JP2617600B2 - 芳香族ポリエステルアミド共重合体およびその製造法 - Google Patents

芳香族ポリエステルアミド共重合体およびその製造法

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JP2617600B2 JP2051426A JP5142690A JP2617600B2 JP 2617600 B2 JP2617600 B2 JP 2617600B2 JP 2051426 A JP2051426 A JP 2051426A JP 5142690 A JP5142690 A JP 5142690A JP 2617600 B2 JP2617600 B2 JP 2617600B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な芳香族ポリエステルアミド共重合体、
およびその製造法に関し、優れた物理的、機械的性質を
有し、特に高温で長時間の使用に対しその物性が低下す
ることのない高温耐久性を有する素材を提供するもので
ある。
[従来の技術とその課題] 熱可塑性ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフ
タレートあるいはポリブチレンテレフタレートの様なポ
リアルキレンテレフタレート樹脂等は機械的性質、電気
的性質、その他物理的・化学的特性に優れ、かつ、加工
性が良好であるがゆえに、繊維及びエンジニアニングプ
ラスチックとして自動車、電気・電子部品等の広汎な用
途に使用されている。
一方、ナイロン6、ナイロン6,6に代表されるポリア
ミドも優れた機械強度を有し、これ又フィルム及びエン
ジニアニングプラスチックとして成形品分野などに広汎
に使用されている。
しかしこれらの樹脂には夫々欠点もあり、その欠点を
改良し両者の長所を生かすべく、重合体分子構造面より
エステル結合とアミド結合の両者を組み合わせようとす
る試みは古くから行われてきた。例えばポリエステルに
染色性や耐衝撃性を付与するためにポリアミド成分を共
重合させたり、逆にポリアミドの吸湿性に起因する物性
変化や剛性の低さなどを改良するためにポリエステル成
分を共重合させようとするものである。
しかしかかるポリエステルアミドは或る種の物性は改
良されるものの、その用途によっては未だ充分でなく、
特に高温耐久性に関しては充分でなかった。
[課題を解決するための手段] 本発明者は高分子量で優れた物性を維持し且つ特に高
温耐久性の優れたポリエステルアミドを得るべく鋭意検
討を重ねた結果、特定のエステル形成アミド化合物を特
定量、通常のポリエステル形成モノマーと共に重縮合反
応することによってポリエステルの優れた特性を失うこ
と無く、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性、耐加水分解
性、柔軟性、耐溶剤性を有し、特に高温耐久性に優れた
実用性の高いポリエステルアミドが得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、 〔I〕一般式(A)及び/又は(B)で示されるアミド
化合物(下記成分〔II〕100モルに対し、0.04〜15モ
ル) 〔II〕窒素を含有しない、主として芳香族ジカルボン酸
又はそのエステル形成性誘導体 〔III〕〔I〕以外の、主として脂肪族グリコール又は
そのエステル形成性誘導体(上記成分〔II〕100モルに
対し、95〜250モル) を重縮合反応させることによって得られる窒素含有量0.
005重量%以上1重量%未満の芳香族ポリエステルアミ
ド共重合体及びその製造法に関するものである。
本発明により得られるポリエステルアミドは、下記一
般式(C)で示されるポリエステルユニットを主体とす
る主鎖中に、下記一般式(A′)及び/又は(B′)で
示されるアミドユニットが少量導入された構造を有する
芳香族ポリエステルアミド共重合体である。
(式中、A及びR1は(A)式、(B)式のものに対応
し、Arは〔II〕に対応する芳香族の(例えば炭素数6〜
22の芳香族)2価ラジカル、R3は〔III〕に対応する脂
肪族2価ラジカルを示す。) 以下、本発明のポリエステルアミド共重合体の製造に
用いられる構成成分について具体的に詳しく記述する。
まず末端反応性アミド誘導体〔I〕について説明す
る。
(A)及び(B)式中でAは、2価の有機ラジカル
で、例えば炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜15
のアリーレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基等
が挙げられる。更に具体的には、アルキレン基として
は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペン
チレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ノナメチレ
ン、デカメチレン、ジメチルメチレン等が例示でき、ア
リーレン基としては、フェニレン、ナフチレン、ジフェ
ニレン等が例示でき、シクロアルキレン基としてシクロ
ヘキシレンが例示できる。好ましくはアリーレン基、特
にフェニレン基である。
(A)及び(B)式中のR1は炭素数2〜10の脂肪族あ
るいは脂環族2価ラジカル等を示す。
具体的には脂肪族2価ラジカルとしてはエチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキサメチレン、オ
クタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ジメチル
メチレン及びそれらの置換体等が例示でき、脂環族2価
ラジカルとしてシクロヘキシレン及びそれらの置換体等
が例示できる。これらのうちでもR1としては、経済的な
面からエチレン、プロピレンが特に好ましい。
式(B)中、R2は水素あるいは炭素数1〜10の脂肪族
1価のラジカルあるいは芳香族ラジカルが挙げられる。
更に具体的には、脂肪族ラジカルとしてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル等が例示でき、芳香族
ラジカルとしてはフェニル基及びその誘導体等が挙げら
れる。
これらのうちでも、経済的な見地から、水素、メチ
ル、エチル、フェニルが特に好ましい。
一般式(A)で示されるジアミド化合物の具体例とし
ては、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)マロンア
ミド、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)コハクア
ミド、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)グルタル
アミド、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)アジピ
ンアミド、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)イソ
フタルアミド、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)
テレフタルアミド、N,N′−ビス(3−ヒドロキシプロ
ピル)マロンアミド、N,N′−ビス(3−ヒドロキシプ
ロピル)コハクアミド、N,N′−ビス(3−ヒドロキシ
プロピル)グルタルアミド、N,N′−ビス(3−ヒドロ
キシプロピル)アジピンアミド、N,N′−ビス(3−ヒ
ドロキシプロピル)イソフタルアミド、N,N′−ビス
(3−ヒドロキシプロピル)テレフタルアミド、2,6−
ビス〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カルボニ
ル〕ナフタレン、2,7−ビス〔[(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ]カルボニル〕ナフタレン、4,4′−ビス
〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カルボニル〕ビ
フェニル等を挙げることができる。これらの化合物は、
単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
これらの化合物の内、好ましいものは、Aが芳香族基
であるもの、更に好ましくはフェニレン基であるもので
ある。特に好ましくは、N,N′−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)テレフタルアミド、N,N′−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)イソフタルアミド、N,N′−ビス(3−ヒ
ドロキシプロピル)テレフタルアミド、N,N′−ビス
(3−ヒドロキシプロピル)イソフタルアミドである。
一般式(B)で表されるモノアミド化合物の具体例と
しては、2−〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カ
ルボニル〕酢酸、3−〔[(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ]カルボニル〕プロパン酸、4−〔[(2−ヒドロ
キシエチル)アミノ]カルボニル〕ブタン酸、5−
〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カルボニル〕ペ
ンタン酸、6−〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]
カルボニル〕ヘキサン酸、2−〔[(3−ヒドロキシプ
ロピル)アミノ]カルボニル〕酢酸、3−〔[(3−ヒ
ドロキシプロピル)アミノ]カルボニル〕プロパン酸、
4−〔[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]カルボニ
ル〕ブタン酸、5−〔[(3−ヒドロキシプロピル)ア
ミノ]カルボニル〕ペンタン酸、6−〔[(3−ヒドロ
キシプロピル)アミノ]カルボニル〕ヘキサン酸、4−
〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カルボニル〕安
息香酸、3−〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カ
ルボニル〕安息香酸、4−〔[(3−ヒドロキシプロピ
ル)アミノ]カルボニル〕安息香酸、3−〔[(3−ヒ
ドロキシプロピル)アミノ]カルボニル〕安息香酸、6
−〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カルボニル〕
−2−ナフトエ酸、6−〔[(3−ヒドロキシプロピ
ル)アミノ]カルボニル〕−2−ナフトエ酸及びそれら
のアルキルエステル特にメチルエステル誘導体等を挙げ
ることができる。
特に好ましいものは、4−〔[(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ]カルボニル〕安息香酸、3−〔[(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ]カルボニル〕安息香酸、4−
〔[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]カルボニル〕
安息香酸、3−〔[(3−ヒドロキシプロピル)アミ
ノ]カルボニル〕安息香酸及びそれらのメチルエステル
誘導体である。
ここで本発明の特徴的構成成分〔I〕である(A)式
及び(B)式の化合物は、下記の一般式(D)で示され
るジカルボン酸誘導体と一般式(E)で示されるアルカ
ノールアミンとを反応させることによって得られ、その
モル比を選定することにより(A)あるいは(B)のみ
の単一アミド化合物、又は(A)と(B)との混合アミ
ド化合物として得ることができる。
NH2−R1−OH (E) ((D)及び(E)式におけるA及びR1は(A)式及び
(B)式と同等である。又、(D)式中のXは、水酸
基、塩素、アルコキシ、フェノキシ等の活性脱離基を示
す。) 一般式(D)で示される化合物の代表例としてはマロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,2′−ビフェニレンジカルボン酸、4,4′−ビフ
ェニレンジカルボン酸、及びそれらの酸塩化物、それら
のモノアルキルエステル特にモノメチルエステル、それ
らのジアルキルエステル特にジメチルエステル、及びそ
れらのジフェニルエステル等を挙げることができる。
一般式(E)で表されるアルカノールアミン化合物の
代表例としては、2−アミノ−1−エタノール、3−ア
ミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノー
ル、5−アミノ−1−ペンタノール、2−アミノ−1−
プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−3−
メチル−1−ブタノール、2−アミノ−1−ペンタノー
ル、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメ
チルアミノ−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−
アミノプロパノール、4−アミノシクロヘキサノール等
が挙げられる。
ここで(A)式の化合物を得るか(B)式の化合物を
得るかは(D)と(E)との混合モル比によってほぼ決
まる。即ち(D)と(E)との混合モル比が[(E)]
/[(D)]≧2の場合、ジアミド(A)が選択的に生
成する。
一方、1<[(E)]/[(D)]<2の場合、ジア
ミド(A)とモノアミド(B)の混合物が生成する。
更に[(E)]/[(D)]≦1の場合、主として
(B)が生成する。
この合成反応は無溶媒でも溶媒中で行い得、成分〔II
I〕を溶媒として反応を行えば反応系全体を重縮合反応
に用いることが出来便利である。
次に本発明の共重合体の芳香族ポリエステル部分を構
成する成分〔II〕及び〔III〕について説明する。成分
〔II〕は主として芳香族ジカルボン酸又はそのエステル
形成性誘導体より成る。その代表的物質としてはテレフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、又はその誘導
体であり、この他、場合によっては補助的にイソフタル
酸、フェニレンジカルボン酸の如きジカルボン酸又はそ
の誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸等のジカ
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体、ヒドロキシ安
息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体が使用される。
次に本発明のポリエステル共重合体を構成するための
成分〔III〕は、主として脂肪族グリコール又はそのエ
ステル形成性誘導体からなる。その代表的物質としては
C2〜C8の低分子量グリコールであり、例えばエチレング
リコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブテンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール等のジオール等が挙げられ
る。また、これらの低分子量グリコールの他にポリアル
キレンオキシドグリコールの如き高分子量グリコール、
例えばポリエチレンオキシドグリコール、ポリブチレン
オキシドグリコール等を併用することもできる。
また成分〔III〕としては、更に補助的にビスフェノ
ールA、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、芳香族ジオ
ール基を有するホスフィン酸等の芳香族アルコール、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加体等
のアルキレンオキサイド付加体アルコール、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物又
はそのエステル形成性誘導体等を使用することもでき
る。
本発明のポリエステルアミド共重合体は一般にアミド
基の導入量が多い場合はしばしば生成物に着色をきたし
且つ低分子量である。一方、少ない場合はそのアミド基
導入による改良効果が小さい。
従って本発明の芳香族ポリエステルアミド共重合体の
窒素含有量は0.005重量%以上1重量%未満である。窒
素含有量が0.005重量%未満では高温放置後の柔軟性
(伸度)の保持性が劣り、又、1重量%を越えると引張
強度の低下が著しくなり、何れも好ましくない。この窒
素含有量はモノマー全成分中の(A)及び(B)式より
成る成分〔I〕の使用量を加減することによって調整す
ることが出来る。
本発明のポリエステルアミドの製造法は従来のポリエ
ステルの製造法に準じて行うことが出来る。即ち、例え
ば〔II〕及び〔III〕へ〔I〕を加え、触媒の存在下に
約150から300℃に加熱しエステル化またはエステル交換
反応等を行い、次いで減圧下に過剰モノマー又は脱離成
分を留去しつつ、重縮合を行うことにより、共重合体が
得られる。
この重縮合に使用する各成分の割合は、成分〔II〕10
0モルに対し、成分〔III〕は95〜250モル、成分〔I〕
は0.04〜15モルである。この際、使用する触媒としては
テトラブトキシチタンのごときテトラアルコキシチタ
ン、シュウ酸チタンカリのごときシュウ酸チタン金属
塩、ジブチルスズオキサイドあるいはジブチルスズラウ
レートのごときスズ化合物、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸マ
ンガン、あるいは酢酸カルシウムのごとき酢酸金属塩、
三酸化アンチモンのごときアンチモン化合物など一般に
ポリエステルの重縮合反応に有用な公知触媒を単独ある
いは2種以上併用して用いればよい。
又、重縮合反応における成分〔I〕の添加時期は任意
であり、成分〔II〕及び〔III〕のエステル化反応、エ
ステル交換反応進行中の何れの時期でもよく、又、その
後の重縮合反応が進行して、かなりの分子量のポリエス
テルが生成した時点でもよい。
本発明で溶融重合あるいは溶液重合で得たポリマー
(オリゴマーを含む)の分子量を高めるためには更に固
相重合することが好ましい。固相重合も一般にポリエス
テルで行われている方法に準じて行えばよく、真空又は
不活性ガス中で粒子が融着しない範囲の高温下で所要の
時間処理すればよい。かくして本発明のポリエステルア
ミドは固有粘度0.4〜3.0の値のものとすることが出来、
前述の如く優れた特性を有するものである。
又本発明のポリマーはその使用にあたって、その目的
に応じ更に所望の特性を付与するため、一般に熱可塑性
樹脂及び熱硬化性樹脂等に添加される公知の物質、すな
わち、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑
剤、離型剤、可塑剤及び結晶化促進剤、結晶核剤、無機
充填剤等を重合時もしくは重合後成形前に配合した組成
物として使用することも勿論可能である。
無機充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミ
ック繊維、ボロン繊維、チタン酸カリウム繊維、アスベ
スト等の一般無機繊維状物質、炭酸カルシウム、高分散
性珪酸塩、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、ク
レー、マイカ、ガラスフレーク、ガラス粉、ガラスビー
ズ、石英粉、珪砂、ウォラストナイト、カーボンブラッ
ク、硫酸バリウム、焼石膏、炭化珪素、アルミナ、ボロ
ンナイトライドや窒化珪素等の粉粒状物質、板状の無機
化合物、ウィスカー等が含まれる。
これらの無機充填剤は、必要に応じ1種又は2種以上
を併用混合使用でき、中でもガラス繊維はその代表的充
填材であり、更に他の粉粒状、板状充填剤の併用が好ま
しい場合も多い。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例をあげて具体的に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 成分〔II〕としてテレフタル酸ジメチル970重量部、
成分〔III〕として1,4−ブタンジオール513重量部、成
分〔I〕として(A)式に属するN,N′−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)テレフタルアミド1重量部、触媒とし
てテトラブトキシチタン0.7重量部を攪拌機、窒素導入
管及び留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下で
160℃、30分攪拌した。徐々に温度を上昇させ200℃から
250℃に2時間加熱攪拌した。次いで窒素の導入を停止
した後、徐々に反応器中を減圧させ、30分後に圧力を0.
3mmHgに下げ、この圧力で3時間攪拌した。得られた重
合体は固有粘度1.2を示し、窒素含有量は0.010重量%で
あった。代表的物性を表−1に示す。
実施例2 成分〔I〕として(A)式に属するN,N′−ビス(2
−ヒドロキシエチル)イソフタルアミドを5重量部を使
用する以外は実施例1と全く同様の操作を行った。得ら
れた重合体の固有粘度は1.1を示し、窒素含有量は0.051
重量%であった。(物性:表−1参照) 実施例3 成分〔I〕として(A)式に属するN,N′−ビス(3
−ヒドロキシプロピル)テレフタルアミド5重量部を使
用する以外は全く実施例1と同様の操作を行った。得ら
れた重合体の固有粘度は1.1を示し、窒素含有量は0.045
重量%であった。
(物性:表−1参照) 実施例4 成分〔I〕として(A)式に属するN,N′−ビス(2
−ヒドロキシエチル)アジピンアミド3重量部を使用す
る以外は実施例1と全く同様の操作を行った。得られた
重合体の固有粘度は1.0を示し、窒素含有量は0.033重量
%であった。(物性:表−1参照) 実施例5 成分〔I〕として(B)式に属する4−〔[(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ]カルボニル〕安息香酸10重量
部を使用する以外は実施例1と全く同様の操作を行っ
た。得られた重合体の固有粘度は0.8を示し、窒素含有
量は0.060重量%であった。(物性:表−1参照) 実施例6 成分〔I〕として(A)式に属するN,N′−ビス(2
−ヒドロキシエチル)イソフタルアミドの添加量を100
重量部とした以外は実施例2と全く同様に操作した。得
られた重合体の固有粘度は0.7を示し、窒素含有量は0.9
62重量%であった。(物性:表−1参照) 実施例7 成分〔I〕として(A)式に属するN,N′−ビス(2
−ヒドロキシエチル)イソフタルアミドと、(B)式に
属する3−〔[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]カル
ボニル〕安息香酸メチルとの混合物を使用した以外は実
施例1と同様の操作を行った。尚、本例で用いた成分
〔I〕はイソフタル酸メチル1.0モルとエタノールアミ
ン1.5モルとを混合物3重量部を1,4−ブタンジオールを
溶媒として120℃、2時間加熱して得た反応生成物であ
る。得られた重合体は固有粘度1.1を示し、窒素含有量
は0.020重量%であった。(物性:表−1参照) 実施例8 成分〔II〕としてテレフタル酸ジメチル970重量部、
成分〔III〕としてエチレングリコール730重量部、成分
〔I〕としてN,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)テ
レフタルアミド5重量部と、触媒として酢酸カルシウム
1.6重量部、三酸化アンチモン0.6重量部を、攪拌機、窒
素導入管及び留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気
流下で180℃、60分攪拌した。徐々に温度を上昇させ200
℃でさらに2時間加熱攪拌した。次に220℃に温度を上
げ過剰のエチレングリコールを留出させた。次いで徐々
に280℃まで温度を上昇させるとともに窒素の導入を停
止し、徐々に反応器中を減圧させ、30分後に圧力を0.3m
mHgに下げ、この圧力で3時間攪拌した。得られた重合
体は固有粘度1.2を示し、窒素含有量は0.058重量%であ
った。(物性:表−1参照) 比較例1 実施例1において成分〔I〕を除いて同様の操作を行
った。得られたポリマーの固有粘度は0.8であった。
(物性:表−1参照) 比較例2 実施例8において成分〔I〕を除いて同様の操作を行
った。得られたポリマーの固有粘度は0.9であった。
(物性:表−1参照) 各実施例のポリマー成形品の物性評価に用いた測定法
は以下の通りである。
引張強伸度 ASTM D-638(試験片ASTM タイプIV型:厚み1mm)に
準拠して、初期の強伸度、及び120℃で500時間加熱後の
伸びを測定した。
アイゾット衝撃強度 ASTM D-256に準拠して、ノッチ付きアイゾット衝撃強
度を測定した。
〔発明の効果〕 本発明の芳香族ポリエステルアミドは、従来のポリエ
ステルに比し優れた機械的強度、耐衝撃性、柔軟性を有
し、特に高温下で長時間保持した際の物性(特に柔軟
性)の低下が少なく高温で使用されるような電気・電子
部品、自動車部品等、例えばコネクター、スイッチ、被
覆材(配線等の)等として有望な物質である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】〔I〕一般式(A)及び/又は(B)で示
    されるアミド化合物(下記成分〔II〕100モルに対し、
    0.04〜15モル) 〔II〕窒素を含有しない、主として芳香族ジカルボン酸
    又はそのエステル形成性誘導体 〔III〕〔I〕以外の、主として脂肪族グリコール又は
    そのエステル形成性誘導体(上記成分〔II〕100モルに
    対し、95〜250モル) を重縮合反応させることによって得られる窒素含有量0.
    005重量%以上1重量%未満の芳香族ポリエステルアミ
    ド共重合体。
  2. 【請求項2】一般式(A)及び/又は(B)で示される
    アミド化合物のAが炭素数6〜15のアリーレン基である
    請求項1記載の芳香族ポリエステルアミド共重合体。
  3. 【請求項3】一般式(A)及び/又は(B)で示される
    アミド化合物のAが炭素数1〜10のアルキレン基、ある
    いは炭素数5〜12のシクロアルキレン基である請求項1
    記載の芳香族ポリエステルアミド共重合体。
  4. 【請求項4】一般式(A)及び/又は(B)で示される
    アミド化合物のR1が炭素数2〜10のアルキレン基、ある
    いは炭素数5〜12のシクロアルキレン基である請求項1
    〜3の何れか1項記載の芳香族ポリエステルアミド共重
    合体。
  5. 【請求項5】一般式(A)及び/又は(B)で示される
    アミド化合物〔I〕がジカルボン酸或いはその誘導体と
    アルカノールアミンとの反応生成物である請求項1記載
    の芳香族ポリエステルアミド共重合体。
  6. 【請求項6】〔II〕の芳香族ジカルボン酸又はそのエス
    テル形成性誘導体がテレフタル酸又はその誘導体、イソ
    フタル酸又はその誘導体、ナフタレンジカルボン酸又は
    その誘導体及びビフェニレンジカルボン酸又はその誘導
    体より選ばれる1種又は2種以上の二塩基酸系化合物で
    ある請求項1〜5の何れか1項記載の芳香族ポリエステ
    ルアミド共重合体。
  7. 【請求項7】〔III〕の脂肪族グリコール又はそのエス
    テル形成性誘導体が炭素数8以下の脂肪族グリコール又
    はその誘導体より選ばれる1種若しくは2種以上のジオ
    ール系化合物である請求項1〜6の何れか1項記載の芳
    香族ポリエステルアミド共重合体。
  8. 【請求項8】前記一般式(A)及び/又は(B)で示さ
    れるアミド化合物〔I〕を、前記モノマー〔II〕及び
    〔III〕に加え、触媒の存在下、150〜300℃に加熱反応
    せしめてエステル化反応を行わせ、次いで減圧下に過剰
    のモノマー又は脱離成分を留去しつつ重縮合反応を行わ
    せることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の
    芳香族ポリエステルアミド共重合体の製造法。
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