JP2010086585A - 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録磁気媒体の製造方法は、磁気記録層を成膜する磁気記録層成膜工程と、CVD(Chemical Vapour Deposition)法を用いて媒体保護層を成膜する保護層成膜工程と、媒体保護層の表面を窒化処理する窒化処理工程と、潤滑層を成膜する潤滑層成膜工程と、を含み、保護層成膜工程は、第1圧力の雰囲気で成膜した後に第2圧力の雰囲気で媒体保護層を成膜し、第1圧力は、第2圧力未満である。
【選択図】図2
Description
本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる磁気記録媒体としての垂直磁気記録媒体100の構成を説明する図である。図1に示す垂直磁気記録媒体100は、ディスク基体110、付着層112、第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114c、前下地層116、第1下地層118a、第2下地層118b、非磁性グラニュラー層120、第1磁気記録層122a、第2磁気記録層122b、補助記録層124、媒体保護層126、潤滑層128で構成されている。なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて軟磁性層114を構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bとはあわせて磁気記録層122を構成する。
ディスク基体110は、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円板状に成型したガラスディスクを用いることができる。なおガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体110を得ることができる。
上述した基体成型工程で得られたディスク基体110上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて付着層112、軟磁性層114、前下地層116、下地層118、非磁性グラニュラー層120、磁気記録層122(磁気記録層成膜工程)、補助記録層124(補助記録層成膜工程)を順次成膜を行い、媒体保護層126はCVD法により成膜する(保護層成膜工程)。この後、潤滑層128をディップコート法により成膜する(潤滑層成膜工程)。なお、生産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。以下、各層の構成および製造方法について説明する。
ディスク基体110上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、付着層112から補助記録層124まで順次成膜を行った。付着層112は、CrTiとした。軟磁性層114は、第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成はCoFeTaZrとし、スペーサ層114bの組成はRuとした。前下地層116の組成はfcc構造のNiW合金とした。下地層118は、第1下地層118aは低圧Ar下でRuを成膜し、第2下地層118bは高圧Ar下でRuを成膜した。非磁性グラニュラー層120の組成は非磁性のCoCr−SiO2とした。第1磁気記録層122aの組成は、CoCrPt−Cr2O3とし、第2磁気記録層122bの組成は、CoCrPt−SiO2−TiO2とした。補助記録層124の組成はCoCrPtBとした。媒体保護層126はCVD法によりC2H4を用いて成膜し、同一チャンバ内で、窒素を導入して窒化処理を行った。潤滑層128はディップコート法によりPFPEを用いて形成した。
110 …ディスク基体
112 …付着層
114 …軟磁性層
114a …第1軟磁性層
114b …スペーサ層
114c …第2軟磁性層
116 …前下地層
118 …下地層
118a …第1下地層
118b …第2下地層
120 …非磁性グラニュラー層
122 …磁気記録層
122a …第1磁気記録層
122b …第2磁気記録層
124 …連続層
126 …媒体保護層
128 …潤滑層
Claims (7)
- 基体上に、磁気記録層と、媒体保護層と、潤滑層とをこの順に備える磁気記録媒体の製造方法であって、
前記磁気記録層を成膜する磁気記録層成膜工程と、
CVD(Chemical Vapour Deposition)法を用いて前記媒体保護層を成膜する保護層成膜工程と、
前記媒体保護層の表面を窒化処理する窒化処理工程と、
前記潤滑層を成膜する潤滑層成膜工程と、
を含み、
前記保護層成膜工程では、前記媒体保護層を、第1圧力の雰囲気で成膜した後に第2圧力の雰囲気で成膜し、
前記第1圧力は、前記第2圧力未満であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 前記第1圧力は、前記CVD法におけるプラズマを発生させるための着火限界以下であって該プラズマを維持可能な維持限界以上の圧力であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記保護層成膜工程は、1のチャンバ内で遂行され、
前記CVD法で用いる気体を導入することで前記チャンバ内の圧力を前記第1圧力以上でありかつ前記CVD法におけるプラズマを発生させるための着火限界以上にし、
前記チャンバ内の圧力が下降する際に着火することでプラズマを発生させ、
前記チャンバ内を、前記気体の導入を継続して前記第1圧力に維持し、
前記第1圧力で前記基体にバイアス電圧を印加しながら前記媒体保護層を成膜し、
さらに、前記気体を導入することで前記チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力に上昇させ、前記媒体保護層の成膜を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 前記チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力に上昇させている間は、前記基体に印加したバイアス電圧を低下させて、媒体保護層の成膜を停止することを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記潤滑層は、末端基に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記媒体保護層には、ダイヤモンドライクカーボンが含まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 請求項1から6に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
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