JP2010026496A - 画像形成装置、制御装置、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部60は、媒体上に像を形成する際に用いる像形成部に対して異なる像形成条件を設定する複数の画像形成モードの中から一の画像形成モードを設定する。そして制御部60は、設定された画像形成モードでの像形成条件の調整を行うに際して、像形成条件の調整を行ってからの経過状況を画像形成モード毎に個別に計測するカウンタから経過状況の計測値を画像形成モード別に取得し、設定された画像形成モードにおいての経過状況の計測値が所定値を超えた場合に、像形成条件の調整を行うように制御する。
【選択図】図7
Description
例えば特許文献1には、画像形成モードを変更する毎にセットアップ処理を行い、画像濃度および階調性の補正を行う画像形成装置が記載されている。
本発明は、複数の画像形成モードを備えた画像形成装置での画像生産性の低下を抑えることを目的とする。
請求項3に記載の発明は、前記モード設定手段にて設定される所定の前記画像形成モードにおける前記状態量の目標値を記憶する記憶手段をさらに備え、前記調整手段は、前記モード設定手段が前記所定の画像形成モードを設定した場合は、前記検出手段が検出した状態量の検出結果と前記記憶手段に記憶された当該所定の画像形成モードにおける当該状態量の目標値とに応じて前記像形成条件の調整を行い、当該モード設定手段が当該所定の画像形成モード以外の画像形成モードを設定した場合は、当該画像形成モードが変更された後に当該検出手段が検出した状態量に応じて当該状態量の目標値を変更することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記調整手段は、前記モード設定手段にて前記画像形成モードが変更された場合に、変更後の当該画像形成モードが当該変更前に設定された際に前記調整にて設定された前記像形成条件と、当該変更後の画像形成モードの直前に設定された当該画像形成モードにて設定された当該像形成条件の変動量とに基づいて算出された当該像形成条件を、当該変更後の画像形成モードでの当該像形成条件として設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記計測手段は、前記モード設定手段にて前記画像形成モードが変更された場合に、当該画像形成モードが変更される前の当該画像形成モードでの前記経過状況と、当該画像形成モードの当該変更後に当該画像形成モードが再度設定された場合の当該画像形成モードでの当該経過状況とを累積して計測することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記調整手段は、前記像形成条件の調整を行う際の基準とする前記計測手段にて計測される前記経過状況に関する前記所定値を前記画像形成モード毎に個別に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記調整手段は、前記モード設定手段が前記画像形成モードを変更する場合に、変更された後の当該画像形成モードにおいて前記計測手段にて計測された当該画像形成モードでの前記経過状況が所定値を超える場合に、変更される前の当該画像形成モードが設定された状態で前記調整を開始することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記モード設定手段にて設定される所定の前記画像形成モードにおける前記状態量の目標値を記憶する記憶手段から当該状態量の目標値を取得する目標値取得手段をさらに備え、前記調整手段は、前記モード設定手段が前記所定の画像形成モードを設定した場合は、前記状態量取得手段にて取得した前記状態量と前記目標値取得手段にて取得した当該所定の画像形成モードにおける当該状態量の目標値とに応じて前記像形成条件の調整を行い、当該モード設定手段が当該所定の画像形成モード以外の画像形成モードを設定した場合は、当該画像形成モードが変更された後に当該状態量取得手段にて取得した当該状態量に応じて当該状態量の目標値を変更することを特徴とする請求項10記載の制御装置である。
請求項13に記載の発明は、前記制御手段は、前記像形成条件の調整を行う際の基準とする前記経過状況取得手段にて取得される前記経過状況の計測値に関する前記所定値を前記画像形成モード毎に個別に設定することを特徴とする請求項9記載の制御装置である。
請求項14に記載の発明は、前記制御手段は、前記モード設定手段が前記画像形成モードを変更する場合に、変更された後の当該画像形成モードにおいて前記経過状況取得手段にて取得された当該画像形成モードでの前記経過状況の計測値が所定値を超える場合に、変更される前の当該画像形成モードが設定された状態で前記調整手段が前記調整を開始するように制御することを特徴とする請求項9記載の制御装置である。
本発明の請求項2によれば、画像形成モードを変更した後に行う像形成条件の調整の前後での画像品質の変動を本発明を採用しない場合に比べて低減し、各画像形成モードでの画像品質を安定化させることができる。
本発明の請求項3によれば、前回の所定の画像形成モードが実行されてから次の所定の画像形成モードが行われるまでの間に他の画像形成モードが実行されたとしても、本発明を採用しない場合に比べて所定の画像形成モード各々の間の画像濃度の変動を低く抑えることができる。
本発明の請求項4によれば、画像形成モードが変更された際に像形成条件の調整を行わない場合にも、簡易な方法で像形成条件の調整を行うことができる。
本発明の請求項6によれば、画像形成モードを変更した後の像形成条件の調整を、本発明を採用しない場合に比べて適正なタイミングで行うことができる。
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、像形成条件の調整を行う期間を画像形成モード毎に適した期間に設定することができる。
本発明の請求項8によれば、画像形成モードが変更された時点で、各像形成部には調整処理により調整された画像形成条件の設定が完了するので、本発明を採用しない場合に比べて、画像形成モードの変更処理を効率的に行うことができる。
本発明の請求項10によれば、画像形成モードを変更した後に行う像形成条件の調整の前後での画像品質の変動を本発明を採用しない場合に比べて低減し、各画像形成モードでの画像品質を安定化させることができる。
本発明の請求項11によれば、前回の所定の画像形成モードが実行されてから次の所定の画像形成モードが行われるまでの間に他の画像形成モードが実行されたとしても、本発明を採用しない場合に比べて所定の画像形成モード各々の間の画像濃度の変動を低く抑えることができる。
本発明の請求項13によれば、本発明を採用しない場合に比べて、像形成条件の調整を行う期間を画像形成モード毎に適した期間に設定することができる。
本発明の請求項14によれば、画像形成モードが変更された時点で、各像形成部には調整処理により調整された画像形成条件の設定が完了するので、本発明を採用しない場合に比べて、画像形成モードの変更処理を効率的に行うことができる。
本発明の請求項15によれば、本発明を採用しない場合に比べて、複数の画像形成モードを備えた画像形成装置での画像生産性の低下を抑えることができる。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の構成の一例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであって、画像データに基づいてカラー画像を形成する像形成手段の一例としての画像形成プロセス部20、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部60、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の画像生成装置やスキャナ等の画像読取装置等から受信した画像データに予め定めた画像処理を施す画像処理部22、処理プログラム等が記録される例えばハードディスク(HDD)にて実現される外部記憶部90を備えている。
また、画像形成装置1は、状態量の一例であるトナー像濃度、すなわち、後述する中間転写ベルト41上に形成された各色トナー像からなる基準濃度パターンのトナー像濃度を検出する検出手段の一例としての基準濃度検出センサ55、装置内の湿度を検出する湿度センサ66、装置内の温度を検出する温度センサ67を備えている。
ここで図2は、画像形成ユニット30の構成の一例を示した図である。図2に示したように、画像形成ユニット30は、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成される像保持体(像形成部)の一例としての感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を予め定めた電位で一様に帯電する帯電手段(像形成部)の一例としての帯電ロール32、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を現像する現像手段(像形成部)の一例としての現像器33、一次転写後の感光体ドラム31表面を清掃するドラムクリーナ36を備えている。
各現像器33は、各色トナーを貯蔵するトナー容器35Y,35M,35C,35Kとトナー搬送路(不図示)で連結され、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナーが補給されるように構成されている。一方、現像器33内部には、二成分現像剤中のトナーと磁性キャリアとの混合比率(トナー濃度)を、例えば二成分現像剤の透磁率の変化によって検出するトナー濃度センサ69が設けられている。トナー濃度センサ69は、二成分現像剤のトナー濃度を検出し、その検出値(トナー濃度検出値)を制御部60に送る。制御部60は、取得したトナー濃度検出値に基づいてトナー搬送路中の補給用スクリューの作動を制御する。それにより、トナー容器35Y,35M,35C,35Kから各現像器33内部への各色トナーの補給量を調整し、現像器33内部のトナー濃度を制御する。
また、定着器80には定着ロール82と加圧ロール83との間の押圧力(ニップ圧)を調整するニップ圧調整機構(不図示)が備えられている。そして、定着器80では、制御部60からの制御信号に基づいてニップ圧調整機構が動作して、ニップ圧が調整される。
一方、画像形成装置1には複数の用紙保持部71A,71Bが配置され、例えば操作入力部(不図示)を用いたユーザからの指示入力に基づく制御部60による制御の下で、その中から例えば用紙保持部71Aに保持された用紙P1がピックアップロール72により取り出される。そして、用紙P1は搬送経路R1に沿って1枚ずつレジストロール74の位置まで搬送される。
重畳トナー像が二次転写部Tr2に搬送されると、トナー像が二次転写部Tr2に搬送されるタイミングに合わせてレジストロール74から用紙P1が二次転写部Tr2に供給される。そして、二次転写部Tr2にて二次転写バイアス電圧が印加された二次転写ロール40とバックアップロール49との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
なお、二次転写部Tr2へは、用紙保持部71A,71Bに保持された用紙P1,P2が搬送される搬送経路R1の他に、両面搬送路R2や手差し用用紙保持部75からの搬送経路R3からも用紙Pが搬送される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成は、指定された枚数分だけ繰り返して実行される。
すなわち、普通紙に代表される非コート紙と普通紙よりも光沢性が高いコート紙とを比較すると、紙表面の反射率の相違や紙表面の平滑度による定着トナー像の表面性の相違等に起因して、例えば同量のトナーにより形成されたトナー像の発色性(色再現性)はコート紙の方が高い。そのため、非コート紙とコート紙とに対する画像形成を行う場合に、画像濃度や色彩を一致させるトナー量がそれぞれで異なる。そこで、普通紙モードとコート紙モードとを設けて、使用される用紙Pが普通紙のような非コート紙である場合には普通紙モードを設定し、使用される用紙Pがコート紙である場合にはコート紙モードを設定する。そして、普通紙モードには、非コート紙に対応した各種「像形成部」の設定値(画像形成条件、像形成条件)が対応付けられ、コート紙モードには、コート紙に対応した画像形成条件が対応付けられている。それにより、使用する用紙Pに応じて普通紙モードまたはコート紙モードを設定することで、非コート紙およびコート紙の何れが用いられて画像形成された場合にも同様な画像濃度および色彩の画像が形成される。
このような画像形成モードの切換え(変更)は、例えば画像形成装置1の操作入力部(不図示)を用いたユーザからの非コート紙およびコート紙の何れかを選択する指示入力に応じて、本実施の形態におけるモード設定手段としても機能する制御部60が行う。
ここで、「像形成部」とは、像形成手段の一例としての画像形成プロセス部20に配置された感光体ドラム31、帯電ロール32、現像器33、レーザ露光器26、一次転写ロール42、二次転写ロール40、定着器80等の構成要素であって、像を形成するために機能する各種の機能部をいう。以下、同様である。
なお、ここでの「像」には、感光体ドラム31や中間転写ベルト41、さらには用紙P上に形成され保持されたトナー像や、感光体ドラム31に形成された静電潜像が含まれる。
制御部60は、プリント枚数を計測するカウンタを画像形成モード毎に備えている。すなわち、制御部60は、普通紙モードが設定された状態において前回(最後)に行われたセットアップ処理からのプリント枚数の累積を計測する計測手段の一例としての枚数カウンタCNT1と、コート紙モードが設定された状態において前回(最後)に行われたセットアップ処理からのプリント枚数の累積を計測する計測手段の一例としての枚数カウンタCNT2とをそれぞれ別個に備えている。
本実施の形態の画像形成装置1では、セットアップ処理は、枚数カウンタCNT1,CNT2にて計測されるプリント枚数の累積値が、普通紙モードおよびコート紙モードそれぞれにおいて定められた所定値(所定枚数)を超える時点、すなわち予め定めたインターバルが経過した時点で行われるように設定される。なお、所定値(所定枚数)を「超える」には、所定値に達した所定値以上となる場合や、所定値よりも大きな値となった場合を含むものとする。また、前回(最後)に行われたセットアップ処理からの経過状況の一例としてプリント枚数の累積値を用いている。
印刷する画像データが入力されると(S102)、画像形成動作を開始する(S103)。そして、制御部60は、用紙保持部71A,71Bに保持された用紙P1(普通紙)および用紙P2(コート紙)の何れが選択されたかを判定する(S104)。ステップ104にて用紙P1(普通紙)が選択されたと判定された場合には普通紙モードを設定する(S105)。また、ステップ104にて用紙P2(コート紙)が選択されたと判定された場合にはコート紙モードを設定する(S106)。
一方、印刷する画像データの入力が終了すると(S102)、画像形成装置1の画像形成動作終了時におけるセットアップ処理(終了時セットアップ処理)を行うか否かの判定を行う(S110)。
ここで、セットアップ処理が立ち上げ時セットアップ処理である場合には、前回の画像形成時から長時間経過し、画像濃度や画像階調性に大きな変動が生じていることも想定される。そのため、ステップ203での「所定値」に関して、普通紙モードでの立ち上げ時セットアップ処理での所定値(インターバル)を、普通紙モードでの画像形成動作中セットアップ処理や終了時セットアップ処理での所定値よりも短く設定してもよい。
このように、画像形成モードが普通紙モードに変更された時点で普通紙モードでの前回のセットアップ処理を行って以降のプリント枚数の累積計測値が所定値に達していた場合には、セットアップ処理を行って、各種の画像形成条件を調整する。
このように、画像形成モードが普通紙モードに変更された時点で普通紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達していない場合には、画像濃度に大きな変動は生じ難い。そのため、セットアップ処理を行わないことで、画像形成の生産性を向上している。
この場合にはセットアップ処理を行わないので、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1をリセットせず、枚数カウンタCNT1および枚数カウンタCNT2での累積計測を継続する。
ここで、セットアップ処理が立ち上げ時セットアップ処理である場合には、前回の画像形成時から長時間経過し、画像濃度や画像階調性に大きな変動が生じていることも想定される。そのため、ステップ207での「所定値」は、コート紙モードでの立ち上げ時セットアップ処理での所定値(インターバル)を、コート紙モードでの画像形成動作中セットアップ処理や終了時セットアップ処理での所定値よりも短く設定してもよい。またこの場合に、普通紙モードでの立ち上げ時セットアップ処理を行うインターバルとは、異なる長さのインターバルを設定してもよい。
画像形成モードがコート紙モードに変更された時点でコート紙モードでの前回のセットアップ処理を行って以降のプリント枚数の累積計測値が所定値に達していた場合には、セットアップ処理を行って、各種の画像形成条件を調整する。
このように、画像形成モードがコート紙モードに変更された時点でコート紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達していない場合には、画像濃度に大きな変動は生じ難い。そのため、セットアップ処理を行わないことで、画像形成の生産性を向上している。
この場合にはセットアップ処理を行わないので、コート紙モードに関する枚数カウンタCNT2をリセットせず、枚数カウンタCNT1および枚数カウンタCNT2は累積計測を継続する。
これに対して、本実施の形態の画像形成装置1では、セットアップ処理は画像形成モード各々に設定されている予め定めたプリント枚数(インターバル)毎に行われる。そのために、画像形成モードの変更が頻繁に行われる場合にも、各画像形成モードに設定されている予め定めたプリント枚数(インターバル)を超えなければセットアップ処理は実行されない。それにより、画像生産性は維持される。
それに対して、図5(b)に示した本実施の形態では、画像形成モード毎に設定された例えば予め定めたプリント枚数(インターバル)毎にセットアップ処理を行う。加えて、一旦セットアップ処理を行った際には、セットアップ処理を行った画像形成モードの枚数カウンタCNT1或いはCNT2を“0”にリセットし、プリント枚数の累積を前回のセットアップ処理から改めて計測する。そして、予め定めたインターバルを経過している場合には、画像形成モードが変更された時点でもセットアップ処理を行う。そのため、長期に亘って何れかの画像形成モードにおいてセットアップ処理が行われない事態の発生が抑えられる。また、上記したような多くの時間を要するセットアップ処理の頻度が低く抑えられる。
まず、制御部60は、各画像形成ユニット30において、感光体ドラム31の表面電位を予め定められた2つのレベル、すなわち高電位レベルおよび低電位レベルに順次設定する。その際には、半導体レーザ27の出力光量値、現像バイアス電圧値、一次転写ロール42の一次転写バイアス電圧値等の各種画像形成条件を予め定めた値(所定値)に設定しておく。そして、各電位レベル毎に面積率(階調)の異なる複数個の基準濃度パターンを形成する。
図6は、各画像形成ユニット30にて形成された階調の異なる複数個の基準濃度パターンが中間転写ベルト41上に一次転写された状態を示した図である。図6に示した例は、例えばブラック(K)の画像形成ユニット30Kにおいて、高電位レベルでの3つの階調の基準濃度パターンBH−1,BH−2,BH−3と、低電位レベルでの3つの階調の基準濃度パターンBL−1,BL−2,BL−3とが形成された場合を示している。したがって、画像形成ユニット30Kでは、合計6つの階調の基準濃度パターンが形成される。
同様にして、イエロー(Y)の画像形成ユニット30Yによる基準濃度パターンYH−1,YH−2,YH−3とYL−1,YL−2,YL−3、マゼンタ(M)の画像形成ユニット30Mによる基準濃度パターンMH−1,MH−2,MH−3とML−1,ML−2,ML−3、シアン(C)の画像形成ユニット30Cによる基準濃度パターンCH−1,CH−2,CH−3とCL−1,CL−2,CL−3がそれぞれ形成される。
また、湿度センサ66にて検出された機内の湿度の検出値(湿度検出値)、および温度センサ67にて検出された機内の温度の検出値(温度検出値)も同様に、制御部60に送られる。
そして、制御部60は、各色基準濃度パターンの濃度検出値、湿度検出値および温度検出値に対応した各種画像形成条件を設定して、画像品質を高く維持するように画像濃度、さらには画像階調性を調整する。ここでの制御部60は、本実施の形態における状態量取得手段として機能する。
また、外部記憶部90には、制御部60により実行される処理プログラムが格納されており、画像形成装置1の立ち上げ時に制御部60がこの処理プログラムを読み込むことによって、本実施の形態の制御部60でのセットアップ処理が実行される。このプログラムに関するその他の提供形態としては、予めROM603に格納された状態にて提供され、ROM603からRAM602にロードされる形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROM603を備えている場合には、制御部60がセッティングされた後に、プログラムだけがROM603にインストールされ、ROM603からRAM602にロードされる形態がある。また、インターネット等のネットワークを介して画像形成装置1にプログラムが伝送され、制御部60のRAM602にロードされる形態がある。
また、階調制御部65は、基準濃度検出センサ55による濃度検出値に基づいて階調制御信号を生成し、画像処理部22に出力する。画像処理部22は、入力された画像データの面積率を階調制御信号に対応して変換するルックアップテーブル(LUT)を備えている。そして、画像処理部22は、入力された画像データの面積率を階調制御信号に対応するLUTにより変換して、レーザ露光器26に送信する。
また、画像品質を高めることを優先させる高画質モードや、トナーの消費量を低減することを優先させる省トナーモード、細線で形成されるバーコードの再現性を優先させるバーコードモード、さらには画像光沢の変更・調整を行う光沢変更モード等を設定してもよい。
本実施の形態の画像形成装置1においては、画像形成モードの内容に依らず異なる複数の画像形成モードが用意された場合に、画像形成モード各々に設定されたタイミングでセットアップ処理が行われる。
実施の形態1では、画像形成モード各々に関してセットアップ処理を行うインターバル(所定値)をそれぞれ設けておき、各画像形成モードでの前回のセットアップ処理を行って以降のプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)に達した時点でセットアップ処理を行う構成について説明した。本実施の形態では、画像形成モードが変更され新たに設定された画像形成モードでの最初のセットアップ処理においては、セットアップ処理にて検出された各色基準濃度パターンの濃度検出値を新たに設定された画像形成モードでの画像濃度に関する目標値とする構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の画像形成装置1は、画像形成モードが変更された場合に、画像形成モードが変更された時点で画像形成モード各々での前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数(所定値)に達していない場合には、変更時点でのセットアップ処理を行わない。しかし、新たに設定された画像形成モードでの画像形成が実行され、その画像形成モードでの前回のセットアップ処理が行われてからのプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)に達した時点で、その画像形成モードへの変更後の最初のセットアップ処理が行われる。その際には、セットアップ処理にて検出された各色基準濃度パターンの濃度検出値を画像濃度の目標値として、変更された画像形成モードでの各種画像形成条件の調整処理を行う。
図9に示したように、始めに設定された普通紙モードでは、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1が前回のセットアップ処理が行われてからのプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)に達した時点でセットアップ処理(SU1,SU2)を行う。また、画像形成装置1には普通紙モードでの画像濃度に関する目標値1(target1)が予め設定されており、それが制御部60内のEEPROM604に記憶されている。そして、制御部60は、普通紙モードでのセットアップ処理(SU1,SU2)において、基準濃度検出センサ55により各色基準濃度パターンの濃度を検出し、その濃度検出値(d1,d2)を目標値1(target1)と比較する。そして、その濃度検出値(d1,d2)と目標値1(target1)との比較結果や湿度検出値および温度検出値に基づいて、画像濃度が目標値1となるように半導体レーザ27の出力光量値、帯電バイアス電圧値、および現像バイアス電圧値を制御する。
なお、ここでの画像濃度に関する目標値2は、状態量の目標値の一例である。
このような従来のセットアップ処理では、画像形成モードが変更される前の画像濃度(例えば図9のtarget1)と、変更後の最初のセットアップ処理により修正された画像濃度(例えば図9のtarget1)とは、ほぼ一致させることができる。しかし、変更後の画像形成モード内で、最初のセットアップ処理(例えば図9のSU3)の前後にて画像濃度が変化することとなる。それにより、同一の画像形成モードが用いられて形成される画像相互の画像濃度や色彩が異なることとなって、ユーザにとっては不都合が生じる。
これに対して、本実施の形態の画像形成装置1では、画像形成モードの変更後の最初に行われるセットアップ処理(例えば図9のSU3)では、セットアップ時に検出された各色基準濃度パターンの濃度検出値(例えば図9のd3)を画像濃度に関する目標値(例えば図9のtarget2)として設定する。それにより、同一の画像形成モード内での画像濃度の変動が小さく抑えられるので、同一の画像形成モードが用いられて形成される画像相互の画像濃度や色彩の同一性が維持される。
ここでは、実施の形態1と同様に、普通紙モードとコート紙モードとが設定されるとする。また、制御部60は、プリント枚数を計測するカウンタとして、普通紙モードが設定された状態において前回(最後)に行われたセットアップ処理からのプリント枚数の累積を計測する枚数カウンタCNT1と、コート紙モードが設定された状態において前回(最後)に行われたセットアップ処理からのプリント枚数の累積を計測する枚数カウンタCNT2とを別個に備えている。さらには、設定変更する画像形成条件として半導体レーザ27の出力光量値を例として説明するが、帯電バイアス電圧値、現像バイアス電圧値等の他の画像形成条件についても、必要に応じて同様に設定変更されるものとする。
本実施の形態の画像形成装置1では、セットアップ処理は、枚数カウンタCNT1,CNT2にて計測されるプリント枚数の累積値が、それぞれの画像形成モードにおいて定められた所定枚数以上となる時点、すなわち予め定めたインターバルが経過した時点で行われるように設定される。
ステップ302において、画像形成モードの変更が行われたと判定された場合には、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1から、前回のセットアップ処理が行われてからのプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)以上であるか否かを判定する(S303)。すなわち、普通紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達したか否かを判定する。プリント枚数の累積計測値が所定値以上に達した場合には、セットアップ処理を開始する。ここで、前回の画像形成時から長時間経過している場合には、画像濃度に大きな変動が生じていることも想定されることから、ステップ303での「所定値」は、普通紙モードでの画像形成動作中セットアップ処理を行うインターバルよりも短く設定してもよい。
制御部60は、濃度検出値と目標値1との差分、湿度検出値、および温度検出値と出力光量との対応関係を定めた出力光量テーブルを用いて、レーザ露光器26から感光体ドラム31に照射される半導体レーザ27の出力光量値LD1を算出する(S308)。そして、算出された出力光量値LD1をEEPROM604に記憶する(S309)。さらに、半導体レーザ27の出力光量を算出された出力光量値LD1に設定するとともに、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1を“0”にリセットする(S310)。
このように、普通紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達した後に画像形成装置1を立ち上げる場合には、セットアップ処理を行って、各種画像形成条件を設定する。
このように、普通紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達する前に画像形成装置1を立ち上げる場合には、画像濃度に大きな変動は生じ難い。そのため、前回の目標値1を用いることで、時間を要するセットアップ処理を行うことを省略して、画像生産性の向上を図っている。
ステップ314において、画像形成モードの変更が行われてコート紙モードが設定されたと判定された場合には、コート紙モードに関する枚数カウンタCNT2から、前回のセットアップ処理が行われてからのプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)以上であるか否かを判定する(S315)。すなわち、コート紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達したか否かを判定する。プリント枚数の累積計測値が所定値以上に達した場合には、セットアップ処理を開始する。ここで、前回の画像形成時から長時間経過している場合には、画像濃度に大きな変動が生じていることも想定されることから、ステップ315での「所定値」は、コート紙モードでの画像形成動作中セットアップ処理を行うインターバルよりも短く設定することもできる。またこの場合に、普通紙モードでの立ち上げ時セットアップ処理を行うインターバルとは、異なる長さのインターバルを設定することもできる。
制御部60は、濃度検出値と目標値2との差分、湿度検出値、および温度検出値と出力光量との対応関係を定めた出力光量テーブルを用いて、レーザ露光器26から感光体ドラム31に照射される半導体レーザ27の出力光量値LD2を算出する(S320)。そして、算出された出力光量値LD2をEEPROM604に記憶する(S321)。さらに、半導体レーザ27の出力光量を算出された出力光量値LD2に設定するとともに、コート紙モードに関する枚数カウンタCNT2を“0”にリセットする(S322)。
このように、コート紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達した後に画像形成装置1を立ち上げる場合には、セットアップ処理を行って、各種画像形成条件を設定する。
このように、コート紙モードでの前回のセットアップ処理を行ってから予め定めたプリント枚数に達する前に画像形成装置1を立ち上げる場合には、画像濃度に大きな変動は生じ難い。そのため、前回の目標値2を用いることで、ある程度の時間を要するセットアップ処理を行うことを省略して、画像生産性の向上を図っている。
ステップ405にて、前回のセットアップ処理の際の画像形成モードと同じであると判定された場合には、制御部60は、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値を、制御部60内のEEPROM604に記憶している普通紙モードでの画像濃度に関する目標値1と比較する(S406)。そして、濃度検出値と目標値1との差分、湿度検出値、および温度検出値と出力光量との対応関係を定めた出力光量テーブルを用いて、レーザ露光器26から感光体ドラム31に照射される半導体レーザ27の出力光量値LD1を算出する(S407)。算出された出力光量値LD1は、制御部60内のEEPROM604に記憶される(S408)。
このように、本実施の形態の画像形成装置1では、画像形成モードが変更された場合に、新たに設定された普通紙モードでの最初のセットアップ処理にて検出された各色基準濃度パターンの濃度検出値を、新たに設定された普通紙モードでの画像濃度に関する目標値1と設定している。それにより、同一の画像形成モード内における画像濃度の変動を小さく抑えている。また、画像形成条件を補正処理する時間を短縮して、画像生産性を高めている。
ステップ417にて、前回のセットアップ処理の際の画像形成モードと同じであると判定された場合には、制御部60は、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値を、制御部60内のEEPROM604に記憶しているコート紙モードでの画像濃度に関する目標値2と比較する(S418)。そして、濃度検出値と目標値2との差分、湿度検出値、および温度検出値と出力光量との対応関係を定めた出力光量テーブルを用いて、レーザ露光器26から感光体ドラム31に照射される半導体レーザ27の出力光量値LD2を算出する(S419)。算出された出力光量値LD2は、制御部60内のEEPROM604に記憶される(S420)。
この場合にも同様に、画像形成モードが変更された場合に、新たに設定されたコート紙モードでの最初のセットアップ処理にて検出された各色基準濃度パターンの濃度検出値を、新たに設定されたコート紙モードでの画像濃度に関する目標値2と設定している。それにより、同一の画像形成モード内における画像濃度の変動を小さく抑えている。また、画像形成条件を補正処理する時間を短縮して、画像生産性を高めている。
セットアップ処理では、各色基準濃度パターンの形成から始まって半導体レーザ27の出力光量値等の各種画像形成条件を算出し、それを各像形成部に設定するまでに予め定めた時間を要する。そこで、画像形成モードの変更処理に先立ちセットアップ処理を開始することで、セットアップ処理と画像形成モードの変更処理とを並行して行う。それにより、画像形成モードの変更処理に要する時間の短縮化が図られ、画像生産性が高められる。
その場合に、画像形成モードの変更処理よりもセットアップ処理が先に終了するようにセットアップ処理の開始タイミングを設定すれば、画像形成モードが変更された時点では、各像形成部にはセットアップ処理にて調整された各種画像形成条件の設定が完了している。それにより、画像形成モードの変更処理が効率的に行われる。
図12は、画像形成動作中セットアップ処理(ここでは、単に「セットアップ処理」とも称する)が行われるタイミングを説明する図である。まず、時間T1において、例えば普通紙モードが設定されている状態でのセットアップ処理(SU1)が行われる。時間T1でのセットアップ処理は、普通紙モードが設定されてから複数回目のものであるとする。そのため、時間T1でのセットアップ処理では、次のようなセットアップ処理を行う。すなわち、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値(d1)を、制御部60内のEEPROM604に記憶している普通紙モードでの画像濃度に関する目標値1(target1)と比較して、その比較結果や湿度検出値および温度検出値に基づいて、画像濃度が目標値1となる半導体レーザ27の出力光量値LD1に補正される。その際には、枚数カウンタCNT1は“0”にリセットされる。
その後、枚数カウンタCNT1でのプリント枚数の累積計測値がセットアップ処理を行うインターバル(所定値)に達する前である時間T3において、コート紙モードに変更されたとする(MM1)。
枚数カウンタCNT2でのプリント枚数の累積計測値がコート紙モードでのセットアップ処理を行うインターバルとして予め定められた値(所定値)に達した時点である時間T4において、コート紙モードに変更されてから最初のセットアップ処理(SU3)が行われる。そのため、時間T4では、次のようなセットアップ処理が行われる。すなわち、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値(d3)を画像濃度に関する目標値2(target2)として設定し、目標値2を制御部60内のEEPROM604に記憶する。そして、画像濃度が目標値2である半導体レーザ27の出力光量値LD2を設定する。また、その際には、枚数カウンタCNT2は“0”にリセットされる。
なお、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1は、普通紙モードでのセットアップ処理が行われる時点で “0”にリセットされ、コート紙モードに関する枚数カウンタCNT2は、コート紙モードでのセットアップ処理が行われる時点で “0”にリセットされるが、それ以降は、枚数カウンタCNT1および枚数カウンタCNT2それぞれはプリント枚数の計測を継続する。
ここでは、枚数カウンタCNT1を“0”にリセットせず、そのままプリント枚数の計測を継続する。
ここでは、枚数カウンタCNT2を“0”にリセットせず、そのままプリント枚数の計測を継続する。
その後、枚数カウンタCNT2でのプリント枚数の累積計測値がセットアップ処理におけるインターバルに達した時点である時間T7において、コート紙モードが設定されている状態でのセットアップ処理(SU4)が行われる。時間T7でのセットアップ処理は、コート紙モードが設定されてから複数回目のものであるので、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値(d6)を、制御部60内のEEPROM604に記憶しているコート紙モードでの画像濃度に関する目標値2(target2)と比較して、その比較結果や湿度検出値および温度検出値に基づいて、画像濃度が目標値2となる半導体レーザ27の出力光量値LD2に補正される。その際には、枚数カウンタCNT2は“0”にリセットされる。
また、像の状態を表す状態量ではないが、濃度検出手段の一例であるトナー濃度センサ69により検出されるトナー濃度検出値を用いてもよい。この場合には、画像形成条件として、レーザ露光器26の半導体レーザ27の出力光量値、帯電ロール32に供給する帯電バイアス電圧値、現像ロール34に印加する現像バイアス電圧値、各現像器33への各色トナーの補給量を制御する。
トナー濃度センサ69により検出されるトナー濃度検出値は、画像形成モードの変更に伴って各現像器33の現像ロール34や搬送スクリュー(不図示)の回転速度が変更されることで、画像形成モードの変更前と変更後とで異なる値を出力する。
なお、中間転写ベルト41や用紙P上に形成される各色基準濃度パターンの形成は、制御部60が外部記憶部90に記憶された基準濃度パターンデータを読み出して形成する方式や、画像読取装置(不図示)から予め定めた基準濃度チャートを読み込んで形成する方式等が採用できる。
実施の形態2では、画像形成モードが変更された場合に、新たに設定された画像形成モードでの最初のセットアップ処理にて検出された情報の一例である各色基準濃度パターンの濃度検出値を、新たに設定された画像形成モードでの画像濃度に関する目標値と設定する構成について説明した。本実施の形態では、予め定めた画像形成モードを標準モードに設定し、標準モードから標準モード以外の画像形成モードに変更された場合において、最初のセットアップ処理にて検出された情報の一例である各色基準濃度パターンの濃度検出値を、新たに設定された画像形成モードでの画像濃度に関する目標値と設定する構成について説明する。なお、実施の形態2と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
また、制御部60は、最後に行われた像形成条件の調整(セットアップ処理)から経過した期間を計測する計測手段として、標準モードが設定された状態において前回(最後)に行われたセットアップ処理からのプリント枚数の累積を計測する枚数カウンタCNT1と、標準モード以外の画像形成モードが設定された状態において前回(最後)に行われたセットアップ処理からのプリント枚数の累積を計測する枚数カウンタCNT2とを別個に備えている。ここでの期間の具体例としては、プリント枚数の総累積数の他に、最後に行われた像形成条件の調整から累積した感光体ドラム31の回転数、感光体ドラム31表面の移動距離、プリント枚数、プリント時間、感光体ドラム31の回転時間、帯電ロール32の帯電時間、実時間が挙げられる。
一方、ステップ501において、ユーザが予め定めた判定基準に沿って選択された画像形成モードを標準モードとして自動的に設定する方式を選択した場合には、制御部60は、各画像形成モードでの枚数カウンタCNT1,CNT2による累積枚数値を参照し(S504)、枚数カウンタCNT1,CNT2によるプリント枚数の累積枚数値が最大である画像形成モードを判定する(S505)。そして、累積枚数値が最大であると判定された画像形成モードを標準モードとして設定する(S506)。
これに対して、標準モードから標準モード以外の画像形成モードに変更された場合には、標準モード以外の画像形成モードでの枚数カウンタCNT2にて計測される前回のセットアップ処理からのプリント枚数の累積値がこの画像形成モードにおいて予め定めたインターバルに最初に到達した時点でセットアップ処理を行う。その場合のセットアップ処理は、セットアップ処理にて検出された各色基準濃度パターンの濃度検出値を、新たに設定変更された画像形成モードでの画像濃度に関する目標値と設定する。そして、設定された目標値に基づくセットアップ処理を行う。
まず、初めに標準モードである普通紙モードが設定されており、時間T1において、普通紙モードが設定されている状態でのセットアップ処理(SU1)が行われる。時間T1でのセットアップ処理は、普通紙モードが設定されてから複数回目のものであるとする。そのため、時間T1でのセットアップ処理は、次のように行われる。すなわち、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値(d1)を、制御部60内のEEPROM604に記憶している普通紙モードでの画像濃度に関する目標値1(target1)と比較して、その比較結果や湿度検出値および温度検出値に基づいて、画像濃度が目標値1となる半導体レーザ27の出力光量値LD1に補正される。設定された出力光量値LD1は、出力光量値LD1_oldとしてEEPROM604に記憶される。また、枚数カウンタCNT1は“0”にリセットされる。
なお、標準モード(普通紙モード)関する枚数カウンタCNT1は、標準モードでのセットアップ処理が行われる時点で “0”にリセットされ、コート紙モードに関する枚数カウンタCNT2は、コート紙モードでのセットアップ処理が行われる時点で “0”にリセットされるが、それ以降は、枚数カウンタCNT1および枚数カウンタCNT2それぞれはプリント枚数の計測を継続する。
枚数カウンタCNT2でのプリント枚数の累積計測値がコート紙モードでのセットアップ処理のインターバル(所定値)に達した時点である時間T3において、コート紙モードに変更されてから最初のセットアップ処理(SU2)が行われる。そのため、時間T3では、次のようなセットアップ処理が行われる。すなわち、時間T3でのセットアップ処理(SU2)は、標準モード以外でのセットアップ処理であるので、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値(d2)を画像濃度に関する目標値2(target2)として設定し、目標値2を制御部60内のEEPROM604に記憶する。そして、画像濃度が目標値2である半導体レーザ27の出力光量値LD2を設定する。また、その際には、枚数カウンタCNT2は“0”にリセットされる。
ただし、標準モード以外の画像形成モードから標準モードに変更された場合には、変更時にセットアップ処理を行うように構成してもよい。その場合に、変更時のセットアップ処理は、温湿度等の環境値が予め定めた範囲外の場合に行うようにしてもよい。
例えば、図14に示した場合を例に述べると、標準モードに変更される前のコート紙モードにおいて2回以上のセットアップ処理が行われている場合に、このコート紙モードでの最初に行われたセットアップ処理(時間T3でのセットアップ処理SU2)にて設定された半導体レーザ27の出力光量値LD2をLD2_Sとして制御部60内のEEPROM604に記憶しておく。同様に、このコート紙モードでの最後に行われたセットアップ処理(時間T4でのセットアップ処理SU3)にて設定された半導体レーザ27の出力光量値LD2をLD2_Eとして制御部60内のEEPROM604に記憶しておく。
そして、前回の標準モードでの最後のセットアップ処理(時間T1でのセットアップ処理SU1)にて設定され、EEPROM604に記憶された出力光量値LD1_oldと、コート紙モードにて記憶された出力光量値LD2_S,LD2_Eとを用いて、次の(1)式による演算処理を行い、標準モードに再度変更された際(図14の時間T5)の半導体レーザ27の出力光量値LD1を設定する。すなわち、
LD1=LD1_old+K・(LD2_E−LD2_S) …(1)
ただし、Kは補正係数である。
なお、出力光量値LD1_oldとしては、前回の標準モードでの最後のセットアップ処理(時間T1でのセットアップ処理SU1)よりも以前に設定され、EEPROM604に記憶された出力光量値LD1_old´を用いてもよい。
このような基準濃度パターンを用いる簡易セットアップ処理は、上記した図6に示した基準濃度パターンを用いる通常のセットアップ処理(通常セットアップ処理)よりも、短時間で処理できる。それにより、使用頻度の少ない画像形成モードにおけるセットアップ処理の所要時間が短くなり、画像生産性がさらに向上する。
例えば、通常セットアップ処理と簡易セットアップ処理とにおいて、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値と制御部60内のEEPROM604に記憶している目標値との差分がともに△δであったと仮定する。
その場合に、差分△δに基づいてそれぞれの画像形成条件での補正量を求める演算f(△δ)を行うとして、例えば、通常セットアップ処理での一の画像形成条件(例えば、半導体レーザ27の出力光量値LD)に関する補正量を求める演算をf1(△δ)とし、簡易セットアップ処理での当該画像形成条件に関する補正量を求める演算をf2(△δ)とすると、制御部60は、次の(2)式を満たすように、通常セットアップ処理と簡易セットアップ処理とにおけるそれぞれの演算f1(△δ),f2(△δ)を設定する。
f1(△δ)>f2(△δ) …(2)
それにより、補正精度の低い簡易セットアップ処理では、各色基準濃度パターンの濃度検出値と制御部60内のEEPROM604に記憶している目標値との差分△δに対する補正感度を通常セットアップ処理よりも下げる。そのことで、簡易セットアップ処理による画像形成条件各々での設定値が大きく目標値から外れた状態が生じることを抑制する。
図16に示したような演算f1(△δ),f2(△δ)を用いることで、制御部60は、簡易セットアップ処理による画像形成条件各々での設定値が大きく目標値から外れた状態が生じることを抑制している。
それにより、同一の画像形成モード内における画像濃度の変動を小さく抑制している。また、使用頻度の高い例えば普通紙モードでは、前回の普通紙モードが行われてから次の普通紙モードが行われるまでの間に、他の画像形成モードが実行されたとしても、それぞれの普通紙モード間の画像濃度の変動を小さく抑えている。
また、セットアップ処理を行うタイミングに対応させてセットアップ処理の内容を最適化することで、画像生産性の向上を図っている。
実施の形態1では、画像形成モード各々に関してセットアップ処理を行うインターバル(所定値)をそれぞれ設けておき、各画像形成モードでの前回のセットアップ処理を行って以降のプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)に達した時点でセットアップ処理を行う構成について説明した。本実施の形態では、それぞれの画像形成モードに関する枚数カウンタCNTの計測値が、画像形成モードそれぞれについて重み付けを行ってプリント枚数の累積計測値や時間等を算出し、その算出値が所定値に達しているか否かによりセットアップ処理の実行を判定する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施の形態の制御部60では、例えば、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1における計測値と、コート紙モードに関する枚数カウンタCNT2における計測値とに対して異なる重み付けを行う演算処理を行う。そして、その演算結果をそれぞれの枚数カウンタCNT1,CNT2における計測値と見なして、セットアップ処理を実行するか否かを判定する。
その後、時間J3においてコート紙モードから普通紙モードに変更されたとする。その場合に、制御部60は、普通紙モードに関する枚数カウンタCNT1が計測を開始した時間J1からのプリント枚数の計測値として、以下の(3)式の演算で求めた結果を用いる。すなわち、時間J3での枚数カウンタCNT1での演算計測値CNT1´は、
CNT1´=m1×a1+m2×b1 …(3)
とする。ここで、m1は時間J1から時間J2までの普通紙モードでのプリント枚数の計測値、m2は時間J2から時間J3までのコート紙モードでのプリント枚数の計測値である。また、a1,b1は重み付け係数であり、0<a1<1、a1+b1=1である。
そして、制御部60は、普通紙モードに関する演算計測値CNT1´が所定値(普通紙セットアップインターバル)を超える時間J4において、セットアップ処理を行う。
CNT2´=m2×b2+(m3+m4)×a2 …(4)
とする。ここで、m3+m4は時間J3から時間J5までの普通紙モードでのプリント枚数の計測値である。また、a2,b2は重み付け係数であり、0<a2<1、a2+b2=1である。
それにより、画像形成モードが異なる動作状態において、各状態量の変動幅が異なる場合にも、セットアップ処理を行うタイミングの適正化を図っている。
実施の形態1では、画像形成モード各々に関してセットアップ処理を行うインターバル(所定値)をそれぞれ設けておき、各画像形成モードでの前回のセットアップ処理を行って以降のプリント枚数の累積計測値が予め定めた値(所定値)に達した時点でセットアップ処理を行う構成について説明した。本実施の形態では、画像形成モードが変更された場合には、最初のセットアップ処理にて検出された情報の一例である各色基準濃度パターンの濃度検出値を、新たに設定された画像形成モードでの画像濃度に関する目標値と設定する構成について説明する。なお、実施の形態2と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
まず、始めに例えば普通紙モードが設定されており、時間T1において、普通紙モードが設定されている状態でのセットアップ処理(SU1)が行われる。時間T1でのセットアップ処理は、普通紙モードが設定されてから複数回目のものであるとする。この場合の時間T1でのセットアップ処理は、次のように行われる。すなわち、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値(d1)を、制御部60内のEEPROM604に記憶している普通紙モードでの画像濃度に関する目標値1(target1)と比較して、その比較結果や湿度検出値および温度検出値に基づいて、画像濃度が目標値1となる半導体レーザ27の出力光量値LD1に補正される。そして、この場合の目標値1は、今回の普通紙モードが設定された場合に最初に実行されたセットアップ処理にて、基準濃度検出センサ55による各色基準濃度パターンの濃度検出値が設定される。
Claims (15)
- 像形成部を用いて媒体上に像を形成する像形成手段と、
前記像を形成する際に前記像形成手段を構成する前記像形成部に対して異なる像形成条件を設定する複数の画像形成モードの中から一の当該画像形成モードを設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段にて設定された前記画像形成モードでの前記像形成条件の調整を行う調整手段と、
前記モード設定手段にて設定された前記画像形成モードにおいて前記調整手段が前記像形成条件の調整を行ってからの経過状況を当該画像形成モード毎に個別に計測する計測手段とを備え、
前記調整手段は、前記モード設定手段にて設定された前記画像形成モードにおいて前記計測手段にて計測された当該画像形成モードでの前記経過状況が所定値を超えた場合に前記像形成条件の調整を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 前記像形成手段により前記媒体上に形成された前記像の状態を表す状態量を検出する検出手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記検出手段が検出した前記状態量の検出結果と当該状態量の目標値とに応じて前記像形成条件の調整を行うとともに、前記モード設定手段にて前記画像形成モードの設定が変更された後に当該検出手段が検出した当該状態量に応じて当該状態量の目標値を変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記モード設定手段にて設定される所定の前記画像形成モードにおける前記状態量の目標値を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記モード設定手段が前記所定の画像形成モードを設定した場合は、前記検出手段が検出した状態量の検出結果と前記記憶手段に記憶された当該所定の画像形成モードにおける当該状態量の目標値とに応じて前記像形成条件の調整を行い、当該モード設定手段が当該所定の画像形成モード以外の画像形成モードを設定した場合は、当該画像形成モードが変更された後に当該検出手段が検出した状態量に応じて当該状態量の目標値を変更することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 前記調整手段は、前記モード設定手段にて前記画像形成モードが変更された場合に、変更後の当該画像形成モードが当該変更前に設定された際に前記調整にて設定された前記像形成条件と、当該変更後の画像形成モードの直前に設定された当該画像形成モードにて設定された当該像形成条件の変動量とに基づいて算出された当該像形成条件を、当該変更後の画像形成モードでの当該像形成条件として設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記計測手段は、前記調整手段にて行われた前記画像形成モード各々での前回の前記調整以降の前記経過状況を計測することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記計測手段は、前記モード設定手段にて前記画像形成モードが変更された場合に、当該画像形成モードが変更される前の当該画像形成モードでの前記経過状況と、当該画像形成モードの当該変更後に当該画像形成モードが再度設定された場合の当該画像形成モードでの当該経過状況とを累積して計測することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 前記調整手段は、前記像形成条件の調整を行う際の基準とする前記計測手段にて計測される前記経過状況に関する前記所定値を前記画像形成モード毎に個別に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記調整手段は、前記モード設定手段が前記画像形成モードを変更する場合に、変更された後の当該画像形成モードにおいて前記計測手段にて計測された当該画像形成モードでの前記経過状況が所定値を超える場合に、変更される前の当該画像形成モードが設定された状態で前記調整を開始することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 媒体上に像を形成する際に用いる像形成部に対して異なる像形成条件を設定する複数の画像形成モードの中から一の当該画像形成モードを設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段にて設定された前記画像形成モードでの前記像形成条件の調整を行う調整手段と、
前記モード設定手段にて設定された前記画像形成モードにおいて前記調整手段が前記像形成条件の調整を行ってからの経過状況を当該画像形成モード毎に個別に計測する計測手段から当該経過状況の計測値を当該画像形成モード別に取得する経過状況取得手段と、
前記モード設定手段にて設定された前記画像形成モードにおいて前記経過状況取得手段にて取得された当該画像形成モードでの前記経過状況の計測値が所定値を超えた場合に、前記調整手段にて前記像形成条件の調整を行うように制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする制御装置。 - 前記媒体上に形成された前記像の状態を表す状態量を取得する状態量取得手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記状態量取得手段にて取得した前記状態量と当該状態量の目標値とに応じて前記像形成条件の調整を行うとともに、前記モード設定手段にて前記画像形成モードの設定が変更された後に当該状態量取得手段にて取得した当該状態量に応じて当該状態量の目標値を変更することを特徴とする請求項9記載の制御装置。 - 前記モード設定手段にて設定される所定の前記画像形成モードにおける前記状態量の目標値を記憶する記憶手段から当該状態量の目標値を取得する目標値取得手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記モード設定手段が前記所定の画像形成モードを設定した場合は、前記状態量取得手段にて取得した前記状態量と前記目標値取得手段にて取得した当該所定の画像形成モードにおける当該状態量の目標値とに応じて前記像形成条件の調整を行い、当該モード設定手段が当該所定の画像形成モード以外の画像形成モードを設定した場合は、当該画像形成モードが変更された後に当該状態量取得手段にて取得した当該状態量に応じて当該状態量の目標値を変更することを特徴とする請求項10記載の制御装置。 - 前記調整手段は、前記モード設定手段にて前記画像形成モードが変更された場合に、変更後の当該画像形成モードが当該変更前に設定された際に前記調整にて設定された前記像形成条件と、当該変更後の画像形成モードの直前に設定された当該画像形成モードにて設定された当該像形成条件の変動量とに基づいて算出された当該像形成条件を、当該変更後の画像形成モードでの当該像形成条件として設定することを特徴とする請求項9記載の制御装置。
- 前記制御手段は、前記像形成条件の調整を行う際の基準とする前記経過状況取得手段にて取得される前記経過状況の計測値に関する前記所定値を前記画像形成モード毎に個別に設定することを特徴とする請求項9記載の制御装置。
- 前記制御手段は、前記モード設定手段が前記画像形成モードを変更する場合に、変更された後の当該画像形成モードにおいて前記経過状況取得手段にて取得された当該画像形成モードでの前記経過状況の計測値が所定値を超える場合に、変更される前の当該画像形成モードが設定された状態で前記調整手段が前記調整を開始するように制御することを特徴とする請求項9記載の制御装置。
- コンピュータに、
媒体上に像を形成する際に用いる像形成部に対して異なる像形成条件を設定する複数の画像形成モードの中から一の当該画像形成モードを設定する機能と、
設定された前記画像形成モードでの前記像形成条件の調整を行う機能と、
設定された前記画像形成モードにおいて前記像形成条件の調整を行ってからの経過状況を当該画像形成モード毎に個別に計測する計測手段から当該経過状況の計測値を当該画像形成モード別に取得する機能と、
設定された前記画像形成モードにおいて当該画像形成モードでの前記経過状況の計測値が所定値を超えた場合に、前記像形成条件の調整を行うように制御する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
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