JP2010050800A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常モード(第1モード)時と異なる斜行補正モード(第2モード)時に、読取欠損が生じるのを防止しながら、斜行補正を確実に行える画像読取装置を提供する。
【解決手段】原稿搬送路に臨む画像読取部と、読取りタイミングを決定する制御部とを備えている。画像読取部の読取ラインより搬送方向の上流側に、第1モード時用の第1センサーを配置する。第1センサーより搬送方向の上流側に、第2モード時用の第2センサーを配置する。第2モード時には、第2センサーの検知信号に基づいて、画像読取部の読取開始タイミングを第1モード時の読取開始タイミングより早く設定する。さらに、読取終了タイミングを第1モード時の読取終了タイミングより遅く設定する。以て、斜行する原稿の全紙面を画像読取部で読み込めるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、斜行補正機能を備えている画像読取装置に関する。
斜行補正機能を備えている画像読取装置は、特許文献1に公知である。そこでは、読取りラインの搬送方向の上流側に、2個の原稿検知センサーを読取りラインと平行に配置している。原稿が傾いた状態で送給されると、2個の原稿検知センサーのいずれか一方が他方より早く原稿の搬送方向の下流側を検知し、他方は原稿の搬送方向の下流側を先のセンサーより遅れて検知する。この時間差と原稿の搬送速度から、原稿の傾き角度を知ることができ、得られた傾き角度に応じて原稿の読取開始のタイミングと読取終了のタイミングとを変更できるようにしている。なお、斜行補正を行う場合には、その処理に時間が掛かるため、ユーザー自身が原稿の状況などを判断しながら斜行補正を行うか否かを判断し、必要時に限って斜行補正ボタンを押すなどにより、斜行補正を行うようにしている。
傾いた状態で送給される原稿を、原稿サイズに対応した読取領域で読み込むと、原稿の搬送方向の上流側に三角形状の読取欠損を生じてしまう。このような不具合を解消するために、原稿の傾きに応じて有効画像領域を設定し直して、欠損部分を原稿の送給方向の搬送方向の上流側と下流側に分けて配置する画像処理装置が特許文献2に提案されている。
特開平8−56280号公報(段落番号0009、図3) 特開2006−311293号公報(段落番号0061、図8)
特許文献1の画像読取装置によれば、原稿が傾いた状態で送給されるとき、原稿の読取開始および読取終了のタイミングをそれぞれ変更して斜行補正を行える。しかし、2個の原稿検知センサーを読取りラインの近傍に配置するので、原稿の傾きが小さい場合には、問題なく斜行補正を行えるが、原稿の傾きが大きい場合に読取欠損が生じるのを避けられない。原稿の傾きが大きいと、一方の原稿検知センサーが原稿の搬送方向の下流側を検知するまでの間に、他方の原稿検知センサーで検知された側の原稿の搬送方向の下流側が読取りラインを通過してしまうからである。このような読取欠損は、画像読取装置で読み込み可能な最大の原稿サイズに対して、より小さな原稿を読み込むときに生じやすい。また、読取欠損が生じないように、読取りタイミングを決定するセンサーを画像読取部から充分に離すと、新たな問題を生じる。通常モードにおいては、センサーから画像読取部までの距離が大きく離れるため、搬送スピードのばらつきの影響を受け、画像読取部での読取りタイミングがばらついてしまう。その結果、読取画像の中で読取対象が搬送方向にずれて画質不良を生じる。
特許文献2の画像処理装置によれば、原稿が傾いた状態で送給されるときの読取欠損を原稿の搬送方向の上流側と下流側の両端に分けるので、多くの場合は原稿の読取欠損を避けることができる。しかし、原稿の送給方向の搬送方向の上流側と下流側に、面積が小さいとはいえ三角形状の読取欠損が生じるので、該当する箇所に表示された文字や図面などの情報を読み込むことができない。
本発明の目的は、斜行補正モード時に、読取欠損が生じるのを確実に防止しながら、確実に斜行補正を行うことができる画像読取装置を提供することにある。本発明の目的は、原稿の傾きが大きい場合であっても、読取欠損が生じるのを確実に防止して、原稿に表示された文字や図面などの情報を完全に読み込むことができる画像読取装置を提供することにある。また、本発明の目的は、斜行補正を的確に行いながら、通常モードにおいて、搬送スピードのばらつきによって読取画像の中で読取対象が搬送方向にずれるのを解消できる画像読取装置を提供することにある。
本発明の画像読取装置は、原稿を読み取る画像読取部と、画像読取部より原稿搬送方向上流側において原稿の通過を検知する第1センサーと、第1センサーより原稿搬送方向上流側において原稿の通過を検知する第2センサーとを備えた、原稿搬送路と、原稿に対応する領域を読み取る第1モードと、前記領域を含んで前記領域より広い領域を読み取る第2モードを実行する制御部とからなる。制御部は、前記第1モードで原稿を読み取る場合は、第1センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定し、第2モードで原稿を読み取る場合は、第2センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定することを特徴とする。
第2モードを起動する選択スイッチを操作パネルに設ける。選択スイッチがオン操作されて、第2モードが選択された状態においてのみ、第2センサーの検知信号を読取りタイミングとして有効化する。
第2センサーを原稿搬送路の幅方向の複数箇所に配置する。
第2モードにおいては、搬送される原稿のサイズとは無関係に、画像読取部における原稿読取幅を最大に設定する。
画像読取部より原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部を備えている画像読取装置においては、両画像読取部の間の原稿搬送路に配置されて原稿の通過を検知する第3センサーと、第3センサーより原稿搬送方向上流側に配置されて原稿の通過を検知する第4センサーとを備える。以て、原稿搬送方向下流側に配置した画像読取部で原稿を読み取るとき、制御部が前記第1モードで原稿を読み取る場合は、第3センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定する。さらに、第2モードで原稿を読み取る場合は、第4センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定する。
画像読取部より原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部を備えている画像読取装置においては、両画像読取部の間の原稿搬送路に配置されて原稿の通過を検知する第3センサーを備える。以て、原稿搬送方向下流側に配置した画像読取部で原稿を読み取るとき、制御部が第1モードで原稿を読み取る場合は、第3センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定する。さらに、第2モードで原稿を読み取る場合は、第1センサーと第2センサーのいずれかから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定する。
本発明の画像読取装置では、画像読取部より原稿搬送方向上流側に第1センサーを配置し、第1センサーより原稿搬送方向上流側に第2センサーを配置した。また、原稿に対応する領域を読み取る第1モードと、前記領域を含んで前記領域より広い領域を読み取る第2モードを制御部で実行できるようにした。さらに、第1モードで原稿を読み取る場合は、第1センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定し、第2モードで原稿を読み取る場合は、第2センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定するようにした。
上記のように、第2モード時の画像読取部の読取開始タイミングを第1モード時に比べて早くすると、両タイミングをずらした分だけ読込み領域を拡大できる。したがって、傾いている原稿の搬送方向の下流側の一方の隅部分から、原稿の搬送方向の上流側の他方の隅部分まで、斜行する原稿の全紙面の画像を画像読取部で読み込むことができ、欠損が生じるのを確実に解消できる。とくに、原稿の傾きが大きい場合であっても、読取欠損が生じるのを確実に防止して、原稿に表示された文字や図面などの情報を完全に読み込むことができる。また、第2センサーを付加し、制御部に組み込まれるプログラムの一部を変更することで、斜行補正を的確に行なえるので、斜行補正機能を強化し向上するためのコストを抑止できる。
選択スイッチがオン操作されて第2モードが選択された状態においてのみ、第2センサーの検知信号を読込りタイミングとして有効化すると、斜行する原稿の読込み領域を拡大して、読取欠損が生じるのを確実に解消できる。
第2センサーを原稿搬送路の幅方向の複数箇所に配置すると、原稿が傾いた状態で送給されるとき、各第2センサーの検知信号の時間差と原稿の搬送速度から、原稿の傾き角度を知ることができる。また、得られた傾き角度に応じて原稿の読取開始タイミングと読取終了タイミングとを制御部で設定することにより、原稿の傾き角度に適合した読込み領域のみを画像読取部で読み込むことができる。したがって、第2モードで斜行補正を行うときの画像読取部による読込み領域の無駄を解消して、斜行補正に要する時間を短縮できる。
第2モードにおいて、搬送される原稿のサイズとは無関係に、画像読取部における原稿読取幅が最大(画像読取部における原稿搬送路の全幅とほぼ同じ)に設定してあると、搬送される原稿の両側縁の隅部に読取欠損が生じるのを防止できる。因みに、原稿が斜行する状態では、搬送方向の上流側および下流側の端縁はもちろん、原稿の両側縁も傾く。そのため、第2モードにおいて、画像読取部の幅方向の読取範囲が原稿サイズに対応した幅寸法に設定してあると、原稿の両側縁の隅部において欠損を生じるおそれがある。しかし、上記のように画像読取部における原稿読取幅が最大に設定してあると、原稿の幅寸法を越えた領域まで読み込むことができるので、原稿の両側縁の隅部に読取欠損が生じるのを防止できる。とくに、原稿サイズが小さい場合に、読取欠損が生じるのを確実に防止できる。
画像読取部より原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部を備えている画像読取装置においては、原稿搬送方向下流側の画像読取部に対応して第3センサーと、これより原稿搬送方向上流側に第4センサーを配置しておくことにより、上記と同様にして下流側の画像読取部によって原稿読取を確実に行える。詳しくは、第1モードで原稿を読み取る場合は、第3センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを制御部で決定する。さらに、第2モードで原稿を読み取る場合は、第4センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを制御部で決定する。このように、第2モード時の画像読取部の読取開始タイミングを第1モード時に比べて早くすると、両タイミングをずらした分だけ読込み領域を拡大できる。したがって、上流側と下流側の両画像読取部の間で原稿の斜行が発生しても、傾いている原稿の搬送方向の下流側の一方の隅部分から、原稿の搬送方向の上流側の他方の隅部分まで、斜行する原稿の全紙面の画像を原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部で読み込むことができ、欠損が生じるのを確実に解消できる。
画像読取部より原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部を備えている画像読取装置においては、原稿搬送方向下流側の画像読取部に対応して第3センサーを設けることによって、上記と同様にして下流側の画像読取部によって原稿読取を確実に行える。詳しくは、第1モードで原稿を読み取る場合は、第3センサーから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを制御部で決定する。さらに、第2モードで原稿を読み取る場合は、第1センサーと第2センサーのいずれかから出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを決定する。このように、原稿搬送方向上流側に配置した画像読取部に対応して設けられた第1センサーと第2センサーを利用して第2モード時の画像読取部の読取開始タイミングを決定すると、第4センサーを設ける必要がなく、その分だけ構造を簡素化して画像読取装置の製造に要するコストを削減できる。もちろん、第3センサーと第4センサーを設けた画像読取装置と同様に、斜行する原稿の全紙面の画像を原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部で欠損が生じるのを解消しながら読み込むことができる。
(実施例) 図1から図5は本発明に係る画像読取装置をコピー機能とファクシミリ機能を備えた複合機に適用した実施例を示す。図2において複合機は、原稿の内容をイメージデータとして読み取る画像読取装置1と、画像読取装置1の下方に配置される画像記録部2とで構成してある。画像読取装置1は、一群の操作ボタンを備えた操作パネル3と、押えカバー4と、押えカバー4の内部に設けられる自動原稿搬送装置5などで構成してある。画像記録部2は、給紙カセット7と、感光体ユニット8と、同ユニット8にトナーを供給するトナーカートリッジ9と、ローラ群および搬送ガイドを備えた用紙搬送構造10などで構成してある。給紙カセット7から送出された記録用紙は、用紙搬送構造10に沿って搬送され、感光体ユニット8によって画像を記録したのち排出される。
図2において自動原稿搬送装置5は、下方のトレイ12から上方の原稿排出部13に至るU字状の原稿搬送路14を備えている。原稿を搬送する原稿搬送路14の始端には導入ローラ15が配置され、終端には排出ローラ16が配置してある。原稿搬送路14の中途部には、分離ローラ17および一群の送りローラ18・19・20・21と、一方の原稿面を読み込む第1画像読取部(画像読取部)22と、他方の原稿面を読み込む第2画像読取部(画像読取部)23とが配置してある。図1に示すように、先に述べたローラ15〜21は、1個のADFモータ25を駆動源にして回転駆動するが、導入ローラ15、および同ローラ15に隣接する分離ローラ17に限ってクラッチ26を介して回転駆動する。
原稿搬送路14を間に挟んで各画像読取部22・23と正対する位置には、それぞれ複数の読取背景面を備えた背景体28・28が配置してある。背景体28には3個の背景面が設けてあり、そのうちの2個の背景面の呈色状態はそれぞれ白であり、残る背景面の呈色状態は黒である。呈色状態が白の背景面の一方は、通常読取時の背景面として使用され、他方はシェーディング補正を行うときの背景面として使用される。呈色状態が黒の背景面は、斜行補正を行うときの背景面として使用される。図1において第1、第2の両画像読取部22・23は、光源30、光学レンズ31、および固体撮像素子(CCD素子)32などで構成する。
上記の画像読取装置1は、通常読取モード(第1モード)と斜行補正モード(第2モード)のいずれかで原稿の内容を読み込むことができる。通常の使用状態においては通常読取モードで原稿の内容を読み込む。しかし、ユーザーが操作パネル3に設けたモード選択ボタン(選択スイッチ)をオン操作して斜行補正モードを選択した場合には、黒色の背景面を各画像読取部22・23と正対させたうえで、斜行補正モードにより原稿の内容を読み込む。
通常読取モードと斜行補正モードとでは、各画像読取部22・23による原稿の読取りタイミングが異なっており、そのために各運転モードごとに読取りタイミングを決定するための第1センサー35と第2センサー36を配置している。詳しくは、図3に示すように導入ローラ15に近い側の第1画像読取部22の読取ライン33より搬送方向の上流側に第1センサー35を配置している。さらに、第1センサー35より搬送方向の上流側に第2センサー36を配置している。第1・第2の両センサー35・36は、原稿搬送路14の幅方向の中央に配置してある。図3において、符号Bは原稿搬送路14の通紙可能な原稿の最大幅を示す。なお、第2画像読取部23の読取ラインより搬送方向の上流側には、第1センサー35に相当する第3センサー37が配置され、さらに、第2センサー36に相当する第4センサー38が配置してある(図1参照)。
この実施例では、図1に示すように第1センサー35を送りローラ18と第1画像読取部22との間に配置し、第2センサー36を分離ローラ17と送りローラ18との間に配置した。第3センサー37は、送りローラ19と第2画像読取部23との間に配置し、第4センサー38は第1画像読取部22と送りローラ19との間に配置した。第1・第2・第3・第4の各センサー35・36・37・38は、投光部と受光部を備えた光センサーからなり、その検知光路を原稿が遮る状態において、原稿からの反射光を検知してオン信号を制御部40へ出力する。
通常読取モード時と斜行補正モード時に画像を読み取るときの制御手順を図4に示している。操作パネル3に設けたスタートボタンがオン操作されると、モード選択ボタンがオンされているか否かが判定され、NOである場合には通常読取モードへ移行する。
通常読取モードにおいては、ローラ群15〜21を回転駆動した状態で、原稿の搬送方向の下流側が第1センサー35で検知されるのを待つ(第1ステップ)。
原稿の搬送方向の下流側を第1センサー35が検知する(YESの場合)と、制御部40は第1センサー35がオン信号を出力した時点から計時を開始し、所定の時間が経過した時点(50ステップ後)で、画像読取部22に対して読取開始の指令信号を発する(第2ステップ)。
原稿の搬送方向の上流側が第1センサー35を通過すると、第1センサー35はオフ状態になる。制御部40は、第1センサー35の出力信号がオフになった時点から計時を開始し、所定の時間が経過した時点(50ステップ後)で、第1画像読取部22に対して読取終了の指令信号を発する(第3ステップ)。
最後に、得られた画像の画像処理を制御部40で行なって、画像読取装置1での読み取りを終了する(第4ステップ)。
この後、画像記録部2で画像を記録して、記録用紙が排出される。上記の所定の時間(50ステップ)は、原稿の搬送方向の下流側が第1センサー35で検知されてから、第1画像読取部22の読取ライン33に到達するまでの時間に相当する。なお、第2画像読取部23による原稿の読取は、第3センサー37をトリガー信号にして上記と同様に行なわれる。
斜行補正モードにおいては、ローラ群15〜21を回転駆動した状態で、原稿の搬送方向の下流側が第2センサー36で検知されるのを待つ(第1ステップ)。
原稿の搬送方向の下流側を第2センサー36が検知する(YESの場合)と、制御部40は第2センサー36がオン信号を出力した時点から計時を開始し、所定の時間が経過した時点(150ステップ後)で、第1画像読取部22に対して読取開始の指令信号を発する(第2ステップ)。このときの第1センサー35の検知信号は無視される。あるいは、第1センサー35を停止状態にしておいてもよい。
原稿の搬送方向の上流側が第2センサー36を通過すると、第2センサー36はオフ状態になる。制御部40は、第2センサー36の出力信号がオフになった時点から計時を開始し、所定の時間が経過した時点(300ステップ後)で、第1画像読取部22に対して読取終了の指令信号を発する(第3ステップ)。
得られた画像の画像処理を制御部40で行なう(第4ステップ)。画像処理された画像は、背景となる原稿の周辺部分が黒色で囲まれている。
画像処理された画像から原稿の傾き角度を算出し(第5ステップ)し、角度の算出結果が所定の値を越えているか否かを判定する(第6ステップ)
傾き角度の算出結果が所定値以上である場合(YESの場合)には、上記の画像の全体を仮想平面内で回転させて画像全体の傾きを補正し、画像の直線辺部を仮想平面上の縦横の基準線に一致させる(第7ステップ)。
傾きが補正された画像は、原稿が占めていた部分を切り出して補正画像を得ることにより、画像読取部1での読み取りを終了する(第8ステップ)。
この後、切り出された画像を画像記録部2で記録用紙に記録したのち排出する。第6ステップにおいて傾き角度の算出結果が所定値未満である場合(NOの場合)には、第7ステップを飛越して画像切り出しを行なったのち(第8ステップ)、画像を画像記録部2で記録用紙に記録して排出する。
因みに、斜行補正モードは、例えばサイズの異なる原稿が混在する状態で画像を読み取る場合や、薄い紙の画像を読み取る場合などに選択される。サイズの異なる原稿が混在する状態で画像読取を行なう場合には、サイズが大きな原稿が傾く余地は殆どないので、主として小サイズの原稿に限って斜行補正が行われる。また、原稿が傾いている状態に限って斜行補正を行う。このように、必要な状況に限って斜行補正を行うようにすると、斜行補正のための処理を簡素化して処理時間を短縮できる。
上記の所定の時間(150ステップ)とは、傾いた状態の原稿の搬送方向下流側が第2センサー36で検知されてから、原稿の搬送方向下流側のうち先行する一方の隅部分が、第1画像読取部22の読取ライン33に到達するまでの搬送時間に相当する。
通常モード時と斜行補正モード時における各機器の動作タイミングを図5に示している。通常モード時には、斜行補正のための制御回路は休止している。したがって、原稿をトレイ12に載置した状態で、操作パネル3に設けたスタートボタンをオンすると、クラッチ26が接続されて、導入ローラ15および分離ローラ17が回転駆動され、原稿の搬送が開始される。導入ローラ15および分離ローラ17は、原稿の送給が開始されてから一定時間だけ駆動され、以後の原稿の搬送は送りローラ18〜21によって行なわれる。
原稿の搬送に伴なって、その搬送方向の下流側が第1センサー35で検知されると、所定時間が経過した後に画像読取部22による原稿の読取が開始される。原稿の読取は、原稿の搬送方向の上流側が第1センサー35で検知されたのち、所定時間が経過した後に終了される。原稿の両面を同時に読み込む場合には、第1画像読取部22で一方の原稿面を読み取ったのち、第3センサー37からの検知信号をトリガー信号にして第2画像読取部23で、上記と同様にして他方の原稿面を読み込む。
斜行補正モードは、ユーザーがモード選択ボタンをオン操作することで開始され、まず、背景体28を切り換え操作して、黒色の背景面を第1画像読取部22と正対させる。斜行補正のための制御回路は、休止状態から作動状態に切り換えられる。この状態で原稿をトレイ12に載置して、操作パネル3に設けたスタートボタンをオンすると、クラッチ26が接続されて、導入ローラ15および分離ローラ17が回転駆動され、原稿の搬送が開始される。導入ローラ15および分離ローラ17は、原稿の送給を開始してから一定時間だけ駆動され、以後の原稿の搬送は送りローラ18〜21によって行なわれる。
原稿の搬送に伴なって、その搬送方向の下流側が第2センサー36で検知されると、所定時間が経過した後に第1画像読取部22による原稿の読取が開始される。先に説明したように、この読取開始タイミングは、通常モードにおける画像読取時の読取開始タイミングより早く設定してある。原稿の読取は、原稿の搬送方向の上流側が第2センサー36で検知されたのち、所定時間が経過した後に終了される。この読取終了タイミングは、通常モードにおける画像読取時の読取終了タイミングより遅く設定してある。
以上のように、第1画像読取部22の読取開始タイミングを通常より早く設定し、さらに読取終了タイミングを通常より遅く設定すると、斜行補正モードにおける読込み領域を搬送方向の上流側と下手側の双方に拡大できる。したがって、傾いている原稿の搬送方向の下流側の一方の隅部分から、原稿の搬送方向の上流側の他方の隅部分まで、斜行する原稿の全面の画像を画像読取部23で読み込んで、欠損が生じるのを確実に解消できる。
原稿の傾き角度の違いによって、第1画像読取部22の読取開始タイミングがばらつくことが予想される。しかし、斜行補正モードにおいては背景面を黒色にして原稿を読み込むので、原稿の全紙面を背景から明確に識別できる。したがって、原稿の傾き角度の違いによる読取開始タイミングのばらつきを考慮する必要はなく、画像全体の傾きの補正、および原稿の切り出しを適正に行なえる。
因みに、原稿の搬送方向の下流側を第1センサー35が検知した時点で、第1画像読取部22に対して読取開始の指令信号を発して斜行補正を行う場合には、図3に交差斜線で示す三角形の領域が欠損となり、原稿の全紙面を読み込むことができない。また、原稿搬送路14の幅方向に複数個の第1センサー35を配置すると、原稿の搬送方向の下流側をより早い時点で検知して、第1画像読取部22の読取開始タイミングを速めることができる。しかし、その場合でも、原稿の搬送方向の下流側のうち先行する一方の隅部分が、第1画像読取部22の読取ライン33を通過する可能性が充分にあり、欠損が生じるのを避けられない。
第2画像読取部23においても、第1画像読取部22と同様に通常モードと斜行補正モードのいずれかで画像を読み取ることができる。通常モードで原稿を読み取る場合は、第3センサー37から出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを制御部40で決定する。また、斜行補正モードで原稿を読み取る場合は、第4センサー38から出力される検知信号に基づき画像読取部の読取りタイミングを制御部40で決定する。その場合には、第2画像読取部23において、第4センサー38により通常モードにおける画像読取時の読取開始タイミングより早めに原稿の読取を開始するとよい。
因みに、第1センサー35から第3センサー37の距離は一定である。同様に第2センサー36から第3センサー37の距離も一定である。したがって、斜行補正モードが選択された場合には、第1センサー35(または第2センサー36)から出力される信号を基準にして、原稿が第3センサー37に到達する以前に原稿の読取を開始することもできる。つまり、第2画像読取部23において、通常モードにおける画像読取時の読取開始タイミングより早めに原稿の読取を開始することにより、第1画像読取部22と同様にして画像を読み込むことができる。
上記の実施例では、第1センサー35より搬送方向の上流側に1個の第2センサー36を配置したが、第2センサー36は必要に応じて複数個配置することができる。例えば、通紙可能な原稿の最大幅Bの幅範囲内において、第1センサー35より搬送方向の上流側に2個または4個の第2センサー36を、読取ライン33と平行に配置することができる。
このように第2センサー36を複数個配置すると、原稿が傾いた状態で送給されるとき、各第2センサー36の検知信号の時間差と原稿の搬送速度から、原稿の傾き角度を知ることができる。さらに、得られた傾き角度に応じて原稿の読取開始タイミングと読取終了タイミングとを制御部40設定することにより、第1画像読取部22による読込み領域が不必要に大きくなるのを解消できる。したがって、原稿の傾き角度に適合した読込み領域のみを第1画像読取部22で読み込んで、斜行補正を行うときの読込み領域の無駄を解消できる。
原稿が斜行する状態では、搬送方向の始終端はもちろん、搬送方向と直交する原稿の両側縁も傾く。そのため、斜行補正モードにおいて、第1画像読取部22の幅方向(搬送方向と直交する方向)の読取範囲が小さいと、原稿の両側縁の隅部において欠損を生じてしまう。このような幅方向における読取欠損を防ぐために、搬送される原稿のサイズとは無関係に、第1画像読取部22における原稿読取幅を最大(第1画像読取部22における原稿搬送路の全幅とほぼ同じ)に設定して、第1画像読取部22が常に最大の読取サイズで原稿を読み込むように設定することができる。
上記の実施例では、第1〜第4の各センサーが、紙面からの反射光を受光して原稿の始端および終端を検知する光センサーである場合について説明したが、その必要はない。例えば、原稿の搬送路を間に挟む状態で投光部と受光部を配置しておき、検知光が紙面で遮られたとき、オン信号(またはオフ信号)を出力する光センサーであってもよい。必要に応じて、第1〜第4の各センサーは原稿搬送路14の幅方向の中央から偏寄した位置に配置することができる。本発明の画像読取装置は、複合機以外に、コピー機、ファクシミリ機、スキャナ機にも適用できる。
画像読取装置の概略構造を示す配置説明図である。 複合機の概略構造を示す配置説明図である。 原稿位置を検知するセンサーの配置形態を示す平面図である。 通常モードと斜行補正モードの制御手順を示すフローチャートである。 センサーと画像読取部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
符号の説明
14 原稿搬送路
22 第1画像読取部(画像読取部)
23 第2画像読取部(画像読取部)
28 背景体
33 読取ライン
35 第1センサー
36 第2センサー
40 制御部

Claims (6)

  1. 原稿を読み取る画像読取部と、
    前記画像読取部より原稿搬送方向上流側において原稿の通過を検知する第1センサーと、前記第1センサーより原稿搬送方向上流側において原稿の通過を検知する第2センサーとを備えた、原稿搬送路と、
    原稿に対応する領域を読み取る第1モードと、前記領域を含んで前記領域より広い領域を読み取る第2モードを実行する制御部と、からなる画像読取装置であって、
    前記制御部が、前記第1モードで原稿を読み取る場合は、前記第1センサーから出力される検知信号に基づき前記画像読取部の読取りタイミングを決定し、前記第2モードで原稿を読み取る場合は、前記第2センサーから出力される検知信号に基づき前記画像読取部の読取りタイミングを決定する、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記第2モードを起動する選択スイッチが操作パネルに設けられており、
    選択スイッチがオン操作されて、前記第2モードが選択された状態においてのみ、前記第2センサーの検知信号を読取りタイミングとして有効化する請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記第2センサーが、原稿搬送路の幅方向の複数箇所に配置してある請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 前記第2モードにおいて、搬送される前記原稿のサイズとは無関係に、前記画像読取部における原稿読取幅を最大に設定してある請求項1から3のいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 前記画像読取部より原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部を備えており、
    前記両画像読取部の間の前記原稿搬送路に配置されて原稿の通過を検知する第3センサーと、前記第3センサーより原稿搬送方向上流側に配置されて原稿の通過を検知する第4センサーとを備えており、
    原稿搬送方向下流側に配置した前記画像読取部で原稿を読み取るとき、
    前記制御部が、前記第1モードで原稿を読み取る場合は、前記第3センサーから出力される検知信号に基づき前記画像読取部の読取りタイミングを決定し、
    前記第2モードで原稿を読み取る場合は、前記第4センサーから出力される検知信号に基づき前記画像読取部の読取りタイミングを決定する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像読取装置。
  6. 前記画像読取部より原稿搬送方向下流側に配置される画像読取部を備えており、
    前記両画像読取部の間の前記原稿搬送路に配置されて原稿の通過を検知する第3センサーを備えており、
    原稿搬送方向下流側に配置した前記画像読取部で原稿を読み取るとき、
    前記制御部が、前記第1モードで原稿を読み取る場合は、前記第3センサーから出力される検知信号に基づき前記画像読取部の読取りタイミングを決定し、
    前記第2モードで原稿を読み取る場合は、前記第1センサーと前記第2センサーのいずれかから出力される検知信号に基づき前記画像読取部の読取りタイミングを決定する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像読取装置。
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