JP2010024328A - ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、溶融滞留による樹脂劣化を防止して炭化物発生量を抑制することができ、さらに摺動性を改良したポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物の提供。
【解決手段】主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)を0.05〜5重量部、リン系酸化防止剤(C)および/またはイオウ系酸化防止剤(D)を0.05〜5重量部、グリシジルエーテル系化合物(E)を0.05〜5重量部配合してなることを特徴とするポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に優れ、溶融滞留による樹脂劣化を防止して炭化物発生量を抑制することができ、さらに摺動性を改良したポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート単位のような結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位のような脂肪族ポリエーテル単位をソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロック共重合体は、射出成形性、押出成形性、ブロー成形性などの成形性に優れるばかりか、機械的強度が高く、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などのゴム的性質、低温および高温特性、耐水性などに優れ、さらには熱可塑性で成形加工が容易であるため、自動車部品および電気・電子部品、繊維、フィルムなどの分野に用途を拡大している。
しかしながら、ポリエーテルエステルブロック共重合体は、上記のような優れた特性を有する反面、酸化劣化を受けやすく、高温下で使用された場合には短時間で機械的強度が低下して使用できなくなったり、成形品表面に亀裂が生じ外観が悪くなったりするという問題がある。
そこで、ポリエーテルエステルブロック共重合体の熱安定性を改良することを目的として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤各種酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤を配合する方法(例えば、特許文献1参照)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を配合する方法(例えば、特許文献2参照)、ポリアミドとアリールアミンを配合する方法(例えば、特許文献3参照)、ポリアミドとヒンダードフェノール系酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤および/あるいはリン系酸化防止剤を配合する方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
しかるに、上記のいずれの方法においても、成形品など固体状態にける熱安定性は改良されるものの、溶融状態での熱安定性は必ずしも十分ではないため、成形機や押出機に長時間溶融状態で成形機内に長時間滞留すると、粘度が低下して劣化が進行し、場合によっては炭化まで進行することがある。このような問題を回避するためには、成形や押出再開時にパージによりシリンダー内の劣化樹脂を除去することが考えられるが、パージが不十分の場合には劣化樹脂や炭化物が製品に混入して外観不良や成形品の諸物性低下を引き起こすことがある。そのため、成形機や押出機内を劣化しにくい他の樹脂に置換しておくことも考えられるが、この場合には、元の樹脂に戻しても置換樹脂を完全に除去できなければ、製品に置換樹脂が混入し異物の原因となるばかりか、パージ時間を長くしても、樹脂のロスやエネルギー消費量が多くなるため好ましくない。
また、ポリエーテルエステルブロック共重合体の熱安定性を改善するために、エポキシ化合物を配合する方法(例えば、特許文献5,6,7,8参照)が知られている。しかるに、この場合には、エポキシ化合物がポリエーテルエステルブロック共重合体の末端と反応して耐熱性や耐加水分解性が改善されるものの、溶融状態の熱安定性は依然不十分であった。
さらに、ポリエーテルエステルブロック共重合体は、成形品表面にタック性を有する場合に、成形品同士が粘着して、歩留まりの原因となり生産性を低下させることがある。そのために摺動性を付与することを目的として、滑剤を配合する方法(例えば、特許文献9,10参照)が知られているが、この場合には、滑剤自体が熱劣化して、ポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物の溶融時熱安定性に影響を及ぼすため、この点の改善が望まれていた。
特公昭46−37422号公報 特開昭60−217257号公報 特開昭58−23848号公報 特開平2−173059号公報 特開2000−143949号公報 特開2000−143950号公報 特開昭61−111318号公報 特開2000−159985号公報 特開平3−229752号公報 特開2003−3050号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果なされたものである。
したがって、本発明の目的は、耐熱性に優れ、溶融滞留による樹脂劣化を防止して炭化物発生量を抑制することができ、さらに摺動性を付与したポリエーテルエステルブロック共重合体組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエーテルエステルブロック共重合体に特定の酸化防止剤、特定のグリシジルエーテル化合物、さらに特定の滑剤を組み合わせることにより、上記の目的が効果的に達成することを見出し、本発明に至った。
すなわち、上記目的を達成するために本発明によれば、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)を0.05〜5重量部、リン系酸化防止剤(C)および/またはイオウ系酸化防止剤(D)を0.05〜5重量部、グリシジルエーテル系化合物(E)を0.05〜5重量部配合してなることを特徴とするポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物が提供される。
なお、本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物においては、
さらに、ポリオレフィン系滑剤(F)を0.01〜5重量部を配合してなること、
融点+15≦T≦融点+40を満たす温度T℃で空気中にて2時間熱処理した後に、樹脂組成物は厚さ1mm未満の表面炭化層と、前記表面炭化層より深く脆化していない内部層とで形成され、かつ表面からの深さ1〜3mmにある樹脂組成物の相対粘度ηr(JIS規格K7367−1に準拠、温度:25℃、溶媒:o−クロロフェノール)が以下の式(I)を満足すること、
ηr0−ηr1≦0.6 (I)
ηr0:処理前の樹脂組成物の相対粘度
ηr1:熱処理後、表面から1〜3mmの深さにある樹脂組成物の相対粘度
前記高融点結晶性重合体セグメント(a)が、ポリブチレンテレフタレートからなること、
前記低融点重合体セグメント(b)が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールからなること、
前記グリシジルエーテル系化合物(E)が、ジグリシジルエーテル系化合物であること、
前記グリシジルエーテル系化合物(E)が、分子中に、エチレングリコール骨格、プロピレングリコール骨格、ネオペンチルグリコール骨格、1,6−ヘキサンジオール骨格、あるいはレゾルシノール骨格、ヒドロキノン骨格を有すること、および
前記ポリオレフィン系滑剤(F)が変性ポリエチレンワックスであること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、一層優れた効果の取得を期待することができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、耐熱性に優れ、溶融滞留による樹脂劣化を防止して炭化物発生量を抑制することができ、さらに摺動性を改良したポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールとから形成される結晶性芳香族ポリエステルからなる単位であり、好ましくはテレフタル酸およびまたはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位であるが、この他にテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル単位、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステル単位であってもよい。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂肪族ポリエーテルを主たる構成成分とする単位である。脂肪族ポリエーテルの具体例としては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などのポリ(アルキレンオキシド)グリコールが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルのなかでも、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性が優れることから、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールおよびポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物などの使用が好ましく、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコールが特に好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては、共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)における低融点重合体セグメント(b)の共重合量は、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは15〜75重量%である。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、溶融重縮合により得られる。溶融重縮合は公知の方法で実施することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメント成分を、触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、ジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、およびあらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法などのいずれの方法をとってもよい。
溶融重縮合で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、次いで細粒化される。細粒化はガット状またはシート状に取り出したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)を、カッターでペレタイズするコールドカット法によってもよいし、ガット状やシート状にすることなくペレタイズするホットカット法によってもよい。また、塊状に取り出したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)を粉砕して得てもよい。
溶融重縮合で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、次いで固相重縮合をしてもよい。固相重縮合は、溶融重縮合後に細粒化したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)が融着しない温度で実施するが、通常、約140℃〜約220℃程度の温度範囲で行う。固相重縮合の前には、予備結晶化と乾燥工程を経ることが望ましい。また、固相重縮合は、高真空下または不活性気流下で実施する。高真空下の場合は、好ましくは665Pa以下、さらに好ましくは133Pa以下の減圧下で行う。不活性気流下の場合は、代表的には窒素気流下で行うことが好ましく、圧力は特に限定されないが大気圧が好ましい。反応容器としては、回転可能な真空乾燥機や、不活性ガスを流すことのできる塔式乾燥機などを使用することが好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に用いられる成分の一つであるヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)の具体例としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの中でも特にテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものの使用が好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に使用されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)の配合量は、ポリエーテルエステルブロック共重合体100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体組成物に用いられる成分の一つであるリン系酸化防止剤(C)とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、およびジアルキルビスフェノールAジホスファイトなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物、あるいは分子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物の使用が好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に使用されるイオウ系酸化防止剤(D)とは、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、およびチオジプロピオンエステル系などのイオウを含む化合物である。これらの中でも、特にチオジプロピオンエステル系化合物の使用が好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体組成物に使用されるリン系酸化防止剤(C)および/あるいはイオウ系酸化防止剤(D)の配合量は、ポリエーテルエステルブロック共重合体100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に使用されるグリシジルエーテル系化合物(E)の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどのモノグリシジルエーテル系化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどのジグリシジルエーテル系化合物、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジルエーテル化合物、などが挙げられる。これらの中でも化合物中に2個のグリシジル基を有するジグリシジルエーテル系化合物が好ましく、1分子中に、エチレングリコール骨格、プロピレングリコール骨格、ネオペンチルグリコール骨格、1,6−ヘキサンジオール骨格、あるいはレゾルシノール骨格、ヒドロキノン骨格を有するジグリシジルエーテルがさらに好ましい。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に使用されるグリシジルエーテル系化合物(E)の配合量は、ポリエーテルエステルブロック共重合100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。配合量が上記の範囲未満では十分な溶融時の熱安定性が付与されず、配合量が上記の範囲を超えると成形機内でゲル化が起きたり、ペレットや成形品表面にブリードやブルーミングが発生したりすることから好ましくない。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物に使用されるポリオレフィン系滑剤(F)としては、高圧法あるいは低圧法から得られる分子量5000以下のポリオレフィン系ワックスであり、ポリエチレン系ワックス滑剤が好ましく使用される。また酸化などの方法で分子中にカルボン酸、水酸基を導入したり、無水マレイン酸で酸変性したりした変性ポリエチレンワックスが特に好ましく使用される。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物は、融点+15≦T≦融点+40を満たす温度T℃で、溶融状態で空気中にて2時間熱処理後において、厚さ1mm以下の表面炭化層と、前記表面炭化層より深く脆化していない内部層とで形成され、かつ表面からの深さ1〜3mmにある樹脂組成物の相対粘度ηr(JIS規格K7367−1に準拠、温度:25℃、溶媒:o−クロロフェノール)が以下の式(I)を満足するものである。
ηr0−ηr1≦0.6 (I)
ηr0:処理前の樹脂組成物の相対粘度
ηr1:熱処理後、表面から1〜3mmの深さにある樹脂組成物の相対粘度
ここで、熱処理には、ポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物のペレットや粉体などを使用して、通常の加工温度に相当する融点+15≦T≦融点+40を満たす温度T℃で熱処理ができれば、熱処理装置は特に限定されず、例えば恒温槽、電気炉などを用いることができる。また熱処理は、融点+15≦T≦融点+40を満たす温度T℃で行い、ポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物のペレットや粉体などが溶融し、自然流動して無形状態になる温度で熱処理することが好ましい。融点+15℃未満の場合は流動性が十分でなく、ポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物の熱処理温度とするのは適さない。また融点+40℃を超える場合は、通常の加工温度より高くなり、熱劣化や酸化劣化が促進されやすくなることから適さない。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)、リン系酸化防止剤(C)および/あるいはイオウ系酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル系化合物(E)、さらにオレフィン系滑剤(F)を、一緒に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まずポリエーテルエステルブロック共重合体を供給して溶融し、さらに他の供給口よりヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)、リン系酸化防止剤(C)および/あるいはイオウ系酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル系化合物(E)、さらにオレフィン系滑剤(F)を供給混練する方法などを適宜採用することができる。
また、本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物は、上記溶融混練して製造した後に、固相重縮合することもできる。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤を添加することができる。例えば公知の顔料などの着色剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、離型剤、結晶化核剤、滑剤、導電剤、および補強剤などを任意に含有せしめることができる。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形などに各種成形法により成形体を与えることができる。また、本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる成形体は、自動車、電子・電気機器、精密機器、一般消費財用途の各種部品などに使用することができ、チューブ、シート、フィルム、繊維などにも適している。
以下に実施例によって本発明の構成・効果をさらに説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。また、実施例中に示される物性は次のように測定した。
[融点]
差動走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製DSC Q100)を使用し、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
[硬度(ショアDスケ−ル)]
JIS K−7215にしたがって測定した。
[相対粘度ηr]
JIS K7367−1に準拠して温度25℃における相対粘度ηrを求めた。溶媒としてo−クロロフェノールを用い、濃度は樹脂500mgに対し、溶媒は100mLとした。
[比重]
ASTM D−792にしたがって測定した。
[熱処理評価]
80℃、3時間真空乾燥したポリエーテルエステルブロック共重合体、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体組成物のペレット20gを、アルミカップ(底面が直径5cmの円形、側面が襞状)に入れて、融点+15≦T≦融点+40を満たす温度T℃に熱した電気炉内に置いた。ペレットは電気炉内で溶融して無形状となり、アルミカップ底面から深さ4〜6mmの溶融状態で溜まり、表面は水平状態となるようにした。このようにして表面が空気に接する状態で2時間放置した後、電気炉からアルミカップを取り出して自然冷却し、樹脂を固化させ、(1)〜(3)を評価し、(4)の基準で溶融熱安定性を判定した。
(1)熱処理後の表面炭化層の厚さ
熱処理した樹脂を、熱処理中の放置状態に対し垂直に切断した後、表面炭化層の厚さを測定した。表面炭化層は、酸素と接触してために酸化劣化し、濃茶色に炭化したものであり、炭化層が厚いほど酸化劣化の影響が大きく、溶融時の安定性に劣る。
(2)熱処理後の内部層の状態
表面炭化層より深いところの内部層について、脆化の有無を調べた。脆化が認められるものは、溶融状態時の熱安定性に劣っている。
(3)相対粘度ηr
熱処理後、表面から1〜3mmの深さにある内部層の樹脂組成物を切り取り、相対粘度ηr(JIS規格K7367−1に準拠、25℃、溶媒:o−クロロフェノール)を測定した。内部層に脆化が認められる場合は、脆化していない箇所を切り取ったものを用いた。
(4)溶融時熱安定性の判定
以下のようにして、樹脂組成物の溶融時安定性を判断した。
○:(1)表面炭化層の厚さが1mm以下
(2)内部層に脆化部無し
(3)熱処理前後の相対粘度差ηr0−ηr1≦0.6
のいずれも満たす場合
×:○の条件に当てはまらないもの全て
[摺動性評価]
射出成形(成形温度:230℃)により、縦75mm×横125mm×厚み2mmの角板を成形し、成形後1日経過してから、角板成形品を2枚重ねた。それから下側の角板のみを持ち、角板が反らないようにして125mmの辺が斜めになるよう傾斜させ、上側に乗せた成形品が滑り出す傾斜角度を評価した。摺動性の判定として、その傾斜角度が45度未満の場合を○、45度以上の場合を×とした。
[参考例]
[ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の製造]
参考例1〜参考例4のように重合してポリエーテルエステルブロック重合体(A−1)、(A−2)、および(A−3)を製造した。
[参考例1]
テレフタル酸50.5部、1,4−ブタンジオール43.8部および数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール35.4部を、チタンテトラブトキシド0.04部とモノ−n−ブチル−モノヒドロキシスズオキサイド0.02部をヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物にテトラ−n−ブチルチタネート0.2部を追添加し、“イルガノックス”1098(チバ・ジャパン(株)製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.05部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間50分重合を行わせて、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)を得た。物性は、融点207℃、230℃で測定した相対粘度2.05、硬度55ショアD、比重1.19、であった。
[参考例2]
テレフタル酸41.9部、1,4−ブタンジオール40.9部および数平均分子量が約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(デュポン社製“テラタン”1400)47.6部を、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。 この反応混合物に“イルガノックス”1010(チバ・ジャパン(株)製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.075部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間40分重合を行わせてポリエーテルエステルブロック共重合体(A−2)を得た。物性は、融点195℃、相対粘度1.90、硬度47ショアD、比重1.15、であった。
[参考例3]
ジメチルテレフタレート酸75.5部、1,4−ブタンジオール42.8部および数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール15.8部を、チタンテトラブトキシド0.3部およびトリメリット酸無水物0.1部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に“イルガノックス”1330(チバ・ジャパン(株)製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで、50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で1時間50分重合を行わせて、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A−3)を得た。物性は、融点218℃、相対粘度1.67、硬度72ショアD、比重1.26、であった。
[ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)]
チバ・ジャパン(株)製イルガノックス1010を使用した。
[リン系酸化防止剤(C)]
(株)ADEKA製PEP−8を使用した。
[イオウ系酸化防止剤(D)]
第一工業製薬(株)製ラスミットLGを使用した。
[グリシジルエーテル系化合物(E)]
(E−1)〜(E−6)を使用した。
E−1:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−811(ジエチレングリコールジグリシジルエーテル)
E−2:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−920(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル)
E−3:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−211(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)
E−4:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−212(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)
E−5:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−201(レゾルシノールジグリシジルエーテル)
E−6:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−203(ヒドロキノンジグリシジルエーテル)
[オレフィン系滑剤(F)]
三井化学(株)製ハイワックス1105Aを使用した。
[その他]
G:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−721(ジグリシジル o−フタレート)
[実施例]
[実施例1]
参考例1で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)を、熱風乾燥機で80℃、3時間を乾燥させてから、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)、リン系酸化防止剤(C)、グリシジルエーテル系化合物(E−1)を、表1に示すような配合になるようにドライブレンドし、45mmφのシリンダー径を有する二軸押出機を用いて、230℃にて溶融混練してポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を得た。物性として硬度および融点を、また熱処理評価の結果を表1に示す。
[実施例2〜8]
表1に示す配合組成以外は、実施例1と同様にしてポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を得た。物性として硬度および融点を、また熱処理評価の結果を表1に示す。
[実施例9]
表1に示す配合組成、および溶融混練温度を240℃に変更すること以外は、実施例1と同様にしてポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を得た。物性として硬度および融点を、また熱処理評価の結果を表1に示す。
[実施例10]
参考例1で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)を熱風乾燥機で80℃、3時間を乾燥させてから、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)、リン系酸化防止剤(C)、グリシジルエーテル系化合物(E−1)、オレフィン系滑剤(F)を、表3に示すような配合になるようにドライブレンドし、45mmφのシリンダー径を有する二軸押出機を用いて、230℃にて溶融混練してポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を得た。物性として硬度および融点を、また熱処理評価の結果を表1に示す。
Figure 2010024328
[比較例1〜6]
表2に示す配合組成となるよう、実施例1と同様に溶融混練してポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を得た。物性として硬度および融点を、また熱処理評価の結果を表2に示す。
Figure 2010024328
実施例1〜10のポリエーテルエステルブロック共重合体組成物の耐熱性評価において、空気と接触する表面は濃茶色で、0.5mmの炭化層が形成されるが、さらに深い内部層には脆化した箇所は認められず、内部層樹脂の相対粘度低下も0.6以下に抑えられており、溶融時安定性が優れている。一方、比較例1〜比較例6のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物は、表面の炭化層だけでなく、内部層も脆化が進行しており、脆化していないところを切り出してサンプリングしたにもかかわらず相対粘度の低下は実施例1〜10と比較して大きく、溶融時安定性に劣っている。
[実施例11]
実施例10のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を用いて、摺動性評価を実施した。結果を表3に示す。
[比較例7、8]
比較例1のポリエーテルエステルブロック共重合体、および比較例4のポリエーテルエステルブロック共重合体組成物を用いて、摺動性評価を実施した。結果を表3に示す。
Figure 2010024328
実施例11では、摺動性評価における滑り出し傾斜角度は35度であり、比較例7、8の滑り出し傾斜角度より小さく、摺動性が高いことを確認できる。
[実施例12]
日精樹脂工業(株)製射出成形機を用いて、熱風乾燥機にて80℃で3時間乾燥した実施例10のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を、240℃にて3kgパージした後、ヒーター電源をオフにして、シリンダー内を自然冷却した。15時間放置したのち、再度240℃にヒートアップし、1時間経過後に、乾燥済みの実施例10のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物で1kgパージしてから、縦75mm×横125mm×厚み2mmの角板を射出成形したところ、成形品中に炭化物の混入は無かった。
[比較例9]
比較例1のポリエーテルエステルブロック共重合体を用いて、実施例11と同じ方法にて、縦75mm×横125mm×厚み2mmの角板を射出成形したところ、10ショット目までの成形品中に径1mm以下の炭化物が1〜5個含まれており、50ショット目の成形品でも同様の炭化物が1個混入していた。
[実施例13]
熱風乾燥機にて80℃で3時間乾燥した実施例10のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を、φ30単軸押出成形機を用いて、温度240℃にて押出しした。それから、ヒーターの電源をオフにし、シリンダー内を自然冷却し、15時間放置したのち、再度240℃にヒートアップした。1時間経過した後、乾燥済みの実施例10のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物を2kg流した後、水冷バキュームサイジングを用いて、外径φ10mm、内径φ9mmの未延伸チューブを成形し、チューブに炭化物有無を調べたが、チューブ中に炭化物の混入は無かった。
[比較例10]
比較例1のポリエーテルエステルブロック共重合体を用いて、実施例12と同じ方法にて、未延伸チューブを成形し、炭化物混入有無を調べたところ、押出チューブ50mまでは1〜3個/mの割合で炭化物が混入しており、チューブを200m押出した後でも、炭化物が混入することがあった。
本発明の製造方法によって得られるポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形などに各種成形法により成形体を与えることができる。またまた本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる成形体は、自動車、電子・電気機器、精密機器、一般消費財用途の各種部品などに使用することができ、チューブ、シート、フィルム、繊維などにも適している。

Claims (8)

  1. 主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(B)を0.05〜5重量部、リン系酸化防止剤(C)および/またはイオウ系酸化防止剤(D)を0.05〜5重量部、グリシジルエーテル系化合物(E)を0.05〜5重量部配合してなることを特徴とするポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
  2. さらに、ポリオレフィン系滑剤(F)を0.01〜5重量部を配合してなることを特徴とするポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
  3. 融点+15≦T≦融点+40を満たす温度T℃で空気中にて2時間熱処理した後に、樹脂組成物は厚さ1mm未満の表面炭化層と、前記表面炭化層より深く脆化していない内部層とで形成され、かつ表面からの深さ1〜3mmにある樹脂組成物の相対粘度ηr(JIS規格K7367−1に準拠、温度:25℃、溶媒:o−クロロフェノール)が以下の式(I)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
    ηr0−ηr1≦0.6 (I)
    ηr0:処理前の樹脂組成物の相対粘度
    ηr1:熱処理後、表面から1〜3mmの深さにある樹脂組成物の相対粘度
  4. 前記高融点結晶性重合体セグメント(a)が、ポリブチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
  5. 前記低融点重合体セグメント(b)が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
  6. 前記グリシジルエーテル系化合物(E)が、ジグリシジルエーテル系化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
  7. 前記グリシジルエーテル系化合物(E)が、分子中に、エチレングリコール骨格、プロピレングリコール骨格、ネオペンチルグリコール骨格、1,6−ヘキサンジオール骨格、あるいはレゾルシノール骨格、ヒドロキノン骨格を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
  8. 前記ポリオレフィン系滑剤(F)が変性ポリエチレンワックスであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のポリエーテルエステルブロック共重合体樹脂組成物。
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