JP2010093345A - 放送用中継局装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スケルチ制御の信頼性を高めることで、放送の信頼性を高めることができる、放送用中継局装置を提供すること。
【解決手段】放送用中継局装置1は、放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置1であって、放送用信号を識別するための識別情報を当該放送用信号から取得し、取得した識別情報に基づいて、放送用信号又は放送用信号に基づいて生成された中間信号の出力遮断制御を行うデジタルスケルチ5と、所定条件が満たされた場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とする制御部8とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、放送用中継局装置に関する。
従来からTV放送の放送システムにおいては、放送電波を山間部等の難視聴地域に伝送するために放送用中継局装置が利用されている。この放送用中継局装置は、山の頂上付近に建てられた中継所の内部に設置され、放送局から送信された放送波をアンテナで受信し、ここで信号の増幅やノイズの除去などを行って、再び送信信号を構成してこれを放送波として目的の難視聴地域に向けて送信するものである。
図6は、従来の放送用中継局装置の構成を示したブロック図である。放送用中継局装置100は、受信アンテナ101、受信変換部102、送信変換部103、PA(Power Amplifier)104、及び送信アンテナ105を備えて構成されていた。受信アンテナ101は、図示しない放送局から送信された放送波を受信して放送用信号として受信変換部102に出力する。受信変換部102は、放送用信号を所定の中間信号に変換し、中間信号に対するノイズ除去や信号増幅を行った後、この中間信号を送信変換部103に出力する。送信変換部103は、中間信号を目的の周波数の放送用信号に変換し、この放送用信号をPA104に出力する。PA104は、放送用信号を増幅して送信アンテナ105に出力し、送信アンテナ105は放送用信号を放送波として送信する。
ここで、受信変換部102及び送信変換部103の各々には、スケルチ102a、103aが内蔵されていた。これらスケルチ102a、103aは、放送用中継局装置100から出力されるノイズを抑制する。すなわち、受信変換部102や送信変換部103の内部には、図示しないAGC(Automatic Gain Control)が設けられており、このAGCを用いて利得を自動制御することで、受信変換部102や送信変換部103からの出力レベルを所定レベルに維持する。このため、放送休止中等の理由によって放送波がない時には、受信変換部102や送信変換部103に対する入力レベルが低いものと判定してノイズを最大利得で増幅してしまい、これら受信変換部102や送信変換部103からノイズが出力され、不要放射となってしまう。この問題を防止するため、スケルチ102a、103aにより、受信変換部102や送信変換部103に対する入力レベル(RFレベル)を判定し、当該入力レベルが所定レベル(以下「スケルチレベル」)以下である場合には、AGCの増幅機能をOFFとすること等により、放送用信号の出力を遮断していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−048141号公報
しかしながら、従来の放送用中継局装置100においては、スケルチ102a、103aにおけるAGCの制御を入力レベルのみに基づいて行っていたので、例えば、放送休止中等の理由によって放送波がない時に、他の地域の同一チャンネルの放送波がスケルチレベル以上のレベルで放送用中継局装置100に飛び込んできた場合、スケルチ102a、103aは放送用信号の出力を継続してしまう可能性があった。
このような問題を防止するためには、スケルチ102a、103aの制御を入力レベル以外の情報に基づいて行うことも考えられる。例えば、中継を行うべき所定の放送波(以下「希望波」)であるか否かを識別するための識別情報を当該放送波に含めておき、スケルチ102a、103aでは、当該識別情報に基づいて放送波の判別を行い、希望波である場合には放送用信号の出力を継続し、希望波でない場合には放送用信号の出力を遮断することが考えられる。
しかしながら、このようにスケルチ102a、103aの機能を高度化する程、一般的には、何らの原因によってスケルチ102a、103aが故障したり誤判定を起こしたりする可能性が増大する。この場合、十分な入力レベルの希望波があるにも関わらず、スケルチ102a、103aの不具合によって放送用信号の出力を遮断してしまい、放送事故を招いてしまう可能性が生じるため、放送の信頼性を低下させることになる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スケルチ制御の信頼性を高めることで、放送の信頼性を高めることができる、放送用中継局装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の放送用中継局装置は、放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置であって、前記放送用信号を識別するための識別情報を当該放送用信号から取得し、当該取得した識別情報に基づいて、当該放送用信号又は当該放送用信号に基づいて生成された中間信号の出力遮断制御を行う第1スケルチと、所定条件が満たされた場合に前記第1スケルチの前記出力遮断制御を無効とするスケルチ制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の放送用中継局装置は、請求項1に記載の放送用中継局装置において、前記スケルチ制御手段は、前記放送用信号又は前記中間信号のレベルが所定範囲に含まれない場合に前記第1スケルチの前記出力遮断制御を無効とすることを特徴とする。
また、請求項3に記載の放送用中継局装置は、請求項2に記載の放送用中継局装置において、前記放送用信号又は前記中間信号のレベルが前記所定範囲である場合に当該放送用信号又は当該中間信号の出力を遮断する第2スケルチを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、所定条件が満たされた場合に第1スケルチの出力遮断制御をスケルチ制御手段が無効とするので、第1スケルチの不具合によって放送用信号の出力が遮断される可能性を低減できる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、放送用信号又は中間信号のレベルが所定範囲に含まれない場合に第1スケルチの出力遮断制御を無効とするので、十分なレベルの放送用信号が入力されているにも関わらず、第1スケルチの不具合によって放送用信号の出力が遮断されることを回避できる。
また、請求項3に記載の本発明によれば、放送用信号又は中間信号のレベルが所定範囲である場合に当該放送用信号又は当該中間信号の出力を遮断する第2スケルチを備えているので、第1スケルチの不具合によって出力遮断制御ができなくなった場合でも、第2スケルチによって出力遮断を実行させることができる。また、放送用信号のレベルが所定範囲にあるにも関わらず第2スケルチによる出力遮断制御が行われない場合であっても、第1スケルチによって高精度に出力遮断制御が実行されるので、放送の信頼性を高めることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る放送用中継局装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について順次説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態に係る放送用中継局装置は、TV放送の放送システムにおいて、放送電波を入力信号として受信し、これに周波数変換を含む処理を施して出力信号を生成する機能を備えるものである。この種の放送用中継局装置において、入力信号は、発振器からの所定周波数の信号と混合され、その処理のために一旦中間信号に変換される。この状態でフィルタ回路によって信号ノイズの除去が施され、必要な信号増幅などが行われる。これらの処理を経た中間信号は、入力信号と同じかあるいは任意の周波数に、再度変換され出力される。
この放送用中継局装置は、TV放送の放送システムにおいて、放送電波を山間部等の難視聴地域に中継するためのものであり、特に、本発明に係るものは、放送用信号を所定周波数の中間信号に変換した後、当該中間信号を所定周波数の放送用信号に変換する信号変換機能を備えた放送用中継局装置である。実施の形態が適用される放送用中継局装置は、その形式として、放送電波を受信する受信所と難視聴地域に電波を送信する送信所とが分離され光ファイバーなどの伝送路によって接続された分離型か、受信機と送信機が一箇所にある非分離型かを問わない。以下の実施の形態では、この放送電波の中継用の放送用中継局装置を例に挙げて説明する。なお、放送用中継局装置の構成としては、分波方法によって、SCPA(Single Channel Power Amplifier)とMCPA(Multi Channel Power Amplifier)に大別でき、本発明はいずれの構成にも同様に適用できるが、以下ではSCPAの例について説明する。
この他、本発明に係る放送用中継局装置の代表的な例としては、共聴用レベルコントローラがある。共聴用レベルコントローラは、共同住宅における受信側装置として備えられ、各受信チャンネル毎の利得ばらつきを調整して安定した出力信号を、同軸ケーブルなどを介して各住戸に出力するためのものである。共聴用レベルコントローラにおいても、入力信号としての放送電波は、各チャンネル毎に分波された後、SAWフィルタ(弾性表面波フィルタ)などで目的外の周波数成分を除去するために、一旦、発振器からの所定周波数信号と混合されて、所定の中間周波数信号に変換される。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(放送用中継局装置の構成)
まず、本実施の形態に係る放送用中継局装置の構成を説明する。図1は、放送用中継局装置の構成を示すブロック図である。この放送用中継局装置1は、受信アンテナ2、受信変換部3、送信変換部4、デジタルスケルチ5、PA6、送信アンテナ7、及び制御部8を備えている。
(放送用中継局装置の構成−受信アンテナ、PA、送信アンテナ)
受信アンテナ2は、放送局から送信された放送波を受信して放送用信号として受信変換部3に出力する。PA6は、放送用信号を増幅して送信アンテナ7に出力する増幅手段である。送信アンテナ7は、放送用信号を放送波として送信する。なお、これら受信アンテナ2、PA6、及び送信アンテナ7については、従来と同様に構成できるので、その詳細な説明は省略する。
(放送用中継局装置の構成−受信変換部、送信変換部)
受信変換部3は、放送用信号を所定の中間信号に変換する中間信号変換手段である。送信変換部4は、中間信号を目的の周波数の放送用信号に変換する放送用信号変換手段である。これら受信変換部3や送信変換部4においては、中間信号に対するノイズ除去や信号増幅が行われる。また、受信変換部3及び送信変換部4の各々は、RFスケルチ3a、4aを備えている。RFスケルチ3a、4aは、受信変換部3に入力される放送用信号や送信変換部4に入力される中間信号が確認できない場合、具体的には放送用信号又は中間信号のレベルが所定範囲(例えば、無信号と判断される信号レベルの範囲(以下「スケルチ動作範囲」))の場合、受信変換部3において増幅された中間信号が送信変換部4側へ出力されないように、又は送信変換部4において増幅された中間信号がデジタルスケルチ5側へ出力されないように出力遮断制御を行うためのもので、特許請求の範囲における第2スケルチに対応する。
(放送用中継局装置の構成−デジタルスケルチ)
次いで、デジタルスケルチ5について説明する。このデジタルスケルチ5は、放送用信号又は当該放送用信号に基づいて生成された中間信号の出力遮断制御を行うためのもので、特許請求の範囲における第1スケルチに対応する。図2は、図1のデジタルスケルチ5の構成を示すブロック図である。デジタルスケルチ5は、入力端子5a、出力端子5b、復調部5c、NIT取得部5d、NIT判定部5e、スケルチ制御部5f、入出力I/F5g、チャンネル表示器5h、チャンネル設定SW5i、同期表示灯5j、NIT受信表示灯5k、NIT設定SW5m、スケルチ表示灯5n、及び制御スイッチ5pを備えている。
入力端子5aは、前段機器(ここでは送信変換部4)からの放送用信号の入力を受け付ける入力手段である。出力端子5bは、後段機器(ここではPA6)へ放送用信号を出力する出力手段である。復調部5cは、入力端子5aから出力端子5bに至る線路から放送用信号を取得し、当該取得した放送用信号を復調してNIT取得部5dに出力する。
NIT取得部5dは、放送用信号に多重されたNIT(Network Information Table)を取得してNIT判定部5eに出力するNIT取得手段である。NITは、放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号を識別するための識別情報である。ただし、識別情報の具体的種類は任意であり、NITに代えて、SDT(Service Description Table)、BIT(Broadcaster Information Table)、EIT(Event Information Table)、CDT(Common Data Table)を含む、任意の情報を用いることができる。
NIT判定部5eは、入力端子5aを介して入力された放送用信号が、当該放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号であるか否かを判定するためのものである。例えば、NIT判定部5eは、当該放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号のNITを予め保持しており、このNITとNIT取得部5dにて取得されたNITとが相互に一致するか否かを判定することで、放送用信号の適否を判定する。これら2つのNITが相互に一致する場合におけるNIT判定部5eの判定結果を「OK」、相互に一致しない場合におけるNIT判定部5eの判定結果を「NG」と称する。なお、NIT判定結果としては、NITが取得できなかった場合(NIT無)や、NITに何らかのエラーがあった場合(NITエラー)が含まれえるが、これらいずれかの場合には、例えばNIT一致として判定する。
スケルチ制御部5fは、出力遮断制御を行うための所定条件が充足したか否か判定し、当該所定条件が充足した場合に出力遮断制御を行う。所定条件の具体的な内容は任意で、例えば、「NIT判定部5eの判定結果がNGであること」を所定条件とし、この条件が充足した場合に、出力遮断制御を行うようにすることができる。
入出力I/F5gは、外部機器との間で有線又は無線により通信を行うための入出力手段である。例えば、外部機器としては、制御部8及び遠方監視装置が想定される。遠方監視装置とは、例えば放送局等に配置される装置であり、山間部に設置された放送用中継局装置1を直接操作することが困難な場合に、所定形式の制御信号を放送用中継局装置1に送信することで、この放送用中継局装置1を遠隔操作するための装置である。
チャンネル表示器5hは、当該放送用中継局装置1によって中継を行うべき放送用信号のチャンネル番号を表示する表示手段であり、例えば、7セグメント表示器によって構成される。チャンネル設定SW5iは、中継を行うべき放送用信号のチャンネル番号を設定するための入力スイッチである。同期表示灯5jは、放送用信号との同期状態を示す表示手段、NIT受信表示灯5kは、放送用信号からのNITの取得状態を示す表示手段、スケルチ表示灯5nは、出力遮断制御の状態を示す表示手段であり、これらは例えばLED(Light Emitting Diode)を用いて構成される。NIT設定SW5mは、中継を行うべき放送用信号のNITを設定するための入力スイッチである。
制御スイッチ5pは、出力遮断制御を自動的に解除することで、放送用信号をいわゆるスルー状態で出力端子5bに出力させるための指示手段であり、この制御スイッチ5pが押圧されると、当該制御スイッチ5pが再び押圧されるまで押圧状態が機械的に保持され、押圧状態が保持されている間は、所定条件の充足の有無に関わらず、出力遮断制御が解除される。
(放送用中継局装置の構成−制御部)
図1に戻り、制御部8は、所定条件が満たされた場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とするスケルチ制御手段である。この制御部8による制御の概念を図3に示す。具体的には、制御部8は、受信アンテナ2にて受信された放送用信号のレベルを特定し、当該レベルが所定範囲に含まれない場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とする。例えば、特定した放送用信号のレベルが、RFスケルチ3a、4aが出力遮断制御を行うスケルチ動作範囲に含まれない場合に、制御部8がデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とするように設定することができる。これにより、放送用信号の入力レベルがスケルチ動作範囲よりも大きい場合にはデジタルスケルチ5による出力遮断制御が行われないので、デジタルスケルチ5の不具合によって放送用信号の出力が遮断され、放送事故が発生することを回避できる。
(処理)
次に、この放送用中継局装置1において行われる各種処理について説明する。この処理は、チャンネル及びNITを放送用中継局装置1に設定するための設定処理、及び放送用信号の中継を行うための中継処理に大別される。
(処理−設定処理)
最初に、設定処理について説明する。図4は設定処理のフローチャートである。この設定処理は、中継処理に先立つ任意のタイミングで開始されるもので、入力端子5aに放送用信号を入力している状態で、操作者がチャンネル設定SW5iを押すことにより開始される。チャンネル設定SW5iが押されると、復調部5cにて復調された放送用信号からNIT取得部5dにて取得されたNITと、放送用信号の周波数に基づいて所定方法で特定されたチャンネル番号とが、チャンネル表示部に表示される。例えば、NITとチャンネル番号は交互に表示され、NITの桁数がチャンネル表示部の表示桁数より多い場合には、NITは複数に分割して順次表示される(SA1)。操作者は、これらチャンネル番号及びNITの表示内容を確認し、希望波のチャンネル番号及びNITの内容に一致している場合には、NIT設定SW5mを押すことで、NIT設定を指示する(SA2)。この指示を受けたNIT判定部5eは(SA2、Yes)、その時点においてチャンネル表示部に表示していたNITを内部に保持する(SA3)。また、この際、NITの到来タイミングと、NITの取得/判定タイミングを合致させる同期処理を行う。これにて設定処理が終了する。
(処理−中継処理)
次に、中継処理について説明する。図5は中継処理のフローチャートである。制御部8は、受信アンテナ2にて受信された放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲に含まれるか否かを判定し(SB1)、含まれる場合(SB1、Yes)、デジタルスケルチ5による出力遮断制御を有効とする(SB2)。続いて、NIT判定部5eは、設定処理によってNIT判定部5eが保持しているNITと、放送用信号からNIT取得部5dが取得したNITとが相互に一致するか否かを判定し(SB3)、相互に一致しない場合(NIT判定部5eの判定結果がNG)(SB3、No)、スケルチ制御部5fが出力遮断制御を実行する(SB4)。これにより、放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲にあるにも関わらずRFスケルチ3a、4aによる出力遮断制御が行われない場合であっても、デジタルスケルチ5によって高精度に出力遮断制御が実行される。以降、NIT判定部5eは、NIT判定部5eが保持しているNITと、NIT取得部5dにて取得されたNITが相互に一致しているか否かを監視し(SB5)、一致する場合には(SB5、Yes)、出力遮断制御を解除する(SB6)。そして、後段機器であるPA6へ放送用信号を出力する(SB7)。また、SB3においてNITが相互に一致した場合(NIT判定部5eの判定結果がOK)(SB3、Yes)、スケルチ制御部5fは出力遮断制御を行わず、後段機器であるPA6へ放送用信号を出力する(SB7)。
一方、放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲に含まれない場合(SB1、No)、制御部8はデジタルスケルチ5による出力遮断制御を無効とする(SB8)。すなわち、NIT判定部5eによる判定結果の如何に関わらず、スケルチ制御部5fは後段機器であるPA6へ放送用信号を出力する(SB7)。これにより、十分なレベルの放送用信号が入力されているにも関わらず、デジタルスケルチ5の不具合によって放送用信号の出力が遮断されることを回避できる。その後、SB1に戻り、放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲に含まれるか否かを再度判定する(SB1)。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、所定条件が満たされた場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を制御部8が無効とするので、デジタルスケルチ5の不具合によって放送用信号の出力が遮断される可能性を低減できる。
特に、放送用信号のレベルが所定範囲に含まれない場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とするので、十分なレベルの放送用信号が入力されているにも関わらず、デジタルスケルチ5の不具合によって放送用信号の出力が遮断されることを回避できる。
また、放送用信号又は中間信号のレベルがスケルチ動作範囲である場合に当該放送用信号又は当該中間信号の出力を遮断するRFスケルチ3a、4aを備えているので、デジタルスケルチ5の不具合によって出力遮断制御ができなくなった場合でも、RFスケルチ3a、4aによって出力遮断を実行させることができる。また、放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲にあるにも関わらずRFスケルチ3a、4aによる出力遮断制御が行われない場合であっても、デジタルスケルチ5によって高精度に出力遮断制御が実行されるので、放送の信頼性を高めることができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(デジタルスケルチについて)
上述の実施の形態では、デジタルスケルチ5は送信変換部4とPA6との間に設けられているが、受信変換部3の前段にデジタルスケルチ5を設けてもよい。あるいは、受信アンテナ2が受信した放送用信号を、受信変換部3から送信変換部4を介してPA6に至る系統とは別系統でデジタルスケルチ5に入力し、当該入力した放送用信号に基づいてデジタルスケルチ5がPA6の動作を制御するようにしてもよい。これらの何れの場合においても、放送用信号又は当該放送用信号に基づいて生成された中間信号の出力遮断制御をデジタルスケルチ5によって行わせることができる。
(制御部について)
上述の実施の形態では、制御部8は放送用信号のレベルが所定範囲に含まれない場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とすると説明したが、受信変換部3から出力された中間信号のレベルを特定し、当該中間信号のレベルが所定範囲に含まれない場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とするようにしてもよい。
また、放送用信号のレベルがRFスケルチ3a、4aのスケルチ動作範囲に含まれない場合に制御部8がデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とするように設定すると説明したが、他の条件が満たされた場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とするようにしてもよい。例えば、放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲に含まれる場合にデジタルスケルチ5の出力遮断制御を無効とし、放送用信号のレベルがスケルチ動作範囲に含まれない場合にはデジタルスケルチ5の出力遮断制御を行わせてもよい。これにより、他の地域の同一チャンネルの放送波をスケルチ動作範囲を超えるレベルで受信したために、RFスケルチ3a、4aが出力遮断制御を行わずに放送用信号の出力を継続してしまった場合であっても、デジタルスケルチ5によって高精度に放送用信号の出力を遮断することができる。
この発明に係る放送用中継局装置は、スケルチ制御の信頼性を高めることで、放送の信頼性を高めることができる、放送用中継局装置に有用である。
放送用中継局装置の構成を示すブロック図である。 図1のデジタルスケルチの構成を示すブロック図である。 制御部による制御の概念を示す図である。 設定処理のフローチャートである。 中継処理のフローチャートである。 従来の放送用中継局装置の構成を示したブロック図である。
符号の説明
1、100 放送用中継局装置
2、101 受信アンテナ
3、102 受信変換部
3a、4a RFスケルチ
4、103 送信変換部
5 デジタルスケルチ
5a 入力端子
5b 出力端子
5c 復調部
5d NIT取得部
5e NIT判定部
5f スケルチ制御部
5g 入出力I/F
5h チャンネル表示器
5i チャンネル設定SW
5j 同期表示灯
5k NIT受信表示灯
5m NIT設定SW
5n スケルチ表示灯
5p 制御スイッチ
6、104 PA
7、105 送信アンテナ
8 制御部
102a、103a スケルチ

Claims (3)

  1. 放送用信号に対して周波数変換を含む所定処理を行う放送用中継局装置であって、
    前記放送用信号を識別するための識別情報を当該放送用信号から取得し、当該取得した識別情報に基づいて、当該放送用信号又は当該放送用信号に基づいて生成された中間信号の出力遮断制御を行う第1スケルチと、
    所定条件が満たされた場合に前記第1スケルチの前記出力遮断制御を無効とするスケルチ制御手段と、
    を備えることを特徴とする放送用中継局装置。
  2. 前記スケルチ制御手段は、前記放送用信号又は前記中間信号のレベルが所定範囲に含まれない場合に前記第1スケルチの前記出力遮断制御を無効とすること、
    を特徴とする請求項1に記載の放送用中継局装置。
  3. 前記放送用信号又は前記中間信号のレベルが前記所定範囲である場合に当該放送用信号又は当該中間信号の出力を遮断する第2スケルチを備えること、
    を特徴とする請求項2に記載の放送用中継局装置。
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