JP2010073830A - リードフレーム及びリードフレームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボンディングワイヤとの接合部を備えるインナーリードを有する半導体装置製造用リードフレームであって、前記インナーリードの先端にボンディングワイヤとの接合部を有し、前記接合部がボンディングワイヤ側に向かって凸形状に突出し、且つ前記接合部表面のみに貴金属被膜が設けられていることを特徴とするリードフレーム。
【選択図】図5
Description
そして、これを用いて半導体装置を製造するには、リードフレームのアイランドに半導体素子を搭載し、半導体素子表面の電極とインナーリード先端部とをワイヤボンディングし、その後樹脂封止し、タイバーおよびフレームを切断し、アウターリードに外装めっきを施して得て半導体装置を得ている。
この貴金属被膜の形成に用いられる貴金属めっきは、例えば特許文献1に開示される、押さえ金具、押さえゴム、ラバープレート、上プレ−ト、めっき液噴揚用スリット板及びめっき液噴揚セルとによって構成されるリードフレーム等の垂直上向噴流による部分めっき装置を用いて行なわれる。
又、貴金属めっきが、Agめっきの場合、Ag被膜部は加熱酸化しにくくリードフレーム母材と比較し樹脂封止材との接着性が悪く、この接着性の悪さが半導体装置の信頼性悪化に拍車をかけるとされており、この点からもインナーリードのボンディングワイヤとの接合部のみに貴金属被膜を形成したものが望まれる。
この場合、めっき用マスクは、ゴム等の弾性体にレーザーで穴開け加工して作製する、或いは、所望のめっきパターンを有する金型に液状樹脂を注入し硬化させて作成することになる。
しかしながら、加工方法そのものは高コストであり、安価なリードフレームという要求を満たすことはできていない。
(1)インナーリードの先端部に、インナーリードとボンディングワイヤとの接合部がボンディングワイヤ側に向かって凸形状に設けられるリードフレームの作製工程。
(2)(1)で作製されたリードフレームを所望形状の開口部を有するめっきマスクの上に、マスクの開口部に作製したリードフレームの接合部が露出するように搭載し、リードフレームの背面にめっき裏押さえマスクを配置してリードフレームを固定し、貴金属めっき液を開口部に露出しているインナーリードに吹き当てて接合部表面を含むインナーリードの表面に貴金属被膜を施す工程。
(3)剥離マスクの開口部にインナーリードの接合部の背面が露出するように剥離マスク上にリードフレームを搭載し、このリードフレームの接合部側の面を裏押さえマスクにて押さえてリードフレームを固定し、剥離液を剥離マスクの開口部に露出しているインナーリードに吹き当てて、接合部表面に存在する貴金属被膜以外の貴金属被膜を除去する工程。
更に本発明のリードフレームは、貴金属被膜がインナーリードとボンディングワイヤとの接合部のみに施されているため、この貴金属被膜がAg被膜の場合でも、合計Ag被膜面積は問題となるほど大きくならず、封止樹脂との接着性の悪さが問題となることはない。従って、半導体装置の信頼性に悪影響を及ぼすこともなく、工業上顕著な効果を奏するものである。
従って、リード側面やタイバー近傍に貴金属被膜は存在せず、半導体装置の信頼性や耐久性を損なう恐れはなく、加えて貴金属被膜が形成される範囲は必要最小限に抑えられているため、用いる貴金属が、例えば、Agのように封止樹脂との接着性がリードフレーム材より悪いものであっても、この接着性の悪さにより製造した半導体装置の信頼性が損なわれることはない。
更に、接合部の形態は、ボンディングワイヤとの接合に要する面積さえ確保できていれば良く、この接合部を突出側上部から俯瞰した形状は特に限定されないが、例えば、円形、楕円形、長円径、多角形の群から選ばれる少なくとも一つとすることが望ましい。又、インナーリードの配置によっては、複数の形状を必要に応じて混合して用いても良い。
先ず、リードフレーム材の条材にプレス加工、エッチング加工、或いはそれらを組み合わせて施し、インナーリードの先端に凸形状の接合部を有する所望形状のリードフレームを作製する。このリードフレームの作製方法は、既に公知となっている各種の方法を適用すればよい。
又、リードフレームをエッチング法で作成する場合には、ハーフエッチングにより凸形状部を設けても良く、所望形状のリードフレームを得た後、インナーリード先端部を、プレス金型を用いてコイニング加工して凸形状部を設けても良い。
図1にインナーリードの先端部を示す。(a)は部分平面図、(b)は部分側面図で、1がインナーリード先端部、2がコイニング部、3が凸形状接合部である。
この場合、インナーリード先端部1の背面よりめっき裏押さえマスク5を当てるのは、貴金属めっき液6aがめっき不要部分に入り込むことを可能な限り防止すると共に、貴金属めっき液6aが吹き当てられた際にインナーリード先端部1が振動して厚みの不均一な貴金属めっき被膜が形成されるのを防止するためである。
尚、めっきマスクを始めとする各種マスクは、従来から用いられている天然ゴムや合成ゴム等の弾性体を用いることが望ましい。
8pin−SSOP向リードフレーム用プレス金型を使用し、最終段のコイニング部用金型を本発明の形状に潰し加工できる金型に差し替え、インナーリード先端部に、接合部高さを変えた凸形状接合部を有する8pinSSOP用リードフレーム(SSOP:shrink Small Outline Package,材質:Cu合金C194材)を作製した。
尚、インナーリードの厚みは、150μmである。
凸形状接合部の高さは15μmであり、作製したリードフレームのインナーリード先端部を顕微鏡観察した結果、凸形状接合部の表面のみにAg被膜が存在していた。
このリードフレームにダミーの半導体素子を搭載し、ワイヤボンディングし、樹脂封止した試験用半導体装置を25個作成した。全部の試験用半導体装置について導通テストを行い異常がないことを確認した後、MSLレベル1条件に従いこれらを温度85℃、湿度85%の雰囲気中に168時間放置後260℃に加熱し、半導体装置に異常が見られるかどうかの試験を行ったが、いずれも異常は見られなかった。
凸形状接合部の高さが30μmである以外は、実施例1と同様の方法でAgめっきを行い、実施例1と同じく、凸形状接合部の表面のみにAg被膜が存在し、試験用半導体装置による試験においても異状は見られなかった。
凸形状接合部の高さが45μmである以外は、実施例1と同様の方法でAgめっきを行い、実施例1と同じく、凸形状接合部の表面のみにAg被膜が存在し、試験用半導体装置による試験においても異状は見られなかった。
凸形状接合部の高さを8μmとした以外は実施例1と同様にしてリードフレームを製造した。得られたリードフレームではインナーリード先端部のコイニング部のAg被膜が十分には除去されていなかった。
このリードフレームを用いて試験用半導体装置を25個作製し、全部の試験用半導体装置について導通テストを行い異常がないことを確認した後、MSLレベル1条件に従いこれらを温度85℃、湿度85%の雰囲気中に168時間放置後260℃に加熱し、半導体装置に異常が見られるかどうかの試験を行った。その結果、25個中2個に亀裂が入っているのが観察された。
凸形状接合部の高さを105μmとした以外は、実施例1と同様にしてリードフレームを製造し、得られたリードフレームのインナーリード先端部では、凸形状接合部の表面のみにしかAg被膜は残っていなかった。
このリードフレームを用いて試験用半導体装置を25個作製し、全部の試験用半導体装置について導通テストを行ったところ、3個について異常があった。
2 コイニング部
3 凸形状接合部
4 めっきマスク
4a めっきマスク開口部
5 めっき裏押さえマスク
6a 貴金属めっき液
6b 剥離液
7 貴金属被膜
8 剥離マスク
8a 剥離マスク開口部
9 コイニング部の背面
10 裏押さえマスク
11 コイニングされていない表面
Claims (7)
- ボンディングワイヤとの接合部を備えるインナーリードを有する半導体装置製造用リードフレームであって、
前記インナーリードの先端にボンディングワイヤとの接合部を有し、前記接合部がボンディングワイヤ側に向かって凸形状に突出し、且つ前記接合部表面のみに貴金属被膜が設けられていることを特徴とするリードフレーム。 - 前記接合部の表面形状が円形、楕円形、長円径、多角形の群から選ばれる少なくとも一つである請求項1記載のリードフレーム。
- 前記接合部の高さが、10μm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のリードフレーム。
- 少なくとも下記工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のリードフレームの製造方法である。
(1)インナーリードの先端部に、インナーリードとボンディングワイヤとの接合部がボンディングワイヤ側に向かって凸形状に設けられるリードフレームの作製工程、
(2)前記リードフレームを所望形状の開口部を有するめっきマスクの上に、マスクの開口部に得られた前期リードフレームの前記接合部が露出するように搭載し、前記リードフレームの背面にめっき裏押さえマスクを配置して前記リードフレームを固定し、貴金属めっき液を開口部に露出している前記インナーリードに吹き当てて前記接合部表面を含む前記インナーリードの表面に貴金属被膜を施す工程、
(3)剥離マスクの開口部に前記インナーリードの前記接合部の背面が露出するように剥離マスク上に前記リードフレームを搭載し、前記リードフレームの前記接合部側の面を裏押さえマスクにて押さえて前記リードフレームを固定し、剥離液を剥離マスクの開口部に露出している前記インナーリードに吹き当てて、前記接合部表面に存在する貴金属被膜以外の貴金属被膜を除去する工程。 - プレス金型を用いた方法、エッチング方法を用いた方法、エッチング方法とプレス金型とを組み合わせた方法のいずれかの方法を用いて、インナーリードの先端部にインナーリードとボンディングワイヤとの接合部がボンディングワイヤ側に向かって凸形状に設けられるリードフレームを作製する請求項4記載のリードフレームの製造方法。
- 前記凸形状部の表面形状が円形、楕円形、長円径、多角形の群から選ばれの少なくとも一つとする請求項4または5記載のリードフレームの製造方法。
- 前記接合部の高さが10μm以上であることを特徴とする請求項4乃至6記載のいずれか1項記載のリードフレームの製造方法。
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