにより、このような摩擦力が作用しないため、基材51の搬送が阻害されない。
また、上記各実施形態では、シート切断部31は、切断機構31aと、昇降機構31bと、スライダー31cと、ガイド部材31dと、2本の支柱31eと、土台31f(移動機構)とを有していたが、シート切断部31の構成は、上記実施形態1の構成に限られない。シート切断部31は、搬送ユニット10による基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の基材51,51間において化粧シート52を前後に切断可能な構成であれば、いかなる構成であってもよい。シート切断部31は、例えば、刃31a1を有さず、レーザによって化粧シート52を切断するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、切断機構31aは、化粧シート52の幅方向に移動する円形状の刃物部材からなる刃31a1を有するように構成されていたが、切断機構31aは、化粧シート52を切断可能なものであればいかなるものであってもよい。例えば、切断機構31aは、化粧シート52の幅方向の一端から他端まで延びる幅方向に長い刃物部材からなる刃を有し、上方位置から下方位置に移動することによって1回的に化粧シート52を切断するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、化粧シート52の裏面に接着剤53を塗布する塗布装置としてダイコーター21を例示したが、塗布装置は、ナイフコーターやコンマコーター等であってもよい。なお、塗布装置としてナイフコーターやコンマコーターを用いた場合には、容積式以外のポンプを用いてもよい。
また、上記実施形態1,2では、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35の緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布によって形成されていたが、本発明に係る緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布に限られない。緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、連続気泡の発泡体やフェルト等、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35が、基材51を化粧シート52の上から押さえ付ける又は押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接して板状部材26a〜29a,34a,35a,37a,40aと化粧シート52との間で圧縮されて変形するように構成されるものであればいかなるもので構成されていてもよい。
また、上記実施形態2のシート化粧板材の製造装置1において貼付ロール23と押圧ロール24との間に2つ設けられていた押さえ部材(第1及び第2押さえ部材26,27)は、1つの押さえ部材で構成することとしてもよい。
また、上記実施形態2のシート化粧板材の製造装置1では、押圧ロール24の前側にも押さえ部材(第3押さえ部材28)を設けていたが、シート切断開始位置(図7の上段のシート切断部31の位置)が、押圧ロール24に近接し、押圧ロール24通過後の基材51がすぐに押さえ部材37によって化粧シート52の上から押さえ付けられる構成であれば、第3押さえ部材28は省略してもよい。
また、上記各実施形態では、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35の緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布によって形成されていたが、本発明に係る緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布に限られない。緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、連続気泡の発泡体やフェルト等、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35が、基材51を化粧シート52の上から押さえ付ける又は押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接して板状部材26a〜29a,34a,35a,37a,40aと化粧シート52との間で圧縮されて変形するように構成されるものであればいかなるもので構成されていてもよい。
本発明は、複数の基材の表面に連続的に化粧シートを接着するシート化粧板材の製造装置に有用である。
1 製造装置
10 搬送ユニット(搬送部)
20 シート接着ユニット(シート接着部)
23 貼付ロール
23a 中心軸
23c 後端
24 押圧ロール
26 第1押さえ部材(押さえ部材)
27 第2押さえ部材(押さえ部材)
31 シート切断部
32 シート押圧部
33 支持部材
34 前側押圧部材
35 後側押圧部材
36 昇降機構
40 基材押さえ部材
40a 板状部材
40b 緩衝部材
40r 後端部
50 シート化粧板材
51 基材
51a 表面
52 化粧シート
53 水系接着剤
本発明は、複数の基材の表面に連続的に化粧シートを接着するシート化粧板材の製造装置に関するものである。
従来、床材等に用いられるシート化粧板材の製造に、複数の板状基材の表面に連続的に化粧シートを接着するシート化粧板材の製造装置が用いられている。従来の製造装置では、所定の方向に連続的に搬送される複数の基材の表面に亘り、裏面に接着剤が塗布された長尺の化粧シートを貼り付けた後、基材間において長尺の化粧シートを切断することによってシート化粧板材を連続的に製造している(例えば、下記の特許文献1を参照)。
上記製造装置では、化粧シートの貼付は、回転駆動される貼付ロールにおいて行われる。具体的には、貼付ロールの外周面に巻き掛けられた長尺の化粧シートの接着剤が塗布された裏面を、貼付ロールの最下点において基材の表面に押し当てることにより、化粧シートが基材の表面に貼り付けられる。
特開2011−88359号公報
ところで、連続的に搬送される複数の基材の中には、多少の反りが生じているものがある。そのような反りが生じた基材が、そのまま貼付ロールの下方に搬送されると、本来、貼付ロールの最下点において基材の表面に化粧シートの裏面を当接させて貼り付けるところ、貼付ロールの最下点よりも後方において基材の浮き上がった前端角部が化粧シートの裏面(接着剤の塗布された面)に衝突してしまい、接着剤を部分的に剥がしてしまうおそれがあった。接着剤の膜厚が薄くなった箇所では、化粧シートが接着し難く剥がれ易いため、基材の反りを補正せずに貼付ロールで化粧シートを貼付する構成では、接着不良のシート化粧板材が製造されるおそれがあった。
特に、接着剤として水系接着剤を用いると、水系接着剤は、ホットメルト接着剤に比べて接着力が発現するまでに時間がかかる上、化粧シートの裏面において一旦乾燥してしまうと、その後いくら化粧シートを基材に押し付けても接着力を発揮できないため、接着不良のシート化粧板材が製造されるおそれが高くなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、貼付ロールの下方に搬送される直前の基材を、基材押さえ部材で下方に押さえ付けるようにした。
具体的には、第1の発明は、板状の基材の表面に化粧シートが接着されて積層一体化されたシート化粧板材を連続的に製造するシート化粧板材の製造装置であって、複数の上記基材を所定の間隔で後側から前側へ搬送する搬送部と、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材の表面に亘り、裏面に水系接着剤が塗布された上記化粧シートを接着するシート接着部と、上記搬送部による上記基材の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の上記基材間において上記化粧シートを前後に切断するシート切断部とを備え、上記シート接着部は、回転しながら外周面の一部に巻き掛けられた上記化粧シートを最下点において上記基材の表面に貼り付ける貼付ロールを有し、上記貼付ロールの後側には、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材を下方に押さえ付ける基材押さえ部材が設けられていることを特徴とするものである。
第1の発明では、貼付ロールの後側に、搬送部によって順次搬送される複数の基材を下方に押さえ付ける基材押さえ部材が設けられている。そのため、基材に反りが生じていても、搬送部によって貼付ロールの下方に搬送される前に、基材押さえ部材によって下方に押さえ付けられることにより、基材の反りが補正され、基材の前端角部が化粧シートの裏面に衝突しなくなる。よって、上記構成によれば、化粧シートは、裏面に塗布された接着剤が部分的に剥がれることなく、均一な膜厚のまま、貼付ロールの最下点において基材の表面に当接して貼り付けられるため、化粧シートが剥がれ難いシート化粧板材を製造することができる。従って、第1の発明によれば、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制することができる。
また、の発明は、上記構成に加え、上記基材押さえ部材は、該基材押さえ部材の前端が、前後方向において、上記貼付ロールの中心軸と後端との間に位置づけられるように設けられていることを特徴とするものである。
の発明では、基材押さえ部材は、該基材押さえ部材の前端が貼付ロールの後半部分と上下方向に重なる程、貼付ロールに近接して設けられている。基材押さえ部材をこのように設けることにより、搬送部によって順次搬送される複数の基材は、貼付ロールによって表面に化粧シートが貼り付けられる直前まで、基材押さえ部材によって下方に押さえ付けられて反りが補正されることとなる。このような構成によれば、シート化粧板材の製造装置において、貼付ロールの最下点よりも後方において基材の浮き上がった前端角部が化粧シートの裏面(接着剤の塗布された面)に衝突して接着剤を部分的に剥がしてしまうことによって接着不良のシート化粧板材が製造されるのをより確実に抑制することができる。
の発明は、第1の発明において、上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向において該基材の幅以上の長さに形成され、上記基材を、幅方向の一端から他端まで一体的に押圧するように構成されていることを特徴とするものである。
の発明では、化粧シートの貼り付け直前に、基材押さえ部材によって基材が幅方向の一端から他端まで一体的に押さえ付けられることにより、部分的に押さえ付けられる場合に比べて、基材の反りをより確実に補正することができる。従って、第の発明によれば、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのをより確実に抑制することができる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記基材押さえ部材は、後端部が、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されていることを特徴とするものである。
ところで、複数の基材は、搬送部によって順次後側から前側へ搬送されるのに対し、基材押さえ部材は、前後方向に移動しない。そのため、基材押さえ部材の後端部の形状によっては、基材との摩擦力が増大し、搬送部による基材の搬送を阻害するおそれがある。また、基材押さえ部材の後端角部によって基材の表面が傷つくおそれもある。
これに対し、第の発明では、基材押さえ部材は、後端部が、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。そのため、基材押さえ部材の後端の角部が基材の表面に当接してひっかかることがない。このような基材押さえ部材によれば、搬送部による基材の搬送を阻害することなく、また、基材の表面を傷つけることなく、基材を下方に押し付けて基材の反りを補正することができる。
の発明は、第1乃至第のいずれか1つの発明において、上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向に延びる板状部材と、該板状部材の下端面に取り付けられた緩衝部材とを有していることを特徴とするものである。
第5の発明は、板状の基材の表面に化粧シートが接着されて積層一体化されたシート化粧板材を連続的に製造するシート化粧板材の製造装置であって、複数の上記基材を所定の間隔で後側から前側へ搬送する搬送部と、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材の表面に亘り、裏面に水系接着剤が塗布された上記化粧シートを接着するシート接着部と、上記搬送部による上記基材の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の上記基材間において上記化粧シートを前後に切断するシート切断部とを備え、上記シート接着部は、回転しながら外周面の一部に巻き掛けられた上記化粧シートを最下点において上記基材の表面に貼り付ける貼付ロールを有し、上記貼付ロールの後側には、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材を下方に押さえ付ける基材押さえ部材が設けられ、上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向に延びる板状部材と、該板状部材の下端面に取り付けられた緩衝部材とを有していることを特徴とするものである。
ところで、硬度が高い材料で構成された基材押さえ部材を用いると、基材押さえ部材によって基材の表面に線状又は面状の押さ付けた跡が残るおそれがある。
第4及び第5の発明では、基材押さえ部材が、板状部材と該板状部材の下端面に取り付けられた緩衝部材とで構成されている。このように基材押さえ部材の下部を緩衝部材で構成することにより、基材押さえ部材によって基材の表面に線状又は面状の押さ付けた跡が残らない。上記基材押さえ部材によれば、基材の表面に押さ付けた跡を生じさせることなく基材を下方に押し付けることができる。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、該化粧シートの切断部分よりも前側の上記基材の後端部を上記化粧シートの上から押圧する前側押圧部材と、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、上記化粧シートの切断部分よりも後側の上記基材の前端部を上記化粧シートの上から押圧する後側押圧部材とを有するシート押圧部とを備えていることを特徴とするものである。
ところで、化粧シートの切断時には、化粧シートに刃による圧力が作用するため、各基材の端部において化粧シートが剥がれ易くなる。
第6の発明では、シート接着部において複数の基材の表面に亘って化粧シートが接着された後、シート切断部によって隣接する2枚の基材間において化粧シートを切断する際に、化粧シートの切断部分の前後の部分が、シート押圧部の前側押圧部材と後側押圧部材とによって基材に押圧される。そのため、各基材の端部において化粧シートが剥がれるおそれの高い化粧シートの切断時に、化粧シートが剥がれ難くなる。従って、第6の発明によれば、化粧シートが基材から剥がれるおそれの高い化粧シートの切断時においても、化粧シートの剥がれを抑制することができる。
また、第6の発明によれば、化粧シートの貼付後、化粧シートの切断前に、接着剤の水分を吸収して基材に反りが生じ、隣り合う基材間で高低差が生じて基材の端部において化粧シートが剥がれてしまっても、水系接着剤が乾く前にシート押圧部の前側押圧部材と後側押圧部材とによって基材に押圧されて再度密着することとなる。従って、第6の発明によれば、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのをより確実に抑制することができる。
第7の発明は、第6の発明において、上記シート押圧部は、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が、それぞれ上記前側の基材の後端部及び上記後側の基材の前端部を押圧可能な位置に配置されるように、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を前後方向に移動させる移動機構と、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が上記化粧シートに当接しない上方位置と、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が上記基材を上記化粧シートの上から押圧する下方位置との間において、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上下動させる昇降機構とを有し、上記昇降機構は、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際には、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上記下方位置に移動させ、上記移動機構によって上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が後退する際には、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上記上方位置に移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
第7の発明では、前側押圧部材及び後側押圧部材は、搬送部による基材の搬送に合わせて移動機構によって前後方向に移動させられ、隣接する各2枚の基材間において化粧シートを切断する際に、前側の基材の後端部及び後側の基材の前端部を押圧可能な位置に配置される。そのため、化粧シートの切断後、前側押圧部材及び後側押圧部材は、基材の搬送方向と逆方向に移動して次の基材間に移動することとなる。その際、前側押圧部材及び後側押圧部材は、昇降機構によって上方位置に移動させられ、化粧シートに当接しない。よって、第7の発明によれば、前側押圧部材及び後側押圧部材が、基材の搬送方向と逆方向に移動(後退)する際に、化粧シートが剥がれるのを抑制することができる。
以上説明したように、本発明のシート化粧板材の製造装置によると、貼付ロールの下方に搬送される直前の基材を、基材押さえ部材で下方に押さえ付けるようにしたため、シート化粧板材の製造装置において、接着不良のシート化粧板材が製造されるのを抑制することができる。
図1は、実施形態1に係るシート化粧板材の製造装置の概略構成図である。 図2は、図1の基材押さえ部材付近を拡大して示す斜視図である。 図3は、図1のシート切断ユニット付近を拡大して示す斜視図である。 図4は、図1の搬送ユニット及びシート切断ユニットの基材支持部を示す平面図である。 図5は、図5のV−V線断面図である。 図6は、本発明の実施形態1に係るシート化粧板材の製造方法におけるシート切断工程時の動作を説明するための動作図である。 図7は、実施形態2に係るシート化粧板材の製造装置の概略構成図である。 図8は、図7の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るシート化粧板材の製造装置1を示している。製造装置1は、長方形状の板状の基材51と、基材51の表面51a(化粧面)に化粧シート52が接着されて積層一体化されたシート化粧板材50を連続的に製造するものである。
シート化粧板材50は、基材51の表面51aに接着剤53を介して化粧シート52が接着されたものであり、床材等に用いられる。
基材51は、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等の木質材料により構成されている。なお、基材51としては、吸水性を有していれば、例えば、火山性ガラス質複層板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード等の無機質材料によって構成された板材であってもよい。
化粧シート52は、樹脂製であり、例えば、厚さ0.1mm〜0.4mm程度のオレフィン樹脂、PET(polyethylene terephthalate)樹脂、塩化ビニル樹脂等の水分を殆ど含まない樹脂フィルムにより形成されている。なお、化粧シート52としては、樹脂シートの他に、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、不織布、織布、木質薄化粧突き板、畳表等の薄いシート材であってもよい。また、化粧シート52の厚さとしては、後述する長尺の化粧シート52を巻き出す巻出ロール22との兼ね合いで決定すればよく、紙であれば、例えば0.05mm〜0.3mm程度のもの、樹脂シートであれば、例えば、0.15mm〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。なお、化粧シート52には、例えば、木目、石目、抽象柄等が印刷されている。
接着剤53としては、例えば、酢酸ビニル系、水性ビニルウレタン系、アクリル系、イソシアネート系、ユリア系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリビニルアルコール系等の水系接着剤53を乾燥させて構成されている。ここで、接着剤53には、必要に応じて、例えば、イソシアネート系やメラミン系等の硬化剤を添加してもよい。
−製造装置の構成−
図1に示すように、製造装置1は、搬送ユニット10と、シート接着ユニット20と、シート切断ユニット30と、基材押さえ部材40とを備えている。
〔搬送ユニット〕
図1〜図4に示すように、搬送ユニット10は、複数のベルト11と、複数のベルト11を駆動する複数の駆動ローラ12,…,12とを有している。駆動ローラ12,…,12は、図示しない駆動装置によって回転駆動される。ベルト11は、シート切断ユニット30の可動領域では、基材51の幅よりも狭いベルトで構成され、基材51の幅方向に3本平行に設けられ、その他の領域では、基材51の幅よりも広い1本のベルトで構成されている。各ベルト11は、2つの駆動ローラ12,12に巻きかけられている。各ベルト11は、2つの駆動ローラ12,…,12の回転によって、2つの駆動ローラ12,12の上方と下方とにおいて逆向きに送られ、複数の基材51を所定の方向(図1では右方向)に搬送する。
〔シート接着ユニット〕
シート接着ユニット20は、化粧シート52の裏面に接着剤53を塗布するダイコーター21と、ダイコーター21に長尺の化粧シート52を供給する巻出ロール22と、搬送ユニット10によって搬送中の基材51の表面51aに、化粧シート52の裏面に接着剤53が塗布された部分を貼り付ける貼付ロール23と、基材51の表面51aに貼り付けた化粧シート52を押圧する押圧ロール24と、膜厚計25とを備えている。
ダイコーター21は、図1に示すように、Tダイ21aと、Tダイ21aに接続配管を介して接続された接着剤53を貯留するタンク21bと、接続配管の経路中にTダイ21a側から順に設けられたフィルター21c及びポンプ21dと、Tダイ21aの図中下側に設けられたバックアップロール21eとを備えている。
Tダイ21aは、図1に示すように、タンク21bから供給された水系接着剤53を、例えば、0.3mm程度の幅の細長い隙間から定量的に吐出するものである。Tダイ21aは、水系接着剤53がバックアップロール21e側に吐出されるように設けられている。
フィルター21cは、例えば、スチール製の金網等の網目状部材により構成され、Tダイ21aの隙間よりも小さい目(例えば、100メッシュ程度)を有している。ここで、100メッシュのフィルター21cは、例えば、その線径が0.11mmの場合、その目開きの大きさが0.144mmであり、その線径が0.10mmの場合、その目開きの大きさは、0.154mmである。
ポンプ21dは、容積式のポンプによって構成され、タンク21bに貯留された接着剤53を加圧してTダイ21aに送り出すように設けられている。
バックアップロール21eは、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、巻出ロール22から供給された化粧シート52を貼付ロール23に搬送するものである。バックアップロール21eは、搬送する化粧シート52の裏面にTダイ21aからの接着剤53が塗布されるように設けられている。
巻出ロール22は、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、ロール状に巻かれた長尺の化粧シート52を繰り出すものである。巻出ロール22は、繰り出した化粧シート52がダイコーター21のバックアップロール21eの周面に供給されるように設けられている。
貼付ロール23は、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、バックアップロール21eから送られてくる化粧シート52の接着剤53が塗布された裏面を、搬送ユニット10によって順次搬送される基材51の表面51aに貼り付けるものである。貼付ロール23は、外周面の一部に化粧シート52が巻き掛けられ、下端で巻き掛けられた化粧シート52を基材51の表面51aに当接させることにより、基材51の表面51aに貼り付けられるように設けられている。貼付ロール23は、設置高さが変更可能に構成され、基材51の厚さに応じて化粧シート52を基材51の表面51aに貼り付けることができる設置高さに変更される。
押圧ロール24は、図示しない駆動装置によって回転駆動されることにより、貼付ロール23において表面51aに化粧シート52が貼り付けられた基材51を、化粧シート52の上から押圧するものである。押圧ロール24は、貼付ロール23の前側に設けられ、下端が順次搬送される基材51に貼り付けられた化粧シート52に当接して下向きに押圧するように設けられている。押圧ロール24は、設置高さが変更可能に構成され、基材51の厚さに応じて化粧シート52を基材51に押し付けられる設置高さに変更される。
〔シート切断ユニット〕
シート切断ユニット30は、シート切断部31と、シート押圧部32と、支持部材33と、押さえ部材37とを備えている。
シート切断部31は、搬送ユニット10による基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2つの基材51,51間において化粧シート52を前後に切断する。具体的には、シート切断部31は、切断機構31aと、昇降機構31bと、スライダー31cと、ガイド部材31dと、2本の支柱31eと、土台31f(移動機構)とを有している。
切断機構31aは、刃31a1と、カバー31a2と、モータ31a3とを有している。刃31a1は、本実施形態1では、鋭利な外周縁部によって化粧シート52を切断可能な円形状の刃物部材によって構成されている。カバー31a2は、前後面が半円の円弧形状に形成され、刃31a1の化粧シート52の切断に寄与しない上側半分を覆っている。モータ31a3は、刃31a1を回転駆動するように駆動軸が刃31a1の中心部に連結されている。切断機構31aは、モータ31a3によって回転駆動される刃31a1が、スライダー31cに伴って化粧シート52の幅方向に移動することによって、化粧シート52を前後に切断する。
昇降機構31bは、切断機構31a(本実施形態1では、モータ31a3)に連結され、刃31a1を上下動させるように構成されている。具体的には、本実施形態1では、昇降機構31bは、下端部がモータ31a3に連結されたロッドと、該ロッドを上下動させるモータ(図示省略)とで構成されている。昇降機構31bは、刃31a1を、化粧シート52から離間した所定の上方位置と、化粧シート52の切断が可能な所定の下方位置とに移動させるように構成されている。また、昇降機構31bは、化粧シート52の切断中は、刃31a1を下方位置に位置させ、化粧シート52の切断後、刃31a1を次の切断箇所まで後退させる際には、上方位置に位置させるように構成されている。
スライダー31cは、昇降機構31bに連結され、刃31aを昇降機構31bと共に化粧シート52の幅方向に移動させるように構成されている。本実施形態1では、スライダー31cは、昇降機構31bのモータを内包し、昇降機構31bのロッドの上端部を収容可能に構成されている。また、スライダー31cは、ガイド部材31dに対してスライド自在に係合する係合部(本実施形態1では、化粧シート52の幅方向に延びる溝部)を有している。スライダー31cは、図示しないモータによって駆動されて化粧シート52の幅方向にスライド移動するように構成されている。
ガイド部材31dは、化粧シート52の幅方向に長い棒状部材によって構成され、スライダー31cがスライド自在に係合する係合部(本実施形態1では、化粧シート52の幅方向に延びる突条部)を有している。スライダー31cは、ガイド部材31dの前面に沿ってスライド移動することにより、化粧シート52の幅方向に移動する。
2本の支柱31eは、上下方向に延びる棒状部材によって構成され、土台31fに立設されている。2本の支柱31eは、上端部にガイド部材31dが連結され、ガイド部材31dを支持している。
土台31fは、複数の駆動ローラ12の上端よりも下方の位置に設けられ、2本の支柱31eと、シート押圧部32の4つの昇降機構36とが、土台31f上に立設されている。土台31fは、刃31a1が、順次後側から前側へ搬送される複数の基材51の各間に順に配置されて化粧シート52を前後に切断するように、搬送ユニット10の搬送速度に合わせて前後方向に移動するように構成されている。
本実施形態1では、土台31fは、所定のシート切断開始位置と、該シート切断開始位置よりも前側の所定のシート切断終了位置との間で往復移動する。シート切断開始位置とシート切断終了位置は、幅方向に並ぶ3本のベルト11,11,11を繰り出す各2つの駆動ローラ12,12の間に設定されている。つまり、土台31fは、3本のベルト11,11,11を駆動する各2つの駆動ローラ12,12の間で往復移動する。なお、シート切断開始位置とは、前後方向に往復移動するシート切断部31の最も後方の位置であり、シート切断部31が、刃31a1がシート接着ユニット20を通過後の隣接する2つの基材51,51間に配されるまで待機する位置である。
具体的には、土台31fは、化粧シート52の切断前に、シート切断開始位置に移動し、刃31a1が、切断対象となる2つの基材51,51間の化粧シート52に対応するまでシート切断開始位置で待機する。そして、刃31a1が基材51,51間に配されると、土台31fは、刃31a1と化粧シート52との相対位置が変化しないように、基材51の搬送速度に等しい速度で基材51の搬送方向(前方)へシート切断終了位置まで移動する。シート切断終了位置に到達すると、土台31fは、シート切断開始位置まで、基材51の搬送方向と逆向き(後向き)に移動する。
なお、土台31fは、前後方向に移動する際に、3本のベルト11に干渉しない形状に形成されている。また、土台31fは、2本の支柱31eと、シート押圧部32の4つの昇降機構36とが立設可能で、3本のベルト11に干渉せずに上述のように前後方向に移動するものであれば、いかなる形状であってもよい。
シート押圧部32は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分の前後の基材51,51の前後に対向する各端部を化粧シート52の上から押圧するように構成されている。具体的には、シート押圧部32は、前側押圧部材34(押圧部材)と、後側押圧部材35(押圧部材)と、4つの昇降機構36,…,36とを有している。
前側押圧部材34は、搬送ユニット10の上方に設けられ、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部を化粧シート52の上から押圧するように構成されている。具体的には、前側押圧部材34は、板状部材34aと、該板状部材34aの下端面に取り付けられた緩衝部材34bとを有している。板状部材34aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材34aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材34bは、平面視において板状部材34aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材34bは、不織布によって構成されている。詳細については後述するが、緩衝部材34bは、基材51を化粧シート52の上から押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接する。
後側押圧部材35は、搬送ユニット10の上方に設けられ、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分よりも後側の基材51の前端部を化粧シート52の上から押圧するように構成されている。具体的には、後側押圧部材35は、板状部材35aと、該板状部材35aの下端面に取り付けられた緩衝部材35bとを有している。板状部材35aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材35aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材35bは、平面視において板状部材35aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材35bは、不織布によって構成されている。詳細については後述するが、緩衝部材35bは、基材51を化粧シート52の上から押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接する。
前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、前側押圧部材34の後端と後側押圧部材35の前端との距離が、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の前後に隣接する2枚の基材51,51間の距離よりも短くなるように設けられている。前側押圧部材34の後端と後側押圧部材35の前端との距離は、シート切断部31による化粧シート52の切断を阻害しない(実施形態1では、前側押圧部材34の後端と後側押圧部材35の前端が刃31a1と干渉しない)程度に狭いのが好ましい。
このような構成により、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、前側押圧部材34は、化粧シート52の前側の基材51の後端の前後に亘る部分を上から押圧し、後側押圧部材35は、化粧シート52の後側の基材51の前端の前後に亘る部分を上から押圧することとなる。つまり、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、隣接する2枚の基材51,51の対向する両端部の端まで化粧シート52を基材51に押し付けると共に、両基材51,51の端からはみ出した化粧シート52も下方へ押圧する。このように前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、隣接する2枚の基材51,51の端からはみ出した化粧シート52を押さえ付けることにより、化粧シート52の切断中に、化粧シート52の前後に切断された部分が上方に捲れ上がって基材51から剥がれてしまうのを抑制することができる。
また、万一、化粧シート52の切断前に、各基材51の端部において化粧シート52の剥がれが生じても、水系接着剤53が乾く前に前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって基材51に押圧されて再度密着することとなる。
4つの昇降機構36,…,36は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35の長手方向の両端部にそれぞれ1つずつ設けられている。4つの昇降機構36,…,36は、同時に同じ高さ位置に上下動することにより、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が化粧シート52に当接しない上方位置と、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が基材51を化粧シート52の上から押圧する下方位置との間において、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を上下動させるように構成されている。
具体的には、前側押圧部材34の長手方向の両端部に設けられた2つの昇降機構36,36(前側の昇降機構36,36)は、前側押圧部材34の長手方向の端部にそれぞれ連結され、前側押圧部材34を、化粧シート52から離間した化粧シート52に当接しない上記上方位置と、化粧シート52に当接して基材51を化粧シート52の上から押圧する上記下方位置とに移動させるように構成されている。また、前側の昇降機構36,36は、化粧シート52の切断中は、前側押圧部材34を下方位置に位置させ、化粧シート52の切断後、前側押圧部材34が後退する際には、上方位置に位置させるように構成されている。
後側押圧部材35の長手方向の両端部に設けられた2つの昇降機構36,36(後側の昇降機構36,36)は、後側押圧部材35の長手方向の端部にそれぞれ連結され、後側押圧部材35を、化粧シート52から離間した化粧シート52に当接しない上記上方位置と、化粧シート52に当接して基材51を化粧シート52の上から押圧する上記下方位置とに移動させるように構成されている。また、後側の昇降機構36,36は、化粧シート52の切断中は、後側押圧部材35を下方位置に位置させ、化粧シート52の切断後、後側押圧部材35が後退する際には、上方位置に位置させるように構成されている。
以上のような構成により、4つの昇降機構36,…,36は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際には、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を下方位置に移動させることにより、化粧シート52を基材51,51の端部に押し付け、土台31f(移動機構)が後退することによって前側押圧部材34及び後側押圧部材35が後退する際には、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を上方位置に移動させることにより、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が化粧シート52に当接しないように構成されている。
支持部材33は、図1,図4及び図5に示すように、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、該化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部と後側の前端部とを下方から支持するように構成されている。本実施形態1では、図4及び図5に示すように、支持部材33は、幅方向に並ぶ3本のベルト11,11,11の各間に設けられ、板状部材によって構成されている。各支持部材33は、上面の高さが、搬送ユニット10の幅方向に並ぶ3本のベルト11,11,11の送り部分(搬送方向に進む図1において上側の部分)の上面の高さと略等しくなるように設置されている。また、各支持部材33は、搬送ユニット10による搬送方向において、少なくともシート切断開始位置における後側押圧部材35の後端の位置(図4の左側に二点鎖線で示す後側押圧部材35の左端)からシート切断終了位置における前側押圧部材34の前端(図4の右側に二点鎖線で示す前側押圧部材34の右端)の位置に亘る長さに形成されている。つまり、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、シート切断開始位置からシート切断終了位置まで化粧シート52を基材51,51に押し付けながら移動する間、常時、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と上下方向に対向する前後方向長さに形成されている。
押さえ部材37は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、シート接着ユニット20において基材51の表面51aに貼り付けられた化粧シート52が基材51から剥がれないように、基材51を化粧シート52の上から押さえ付けるものである。
本実施形態1では、シート切断ユニット30は、押さえ部材37を3つ有している。3つの押さえ部材37は、シート押圧部32の後方において化粧シート52の幅方向に間隔を開けて並ぶように設けられている。3つの押さえ部材37は、シート切断部31に連結され、該シート切断部31と共に前後方向に往復移動するように構成されている。
具体的には、3つの押さえ部材37は、それぞれ吊下部材38によってガイド部材31dから吊り下げられている。各吊下部材38は、各押さえ部材37の下端が化粧シート52に当接するように各押さえ部材37を吊り下げている。なお、各吊下部材38は、各押さえ部材37の設置高さを変更可能に構成されている。よって、基材51の厚さに応じて各押さえ部材37の下端が化粧シート52に当接するように各押さえ部材37の設置高さを変更することができる。
各押さえ部材37は、板状部材37aと、該板状部材37aの下端面に取り付けられた緩衝部材37bとを有している。板状部材37aは、金属板によって構成されている。板状部材37aは、本実施形態1では、平面視において略矩形状に形成されている。緩衝部材37bは、平面視において板状部材37aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材37bは、不織布によって構成されている。このような構成により、各押さえ部材37は、シート切断部31が化粧シート52を切断する際に、基材51のシート押圧部32の後方の部分を、化粧シート52の上から非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
また、各押さえ部材37は、後端部37rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、各押さえ部材37は、板状部材37aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材37aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材37bを取り付けることによって、後端部37rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、押さえ部材37の後端部37rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
〔基材押さえ部材〕
図1及び図2に示すように、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の後側に設けられ、貼付ロール23において化粧シート52が貼り付けられる前の基材51を、下方に押さえ付けるように構成されている。本実施形態1では、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して貼付ロール23に連結されている。基材押さえ部材40は、搬送ユニット10によって搬送される基材51の表面51aを下方に押さえ付けることができる高さに位置付けられるように貼付ロール23に連結されている。
基材押さえ部材40は、板状部材40aと、該板状部材40aの下端面に取り付けられた緩衝部材40bとを有している。板状部材40aは、基材51の幅方向に長い平面視略矩形状の金属板によって構成されている。板状部材40aは、基材51の幅方向において、基材51の幅以上の長さに形成されている。緩衝部材40bは、平面視において板状部材40aに等しい形状に形成されている。本実施形態1では、緩衝部材40bは、不織布によって構成されている。このような構成により、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の後側において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
また、基材押さえ部材40は、後端部40rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、基材押さえ部材40は、板状部材40aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材40aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材40bを取り付けることによって、後端部40rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、基材押さえ部材40の後端部40rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
さらに、基材押さえ部材40は、前端が貼付ロール23の後半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられている。具体的には、基材押さえ部材40は、前端が、前後方向において、貼付ロール23の中心軸23aと後端23cとの間の第1領域A1内に位置づけられるように設けられている。
−製造方法−
次に、上記シート化粧板材50の製造方法について説明する。この製造方法は、(1)接着剤塗布工程と、(2)シート接着工程と、(3)シート切断工程と、(4)平板プレス工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)接着剤塗布工程
接着剤塗布工程では、化粧シート52の裏面に接着剤53(水系接着剤53)を塗布する。本実施形態1では、接着剤塗布工程は、ダイコーター21によって行われる。
具体的には、巻出ロール22、バックアップロール21e及び貼付ロール23を駆動させると共に、ダイコーター21のポンプ21dを作動させる。これにより、巻出ロール22からロール状の化粧シート52が繰り出され、バックアップロール21e及び貼付ロール23へ順に送られる。ダイコーター21では、タンク21b内に貯留された接着剤53が、ポンプ21dによってフィルター21cを介してTダイ21aに搬送され、Tダイ21aの隙間からバックアップロール21eに向かって定量的に吐出される。Tダイ21aの隙間からバックアップロール21eに向かって吐出された接着剤53は、バックアップロール21eの外周面において該バックアップロール21eによって貼付ロール23へ送られる化粧シート52の裏面に塗布される。このようにして、化粧シート52の裏面に順次接着剤53が塗布される。
なお、接着剤53の塗布量は、例えば、50g/m〜150g/m程度(好ましくは、50g/m〜100g/m)である。接着剤53の塗布量(膜厚)は、非接触式の膜厚計25から赤外線を照射して、その接着剤53に含まれる水分量に基づいて測定される。なお、接着剤53の塗布量(膜厚)が所定の範囲内に入らない場合には、製造ラインを一旦止め、Tダイ21aの隙間やポンプ21dの送り量等を確認及び調整する。
(2)シート接着工程
シート接着工程では、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって所定の間隔で後側から前側へ順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って供給し、接着する。具体的には、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに貼付ロール23で順次送り出すことにより、化粧シート52が複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って貼り付けられる。その後、搬送ユニット10による搬送方向の貼付ロール23よりも前側に設けられた押圧ロール24により、化粧シート52を各基材51の表面51aに押圧する。このようにして、化粧シート52が各基材51の表面51aに接着される。
ところで、本実施形態1では、貼付ロール23の後側に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を下方に押さえ付ける基材押さえ部材40が設けられている。そのため、本実施形態1では、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23において化粧シート52が貼り付けられる前に、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられることとなる。これにより、基材51に反りが生じて基材51の前端が浮き上がっていても、貼付ロール23の下方に搬送される前に、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられることにより、基材51の前端角部が貼付ロール23に衝突しない。また、基材51の前端角部が貼付ロール23に衝突しないことにより、基材51の前端角部によって化粧シート52の裏面に塗布された水系接着剤53が部分的に剥がれることもない。よって、化粧シート52は、裏面に塗布された水系接着剤53が部分的に剥がれることなく、均一な膜厚のまま、貼付ロール23の最下点において基材51の表面51aに当接して貼り付けられる。
(3)シート切断工程
シート切断工程では、搬送ユニット10によって後側から前側へ順次搬送される複数の基材51,…,51の隣接する各2つの基材51,51間において化粧シート52を前後に切断する。化粧シート52は、搬送ユニット10による基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動するシート切断ユニット30のシート切断部31によって切断される。
具体的には、図6の上段の図に示すように、シート切断部31の土台31f(移動機構)が移動(後退)することにより、シート切断部31が所定のシート切断開始位置に移動する。シート切断開始位置とは、前後方向に往復移動するシート切断部31の最も後方の位置である。本実施形態1では、シート切断部31は、シート切断開始位置において、刃31a1が、シート接着ユニット20を通過後の隣接する2つの基材51,51間に配されるまで待機する。そして、刃31a1が基材51,51間に配されると、土台31f(移動機構)が、搬送ユニット10による基材51の搬送速度に等しい速度で移動(前進する)することにより、シート切断部31は、刃31a1が基材51,51間に配された状態のまま、基材51,51と共に前進する。
また、シート切断部31は、シート切断開始位置に到達すると、刃31a1を昇降機構31bによって上方位置から下方位置に下降させる。具体的には、刃31a1が、下方位置において基材51,51間に配されるタイミングで下降させる。これにより、刃31a1が、化粧シート52を切断可能な位置に配置される。また、これと同時に、シート押圧部32は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を、4つの昇降機構36,36,36,36によって上方位置から下方位置に下降させる。これにより、化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部と化粧シート52の切断部分よりも後側の基材51の前端部とが、前側押圧部材34及び後側押圧部材35によって化粧シート52の上から押圧される。
なお、本実施形態1では、各支持部材33は、搬送ユニット10による搬送方向において、少なくともシート切断部31がシート切断開始位置にある際における後側押圧部材35の後端の位置からシート切断部31がシート切断終了位置にある際における前側押圧部材34の前端の位置に亘る長さに形成されている。そのため、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、4つの昇降機構36,36,36,36によって駆動されて下方位置まで下降すると、化粧シート52の切断部分よりも前側の基材51の後端部と化粧シート52の切断部分よりも後側の基材51の前端部とが、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と支持部材33とによって上下に挟持されることとなる。
ここで、上述のように、本実施形態1では、シート切断ユニット30は、シート切断部31に連動する3つの押さえ部材37,37,37を有している。3つの押さえ部材37,37,37は、シート押圧部32の後方に設けられ、シート切断部31に連結されて該シート切断部31と共に前後方向に往復移動するように構成されている。そのため、基材51に反りが生じていても、シート押圧部32の後側押圧部材35の下方に搬送される前に、3つの押さえ部材37,37,37によって下方に押さえ付けられることにより、基材51の反りが補正され、基材51の前端角部が後側押圧部材35の後面に衝突して引っかかることなく後側押圧部材35によって化粧シート52の上から押圧されることとなる。
刃31a1と前側押圧部材34及び後側押圧部材35とが下方位置に達すると、シート切断部31の刃31a1がモータ31a3に回転駆動され、スライダー31cが、図示しないモータによって駆動されることにより、ガイド部材31dに沿って化粧シート52の幅方向に移動する。これにより、刃31a1が、化粧シート52を切断可能な位置において、回転しながら化粧シート52の幅方向の一端側から他端側へ移動することにより、化粧シート52が前後に切断される。これにより、長尺の化粧シート52が基材51毎に個片化される。
ここで、上述のように、本実施形態1では、化粧シート52の切断部分の前後の部分は、前側押圧部材34と後側押圧部材35とにより、上記切断部分よりも前側の基材51の後端部と上記切断部分よりも後側の基材51の前端部とに押圧される。そのため、化粧シート52の切断時には、刃31a1によって化粧シート52に作用する力によって化粧シート52が基材51から剥がれやすくなるところ、前側押圧部材34及び後側押圧部材35によって各基材51の端部に化粧シート52が押し付けられることにより、化粧シート52が各基材51の端部において剥がれ難くなる。また、前側押圧部材34及び後側押圧部材35によって各基材51が反り難くなることによっても化粧シート52の剥がれが抑制される。
図6の下段の図に示すように、シート切断部31は、シート切断終了位置において化粧シート52の切断が完了する(刃31a1が化粧シート52の幅方向の他端に到達する)と、刃31a1の回転を停止し、刃31a1を昇降機構31bによって下方位置から上方位置に上昇させる。これにより、刃31a1が、化粧シート52に当接しなくなる。なお、シート切断終了位置とは、前後方向に往復移動するシート切断部31の最も前方の位置である。また、これと同時に、シート押圧部32は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を4つの昇降機構36,36,36,36によって下方位置から上方位置に上昇させる。これにより、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、化粧シート52に当接しなくなる。
また、シート切断部31は、シート切断終了位置に到達すると、土台31f(移動機構)の移動方向を反転させ、シート切断開始位置(図6の上段の図の位置)まで後退する。そして、シート切断部31は、シート切断開始位置において、刃31a1が、次の基材51,51間に配されるまで待機し、同様の動作により、次の基材51,51間において化粧シート52を切断する。
(4)平板プレス工程
平板プレス工程では、シート切断工程後に、基材51毎に個片化された短尺の化粧シート52が表面に貼り付けられた基材51を、複数枚積み重ね、その状態で、所定時間、平板プレスする。これにより、各基材51と化粧シート52との間において水系接着剤53が乾燥して硬化し、接着剤層となる。このように各基材51と化粧シート52との間において水系接着剤53を硬化させることにより、各基材51の表面51aに接着剤層を介して化粧シート52が積層一体化される。なお、複数枚の基材51を積み重ねる際、上下の基材51,51の化粧シート52,52が当接するように積み重ねてもよく、上方の基材51と下方の基材51の化粧シート52とが当接するように積み重ねてもよい。
以上の工程を経過することにより、製造装置1において基材51の表面51aに化粧シート52が接着されて積層一体化されたシート化粧板材50が連続的に製造される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、貼付ロール23の後側に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を下方に押さえ付ける基材押さえ部材40が設けられている。そのため、基材51に反りが生じていても、搬送ユニット10によって貼付ロール23の下方に搬送される前に、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられることにより、基材51の反りが補正され、基材51の前端角部が化粧シート52の裏面に衝突しなくなる。よって、上記構成によれば、化粧シート52は、裏面に塗布された接着剤53が部分的に剥がれることなく、均一な膜厚のまま、貼付ロール23の最下点において基材51の表面51aに当接して貼り付けられるため、化粧シート52が剥がれ難いシート化粧板材50を製造することができる。従って、本実施形態1によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのを抑制することができる。
また、本実施形態1では、基材押さえ部材40は、該基材押さえ部材40の前端が貼付ロール23の後半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられている。基材押さえ部材40をこのように設けることにより、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23によって表面51aに化粧シート52が貼り付けられる直前まで、基材押さえ部材40によって下方に押さえ付けられて反りが補正されることとなる。このような構成によれば、シート化粧板材の製造装置1において、貼付ロール23の最下点よりも後方において基材51の浮き上がった前端角部が化粧シート52の裏面(接着剤53の塗布された面)に衝突して接着剤53を部分的に剥がしてしまうことによって接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態1では、化粧シート52の貼り付け直前に、基材押さえ部材40によって基材51が幅方向の一端から他端まで一体的に押さえ付けられることにより、部分的に押さえ付けられる場合に比べて、基材51の反りをより確実に補正することができる。従って、本実施形態1によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
ところで、複数の基材51,…,51は、搬送ユニット10によって順次後側から前側へ搬送されるのに対し、基材押さえ部材40は、前後方向に移動しない。そのため、基材押さえ部材40の後端部40rの形状によっては、基材51との摩擦力が増大し、搬送ユニット10による基材51の搬送を阻害するおそれがある。また、基材押さえ部材40の後端角部によって基材51の表面51aが傷つくおそれもある。
これに対し、本実施形態1では、基材押さえ部材40は、後端部40rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。そのため、基材押さえ部材40の後端の角部が基材51の表面51aに当接してひっかかることがない。このような基材押さえ部材40によれば、搬送ユニット10による基材51の搬送を阻害することなく、また、基材51の表面51aを傷つけることなく、基材51を下方に押し付けて基材51の反りを補正することができる。
ところで、硬度が高い材料で構成された基材押さえ部材40を用いると、基材押さえ部材40によって基材51の表面51aに線状又は面状の押さ付けた跡が残るおそれがある。
本実施形態1では、基材押さえ部材40が、板状部材40aと該板状部材40aの下端面に取り付けられた緩衝部材40bとで構成されている。このように基材押さえ部材40の下部を緩衝部材40bで構成することにより、基材押さえ部材40によって基材51の表面51aに線状又は面状の押さ付けた跡が残らない。上記基材押さえ部材40によれば、基材51の表面51aに押さ付けた跡を生じさせることなく基材51を下方に押し付けることができる。
また、本実施形態1では、緩衝部材40bは、不織布によって形成されている。このような構成により、本実施形態1によれば、基材51の表面51aに押さ付けた跡を生じさせない基材押さえ部材40を容易に構成することができる。
ところで、化粧シート52の切断時には、化粧シート52に刃31a1による圧力が作用するため、各基材51の端部において化粧シート52が剥がれ易くなる。
これに対し、本実施形態1では、製造装置1が、化粧シート52の切断時に、該化粧シート52の切断部分の前後の基材51,51の端部を化粧シート52の上から押圧する前側押圧部材34及び後側押圧部材35を有するシート押圧部32を備えている。そのため、本実施形態1では、シート接着ユニット20において複数の基材51,…,51に亘って化粧シート52が接着された後、シート切断部31によって隣接する2枚の基材51,51間において化粧シート52を切断する際に、化粧シート52の切断部分の前後の部分が、シート押圧部32の前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって基材51に押圧される。そのため、各基材51の端部において化粧シート52が剥がれるおそれの高い化粧シート52の切断時に、化粧シート52が剥がれ難くなる。従って、本実施形態1によれば、化粧シート52が基材51から剥がれるおそれの高い化粧シート52の切断時においても、化粧シート52の剥がれを抑制することができる。
また、本実施形態1によれば、化粧シート52の貼付後、化粧シート52の切断前に、接着剤53の水分を吸収して基材51に反りが生じ、隣り合う基材51,51間で高低差が生じて基材51の端部において化粧シート52が剥がれてしまっても、水系接着剤53が乾く前にシート押圧部32の前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって基材51に押圧されて再度密着することとなる。従って、本実施形態1によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態1では、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、搬送ユニット10による基材51の搬送に合わせて移動機構(土台31f)によって前後方向に移動させられ、隣接する各2枚の基材51,51間において化粧シート52を切断する際に、前側の基材51の後端部及び後側の基材51の前端部を押圧可能な位置に配置される。そのため、化粧シート52の切断後、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、基材51の搬送方向と逆方向に移動して次の基材51,51間に移動することとなる。その際、前側押圧部材34及び後側押圧部材35は、昇降機構36,36によって上方位置に移動させられ、化粧シート52に当接しない。よって、本実施形態1によれば、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、基材51の搬送方向と逆方向に移動(後退)する際に、化粧シート52が剥がれるのを抑制することができる。
また、本実施形態1では、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、化粧シート52を前側の基材51の後端部及び後側の基材51の前端部に押圧する際に、前側の基材51の後端部及び後側の基材51の前端部を下方から支持する支持部材33が設けられている。そのため、例えば、基材51がベルトコンベア等で搬送される場合であっても、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が化粧シート52を基材51に押圧する際に、基材51が沈み込むことなく、支持部材33によって下方から支持されることとなる。よって、本実施形態1によれば、化粧シート52を確実に基材51に押し付けることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2は、実施形態1のシート化粧板材の製造装置1の一部の構成を変更したものである。なお、以下では、実施形態1と異なる構成についてのみ詳述する。
図7に示すように、実施形態2では、実施形態1のシート化粧板材の製造装置1において、シート接着ユニット20が、ダイコーター21、巻出ロール22、貼付ロール23、押圧ロール24、及び膜厚計25の他、第1〜第3押さえ部材26〜28を備えるように構成されている。
図7及び図8に示すように、第1〜第3押さえ部材26〜28は、基材51の反りを抑制すべく、搬送ユニット10によって順次搬送される基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるものである。第1及び第2押さえ部材26,27は、貼付ロール23と押圧ロール24との間に設けられ、第3押さえ部材28は、押圧ロール24の前側に設けられている。
第1押さえ部材26は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、貼付ロール23側に設けられ、貼付ロール23で表面51aに化粧シート52が貼り付けられた直後の基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるように構成されている。本実施形態2では、第1押さえ部材26は、貼付ロール23の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して貼付ロール23に連結されている。第1押さえ部材26は、下端が、貼付ロール23の下端と略同じ高さに位置付けられるように貼付ロール23に連結されている。
第1押さえ部材26は、板状部材26aと、該板状部材26aの下端面に取り付けられた緩衝部材26bとを有している。板状部材26aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材26aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材26bは、平面視において板状部材26aに等しい形状に形成されている。本実施形態2では、緩衝部材26bは、不織布によって構成されている。このような構成により、第1押さえ部材26は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、化粧シート52の上から幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
第1押さえ部材26は、後端部26rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、第1押さえ部材26は、板状部材26aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材26aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材26bを取り付けることによって、後端部26rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、第1押さえ部材26の後端部26rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
第2押さえ部材27は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、押圧ロール24側に設けられ、第1押さえ部材26を通過した直後の基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるように構成されている。本実施形態2では、第2押さえ部材27は、押圧ロール24の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して押圧ロール24に連結されている。第2押さえ部材27は、下端が、押圧ロール24の下端と略同じ高さに位置付けられるように押圧ロール24に連結されている。
第2押さえ部材27は、板状部材27aと、該板状部材27aの下端面に取り付けられた緩衝部材27bとを有している。板状部材27aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材27aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材27bは、平面視において板状部材27aに等しい形状に形成されている。本実施形態2では、緩衝部材27bは、不織布によって構成されている。このような構成により、第2押さえ部材27は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、化粧シート52の上から幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
第2押さえ部材27は、後端部27rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態1では、第2押さえ部材27は、板状部材27aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材27aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材27bを取り付けることによって、後端部27rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、第2押さえ部材27の後端部27rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
このような構成により、貼付ロール23と押圧ロール24との間には、化粧シート52を基材51に押し付ける押さえ部材26,27が2つ設けられている。また、2つの押さえ部材26,27は、互いの離間距離(第1押さえ部材26の前端と第2押さえ部材27の後端との距離)dが、基材51の間隔Dよりも短くなるように近接して設けられている。
また、2つの押さえ部材26,27のうちの後側の第1押さえ部材26は、後端が貼付ロール23の前半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられている。具体的には、第1押さえ部材26は、後端が、前後方向において、貼付ロール23の中心軸23aと前端23bとの間の第2領域A2内に位置づけられるように設けられている。
一方、2つの押さえ部材26,27のうちの前側の第2押さえ部材27は、前端が押圧ロール24の後半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。具体的には、第2押さえ部材27は、前端が、前後方向において、押圧ロール24の中心軸24aと後端24bとの間の第3領域A3内に位置づけられるように設けられている。
動作の詳細については後述するが、2つの押さえ部材26,27をこのように設けることにより、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23によって表面51aに化粧シート52が貼り付けられた直後から押圧ロール24によって押圧される直前まで、第1押さえ部材26と第2押さえ部材27とによって化粧シート52の上から押さえ付けられ続けることとなる。
第3押さえ部材28は、押圧ロール24を通過した直後の基材51を、化粧シート52の上から押さえ付けるように構成されている。本実施形態2では、第3押さえ部材28は、押圧ロール24の設置高さの変更に伴って設置高さが変更されるように、図示しない連結部材を介して押圧ロール24に連結されている。第3押さえ部材28は、下端が、押圧ロール24の下端と略同じ高さに位置付けられるように押圧ロール24に連結されている。
第3押さえ部材28は、第1及び第2押さえ部材26,27と同様に、板状部材28aと、該板状部材28aの下端面に取り付けられた緩衝部材28bとを有している。板状部材28aは、化粧シート52の幅方向に長い金属板によって構成されている。板状部材28aは、化粧シート52の幅方向において、化粧シート52の幅よりも長い長さに形成されている。緩衝部材28bは、平面視において板状部材28aに等しい形状に形成されている。本実施形態2では、緩衝部材28bは、不織布によって構成されている。このような構成により、第3押さえ部材28は、押圧ロール24の前側において、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を、化粧シート52の上から幅方向の一端から他端まで一体的に非気密状態で押さえ付けるように構成されている。
また、第3押さえ部材28は、第1及び第2押さえ部材26,27と同様に、後端部28rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。本実施形態2では、第3押さえ部材28は、板状部材28aの後端部を上方へ折り曲げ、該板状部材28aの下端面に、該下端面に沿うように緩衝部材28bを取り付けることによって、後端部28rが、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている。なお、第3押さえ部材28の後端部28rは、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状であれば、湾曲した形状であってもよい。
さらに、第3押さえ部材28は、後端が押圧ロール24の前半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。具体的には、第3押さえ部材28は、後端が、前後方向において、押圧ロール24の中心軸24aと前端24cとの間の第4領域A4内に位置づけられるように設けられている。なお、第3押さえ部材28は、シート切断部31が後述するシート切断開始位置(最も後方の位置)にあるときに、前端が後述するシート切断部31の押さえ部材37の後端と近接する大きさに形成されている。例えば、第3押さえ部材28は、前後方向において、第3押さえ部材28の前端とシート切断開始位置におけるシート切断部31の押さえ部材37の後端との距離が、第1及び第2押さえ部材26,27の離間距離dと等しくなるような大きさに形成されている。
以上のように、本実施形態2では、シート接着ユニット20が、ダイコーター21、巻出ロール22、貼付ロール23、押圧ロール24、及び膜厚計25の他、第1〜第3押さえ部材26〜28を備えるように構成されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
−製造方法−
次に、上記シート化粧板材50の製造方法について説明する。実施形態2においても、製造方法は、(1)接着剤塗布工程と、(2)シート接着工程と、(3)シート切断工程と、(4)平板プレス工程とを有する。なお、(1)接着剤塗布工程と、(3)シート切断工程と、(4)平板プレス工程とは、実施形態1と同様である。以下では、実施形態1と異なる(2)シート接着工程についてのみ説明する。
(2)シート接着工程
実施形態2においても、シート接着工程では、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって所定の間隔で後側から前側へ順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って供給し、接着する。具体的には、裏面に接着剤53が塗布された化粧シート52を、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに貼付ロール23で順次送り出すことにより、化粧シート52が複数の基材51,…,51の表面51a,…,51aに亘って貼り付けられる。その後、搬送ユニット10による搬送方向の貼付ロール23よりも前側に設けられた押圧ロール24により、化粧シート52を各基材51の表面51aに押圧する。このようにして、化粧シート52が各基材51の表面51aに接着される。
ところで、本実施形態2では、貼付ロール23と押圧ロール24との間に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を化粧シート52の上方から押さえ付ける押さえ部材(第1及び第2押さえ部材26,27)が設けられている。また、第1及び第2押さえ部材26,27は、化粧シート52の幅方向において化粧シート52の幅よりも長い長さに形成され、互いの離間距離dが基材間隔(基材間の距離D)よりも短くなるように近接して設けられている。さらに、後側の第1押さえ部材26は、後端が貼付ロール23の前半部分と上下方向に重なる程、貼付ロール23に近接して設けられ、前側の第2押さえ部材27は、前端が押圧ロール24の後半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。
そのため、本実施形態2では、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23によって表面51a,51a,51aに化粧シート52が貼り付けられた直後から押圧ロール24によって押圧される直前まで、第1押さえ部材26と第2押さえ部材27とによって化粧シート52の上方から押さえ付けられ続けることとなる。これにより、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、基材51が反るのが抑制され、化粧シート52が基材51から剥がれるのが抑制される。
また、本実施形態2では、押圧ロール24の前側にも、第1及び第2押さえ部材26,27と同様の押さえ部材(第3押さえ部材28)が設けられ、第3押さえ部材28は、後端が押圧ロール24の前半部分と上下方向に重なる程、押圧ロール24に近接して設けられている。そのため、貼付ロール23から押圧ロール24へ向かう基材51だけでなく、押圧ロール24通過後も、第3押さえ部材28によって基材51が押さえ付けられて反り難くなる。つまり、本実施形態2によれば、押圧ロール24通過後も化粧シート52が剥がれ難いものとなる。
実施形態2においても、以上の(1)接着剤塗布工程、(2)シート接着工程、(3)シート切断工程、(4)平板プレス工程を経過することにより、製造装置1において基材51の表面51aに化粧シート52が接着されて積層一体化されたシート化粧板材50が連続的に製造される。
また、以上のように、本実施形態2では、貼付ロール23と押圧ロールとの間に第1及び第2押さえ部材26,27が設けられ、押圧ロール24の前側に第3押さえ部材28が設けられ、シート切断ユニット30のシート押圧部32の後方に3つの押さえ部材37,37,37が設けられている。このような構成により、本実施形態2では、各基材51は、貼付ロール23によって化粧シート52が貼り付けられてから、対向する基材51の端部との間で化粧シート52の切断が開始されるまでの間、第1〜第3押さえ部材26〜28と3つの押さえ部材37,37,37とによって押さえ付けられる。これにより、化粧シート52が貼り付けられてから化粧シート52の切断が開始されるまでの間、基材51が反り難くなり、化粧シート52が剥がれ難くなる。また、化粧シート52の切断中は、前後に対向する基材51,51の各端部が、シート押圧部32の各緩衝部材34b、35bによって化粧シート52の上方から非気密状態で下向きに押さえ付けられる。これにより、各基材51の端部において化粧シート52が剥がれるおそれの高い化粧シート52の切断時に、化粧シート52が剥がれ難くなる。
また、万一、第1〜第3押さえ部材26〜28と3つの押さえ部材37,37,37とによって押さえ付けられていない部分において化粧シート52が剥がれても、化粧シート52の剥がれた部分の水系接着剤53が乾く間もなく、次の押さえ部材又はシート押圧部32の前側押圧部材34と後側押圧部材35とによって押し付けられて再度密着することとなる。そのため、本実施形態1のように水系接着剤53を用いた場合であっても、基材51の表面51aに剥がれなく化粧シート52を接着することができる。
−実施形態2の効果−
以上の構成により、実施形態2によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
ところで、木質基材のように水分を吸収して反りが発生するような基材51を用いると、化粧シート52の貼付後、基材51が水系接着剤53の水分を吸収して反るおそれがある。化粧シート52の貼り付け直後は、接着剤53の接着力が弱いため、基材51の反りによって化粧シート52が剥がれるおそれが高い。また、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、基材51の前後の端部が浮き上がるように基材51が反ると、基材51の前後方向の中程で化粧シート52が基材51から剥がれて浮き上がる。このような基材51が押圧ロール24で押圧されると、基材51の反りが補正されて浮き上がった化粧シート52が基材51に押し付けられるものの、基材51の反りが補正される際に、基材51の前後の端部の表面51a側の角部が化粧シート52の裏面に擦れて接着剤53が剥がれ、押圧ロール24で押圧しても化粧シート52が基材51に密着せず、剥がれるおそれが高くなる。
これに対し、本実施形態2によれば、貼付ロール23と押圧ロール24との間に、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51を化粧シート52の上から押さえ付ける押さえ部材(第1押さえ部材26と第2押さえ部材27)を設けることとしている。このような構成により、搬送ユニット10によって順次搬送される複数の基材51,…,51は、貼付ロール23と押圧ロール24との間において、押さえ部材26,27によって化粧シート52の上から押さえ付けられることにより、反りが補正される。つまり、実施形態2によれば、化粧シート52貼付後における基材51の反りに起因する化粧シート52の剥がれを抑制することができる。従って、本実施形態2によれば、シート化粧板材の製造装置1において、接着不良のシート化粧板材50が製造されるのをより確実に抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、基材押さえ部材40は、平面視において略矩形状の1つの板状部材40aと、該板状部材40aの下端面に取り付けられた1つの緩衝部材40bとで構成されていた。しかしながら、基材押さえ部材40は、貼付ロール23の下方に搬送される直前の基材51の前端部を下方に押さえ付けることによって反りを補正できるものであれば、いかなる形態であってもよい。例えば、基材押さえ部材40は、シート切断ユニット30の3つの押さえ部材37,37,37のように、基材51の幅方向に並ぶ複数の部材によって構成されていてもよい。また、基材押さえ部材40は、平面視において略矩形状に形成されていなくてもよい。
また、上記各実施形態では、シート切断ユニット30は、シート押圧部32とは別に、昇降しない押さえ部材37を有していたが、押さえ部材37を省略し、後側押圧部材35を、押さえ部材37分だけ前後方向に長く形成してもよい。
また、上記各実施形態では、押圧ロール24は、1つのみ設けられていたが、押圧ロール24は、複数設けられていてもよい。その場合、複数のロール24,…,24の各間にも、第1〜第3押さえ部材26〜28と同様に構成された押さえ部材を設けることが好ましい。
また、上記各実施形態では、シート押圧部32は、シート切断部31の土台31f上に設けられ、土台31fによってシート切断部31と共に前後方向に移動するように構成されていたが、シート押圧部32は、シート切断部31とは別に前後方向に移動するための移動機構を有していてもよい。その場合においても、シート押圧部32は、シート切断部31の動作と同様に動作するように構成すればよい。
また、上記各実施形態では、各支持部材33は、設置位置が固定され、前側押圧部材34及び後側押圧部材35が、シート切断開始位置からシート切断終了位置まで化粧シート52を基材51,51に押し付けながら移動する間、常時、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と上下方向に対向する前後方向長さに形成されていた。しかしながら、各支持部材33は、上記実施形態1のものに限られない。各支持部材33は、シート切断部31の土台31f上に設けられ、土台31fによってシート切断部31と共に前後方向に移動するように構成されていてもよい。また、各支持部材33は、シート切断部31とは別に前後方向に移動するための移動機構を有し、シート切断部31と同様に前後方向に移動するものであってもよい。このように各支持部材33が、シート切断部31と同様に前後方向に移動可能な構成の場合、各支持部材33は、前後方向の長さが、少なくとも静止時における前側押圧部材34の前端から後側押圧部材35の後端までの長さ分だけ確保できればよいため、前後方向の長さを実施形態1よりも短く形成することができる。
また、各支持部材33を、前側押圧部材34及び後側押圧部材35を前後方向に移動させる土台31f(移動機構)に連結する構成の場合、支持部材33は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と共に前後方向に移動する。つまり、支持部材33は、前側押圧部材34及び後側押圧部材35と共に、搬送ユニット10によって搬送される基材51を上下方向に挟み込んだ状態で基材51の搬送方向に移動することとなる。よって、このような形態によれば、実施形態1のように、支持部材33の位置が固定されている場合、搬送ユニット10によって搬送される基材51に支持部材33との摩擦によって搬送方向と逆方向に力が作用するところ、支持部材33が基材51の搬送方向に移動することにより、このような摩擦力が作用しないため、基材51の搬送が阻害されない。
また、上記各実施形態では、シート切断部31は、切断機構31aと、昇降機構31bと、スライダー31cと、ガイド部材31dと、2本の支柱31eと、土台31f(移動機構)とを有していたが、シート切断部31の構成は、上記実施形態1の構成に限られない。シート切断部31は、搬送ユニット10による基材51の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の基材51,51間において化粧シート52を前後に切断可能な構成であれば、いかなる構成であってもよい。シート切断部31は、例えば、刃31a1を有さず、レーザによって化粧シート52を切断するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、切断機構31aは、化粧シート52の幅方向に移動する円形状の刃物部材からなる刃31a1を有するように構成されていたが、切断機構31aは、化粧シート52を切断可能なものであればいかなるものであってもよい。例えば、切断機構31aは、化粧シート52の幅方向の一端から他端まで延びる幅方向に長い刃物部材からなる刃を有し、上方位置から下方位置に移動することによって1回的に化粧シート52を切断するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、化粧シート52の裏面に接着剤53を塗布する塗布装置としてダイコーター21を例示したが、塗布装置は、ナイフコーターやコンマコーター等であってもよい。なお、塗布装置としてナイフコーターやコンマコーターを用いた場合には、容積式以外のポンプを用いてもよい。
また、上記実施形態1,2では、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35の緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布によって形成されていたが、本発明に係る緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布に限られない。緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、連続気泡の発泡体やフェルト等、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35が、基材51を化粧シート52の上から押さえ付ける又は押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接して板状部材26a〜29a,34a,35a,37a,40aと化粧シート52との間で圧縮されて変形するように構成されるものであればいかなるもので構成されていてもよい。
また、上記実施形態2のシート化粧板材の製造装置1において貼付ロール23と押圧ロール24との間に2つ設けられていた押さえ部材(第1及び第2押さえ部材26,27)は、1つの押さえ部材で構成することとしてもよい。
また、上記実施形態2のシート化粧板材の製造装置1では、押圧ロール24の前側にも押さえ部材(第3押さえ部材28)を設けていたが、シート切断開始位置(図7の上段のシート切断部31の位置)が、押圧ロール24に近接し、押圧ロール24通過後の基材51がすぐに押さえ部材37によって化粧シート52の上から押さえ付けられる構成であれば、第3押さえ部材28は省略してもよい。
また、上記各実施形態では、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35の緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布によって形成されていたが、本発明に係る緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、不織布に限られない。緩衝部材26b〜29b,34b,35b,37b,40bは、連続気泡の発泡体やフェルト等、各押さえ部材26〜29,37,40及び各押圧部材34,35が、基材51を化粧シート52の上から押さえ付ける又は押圧する際に、化粧シート52と非気密状態で当接して板状部材26a〜29a,34a,35a,37a,40aと化粧シート52との間で圧縮されて変形するように構成されるものであればいかなるもので構成されていてもよい。
本発明は、複数の基材の表面に連続的に化粧シートを接着するシート化粧板材の製造装置に有用である。
1 製造装置
10 搬送ユニット(搬送部)
20 シート接着ユニット(シート接着部)
23 貼付ロール
23a 中心軸
23c 後端
24 押圧ロール
26 第1押さえ部材(押さえ部材)
27 第2押さえ部材(押さえ部材)
31 シート切断部
32 シート押圧部
33 支持部材
34 前側押圧部材
35 後側押圧部材
36 昇降機構
40 基材押さえ部材
40a 板状部材
40b 緩衝部材
40r 後端部
50 シート化粧板材
51 基材
51a 表面
52 化粧シート
53 水系接着剤

Claims (7)

  1. 板状の基材の表面に化粧シートが接着されて積層一体化されたシート化粧板材を連続的に製造するシート化粧板材の製造装置であって、
    複数の上記基材を所定の間隔で後側から前側へ搬送する搬送部と、
    上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材の表面に亘り、裏面に水系接着剤が塗布された上記化粧シートを接着するシート接着部と、
    上記搬送部による上記基材の搬送速度と等しい速度で後側から前側へ移動しながら隣接する2枚の上記基材間において上記化粧シートを前後に切断するシート切断部とを備え、
    上記シート接着部は、回転しながら外周面の一部に巻き掛けられた上記化粧シートを最下点において上記基材の表面に貼り付ける貼付ロールを有し、
    上記貼付ロールの後側には、上記搬送部によって順次搬送される上記複数の基材を下方に押さえ付ける基材押さえ部材が設けられている
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  2. 請求項1に記載のシート化粧板材の製造装置において、
    上記基材押さえ部材は、該基材押さえ部材の前端が、前後方向において、上記貼付ロールの中心軸と後端との間に位置づけられるように設けられている
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載のシート化粧板材の製造装置において、
    上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向において該基材の幅以上の長さに形成され、上記基材を、幅方向の一端から他端まで一体的に押圧するように構成されている
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のシート化粧板材の製造装置において、
    上記基材押さえ部材は、後端部が、前後方向の後方に向かう程、上方に位置する形状に形成されている
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載のシート化粧板材の製造装置において、
    上記基材押さえ部材は、上記基材の幅方向に延びる板状部材と、該板状部材の下端面に取り付けられた緩衝部材とを有している
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のシート化粧板材の製造装置において、
    上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、該化粧シートの切断部分よりも前側の上記基材の後端部を上記化粧シートの上から押圧する前側押圧部材と、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、上記化粧シートの切断部分よりも後側の上記基材の前端部を上記化粧シートの上から押圧する後側押圧部材とを有するシート押圧部を備えている
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
  7. 請求項6に記載のシート化粧板材の製造装置において、
    上記シート押圧部は、
    上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際に、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が、それぞれ上記前側の基材の後端部及び上記後側の基材の前端部を押圧可能な位置に配置されるように、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を前後方向に移動させる移動機構と、
    上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が上記化粧シートに当接しない上方位置と、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が上記基材を上記化粧シートの上から押圧する下方位置との間において、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上下動させる昇降機構とを有し、
    上記昇降機構は、上記シート切断部が上記化粧シートを切断する際には、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上記下方位置に移動させ、上記移動機構によって上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材が後退する際には、上記前側押圧部材及び上記後側押圧部材を上記上方位置に移動させるように構成されている
    ことを特徴とするシート化粧板材の製造装置。
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