JP4857232B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される垂直磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDD(ハードディスクドライブ)は、高記録密度化の一途を辿っている。HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するためには、情報信号の記録を担う磁気記録層を形成する磁性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚を低減していく必要があった。ところが、従来から商業化されている面内磁気記録方式(長手磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称される)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子の微細化が進展した結果、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、いわゆる熱揺らぎ現象が発生するようになり、磁気ディスクの高記録密度化への阻害要因となっていた。
この阻害要因を解決するために、近年、垂直磁気記録方式の磁気ディスクが提案されている。垂直磁気記録方式の場合では、面内磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録層の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて保磁力Hcが高く、熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。例えば、特開2002−92865号公報(特許文献1)では、基板上に下地層、Co系垂直磁気記録層、保護層をこの順で形成してなる垂直磁気記録媒体に関する技術が開示されている。また、米国特許第6468670号明細書(特許文献2)には、粒子性の記録層に交換結合した人口格子膜連続層(交換結合層)を付着させた構造からなる垂直磁気記録媒体が開示されている。
特許文献1に記載されているように、垂直磁気記録媒体においては磁気記録層の下方に軟磁性層が設けられ、記録ヘッドから軟磁性層を経て記録ヘッドへと戻る閉磁路が形成されることにより、磁気記録層に高い記録磁界を印加する手法が一般的に採られている。これにより、記録トラックに強い磁界を加えることが可能となるが、同時に隣接トラックへの漏れ磁界も大きくなることから、WATE(Wide Area Track Erasure)、すなわち、書込みの対象となるトラックを中心に数μmにわたって記録情報が消失する現象が問題となる。この問題は、隣接トラックが接近する(つまり、高記録密度の)フォーマットにおいて特に顕在化する。
WATEを低減させる手法として、磁気記録層の逆磁区核形成磁界Hnを負とし、さらにその絶対値を大きくすることが重要といわれている。高い(絶対値の大きい)Hnを得るために、グラニュラー構造を有する磁気記録層の上方又は下方に高い垂直磁気異方性を示す薄膜(連続層)が形成されたCGC(Coupled Granular Continuous)媒体が考案されていることは、特許文献2に記載されているとおりである。ここでグラニュラー構造とは、磁性粒子と非磁性粒子がそれぞれ連続して成長することにより、結晶学的につながった結晶粒子の間に粒界部を形成する非磁性領域を備えた構造である。CGC媒体は、この磁気的に分離性の良いグラニュラー層と連続層との間の交換結合作用により、高いHnを得ている。
特開2002−92865号公報 米国特許第6468670号明細書
磁気記録層は、スパッタリング法によって形成される場合が多い。スパッタリング法は、不活性ガス(主としてAr)の雰囲気中でターゲットと基板との間に高電圧をかけ、イオン化した不活性ガスをターゲットに衝突させ、飛ばされたターゲットの原子によって基板に成膜する方法である。
このとき、高いHcおよび大きなHnを得るためには、雰囲気ガスの圧力を10気圧程度と高くすることが好ましい。このとき形成される膜は結晶構造が疎であり、磁性粒子の間の磁気的な分離が比較的進んでいる。このためHc、Hn、およびSN比(Signal-Noise Ratio)は高い値を示すが、耐衝撃性は低くなってしまう。また、圧力を高くすることにより、膜の表面粗さが大きくなるという問題がある。
一方、雰囲気ガスの圧力を低くすると緻密な膜が形成され、耐衝撃性は高い。また、膜の表面粗さは小さくなる。その代わり強磁性結晶粒子の磁気的な分離が不十分となり、HcやHnは低く、またSN比も低くなってしまうという問題がある。
そこで本発明は、高い保磁力Hcや逆磁区核形成磁界Hnを維持しつつ、耐衝撃性を高めることの可能な磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、基板上に少なくとも第1磁気記録層、第2磁気記録層を備える垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の製造方法において、第1磁気記録層および第2磁気記録層は連続して成長した結晶粒子の間に粒界部を形成する非磁性領域を備えたグラニュラー構造の強磁性層であって、基板側の第1磁気記録層は高圧の雰囲気ガス圧でスパッタリング法を用いて成膜し、基板から離れて形成する第2磁気記録層は低圧の雰囲気ガス圧でスパッタリング法を用いて成膜することを特徴とする。上記構成によれば、第1磁気記録層によって高い保磁力Hcや逆磁区核形成磁界Hnを維持しつつ、第2磁気記録層によって高い耐衝撃性を有する磁気記録媒体を得ることができる。また第1磁気記録層と第2磁気記録層との間で結晶粒の交換結合が生じるため、磁気記録層の上層に連続層が不要となる。
第1磁気記録層の雰囲気ガス圧は、3Pa〜10Paの高圧とすることができる。かかる範囲の圧力の雰囲気ガスにより、高いHcおよびHnを得ることができる。
第2磁気記録層の雰囲気ガス圧は、0.6Pa〜3Paの低圧とすることができる。さらに好ましくは0.8〜2Paである。0.6Paより低くするとプラズマ放電が不安定となるため好ましくなく、また3Paより高くすると衝撃性が低下してしまう。かかる範囲の圧力の雰囲気ガスにより、高い耐衝撃性を得ることができる。
第1磁気記録層および第2磁気記録層は、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜することができる。スパッタリング法の中でもDCマグネトロンスパッタリング法を用いることにより、好適に磁気記録層を成膜することができる。
本発明によれば、高い保磁力Hcや逆磁区核形成磁界Hnを維持しつつ、耐衝撃性を高めることの可能な磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
[第1実施例]
本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の実施例について説明する。図1は本実施例に係る垂直磁気記録媒体の構成を説明する図、図2は雰囲気ガス圧と保磁力Hcの関係を示す図、図3は実施例および比較例の各種特性を説明する図である。なお、以下の実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
図1に示す垂直磁気記録媒体は、基板の例としてのディスク基体1、付着層2、軟磁性層3、下地層4、第1磁気記録層5、第2磁気記録層6、カップリング制御層7、交換エネルギー制御層8(Continuous層)、媒体保護層9、潤滑層10で構成されている。
まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体1を得た。
得られたディスク基体1上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリング法にて、付着層2から交換エネルギー制御層8まで順次成膜を行い、媒体保護層9はCVD法により成膜した。この後、潤滑層10をディップコート法により形成した。以下、各層の構成および製造方法について説明する。
付着層2は10nmのTi合金層となるように、Ti合金ターゲットを用いて成膜した。付着層2を形成することにより、ディスク基体1と軟磁性層3との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層3の剥離を防止することができる。付着層2の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。実用上の観点からは付着層の膜厚は、1nm〜50nmとすることが好ましい。
軟磁性層3は50nmのアモルファスCoTaZr層となるように、CoTaZrターゲットを用いて成膜した。下地層4はRuからなり、磁気記録層5の結晶配向性を改善するために形成される。
第1磁気記録層5および第2磁気記録層6は、非磁性物質の例としての酸化珪素(SiO)を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いてhcp結晶構造を形成した。これにより第1磁気記録層5および第2磁気記録層6は、連続して成長した結晶粒子の間に粒界部を形成する非磁性領域を備えたグラニュラー構造の強磁性層となる。
基板側の第1磁気記録層5は高圧の雰囲気ガス圧で成膜し、基板から離れて形成する第2磁気記録層6は低圧の雰囲気ガス圧で成膜する。なお、第1磁気記録層5と第2磁気記録層6とは同じ材料(ターゲット)でもよいが、組成や種類の異なる材料であってもよい。なお非磁性領域を形成するための非磁性物質としては、例えば酸化珪素(SiO)、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)、酸化タンタル(Ta)を例示できる。
第1磁気記録層5の雰囲気ガス圧は、3Pa〜10Paの高圧とすることができる。図2を参照すれば、スパッタリング中の雰囲気ガスの圧力によって、保磁力Hcが大きく異なることがわかる。そして、種類の異なる材料を用いた場合であっても、上記範囲の圧力の雰囲気ガスによって成膜することにより、高いHcおよびHnを得ることができる。第2磁気記録層6の雰囲気ガス圧は、0.6Pa〜3Paの低圧とすることができる。かかる範囲の圧力の雰囲気ガスにより、高い耐衝撃性を得ることができる。
ここで図3に示すように、実施例1として第1磁気記録層5を3Paの高圧雰囲気下で8nmの膜厚で形成し、第2磁気記録層6を1Paの低圧雰囲気下で6nmの膜厚で成膜した。そして比較例1として磁気記録層を3Paの高圧雰囲気下で14nmの膜厚で形成し(すなわち全膜厚が第1磁気記録層の構成である)、比較例2として1Paの低圧雰囲気下で14nmの膜厚で形成した(すなわち全膜厚が第2磁気記録層の構成である)。
カップリング制御層7は、Pd(パラジウム)層により形成した。カップリング制御層7はPd層の他にPt層で形成することもできる。カップリング制御層7の膜厚は2nm以下が好ましく、さらに望ましくは0.5〜1.5nmである。交換エネルギー制御層8はCoBとPdとの交互積層膜からなり、低Arガスで形成した。交換エネルギー制御層8の膜厚は1〜8nmが好ましく、望ましくは3〜6nmである。
媒体保護層9は、Arに水素を30%含有させた混合ガス中で、プラズマCVD法により膜厚3.5nmの水素化カーボンからなる媒体保護層9を形成した。潤滑層10は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜した。潤滑層10の膜厚は約1nmである。
以上の製造工程により、垂直磁気記録媒体が得られた。得られた垂直磁気記録ディスクにおける第1磁気記録層5、第2磁気記録層6を透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して詳細に分析したところ、グラニュラー構造を備えていた。具体的には、Coを含有するhcp結晶構造の結晶粒子の間に、酸化珪素からなる粒界部分が形成されていることを確認した。なお、比較例1、比較例2の構成も同様にグラニュラー構造を備えていた。
[評価]
上記の実施例1、比較例1、比較例2について、各種の特性について比較を行った。図3に示すように、実施例1の構成では、高いSN比、良好な上書き特性(オーバーライト特性:O/W)、および高い耐衝撃性を示した。これに対し比較例1では、SN比と上書き特性は良好であったが、耐衝撃性が低かった。比較例2では、耐衝撃性は高かったが、SN比と上書き特性が低かった。
また保磁力Hcに着目すれば、高圧の雰囲気ガスで成膜した比較例1の場合が5400エルステッド(Oe)と最も高かったが、実施例1の場合も4300エルステッドであり、比較例2の場合の3700エルステッドより高かった。逆磁区核形成磁界Hnに至っては、比較例1の2000エルステッド、比較例2の1500エルステッドに比べて、実施例1の場合が2300エルステッドともっとも高かった(Hnは絶対値)。
すなわち、本実施例に係る垂直磁気記録媒体においては、磁気記録層を2段階成膜プロセスとし、高圧雰囲気下で成膜した第1磁気記録層5により磁気独立性のよい高い記録再生特性を備え、低圧雰囲気下で成膜した第2磁気記録層6により高い耐衝撃性を備えることができる。また、基板の表層側の第2磁気記録層6を低圧雰囲気下で成膜することにより、表面粗さも低く抑えることができる。
さらに、第1磁気記録層5と第2磁気記録層6との間で結晶流の交換結合が生じるため、磁気記録層の上層に連続層であるカップリング制御層7および交換エネルギー制御層8を必ずしも必要としない。これら連続層を設けないことにより、磁気ヘッドと記録層の距離を縮めることができるため、記録再生特性をさらに高めることができる。また、これらの層が不要となることにより、生産コストの低減をも図ることができる。
なお、上記実施例および比較例において磁気記録層の総厚を14nmとしたのは、15nm程度より厚くなるにつれ、逆磁区核形成磁界(Hn)が低下してしまうためである。これは結晶粒子が粗大化するために磁化回転モードが非一斉回転となるためである。従って第1磁気記録層の厚みに応じて第2磁気記録層の厚みも考慮する必要があり、第1磁気記録層と第2磁気記録層の総厚が15nm以下であることが好ましい。
また、上記実施例において非磁性物質は酸化珪素(SiO)として説明したが、磁性粒(磁性グレイン)間の交換相互作用が抑制、または、遮断されるように、磁性粒の周囲に粒界部を形成しうる物質であって、コバルト(Co)と固溶しない非磁性物質であればよい。例えば酸化珪素(SiOx)、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)を例示できる。
[第2実施例]
本発明にかかる磁気記録媒体の実施例について説明する。図4は本実施例にかかる磁気記録媒体の構成を説明する図であって、上記第1実施例と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示す磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体であって、ディスク基体1、付着層12、第1軟磁性層14a、スペーサ層14b、第2軟磁性層14c、配向制御層16、第1下地層18a、第2下地層18b、微細化促進層20、第1磁気記録層22a、第2磁気記録層22b、補助記録層24、媒体保護層26、潤滑層28で構成されている。なお第1軟磁性層14a、スペーサ層14b、第2軟磁性層14cは、あわせて軟磁性層14を構成する。第1下地層18aと第2下地層18bはあわせて下地層18を構成する。第1磁気記録層22aと第2磁気記録層22bとはあわせて磁気記録層22を構成する。
まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体1を得た。
得られたディスク基体1上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリング法にて、付着層12から補助記録層24まで順次成膜を行い、媒体保護層26はCVD法により成膜した。この後、潤滑層28をディップコート法により形成した。なお、生産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。以下、各層の構成および製造方法について説明する。
付着層12は10nmのTi合金層となるように、Ti合金ターゲットを用いて成膜した。付着層12を形成することにより、ディスク基体1と軟磁性層14との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層14の剥離を防止することができる。付着層12の材料としては、例えばCrTi合金を用いることができる。
軟磁性層14は、第1軟磁性層14aと第2軟磁性層14cの間に非磁性のスペーサ層14bを介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成した。これにより軟磁性層14の磁化方向を高い精度で磁路(磁気回路)に沿って整列させることができ、磁化方向の垂直成分が極めて少なくなるため、軟磁性層14から生じるノイズを低減することができる。具体的には、第1軟磁性層14a、第2軟磁性層14cの組成はCoFeTaZrとし、スペーサ層14bの組成はRu(ルテニウム)とした。
配向制御層16は、軟磁性層14を防護する作用と、下地層18の結晶粒の配向の整列を促進する作用を備える。配向制御層の材質としては、Ni、Cu、Pt、Pd、Zr、Hf、Nbから選択することができる。さらにこれらの金属を主成分とし、Ti、V、Ta、Cr、Mo、Wのいずれか1つ以上の添加元素を含む合金としてもよい。例えばNiW、CuW、CuCrを好適に選択することができる。
下地層18はhcp構造であって、磁気記録層22のhcp構造の結晶をグラニュラー構造として成長させることができる。したがって、下地層18の結晶配向性が高いほど、磁気記録層22の配向性を向上させることができる。下地層の材質としては、Ruの他に、RuCr、RuCoから選択することができる。Ruはhcp構造をとり、Coを主成分とする磁気記録層を良好に配向させることができる。
本実施例において下地層18は、Ruからなる2層構造となっている。上層側の第2下地層18bを形成する際に、下層側の第1下地層18aを形成するときよりもArのガス圧を高くしている。ガス圧を高くするとスパッタリングされるプラズマイオンの自由移動距離が短くなるため、成膜速度が遅くなり、結晶配向性を改善することができる。また高圧にすることにより、結晶格子の大きさが小さくなる。Ruの結晶格子の大きさはCoの結晶格子よりも大きいため、Ruの結晶格子を小さくすればCoのそれに近づき、Coのグラニュラー層の結晶配向性をさらに向上させることができる。
微細化促進層20は非磁性のグラニュラー層である。下地層18のhcp結晶構造の上に非磁性のグラニュラー層を形成し、この上に第1磁気記録層22aのグラニュラー層を成長させることにより、磁性のグラニュラー層を初期成長の段階(立ち上がり)から分離させる作用を有している。微細化促進層20の組成は非磁性のCoCr−SiOとした。
磁気記録層22は、膜厚の薄い第1磁気記録層22aと、膜厚の厚い第2磁気記録層22bとから構成されている。
第1磁気記録層22aは、非磁性物質の例としての酸化クロム(Cr)を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて、2nmのCoCrPt−Crのhcp結晶構造を形成した。非磁性物質は磁性物質の周囲に偏析して粒界を形成し、磁性粒(磁性グレイン)は柱状のグラニュラー構造を形成した。この磁性粒は、微細化促進層のグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長した。
第2磁気記録層22bは、非磁性物質の例としての酸化チタン(TiO)を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて、10nmのCoCrPt−TiOのhcp結晶構造を形成した。第2磁気記録層22bにおいても磁性粒はグラニュラー構造を形成した。
ここで、上記第1実施例と同様に、第1磁気記録層5の雰囲気ガス圧は、3Pa〜10Paの高圧とした。このように高圧の雰囲気ガスによって成膜することにより、高いHcおよびHnを得ることができた。第2磁気記録層6の雰囲気ガス圧は、0.6Pa〜3Paの低圧とした。このように低圧の雰囲気ガスによって成膜することにより、高い耐衝撃性を得ることができた。
補助記録層24はグラニュラー磁性層の上に高い垂直磁気異方性を示す薄膜(連続層)を形成し、CGC構造(Coupled Granular Continuous)を構成するものである。これによりグラニュラー層の高密度記録性と低ノイズ性に加えて、連続膜の高熱耐性を付け加えることができる。補助記録層24の組成は、CoCrPtBとした。
媒体保護層26は、真空を保ったままカーボンをCVD法により成膜して形成した。媒体保護層26は、磁気ヘッドの衝撃から垂直磁気記録層を防護するための保護層である。一般にCVD法によって成膜されたカーボンはスパッタ法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録層を防護することができる。
潤滑層28は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜した。潤滑層28の膜厚は約1nmである。
本実施例に示した如く、下地層18を1層ではなく2層にし、またCoBとPdとの交互積層膜からなる交換エネルギー制御層8の代わりに単層の補助記録層24を設けた場合であっても、高い保磁力Hcや逆磁区核形成磁界Hnを維持しつつ、耐衝撃性を高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される垂直磁気記録媒体の製造方法として利用することができる。
実施例に係る垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。 雰囲気ガス圧と保磁力Hcの関係を示す図である。 実施例および比較例の各種特性を説明する図である。 第2実施例にかかる磁気記録媒体の構成を説明する図である。
符号の説明
1 …ディスク基体
2、12 …付着層
3、14 …軟磁性層
14a …第1軟磁性層
14b …スペーサ層
14c …第2軟磁性層
16 …配向制御層
4、18 …下地層
18a …第1下地層
18b …第2下地層
20 …微細化促進層
22 …磁気記録層
5、22a …第1磁気記録層
6、22b …第2磁気記録層
7 …カップリング制御層
8 …交換エネルギー制御層
9、26 …媒体保護層
10、28 …潤滑層
24 …補助記録層

Claims (4)

  1. 基板上に少なくとも第1磁気記録層、第2磁気記録層を備える垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の製造方法において、
    前記第1磁気記録層および第2磁気記録層は連続して成長した結晶粒子の間に粒界部を形成する非磁性領域を備えたグラニュラー構造の強磁性層であって、
    前記基板側の第1磁気記録層は高圧の雰囲気ガス圧でスパッタリング法を用いて成膜し、
    前記基板から離れて形成する第2磁気記録層は低圧の雰囲気ガス圧でスパッタリング法を用いて成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記第1磁気記録層の雰囲気ガス圧は、3Pa〜10Paの高圧であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記第2磁気記録層の雰囲気ガス圧は、0.6Pa〜3Paの低圧であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記第1磁気記録層および第2磁気記録層は、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
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