JPH08113699A - ポリエステル弾性体 - Google Patents

ポリエステル弾性体

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JPH08113699A
JPH08113699A JP25182794A JP25182794A JPH08113699A JP H08113699 A JPH08113699 A JP H08113699A JP 25182794 A JP25182794 A JP 25182794A JP 25182794 A JP25182794 A JP 25182794A JP H08113699 A JPH08113699 A JP H08113699A
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JP
Japan
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polyester
dicarboxylic acid
component
compound
acid
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JP25182794A
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English (en)
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Mikio Nakane
幹夫 中根
Kimihiko Sato
公彦 佐藤
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐候性及び耐加水分解性に優れ、し
かも弾性回復性の良好なポリエステル弾性体の改良。 【構成】 ポリエステルAとポリエステルBとからなる
ブロック共重合弾性体に、カルボジイミド化合物、オキ
サゾリン化合物及びエポキシ化合物からなる群より選ば
れる少くとも1つの化合物を添加せしめたポリエステル
弾性体。ここにポリエステルAはC6 〜C12の脂肪族ジ
カルボン酸、イソフタル酸及び/又はフタル酸とC6
12の脂肪族グリコールの成分からなり、ポリエステル
Bは芳香族ジカルボン酸とC6 〜C12の脂肪族グリコー
ル又は/及びシクロヘキサンジメタノールの成分からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐候性及び耐
加水分解性で表わされる耐久性に優れたポリエステル・
エステル共重合体を改質した弾性体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルをハード成分とし、
脂肪族ポリエーテル又は脂肪族ポリエステルをソフト成
分とするポリエステルブロック共重合体は、いわゆるポ
リエステル弾性体として種々の用途に使用されているこ
とは周知のことである。
【0003】しかしながら、これらのポリエステル弾性
体は耐候性及び耐熱性等が不十分で、例えば最も普通に
用いられているポリ(オキシテトラメチレン)グリコー
ルをソフト成分とするポリエステル弾性体は、安定剤を
併用しないかぎりはその安定性が低く、室温下でも1〜
2ケ月で使用不可能な状態になるまで劣化するといった
欠点がある。この劣化は、光が照射されているとより一
層促進される。さらには、繊維とした場合、最近問題と
なっている、プール等の塩素による劣化も大きい。
【0004】また、脂肪族ポリエステルをソフト成分と
するポリエステル弾性体は、ポリエーテルをソフト成分
とする弾性体に比べて耐候性、耐塩素性に優れているも
のの、耐加水分解性等に問題がある。しかも安定剤を併
用しない場合には、耐熱性及び耐候性は必ずしも十分で
あるとは言えない。
【0005】したがって、これら従来のポリエステル弾
性体を実用に供する場合には紫外線吸収剤、酸化防止剤
等の安定剤を併用することが必須の条件であるが、その
安定効果は小さく、その使用量を多くしないかぎりは長
期間使用中に劣化が起る場合が多い。しかるに、多量の
安定剤が添加された成形物を後加工、後処理すると、逆
に安定剤がブリードアウトしたり溶出するといった問題
が発生する場合が多い。
【0006】このような欠点を改良すべく、イソフタル
酸、フタル酸及び/またはC6 〜C 12の脂肪族ジカルボ
ン酸を主たる酸成分とし、C6 〜C12の脂肪族α,ω―
ジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルを
ソフト成分とするポリエステル弾性体が提案されている
(特開平5―32770号公報)。
【0007】確かに、このポリエステル弾性体は、前記
の如き欠点が改善されたものの、耐熱性が低下するとい
う問題のある事が判明した。
【0008】ところで、ポリエステル共重合体を長時間
溶融混練したり高温下で使用すると、ポリエステル共重
合体が分解してその分子量が低下し、得られた成形品の
機械的物性が低下する傾向がある。特に、高温、高湿下
でその成形品を取り扱うと物性の低下が著しい。このよ
うな樹脂の劣化を低減するために、従来からヒンダード
フェノール系酸化防止剤、リン酸系安定剤などの添加剤
を添加する方法が試みられている。しかし、このような
方法においてはある程度の効果が見られるものの限界が
あった。
【0009】ポリエステルの加水分解に対する耐性を高
めるために、ポリエステルにビス―カルボジイミドを添
加する技術(特開昭46―5389号公報)や、ポリエ
ステルにエポキシ化合物を添加する技術(特開昭59―
240618号公報)が提案されている。しかし、これ
らの公報に開示されたポリエステルは、テレフタル酸を
主とする芳香族ジカルボン酸とエチレングリコール等の
低分子量グリコールとを重縮合させて得られたものであ
る。そのため、高温、高湿度下で使用され、しかも大荷
重が作用する部品に使用するには、破断強度および破断
伸び等の機械的物性が不充分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に着
目してなされたものであり、その目的とするところは、
耐熱性に優れ、耐候性及び耐加水分解性等の耐久性に優
れた、ポリエステル弾性体組成物を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル共
重合弾性体は、下記ポリエステル部分(A)とポリエス
テル部分(B)とからなるポリエステル弾性体に、カル
ボジイミド化合物、オキサゾリン化合物およびエポキシ
化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(C)を含有し、該化合物が該ポリエステル弾性体に対
して0.05〜5.0wt%の割合で含有されているも
のである。
【0012】しかも、この弾性体に占める前記ポリエス
テル部分(B)は、重縮合に際し固有粘度を0.4以上
としたとき、その融点が180℃以上となる特徴があ
る。
【0013】本発明を説明する。
【0014】本発明のポリエステル・エステル弾性体
は、ポリエステル部分(A)として、(a−1)炭素原
子数6〜12の脂肪族ジカルボン酸成分10〜40モル
%、(a−2)イソフタル酸及び/又はフタル酸を主と
する(a−1)成分以外のジカルボン酸成分90〜60
モル%、及び(a−3)炭素原子数6〜12の脂肪族
α,ω―ジオールを主とするグリコール成分100モル
%とからなり、またポリエステル部分(B)として、
(b−1)芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボ
ン酸成分100モル%、(b−2)炭素数2〜4の脂肪
族α,ω―ジオール及び/又はシクロヘキサンジメタノ
ールを主成分とするグリコール成分100モル%から構
成される。
【0015】そして、本発明のポリエステル(ブロック
共重合)弾性体は、上記ポリエステル共重合体と、カル
ボジイミド化合物、オキサゾリン化合物およびエポキシ
化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物
を該ポリエステル弾性体に対して0.05〜5.0重量
%の割合で含有されており、そのことにより上記目的が
達成される。
【0016】本発明のポリエステル弾性体を構成するポ
リエステル部分(A)は、(a−1)酸成分の10〜4
0モル%が炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸成分、
(a−2)90〜60モル%がイソフタル酸及び/又は
フタル酸を主とする(a−1)成分以外のジカルボン酸
成分、(a−3)炭素数6〜12の脂肪族α,ω―ジオ
ールを主とするグリコール成分からなるポリエステルで
ある必要がある。ここで脂肪族α,ω―ジオールとは、
HO(CH2 n OHで表わされるジオール化合物であ
り、nが5以下の場合にはポリエステル弾性体の弾性回
復性能が低下して本発明の目的を達成できなくなる。
【0017】また、脂肪族ジカルボン酸としては、カル
ボキシル基間の炭素原子数が短すぎる場合には低温時の
弾性回復性能向上効果が小さく加水分解も受け易くなる
ため、カルボキシル基間の炭素数は4以上、特に7以上
であるものが望ましく、例えば、アゼライン酸、セバチ
ン酸、デカンジカルボン酸等が好ましいものとして例示
される。
【0018】脂肪族ジカルボン酸の共重合量は10〜4
0モル%とする必要があるが、グリコール成分の種類及
び脂肪族ジカルボン酸の種類等によって、その特に好ま
しい範囲は変化する。一般的には、グリコール成分の鎖
長が長い場合には、該脂肪族ジカルボン酸の共重合量が
少なくても、低温弾性回復性能の向上効果は大きい。し
たがって、前記脂肪族α,ω―ジオールの平均炭素数n
とした時、特に好ましい該脂肪族ジカルボン酸の共重合
割合Xモル%は、120/n≦X≦40の範囲となる。
Xが40を越える場合には、低温時の弾性回復性能はさ
らに改善されるものの、耐加水分解性及び耐熱性が低下
することとなるため好ましくない。
【0019】なお、本発明でいう「主とする」とは、少
なくとも60モル%、好ましくは70モル%以上が該成
分であることをいうが、上記以外の酸成分及び/又はグ
リコール成分の総和がポリエステル部分(A)の酸成分
に対して40モル%以下、好ましくは30モル%以下で
あり、且つ全脂肪族ジカルボン酸の共重合割合は40モ
ル%以下、また炭素数5以下のジオール化合物の共重合
割合は30モル%以下、特に20モル%以下とすること
が望ましい。
【0020】上記イソフタル酸及び/又はフタル酸に代
えて用いられる酸成分の好ましい例としてはテレフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸があげられ、ポリエステル部
分(A)の耐加水分解性を低下させることなく結晶性を
低下できるので好ましい。特に、ポリエステル部分
(A)のみからなるポリエステルを室温で1日放置して
も実質的に結晶化を起こさない程度に低結晶性の場合に
は、弾性回復性能の経時変化が少なくなるので好まし
い。
【0021】次に本発明のポリエステル弾性体を構成す
るポリエステル部分(B)は、(b−1)芳香族ジカル
ボン酸を主とする酸成分とし、(b−2)炭素数2〜4
の脂肪族α,ω―ジオール及び/又は1,4―シクロヘ
キサンジメタノールを主とするグリコール成分からなる
ポリエステルである。このポリエステル部分(B)は、
もし単独のポリマーであれば、その融点が180℃以
上、好ましくは200℃以上である。また、「主とす
る」とは、前記同様に他成分を酸成分に対して30モル
%以下、好ましくは20モル%以下共重合してもよいこ
とを意味する。
【0022】ポリエステル部分(B)に用いられる芳香
族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6
―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカ
ルボン酸等が例示され、脂肪族α,ω―ジオールとして
は、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコールがあげられる。なかで
も、結晶性を呈し結晶化速度も高くなるといった特徴を
有するので、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)部
分、ポリ(テトラメチレン―2,6―ナフタレンジカル
ボキシレート)部分及びポリ(1,4―シクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート)部分等が好ましく用いられ
る。
【0023】本発明のポリエステル弾性体は、上記のポ
リエステル部分(A)とポリエステル部分(B)からな
るポリエステル弾性体と、カルボジイミド化合物、オキ
サゾリン化合物およびエポキシ化合物からなる群から選
ばれた化合物(C)とからなる。ポリエステル部分
(A)と(B)との割合は目的によって変える事ができ
る。特にゴム弾性を望む場合には部分(A)が多い割合
を占める85:15〜50:50とするのが望ましい。
【0024】以上に述べた本発明のポリエステル弾性体
(組成物)は、上述のポリエステル部分(A)あるいは
ポリエステル部分(B)の夫々単独からなる高分子量ポ
リエステル(A′)及び(B′)をエステル交換反応
(再分配)せしめて得られたポリエステル弾性体にカル
ボジイミド化合物、オキサゾリン化合物及びエポキシ化
合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(C)を混合わせる事によって得られる。
【0025】混合わせる手段については公知の方法を用
いてよい。例えば溶融混練すればよく、押出機、バンバ
リーミキサー、ロール、ニーダー等による溶融混練方法
がある。溶融混練時の温度は、150〜280℃の範囲
が好ましい。
【0026】また、上記2種のポリエステルをエステル
交換せしめる方法としては、上記2種のポリエステルを
触媒の存在下、溶融混合せしめる方法が一般的である
が、この際、「どこまで反応させるか」及び「如何にし
てその状態で反応を停止させるか」の二点が重要なポイ
ントとなる。前者の点については、どのような特性を有
するポリマーが得たいかによって適宜変更することがで
きるが、そのための反応条件は、用いるポリエステル
(A′)、ポリエステル(B′)の種類、量、分子量等
により異なり、また、撹拌状況、温度、触媒等種々の因
子によっても異なってくるので、一義的に定めることは
困難である。したがって、実際には、使用するポリマ
ー、組成、装置等が定まった後、目的とするブロック共
重合ポリエステル弾性体の得られる反応条件を見出すこ
ととなる。
【0027】なお、このエステル交換反応を行なう際に
は、得られるポリエステル弾性体の融点が、用いたポリ
エステル(B′)の融点より2〜40℃低くなるまで反
応せしめることが肝要である。融点の低下が2℃未満の
場合にあっては、エステル交換反応が十分進行しておら
ず、得られるポリマーはブロック共重合体というよりも
ポリエステル(A′)とポリエステル(B′)との混合
物としての特性を示し、十分な弾性回復性能を示さなく
なる。一方、融点低下が40℃を超える場合には、エス
テル交換反応が進行しすぎて、得られるブロック共重合
体のポリエステル部分(B)の長さが短くなりすぎ、結
晶性が低下するとともに弾性回復性能が不充分となっ
て、実施的にランダム共重合体と同等になるので望まし
くない。
【0028】次に、「如何にしてエステル交換反応を停
止させるか」については、反応後のブロック共重合体を
直ちに成形する場合には必ずしも問題とはならないが、
例えば一度チップとなした後再度溶融して成形物となす
場合には、再溶融時にエステル交換反応が更に進行して
ブロック共重合体の性質が変わるので、エステル交換反
応を停止させておくことが望ましい。この反応を停止さ
せる方法としては、触媒を失活させる方法が一般的であ
り、例えばエステル交換反応触媒としてチタン又はスズ
触媒を用い、リン酸、亜リン酸、ホスフォン酸、ホスフ
ィン酸及び/又はこれらの誘導体を添加して触媒能を失
活させる方法が採用できる。
【0029】なお、この触媒能を失活させる方法は、温
度が260℃以上になるとその効果は低減するので(2
60℃以上になると触媒活性は完全には停止できな
い)、ポリエステル(B′)の融点が260℃を超える
場合には、あらかじめ溶媒、可塑剤等を用いて低温での
反応及び成形が可能となるようにしておくことが望まし
い。
【0030】かくして得られるブロック共重合ポリエス
テル弾性体の固有粘度(オルソクロロフェノール中35
℃下測定)は、0.4以上好ましくは0.6以上とする
ことが望ましく、前記エステル交換反応時に使用するポ
リエステル(A′)及び(B′)として固有粘度の高い
ものを用い、かつエステル交換反応時に両ポリマーが分
解して重合度を低下させない条件で反応させることによ
り容易に達成できる。すなわち、例えばエステル交換反
応時の反応温度をあまりに高くしすぎると熱分解が起る
し、反応雰囲気中に水分、グリコール成分等が共存する
と加水分解、グリコール分解等が起って、得られるブロ
ック共重合体の固有粘度は低下するので望ましくない。
【0031】なお、本発明のブロック共重合ポリエステ
ル弾性体は、分岐剤、カチオン可染性を付与するための
スルホン酸塩化合物、難燃性を付与するためのリン化合
物、その他の共重合成分が共重合されていても良く、ま
た、顔料、染料、充填剤、難燃剤、安定剤等が含有され
ていてもよい。
【0032】本発明のポリエステル弾性体に添加するカ
ルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物又はエポキシ
化合物は、それぞれ同一分子内に1個以上のカルボジイ
ミド基、オキサゾリン基、エポキシ基を有するものであ
ればよく、その構造は特に制限されない。また添加量に
ついては、ポリエステル弾性体の末端カルボキシル基の
数により異なるが、添加するカルボジイミド化合物、オ
キサゾリン化合物、エポキシ化合物の総量は、ポリエス
テル弾性体に対して0.05〜5.0wt%の範囲であ
る。添加量が0.05wt%を下回ると添加効果が発現
されず、逆に、5.0wt%を超えるとかえってポリエ
ステル弾性体の機械的強度が低下するため好ましくな
い。添加による効果の発現は、カルボジイミド化合物、
オキサゾリン化合物、エポキシ化合物がそれぞれポリエ
ステル弾性体のカルボキシル末端と反応し、封止する事
により、カルボキシル末端が触媒として作用するよう
な、加水分解反応や熱分解反応を抑制することによると
推定される。
【0033】本発明において使用できるカルボジイミド
化合物の具体例としては、ジ―o―トルイル―カルボジ
イミド、ジ―(2,4―ジイソプロピル)フェニル―カ
ルボジイミド、p―フェニレン―ビス―(2,6―キシ
リル―カルボジイミド)、p―フェニレン―ビス―(t
―ブチル―カルボジイミド)、テトラメチレン―ビス―
(t―ブチル―カルボジイミド)、シクロヘキサン―
1,4―ビス―(メチレン―t―ブチル―カルボジイミ
ド)、オルゴ―2,4―トルイル―カルボジイミド等が
あげられる。
【0034】また、オキサゾリン化合物の具体例として
は2―オキサゾリン、2―メチル―2―オキサゾリン、
2―フェニル―2―オキサゾリン、2,5―ジメチル―
2―オキサゾリン、2,4―ジフェニル―2―オキサゾ
リンなどのモノオキサゾリン化合物;2,2′―(1,
3―フェニレン)―ビス(2―オキサゾリン)、2,
2′―(1,2―エチレン)―ビス(2―オキサゾリ
ン)、2,2′―(1,4―ブチレン)―ビス(2―オ
キサゾリン)、2,2′―(1,4―フェニレン)―ビ
ス(2―オキサゾリン)などのジオキサゾリン化合物が
あげられる。この際オキサゾリン化合物とポリエステル
共重合体との反応を促進させるために触媒を添加しても
よい。
【0035】使用される触媒としてはトリフェニルフォ
スファイトなどの有機フォスファイト、p―トルエンス
ルフォン酸、ジメチル硫酸、三フッ化ほう素エーテレー
ト、無水塩化アルミニウム、三塩化バナジウム、塩化バ
ナジル、有機ハロゲン化物等があげられる。これらの触
媒は、ポリエステル共重合体に対して2.0wt%以下
の割合で添加されるのが好ましい。
【0036】更にエポキシ化合物の具体例としては、下
記一般式(1)〜(3)で示されるエポキシ化合物や一
般式(4)、(5)で示されるジエポキシ化合物が挙げ
られる。
【0037】モノエポキシ化合物:
【0038】
【化1】
【0039】(但し、式中nは0〜20、Rは炭素数1
〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基
を示す。R′は炭素数2〜10のアルキレン基を示
す。) 式(1)〜(3)において、Rは具体的には、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ネオペンチル、ヘキシル、
ノニル等のアルキル基;フェニル、トリル、キシリル、
エチルフェニル、ナフチル等のアリール基があげられ
る。R′としては、具体的にはエチレン、プロピレン、
トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等のア
ルキレン基があげられる。
【0040】モノエポキシ化合物の具体例としては、例
えば、フェニルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジ
ルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールグリシ
ジルエーテル、安息香酸グリシジルエーテル等が挙げら
れる。
【0041】ジエポキシ化合物:
【0042】
【化2】
【0043】式(4)、式(5)において、Rはアルキ
レン基、二価の脂肪族基、二価の芳香族基または一般
式:−(R4 O)t 4 −で示されるポリエーテル基
(R4 は炭素数2〜6のアルキレン基またはフェニレン
基を示し、tは1〜20の整数を示す)を示す。
【0044】エポキシ化合物とポリエステル共重合体と
の反応を促進させるために触媒を添加してもよい。
【0045】使用される触媒としてはエチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンペンタミン、m―フェニレンジアミン、p―フ
ェニレンジアミン、ジシアンジアミド、ピペリジン等の
アミン化合物、シユウ酸、マレイン酸、フマル酸、無水
マレイン酸、無水フタル酸、コハク酸、等の有機酸、炭
素数10以上のモノカルボン酸またはジカルボン酸の元
素周期律表I―a族またはII―a族の金属塩等があげら
れる。触媒の好ましい添加量はポリエステル共重合体に
対して2.0wt%以下である。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリエステル弾性体は、従来市
販の熱可塑性ポリエステルエラストマーと比較して、例
えば、ポリテトラメチレングリコール成分と芳香族ポリ
エステル成分とからなるポリエーテルエステルブロック
共重合体に比し、耐酸化性(長期耐熱性、耐光性等)が
極めて優れているので従来必須とされてきた抗酸化剤あ
るいは光安定剤を使用しなくても充分実用に供すること
ができ、しかもこれに安定剤を加えるならば、これらの
性能は一段と向上されたものとなる。
【0047】また、特開平5―32770号で提案され
たポリエステル弾性体に比べると、耐熱性、耐加水分解
性が著しく改善されるといった特徴を有する。
【0048】以上の特性を生かして、繊維、フイルム、
樹脂等の幅広い用途に展開し得るものであり、その工業
的価値は高い。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
なお、固有粘度は、オルソクロロフェノール中35℃で
測定した。また、例中の「部」は重量部を意味する。
【0050】[実施例1]ポリエステル弾性体の合成 ジメチルイソフタレート135.8部(70モル%)、
ジメチルテレフタレート19.4部(10モル%)及び
1,10―デカンジカルボン酸46部(20モル%)
と、1,10―デカンジオール261部とを、チタニウ
ムテトラブトキサイド0.17部(全酸成分に対して5
0ミルモル%)を触媒としてエステル交換反応及びエス
テル化反応させてメタノール及び水を留去せしめた後、
260℃高真空下常法により重合させて固有粘度0.9
5のポリエステル―1(ポリエステル(A′))を得
た。このポリエステルは、高温で1日放置した後でも透
明であり、ほとんど結晶化はしていなかった。
【0051】一方、ジメチルテレフタレートとテトラメ
チレングリコールとを、チタニウムテトラブトキサイド
(ジメチルテレフタレートに対して40ミリモル%)を
触媒として上記と同様にエステル交換反応させた後重合
させて固有粘度0.91、融点225℃のポリエステル
―2(ポリエステル(B′))を得た。
【0052】次に、ポリエステル―2を35部250℃
で溶融後、ポリエステル―1を35部添加して、1mm
Hg以下の高真空下250℃で1時間10分撹拌反応さ
せ、内部が透明になった時点でリン酸(チタンに対して
1.5モル倍)を添加した。
【0053】上述の様にして得られたポリエステル弾性
体1000部とエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル10部とトリフェニルホスフィン3部とを混合し、こ
れをブラベンダープラストブラフ押出機を用いて、24
0℃にて溶融混練し押出し、水冷した後、切断してペレ
ット化した。なお押出機中の滞留時間は4分間であっ
た。
【0054】[実施例2]実施例1で得られたポリエス
テル弾性体1000部とp―フェニレン―ビス―(2,
6―キシリル―カルボジイミド)10部を用いる以外は
実施例1と同様の方法でポリエステル弾性体を得た。
【0055】実施例1、2で得られたポリエステル弾性
体をシリンダー温度230℃、金型温度40℃で射出成
形して厚み2mmの平板を得、JIS 6301の3号
ダンベルを打抜いて試験片を得た。
【0056】この試験片を、耐熱試験として120℃の
熱風乾燥機中に7日間放置した後、伸度保持率、強度保
持率等を試験し、その結果を表1に示した。同様に12
0℃の加圧熱水中に12時間浸漬した後の機械的性質の
変化(強伸度保持率)を測定し、その結果も表1に併記
した。
【0057】
【表1】
【0058】[比較例1]実施例1で得られたポリエス
テル弾性体そのものを、上記と同様に成形して得た試験
片の伸度保持率、強度保持を表1に示した。
【0059】[比較例2]実施例1で得られたポリエス
テル弾性体1000部とエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル55部を用いる以外は実施例1と同様の方法
でポリエステル弾性体を得た。
【0060】この試験結果を表1に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のポリエステルA部分とポリエステ
    ルB部分とからなるポリエステル弾性体に、カルボジイ
    ミド化合物、オキサゾリン化合物及びエポキシ化合物か
    らなる群より選ばれる少くとも1種の化合物を添加して
    なるポリエステル弾性体。但し、ポリエステル弾性体を
    構成するポリエステル・エステル共重合体は、ポリエス
    テルA部分として(a−1)炭素原子数6〜12の脂肪
    族ジカルボン酸成分10〜40モル%、(a−2)イソ
    フタル酸及び/又はフタル酸を主成分とし、前記(a−
    1)の脂肪族ジカルボン酸成分を含まないジカルボン酸
    成分90〜60モル%、及び(a−3)炭素原子数6〜
    12の脂肪族グリコール成分100モル%からなり、ま
    たポリエステルB部分として(b−1)芳香族ジカルボ
    ン酸を主成分とするジカルボン酸成分と(b−2)炭素
    原子数2〜4の脂肪族グリコール及び/又はシクロヘキ
    サンジメタノールを主成分とするジオール成分とからな
    る。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010024328A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Du Pont Toray Co Ltd ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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