JP5604207B2 - 放送送信装置 - Google Patents
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Description
まず、本実施の形態に共通の基本的概念について説明する。本発明は、放送信号を送信する装置であって、チャンネルユニットを予備ユニットに切り替えて送信を行う可能性があるあらゆる放送送信装置に適用可能なものである。このような放送送信装置の代表例としては、再放送装置や簡易自主放送装置(例えば、音声信号や映像信号を入力信号として受信し、この入力信号に対してエンコードや変調を行って出力信号を生成して放送信号として送信するもの)を挙げることができる。なお、「放送信号を送信する」とは、放送信号を放送波として無線にて送信すること、及び、放送信号を有線にて電線路や光伝送路にて送信することを含む。以下、本実施の形態では、本発明を再放送装置に適用した場合について説明する。
(構成)
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。まず、再放送装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る再放送装置の全体構成を示すブロック図である。この図1に示すように、再放送装置1は、放送波を受信して再送信する装置であって、受信アンテナ2、受信増幅器3、パワーアンプ4、及び送信アンテナ5を備えて構成されており、受信増幅器3とパワーアンプ4は同軸ケーブル6を介して接続されている。
次に、受信増幅器3の構成についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、受信増幅器3は、入力端子7、分配器8、混合器9、アンプ10、信号検出部11、出力端子12、複数のチャンネルユニット20、予備ユニット40、及び統括制御部50を備えて構成されている。
次に、このように構成された再放送装置1の処理について説明する。この処理は、チャンネルユニット20により再放送を行う再放送処理、チャンネルユニット20の異常を検知する異常検知処理、異常が検知されたチャンネルユニット20を予備ユニット40に切り替える異常切り替え処理、予備ユニット40の復旧を検知する復旧検知処理、及び、予備ユニット40を異常から復旧したチャンネルユニット20に切り替える復旧切り替え処理に大別される。ただし、チャンネルユニット20により再放送を行う再放送処理は、公知の再放送装置1と同様に実行できるので、その説明を省略する。
まず、異常検知処理について説明する。図5は、異常検知処理のフローチャートである。この異常検知処理は、再放送装置1の電源投入後に起動される。この処理において、各チャンネルユニット20のユニット制御部38は、信号検出部34を介して検出された入力信号のレベルと、信号検出部35を介して検出された出力信号のレベルとを監視し、これらのレベルに基づいて、当該ユニット制御部38が設けられているチャンネルユニット20の異常の有無を監視する(SA1)。ここでは、入力信号のレベルと出力信号のレベルとに基づいて、放送状態やチャンネルユニット20の状態を、放送中、放送休止、及び故障(放送停波・異常発振)、の3つのいずれかの状態に分け、故障の状態である場合には、異常が発生したものと判定する。
次に、異常切り替え処理について説明する。図6は、異常切り替え処理のフローチャートである。この異常切り替え処理は、異常検知処理において統括制御部50により起動される。この処理において、統括制御部50は、予備ユニット40の選択スイッチ42を制御することにより(SB1)、切り替え対象ユニット20に割り当てられた周波数(以下、切り替え対象周波数)に対応するフィルタ41をアンプ22に接続する。また、統括制御部50は、切り替え対象周波数を予備ユニット40の周波数制御部28に設定することにより(SB2)、出力信号の周波数を切り替え対象周波数とするための制御を周波数制御部28に実行させる。この切り替え対象周波数は、例えば、各チャンネルユニット20の周波数を統括制御部50に予め記憶させておき、この記憶内容を必要に応じて参照することにより決定することができる。あるいは、切り替え対象ユニット20の周波数制御部28から取得してもよい。また、統括制御部50は、予備ユニット40の出力スイッチ33をONに制御する(SB3)。これにて、切り替え対象周波数のチャンネルの再放送が、予備ユニット40を介して開始される。
次に、復旧検知処理について説明する。図7は、復旧検知処理のフローチャートである。この復旧検知処理は、異常切り替え処理の終了後に起動される。ここでは、異常検知処理において統括制御部50から出力された異常報知信号によりチャンネルユニット20の異常発生を知った監視センターの担当者が、再放送装置1の設置場所に行き、再放送装置1から切り替え対象ユニット20を取り外して修理し、この修理後の切り替え対象ユニット20を再放送装置1に取り付けることを想定している。
最後に、復旧切り替え処理について説明する。図8は、復旧切り替え処理のフローチャートである。この復旧切り替え処理は、復旧検知処理にて統括制御部50により起動される。この処理において、統括制御部50は、切り替え対象ユニット20の出力スイッチをONに制御する(SD1)。これにて、切り替え対象周波数のチャンネルの再放送が、切り替え対象ユニット20を介して再開される。
このように本実施の形態によれば、異常を検知したチャンネルユニット20を予備ユニット40に切り替える場合に、当該異常を検知したチャンネルユニット20における所定の設定情報を取得し、当該設定情報に基づいて予備ユニット40の設定を行うので、異常を検知したチャンネルユニット20における再送信環境を予備ユニット40に引き継ぐことができ、放送環境の安定性を高めることができる。特に、異常を検知したチャンネルユニット20の設定情報を自動的に予備ユニット40に引き継ぐことができるので、予備ユニット40の設定を保守員が手動で行う必要がなくなり、予備ユニット40の設定を手動で行うための特別な技術が必要なくなる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
各チャンネルユニット20の異常判定は、入力信号のレベルと出力信号のレベルに基づく判定以外にも、他の方法で行うこともできる。例えば、発振器による基準周波数の制御状態が所定の制御範囲に収まっているか否かをユニット制御部38が監視し、収まっていない場合には異常が発生したものと判定して、異常報知信号を統括制御部50に出力するようにしてもよい。あるいは、図2の信号検出部11にて検出された信号に含まれる識別情報(NIT:Network Information Table)が所定チャンネルの識別情報に合致するか否かをユニット制御部38が監視し、合致しない場合には異常が発生したものと判定して、異常報知信号を統括制御部50に出力するようにしてもよい。特に、識別情報に基づく異常判定は、各チャンネルユニット20からの出力信号の混合後に行うこともでき、具体的には、信号検出部11にて検出された信号を統括制御部50が各チャンネル毎にスキャンし、各チャンネルの識別情報に基づいて、統括制御部50が異常の有無を判定するようにしてもよい。この他、異常判定については、再放送装置1における公知の判定方法を採用することができる。
上述の異常切り替え処理や復旧切り替え処理においては、ユニット制御部38や統括制御部50により切り替えを自動で行うこととしているが、その一部を手動で行うようにしてもよい。例えば、異常切り替え処理において、切り替え対象ユニット20のレベル調整部32に異常が認められた場合に、レベル調整部32の設定情報を予備ユニット40のレベル調整部32に引き継ぎたくない場合も考えられる。このような場合に対処するため、統括制御部50は、切り替え対象ユニット20の異常を検知した後に、切り替え対象ユニット20の設定情報を監視センターに送信し、監視センターの担当者が引き継ぎを指示する指示信号を出力した場合にのみ、引き継ぎを行うようにしてもよい。あるいは、復旧切り替え処理において、切り替え対象ユニット20の設定情報を最適な状態に担当者が調整した上で、切り替え対象ユニット20を再放送装置1に取り付けた場合には、予備ユニット40の設定情報を切り替え対象ユニット20に引き継ぎたくない場合が考えられる。このような場合に対処するため、統括制御部50は、切り替え対象ユニット20の復旧を検知した後に、予備の設定情報を監視センターに送信し、監視センターの担当者が引き継ぎを指示する指示信号を出力した場合にのみ、引き継ぎを行うようにしてもよい。逆に、復旧切り替え処理において、復旧スイッチ37が操作されてから、予備ユニット40を切り替え対象ユニット20に切り替えているが、この操作を待つことなく、切り替えを行うようにしてもよい。
上記説明した各処理における順序は、変更することも可能である。例えば、図6の異常切り替え処理では、予備ユニット40の出力スイッチ33をONに制御した後(SB3)、切り替え対象ユニット20の出力スイッチ33をOFFに制御しているが(SB4)、これらを同時又は逆の順序で実行してもよい。特に、切り替え対象ユニット20のレベル調整部32に設定されている出力レベルの取得と(SB5)、予備ユニット40のレベル調整部32の出力レベルの設定は(SB6)、予備ユニット40の出力スイッチ33をONに制御する前に行うことが好ましい。同様に、図8の復旧切り替え処理では、予備ユニット40のレベル調整部32に設定されている出力レベルの取得と(SD3)、切り替え対象ユニット20のレベル調整部32の出力レベルの設定は(SD4)、切り替え対象ユニット20の出力スイッチ33をONに制御する前に行うことが好ましい。
上記実施の形態においては、異常報知信号を監視センターに有線又は無線にて送信しているが、再放送装置1に設けた図示しない表示部(例えば液晶パネル)に表示するようにしてもよい。
2、101 受信アンテナ
3、102 受信増幅器
4、103 パワーアンプ
5、104 送信アンテナ
6、105 同軸ケーブル
7 入力端子
8 分配器
9 混合器
10、22、31 アンプ
11、34、35 信号検出部
12 出力端子
20 チャンネルユニット
21、27 フィルタ
23 AGC
24、28 周波数制御部
25、29 発振器
26、30 周波数変換部
32 レベル調整部
33 出力スイッチ
36 復旧灯
37 復旧スイッチ
38 ユニット制御部
40 予備ユニット
50 統括制御部
106 放送波
107、111、112、114 出力信号
108、110 周波数特性
109、113 入力信号
Claims (4)
- 放送信号を出力する放送送信装置であって、
放送入力信号に対して所定処理を行うことにより出力信号を生成して出力するチャンネルユニットであって、複数のチャンネルの各々に対して割り当てられた複数のチャンネルユニットと、
放送入力信号に対して所定処理を行うことにより出力信号を生成して前記放送信号として出力する予備ユニットと、
前記複数のチャンネルユニットのいずれかの異常を検知した場合に、当該異常を検知したチャンネルユニットを前記予備ユニットに切り替える制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記異常を検知したチャンネルユニットを前記予備ユニットに切り替える場合に、当該異常を検知したチャンネルユニットにおける所定の設定情報を、当該異常を検知したチャンネルユニットから取得し、当該設定情報に基づいて前記予備ユニットの設定を行う、
放送送信装置。 - 前記複数のチャンネルユニットの各々と前記予備ユニットとは、前記出力信号のレベルを所定レベルに調整するレベル調整部とを備え、
前記制御手段は、前記設定情報として、前記異常を検知したチャンネルユニットにおける前記レベル調整部の出力レベルを、当該異常を検知したチャンネルユニットにおける当該レベル調整部から取得し、当該出力レベルを前記予備ユニットの前記レベル調整部に設定する、
請求項1に記載の放送送信装置。 - 前記制御手段は、
前記異常を検知したチャンネルユニットが復旧したことを検知した場合に、前記予備ユニットを当該復旧したチャンネルユニットに切り替え、
前記予備ユニットを前記復旧したチャンネルユニットに切り替える場合に、当該予備ユニットの前記設定情報を当該予備ユニットから取得し、当該設定情報に基づいて前記復旧したチャンネルユニットの設定を行う、
請求項1又は2に記載の放送送信装置。 - 前記制御手段は、
前記異常を検知したチャンネルユニットが復旧したことを検知した場合に、当該復旧したことを示す出力を所定の出力手段を介して行い、復旧制御の実行指示を所定の入力手段を介して受けた場合に、前記予備ユニットを前記復旧したチャンネルユニットに切り替える、
請求項3に記載の放送送信装置。
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