JP3453254B2 - 液晶性ポリエステルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド成形体 - Google Patents
液晶性ポリエステルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド成形体Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性ポリエステ
ルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド
成形体に関し、詳しくは、ガラス繊維、炭素繊維などの
フィラー類の添加がなくとも、それ自体で流動方向のみ
ならず流動方向に垂直な方向においても高弾性率および
高強度を有し、線膨張係数が低く、且つ、加工性に優れ
た寸法安定性良好な成形体を与えることが出来る新規な
液晶性ポリエステルアミドに関する。なお、以下、上記
の流動方向(Machine Direction)を
「MD方向」、上記の流動方向に垂直な方向(Tran
sverse Direction)を「TD方向」と
略記する。
ルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド
成形体に関し、詳しくは、ガラス繊維、炭素繊維などの
フィラー類の添加がなくとも、それ自体で流動方向のみ
ならず流動方向に垂直な方向においても高弾性率および
高強度を有し、線膨張係数が低く、且つ、加工性に優れ
た寸法安定性良好な成形体を与えることが出来る新規な
液晶性ポリエステルアミドに関する。なお、以下、上記
の流動方向(Machine Direction)を
「MD方向」、上記の流動方向に垂直な方向(Tran
sverse Direction)を「TD方向」と
略記する。
【0002】
【従来の技術】サーモトロピックな液晶性ポリマーとし
て多くのポリマーが開発され上市される様になって来
た。しかしながら、これらの液晶性ポリマーは、繊維形
状においては高弾性率を有するが、三次元形状、例え
ば、成形体(特に射出成形体)においてはポリマーの流
動方向に分子鎖が高度に配向するため、流動方向の弾性
率は高いものの、流動方向に垂直な方向の弾性率は、液
晶性を示さない他のポリマーの弾性率と同程度である。
そのため、ガラス繊維(GF)や炭素繊維(CF)の添
加により補強しなければならない。
て多くのポリマーが開発され上市される様になって来
た。しかしながら、これらの液晶性ポリマーは、繊維形
状においては高弾性率を有するが、三次元形状、例え
ば、成形体(特に射出成形体)においてはポリマーの流
動方向に分子鎖が高度に配向するため、流動方向の弾性
率は高いものの、流動方向に垂直な方向の弾性率は、液
晶性を示さない他のポリマーの弾性率と同程度である。
そのため、ガラス繊維(GF)や炭素繊維(CF)の添
加により補強しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GFや
CFを添加すると流動性が低下し表面粗度が悪化する上
に、これらが無機化合物であるため、リサイクル時の選
別などに問題が生じる。そこで、以前からMD方向、T
D方向の何れにも高弾性率を有する液晶性ポリマーの開
発が試みられて来た。例えば、特開昭59−12492
5号公報、特開昭61−19627号公報、特開平1−
261418号公報、特開平2−64123号公報、特
開平3−188124号公報などには、種々の全芳香族
ポリエステルが提案されている。
CFを添加すると流動性が低下し表面粗度が悪化する上
に、これらが無機化合物であるため、リサイクル時の選
別などに問題が生じる。そこで、以前からMD方向、T
D方向の何れにも高弾性率を有する液晶性ポリマーの開
発が試みられて来た。例えば、特開昭59−12492
5号公報、特開昭61−19627号公報、特開平1−
261418号公報、特開平2−64123号公報、特
開平3−188124号公報などには、種々の全芳香族
ポリエステルが提案されている。
【0004】また、全芳香族ポリエステルに多官能成分
を共重合してMD方向およびTD方向の物性を高める試
みとしては、特開平2−227428号公報、特開平2
−238052号公報、特開平3−152123号公
報、特開平3−152124号公報、特開平3−168
213号公報などが挙げられる。また、特開平2−53
819号公報および特開平3−47829号公報は、光
学活性基を導入することによって異方性を緩和しようと
している。
を共重合してMD方向およびTD方向の物性を高める試
みとしては、特開平2−227428号公報、特開平2
−238052号公報、特開平3−152123号公
報、特開平3−152124号公報、特開平3−168
213号公報などが挙げられる。また、特開平2−53
819号公報および特開平3−47829号公報は、光
学活性基を導入することによって異方性を緩和しようと
している。
【0005】しかしながら、これらの液晶性ポリエステ
ルは、次の(1)〜(4)の問題点を有する。(1)M
D方向およびTD方向の強度が依然として低い。(2)
液晶性ポリエステルの特徴である流動性が低下する。
(3)融点が非常に高いので相当な高温でなければ成形
できない。(4)従来のポリエステル製造用の縦型重合
装置では固化して反応器からの抜き出しが極めて困難と
なる。
ルは、次の(1)〜(4)の問題点を有する。(1)M
D方向およびTD方向の強度が依然として低い。(2)
液晶性ポリエステルの特徴である流動性が低下する。
(3)融点が非常に高いので相当な高温でなければ成形
できない。(4)従来のポリエステル製造用の縦型重合
装置では固化して反応器からの抜き出しが極めて困難と
なる。
【0006】本発明は、上記の実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、MD方向およびTD方向の弾性率
および強度が高く、且つ、加工性に優れた成形体を与え
ることが出来る液晶性ポリエステルアミドを提供するこ
とにある。
であり、その目的は、MD方向およびTD方向の弾性率
および強度が高く、且つ、加工性に優れた成形体を与え
ることが出来る液晶性ポリエステルアミドを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意検討した結果、流動方向に沿って
形成される秩序組織と溶融流動パターンとの間に相関関
係があることに着目し、その溶融流動パターンを特定す
ることが重要であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
的を達成するため鋭意検討した結果、流動方向に沿って
形成される秩序組織と溶融流動パターンとの間に相関関
係があることに着目し、その溶融流動パターンを特定す
ることが重要であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明の第1の要旨は、下記の
化学式(1)〜(5)で示される構成単位から成り、こ
れらのモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表した場合、
各構成単位のモル比率が下記(I)〜(III)の式を満足
し、且つ、温度300℃、剪断速度50、100及び1
000sec -1における溶融粘度(単位:ポアズ)をそれ
ぞれη50、η100 及びη1000とした場合、下記の(IV)
及び(V)の数式を満足することを特徴とする液晶性ポリ
エステルアミドに存する。
化学式(1)〜(5)で示される構成単位から成り、こ
れらのモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表した場合、
各構成単位のモル比率が下記(I)〜(III)の式を満足
し、且つ、温度300℃、剪断速度50、100及び1
000sec -1における溶融粘度(単位:ポアズ)をそれ
ぞれη50、η100 及びη1000とした場合、下記の(IV)
及び(V)の数式を満足することを特徴とする液晶性ポリ
エステルアミドに存する。
【0009】
【化2】
【0010】
【数2】
0.1≦([2]/[1]+[2])≦0.36 (I)
0.1≦([4]/[3]+[4])≦0.9 (II)
0.05≦([5]/[1]+[2]+[3]+[4]+[5])≦0.4
(III)
η50≦104 (IV)
log(η100 /η1000)≦0.42 (V)
【0011】本発明の第2の要旨は、前記化学式(1)
〜(5)で示される構成単位を与える芳香族化合物と無
水酢酸とのアセチル化反応を行った後、減圧下において
350℃以下の温度で重縮合を行うことを特徴とする前
記の液晶性ポリエステルアミドの製造法に存する。
〜(5)で示される構成単位を与える芳香族化合物と無
水酢酸とのアセチル化反応を行った後、減圧下において
350℃以下の温度で重縮合を行うことを特徴とする前
記の液晶性ポリエステルアミドの製造法に存する。
【0012】本発明の第3の要旨は、第1の要旨に係る
液晶性ポリエステルアミドよりなる成形体に存する。
液晶性ポリエステルアミドよりなる成形体に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず、本発明の液晶性ポリエステルアミドについ
て説明する。本発明の液晶性ポリエステルアミドは、温
度300℃、剪断速度50、100及び1000sec -1
における各溶融粘度η50、η100 及びη1000が前記(I
V)及び(V)式を満足する必要がある。
する。先ず、本発明の液晶性ポリエステルアミドについ
て説明する。本発明の液晶性ポリエステルアミドは、温
度300℃、剪断速度50、100及び1000sec -1
における各溶融粘度η50、η100 及びη1000が前記(I
V)及び(V)式を満足する必要がある。
【0014】η50の値が104 ポアズを超える場合は、
重縮合の観点から著しく不利である。すなわち、熱液晶
性ポリマーは、従来、縦型の重合装置、例えば、繊維便
覧(原料編)P−808の図7.11に記載されてる様
なポリエステル製造用装置を使用して製造されてきた。
ところが、η50の値が104 ポアズを超える場合には、
必然的に300℃以下における重縮合が不可能となるた
め、熱媒系などの仕様に大巾な変更を余儀なくされる。
このことは、熱液晶性ポリマーの製造形態を一般の重縮
合とは異なる特殊なものとし、生産上の工業的優位性を
損なう。
重縮合の観点から著しく不利である。すなわち、熱液晶
性ポリマーは、従来、縦型の重合装置、例えば、繊維便
覧(原料編)P−808の図7.11に記載されてる様
なポリエステル製造用装置を使用して製造されてきた。
ところが、η50の値が104 ポアズを超える場合には、
必然的に300℃以下における重縮合が不可能となるた
め、熱媒系などの仕様に大巾な変更を余儀なくされる。
このことは、熱液晶性ポリマーの製造形態を一般の重縮
合とは異なる特殊なものとし、生産上の工業的優位性を
損なう。
【0015】これに対し、本発明の液晶性ポリエステル
アミドは、従来のポリエステル製造用重合装置を使用
し、300℃以下において重縮合を行うことが十分可能
となる。η50の値は、重縮合および液晶性ポリエステル
アミドの抜き出しをより円滑にする観点から、8000
ポアズ以下が好ましい。しかし、このことは、本発明の
液晶性ポリエステルアミドの重合形態を限定するもので
はなく、斯かる装置上の制約が解消される場合、300
℃を超える重縮合において製造することは何ら差し支え
はない。また、log( η100 /η1000) の値が0.4
2を超える場合は、TD方向の力学的物性の向上が期待
出来ない。
アミドは、従来のポリエステル製造用重合装置を使用
し、300℃以下において重縮合を行うことが十分可能
となる。η50の値は、重縮合および液晶性ポリエステル
アミドの抜き出しをより円滑にする観点から、8000
ポアズ以下が好ましい。しかし、このことは、本発明の
液晶性ポリエステルアミドの重合形態を限定するもので
はなく、斯かる装置上の制約が解消される場合、300
℃を超える重縮合において製造することは何ら差し支え
はない。また、log( η100 /η1000) の値が0.4
2を超える場合は、TD方向の力学的物性の向上が期待
出来ない。
【0016】上記の粘度特性を有する本発明の液晶性ポ
リエステルアミドの構造単位は、前記の化学式(1)〜
(5)で示される。そして、本発明において、上記の構
造単位のモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表した場
合、これらの構造単位は、以下に説明する様に、前記の
各式(I)、(II)及び(III)で示される特定のモル分率
で含有されていることが重要である。すなわち、この要
件を満足しない場合は、上記の粘度特性を有する液晶性
ポリエステルアミドを得ることは著しく困難になる。さ
らに、[2]、[4]及び[5]の好ましい範囲は、次
の(VI)〜(VIII)式の通りである。
リエステルアミドの構造単位は、前記の化学式(1)〜
(5)で示される。そして、本発明において、上記の構
造単位のモル数をそれぞれ[1]〜[5]で表した場
合、これらの構造単位は、以下に説明する様に、前記の
各式(I)、(II)及び(III)で示される特定のモル分率
で含有されていることが重要である。すなわち、この要
件を満足しない場合は、上記の粘度特性を有する液晶性
ポリエステルアミドを得ることは著しく困難になる。さ
らに、[2]、[4]及び[5]の好ましい範囲は、次
の(VI)〜(VIII)式の通りである。
【0017】
【数3】
0.1≦([2]/[1]+[2])≦0.3 (VI)
0.1≦([4]/[3]+[4]+[5])≦0.8 (VII)
0.05≦([5]/[1]+[2]+[3]+[4]+[5])≦0.3
(VIII)
【0018】本発明の液晶性ポリエステルアミドとして
は、具体的には、後述の実施例に示される様なポリエス
テルアミドを挙げることが出来るが、本発明はこれらの
例に限定されるものではなく、本発明の要件を満足する
範囲内で組成比を適宜変更すること、または、他の芳香
族アミノフェノール、アミノカルボン酸、芳香族ジオー
ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジヒドロキシカルボン
酸などを、例えば、前記の化学式(1)〜(5)で示さ
れる芳香族化合物の合計に対して10%程度まで加えて
共重合させることは何ら差し支えない。
は、具体的には、後述の実施例に示される様なポリエス
テルアミドを挙げることが出来るが、本発明はこれらの
例に限定されるものではなく、本発明の要件を満足する
範囲内で組成比を適宜変更すること、または、他の芳香
族アミノフェノール、アミノカルボン酸、芳香族ジオー
ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジヒドロキシカルボン
酸などを、例えば、前記の化学式(1)〜(5)で示さ
れる芳香族化合物の合計に対して10%程度まで加えて
共重合させることは何ら差し支えない。
【0019】次に、本発明の液晶性ポリエステルアミド
製造法について説明する。本発明の製造法は、界面重
合、溶液重合、溶融重合などの従来の重合方法を採用す
ることが出来るが、溶融重合は、高重合物が得られる点
および安価で製造出来る点で好ましい方法である。溶液
重合法としては、例えば、前記の化学式(1)〜(5)
で示される構成単位を与える芳香族化合物に無水酢酸を
加えて反応させた後に脱酢酸縮重合により製造する方法
が挙げられるが、この際、350℃以下、好ましくは3
25℃以下の温度で重縮合させる。
製造法について説明する。本発明の製造法は、界面重
合、溶液重合、溶融重合などの従来の重合方法を採用す
ることが出来るが、溶融重合は、高重合物が得られる点
および安価で製造出来る点で好ましい方法である。溶液
重合法としては、例えば、前記の化学式(1)〜(5)
で示される構成単位を与える芳香族化合物に無水酢酸を
加えて反応させた後に脱酢酸縮重合により製造する方法
が挙げられるが、この際、350℃以下、好ましくは3
25℃以下の温度で重縮合させる。
【0020】本発明の液晶性ポリエステルアミドは、上
記の様な製造法により従来のポリエステル製造用縦型重
合装置を使用して工業的優位に製造される。その際、芳
香族化合物を一括または芳香族ジカルボン酸化合物を除
く他の芳香族化合物のみを先に仕込んだ後に所定量の無
水酢酸を仕込み、通常100〜170℃においてアセチ
ル化を行う。反応時間は、通常5分〜3時間、好ましく
は20分〜1.5時間の範囲である。
記の様な製造法により従来のポリエステル製造用縦型重
合装置を使用して工業的優位に製造される。その際、芳
香族化合物を一括または芳香族ジカルボン酸化合物を除
く他の芳香族化合物のみを先に仕込んだ後に所定量の無
水酢酸を仕込み、通常100〜170℃においてアセチ
ル化を行う。反応時間は、通常5分〜3時間、好ましく
は20分〜1.5時間の範囲である。
【0021】本発明で使用される無水酢酸の量は、芳香
族化合物中のヒドロキシ基とアミノ基の合計量に対して
等モル量から1.5モル倍量程度使用するのが好まし
い。ジカルボン酸化合物以外の芳香族化合物を先に仕込
んだ場合は、アセチル化反応終了後から減圧重縮合の開
始前までの任意の段階において、常圧条件下、270〜
325℃において10分から2時間熟成させた後、ジカ
ルボン酸化合物を仕込むならば、仕込み組成とポリマー
組成とを近似させることが出来るので好ましい。
族化合物中のヒドロキシ基とアミノ基の合計量に対して
等モル量から1.5モル倍量程度使用するのが好まし
い。ジカルボン酸化合物以外の芳香族化合物を先に仕込
んだ場合は、アセチル化反応終了後から減圧重縮合の開
始前までの任意の段階において、常圧条件下、270〜
325℃において10分から2時間熟成させた後、ジカ
ルボン酸化合物を仕込むならば、仕込み組成とポリマー
組成とを近似させることが出来るので好ましい。
【0022】重縮合は、通常200〜350℃、好まし
くは275〜325℃で行われる。その際、760mm
Hgから1mmHg付近に至るまで30分以上の時間を
かけて徐々に減圧するのが好ましい。また、仕込みに当
たっては、[3]と[4]の合計モル数に対する[1]
と[2]の合計モル数の比が1から大幅にずれる場合
は、所望の重合度の液晶性ポリエステルアミドが得られ
ない。従って、上記の比が次の(IX)式を満足する様
に仕込みを行うが好ましい。
くは275〜325℃で行われる。その際、760mm
Hgから1mmHg付近に至るまで30分以上の時間を
かけて徐々に減圧するのが好ましい。また、仕込みに当
たっては、[3]と[4]の合計モル数に対する[1]
と[2]の合計モル数の比が1から大幅にずれる場合
は、所望の重合度の液晶性ポリエステルアミドが得られ
ない。従って、上記の比が次の(IX)式を満足する様
に仕込みを行うが好ましい。
【0023】
【数4】
0.8≦([1]+[2]/[3]+[4])≦1.2 (IX)
【0024】アセチル化反応は、無触媒の状態で行うこ
とを原則とするが、必要に応じて触媒の存在下で行う。
その際、エステル交換触媒、重縮合触媒、アルミ触媒な
どが使用される。具体的には、例えば、Ti(OBu)
4 、Sb2 O3 、Fe(AcAc)3 、Zn(OAc)
2 、Co(oAc)2 、NaOAc等が挙げられる。そ
の使用量は、液晶性ポリエステルアミドに対して、通常
5〜5000ppm、好ましく150〜5000ppm
の範囲である。重縮合時間は、通常10時間以内、好ま
しくは7時間以内である。
とを原則とするが、必要に応じて触媒の存在下で行う。
その際、エステル交換触媒、重縮合触媒、アルミ触媒な
どが使用される。具体的には、例えば、Ti(OBu)
4 、Sb2 O3 、Fe(AcAc)3 、Zn(OAc)
2 、Co(oAc)2 、NaOAc等が挙げられる。そ
の使用量は、液晶性ポリエステルアミドに対して、通常
5〜5000ppm、好ましく150〜5000ppm
の範囲である。重縮合時間は、通常10時間以内、好ま
しくは7時間以内である。
【0025】本発明で得られる液晶性ポリエステルアミ
ドの特徴は、前述した様に、溶融流動パターンを特定す
ることにより、従来の熱液晶性ポリエステルアミドには
見られない下記の特性を発現させることが可能となる点
にある。
ドの特徴は、前述した様に、溶融流動パターンを特定す
ることにより、従来の熱液晶性ポリエステルアミドには
見られない下記の特性を発現させることが可能となる点
にある。
【0026】第1の特徴は、溶融流動性が極めて良好で
ある点にある。すなわち、η50が104 ポアズ以下の範
囲にあり、適切に組成を選択するならば8000ポアズ
以下の範囲に調節することも可能である。このことによ
り、重縮合における装置的形態の自由度が大いに緩和さ
れ、従来のポリエステル製造用縦型重合装置を使用して
300℃以下の温度において安定に液晶性ポリエステル
アミドを抜き出すことが出来る。
ある点にある。すなわち、η50が104 ポアズ以下の範
囲にあり、適切に組成を選択するならば8000ポアズ
以下の範囲に調節することも可能である。このことによ
り、重縮合における装置的形態の自由度が大いに緩和さ
れ、従来のポリエステル製造用縦型重合装置を使用して
300℃以下の温度において安定に液晶性ポリエステル
アミドを抜き出すことが出来る。
【0027】勿論、高融点および高粘度の熱液晶性ポリ
エステルの製造に使用されるニーダー型反応装置や重縮
合後に更に固相重合により高重合度化する方法を適用す
ることは何ら差支えない。上記の様な良好な溶融流動性
は、押出成形、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形など
の一般的な溶融成形により、成形体、フィルム、繊維な
どを安定して生産するのに必要欠くべからざる要件であ
るが、特に、極薄成形体の製造にその効果を如何なく発
揮させる要件である。
エステルの製造に使用されるニーダー型反応装置や重縮
合後に更に固相重合により高重合度化する方法を適用す
ることは何ら差支えない。上記の様な良好な溶融流動性
は、押出成形、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形など
の一般的な溶融成形により、成形体、フィルム、繊維な
どを安定して生産するのに必要欠くべからざる要件であ
るが、特に、極薄成形体の製造にその効果を如何なく発
揮させる要件である。
【0028】第2の特徴は、成形体において、MD方向
のみならずTD方向の弾性率および強度が高いことであ
る。例えば、TD方向の曲げ弾性率としては、4×10
4 kgf/cm2 以上の高弾性率が得られる。加えて、
MD方向の曲げ弾性率に対するTD方向の曲げ弾性率を
0.3以上にすることが出来る。このことは、両方向に
寸法安定性が高いことをも意味している。従来、斯かる
材料を得るためには、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維
類、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等のフィラー類を
相当量添加することを余儀なくされ、成形性の低下は必
然であった。
のみならずTD方向の弾性率および強度が高いことであ
る。例えば、TD方向の曲げ弾性率としては、4×10
4 kgf/cm2 以上の高弾性率が得られる。加えて、
MD方向の曲げ弾性率に対するTD方向の曲げ弾性率を
0.3以上にすることが出来る。このことは、両方向に
寸法安定性が高いことをも意味している。従来、斯かる
材料を得るためには、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維
類、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等のフィラー類を
相当量添加することを余儀なくされ、成形性の低下は必
然であった。
【0029】本発明で得られる液晶性ポリエステルアミ
ドは、上記の従来技術の課題を大幅に克服し、例えば、
自動車の垂直外板、水平外板、電気機器のハウジング、
大型容器、精密成形品、情報機器の機構部品を成形する
のに極めて適切である。勿論、本発明で得られる液晶性
ポリエステルアミドに対し、従来のエンジニアリング樹
脂の業界において通常採用される強化処方、核剤、顔
料、酸化防止剤、滑剤などの添加処方、または、他のポ
リマーとのブレンド、アロイ等の処方を施し、熱液晶性
ポリエステルアミドとしての長所を有効に利用すること
は、何ら差支えない。
ドは、上記の従来技術の課題を大幅に克服し、例えば、
自動車の垂直外板、水平外板、電気機器のハウジング、
大型容器、精密成形品、情報機器の機構部品を成形する
のに極めて適切である。勿論、本発明で得られる液晶性
ポリエステルアミドに対し、従来のエンジニアリング樹
脂の業界において通常採用される強化処方、核剤、顔
料、酸化防止剤、滑剤などの添加処方、または、他のポ
リマーとのブレンド、アロイ等の処方を施し、熱液晶性
ポリエステルアミドとしての長所を有効に利用すること
は、何ら差支えない。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中の溶融粘
度測定には、キャピログラフ1C(東洋精機製作所製)
を使用し、その際、シリンダーノズルの直径に対する長
さは30とした。成形は、射出成形機(日本製鋼所社製
「0、10z」)を使用して行った。得られた縦20m
m、横20mm、厚さ2mmの平板から、長さ20m
m、幅3mm、厚さ2mmの試料をMD又はTD方向に
各々切り出して機械的物性測定用に供した。
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中の溶融粘
度測定には、キャピログラフ1C(東洋精機製作所製)
を使用し、その際、シリンダーノズルの直径に対する長
さは30とした。成形は、射出成形機(日本製鋼所社製
「0、10z」)を使用して行った。得られた縦20m
m、横20mm、厚さ2mmの平板から、長さ20m
m、幅3mm、厚さ2mmの試料をMD又はTD方向に
各々切り出して機械的物性測定用に供した。
【0031】実施例1
攪拌翼、窒素導入口および減圧口を取付けたガラス製重
合罐にメチルハイドロキノン39.33g(316.9
ミリモル)、アセトアミドフェノール13.68g(9
0.53ミリモル)、テレフタル酸45.12g(27
1.6ミリモル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸2
9.36g(135.8ミリモル)、パラヒドロキシ安
息香酸12.50g(90.53ミリモル)及び無水酢
酸103.98g(1.018モル)を一括して仕込ん
だ。
合罐にメチルハイドロキノン39.33g(316.9
ミリモル)、アセトアミドフェノール13.68g(9
0.53ミリモル)、テレフタル酸45.12g(27
1.6ミリモル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸2
9.36g(135.8ミリモル)、パラヒドロキシ安
息香酸12.50g(90.53ミリモル)及び無水酢
酸103.98g(1.018モル)を一括して仕込ん
だ。
【0032】次いで、窒素雰囲気下、下記の温度条件で
加熱攪拌を行い、酢酸および過剰の無水酢酸112.4
5gを溜去した。すなわち、150℃で1時間反応後、
250℃に1時間30分間で昇温して30分間保持し
た。次いで、280℃に40分間で昇温して30分間保
持した。
加熱攪拌を行い、酢酸および過剰の無水酢酸112.4
5gを溜去した。すなわち、150℃で1時間反応後、
250℃に1時間30分間で昇温して30分間保持し
た。次いで、280℃に40分間で昇温して30分間保
持した。
【0033】得られた予備重縮合物を減圧系に接続した
同種の反応容器に移送し、下記の温度および減圧条件で
重縮合反応を開始した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下にて20分間で昇温し、次いで、760mm
Hgから9mmHgに1時間で減圧した。所定の攪拌動
力に達したことを確認した後、攪拌を停止して復圧を行
った。75.2gの液晶性ポリエステルアミドを安定に
抜き出すことが出来た。η50は5000ポアズであり、
log( η100 /η1000) は0.40であった。図1
は、この液晶性ポリエステルアミドのIRテャートを示
し、図2は、この液晶性ポリエステルアミドの300℃
におけるキャピログラフによる溶融流動パターンを示
す。
同種の反応容器に移送し、下記の温度および減圧条件で
重縮合反応を開始した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下にて20分間で昇温し、次いで、760mm
Hgから9mmHgに1時間で減圧した。所定の攪拌動
力に達したことを確認した後、攪拌を停止して復圧を行
った。75.2gの液晶性ポリエステルアミドを安定に
抜き出すことが出来た。η50は5000ポアズであり、
log( η100 /η1000) は0.40であった。図1
は、この液晶性ポリエステルアミドのIRテャートを示
し、図2は、この液晶性ポリエステルアミドの300℃
におけるキャピログラフによる溶融流動パターンを示
す。
【0034】実施例2
実施例1と同様の装置において、メチルハイドロキノン
37.51g(302.2ミリモル)、アセトアミドフ
ェノール13.05g(86.34ミリモル)、テレフ
タル酸21.51g(129.51ミリモル)、2,6
−ナフタレンジカルボン酸56.00g(259.01
ミリモル)、パラヒドロキシ安息香酸11.92g(8
6.34ミリモル)及び無水酢酸99.16g(97
1.3ミリモル)を一括して仕込み、次いで、窒素雰囲
気下、下記の温度条件で加熱攪拌を行い、酢酸および過
剰の無水酢酸97.30gを溜去して予備重縮合物を得
た。すなわち、150℃で1時間反応後、250℃に1
時間30分間で昇温して30分間保持した。次いで、2
80℃に40分間で昇温して30分間保持した。
37.51g(302.2ミリモル)、アセトアミドフ
ェノール13.05g(86.34ミリモル)、テレフ
タル酸21.51g(129.51ミリモル)、2,6
−ナフタレンジカルボン酸56.00g(259.01
ミリモル)、パラヒドロキシ安息香酸11.92g(8
6.34ミリモル)及び無水酢酸99.16g(97
1.3ミリモル)を一括して仕込み、次いで、窒素雰囲
気下、下記の温度条件で加熱攪拌を行い、酢酸および過
剰の無水酢酸97.30gを溜去して予備重縮合物を得
た。すなわち、150℃で1時間反応後、250℃に1
時間30分間で昇温して30分間保持した。次いで、2
80℃に40分間で昇温して30分間保持した。
【0035】得られた予備重縮合物を減圧系に接続した
同種の反応容器に移送し、下記の温度および減圧条件で
重縮合反応を継続した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下において20分間で昇温し、次いで、760
mmHgから3mmHgに2時間30分で減圧した。所
定の攪拌動力に達したことを確認した後、攪拌を停止し
て復圧を行った。重縮合罐の底から89.3gの液晶性
ポリエステルアミドを安定に抜き出すことが出来た。η
50は1700ポアズであり、log( η100 /η1000)
は0.20であった。図3は、この液晶性ポリエステル
アミドの300℃におけるキャピログラフによる溶融流
動パターンを示す。
同種の反応容器に移送し、下記の温度および減圧条件で
重縮合反応を継続した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下において20分間で昇温し、次いで、760
mmHgから3mmHgに2時間30分で減圧した。所
定の攪拌動力に達したことを確認した後、攪拌を停止し
て復圧を行った。重縮合罐の底から89.3gの液晶性
ポリエステルアミドを安定に抜き出すことが出来た。η
50は1700ポアズであり、log( η100 /η1000)
は0.20であった。図3は、この液晶性ポリエステル
アミドの300℃におけるキャピログラフによる溶融流
動パターンを示す。
【0036】比較例1
実施例1と同様の装置において、メチルハイドロキノン
31.96g(257.5ミリモル)、アセトアミドフ
ェノール25.98g(171.9ミリモル)、テレフ
タル酸42.76g(257.4ミリモル)、2,6−
ナフタレンジカルボン酸37.12g(171.7ミリ
モル)及び無水酢酸87.68g(859.6ミリモ
ル)を一括して仕込み、次いで、窒素雰囲気下、下記の
温度条件で加熱攪拌を行い、酢酸および過剰の無水酢酸
97.8gを溜去した。すなわち、150℃で1時間反
応後、250℃に1時間30分間で昇温して30分間保
持した。次いで、280℃に40分間で昇温して30分
間保持して予備重縮合物を得た。
31.96g(257.5ミリモル)、アセトアミドフ
ェノール25.98g(171.9ミリモル)、テレフ
タル酸42.76g(257.4ミリモル)、2,6−
ナフタレンジカルボン酸37.12g(171.7ミリ
モル)及び無水酢酸87.68g(859.6ミリモ
ル)を一括して仕込み、次いで、窒素雰囲気下、下記の
温度条件で加熱攪拌を行い、酢酸および過剰の無水酢酸
97.8gを溜去した。すなわち、150℃で1時間反
応後、250℃に1時間30分間で昇温して30分間保
持した。次いで、280℃に40分間で昇温して30分
間保持して予備重縮合物を得た。
【0037】得られた予備重縮合物を減圧系に接続した
同種の反応容器に移送し、以下の温度および減圧条件で
重縮合反応を継続した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下において20分間で昇温し、次いで、760
mmHgから90mmHgに30分間で減圧した。20
0mmHg圧の時に系内に一部固化現象が観察されたが
重縮合反応を継続した。所定の攪拌動力に達したことを
確認した後、直ちに攪拌を停止して復圧を行った。重縮
合罐の底から液晶性ポリエステルアミドを殆ど抜き出す
ことが出来なかった。
同種の反応容器に移送し、以下の温度および減圧条件で
重縮合反応を継続した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下において20分間で昇温し、次いで、760
mmHgから90mmHgに30分間で減圧した。20
0mmHg圧の時に系内に一部固化現象が観察されたが
重縮合反応を継続した。所定の攪拌動力に達したことを
確認した後、直ちに攪拌を停止して復圧を行った。重縮
合罐の底から液晶性ポリエステルアミドを殆ど抜き出す
ことが出来なかった。
【0038】比較例2
実施例1と同様の装置において、メチルハイドロキノン
49.79g(401.2ミリモル)、パラアセトアミ
ドフェノール4.36g(28.8ミリモル)、テレフ
タル酸47.62g(286.6ミリモル)、2,6−
ナフタレンジカルボン酸30.99g(143.3ミリ
モル)、パラーヒドロキシ安息臭酸13.21g(9
5.6ミリモル)及び無水酢酸118.27g(1.1
59モル)を一括して仕込み、次いで、窒素雰囲気下、
下記の温度条件において加熱攪拌を行い、酢酸および過
剰の無水酢酸123.2gを溜去した。すなわち、15
0℃で1時間反応後、250℃に1時間30分間で昇温
して30分間保持した。次いで、280℃に40分間で
昇温して30分間保持して予備重縮合物を得た。
49.79g(401.2ミリモル)、パラアセトアミ
ドフェノール4.36g(28.8ミリモル)、テレフ
タル酸47.62g(286.6ミリモル)、2,6−
ナフタレンジカルボン酸30.99g(143.3ミリ
モル)、パラーヒドロキシ安息臭酸13.21g(9
5.6ミリモル)及び無水酢酸118.27g(1.1
59モル)を一括して仕込み、次いで、窒素雰囲気下、
下記の温度条件において加熱攪拌を行い、酢酸および過
剰の無水酢酸123.2gを溜去した。すなわち、15
0℃で1時間反応後、250℃に1時間30分間で昇温
して30分間保持した。次いで、280℃に40分間で
昇温して30分間保持して予備重縮合物を得た。
【0039】得られた予備重縮合物を減圧系に接続した
同種の反応容器に移送し、以下の温度および減圧条件で
重縮合反応を継続した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下において20分間で昇温し、次いで、760
mmHgから90mmHgに30分間で減圧した。所定
の攪拌動力に達したことを確認した後、直ちに攪拌を停
止して復圧を行った。重縮合罐の底から液晶性ポリエス
テルアミド68g を安定に抜き出すことが出来た。η50
は9000ポアズであり、log(η100 /η1000)は
0.54であった。図4は、この液晶性ポリエステルア
ミドの300℃におけるキャピログラフによる溶融流動
パターンを示す。
同種の反応容器に移送し、以下の温度および減圧条件で
重縮合反応を継続した。すなわち、280℃から300
℃に常圧下において20分間で昇温し、次いで、760
mmHgから90mmHgに30分間で減圧した。所定
の攪拌動力に達したことを確認した後、直ちに攪拌を停
止して復圧を行った。重縮合罐の底から液晶性ポリエス
テルアミド68g を安定に抜き出すことが出来た。η50
は9000ポアズであり、log(η100 /η1000)は
0.54であった。図4は、この液晶性ポリエステルア
ミドの300℃におけるキャピログラフによる溶融流動
パターンを示す。
【0040】実施例3
実施例1、実施例2及び比較例2で得られた液晶性ポリ
エステルアミドについて射出成形を行って成形体を得、
その成形体から試料を作製して曲げ弾性率および曲げ強
度を測定した。その結果を表1に示す。本発明の液晶性
ポリエステルアミド成形体は、TD方向の曲げ弾性率お
よび曲げ強度が優れていることが分かった。比較例2で
得られた液晶性ポリエステルアミド成形体は、実施例1
及び実施例2で得られた液晶性ポリエステルアミドに比
較してTD方向の曲げ弾性率および曲げ強度が低いこと
が分かった。
エステルアミドについて射出成形を行って成形体を得、
その成形体から試料を作製して曲げ弾性率および曲げ強
度を測定した。その結果を表1に示す。本発明の液晶性
ポリエステルアミド成形体は、TD方向の曲げ弾性率お
よび曲げ強度が優れていることが分かった。比較例2で
得られた液晶性ポリエステルアミド成形体は、実施例1
及び実施例2で得られた液晶性ポリエステルアミドに比
較してTD方向の曲げ弾性率および曲げ強度が低いこと
が分かった。
【0041】
【表1】
────────────────────────────────────
試料 成形温度 曲げ弾性率 曲げ強度
℃ ×104 kgf/cm2 kgf/cm2
MD TD MD TD
────────────────────────────────────
実施例1 300 8.1 4.3 1690 1810
実施例2 300 7.9 5.2 1660 2030
比較例2 300 7.2 2.9 1790 1300
────────────────────────────────────
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明の液晶性ポリエステ
ルアミドは、従来の製造装置により300℃以下の温度
でトラブルなく製造出来るという特徴を有するために大
量生産が可能であり、また、溶融粘度が低いために成形
性に優れ、特に、薄肉成形に好適である。そして、本発
明の液晶性ポリエステルアミド成形体は、MD及びTD
方向の弾性率および強度が高く、且つ、寸法安定性を有
する。したがって、本発明によれば、高い寸法精度が必
要とされる材料を工業的に有利に提供することが可能で
ある。
ルアミドは、従来の製造装置により300℃以下の温度
でトラブルなく製造出来るという特徴を有するために大
量生産が可能であり、また、溶融粘度が低いために成形
性に優れ、特に、薄肉成形に好適である。そして、本発
明の液晶性ポリエステルアミド成形体は、MD及びTD
方向の弾性率および強度が高く、且つ、寸法安定性を有
する。したがって、本発明によれば、高い寸法精度が必
要とされる材料を工業的に有利に提供することが可能で
ある。
【図1】実施例1において得られた液晶性ポリエステル
アミドのIRチャート
アミドのIRチャート
【図2】実施例1において得られた液晶性ポリエステル
アミドのキャピログラフによる溶融流動パターン
アミドのキャピログラフによる溶融流動パターン
【図3】実施例2において得られた液晶性ポリエステル
アミドのキャピログラフによる溶融流動パターン
アミドのキャピログラフによる溶融流動パターン
【図4】比較例2において得られた液晶性ポリエステル
アミドのキャピログラフによる溶融流動パターン
アミドのキャピログラフによる溶融流動パターン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 国際公開95/33803(WO,A1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 69/00 - 69/50
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の化学式(1)〜(5)で示される
構成単位から成り、これらのモル数をそれぞれ[1]〜
[5]で表した場合、各構成単位のモル比率が下記(I)
〜(III)の式を満足し、且つ、温度300℃、剪断速度
50、100及び1000sec -1における溶融粘度(単
位:ポアズ)をそれぞれη50、η100及びη1000とした
場合、下記の(IV)及び(V)の数式を満足することを特
徴とする液晶性ポリエステルアミド。 【化1】 【数1】 0.1≦([2]/[1]+[2])≦0.36 (I) 0.1≦([4]/[3]+[4])≦0.9 (II) 0.05≦([5]/[1]+[2]+[3]+[4]+[5])≦0.4 (III) η50≦104 (IV) log(η100 /η1000)≦0.42 (V) - 【請求項2】 化学式(1)〜(5)で示される構成単
位を与える芳香族化合物と無水酢酸とのアセチル化反応
を行った後、減圧下において350℃以下の温度で重縮
合を行うことを特徴とする請求項1記載の液晶性ポリエ
ステルアミドの製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載の液晶性ポリエステルアミ
ドよりなる成形体。 - 【請求項4】 射出成形又は射出圧縮成形により得られ
る請求項3記載の成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19530696A JP3453254B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 液晶性ポリエステルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19530696A JP3453254B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 液晶性ポリエステルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1017666A JPH1017666A (ja) | 1998-01-20 |
JP3453254B2 true JP3453254B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=16338969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19530696A Expired - Fee Related JP3453254B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 液晶性ポリエステルアミド、その製造法および液晶性ポリエステルアミド成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3453254B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11132166A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-18 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | スクロール型流体機械 |
JP2007147880A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Canon Electronics Inc | 遮光羽根およびこれを用いた光路開閉装置 |
-
1996
- 1996-07-05 JP JP19530696A patent/JP3453254B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1017666A (ja) | 1998-01-20 |
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