JP2010068159A - スケルチ及び放送用中継局装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設定作業でミスが生じた場合であっても放送用信号の出力を継続可能とすることで、放送の信頼性を高めることができるスケルチ及び放送用中継局装置を提供すること。
【解決手段】放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置1に配置され、放送用信号の出力遮断制御を行うデジタルスケルチ5であって、放送用信号から、当該放送用信号を一意に識別するための識別情報を取得するNIT取得部5dと、取得された識別情報が、予め設定された識別情報と一致するか否かに基づいて、出力遮断制御の要否を判定するNIT判定部5eと、所定の第1モードにおいては、NIT判定部5eの判定結果に基づいて出力遮断制御を行い、所定の第2モードにおいては、NIT判定部5eの判定結果に関わらず放送用信号の出力を行うスケルチ制御部5fとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、放送用信号を中継する放送用中継局装置と、この放送用中継局装置に設けられるスケルチに関する。
従来からTV放送の放送システムにおいては、放送電波を山間部等の難視聴地域に伝送するために放送用中継局装置が利用されている。この放送用中継局装置は、山の頂上付近に建てられた中継所の内部に設置され、放送局から送信された放送波をアンテナで受信し、ここで信号の増幅やノイズの除去などを行って、再び送信信号を構成してこれを放送波として目的の難視聴地域に向けて送信するものである。
図5は、従来の放送用中継局装置の構成を示したブロック図である。放送用中継局装置100は、受信アンテナ101、受信変換部102、送信変換部103、PA(Power Amp)104、及び送信アンテナ105を備えて構成されていた。受信アンテナ101は、図示しない放送局から送信された放送波を受信して放送用信号として受信変換部102に出力する。受信変換部102は、放送用信号を所定の中間信号に変換し、中間信号に対するノイズ除去や信号増幅を行った後、この中間信号を送信変換部103に出力する。送信変換部103は、中間信号を目的の周波数の放送用信号に変換し、この放送用信号をPA104に出力する。PA104は、放送用信号を増幅して送信アンテナ105に出力し、送信アンテナ105は放送用信号を放送波として送信する。
ここで、受信変換部102及び送信変換部103の各々には、スケルチ102a、103aが内蔵されていた。これらスケルチ102a、103aは、放送用中継局装置100から出力されるノイズを抑制する。すなわち、受信変換部102や送信変換部103の内部には、図示しないAGC(Automatic Gain Control)が設けられており、このAGCを用いて利得を自動制御することで、受信変換部102や送信変換部103からの出力レベルを所定レベルに維持する。このため、放送休止中等の理由によって放送波がない時には、受信変換部102や送信変換部103に対する入力レベルが低いものと判定してノイズを最大利得で増幅してしまい、これら受信変換部102や送信変換部103からノイズが出力され、不要放射となってしまう。この問題を防止するため、スケルチ102a、103aにより、受信変換部102や送信変換部103に対する入力レベル(RFレベル)を判定し、当該入力レベルが所定レベル(以下「スケルチレベル」)以下である場合には、AGCの増幅機能をOFFとすること等により、放送用信号の出力を遮断していた(例えば特許文献1参照)。
特開2004−048141号公報
しかしながら、従来の放送用中継局装置100においては、スケルチ102a、103aにおけるAGCの制御を入力レベルのみに基づいて行っていたので、例えば、放送休止中等の理由によって放送波がない時に、他の地域の同一チャンネルの放送波がスケルチレベル以上のレベルで放送用中継局装置100に飛び込んできた場合、スケルチ102a、103aは放送用信号の出力を継続してしまう可能性があった。
このような問題を防止するためには、スケルチ102a、103aの制御を入力レベル以外の情報に基づいて行うことも考えられる。例えば、中継を行うべき所定の放送波(以下「希望波」)であるか否かを識別するための識別情報を当該放送波に含めておき、スケルチ102a、103aでは、当該識別情報に基づいて放送波の判別を行い、希望波である場合には放送用信号の出力を継続し、希望波でない場合には放送用信号の出力を遮断することが考えられる。
このような制御を行うためには、希望波に対応する識別情報をスケルチ102a、103aに予め設定しておく必要がある。また、この識別情報の設定以外にも、各種のパラメータの設定を行ったり、スケルチ102a、103aのメンテナンスを行う必要がある。しかしながら、これら各種の設定作業においては、誤った情報を入力してしまったり、出力の継続に必要な情報を消去してしまったりする等、各種の設定ミスを行うことも考えられる。そして、このような設定ミスが生じた場合には、設定作業中や設定作業後において、放送用信号の出力を継続できなくなり、放送事故を招く可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、各種の設定作業においてミスが生じた場合であっても放送用信号の出力を継続可能とすることで、放送の信頼性を高めることができるスケルチ及び放送用中継局装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のスケルチは、放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置に配置され、前記放送用信号の出力遮断制御を行うスケルチであって、前記放送用信号から、当該放送用信号を一意に識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段にて取得された前記識別情報が、予め設定された識別情報と一致するか否かに基づいて、前記出力遮断制御の要否を判定する判定手段と、所定の第1モードにおいては、前記判定手段の判定結果に基づいて前記出力遮断制御を行い、所定の第2モードにおいては、前記判定手段の判定結果に関わらず前記放送用信号の出力を行う出力遮断制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載のスケルチは、請求項1に記載のスケルチにおいて、前記第2モードは、前記出力遮断制御の要否の判定に用いる前記識別情報を前記判定手段に設定するための設定処理モードを含むことを特徴とする。
請求項3に記載のスケルチは、請求項1又は2に記載のスケルチにおいて、前記第2モードが所定時間以上継続した場合に、当該継続した旨を報知するための出力を行う出力手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の放送用中継局装置は、放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置であって、前記請求項1から3のいずれか一項に記載のスケルチを備えることを特徴とする。
請求項1に記載のスケルチ又は請求項4に記載の放送用中継局装置によれば、所定の第1モードにおいては、判定手段の判定結果に基づいて出力遮断制御を行い、所定の第2モードにおいては、判定手段の判定結果に関わらず放送用信号の出力を行うため、例えば、通常動作を行う場合には出力遮断制御を行い、各種の設定作業を行う際には放送用信号の出力を行うことで、各種の設定作業においてミスが生じた場合であっても放送用信号の出力を継続でき、放送の信頼性を高めることができる。
請求項2に記載のスケルチによれば、第2モードは識別情報を判定手段に設定するための設定処理モードを含むので、識別情報の設定作業中には放送用信号の出力を行うことで、識別情報の設定作業においてミスが生じた場合であっても放送用信号の出力を継続でき、放送の信頼性を高めることができる。
請求項3に記載のスケルチによれば、第2モードが所定時間以上継続した場合に報知出力を行うので、強制的なスルー状態が長時間継続していることを外部に報知でき、問題を確認して通常動作への復帰を行わせる等の措置を早期に講ずることが可能となる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るスケルチ及び放送用中継局装置の一実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕本実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕本実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕本実施の形態の基本的概念
まず、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る放送用中継局装置は、TV放送の放送システムにおいて、放送電波を入力信号として受信し、これに周波数変換を含む処理を施して出力信号を生成する機能を備えるものである。この種の放送用中継局装置において、入力信号は、発振器からの所定周波数の信号と混合され、その処理のために一旦中間信号に変換される。この状態でフィルタ回路によって信号ノイズの除去が施され、必要な信号増幅などが行われる。これらの処理を経た中間信号は、入力信号と同じかあるいは任意の周波数に、再度変換され出力される。
本発明に係る放送用中継局装置の代表的な例としては、TV放送用中継局装置がある。放送用中継局装置は、TV放送の放送システムにおいて、放送電波を山間部等の難視聴地域に中継するためのものであり、特に、本発明に係るものは、放送用信号を所定周波数の中間信号に変換した後、該中間信号を所定周波数の放送用信号に変換する信号変換機能を備えた放送用中継局装置である。本実施の形態が適用される放送用中継局装置は、その形式として、放送電波を受信する受信所と難視聴地域に電波を送信する送信所とが分離され光ファイバーなどの伝送路によって接続された分離型が、受信機と送信機が一箇所にある非分離型かを問わない。以下の実施の形態では、この放送電波の中継用の放送用中継局装置を例に挙げて説明する。なお、放送用中継局装置の構成としては、分波方法によって、SCPA(Single Channel Power Amplifier)とMCPA(Multi Channel Power Amplifier)に大別でき、本発明はいずれの構成にも同様に適用できるが、以下ではSCPAの例について説明する。
この他、本発明に係る放送用中継局装置の代表的な例としては、共聴用レベルコントローラがある。共聴用レベルコントローラは、共同住宅における受信側装置として備えられ、各受信チャンネル毎の利得ばらつきを調整して安定した出力信号を、同軸ケーブルなどを介して各住戸に出力するためのものである。共聴用レベルコントローラにおいても、入力信号としての放送電波は、各チャンネル毎に分波された後、SAWフィルタ(弾性表面波フィルタ)などで目的外の周波数成分を除去するために、一旦、発振器からの所定周波数信号と混合されて、所定の中間周波数信号に変換される。
〔II〕本実施の形態の具体的内容
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。最初に、本実施の形態に係るスケルチ及び放送用中継局装置の構成を説明し、次いで、この放送用中継局装置を用いて行われる各種の処理について説明する。
(構成)
図1は、本実施の形態に係る放送用中継局装置の構成を示すブロック図である。この放送用中継局装置1は、概略的に、受信アンテナ2、受信変換部3、送信変換部4、デジタルスケルチ5、PA6、及び送信アンテナ7を備えて構成されている。
受信アンテナ2は、放送局から送信された放送波を受信して放送用信号として受信変換部3に出力する。受信変換部3は、放送用信号を所定の中間信号に変換して送信変換部4に出力する中間信号変換手段である。送信変換部4は、中間信号を目的の周波数の放送用信号に変換する放送用信号変換手段である。これら受信変換部3や送信変換部4においては、中間信号に対するノイズ除去や信号増幅が行われる。デジタルスケルチ5については後述する。PA6は、放送用信号を増幅して切替え手段に出力する増幅手段である。送信アンテナ7は、放送用信号を放送波として送信する。なお、これら受信アンテナ2、受信変換部3、送信変換部4、PA6、及び送信アンテナ7については、従来と同様に構成できるので、その詳細は省略する。
(構成−デジタルスケルチ)
次いで、デジタルスケルチ5の構成について詳細に説明する。このデジタルスケルチ5は、放送用信号又は当該放送用信号に基づいて生成された中間信号の出力遮断制御を行うためのもので、特許請求の範囲におけるスケルチに対応する。図2は、図1のデジタルスケルチ5の構成を示すブロック図である。デジタルスケルチ5は、入力端子5a、出力端子5b、復調部5c、NIT取得部5d、NIT判定部5e、スケルチ制御部5f、入出力インターフェース(以下「入出力I/F」)5g、チャンネル表示器5h、チャンネル設定SW5i、同期表示灯5j、NIT受信表示灯5k、NIT設定SW5m、スケルチ表示灯5n、制御SW5p、及びリセットSW5qを備えて構成されている。
入力端子5aは、前段機器(ここでは送信変換部4)からの放送用信号の入力を受け付ける入力手段である。出力端子5bは、後段機器(ここではPA6)へ放送用信号を出力する出力手段である。復調部5cは、入力端子5aから出力端子5bに至る線路から放送用信号を取得し、当該取得した放送用信号を復調してNIT取得部5dに出力する。
NIT取得部5dは、放送用信号に多重されたNIT(Network Information Table)を取得してNIT判定部5eに出力する識別情報取得手段である。NITは、放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号を識別するための識別情報である。このNITには、放送用信号の物理チャンネル及び周波数が含まれている。ただし、識別情報の具体的種類は任意であり、NITに代えて、SDT(Service Description Table)、BIT(Broadcaster Information Table)、EIT(Event Information Table)、CDT(Common Data Table)を含む、任意の情報を用いることができる。
NIT判定部5eは、NIT取得部5dにて取得されたNITに基づいて、入力端子5aを介して入力された放送用信号に対する出力遮断制御の要否を判定する判定手段である。例えば、NIT判定部5eは、当該放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号のNITを予め保持しており、このNITとNIT取得部5dにて取得されたNITとが相互に一致するか否かを判定することで、放送用信号の適否を判定する。これら2つのNITが相互に一致する場合におけるNIT判定部5eの判定結果を「NIT一致」、相互に一致しない場合におけるNIT判定部5eの判定結果を「NIT不一致」と称する。なお、NIT判定結果としては、この他にも、NITが取得できなかった場合(NIT無)や、NITに何らかのエラーがあった場合(NITエラー)が存在する。
スケルチ制御部5fは、NIT判定部5eの判定結果に基づいて出力遮断制御を行う出力遮断制御手段である。例えば、スケルチ制御部5fは、通常動作モードにおいては、NIT判定部5eの判定結果に基づいて出力遮断制御を行い、設定モードにおいては、NIT判定部5eの判定結果に関わらず放送用信号の出力を行う。通常動作モードとは、放送用信号の適否を監視して出力遮断制御を行うモードであり、第1モードに対応する。設定モードとは、通常動作モード以外の全ての動作状態を包含するモードであり、第2モードに対応するものであって、例えば、NITを設定するモードや、各種のメンテナンス作業を行うモードが該当する。
入出力I/F5gは、外部機器との間で有線又は無線により通信を行うための入出力手段である。例えば、外部機器としては、上述した遠方監視装置が想定される。また、入出力I/F5gは、NIT取得部5dにて取得されたNITを遠方監視装置に送信する送信手段である。
チャンネル表示器5hは、当該放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号のチャンネル番号を表示する表示手段であり、例えば、7セグメント表示器によって構成される。また、チャンネル表示器5hは、NIT取得部5dにて取得されたNITを表示する識別情報出力手段である。チャンネル設定SW5iは、中継を行うべき放送用信号のチャンネル番号を設定するための入力スイッチである。同期表示灯5jは、放送用信号との同期状態を示す表示手段、NIT受信表示灯5kは、放送用信号からのNITの取得状態を示す表示手段、スケルチ表示灯5nは、出力遮断制御の状態を示す表示手段であり、これらは例えばLED(Liquid Emitting Diode)を用いて構成される。NIT設定SW5mは、中継を行うべき放送用信号のNITを設定するための入力スイッチである。
制御SW5pは、出力遮断制御を自動的に解除することで、放送用信号をいわゆるスルー状態で出力端子5bに出力させるための指示手段であり、この制御SW5pが押圧されると、当該制御SW5pが再び押圧されるまで押圧状態が機械的に保持され、押圧状態が保持されている間は、基本条件と連続条件の充足の有無に関わらず、出力遮断制御が解除される。
リセットSW5qは、スケルチ制御部5fをリセットするためのリセット手段である。
(中継処理)
次に、この放送用中継局装置1のデジタルスケルチ5において行われる中継処理について説明する。図3は中継処理のフローチャートである。なお、この処理では、NIT判定部5eに対して予めNITが設定されている状態において、通常動作モードで中継処理を開始し、この中継処理の中で、通常動作モードが設定モードに切り替えられた例について説明する。また、設定モードでは、新しいNITを設定する場合を例に挙げて説明する。
NIT取得部5dは、復調部5cにて復調された放送用信号からNITを取得し、このNITをNIT判定部5eに出力する(SA1)。NIT判定部5eは、NIT取得部5dにて取得されたNITと、予め自己に設定されたNITとが、相互に一致するか否かを判定する(SA2)。そして、NIT判定部5eは、相互に一致しない場合には(SA2、No)、NIT不一致の判定結果を示す信号をスケルチ制御部5fに出力する(SA3)。スケルチ制御部5fは、NIT不一致の判定結果を受けた場合には出力を遮断する(SA4)。
ここで、任意のタイミングで操作者によってチャンネル設定SW5iが押されることで設定モードへの切り替えが指示されると(SA5、Yes)、通常動作モードが、NITを設定するための設定モードに切り替えられてNIT設定処理が実行される(SA7)。ここで、スケルチ制御部5fは、このように通常動作モードが設定モードに切り替えられる際には、当該切り替えに先立って、NIT判定部5eからの判定結果に関わらず放送用信号の出力を継続するための、強制的なスルー制御を行う(SA6)。
図4はNIT設定処理のフローチャートである。復調部5cにて復調された放送用信号からNIT取得部5dにて取得されたNITと、このNITに含まれるチャンネル番号(物理チャンネル)が、チャンネル表示器5hに表示される(SB1)。例えば、NITとチャンネル番号は交互に表示され、NITの桁数がチャンネル表示器5hの表示桁数より多い場合には、NITは複数に分割して順次表示される。操作者は、これらチャンネル番号及びNITの表示内容を目視することで、現在の放送用信号の内容を確認でき、この放送用信号が希望波によるものであるか否かを確認することができる。そして、操作者は、希望波のNITがチャンネル表示器5hに表示されている時にNIT設定SW5mを押すことで、当該表示されているNITの保持を指示する。この指示を受けたNIT判定部5eは(SB2、Yes)、その時点においてチャンネル表示器5hに表示していたNITを内部に保持することで、NITの設定を行う(SB3)。これにて設定処理が終了して、通常動作モードに復帰する。
図3において、スケルチ制御部5fは、設定モードから通常動作モードへの復帰を監視している(SA8)。そして、スケルチ制御部5fは、通常動作モードから設定モードへ切り替えられてから所定時間(例えば10分以内)に通常動作モードに復帰しない場合には(SA9、Yes)、設定モードが所定時間以上継続している旨を報知するための報知信号を生成し、この報知信号を入出力I/F5gを介して遠方監視装置に送信する(SA10)。この遠方監視装置では、報知信号が所定形式で出力されることで、設定モードが所定時間以上継続しており、強制的なスルー制御が行われていることを把握できる。そして、必要に応じて、設定モードから通常動作モードへ強制復帰させるための制御信号を遠方監視装置からデジタルスケルチ5に送信し、この制御信号を入出力I/F5gを介して受信したスケルチ制御部5fに、設定モードから通常動作モードへの強制復帰を実行させてもよい。
設定モードから通常動作モードへ復帰した場合(SA8、Yes)、スケルチ制御部5fは、強制的なスルー制御を解除した上で(SA11)、SA1に移行して出力遮断の判定を再開する(SA1)。なお、NIT判定部5eにおける判定は、NIT設定処理において当該NIT判定部5eの内部に新たに保持されたNITを用いて行われる。
(効果)
このように本実施の形態によれば、通常動作モードにおいては、NIT判定部5eの判定結果に基づいて出力遮断制御を行い、設定モードにおいては、NIT判定部5eの判定結果に関わらず放送用信号の出力を行うため、例えば、通常動作を行う場合には出力遮断制御を行い、各種の設定作業を行う際には放送用信号の出力を行うことで、各種の設定作業においてミスが生じた場合であっても放送用信号の出力を継続でき、放送の信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、設定モードは識別情報をNIT判定部5eに設定するための設定処理モードを含むので、NITの設定作業中には放送用信号の出力を行うことで、NITの設定作業においてミスが生じた場合であっても放送用信号の出力を継続でき、放送の信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、設定モードが所定時間以上継続した場合に報知信号出力を行うので、強制的なスルー状態が長時間継続していることを外部に報知でき、問題を確認して通常動作への復帰を行わせる等の措置を早期に講ずることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(放送用中継局装置の構成について)
また、本実施の形態においては、放送用中継局装置1の内部におけるデジタルスケルチ5の配置位置は任意に変更でき、例えば、送信変換部4の前段に設けてもよい。また、出力遮断制御の具体的方法も変更可能であり、出力端子5bへの出力を遮断するのではなく、例えばPA6の電源をOFFとしてもよい。あるいは、デジタルスケルチ5の機能を、受信変換部3、送信変換部4、又はPA6に内蔵してもよい。
(モードの切替タイミングについて)
第1モード(実施の形態における通常動作モード)を第2モード(実施の形態における設定モード)に切り替えるための切替タイミングは任意であり、図3に示すタイミング以外の任意のタイミングでモード切替を行うことができる。また、設定時モードに設定したチャンネルが正しいかどうかを確認するために、設定したチャンネルの映像を表示するためのモニタを備え、映像を確認して正しければスルー状態を解除して通常動作に復帰するようにして放送事故を防ぐようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る放送用中継局装置の構成を示すブロック図である。 図1のデジタルスケルチの構成を示すブロック図である。 中継処理のフローチャートである。 NIT表示処理のフローチャートである。 従来の放送用中継局装置の構成を示したブロック図である。
符号の説明
1、100 放送用中継局装置
2、101 受信アンテナ
3、102 受信変換部
4、103 送信変換部
5 デジタルスケルチ
5a 入力端子
5b 出力端子
5c 復調部
5d NIT取得部
5e NIT判定部
5f スケルチ制御部
5g 入出力I/F
5h チャンネル表示器
5i チャンネル設定SW
5j 同期表示灯
5k NIT受信表示灯
5m NIT設定SW
5n スケルチ表示灯
5p 制御SW
5q リセットSW
6、104 PA
7、105 送信アンテナ
102a、103a スケルチ

Claims (4)

  1. 放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置に配置され、前記放送用信号の出力遮断制御を行うスケルチであって、
    前記放送用信号から、当該放送用信号を一意に識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
    前記識別情報取得手段にて取得された前記識別情報が、予め設定された識別情報と一致するか否かに基づいて、前記出力遮断制御の要否を判定する判定手段と、
    所定の第1モードにおいては、前記判定手段の判定結果に基づいて前記出力遮断制御を行い、所定の第2モードにおいては、前記判定手段の判定結果に関わらず前記放送用信号の出力を行う出力遮断制御手段と、
    を備えることを特徴とするスケルチ。
  2. 前記第2モードは、前記出力遮断制御の要否の判定に用いる前記識別情報を前記判定手段に設定するための設定処理モードを含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載のスケルチ。
  3. 前記第2モードが所定時間以上継続した場合に、当該継続した旨を報知するための出力を行う出力手段、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスケルチ。
  4. 放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置であって、
    前記請求項1から3のいずれか一項に記載のスケルチ、
    を備えることを特徴とする放送用中継局装置。
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